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仮面ライダー紺野

1 :車山:2003/10/05(日) 23:11
異常なまでの熱気で盛り上がるコンサート会場。モーニング娘。のメンバーが、ステージ上を精一杯躍動する。加入以来の不安感からようやく解放され始めた6期メンバーも笑顔でファンの声援に応えている。
いよいよ次は新曲「シャボン玉」の披露と相成った。
「ののぉ〜ッ!」
「まりっぺぇぇぇ!」
野太い歓声の中、曲のイントロが流れようとした瞬間、
(パシャン!!)
突如コンサート会場が停電したのだ。暗闇の中客席が驚きとざわめきに包まれた。
「え?何これどーなってんの?電気つかないの?」
「み、みみみんなおおお落ち付い・・・」
「ちょっと、まずカオリが落ち着いてよ!」
「あいぼん、怖いのれす〜!」
「の、ののぉ〜!」
予期せぬ自体に娘。達も困惑を隠せない。
「ま、まこっちゃん・・・」
紺野も大きな目をキョロキョロさせながら闇の中に小川の名を呼んだ。
「・・・まこっちゃん?」
すぐ近くにいた筈の小川だったが、返事は無かった。
「・・・まこっちゃん!」
(バシャッ!!)
その時、会場の電気が点いた。
スポットライトに照らし出されたステージに、小川だけがいなかった。
会場は騒然となった。
コンサートは急遽中断、娘。達はスタッフと共に控え室に集まった。
そこにもやはり、小川の姿は無い。
「ちょっと!原因不明ってどーゆーことなんですかぁ?ちゃんと説明してくださいよぉ!」
「ま、まぁまぁ矢口、ここは冷静になって・・・」
「これが冷静にしてられるわけ?それとも何?なっちは小川の事が心配じゃないの?」
「べ、別にそーゆーつもりじゃ・・・」
「・・・と、とにかく!」
諍いを遮るようにして飯田が立ち上がった。
「みんなで手分けして、小川を探しましょう!」

2 :車山:2003/10/05(日) 23:13
娘。達による会場内の小川の捜索が始められた。すでに観客は全員会場を後にしており、発見は時間の問題と思われた。しかし、会場内のありとあらゆる個所をくまなく探したが小川の姿は依然見つからない。
「まこっちゃぁ〜ん!」
「どこなのぉ〜!」
冷たいコンクリートの壁に必死の呼びかけが響く。紺野はステージ裏の機材倉庫にいた。暗闇の中をわずかな光を頼りに奥へ奥へと進んでいく。
(こ、怖いよぉ・・・まこっちゃん、早く出てきて〜!)
(グイッ)
「きゃああああああああああああ!!!」
(バターン!!)
電気コードに足を取られて転倒したのだ。紺野の周りに埃が高く立ち上がった。
「つつ・・・」
紺野は急いで立ち上がろうと壁に手をついた。するとその時、
(ガチャッ)
「・・・へ?」
(ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・)
何かのスイッチが入るような音と共に、紺野の目の前の床がスライドした。
「え?何これ!どうなってんの・・・!?」
(ズズゥ・・・ン)
何と、そこには地下階段が現れていた。偶然、壁にあった作動装置に手を触れたのだろう。下方から光が漏れ出している。どうやらこの先には地下室のようなものがあるらしい。
「もしかしたら、まこっちゃんはここに・・・!」
突然の事態にしばらく呆気に取られていた紺野だが、気を取り直すと階段を一歩一歩下っていった。
急な階段だったが、何とか無事に下り降りると、光が大きく広がった。
「こ・・・これは一体!?」
紺野は目の前の光景に唖然とした。
そこにあったものは、巨大なコンピュータの群れだった。体育館ほどの広さの部屋に隙間無く、ぎっしりと詰め込まれている。しかも、どれもが今までに目にした事の無いような高度な技術で築き上げられているのだ。紺野の理解をはるかに超えたものがそこにあった。
誰もいないのを見計らうと、恐る恐ると中へ足を踏み入れてみた。
「何かの研究所・・・?」
紺野はふとコンピュータのモニターに目をやった。
「<Project MASKED RIDER>・・・?」
そこには一枚の設計図がはっきりと映し出されていた。
「こ、これは・・・!?」
紺野は言葉を失った。
描かれていたのは、奇妙なマスクと特殊スーツを身にまとったバッタ型の改造人間だった。
ベースとなる人体に、人工筋肉・人工臓器・人工骨格を始めとするメカニズムが複雑に組み込まれている。それも、明らかに戦闘用のものだと分かった。
紺野は恐怖に震えた。冷や汗が止まらない。
(見てはいけないものを、見てしまった・・・)
「な、何なの、これ・・・どういう・・・グッ・・・!!・・・!!・・・・・・」
不意をつかれ、何者かに薬を嗅がされたらしい。後をつけられていたのだろうか。
(・・・ドサリ)
間もなく紺野は意識を完全に失ってしまった。

3 :名無し募集中。。。:2003/10/05(日) 23:36
 のっけから面白そうな展開だねぇ。リアル設定でのライダーってこれが初かな?
ガンガッテね。

4 :名無し娘。:2003/10/05(日) 23:51
狩狩のライダーですね。これからどうなるのか?
期待するよぉ!

5 :名無し娘。:2003/10/06(月) 14:35
羊から来たけど面白そうな話でつね。期待してまつ。

6 :名無し娘。:2003/10/06(月) 15:45
小川がオルフェノクだとすると・・・なんになるんだろう

7 :名無し娘。:2003/10/06(月) 20:35
>>6
リアル設定らしいからオルフェは出てこないと思う

8 :名無し娘。:2003/10/06(月) 22:09
 つぅか改造人間だから世界観的には昭和ライダーに近いんじゃないかな。
「怪人」は出てきてもオルフェノクはないと思うね。ともあれ、ガンガレ。

9 :車山:2003/10/07(火) 02:06
敵組織の名前で悩んでます・・・

10 :名無し娘。:2003/10/07(火) 02:08
   ☆ チン     マチクタビレター
  ☆ チン  〃∋oノハヽ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ヽ ___\川o・-・)<   つづきまだですか〜??
      \_/⊂ ⊂ _)  \__________
    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄./|
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
   |           |/
     ☆ チン     マチクタビレター

11 :車山:2003/10/07(火) 02:11
>>10
出来てるんですけど>>9だけちょっと・・・

あと、そんな毎日は書けないかも知れませんが、なるべく頑張ります

12 :名無し娘。:2003/10/07(火) 02:12
>>10
あせるな まだ2日しか経ってない

13 :名無し娘。:2003/10/07(火) 09:38
>>9
正式な名前のない組織もありますよ。
例えば「変身忍者嵐」の“西洋妖怪軍団”とか、
「雅楽戦隊ホワイトストーンズ(ttp://www.htb.co.jp/suzuinosu/)」の
“悪の秘密結社&ネオ悪の秘密結社”とか。

14 :名無し娘。:2003/10/07(火) 10:29
>>13
 「真・仮面ライダー」の「財団」なんていうのもありますしね。でも、名前を出さない
不気味さって言うのもあるかも。

