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ときめきモーニング
- 1 :サボテン:2003/09/10 15:13:57
- 季節を選択してください
1 春
2 夏
3 秋
4 冬
- 539 :サボリン:2004/01/10(土) 17:59
-
ピンポンピンポン!!、ピンポンピンポン!!
「ひとみ〜!!、早く開けろ〜!!」
「な、なんだよっ、○○、土曜の朝から、近所迷惑だろっ」
と、甚平を着たひとみがドアを開けて出てきた。
「いいから、ちょっと上がるぜっ!」
オレは挨拶もしないでリビングに乗り込み、さゆみちゃんをソファに寝かせた。
「ひとみ、喉かわいた、水くれ…」
「○○ッ、いきなりひとんちに来て、土足で上がり込むンじゃァねェッ!」
「…あ、ごめんごめん、急いでたから、それより水くれ」
靴を脱ぎながらひとみを見ると、口では怒ってるようだが顔は少し笑っていた。
「…なんだよ」
「…いや、○○がアタシんち来るなんて久しぶりだな」
そう言って、ひとみは台所に向かっていった。
…そう言えば、小学校の頃はよくここで遊んだもんだったが、
中学に入った頃からは全然遊んでなかったし、来ることもなかったな。
「…ほらよ、水」
「ありがと」ゴクゴク。
オレは一気に飲み干した。
「…ったく、どうしたんだよ、それにこの子はなんなんだよ?」
「お前まで巻き込みたくない、いいからしばらく休ませてくれ」
「…うん、いいけど、…あは、なんか今日の○○って男らしいな」
「そうか?…あ、なんか腹の足しになるモンない?」
「昨日の夕飯の残りならあるけど?」
「頼むわ」
「しゃーねーなぁ」
ひとみが持ってきた飯をオレはガツガツ食った。
テーブルの前にひとみが座ってジッと見つめる。
「…なんだよ」
「…あは、なんか照れるな」
「…なに言ってんだか」ムシャムシャ。
「そうだ、実は相談したいことがあったんだ」
「なに?」モグモグ。
「最近さ、変なことがよくあるんだ…
…新聞と一緒に安っちぃブレスレットが入ってて
『おそろいの持ってるんでつけて下さい』って手紙が入ってたり、
夜中に『ピーマコ!ピーマコ!』って言ってるだけの電話があったり、
あと時々、下着がなくなってたり……」
「…へぇ、ストーカーかな、っと、ごちそうさま」
オレはさゆみちゃんの様子を見てから、床にねっころがった。
「…なんだよ〜、ちゃんと聞いてくれよ」
「ごめん、疲れてるんだ、ちょっと寝かせて」ぐぅ…ぐぅ。
「いきなりひとんち来て飯食って寝るな、この!
起きろ、○○、このバカ、起きろ」バシバシ。
「むにゃ」…ぐぅ…ぐぅ。
- 540 :サボリン:2004/01/10(土) 18:00
-
と、プルルルルー、プルルルー、携帯がなる。
「もしもし?」ひとみが電話を持ってリビングを出て行く。
やっと静かになった。と思ったが話し声がかすかに聞こえてくる。
「…あ、久しぶり、元気……え?…うん…
え?…うん…うん、なんでそんな…うん…
……うん、わかった……うん…バイバイ…」プッチ。
・・うるさいなぁ。
・・・ぐぅ…ぐぅ。
と、ふわっと何かが上に乗っかる。…ん?なんだ?
あ、ひとみが毛布をかけてくれたんだ。。
「ありがと」…気が利くな。。
「ううん、ゆっくり寝てていいよ」
そう言ってひとみはやさしく笑った。…女の子みたいだ。
「…うん」
・・・ぐぅ…ぐぅ。
「っておい!…なんか変だぞっ、
…なんかたくらんでるだろ!」
突然ひとみが女の子らしくなったんで、不安になって起きあがった。
「な、なに言っての、な、なにもたくらんでないよ」
「うそつけ、さっきの電話、誰からだよっ!」
「昔の友達だよ…」
「…あのな、オレは今、本気でヤヴァイ状況なんだ!
うそだと思うんなら、これを見ろっ!」ビシッ!
オレはリビングのカーテンを開けて、
窓から見えるオレんちの残骸を指差した。
「…な、どうしたのコレ…
家がボコボコじゃん…」
「そーだよォ〜、壊れてんだよォ〜、おウチがよォ〜!」
「…さすが新日本ハウス…派手なリフォームだな」
「ンなわけねーだろ、既にフォームねえだろ!
借金まみれの演歌歌手崩れと一緒にすんな!
これはな、里沙がゴジラに変身してぶっ壊しちまったんだよォ!」
「…うそつけぇ」
「うそじゃねー、とにかくオレはヤヴァイんだ、
オレのことを少しでも大事に思うんなら、本当のことを言え!」
「……うん、…実は、さっき、真希ちゃんから電話があって…
○○が家にいるかどうか聞いてきて、
いるって言ったら、しばらく引き留めといてって言われて…」
「…真希ちゃんて、後藤さんか!?」
「…うん」
「あわわわ、ヤヴァイ、もう尻尾を捕まれたか!」
「なにがあったんだよ?」
「生きてたらいつか話すよ、とにかくオレはここを出る、世話になったな」
そう言ってオレは慌ててさゆみちゃんを背負って玄関を出た。
- 541 :サボリン:2004/01/10(土) 18:00
-
と、都合良く小川さんがカブに乗って現れた。トトトトト。
「あ、○○さん、ひどいっすよ、おいてけぼりなんて」カチャ。
「そのバイク、もらったァ!!」ドガッ!
「はうぁあ!」ベコッ!
オレは勢いよく小川さんに体当たりをして吹っ飛ばした。
「ごめん、小川ちゃん、ちょっとこのバイク借りるよ、
この借りはいつか返すから、たぶん!」
残りの新聞を蹴散らして、さゆみちゃんを荷台に座らせ、
紐で縛ってオレの腰にくくりつけた。
「あぁ、そのカブはなけなしの貯金をはたいて店長から譲ってもらっ…」
「じゃ!」ヴォー、ツトトト、ヴォーツトトトトト。
「…純正グリップヒーター付きなんですぅ〜…大事に乗っ〜……」
小川さんの声が後ろから響いた。ごめん、小川さん。
さてと、、で、どこに逃げればいいんだ?
…とりあえず遠くへ行くしかない!オレは環七に出て南に突っ走った。
…さすがは小川さんのバイクだ。
リミッターが切ってあって使いやすいや。ツトトトトト。
と、後方から爆音が!!
ド ド ドドド ! ド ド ドドド !!
バックミラーに映る黒いバイク。…ブラックバード。…後藤さんだ。。
なんて思っているうちに一瞬で追いつかれた。
右横に車体を並べる後藤さん。。相変わらずグラサンにノーヘル。
「□□くん!止まりなさい!!」ッドドドッ。
「……っ」 はいそうですか、って止まれるか! ツトトトト。
- 542 :サボリン:2004/01/10(土) 18:01
-
「□□くん!よく聞いて!
