■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 最新50
仮面ライダー紺野

82 :車山:2003/11/26(水) 20:32
(キィィィーーー・・・ン)
「ああっ!?」
「蝙蝠男」は「仮面ライダー」の両肩を掴み飛び去ると、そのまま奥のガラス窓をぶち破り、彼女の身体をを力任せに放り投げ、向かいのビルの外壁に思い切りぶつけた。コンクリートは粉砕され、鉄骨は捻じ曲がり、彼女は二部屋分の空間を吹っ飛ばされた。
(ガラ・・・パラパラ・・・)
もうもうと湧き上がる砂埃の中、彼女は何とか立ち上がると、闇に浮かぶ「蝙蝠男」と対峙した。
「・・・『秘密結社』の改造人間(サイボーグ)ね?矢口さん達に何をしたんだ!」
「人間の意志を奪って支配する・・・それこそ我々の最終目的なのだ!このマンションは、その一つの方法・・・『バット・ウィルス』の集団実験に選ばれたのさ!」
「バット・・・ウィルスだと!?そうか、それで矢口さん達を吸血人間に・・・!!」
「この牙からウィルスを送り込み、侵された人間を超音波指令で自由自在に操る実験だ。しかし毒性が強く、侵された人間は長時間の生存は不可能だがな・・・キキキ」
「よくも・・・そんな非道い事を!!」
睨み合う両者の間を真夜中の疾風が駆け抜けた。
「ふん、小娘が・・・『蜘蛛男』を殺(や)ったからといって、いい気になるなよ?貴様は自分の新しい身体(ボディ)の能力や、そのコントロールのしかたは知らないはずだぞ!」
一瞬反動をつけると、「蝙蝠男」は再び「仮面ライダー」目掛けて飛び掛かった。しかし、彼女は動じない。
(グオワァァァー・・・)
「お前こそ・・・『仮面ライダー』をナメてかかるんじゃない!!」
「ギ!」
「仮面ライダー」は拳をきつく握り締めると、猛然と走り出した。鋭い爪の生えた両腕を掻い潜り、「蝙蝠男」の胸に手刀を叩き込んだ。
ギッ、と悲鳴をあげて「蝙蝠男」は前庭に叩き出された。
「許さない・・・」
跳躍して一気に距離を縮めると、彼女は再び「蝙蝠男」に踊りかかった。
「卑怯者!!」
「蝙蝠男」が立ち上がるより早く「仮面ライダー」は彼にのしかかり、その顔、胸目掛けて拳を何発も振り下ろす。
「卑怯者!!」
「卑怯者!!」
「卑怯者!!」
「蝙蝠男」は本能的に両腕で顔を防御したが、何処に当たろうが構わず、「仮面ライダー」は拳の雨を降らせた。
「キキキ・・・カメンライダー、か」
(キイイイィィィ・・・ン)
「!?」
「蝙蝠男」の様子に変化を感じ、彼女は拳を止めた。
「しゃらくさいわぁぁぁ!!」
「蝙蝠男」の口から放たれた怪音波が至近距離から「仮面ライダー」を襲った。右肩を射抜かれ、簸るんだ彼女の身体は次の瞬間、ありったけの力で放り投げられ、ビルの3階の壁にぶつかり、床にずるずると滑り落ちた。
彼女が立ち上がるより先に「蝙蝠男」が迫った。
落下速度を利用して「蝙蝠男」は、全体重をかけた膝頭を「仮面ライダー」の腹にのめり込ませた。内臓を押し潰し、背骨を圧し折るほどの衝撃だった。
改造された身体をもち、強化服を身に着けた紺野ですら、一瞬意識が遠のくほどだった。「この裏切り者めが!!」
両手を握り結ぶと「蝙蝠男」はそれをハンマーのように「仮面ライダー」の身体に叩きつけた。散々殴られた復讐を遂げるように、熾烈な打撃を与えた。
「邪魔をしおって!!」
「蝙蝠男」は「仮面ライダー」の両肩をつかみ、壁に叩きつけた。
コンクリート片とちぎれた鉄筋と共に、彼女の身体は宙を舞い、ビルの端まで吹き飛ばされた。
「く・・・そぉ・・・!!」
「キキキ」
機械仕掛けの人形のように、「蝙蝠男」は歪な足取りで「仮面ライダー」に再び迫ろうとしていた。

55KB
続きを読む

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
名前: E-mail(省略可)

0ch BBS 2006-02-27