15 :名無し娘。:2003/10/07(火) 17:38
歴代ライダーの敵組織を参考にすればおのずと見えてくるんじゃ

16 :車山:2003/10/07(火) 23:06
最初はまんま「ショッカー」で行こうかなと思ったんですが

17 :名無し娘。:2003/10/07(火) 23:57
とりあえず「組織」とか「結社」とかでいーんじゃないの。
これなら後でどうにでも転がす事が出来るしさ。

18 :名無し娘。:2003/10/08(水) 00:02
全体的に軍隊色が強いよな
今のはそうでもないけど

19 :車山:2003/10/08(水) 00:24
(まこ・・・ちゃ・・・・)
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「目覚めよ・・・」
「・・・目覚めるのだ、紺野あさ美!貴様は今一度、生まれ変わるのだ・・・!」
「う・・・こ、ここは・・・!?」
紺野は目を覚ました。仰向けに寝かされ、いくつもの円形の照明に眩しく照らし出されていた。未だぼんやりした意識のまま、重い身体を起こそうと手足を動かしてみるが、びくともしない。見ると大きな手術台のようなものに全身を太い鎖で繋がれているではないか。
白衣を纏った三人の科学者達が動揺する紺野を見下ろしていた。
「あ、あなた達は何者です!!私を一体・・・どうしようというんですか!?」
「優れた頭脳と肉体の持ち主のみが、わが秘密結社の一員となることができる・・・」
室内のスピーカーから先ほどの不気味な声が聞こえてきた。
「世界中のあらゆる国に組織を持ち、選ばれた者のみを組織に加える。やがて、その他の無能な人間どもは家畜のごとく我々の意のままに動く事となる・・・」
「そ、そんなバカな!!」
紺野は憤慨した。
「人間は全て平等です!今こそ人類愛が必要な時だというのに・・・それを家畜のように支配するなんて、私はごめんですッ!!」
「ククク・・・紺野よ、もう遅いわ。貴様は既に首の下まで結社の一員となっているのだからな・・・!」
「な、何ですって・・・!?」
「貴様は、新型改造人間<System MASKED RIDER>の実験素体となり、結社の誇る科学者グループによって、改造手術を施されたのだ!!」
(<MASKED RIDER>・・・まさか、あの時の!?)
「身体能力の高いバッタ型改造人間に、専用強化スーツを適応させる事で、通常の人間の数十倍にも及ぶ強大な力を発揮する事が出来る・・・!!」
紺野は手術台に縛り付けられた自分の身体に慌てて目をやった。緑色の重厚なプロテクターと一体化した黒いライダースーツに、特別な繊維で作られているらしいグローブとブーツを装着されている。首には赤いマフラーが巻かれていた。まさにあの設計図どおりだった。
「う・・・嘘でしょ!?」
「フフフ・・・おい、信じざるを得んよう見せてやれ」
声に促され、1人の科学者が手術台に繋がれたコンピュータを操作し始めた。
「これから5万ボルトの高圧電流を流す。普通の人間なら一瞬にして黒焦げの死体となるが、改造されたお前の身体には・・・」
(カシャン!バリバリバリバリバリ・・・・・・)
「きゃああああああぁぁぁぁぁ!!!」
紺野は激痛のあまり目をむいて叫んだ。苦しい。身体が破裂してしまいそうだ。
「・・・火傷一つ残らない」
「痛みを感じるのは、頭脳改造手術が行われていない為だ・・・」
「頭脳改造が済めば・・・お前は我々の命ずるままに動くことになる」
「い、いやだ・・・そんなのいやだあああぁぁぁ!!」
「騒いでも無駄だ!!直ちに紺野あさ美の頭脳改造手術を開始せよ!」
スピーカーの声に頷き、科学者達は紺野の顔にゆっくりと手術用メスを近づける。
「ぎゃあああぁぁぁぁ!!やめてぇ・・・助けてえええぇぇぇぇぇ!!」
狂ったように泣き叫ぶが、誰も助け来るはずが無い。鋭いメスの先端が紺野の柔らかい頬に触れた。
「うああああああぁぁぁぁぁ!!!」

20 :車山:2003/10/08(水) 00:26
(ビーッ!!ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!・・・)
その時、突然赤いサイレンと共に警報機が部屋中やかましく鳴り響いた。驚いた科学者はメスを置き、様子を伺う。大変取り乱した様子で手術室に放送が入った。
「神(ゴッド)・・・大変です!!生体実験中の『0号』が突然暴れだし、科学者2名、警備兵3名を殺害して逃走!!現在、基地内を破壊しながらそちらに向かっています!!」
「馬鹿者めが!!とんだヘマをしおって・・・急いで確保しろ!!最悪の場合は抹殺しても構わん!!」
スピーカーの声が途端に大きくなった。
周囲が騒がしくなった。奥の扉から、銃を持った黒い衣装の兵士達が次々と駆け出して行く。紺野を囲んでいた科学者達も緊急配備のために手術室を急いで出て行った。紺野は1人取り残されてしまった。
「く・・・ま、待ちなさい!私を・・・!」
紺野は無意識にその身を起こそうとした。すると、
(ブツッ、ブッ、ブツッ・・・チャリ、ジャリィン・・・)
「く、鎖が・・・切れた!?それじゃ、本当に私の身体は・・・」
自ら思い知った残酷な事実に紺野は愕然とするしかなかった。しかし、窮地に追い込まれている今は、弱音を吐いてばかりはいられない。
(きっと、さっき実験用に流された高圧電流のおかげで、体内の人工組織が作動したんだ・・・)
(バッ!バシッ!バッ!・・・)
手術室の電子機器がショートし始めた。例の「0号」の仕業だろうか。基地内は完全に混乱している。
「今のうちに・・・早くここを脱出しなくては・・・!」
(ガシュン!)
「・・・・・・?」
(ガシュン!)
「な・・・!!」
(ガシュン!)
爆音と物凄い衝撃と共に、ロックされていた手術室の鋼鉄製の扉がグニャグニャにへこんでいく。おそらくは「0号」が扉の向こう側からこれを破壊しようとしているのだ。
(ガシュン!)
今度は拳のような形がしっかりと浮き出てきた。
(これが・・・『0号』なの!?)
紺野は言い知れぬ恐怖を覚え、思わず後ずさりした。扉の向こうでは最後の拳が振り上げられた。
(バッキャアアアァァァァン!!)
遂に扉の中央に大きな穴が開いた。緑色をした、見るからに不気味な腕がうごめいていた。穴の縁に両腕をかけ、力任せに扉を破り裂いた。真っ赤な眼が紺野をしっかりと見据えていた。
背後には先ほどの戦闘兵や科学者の死体が血の海に浸っている。
「あ、あぁ・・・!!」
バッタ型改造人間「0号」の脅威を前に、紺野は立ち尽くした。
(わ、私も・・・殺される)
「ギ・・・ギ・・・」
「0号」は妙なうめき声をあげながら、ゆらゆらと手術室に進入して来た。途中で例の兵士たちの攻撃を受けたのだろう、身体の所々から血を流している。疲労も激しいようだ。
「こ、来ないで・・・殺さないでぇ・・・!!」
紺野は恐ろしさのあまり床にへたれ込んでしまった。1メートルほどの距離を残して「0号」は立ち止まった。紺野を見つめている。
「や・・・いや、助けて・・・!!」
「ギ・・・あ、あさ美・・・ちゃ・・・ん」
「・・・・・・は!?」
紺野ははっと気付いて「0号」を見上げた。バッタの鋭い牙の間から確かに聞き覚えのある声がした。それは、紺野が捜し求めていた声だった。
「私・・・ま・・・こ、と・・・」
そういい残すとバッタ人間はその場に崩れた。

21 :名無し娘。:2003/10/08(水) 00:37
今回の更新分は雰囲気だけなら「真」っぽいね。オモシロカタヨ。

22 :名無し娘。:2003/10/08(水) 00:37
昭和色か
0号コワイヨー

23 :名無し娘。:2003/10/08(水) 00:40
変なところで切れてしまった・・・。
>>21の続き
 今後どんなストーリーが展開するかは判らないし、あんまりコレっぽい、って
決め付けはしたくなかったんで「雰囲気だけなら」って入れたわけだけども、
車山タンはどの辺を意識しているのかチョト興味のあるところ。

24 :名無し娘。:2003/10/08(水) 00:46
パロディでないならオリジナルを意識しすぎず独特の色を出して欲しい

25 :車山:2003/10/08(水) 00:56
>>23
>>22のように昭和色で行きたいです。個人的に好きです・・・
リアルにしたいです

26 :名無し娘。:2003/10/08(水) 01:24
改造寸前の紺野の叫びがリアルで怖いっす

27 :名無し娘。:2003/10/08(水) 06:45
おぉ凄い。読ませるね。期待が高まって来てる。

28 :名無し娘。:2003/10/08(水) 09:28
どのライダーにもヒットしない、オリジナルのライダーになるのかな?

29 :名無し娘。:2003/10/08(水) 20:06
0号がいいですね

30 :名無し娘。:2003/10/09(木) 05:52
何故か、ブラックとシャドームーンを思い出した・・・(つД`)

31 :車山:2003/10/16(木) 00:03
最近更新無くてすいません・・・

32 :名無し娘。:2003/10/16(木) 00:26
続けてくれるのならゆっくりでもいいよ。
しばらく動かなかったからやめちゃうのかと思ったよ。
続きも楽しみにしてるのでガンガレ!