私はさゆみんの主にはならないわ!だから止まって!
私は、ミキティやまっつーに渡る前に
さゆみんを処分するつもりよ!!」ツドドッドドドドッ。
「な、なんだってー!!
処分ってなんだよっ!殺すってことか!?」ツトトトトトト。
バイクを運転しながら怒鳴るように話す後藤さんとオレ。
ふと見ると、後藤さんの後ろには、、れいなが乗っていた。
「……○に〜ちゃ…」
そう言ってれいなが少し悲しそうな顔をする。
オレと同じように、向こうの世界での記憶がまだ少しあるらしい。。
うわっ、赤信号だ!…が、当然無視!!
ドドドドッ。 ツトトトトト。
キィィィイイっと止まる車が後ろに流れる。
「それが一番の解決法なのよ!世界平和のためよっ!
…止まりなさい!止まらないと、撃つわよっ!!」ドドドドドッ。
そう言って後藤さんが銃を出す。
「いやだっ!さゆみちゃんはオレが守る!!」ツトトトト。
そう言うと、観念したのか後藤さんは黙って銃口をオレに向けた。
と思ったら、銃口は後席のさゆみちゃんの頭へ向けられていた!
「やめろっ!やめてくれぇェッ!」ツトトトトト。
とはいえ、オレは慣れないバイクの運転に精一杯で何の抵抗もできない。
- 543 :サボリン:2004/01/10(土) 18:01
-
と、後ろからもの凄い勢いでデカイBMWのワゴンがやってきた。
あっという間に二台を追い抜く。ドドゥゥゥォォオオオ!!
と、後藤さんの前に出てきて急にスピードを落とす。
「ちっ!」
ドン! ドンドンッ !!
後藤さんがBMに向けて躊躇なく銃を撃ったが、なぜか弾が失速する。
なおもBMが前方から迫ってきて、
後藤さんのバイクを押し倒そうとする。ギュルルル。
「くっ、れいなっ!」
「はい!」
れいなが後席で立ち上がって「とりゃ!」と力を込める。
バリバリッ、ドカン!
BMワゴンのバックドアが壊れて上に吹っ飛んでいった。ヒュン!
そしてBMの荷台から姿を現したのは、、絵里ちゃんと紺野さん!!
…絵里ちゃんとれいなが向かい合うかたちになった。
と、後方で爆発音がする。ドガッ、ドガァァア!
さっき飛ばされたバックドアが後ろに走っていた一般車にぶつかったらしい。
急ブレーキをかけた車両に2、3台の車が次々と玉突き衝突していた。。
- 544 :サボリン:2004/01/10(土) 18:02
-
「…絵里」ドドドドドッ。
「…れいな」ドドゥゥゥォオ。
走るバイクと車の上で髪を振り乱しながら見つめあう二人。
バサッバサバサッ。
「…絵里、いくよっ」
「…うん」
「ハァァアアアアッ!」バリバリバリバリッ。
「トヤァァァアアッ!」バリバリバリバリッ。
二人は気合いを入れて、頭上に大きな球体をつくっている。。
「とりゃ!」「えいっ!」
ドドッ、ババンッッ!!
「うわっ!」
「きゃっ!」
二人の放った球がはじけあってオレと後藤さんの目の前で爆発する。
BMとバイクの距離が爆風で離れあう。ドゥオン!
「後藤さん!大丈夫ですか!?」
「うん、でも場が悪い、出直そう、れいな」
「…はい」
再び前方からBMが迫り、後藤さんをつぶそうとする。ギュルルン。
「□□くん、さゆみんをミキティに渡してはダメよ!」ドドド。
そう言って後藤さんはスピードを落として後ろに下がって行った。
ツドドドド ドド・・・…
- 545 :サボリン:2004/01/10(土) 18:02
-
と、BMが今度は俺の前につける。ギュルン!
「○○さん、ご苦労様でした!こっちに飛んで下さい!!」ドドドゥゥゥゥォ。
…紺野さん、相変わらずだな、無茶言うなよ。ツトトトトト。
ていうかオレはさゆみちゃんを紺野さんたちに渡すつもりはない!
オレは左右に動いたりスピードを落としたりしてBMから離れようとしたが、
BMはオレの動きにあわせるようにぴったりとついてくる。
「亀ェ!なんとかして二人を引き寄せろォ!」
「え?どうやって?」
「ひっぱってもいいから連れて来いッ!」
「う〜ん、…やってみる」
なにやら二人が荷台でもめている。
と、絵里ちゃんが掌をさしだして力を込める。
「えい!」
「うわわわわ」ひゅぅぅう。
・・・絵里ちゃんの超能力だろうか、
オレとさゆみちゃんが宙を浮いてる。。
「おお!、亀、そのイキだっ!
フォースを信じろ、そのままこっちに持ってこいッ!」
オレは必死にハンドルにしがみついたが、
既に体全体が宙を浮いていてバイクはバランスを失っていた。
「くそっ」
絵里ちゃんの力に負けてついにハンドルを放してしまった。
ツトトトトト…ドガッ、ギュルギュル、ドカッバキンッ!
乗り手を失ったカブが失速して転倒し、
後ろのトラックとぶつかって大破していた。。…小川さん、ごめん。
ひゅぅぅぅうう。
オレとさゆみちゃんは、浮いたまま宙を移動して、ガゴン!
とBMの荷台に着地した。。
- 546 :サボリン:2004/01/10(土) 18:03
-
「ようし!亀、よくやった!」
「…うぅ、ちくしょう」「……ぅ」
「○○さん、ご苦労様でした、ごはん3杯ですっ!」
そう言いながら紺野さんはさゆみちゃんを抱きかかえ、
すばやくガムテープで口の周りをグルグル巻いていた。
「……ぅ」
「な、なにすんだよォ!かわいそうだろッ!」
「もしもの時に備えてです!」
そう言って紺野さんはさゆみんを後席に乗せてシートベルトを締める。
「よし、いいぞォ!、行け!まい!死ぬ気で飛ばせぇッ!」
「はい!」ドゥゥゥゥゥォォォオオオオ!!
「うわっ!」ガコッ。「危ない!」パシッ。
いきなりスピードを上げられて危うく落ちそうになったが、
絵里ちゃんにつかまえられてなんとか持ちこたえた。
「○○さん、ちょうどよく環七に出てくれましたね、あさみの情報によると
美貴様はデスニーランドで松浦さんと密会中とのこと!」
「人の話を少しは聞け!さゆみちゃんが苦しそうじゃんか!」
「平気ですよこんなの、…っと、…こいつがさゆみんですか…」
そう言って紺野さんは後席に移動してさゆみちゃんを観察する。
「…さゆを起こしたのはやっぱりおにーちゃ……○○だったんだ…」
「絵里…ちゃん、さっきはありがと」
「…ううん」
絵里ちゃんの顔を見て急に肩の力が抜けてしまった。
抵抗むなしく紺野さんに捕まってしまい、少し諦めかけて荷台に座った。
と、後ろからあやしいベンツがやってくる。。ヴゥォォォォオオ。
またか。。運転席に村さんらしき人影が見える。
「・・紺野さん、斉藤さんたちが来たよ」
「あ、そうですか、どうも」
そう言って紺野さんが銃を持って荷台にやってきた。
と、ベンツのサンルーフがガコン!と開いて
斉藤さんが機関銃を持って出てきた。
「紺野ォ!食らえェッ!」ズドドドドドドドドドッ!
