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仮面ライダー紺野

41 :車山:2003/10/22(水) 00:08
「蜘蛛男」と小川らを乗せた自動車を捉えると、紺野は「サイクロン」を強引に前方に回り込ませた。自動車は急停車し、それと同時に前後のドアから「蜘蛛男」配下と思われる5名の「戦闘員」が踊り出てきた。
顔からつま先まで光沢のある黒いスーツが全身を覆っている。「System MASKED RIDER」のそれと比べれば性能は大きく劣るが、身体を守り、筋力を増幅する強化服だ。
紺野は勢いをつけ「戦闘員」の只中に飛び込んだ。右の拳で1体、大きく振るった左手の手刀で連続して2体、助走をつけながらの右回し蹴りで1体、その勢いのまま放った飛び蹴りで1体。
すれ違いざまの1秒弱で全員を殲滅した。
「ふふふふふ・・・・」
佇む紺野を前に、不気味な笑い声と共に「蜘蛛男」が後部座席からのっそりと現れた。
「ふはははははは!!素晴らしい・・いい性能だ、『紺野あさ美』!!」
「・・・いえ、違います」
「!?」

「私は・・・『仮面ライダー』です」

(ひゅうひゅうひゅうひゅう・・・)
2人の改造人間の間を、煽るように風が吹きぬけた。「タイフーン」の回転が極限に達したのを合図に、「仮面ライダー」は地面を蹴った。風の速さで「蜘蛛男」に迫る。
右足の蹴りが、まさに目に見えない速さで「蜘蛛男」に打ち込まれた。赤いラインの強化服に包まれた「蜘蛛男」の身体は数十メートル飛び、落下した。
その反射神経、人工筋肉を駆動するスピードにおいて「仮面ライダー」を凌駕する改造人間は存在しない。彼女はそもそも、「秘密結社」の最新型改造人間「System MASKED RIDER」として生み出された存在だ。
一般社会が認知しているより数十年先の技術力を隠匿している「秘密結社」にあってもなお、未知のノウハウを投入され完成された、悪魔的な科学の到達点にして、唯一無二の芸術作品なのだ。
「蜘蛛男」は両腕を掬うようにして、手の甲に備えた2本の巨大な爪を投擲した。彼自身の速度に筋力が上乗せされ、音速に迫るスピードをもった。しかし、それらは「仮面ライダー」の身体を貫く事無く、虚空に消えていった。
「仮面ライダー」は「蜘蛛男」の直上、数十メートルの上空にいた。「蜘蛛男」はその姿を目にすると、造船所のアジトで小川を締め上げた、あの鋼よりも強い特殊繊維製の糸を吹き付けた。
(しゅるっ)
「・・・・・・」
(ざああああああああぁぁぁぁぁぁ)
「おおおお・・・!!」
(ギュル・・・ギュルルルルルル)
「な・・・にぃぃぃぃ!?」
「仮面ライダー」は空中でドリルのように身体を超高速回転させ、「蜘蛛男」の糸に絡まる事無くそれを粉砕させたのだ。「蜘蛛男」には、もうなす術が無かった。
「ライダァァァァァァ・・・キィィィィィーーーーック!!」
流れ星のごとく降り落ちた「仮面ライダー」の脚が、「蜘蛛男」の胸を抉るように貫いた。

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