33 :車山:2003/10/16(木) 01:15
緑褐色のボディは次第に変化し、そこには真っ白い素肌の少女の姿が現れた。実験被験者用のものと思われる薄いローブを血に染めている。
「まこっちゃん!!」
紺野は傷だらけの小川のもとに駆け寄ると、小さな肩を抱いた。
「まこっちゃん・・・しっかりして!!」
「く・・・う・・・」
小川は紺野に支えられ、よろよろと立ち上がった。
「わ、私の事なら心配しないで・・・それより、追手がもうすぐ来ると思う。い、急いで・・・!!」
「で、でもどうやって・・・!?」
「あそこ・・・」
小川は紺野のはるか頭上を指差した。
「あの硝子の天井を破れば・・・出口のすぐ側に出られる」
紺野は目を見張った。目測で数十メートルは裕にある。普通ならばクレーン車でも使わない限り、到底届きはしない高さだった。
「と、とんでもない!!あんな高い所に・・・!?」
「忘れたの!?あさ美ちゃんの身体は・・・!!」
「・・・・・・!!」
(カンカンカンカンカン・・・)
無数の足音が近づいてきたかと思うと、扉の穴から追手の戦闘兵が駆け込んできた。
「むっ!?」
紺野は小川をぐいっと抱きかかえると、思い切りジャンプした。
「こ、紺野が・・・逃げたぞ!!」
(ガシャアアアァァァァァン!!)
紺野の着地と同時に、階下の手術室には硝子の破片が土砂降りの雨のように降り注いだ。
「逃がすな、捕まえろ!!」
「神」から荒々しい声で指示が飛び、警報機がやかましく鳴り響いた。
「ま、まこっちゃん・・・」
「だ、大丈夫・・・出口は、あそこだよ」
出口はすぐ目の届く距離に位置していた。2人は一目散に駆け出した。
「すぐ近くのマシン格納庫に『サイクロン』が・・・『System MASKED RIDER』専用の改造オートバイがあるはず・・!」
「うむっ!?」
その時、付近を守っていた1人の警備兵が紺野達に気付いた。ライフル銃をこちらに向け迎撃してくる。紺野は走る速度を上げ、無我夢中で向かっていった。飛び上がり、首筋に向けて空手の手刀を浴びせた。
(グギッ・・・ズガガガガガ・・・)
首が折れる鈍い音と共に、銃の引金を引きながら兵士は絶命した。彼が残り僅かの命をかけて発射した銃弾は通路の壁を撃ち続けて尽きた。
「うっ・・・」
紺野は酷くうろたえた。
一つは、生まれて初めて人を殺したこと。もう一つは、たった一撃で人を殺してしまえるようなパワーが自分にはあること。
紺野は先ほど叩き下ろした右手をじっと見つめた。自分が目で見たところで分かるはずは無かったが、この人工皮膚の下には秘密結社の恐ろしい野望が隙間無く詰まっているのだ・・・そう考えると悔しくて悔しくてたまらなかった。一瞬、死にたくなった。
「な、何してるの・・早く!!」
気付くと、小川は既に向かいの格納庫から「サイクロン」を持ち出してきていた。紺野は背後の転がる死体を気にしながら、駆け出した。
「あさ美ちゃん!これを・・・」
小川が「サイクロン」の座席シートを開けると、見覚えのある仮面(マスク)が内蔵されていた。小川はそれを取り出すと、素早く紺野の頭部に取り付けた。
「この仮面に内貼りされているメカニズムから特殊な電波が発信され、それがあさ美ちゃんの脳波と同調し、肉体に組み込まれた人工内臓を作動させるスイッチになるの」
「第二の皮膚」が紺野の服と密着し胸筋を開き、人工筋肉に連動する。
「・・・急ごう」
2人を乗せた「サイクロン」は猛スピードで発進した。
「2人とも殺しても構わぬ!!絶対に外へは出すな!!」
「神」も躍起になって捲くし立てる。
「撃てっ!!撃ち殺せええぇ!!」
(ガガガガガガガガガガガガガガ・・・)
態勢を立て直した兵士達が追撃を試みライフルを乱射するが、時速500キロの超高速走行を続ける「サイクロン」を捉える事はもはや不可能だった。
紺野と小川は、脱走した。

34 :名無し娘。:2003/10/16(木) 06:46
ハードボイルドやね。イイヨイイヨー

35 :名無し娘。:2003/10/16(木) 08:19
小川が緑色なのがワロタ

36 :車山:2003/10/19(日) 01:57
数時間後、2人は廃業した造船所を隠れ蓑にアジトを確保していた。
「『やつら』秘密結社は・・・乱れきったこの社会を住みやすくするための一種の革命集団なんだって教えられた」
「革命集団・・・か、ある意味ではそうかもね」
「・・・だから、無益な闘争心を無くし、秩序正しい平和で穏やかな世界を作るんだって・・・」
「何が・・・平和で穏やかなもんか!」
紺野は唇をきゅっと噛み締めた。
「確実なのは、『やつら』の大儀に踏み砕かれて、その命を・・・人生を・・・家族を奪われる無実の人々が数え切れないほどいるってこと・・・!」
「・・・誰かが秘密結社の野望にストップをかけなきゃいけない!!誰かが・・・人間を奴隷にして、世界を独裁支配しようと企んでる『やつら』と戦わなきゃならないんだ!!」
「そして、その誰かは・・・今のところ私達以外には、いない・・・」
小川は切り裂かれるような胸の痛みに襲われた。
あの日、コンサート中に会場を停電させ、小川を誘拐したのはやはり『やつら』の仕業だったのだ。例の地下研究施設に監禁され、「System MASKED RIDER」試作素体「0号」に改造されてしまったのである。
紺野もまた同様に実験素体「1号」に改造され「訓練室」に入る予定だった。
「『やつら』は命に、こだわってるみたい」
「・・・命?」
「殺戮を繰り返す一方で、自分たちを命の守護者と言ってる。『やつら』は、戦力である改造人間・・・動植物の力と、人間を合成して生み出されるキメラに対して異常な執着を見せるんだ」
「魔術、みたいなもの?」
「それが『やつら』の・・・秘密結社上部の隠された理念のような気がする。きっと科学的合理精神なんかからは最も遠い・・・」
(シャアアアアァァァァァ・・・)
「・・・む!?」
(・・・シャッ!!)
「!!」
「ああっ!!」
突如、天井から蜘蛛の糸が小川に絡み付いてきた。華奢な身体をとてつもない力で締め上げる。脱出しようともがくほど、糸はさらに強力に小川を圧迫する。
「ぐ・・・!!ぐあああぁぁぁ!!」
「ま、まこっちゃん!!」
(グウウウ・・・ゥゥゥン)
蜘蛛の糸に包まれた小川が勢い良く引き上げられた。天井には8本の手足をもつ不気味な怪人が張り付いていた。
秘密結社の改造人間「蜘蛛男」だ。
「しまった!!」
気付いた時には、怪人は既に採光窓を破って、造船所の屋根へと上がって行った。紺野も慌てて外へと駆け出した。
「ふふふ・・・ふふふふふ・・・」
蜘蛛男が紺野の頭上で嘲笑を浮かべていた。糸の塊となり気を失った小川を脇に抱えている。紺野が飛び出してきたのを見届けると、埠頭の倉庫群の屋根を飛び移りながら姿を消してしまった。間もなく、少し遠くの方で自動車の発進する音がした。
「う・・・う・・・くそっ!!」
紺野の顔に改造手術の傷跡が浮かび上がる。怒りが紺野の顔の、全身の傷跡をよみがえらせるのだ。
紺野は踵を返し、アジト奥に隠してあった「サイクロン」の元へと急いだ。仮面と強化スーツを素早く装着し、固定する。「System MASKRED RIDER」は防御、倍力、知覚といった多くの機能の拡大をこの仮面と強化スーツに依存するのだ。
(この仮面だけが、傷跡を・・・心を・・・隠してくれる)
コックピット横のボタンを押し「サイクロン」を変形させると、勢い良く発進させた。
(バルルル・・・ババババ・・・・・・)
(ピッ!ピッ!ピッ!・・・)
仮面中央の複眼(レセプター)が改造人間特有の脳波を感知する。
「・・・奴はまだ・・・4キロも離れてはいない」
(チッチッチッ・・・)
「北北東・・・こっちだ!!」
強烈な向かい風も苦にせず、「サイクロン」がいよいよ最高速度に達した。
(風よ、叫べ!!風よ、唸れ!!私の身体の中で渦を巻け、嵐になれ!!大自然のエネルギーが、この私の力だ!!)
猛々しい風音と共に、ベルト中央に据え付けられた赤い風車「タイフーン」が高速回転を始めた。

37 :名無し娘。:2003/10/19(日) 12:39
最初の怪人が蜘蛛男とは……、作者殿はわかってらっしゃる( ̄ー ̄)ニヤリ

38 :名無し娘。:2003/10/19(日) 13:51
となるとイカもヘビも出るのか

39 :名無し娘。:2003/10/19(日) 15:50
こんな感じか?
http://homepage3.nifty.com/maccha/source/kon3752.jpg

40 :車山:2003/10/20(月) 22:16
>>38
イカは出ないと思いますw オリジナルも出したいです・・・

41 :車山:2003/10/22(水) 00:08
「蜘蛛男」と小川らを乗せた自動車を捉えると、紺野は「サイクロン」を強引に前方に回り込ませた。自動車は急停車し、それと同時に前後のドアから「蜘蛛男」配下と思われる5名の「戦闘員」が踊り出てきた。
顔からつま先まで光沢のある黒いスーツが全身を覆っている。「System MASKED RIDER」のそれと比べれば性能は大きく劣るが、身体を守り、筋力を増幅する強化服だ。
紺野は勢いをつけ「戦闘員」の只中に飛び込んだ。右の拳で1体、大きく振るった左手の手刀で連続して2体、助走をつけながらの右回し蹴りで1体、その勢いのまま放った飛び蹴りで1体。
すれ違いざまの1秒弱で全員を殲滅した。
「ふふふふふ・・・・」
佇む紺野を前に、不気味な笑い声と共に「蜘蛛男」が後部座席からのっそりと現れた。
「ふはははははは!!素晴らしい・・いい性能だ、『紺野あさ美』!!」
「・・・いえ、違います」
「!?」