斉藤さんが撃ってきたが、・・・弾は全て絵里ちゃんがガードしていた。
「ふっ、無駄なことを」
そう言って紺野さんは銃を構え、ドンドンッ!
と、ベンツの運転席に向けて撃った。パリンッ!
フロントガラスにひびが入り、次の瞬間、パリパリンッ!!
と勢いよくガラスが粉々に吹っ飛んで、全部消えてしまった。
「な、なにっ!」撃った紺野さんの方が驚いていた。
- 547 :サボリン:2004/01/10(土) 18:04
-
と、助手席にみうながいてニヤッと笑ったと思うと、
「てやっ!」ひゅん、と飛び上がって
一瞬のうちにこっちの荷台まで飛び移ってきた。ガゴン!!
「うわっ!」
「……」
すかさず絵里ちゃんが構える。
「○○、どいてて!」
「せやぁぁあ!」バシッバシッ、バシパシバシバシッ!
もの凄い勢いでみうなが蹴りやパンチで攻撃してきたが、
「やっ!、やっ!」と全てきっちりガードする絵里ちゃん。
「みうな…さん、…無駄よ、やめて!」ギシギシ。
「…<っ…それは…どうかなっ!」ガシッ。
一瞬の隙をついて、みうなが絵里ちゃんの体に抱きつく。
「な、何する気!?」
「こうするのよっ!」バン!
「あっ!」…ぴょ〜ん!
みうなは絵里ちゃんを抱きかかえたままジャンプして消えた。
二人ははるか後方に着地したようで、そこでまたやり合っていた。
「しまった!」
「…絵里ちゃん」
後ろのベンツを見ると、待ちかまえていたかのように、
サンルーフから身を出して斉藤さんが機関銃を構え、
助手席にはマサオさんがバズーカ砲を構えている。ヴゥォォォォオオ!
「まい!、左右によけながら全速で行け!」
「はい!」 ドゥゥゥゥォォオオ!
「○○さんも後席に隠れて!」
「ちょっ…」
ズドッ、ズドドドドドドドドドドッ!! ッキュルルゥゥゥゥン!!
「うわわわわっ!」ガコッ!
間髪入れずに斉藤さんが撃ってきたが、
車体ごとよけたのでなんとか助かった。
まいちゃんが必死に車を操り、ギュルルゥ!キュン!!
と車線変更しながら、一般車を挟んでベンツをなんとか引き離す。
- 548 :サボリン:2004/01/10(土) 18:05
-
と、そこへパトカーが……。
パァーホー、ァーホー、アーホーアーフォー!!
「K察です!止まりなさい!そこのBMW止まりなさい!」
「ぅるせッ!」ドン! パキン!
キュン、キュルキュルキュルキュル、ドシャン!
紺野さんがすばやくパトカーのタイヤを撃ち、
パトカーはスピンしてクラッシュして煙を吐いていた。。
「…紺野さん、K察まで出てきちゃって、どうすンだよォ!」
「さゆみんを美貴様にお届けする、
それが絶対最優先課題ですッ!」
「……」
後ろからは一般車をかいくぐって、
またベンツが迫ってきていた。ヴゥォォオオ!!
「…くそォ!…まい!アレを使えッ!」
「はい!」
まいちゃんがシフト横のタンクに手を伸ばす。
「NOS」…亜酸化窒素ガス??
「いきます!」ポチットナ。
ドガドガッ! ドドッ、ドハァァアァァッッッァァァアアッ!
エンジンがもの凄い音を出してスピードがあがっていく。クォォォーク!!
あわわわ、一般車が止まってるみたいだ。何キロでてるんだ!?
…目の前が溶けていくようだ。ボンネットがゆれる、蒸気、
きしむボディー、ドアー、ミラー。。
「くっ、4人も乗ってるとさすがに重いなっ」ドハァァッァァァアアッ!
- 549 :サボリン:2004/01/10(土) 18:07
-
と、次々と他の一般車を追い抜く中、
なぜか後ろから平気でついてくるバイクが見える。
ド ド ドドドドッ!
…後藤さんだ。。
ヒュゥゥゥーーーッ!
後藤さんがオレたちを追い抜き、ななめ前につける。
と、ガゴンッ!
れいながボンネットに飛び降りてきた。
後藤さんは一挙に失速して後ろに見えなくなっていった。
「とりゃ!」パリパリン!
れいなのパンチで一挙にフロントガラスが吹っ飛ぶ。ビュゥゥゥウ!!
「うわっ!」「きゃっ!」
「…<っ…しつこいやつらだ…ぜッ!」ドンッ!
紺野さんがれいなに向けて銃を撃ったが、
れいなは人差し指と中指をのばし、スチャッと弾を挟んで止めた。
「…っ、にゃろォ!」ドンドンッ! スチャスチャッ。
「やっ!」ドン! スチャッ。
紺野さんとまいちゃんが銃を撃つが、ことごとくれいなに止められる。
れいなは日本舞踊の構えみたいに指を綺麗に伸ばして
全ての弾を指と指の間に挟んで止めていた。。
「いくっちゃよ〜、ん〜…ちゃ!」 ひゅん!ズドッ!
れいなはダーツを投げるように弾を投げ返してきた。
「くはっ!」
弾がまいちゃんの太腿に突き刺さった。
「ん〜ッ、ちゃ!」 ひゅん!ズドッ!
「…痛ッ!!」
今度は紺野さんの肩に突き刺さる。
「…大丈夫か!?」オレは紺野さんを抱きかかえる。
「……○に〜ちゃん」
「…れいな」
- 550 :サボリン:2004/01/10(土) 18:08
-
太腿をやられたまいちゃんが必死にハンドルを握るものの、
手が震えているらしく、猛スピードの中、車体が左右にぶれる。
おまけに前後のガラスがなくて、風がビュゥビュー吹きすさぶ。
「…やっぱりさゆは危険とよ、処分するしかなかとよっ!」
「そんなことはない! …れいな!
オマエ…向こうで仲良く遊んでたじゃないか!
友達だろォ!友達を殺すのか!」
「…れいなは…夢ば見とっただけよ」
「ウソだ!さゆみちゃんとオマエは友達だッ!」
…運転席のまいちゃんは既に気を失っている。
ボンネットの上、指を伸ばして構えるれいな。。
「…いくっちゃ」
「やめろっ!」
オレはとっさに手を伸ばしてハンドルを切る。
「きゃっ!」キュルルルルルルゥ! ドッッドドガ!
シュルルルルルゥ
ドガガガガァーーーーーーーーン!
・
・・
・・・車が止まった。・・・横転している。・・・ガソリン臭い。
・・あたりは煙に包まれている。・・ガードレールがめちゃめちゃだ。
…れいなはバランスを崩して落ちたみたいだな。。
「…さゆみちゃん?」
「……ぅ」
…良かった。ちゃんと息をしている。
……紺野さんとまいちゃんは気を失っていた。
- 551 :サボリン:2004/01/10(土) 18:09
-
「はぁっ!はぁっ!」
オレはなんとか車の外に出て、
さゆみちゃんを引きずり出し、背負って歩き始めた。
…紺野さんとまいちゃんが心配だったが、、
もうあの人達にはついていけない。
…絵里ちゃんが発見して手当てしてくれるだろう。
…遠くでパトカーの音がしていた。。
オレはさゆみちゃんを背負って歩き、古ぼけたお寺の裏地に出た。
さゆみちゃんを下ろし、口に巻かれたガムテープをはずす。ビリビリ。
「…ひどいことするなぁ」
「……ぅ」
さゆみちゃんの綺麗な唇が現れた…。
オレはもう、迷わない!
オレは静かに唇をよせ、さゆみちゃんにキスをした。
深い、深いキスをした。
・
・・
「……ぁぅ」
「…ん?」
・・・・さゆみちゃんが、瞼を開けた!
「さゆみちゃん!」
「……ぁぅ」
「大丈夫?痛いところはない?」
「……ぁ?」
「もうこれで安心だ、オレが主になった、闘いは終わる!」
「……ぁぅ」
「はは、どうしたの、さゆみちゃん、
オレのこと覚えてる?○○だよ?」
「……ぁぁ!」
さゆみちゃんはオレを見て穏やかに笑った。
…言葉を忘れてしまったのだろうか。
無理もない、ずーっと眠っていたんだもんな。。
でも、オレを見返すこの瞳は確かなものだ。さゆみちゃんは起きたんだ!
- 552 :サボリン:2004/01/10(土) 18:10
-
っと、このままゆっくり座っていたいけど、そうも行かない。
…斉藤さんや後藤さんはどうなっただろうか。
さゆみちゃんが起きたとなれば、もう攻撃はしてこないかも。。
でも、念のためとりあえず移動しよう。
「さゆみちゃん、歩ける?」
そう言ってオレはさゆみちゃんの体を持ち上げた。
スクッとさゆみちゃんは軽く立ち上がった。
「……ぁぁ!」
「よしよし、いい子いい子、じゃ少し歩こうか」
オレはさゆみちゃんの手を引っ張って歩く。
ヨロヨロとさゆみちゃんもついてくる。
とはいえ…どこに行けばいいんだ?
少し休みたいけど、お金はあまり無い。
…ていうか、いったいここはどこなんだ?ちゃんと帰れるかな。。
オレは携帯のGPSを見ながらトポトポ歩く。
目の前にビジネスホテルが見える。
と、ボタンを間違えたのか、携帯のアドレス帳が開いていた。
ア行…「安倍先輩」と「石川さん」が表示される。
…この二人なら頼っても大丈夫かもな。。
……どうしよう。
1 ビジネスホテルに入る。
2 安倍先輩に電話する。
3 石川さんに電話する。
- 553 :名無し娘。:2004/01/10(土) 18:38
- 1で
- 554 :名無し娘。:2004/01/11(日) 14:06
- 3
- 555 :名無し娘。:2004/01/11(日) 18:37
- 1
- 556 :名無し娘。:2004/01/11(日) 18:49
- 3 なのら〜
- 557 :名無し娘。:2004/01/11(日) 22:06
- 1で
- 558 :名無し娘。:2004/01/12(月) 11:24
- 1
- 559 :名無し娘。:2004/01/12(月) 15:53
- 1
- 560 :サボリン:2004/01/13(火) 21:36
- >>539
∬∬´▽`)<ttp://www.rika-mako.com/cgi-bin/rm/img/rm090.mp3
- 561 :サボリン:2004/01/16(金) 17:37
-
少し休みたい。
ビジネスホテルで休憩するくらいのお金はありそうだ。
…それに、さゆみちゃんもTシャツで少し寒そうだ。
…今ごろ気づいたが、オレは向こうの世界に行く前の格好なんだけど
さゆみちゃんはあの洞窟に入ったときのまま、真夏の格好だったんだな。。
オレはさゆみちゃんを引っ張ってビジネスホテルに足を向けた。と、
「……ぁぁ」
さゆみちゃんが足を止めた。
「ん?どうしたの?」
団子屋の前に突っ立って、団子をじーっと見ながら
グーにした手を口元に当てるさゆみちゃん。
「……食べたいの?」
「……ぁぁ!」 オレを見つめるさゆみちゃん。。
「…しょうがないな、どれ?」
「……ぁぅ」 さゆみちゃんがみたらし団子を指差す。
「…ったく、わかってんのかなぁ、、
あ、おばさん、みたらし団子二つおながいします」
「あいよ〜!!」
「……ぁぅ!…ぁぅ!」 なおもさゆみちゃんが指示する。。
「…あと、草餡と…海苔巻きも二つずつおながい」
「あいよ〜!!」
「ありがとうございました〜」
「ったく、食いしん坊だなぁ、さゆみちゃんは。。…さ、行くよ」
オレは団子の入った袋を持って歩き出すが
「…ぁぅ …ぁぅ!」
と、さゆみちゃんが袋に手を伸ばす。
「後でね、ホテルに着いたら食べようね」
オレは袋を持ち替えてさゆみちゃんから離した。
「……ぁぅ〜」
- 562 :サボリン:2004/01/16(金) 17:38
-
っと、団子食うならお茶でも買うか。
ホテルの前のコンビニに入ることにした。
オレはさゆみちゃんを入り口の近くに待たせて買い物を始めた。
…なんか腹減ってきたな。菓子パンも買うか。
と、適当にいくつかカゴに入れてレジに向かうと、
さゆみちゃんがおもちゃの風車を持っていじっている。
「さゆみちゃん、どうしたの?それ?」
「……ぁ?」
「あの〜お連れ様ですか?」
「…はい」
どうやら商品に勝手に手を出して開けてしまったらしい。
……結局それも買うことになった。
・・
ホテルのカウンターでは多少あやしまれたものの
不況のせいだろうか、、普通に入れてくれた。
コンビニからずっと、さゆみちゃんは風車をいじっている。。
「……ぁぅー」
3階のエレベータを下りてちょっと長い廊下に出た。
…ここならちょうどいい。
「さゆみちゃん、ちょっとかして、
それはこうやって遊ぶんだよ、ほら」スタタタ、ひゅるるる。
オレは軽く走って風車を回して見せた。
「…ぁぁ!」
さゆみちゃんがジャンプして喜ぶ。
「ほら、やってごらん」
「……ぁぅぁ…ぁぁぁ!」
スタタ、スタタタ。ひゅる、ひゅるるる。
さゆみちゃんは風車を持って廊下の端まで嬉しそうに走っていった。
と、折り返して
「…ぁぁ…ぁ…ぁぁ!」スタタタ。ひゅるる。
風車を持ったまま走って戻って来て、ボフッっと抱きついてきた。
「…ぁぁ!!」
嬉しそうな顔をして笑ってオレを見るさゆみちゃん。
「はは、うん、良くできた、きれいだったね
…さ、部屋に入ろっか」ガチャ。
- 563 :サボリン:2004/01/16(金) 17:38
-
部屋に入ってテーブルに団子の袋を置くと
「…ぁぁ!…ぁぁ!」と騒ぎ出したので
とりあえず開けて食うことにした。袋を開けてやると
「…ぁぁ」
と言って団子を手で鷲づかみにする。
「ダメだろっ!」ペチッ!