「私は・・・『仮面ライダー』です」

(ひゅうひゅうひゅうひゅう・・・)
2人の改造人間の間を、煽るように風が吹きぬけた。「タイフーン」の回転が極限に達したのを合図に、「仮面ライダー」は地面を蹴った。風の速さで「蜘蛛男」に迫る。
右足の蹴りが、まさに目に見えない速さで「蜘蛛男」に打ち込まれた。赤いラインの強化服に包まれた「蜘蛛男」の身体は数十メートル飛び、落下した。
その反射神経、人工筋肉を駆動するスピードにおいて「仮面ライダー」を凌駕する改造人間は存在しない。彼女はそもそも、「秘密結社」の最新型改造人間「System MASKED RIDER」として生み出された存在だ。
一般社会が認知しているより数十年先の技術力を隠匿している「秘密結社」にあってもなお、未知のノウハウを投入され完成された、悪魔的な科学の到達点にして、唯一無二の芸術作品なのだ。
「蜘蛛男」は両腕を掬うようにして、手の甲に備えた2本の巨大な爪を投擲した。彼自身の速度に筋力が上乗せされ、音速に迫るスピードをもった。しかし、それらは「仮面ライダー」の身体を貫く事無く、虚空に消えていった。
「仮面ライダー」は「蜘蛛男」の直上、数十メートルの上空にいた。「蜘蛛男」はその姿を目にすると、造船所のアジトで小川を締め上げた、あの鋼よりも強い特殊繊維製の糸を吹き付けた。
(しゅるっ)
「・・・・・・」
(ざああああああああぁぁぁぁぁぁ)
「おおおお・・・!!」
(ギュル・・・ギュルルルルルル)
「な・・・にぃぃぃぃ!?」
「仮面ライダー」は空中でドリルのように身体を超高速回転させ、「蜘蛛男」の糸に絡まる事無くそれを粉砕させたのだ。「蜘蛛男」には、もうなす術が無かった。
「ライダァァァァァァ・・・キィィィィィーーーーック!!」
流れ星のごとく降り落ちた「仮面ライダー」の脚が、「蜘蛛男」の胸を抉るように貫いた。

42 :車山:2003/10/23(木) 23:40
不評なのかな・・・

43 :名無し娘。:2003/10/23(木) 23:58
レスしないでROMってる奴だっているだろうよ。
最初はレスがあったんだから大丈夫。・・・・と俺は信じてがんばってるよ。

44 :名無し娘。:2003/10/24(金) 01:57
ストーリーを大切にしたいから、みんなそれなりに気を使ってるんだと思うよ。

45 :名無し娘。:2003/10/24(金) 09:21
期待してる人、その1参上

46 :名無し娘。:2003/10/24(金) 13:14
その2見参!

47 :名無し娘。:2003/10/24(金) 14:49
その3剣山!

48 :名無し娘。:2003/10/24(金) 17:36
その4,期待してるマン検算!

49 :名無し娘。:2003/10/24(金) 18:22
>>48
君に期待してる人4号の名を贈ろう!で、俺は期待してる人Xになるのかな?

50 :名無し娘。:2003/10/24(金) 18:37
その5健さん!

51 :名無し娘。:2003/10/24(金) 19:15
期待してる人アマゾン三畳!

52 :名無し娘。:2003/10/24(金) 19:26
結構見えないところに読者がいるもんだから、
あんまりレス数は気にしないほうがいい
ネタと違うんだし

53 :車山:2003/10/25(土) 01:47
>>52
そうですねえ

・・・蜘蛛男ショボすぎでしたねw すいません
脳内ではかなりストーリー固まってます。これを上手く書けるかが心配です・・・

54 :期待している人その名無し:2003/10/27(月) 22:24
 つーか、狩狩のスレッドだから羊や狼より頻繁に
更新されることないんで本当に気が向いた時にしか
こないからなぁ・・・

55 :車山:2003/10/29(水) 00:10
(ひゅうううぅぅぅ・・・びゅうううぅぅぅ・・・)
「・・・風の音が聞こえる・・・」
「仮面ライダー」は鏡に映る姿を見つめ呟いた。郊外に設けたアジトのガレージ内である。
「・・・体の中を駆け巡る・・・残ったエネルギーの雄叫びが聞こえる!う、う・・・」
マフラーの下にある仮面と強化服とを固定するストッパーを解除する。
「・・・この顔!!」
緑色の仮面に両手をかけ、ゆっくりと確かめるように脱ぐ。
「この顔が、今の私の本当の顔だ!そしてこの顔が・・・」
仮面を脇に抱え、改造人間「1号」は鏡を見つめた。
「・・・怒りや悲しみが傷跡を浮かび上がらせるこの顔が・・・偽物の顔なんだ!」
暗闇のガレージに紺野の白い顔だけが、ぼんやりと浮かび上がる。
「・・・今の私は・・・人間であって人間でない!」
「サイクロン」のシートに仮面を収納すると、両手をついて項垂れた。
「この体の中には、『やつら』の手で様々な人工組織が埋め込まれている!普通の人間の何倍もの能力を発揮するための人工筋肉や骨や心臓が組み込まれている!」
紺野は、強化服を乱暴に床に脱ぎ捨てた。雪のような真っ白い素肌が現れる。
「・・・うっかりすると、握手した相手の手さえも握りつぶしかねない・・・まるでバケモノのような恐ろしい力・・・!」
まるで他人のものであるかのような身体を、紺野は震わせた。
「・・・だから『紺野あさ美』のこの顔は・・・改造人間(サイボーグ)『仮面ライダー』の”仮面”に過ぎないんだ!!」
紺野はぎゅっと拳を固めた。
「・・・私は人間であって人間でない」
すでに真夜中だった。淡い月明かりが「サイクロン」の白いカウルを妖しく撫で上げる。
「しかも、私達の同類と呼べる『怪人』達は・・・全て敵になる運命になっている!」
紺野は淋しくてたまらなくなった。
「・・・私は、この広い世界にただ1人なんだ!」
「う、う・・・・・・ん」
「いや・・・2人か・・・」
小川の意識が戻りかけている。「蜘蛛男」に監禁されている間、強力な麻酔で昏睡状態にさせられていたのだ。紺野はあどけない小川の顔をじっと見つめた。
彼女もまた、改造人間「0号」として悲劇的な運命を背負うことになった「秘密結社」の被害者である。小川を抱きかかえると、紺野はガレージの階段を一歩ずつ上がっていった。
「・・・私達は戦わねばならない!戦いつづけなければならない!世界を支配しようとしている『やつら』に立ち向かえるのは、私達『仮面ライダー』だけなのだから・・・!!」




第1話 END

56 :車山:2003/10/29(水) 00:13
第1話

>>1 >>2 >>19 >>20 >>33 >>36 >>41 >>55

57 :名無し娘。:2003/10/29(水) 11:31
オモロイ

58 :名無し娘。:2003/10/29(水) 16:14
成る程、原作漫画版がベースか・・・。

59 :名無し娘。:2003/10/29(水) 16:43
そのうち2号も出るんだろうな・・・期待

60 :期待してる人4号:2003/10/29(水) 18:20
更新乙

他のメンバーは必死になって2人を捜してるのだろうか

61 :名無し娘。:2003/10/29(水) 18:30
>>60
結構時間経過してるんじゃない?