「……っ!」ビクッ。
オレは思わずさゆみちゃんの手をはたいた。
その勢いでさゆみちゃんの持っていた団子が床に落ちた。ボトッ。
「……ぅぅ」
床の団子を見てさゆみちゃんが今にも泣きそうな顔をする。
「…あ、ごめんね、ごめんごめん」
オレは慌ててさゆみちゃんの背中をさする。
「…ほら、ここの串を持って、こうやって食べるんだよ」
オレは団子を手にして食べてみる。
「…ほら、やってごらん」もぐもぐ。
さゆみちゃんの手を取って串を握らせる。
「………ぁぁ」
案外覚えが早くてオレのやった通りにムシャムシャと食べ始めた。
「そうそう、はは、そう、…おいしい?」
「……ぃぁ!」
さゆみちゃんは椅子に座って夢中で団子を食べ始めた。もぶもぶ。
……ふう。床に落ちた団子を片づけてオレも椅子に座る。
一息ついてお茶を飲みながら、ふとさゆみちゃんを見てみると、
口の周りが餡やらタレやらでビチョビチョだった。
おい!…としかろうとしたが、また泣かれても困るのでやめた。
「…しょうがないな」とハンカチで口の周りを拭いてやった。
「……ぁぅぅ」ごしごし。ムグムグ。
「…さ、お茶でも飲みなよ」とコップを差し出すと
「…ぁぅ!」と言ってゴクゴク飲み始めた、が、
「…ぅぇ……ぇぁぁ!」ビチャビチャ。…いきなりお茶をはき出し始めた。
おまけにコップから手を離し、
倒れたコップからボタボタとお茶がたれていた。。
- 564 :サボリン:2004/01/16(金) 17:39
-
「ばか!なにしてンだよォ!」
慌てて洗面所からタオルを取ってきたが、
Tシャツが既にビチョビチョだった。…お茶が苦かったのか??
「ああ、もう! どうすんだよぉ!」
タオルでパンパンと胸の周りを拭いてやった、が、
…だめだこりゃ。腹の辺りまでビチョビチョだ。
「…ちくしょう、脱げ!」
「……ぁ?」
「…風邪ひくから脱げ!」
オレはTシャツを持って引っ張り上げて脱がし始める。
「……ぅぁ」
「…ったく」
なんとか腕を上げさせて脱がせてみると、
あらわになったさゆみちゃんのおっぱいが!! …ぷるん。
「おわ!」
「…ぁぅ〜」
「…ブラしてなかったのかよ」
「……ぁ?」
腕を伸ばしたまま、脱ぎかけのTシャツの首の所から半分顔を出し、
マヌケな顔でオレを見る。
「…うにゅう、しょうがない、これ着てろ!」
Tシャツをはずして、慌ててオレの上着を着せた。
「…ぁぅ〜ぁぅぁぅ!」
と喜んで手を広げるさゆみちゃん。…結局ムネが見えてる。ぷるぷるん。
「…あわわ、ちょっと待て、…ちゃんと前止めようね」
と、一つずつボタンを止めてやる。
「…ぁぅぁーぁ!…ぁゎ〜ぁ!」
「っこら、おとなしくしろ!
…こりゃ…っと……ふう、これでよしと」
まったく、…全然落ち着けない。…それにしてもヤバかった。
行動からしてほとんど白痴状態なのに、体は大人だった。。
……このままだと理性を失って、いけないことをしてしまいそうだ。。
なんてモンモンと考えていると、
さゆみちゃんがコクリコクリと眠たそうに首を傾ける。
「ベッドあるんだからベッドで寝な、ほら」よいしょ。
「……ぁぅ〜」
オレはさゆみちゃんを連れてってベッドに寝かせた。
「…はは、幸せそうな顔で眠ってら、
…全然普通の子じゃないか、こんな女の子にみんな必死になって…」
そう言ってさゆみちゃんの頭をなでてやった。
- 565 :サボリン:2004/01/16(金) 17:40
-
さゆみちゃんがぐっすりと眠り始めたので、
オレはさゆみちゃんの着替えを買うことにして外に出た。
…Tシャツだけじゃかわいそうだからシャツも買ってやろう。
ホテルを出てコンビニで地図を見て、
歩いていけるところにユニクロがあったので行ってみた。
店に入り、適当にふらつきながら選んで、
女用のTシャツとシャツをカゴに入れる。
と、横に下着売り場が見える。。
…さゆみちゃんも年頃だしな。ブラぐらいするべきだよな。
そう思って、なんとなくブラを手に取る。。
……はっ、オレってハタから見たら変態かも。。
…と、横にいた女の子と目があう。
「先輩!!」
「…愛ちゃん!!」
…サングラスをした愛ちゃんが隣にいた。。
「先輩、なにやってんですか!こんなとこで!!」
「…なにって」
と、愛ちゃんがオレの手にしたブラジャーを見る。
「…先輩ってそういう人だったんですかぁ!?」
「…あわわ、いや、これには訳が…」
よりによって、こんな所でこんな状況で愛ちゃんに会うなんて。。
…つーか愛ちゃんは潜伏中じゃなかったのか??
……とりあえず、どうしよう、なんて言おうか。
1 「実は……」(事情を正直に話す。)
2 「…ところで、愛ちゃんのムネのサイズっていくつ?」
3 「…男がブラしたっていいだろ!うわー!」(と言い放って逃げる。)
- 566 :名無し読者:2004/01/16(金) 22:43
- 3だね
- 567 :名無し娘。:2004/01/16(金) 22:45
- 3がよさげ
- 568 :名無し娘。:2004/01/17(土) 01:00
- 2で
- 569 :名無し娘。:2004/01/17(土) 01:19
- 2
- 570 :名無し娘。:2004/01/17(土) 10:35
- まじめに1で
- 571 :名無し娘。:2004/01/17(土) 13:36
- 2
- 572 :名無し娘。:2004/01/17(土) 17:03
- 1
高橋は味方だろ、愛の逃避行してたし
- 573 :名無し娘。:2004/01/17(土) 18:00
- 2で
- 574 :名無し娘。:2004/01/17(土) 18:07
- 空気読んで2
- 575 :名無し娘。:2004/01/17(土) 18:53
- 2しかないっしょ
- 576 :名無し娘。:2004/01/17(土) 22:27
- 2
- 577 :名無し読者:2004/01/17(土) 22:45
- 3de
- 578 :名無し娘。:2004/01/17(土) 22:51
- 3Day
- 579 :名無し娘。:2004/01/18(日) 00:25
- 1がいい!