62 :名無し娘。:2003/10/29(水) 19:12
シビアだな

63 :車山:2003/11/01(土) 01:17
敵組織の名前もう「ショッカー」にしてもいいですか?書きにくくなってきたんで

64 :名無し娘。:2003/11/01(土) 01:29
いーんじゃねぇですか。
つか、そんなのいちいち読者にお伺い立てなくても、
書き手がビシバシ勝手に決めていい事よ。

65 :名無し娘。:2003/11/01(土) 13:08
んだんだ、作者タンの好きなようにやるべさ

66 :車山:2003/11/01(土) 21:05
>>64-65
はぁ

67 :車山:2003/11/02(日) 23:50
>>63
もう少し考えるか・・・

68 :名無し娘。:2003/11/02(日) 23:53
作者の好きなように書いていいだろ、普通

69 :名無し娘。:2003/11/03(月) 11:00
まぁまぁ、期待しましょうや

70 :車山:2003/11/03(月) 16:12
「お疲れ様でしたぁ〜」
深夜、いつものように矢口は原宿の自宅マンション近くで車を降りた。都内有数の高級マンションに最近、引っ越したのだった。
「それにしても・・・紺野と小川・・・」
矢口はどうしても納得がいかない事があった。一ヶ月前、謎の失踪を遂げた「モーニング娘。」のメンバーの事である。
社長からは、2人は「芸能留学」でヨーロッパに長期滞在していたと聞いた。「あの日」のコンサート中の出来事はやはり何かの偶然で、紺野と小川は直後に体調不良を訴えたので病院に運んだのだと言う。
留学は極秘のうちに決定され、娘。メンバー内にも知らされる事は無かったらしい。
しかし、2人は復帰後、頻繁に奇妙な話を親しいメンバーに打ち明けていたのだ。
(一体何なんだよ・・・『秘密結社』の『世界征服』がどうのってさぁ・・・子供番組じゃ無いんだから)
矢口もまた、2人の告白を全く信じてはいなかった。
(くだらねー、ヨーロピアンジョークのつもりだろ・・・)
矢口はエレベーターで9階に上がると、912号室の前に立った。そこへフラフラと中年男性が歩み寄って来る。
「・・・・・・」
「あ、あれ?隣の村井さんじゃないっすか・・・どうしたんです?こんな夜中に・・・」
「・・・・・・」
「や、やだなぁ・・・そんな押し黙ってちゃ怖いですよぉ」
「・・・・・・」
(ポンポン)
「ん・・・おわあぁぁ!う、上本さんまで!ビックリするじゃないですかあ〜!」
さらに背後に現れた老婦人に肩を叩かれ、矢口は飛び上がった。
「い・・・いい一体何なんですか!?こんな時間に何の用・・・・・・って・・・え・・・・・・!?」
矢口は金縛りに遭ったように、その場から一歩も踏み出す事が出来なかった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
いつの間にか、マンションの全住人が矢口を取り囲んでいたのだ。
「・・・ど、どうしたん、です、か・・・皆、さん・・・!?」
「・・・・・・ぎ・・・」
「・・・!!」
彼らの口元でギラリと光るモノに矢口の目は釘付けになった。
「・・・・・・があぁ!!」
住人たちは鋭い牙と爪で、矢口目掛けて一斉に襲い掛かった。
「きゃああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
(ガッ・・・)
「ひぃ・・・!!」
「村井」が矢口の首筋に思い切り噛み付いた。程無くして矢口はドサリと崩れた。
「ひひひ・・・くくく・・・」
「ふふふ・・・ぐげげ・・・」
「けけけ・・・」
「キキキ・・・よし・・・!」
天井から逆さまにぶら下がった「蝙蝠男」は作戦成功を見届けると、無気味に笑ってみせた。

71 :名無し娘。:2003/11/11(火) 09:07
怪人ろくろ首参上。
首を長くして更新待ち。

72 :車山:2003/11/11(火) 22:58
>>71
今週忙しすぎまして・・・来週になるかもです

73 :名無し娘。:2003/11/15(土) 00:25
羊で紹介されてたので来てみたけど、面白いよ。ガンガッテ。

74 :車山:2003/11/15(土) 20:05
「大事な話って何だろう?しかもこんな夜中に・・・」
お気に入りの腕時計は既に深夜1時を指していた。約20分ほど前、小川は突然矢口に呼び出されたのである。鋭く切り裂くような冷たい風が小川の頬を張り付けていた。マンションの手前まで来て、小川は妙なことに気付いた。
「どこも・・・電気点いてないじゃん?矢口さんのマンションて確かにここだよな・・・寝ちゃったのかな?いや、まさか・・・」
首を傾げていると、携帯電話が鳴り出した。矢口からの着信だった。
「もしもし・・・矢口さん?」
「・・・・・・来たね・・・・・・」
「は?・・・え、ええ」
「・・・・・・早く来てよ・・・・・・」
(パッ)
「・・・あっ」
9階の一室だけ、明かりが点灯した。おそらくは、あそこが矢口の部屋なのだろうか。
「・・・・・・待ってる・・・・・・ヒヒヒ(ブツッ!)」
(ツー、ツー、ツー、ツ・・・)
「・・・や、矢口、さん・・・?」
携帯電話を握ったまま、不信感に駆られ眉をひそめた小川だったが、今さら怖気づいている訳にもいかず、1通メールを送ると早速マンションに向かった。

75 :車山:2003/11/15(土) 20:06
9階でエレベーターを降りると、長い暗闇の先に外灯が点っているのが確認できた。912号室だ。不気味な廊下を早足で通り過ぎると、呼び鈴(チャイム)を鳴らす。
(ピンポーン・・・)
「矢口さぁん、小川です〜」
(ピンポーン・・・)
「・・・や・・・矢口さ〜ん?」
(ガチャッ!)
「わ・・・!」
「・・・・・・」
「び・・・びびびびっくりするじゃないですかぁ!急にドアを・・・」
「入って・・・」
「え・・・は、はい・・・」
小川を自室へ招き入れると、矢口は玄関のドアを施錠した。部屋にほとんど電気は点いていない。小川もいい加減暗闇には慣れてしまっていた。
(それにしても、気味が悪い・・・)
「それで・・・矢口さん、話っていうのは・・・あ・・・?」
小川が振り向くと、鋭く爪を尖らせ、真っ白い牙をむいた「矢口」が突如襲い掛かってきた。首筋には「傷跡」がくっきりと残っている。
「きゃああああぁぁぁぁっ!!」
恐怖に怯えながらも、小川は必死に抵抗を試みる。
「や、矢口さん!?」
「さあ、小川・・・オイラ達の仲間にしてやるよ、ヒヒヒ・・・!!」
(グッ・・・ギリギリギリッ)
人間とは思えない力で「矢口」は小川の首を締め上げる。
(こ・・・殺される・・・!!ぜ、「0号」にならなければ・・・うぐぅ!!)
しかし、強烈な痛みと恐怖のために、小川の「変身スイッチ」を作動させるための信号が脳内から発信されない。「0号」になれない。
(今の状態なら、奴を殺すのにわけはない!普通の人間に毛が生えたほどの力しかあるまいからな・・・キキキ)
「蝙蝠男」は知能を持ったウィルス「バット・ウィルス」を相手に注入し、超音波を発信して自由に操る事ができる。「秘密結社」の科学者達は「支配」の方法を様々研究していたが、このウィルスもその成果の一つであった。
「た・・・たす、け・・・あ・・・」
「ヒヒヒ・・・たまんね」
「矢口」はゆっくりと小川の首筋に牙を立てた。もう待ちきれない、といった感じでだらしなく涎を零す。
「あ・・う・・・?」

(ひゅう)

「・・・・・・」

(ひゅううう)

(・・・風の音・・・)

76 :名無し娘。:2003/11/15(土) 23:20
おお!こういう展開か

77 :名無し娘。:2003/11/16(日) 00:37
カコイイ!!

78 :名無し娘。:2003/11/16(日) 09:03
おー、気を揉ませるね。イイ意味で。

79 :車山:2003/11/22(土) 18:38
ベルト左横のダイヤルを回し、スイッチを入れる。
(ビキイイイィィィ・・・ン)
内蔵された核電池から強化服、そして紺野の改造された肉体に電力供給が開始された。これにより体内の強化細胞、そして極小細胞(ナノマシン)群が活性化し、その力を最大まで発揮できる状態になる。ベルトの風車「タイフーン」がゆっくりと回転を始める。
「まこっちゃんのメール見て、まさかとは思ったけれど・・・こういうことか」
「ききき・・・」
「ぐひひ・・・」
拳銃やライフル銃を構えたマンションの住人達が『仮面ライダー』の周りをぐるりと取り囲んでいた。
「無駄です」
「ぐがあああ!」
構わず彼らは引金を引いた。無数の銃弾が一気に弾け飛んだ。
(ギギギギギギギギギギギギギギギ・・・ン)
白い煙が何筋も立ち昇ったが、一発も「仮面ライダー」を傷つける事すら許されなかった。前言を繰り返すように彼女は言った。
「・・・無駄です。この『第2の皮膚』なら銃の弾など跳ね返してしまいます」
「・・・目を覚まして」
銃弾を撃ち尽くした彼らは、いよいよ真っ白な牙をむいて「仮面ライダー」目掛けて掴みかかって来た。前後左右、あらゆる方向から彼女に必死に喰らいつく。
「あなた達は誰かに騙されているんだ!!誰かに・・・操られているんだ!!」
(ブワアアァァァァ・・・ドドドッ!!)
そこら中に張り付いた住人達を力を奮い、思い切り吹き飛ばす。苦痛に歪みながらもしつこく「仮面ライダー」に迫る。
「やめて下さい・・・近づかないで下さい!」
「仮面ライダー」は彼らを避け、じりじりと後退した。
「何も分からずに操られているだけのあなた達を殺したくはない・・・『サイクロン』!」
(ウオオオォォォ・・・ンンン!!)
「仮面ライダー」=紺野あさ美の脳波を受信し、「サイクロン」のモーターが起動した。体勢を整えると、すぐさま彼女のすぐ隣りまでやって来た。
暗闇を見上げると、マンションの一室だけ明かりが灯っているのが確認できる。複眼によれば、人間と思われる熱量反応も表示された。間違いない。
「仮面ライダー」は「サイクロン」のハンドルを掴んだ。
「・・・サイクロンジャンプ!」
飛び掛ってくる住人達をかわし、白いマシンが夜空に向かって大きく舞い上がった。数十メートル上空から目的の部屋を目掛けて降下する。
「あそこだ!!」
(グオォ・・・バッキャアアアァァァン!!)
頑丈な扉をも壁ごと粉々に粉砕し「仮面ライダー」は突入した。
埃が立ち上り、パラパラと瓦礫が飛び散る中に「仮面ライダー」が見たものは、既に異形と化した「矢口真里」の姿だった。小川の首を両手で締め上げている。だが、突然の事態に状況を見失っていた。
「や・・・矢口さんまで・・・!」
「ぎ・・・お前は・・・!?」
「・・・まこっちゃん!!」
すかさず「仮面ライダー」は「矢口」の懐に滑り込み、拳をぶつけた。ぐえっ、と小さく呻き声を上げると、難なく崩れた。
「げほ、げほっ・・・ラ、ライダー・・・」
「大丈夫?一体、ここで何があったの?」
「キキキ・・・現れたな、『仮面ライダー』」
「・・・!?」
弓のように細い三日月が照らし出したのは、天井にぶら下がった「蝙蝠男」の姿だった。「・・・死ね!!」
巨大な翼を広げ、光速で「仮面ライダー」に迫る。

80 :名無し娘。:2003/11/24(月) 01:29
相変わらずイイネ〜

81 :名無し娘。:2003/11/24(月) 04:00
手に汗握るね

82 :車山:2003/11/26(水) 20:32
(キィィィーーー・・・ン)
「ああっ!?」
「蝙蝠男」は「仮面ライダー」の両肩を掴み飛び去ると、そのまま奥のガラス窓をぶち破り、彼女の身体をを力任せに放り投げ、向かいのビルの外壁に思い切りぶつけた。コンクリートは粉砕され、鉄骨は捻じ曲がり、彼女は二部屋分の空間を吹っ飛ばされた。
(ガラ・・・パラパラ・・・)
もうもうと湧き上がる砂埃の中、彼女は何とか立ち上がると、闇に浮かぶ「蝙蝠男」と対峙した。
「・・・『秘密結社』の改造人間(サイボーグ)ね?矢口さん達に何をしたんだ!」
「人間の意志を奪って支配する・・・それこそ我々の最終目的なのだ!このマンションは、その一つの方法・・・『バット・ウィルス』の集団実験に選ばれたのさ!」
「バット・・・ウィルスだと!?そうか、それで矢口さん達を吸血人間に・・・!!」
「この牙からウィルスを送り込み、侵された人間を超音波指令で自由自在に操る実験だ。しかし毒性が強く、侵された人間は長時間の生存は不可能だがな・・・キキキ」
「よくも・・・そんな非道い事を!!」
睨み合う両者の間を真夜中の疾風が駆け抜けた。
「ふん、小娘が・・・『蜘蛛男』を殺(や)ったからといって、いい気になるなよ?貴様は自分の新しい身体(ボディ)の能力や、そのコントロールのしかたは知らないはずだぞ!」
一瞬反動をつけると、「蝙蝠男」は再び「仮面ライダー」目掛けて飛び掛かった。しかし、彼女は動じない。
(グオワァァァー・・・)
「お前こそ・・・『仮面ライダー』をナメてかかるんじゃない!!」
「ギ!」
「仮面ライダー」は拳をきつく握り締めると、猛然と走り出した。鋭い爪の生えた両腕を掻い潜り、「蝙蝠男」の胸に手刀を叩き込んだ。
ギッ、と悲鳴をあげて「蝙蝠男」は前庭に叩き出された。
「許さない・・・」
跳躍して一気に距離を縮めると、彼女は再び「蝙蝠男」に踊りかかった。
「卑怯者!!」
「蝙蝠男」が立ち上がるより早く「仮面ライダー」は彼にのしかかり、その顔、胸目掛けて拳を何発も振り下ろす。
「卑怯者!!」
「卑怯者!!」
「卑怯者!!」
「蝙蝠男」は本能的に両腕で顔を防御したが、何処に当たろうが構わず、「仮面ライダー」は拳の雨を降らせた。
「キキキ・・・カメンライダー、か」
(キイイイィィィ・・・ン)
「!?」
「蝙蝠男」の様子に変化を感じ、彼女は拳を止めた。
「しゃらくさいわぁぁぁ!!」
「蝙蝠男」の口から放たれた怪音波が至近距離から「仮面ライダー」を襲った。右肩を射抜かれ、簸るんだ彼女の身体は次の瞬間、ありったけの力で放り投げられ、ビルの3階の壁にぶつかり、床にずるずると滑り落ちた。
彼女が立ち上がるより先に「蝙蝠男」が迫った。
落下速度を利用して「蝙蝠男」は、全体重をかけた膝頭を「仮面ライダー」の腹にのめり込ませた。内臓を押し潰し、背骨を圧し折るほどの衝撃だった。
改造された身体をもち、強化服を身に着けた紺野ですら、一瞬意識が遠のくほどだった。「この裏切り者めが!!」
両手を握り結ぶと「蝙蝠男」はそれをハンマーのように「仮面ライダー」の身体に叩きつけた。散々殴られた復讐を遂げるように、熾烈な打撃を与えた。
「邪魔をしおって!!」
「蝙蝠男」は「仮面ライダー」の両肩をつかみ、壁に叩きつけた。
コンクリート片とちぎれた鉄筋と共に、彼女の身体は宙を舞い、ビルの端まで吹き飛ばされた。
「く・・・そぉ・・・!!」
「キキキ」
機械仕掛けの人形のように、「蝙蝠男」は歪な足取りで「仮面ライダー」に再び迫ろうとしていた。

83 :名無し娘。:2003/11/26(水) 23:32
>>82
すげえ・・・

84 :名無し娘。:2003/11/27(木) 04:46
ハードアクションかっけー!

85 :名無し娘。:2003/12/01(月) 23:15
すっごい面白い。
まったりまったり待ちますよ

86 :名無し娘。:2003/12/01(月) 23:15
すっごい面白い。
まったりまったり待ちますよ

87 :名無し娘。:2003/12/01(月) 23:16
スマソ…

88 :名無し娘。:2003/12/13(土) 17:40
二週間以上止まっていますね

89 :車山:2003/12/16(火) 19:25
友人から頼まれた仕事が思いのほか忙しく、なかなか書けません・・・
今週末には更新したいと思ってます。

90 :車山:2003/12/18(木) 00:53
「『仮面ライダー』・・・だって?何処が?」
「蝙蝠男」の右腕が彼女の首を捉えた。「仮面ライダー」は懸命に振りほどこうとしたが、「蝙蝠男」の怪力の前では為す術が無かった。
「・・・・・・」
彼女が受けている痛みは、筆舌に尽くし難いものだった。体内の強化細胞の働きによって、肉体の決定的な破壊こそ免れているが、彼女の苦痛を和らげる役割は無かった。
「キキキ・・・どうした、怖いのか?」
だが、紺野はいつもと変わらぬ調子で答えた。
「・・・怖くありません、別に」
「蝙蝠男」の拳が「仮面ライダー」の腹を抉った。
「・・・っ、・・・ただ、痛いだけじゃんか!!」
仮面の下、紺野は微笑んでいた。それは、彼女の決意の証だった。



(・・・恐怖に負けるな)