- 580 :名無し娘。:2004/01/18(日) 00:26
- ここは1で
- 581 :名無し娘。:2004/01/18(日) 00:26
- 1よ
- 582 :名無し娘。:2004/01/18(日) 01:04
- 2で
- 583 :名無し娘。:2004/01/18(日) 02:14
- 2
- 584 :名無し娘。:2004/01/18(日) 12:34
- 2
- 585 :名無し娘。:2004/01/18(日) 16:00
- 3で
- 586 :名無し娘。:2004/01/18(日) 16:42
- 2
で、また愛の逃避行か?
さゆは放置で。
- 587 :名無し娘。:2004/01/18(日) 16:52
- 2
- 588 :名無し娘。:2004/01/18(日) 18:59
- 1に
- 589 :名無し娘。:2004/01/18(日) 18:59
- 1
- 590 :名無し娘。:2004/01/18(日) 20:52
- 1 7
2 13
3 5
- 591 :名無し娘。:2004/01/19(月) 04:53
- 2
- 592 :名無し娘。:2004/01/21(水) 03:03
- 2
- 593 :名無し娘。:2004/01/21(水) 10:24
- 1
- 594 :名無し娘。:2004/01/21(水) 17:05
- 1
- 595 :名無し娘。:2004/01/21(水) 22:49
- 1
- 596 :名無し娘。:2004/01/22(木) 01:09
- 2
- 597 :名無し娘。:2004/01/22(木) 17:20
- 2
- 598 :サボリン:2004/01/25(日) 09:25
-
「…ところで、愛ちゃんのムネのサイズっていくつ?」
「ハぁァ??」
愛ちゃんが目ん玉を飛び出させて驚いた表情をする。
「…いや、実は愛ちゃんにプレゼントしようかなって」
「…そんな、からかわないで下さいよ
……恥ずかしいじゃないですかぁ!!」バシッ!
「いてててて、…いや、マジで」
「…えーっ、…マジですか?
…先輩だったら教えても…いいかな、
…あっしは……こんくらい…だと思います…」
と、愛ちゃんが顔を赤くして、ブラを一つ差し出した。
C70…アンダー70のトップ85か。……理想的なサイズだな。
…さゆみちゃんもナイスバディだけど愛ちゃんも結構なモノだ。ちらっ。
…うむ、…よし、胸部だけなら同じサイズで大丈夫だと思われ。
「…先輩、やらしい、そんなにムネ見ないでくださいよ」
「…はは、ごめんごめん、…じゃ、何色がいい?」
「やだぁ、ホントにマジなんですか?
…じゃ大人の女を目指して…ブラックで…お願いします」
「わかった、じゃ、買ってくるから待ってて」
「…はい」
真っ赤な顔をして、上目遣いにオレを見つめる愛ちゃん。
…悪いことしたかな。。
…コレはちゃんと愛ちゃんにプレゼントすることにして
さゆみちゃん用に同じサイズのベージュをもう一つ買おう。
オレはさりげなくもう一つブラを入れてレジに向かった。
- 599 :サボリン:2004/01/25(日) 09:26
-
会計をすませて入り口に向かうと愛ちゃんが待っていた。
「もう、先輩ひどいですよ、いきなり、
恥ずかしくって外に出てきちゃいましたよ!」
「はは、ごめん」
歩きながら愛ちゃんと話し始める。
「で、先輩はなんでこんなとこにいるんですか?」
「愛ちゃんこそ、なんでこんなとこに?
そういや、加護ちゃんとかは追ってこない?無事だった?」
「はい、全然大丈夫です、まだ中澤先生を追っかけてるんじゃないですかね」
「…そうか、ホント、無事で良かった」
「今は、念のためホテルに泊まってるんですよ
目立たないように安いビジネスホテルで、ほら、ここです」
「……」 …愛ちゃんが同じホテルに居たとは。。
「どうしたんですか?先輩?」
「…うん、実は…オレもここに泊まってるんだ」
「ほえ?」
「…話すと長いことになるんだけど、、
…とりあえず、オレの部屋来てよ」
オレは愛ちゃんの手を引っ張ってホテルに入る。
「…え?…そんな、…今日の先輩おかしいですよ
…うれしいけど、…ちゃう、嫌いとか、ほんなんやなくて
……心の準備ができてないって言うかぁ、
…その、あっし、こんな安いホテルじゃ嫌なんすぅ、
…いや、庶民的な暮らしも悪くはないと思うんすけどね、
…やっぱり女の子はムードってもんを大切にするんですよぉ〜、
…お金はあるんやから、落ち着いたら…ちゃんとしたところでぇ…」
愛ちゃんはブツブツ言いながらついてくる。
「先輩、聞いてるんですか?」
「うん、ここだよ」ガチャ。「さ、入って」
「いやっ」
- 600 :サボリン:2004/01/25(日) 09:26
-
「…ぁぁ!…ぁぅぁーぁ!!」ぼふっ。
いきなりさゆみちゃんが抱きついてきた。
「はは、いい子で待ってた?さゆみちゃん?」
「…ぁぅぁ…ぃぁーぁ!」
一人でさみしかったのだろうか、
ちょっと泣き声でうなりながら、ギュッと抱きついてくる。
「はは、ごめんね、一人でさみしかったねー、
もう大丈夫、ほら、こっち来て、洋服買ってきてあげたよ」ガサゴソ。
「…ぃぁーぁ!…ぁぅ〜!」
袋から出したTシャツやシャツを伸ばして喜ぶさゆみちゃん。
よっぽど嬉しかったのか、
シャツを持ったままベッドに行って、横になってグルグル回っている。
「…はは」
と、ガコン!! …と音がしてさゆみちゃんが見えなくなった。
「…あ、ばか!」
「……ぃぁ〜ぁ〜!…ぃぁ〜ぁ!」
…サイドチェストに頭をぶつけたようだ。
床に落ちて寝っ転がったまま、顔をくちゃくちゃにして泣いている。
「まったく、ばかだな〜
ほーら、痛いの痛いの飛んでけ〜」なでなで。
オレはさゆみちゃんを抱き起こして頭をなでてあげる。
「…ぃぁ〜ぁ!…ぃぁ〜ぁ!」
「ほーら、もう痛くない、ね?、痛くないでしょ?」なでなで。
「………ぃ…ぁ?」
さゆみちゃんは急に、きょとんとして泣きやんだ。
「はは、ほらね、痛くない、いい子だね〜、さゆみちゃん」
「……ぁぁ!」ぴとっ。
ギュッと抱きついたままオレを見上げて笑うさゆみちゃん。…かわいいなぁ。
「…はは、偉いぞ、さゆみちゃん」むにゅ。
- 601 :サボリン:2004/01/25(日) 09:27
-
って、…あ、…ヤヴァイ……ドアの前で愛ちゃんが硬直している。
「……セ…ンパイ、誰なんですかァ、…この子はァ!?」
「…あ、だから、長いと話すことに…」
「…先輩と誰かが仲良くしている姿なんて・・・見たくない」
愛ちゃんは下を向いたまま握り拳をつくってブルブル震えていた。
「だから違うんだって、落ち着けって」
オレは立ち上がって愛ちゃんに近づこうとしたがさゆみちゃんが離さない。
「……ぃぁ?」ぴとっ。
「さゆみちゃん、ちょっと離して、いい子だから」なでなで。
「……ぁぁ!」ぎゅっ。
「なにが違うんですかァ!」
「…あわわ」
「さっきのブラジャーもこの子のために買ったんですか!?」
「違うって!、ほら、黒は愛ちゃんに、ベージュはさゆみちゃんにと
ちゃんと二つ買ってあったのだ!」じゃ〜ん。
「…あっしはついでですか、
…先輩には失望しました、…あっし、帰ります」
「待って、オレ、今なら行けるから、
愛ちゃん、これから逃げよう、海外に!」
「……ホントですか?…一緒に来てくれるんですか?」
「もちろんだよ、3人で逃げよう!」
「・・・3人って…」
「…いや、この子はアフォの子なんだ、
身よりのない、かわいそうな子なんだ、
だから一緒につれてってあげよう、他意はない!」
「…ホントですか?」
「うん、…とにかく落ち着いて、座って話そう」
「…はい」
- 602 :サボリン:2004/01/25(日) 09:28
-
オレは愛ちゃんを椅子に座らせて
やんわりとごまかしながら、今までのことを話し、
愛ちゃんもオレもさゆみちゃんも追われる身なのだから
3人で逃げようと話し、愛ちゃんを納得させた。
「…わかりました、それじゃ善は急げです、今から行きましょう」
「うん、ありがとう、愛ちゃん!
っと、じゃ、さゆみちゃんを着替えさせなきゃだ
ほら、さゆみちゃん、それオレのだから脱いで」
「……ぃぁ?」
さゆみちゃんの来てた上着のボタンに手を伸ばすと、パシッ!
「いてっ」
「なにしてんですかぁ、先輩、あっしがやりますよ、
…先輩はそこにいてください!!」
愛ちゃんはさゆみちゃんを連れてバスルームに入っていく。
「…はい」
・・
「……ぁぁ!」
愛ちゃんに着替えさせてもらって、さゆみちゃんが出てきた。
「良かったねぇ、さゆみちゃん、かわいいよ、すごく似合ってる」
「……ぁぁ!」ぴとっ。
さゆみちゃんがまた抱きついて来た。
「…さてと、…愛ちゃん、行こうか」
「……はい」
ホテルを出てタクシーを拾って3人で乗り込む。
さゆみちゃんを先に乗せて、オレが真ん中に座り、
最後に愛ちゃんが乗ってきた。
「あ、おじさん、
××区のモーニング高校までお願いします」と愛ちゃん。
「あい、どうも〜」ブォーンと車が走り出す。
「…愛ちゃん、学校に行くの?」
「そうです、例のアレ、学校に隠してあるんです」
「あ、そうなんだ、…でも、なんで学校なんかに?」
「あっししか知らない秘密の場所があるんです、
そこが一番安全かなと思って」
「…そうか」
と、コクリコクリとさゆみちゃんが眠り始めて
オレの肩に寄りかかってきた。ぴとっ。
「……」じろっ。
「…あわわ」
「ふん!」
愛ちゃんはぴょんと髪をなびかせて窓の方を向いてしまった。
- 603 :サボリン:2004/01/25(日) 09:28
-
学校に着いてみると午後2時だった。
土曜日でも部活に来ていた人が結構いたみたいで
玄関で帰り際の何人かとすれ違った。
1階の廊下では保田のおばちゃんが店の後かたづけをしていた。
「あら、□□くん、今頃学校に何の用だね?」
「こんにちわ、いや、ちょっと忘れ物をとりに」
「そうかい、そうだ、焼きそばパンでも買わないかい?
半額にしておくよ、あとサンドウィッチも残ってるよ?」
「あ、いや、今お腹一杯なんで、じゃまた」
売れ残りを処分しようと必死な保田のおばちゃんを残して
3人で音楽室に向かった。
音楽室に着くと、愛ちゃんがドライバーを持って
アップライトピアノに向かって、ガコンガコン言わせながら作業を始めた。
「……っと、…よっしゃ!」ゴトン!
ピアノの板をはずし、下部の奥の方に顔を突っ込んで、
愛ちゃんが次々と札束を出してくる。
ドサッ、バサッ。
「先輩、なにぼーっとしてるんですか、
あっしのあのバッグにどんどん入れてください!」
「…はい」よいしょっと。
「……ぁぅ?」パサッ。
さゆみちゃんが札束に興味を示して遊び始めたので
取り上げて、急いで他の札束も拾ってバッグに詰め込んだ。
- 604 :サボリン:2004/01/25(日) 09:29
-
と、その時、
パリパリンッ!! ドサッ!
いきなり窓ガラスが割れて誰かが入ってきた。
「ハァッ、ハァッ」 ……中澤先生(と矢口先輩)だ。。
…二人とも、まだ幼児体と小人のままだ。。
「なっ、□□やないか!、何やってるンやこんなとこでェ!」
「…ゆゆたん、それはこっちのセリ…」
「…おい!豚ァ!こっちだよイモ豚ァ!早く来い!
トントントロトロやってんじゃねェよ豚ァ!」と矢口先輩が叫ぶと
「はぁ、はぁ、豚豚うるさいべ、このフンコロガシめ!
なっちはあんたらと違ってちゃんとした人間なんだべ」
と言いながら安倍先輩が入ってきた。どすどす。
「あれぇ、□□くん、こんなとこで何やってるんだべさ?」
「いや、だから…」
ガコンガコン! ドサッ、バサッ。
「先輩?なにやってるんですかぁ?どんどん入れてくださいよ!」
…愛ちゃんが札束をどんどん放り投げてくる。ドサッ、バサッ。
…ピアノに頭を突っ込んでいて中澤先生たちに気づかないみたいだ。
「……ぁぅ〜」パサッ。
「なんや?、このガキ、
・・・・ていうか、この札束は…なんなんや?」
…中澤先生が愛ちゃんの投げてきた札束を手にする。
「いや、あの〜」
「……あそこでピアノに頭突っ込んでるアホは誰や?」
「いや、その〜」
「先輩、これで終わりです」ドサッ、バサッ。
「…もう、なにやってるんすかぁ、先輩!?」
ついに愛ちゃんがピアノから頭を出してきた。
「あっ!」
「…高橋?」
「……」
- 605 :サボリン:2004/01/25(日) 09:30
-
「・・・なぁ、ヤグチぃ、
ウチ、今、なんかえらいイヤーな考えが浮かんだんやけど?」
「・・・おいらも」
そう言って二人は持っていたバッグを見つめる。
あのとき温泉で中澤先生が奪っていったバッグだ。。
「二人とも、なにやってるべ、早く隠れるべ!」
「豚は黙ってろォ!」
そう言って、矢口先輩がバッグに手を伸ばしチャックを開ける。ジジジジ。
「な、なんじゃこりゃあ!」バサッ、ドサッ。
「……キ、キモイ宝塚のブロマイドだらけやないかァ!