「仮面ライダー」は吠えた。
きんっと耳を貫く金属の高音と、大地を揺るがす轟音が同時に響いた。その音圧に「蝙蝠男」は吹き飛ばされた。
ふらつく足で身体を支えながら、彼は見た。「仮面ライダー」の周囲の景色が歪んでいる。溶鉱炉に放り込まれたかと思うほどの熱気が、彼女から放出されているのだ。
冷却に必要な大量の空気を吸い込むため「タイフーン」が回転している。それは、紺野自身が今までに体験した事がない、超々高速回転だ。
(「System MASKED RIDER」シンクロ率・・・100%)
がっと叫ぶと同時に彼女は「蝙蝠男」に飛び掛った。力強い跳躍だったが、直線的で単純な動きだった。
彼は余裕でかわした・・・はずだった。だが、現実は違った。
「仮面ライダー」の腕がぎゅんと鳴った。
彼女は「蝙蝠男」の肩を掠めながら、その首を掴み、コンクリートに叩きつけた。至近距離から大型のライフル弾を浴びたように、彼の左腕は文字通り粉砕された。
床に倒れたまま、「蝙蝠男」は悶え苦しんでいた。
「お前が怖がっているもの」
「仮面ライダー」は彼を見下ろして言った。
「”力”だ!」
「こ・・・の、腐れ餓鬼ィィィ!!」
深手を負いながらも「蝙蝠男」は果敢に彼女の喉を狙ったが、わずかの時間差で「仮面ライダー」が腹部に両膝を叩き込んでいた。
「ギ・・・ヒ・・・」
ごぼごぼと液体を嘔吐しながら、彼は瓦礫の上にドサリと崩れ落ちた。
「そして”痛み”だ!」
戦いは、完全に一方的なものだった。もう何物も「蝙蝠男」を奮い立たせる事は出来なかった。
「・・・ウィルスの解毒剤はどこだ」
「ケ・・・」
「・・・血清はどこだ。答えろ」
「・・・『目覚めのトゲ』」
「・・・何?」
「この羽の爪の中に入ってる」
彼女は馬乗りになり、「蝙蝠男」の背中を押さえ付けると、差し渡り4メートルはあろう巨大な羽をべきべきと毟り取った。
「タイフーン」は、全力回転を続けている。
「仮面ライダー」の黒い影から立ち上る瘴気が、彼の視界を揺らした。
「・・・貴様は危険な化け物だ。気の毒だが・・・生かしておく訳にはいかない」
「ギ・・・」
彼女は「蝙蝠男」の襟元を掴むと、冬の夜空に向かってぶんっと放り投げた。
道路のアスファルトに、肉と機械の破片が散乱した。

91 :名無し娘。:2003/12/18(木) 09:36
描写がすげーな。これって原作とかにあるシーンなの?
完全に創作なら神。娘から微妙にかけ離れてるけどこれはこれで面白い。

92 :名無し娘。:2003/12/19(金) 01:19
更新乙!

93 :名無し娘。:2003/12/19(金) 07:51
おー、ハードでカク(・∀・)イイ!!
テレビより原作の方に雰囲気が近いですな。

94 :車山:2004/01/12(月) 16:24
「あさ美ちゃん・・・!」
瓦礫を押しのけながら、小川が「仮面ライダー」の元に駆け寄ってきた。
「勝ったんだね、『蝙蝠男』に」
「『蝙蝠男』は死んだ・・・でも・・・・・・」
「・・・・・・?」
「・・・あの男も、もとはといえば・・・普通の人間だった。『秘密結社』の哀れな犠牲者なんだ!」
「あさ美ちゃん・・・」
「・・・この不幸を失くすには、『やつら』を根絶やしにするほかに方法は無い!」
仮面を脱いだ紺野の頬には、改造手術の傷跡がくっきりと浮かび上がっていた。
「・・・・・・」
「私たちがいる限り・・・誰も死なせはない!」
小川が今まで一度の見たことの無い、紺野のカオだった。




第2話 END

95 :車山:2004/01/12(月) 16:29
今日中に第3話更新します。
>>94は書き忘れみたいなもんです。スンマセン

96 :名無し娘。:2004/01/22(木) 22:02
久々に狩狩にきたらおもしろい小説が。
川o・-・)が格好いいね。

97 :名無し娘。:2004/01/28(水) 22:03
更新まだでっか?

98 :名無し娘。:2004/01/28(水) 23:27
今日が17日続く

ジャンプのようだ

99 :名無し娘。:2004/01/31(土) 19:59
かっけっす

100 :名無し娘。:2004/02/05(木) 02:26
( ^▽^)<100ですホイッ♪

101 :名無し娘。:2004/02/05(木) 04:16
>>100
ヽ(`Д´)ノ オセーオセー

102 :名無し娘。:2004/02/05(木) 21:34
>>101
( T▽T)ゴメンナサイ…

103 :名無し娘。:2004/02/11(水) 15:42
>>100-102
もはやお約束だな。

104 :名無し娘。:2004/02/27(金) 08:54
保全

105 :名無し娘。:2004/03/01(月) 22:09
   ☆ チン     マチクタビレター
  ☆ チン  〃∋oノハヽ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ヽ ___\川o・-・)<   誰か続き書いたら〜??
      \_/⊂ ⊂ _)  \__________
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     ☆ チン     マチクタビレター

106 :新人:2004/03/08(月) 17:01
>>105
初めまして。
新しく続き書いてもいいですか?(面白くなるかは別ですが)

107 :名無し娘。:2004/03/08(月) 18:02
つまんないなら書かなくていいよ

108 :新人:2004/03/08(月) 19:01
都内某所にあるマンションの1室…紺野あさ美の部屋。
珍しく1日オフとなったあさ美と、彼女を尋ねてきた小川麻琴はソファにこしかけながら、話をしていた。
小川「…最近、奴らの動きがないね…。平和なのは良い事だけど」
紺野「いや…奴らはきっと今もどこかで、私達が知らないところで何かしているのかもしれない…」
小川「…そうか…。油断はできないね…」
 沈黙…。
 その時、玄関のチャイムが鳴った。
紺野「え?…誰だろう?」
 あさ美が立ちあがり、玄関の覗き穴を覗く…。
 覗き穴の向こうにいるのは…モーニング娘。では先輩だが同い年の、辻希美の姿であった。
紺野「のんちゃん!?」
小川「のんちゃん?」
 あさ美は、ドアのカギを開け、希美を招き入れる。
辻「おじゃましま〜す」
紺野「こんにちは、のんちゃん…どうしたの?」
辻「ろうしたの?はこっちれす。最近、なんか変なのれす!なんか2人れこそこそしてる…」
小川「そ、そんなこと無いよ〜?ね?」
紺野「そ、そうそう…」
辻「本当れすか〜?」
 辻、ジ〜っと2人をにらむ…が、すぐに笑顔に変わる。
辻「まあ、いいのれす。なにか悩みがあったらすぐに私に相談するのれすよ?」
 辻は胸を張って得意そう。
小川「わかりました〜、先輩〜」
紺野「わかりました〜」
辻「わかればいいのれす。えへん」
 そんなやり取りをして数分後、辻は帰っていった。
 玄関で辻を見送った紺野の表情は、曇っていた…。
紺野「…数ヶ月前までは、みんなとバカな事を言って、おじゃマ〜ルシェ♪なんて言ってたのに…今じゃ、そんな事もできないんだね…私達」
小川「…あさ美ちゃん…」
紺野「今の私は…人間であって人間ではない身体なんだ…「仮面の女」でいなければいけない身体なんだ…」
 玄関に立ち尽くし、涙をこらえて拳を握る紺野あさ美であった…。

109 :名無し娘。:2004/03/10(水) 12:08
 あさ美のマンションを出た辻は、携帯を取りだし誰かに電話をかけ、歩きながら会話を始める。
辻「もしもし。ののです」
少女の声「あいぼんやで〜。あ、のの、2人どないやった?やっぱなんか隠してるんか?」
辻「う〜ん…まだよくわかんない…悩み事がありそうだし、なさそうでもあるし…」
少女の声「やっぱ、のの1人じゃあかんな…。ウチも池上署の撮影がなかったら一緒に行ったんやけどな」
辻「なんすか、それ!私だけでも大丈夫です!もう16歳だもん!いつまでもあいぼんに面倒かけられないよ!」
加護(電話)「そやね。いつも泣いてたあの頃とは違うんやね、お互い」
辻「そうだよ〜!」
 言いながら笑いあう、辻と(電話の)加護であった。
 辻の背後に怪しいコートの男が一緒の方向に歩いていたことに、辻は気付いていなかった。
 そして、その男が辻を見てニヤニヤしていることに…。

110 :名無し娘。:2004/03/10(水) 12:13
>>109
すみません、辻さんのしゃべり方ですが、どうもあのしゃべりだと、この小説の雰囲気に合わないので普通にしてしまいました。申し訳ありませんがご了承ください。

111 :名無し娘。:2004/03/10(水) 12:59
>>110
 個人的には賛成。自作でも脱ののたん口調できればと思う次第です。
ガンガッテ。

112 :名無し娘。:2004/03/10(水) 15:55
 一方、紺野あさ美はまだ落ち込んでいた。
 小川麻琴と2人の時はそんなに感じない事だが、他のメンバーといると自分が異質な物になってしまったと確認せざるを得なくなっているのだ。
紺野「…」
小川「…」
 小川も、あさ美と同じことを考えていた…。しかし最近は、あさ美の力になれない自分に、ふがいなさも感じていた.
小川(m)「改造されてしまったのは仕方ない…でも、それだったら、せめてあさ美ちゃんと同じように『仮面ライダー』になれれば…あさ美ちゃんひとりに辛い戦いをさせなくてすんだのに…」
紺野「…まこっちゃん…?」
 小川はハッとなって
小川「あ、……大丈夫。なんでもないよ…」
 あさ美に心配かけまいと普通にして見せる小川。

<<キャ〜〜〜!イヤ〜〜〜!!>>

 女性の悲鳴!その声は改造人間である、あさ美と麻琴の耳にはすぐそばのように聞こえた!
紺・小「!!」
 2人は顔を見合わせ…。
小川「あさ美ちゃん!今の声…!」
紺野「…行ってみよう!?」
 すぐに部屋を飛び出すあさ美と麻琴。

◆ ◆ ◆ ◆

 2人が数百メートル走ったところで、黒いコートの男が、辻を脇に抱えているのを発見する。
小川「のんちゃん!」
紺野「あなたは、誰ですか!のんちゃんを返してください!」
コートの男「フフ…『0号』と『1号』だな…?」
小川「…アンタ…『奴ら』の手下だね!?」
紺野「のんちゃんを返しなさい!」
コートの男「…フフフ…かえしてほしいか…?欲しいだろうな…」
 コートの男は、辻を乱暴に下に落とし、コートを脱ぐ!
 コートの下から現われたのは、コブラそっくりの姿。
コブラ男「かえしてやるぞ。2人とも我々の言う事を聞き、完全な脳改造手術をうけるならな…ヒュヒュヒュ…」
 コブラ男は、右手のヘビを辻の首に巻きつけ、抱き起こす。
辻「…う…」
コブラ男「おや?お嬢さんのお目覚めだね?」
 辻、目を覚ます…なんだか自分の身の回りが変な事に気付き、横を向く…。
 すぐ横には、コブラ男の顔。
辻「ナナナナ…なんなんだ〜!これ!?」
 その異様な姿に、また気を失う辻。

113 :名無し娘。:2004/03/10(水) 16:01
>>111
レスありがとうございました。
「のの口調」は、世界観によって合う合わないがあると思いました。
お互いがんばりまっしょい。

114 :名無し娘。:2004/03/10(水) 22:56
 コブラ男と対峙する、紺野と小川。
コブラ男「ヒュルヒュル…紺野あさ美…いや、仮面ライダー!その気があるなら、このコブラ男様について来い!」
 コブラ男は、辻を肩にかつぎ、後方へ走り出す!
小川「あ!のんちゃん!」
紺野「…許さない……コブラ男!」
 紺野は、ベルト左横のダイヤルスイッチを回す。
(ビキイイィィン)
 内蔵された核電池から強化服、そして紺野の改造された肉体に電力供給が開始される。
 これにより体内の強化細胞、そして極小細胞(ナノマシン)群が活性化し、その力を最大まで発揮できる状態になる。
 タイフーンがゆっくりと回転を始め、紺野の姿を「仮面ライダー」に変えるのだ。
ライダー「サイクロン!」
 仮面ライダーは、サイクロンを呼ぶと、どこからか颯爽と走ってくる!
 それに飛び乗って、コブラ男を追う!
 仮面ライダーの触角が動き、奴の周波数を探る。
 触角が探り当てると、額の「Oシグナル」が点灯し、複眼「Cアイ」に情報映像を送りこむ。
ライダー「…ふん…奴は、おばけマンションに向かっているか…。どこに逃げても無駄だぞ…コブラ男!」
 仮面ライダーは、さらにアクセルをふかし、奴を追う!

 ◆ ◆ ◆ ◆

 一方、仮面ライダーを見送った小川…。
小川「あさ美ちゃん…負けないで。のんちゃんを、頼んだよ…」
 前から黒服に帽子を深くかぶった女が歩いてくる。
 黒服の女が小川とすれ違う、そのとき…
女「…小川麻琴さん…?」
小川「え?」
 突如、女が小川の首を締め上げる!
女「…フフフ…かかったわね。おばかさん」
小川「お…おまえ…」
女「そう。私も『組織』の人間…いや、正確には改造人間ね…ほら!」
 女が帽子を取ると、女の頭髪は全てヘビメカとなっている!
小川「!」
女「…さあ、おとなしく再改造されるか、殺されるか…どちらか好きなほうを、選びなさい!」
 ヘビ女の頭髪のヘビが牙を光らせ、一斉に小川をにらむ。

115 :名無し娘。:2004/03/11(木) 13:15
おお、更新が早い。頑張ってね。

116 :名無し娘。:2004/03/12(金) 17:07
 おばけマンションの周りは、金網が包囲し「立ち入り禁止」の立て札が立っている。
 仮面ライダーはサイクロンをジャンプさせ金網を越える。サイクロンを止めて、周囲を見回す。
ライダー「どこだ!コブラ男!」
 ライダーが叫ぶと、コブラ男は屋上から顔を出す。
コブラ男「ヒュヒュヒュ…!」
ライダー「のんちゃんを返してもらう。トゥ!」
 仮面ライダーは、屋上までジャンプする!
 コブラ男の足元に辻の姿を発見!
ライダー「のんちゃん!」
コブラ男「ヒュー!」
 仮面ライダーが辻の方に向かおうとすると、物陰からムチを持った戦闘員が飛び出てくる!そのムチがライダーの両腕に絡む!
ライダー「く!卑怯な!」
コブラ男「ククク…!」
ライダー「こんなもの…!」
 仮面ライダーは両腕に力を集中させ、ムチを持った戦闘員を引っ張る!そして両腕を振り上げると戦闘員は空に跳びあがり、ライダーの上空で戦闘員同士頭をぶつける!
コブラ男「ゲ!」
 そしてライダーはムチをほどき、素早く走り残りの戦闘員に空手チョップ!戦闘員は全員あっけなく倒れる。
ライダー「残るはおまえだけだ!」
コブラ男「…おのれ…!」

117 :名無し娘。:2004/03/12(金) 17:29
 コブラ男は右手のヘビを仮面ライダーに噛み付かせようとする。が、ライダーはそのヘビをつかみ、空手チョップでヘビの頭を切り落とす!
コブラ男「グエ〜〜!」
 痛みに苦しむコブラ男。その一瞬の隙を逃さず、仮面ライダーはコブラ男のふところに入り、背負い投げ!
コブラ男「お…おのれ…!」
 満身創痍のコブラ男。
ライダー「のんちゃんは返してもらうぞ」
コブラ男「あ…あのガキは…生かして返さん!」
 コブラ男が首を伸ばして辻に噛み付こうとする!
ライダー「ライダーキック!」
 だが、コブラ男の牙は辻には届かず、ライダーキックにより屋上から落とされ大爆発!仮面ライダーは、下を見つめて燃えるコブラ男を見つめる。改造人間を倒すことに、いつになっても複雑である。振りかえると、辻はまだ気を失っている…。
 変身を解除する紺野あさ美。
女の声「仮面ライダー!これで勝ったと思わないことね!」
紺野「だ…誰ですか!?」
女の声「…あなたの親友は、わが組織に返してもらったわ!」
紺野「…それって…!?」
女の声「そう…小川麻琴よ!」
 その言葉にショックを受け、膝を付く紺野。
女の声「そもそも2人を引き裂くのが今回の作戦だったのに、気付かなかったみたいね。頭が良いと言われるけど、やはりまだ子供ねぇ…」
紺野「そ…そんな!」
 紺野、悔しさに拳を振るわせ、床をたたく!
女の声「この次小川があなたと会うときは、再改造で完全な改造人間に生まれ変わっている事でしょう…楽しいわねぇ…フフフ」
紺野「…!」
 紺野、涙があふれてくる。手は床を叩きつづけて血がにじんでいる…。
N「コブラ男から辻を守った仮面ライダー。しかし、それは紺野と小川を引き裂くための罠であった。小川麻琴の運命は?」

118 :名無し娘。:2004/03/12(金) 18:49
やべえカッコ( ・∀・)イイ!
更新乙です。
続編に期待

119 :名無し娘。:2004/03/13(土) 14:51
 「コブラ男編」をかかせてもらった者ですが、やはり小説って難しいですね。
>>115さん、>>118さん、レスありがとうございました。
でもやはり元の作者サンに戻ってきて欲しいですね。
…これ、原作よりだと、紺野さんは一旦姿を消すのでしょうか?本郷猛みたいに殺すわけにはいかないし。

120 :名無し娘。:2004/03/13(土) 21:38
これは小説じゃないだろ
ト書きに逃げてるし

121 :名無し娘。:2004/04/06(火) 12:56
ほんとの意味で逃げたな
指摘の一つや二つで・・・

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