……高橋、ウチを騙したなァ!!」
「ふん、騙したもなにもないですよ、
中澤先生が勝手にバッグとって勝手に逃げただけじゃないですか!
さ、そのお金返してください」と言って愛ちゃんが中澤先生に近づく。
「やかましかァ!!」バシッ、と中澤先生が愛ちゃんの手を振り払う。
「ワレ!、ウチらがこの一日、どんな目にあったか知っとるんかァ?
死ぬ思いで逃げ続けたこの一日は一体なんだったんじゃァ?
…よこせェっ、それはウチの金やっ!」
「何言い出すんですかね、このオバハンはぁ〜
なんですかぁ、やる気ですかぁ、そんな体であっしと勝負しますかァ!」
「ちょっと待て二人とも! 落ち着いて話し合おう!」
「話し合いもなにもないですよ、先輩!
どう考えても中澤先生は部外者ですから!」
「…いや、そうなんだけど」
「……ぁぅ〜ぁ」パサパサッ。
「あれぇ、このかわいい子は誰だべ?」
安倍先輩がさゆみちゃんをなでなでしている。。
「……ぁぅ〜」ぴとっ。さゆみちゃんが安倍先輩に抱きつく。
「かわいいなぁ、ねぇ、□□くん、なんて言うのこの子?」なでなで。
「あ、安倍先輩、この状況で混乱するからやめてよ」
「…わかりました、確かにこの一日は加護さんから目をそらしてもらって
あっしも助かりました。その100万はあげますから、それでいいですか?」
「っざけんなァ! 100万やてぇ?
ウチらの生死を賭けた逃亡劇が100万やて?
へっ、安く見られたモンや!」
「じゃ、いくら欲しいんですかぁ?」
「せやからな、高橋、ワレはまだコーコーセーやろぉ?
ウチに全額預けとき」
「ふざけないでくださいよォ、
あっしはあくまでも平和的に解決させようとしてるのに!」
「…そうだよ、裕ちゃん、ここは折半で折れたら?」と矢口先輩。
「せやな、じゃ、半額で我慢してやろ、2500万や、どや?」
「だからァ、なんでそんな理屈になるんですかァ!?
このお金はもともとあっしのお金なんですよォ?」
- 606 :サボリン:2004/01/25(日) 09:31
-
と、その時、窓の外に人影が。。
「はっはっはっ、タカハスィイッ!
そん金がワレの金やてェえ!?…随分な言い分やないかァ〜!」
「か、か、か加護ちゃん!」「…加護さん」
「くそォ…」ゴソッ、ダダダッ!
中澤先生が落ちていた札束を持てるだけつかんで走り出す。
「無駄れす!」ガラガラッ。
前のドアから辻ちゃんが出てきた。
「ちくしょう!」ダダダッ!
中澤先生は、今度は後ろのドアに向かって走り出す。
「無駄よっ!」ガラガラッ。
石川さんが後ろのドアから出てきた。
…石川さんがすっかり加護ちゃん側についているとは。。
「くそォ…」と立ちすくむ中澤先生。
と、加護ちゃんがゆっくりと音楽室に入ってきて、
日本刀を片手にキリリとリリしく立ちはだかった。。
「ふう、…さぁてと、この茶番もこれにて終劇やァ!
タカハシもようやった、年増も虫も豚もようやった、
…みんな仲良う死んでくれやァ」カチャ。
日本刀を構えてギラッと細い目を光らせる加護ちゃん。。
「ままま、待ってくれ加護ちゃん!
学校の音楽室を血の海にするつもりかよっ!?
落ち着いて、落ち着いて話し合おう!」オレは必死に止めに入った。
「話し合いもなにもあらへん、
兄さんも知っとろーがぁ、それはもともとうちの金や、
うちが計画し、うちが斉藤さんと交渉してもらった金や!」
「なに言ってるんですか!!
火葬場に乗り込んで焼かれる寸前のダニエルさんの遺体を運び去り、
ハラワタ切ってシャブ取り出したのは全部あっしとミカさんじゃないすか!」
「うちの命令でなァ!」
「あっしはここで加護さんに手刀食らって放置された時に決心したんです!
もう加護さんには従いません!」
「へっ、従うもなにも、ワレはもうすぐ死ぬんや!」
「待って!…エキちゃん、今ならまだ間に合うわ!
加護ちゃんに土下座して謝りなさい、そしたら許してもらえるわよ!」
と石川さんが割ってはいる。
「…ビーナス姉さんこそ、加護さんの怖さを知らないんです、
ボロボロにされて東南アジアに売られても知りませんよっ!
その黒さじゃぁ現地人と見分けがつきませんからねェ!」
そう言って愛ちゃんはドライバーを持つ手に力を入れる。
- 607 :サボリン:2004/01/25(日) 09:31
-
「ちょっと待てやっ、□□の言うとおり、ここは学校や!
人もまだ外におる、ここで殺りあうのは無理や、ひとまず落ち着こうや」
中澤先生も事態を重く見たのか、止めに入った。
「へっ、どうしたんや年増、怖じ気づいたんかァ?」
「…いや、そうやないんやが、
…そもそも、このガキはなんなんや?
それと、□□は一体どっちの味方なんや?
そこをまずはっきりさせようやなかぁ?」
「…そうやな、兄さん、兄さんは元はと言えば
うちらの仲間やったんやないか、兄さんはどう思う?
こん金は誰のもんやと思うかぁ?」
「…そんなこと言われても」
「□□くん、梨華たちの味方でしょ?
もともと梨華たちと一緒にそのお金を手に入れたんじゃん
エキちゃんなんかほっといて、梨華たちと一緒に行こうよ!」
…石川さんがまた口を出す。
「…え、…あ、うん」
……行くってどこへ??
「□□くん、部長命令だべ、なっちと一緒に派手に行くべ!」なでなで。
「……ぁぅぁーぁ!」ぴとっ。
…ん?…安倍先輩はさゆみちゃんをすっかり手なずけていた。。
「そうだよ○○、おいらと○○はつきあってるんだぞ、忘れたのか?」
…矢口先輩まで出てきた。
「…ぁああ、そ、そうだったっけ?」
「……先輩」
そして愛ちゃんが不安そうな顔でオレを見つめる。。
……どうしようか。
1 あの金はもともとは加護ちゃんのだから、加護ちゃんたちの味方をする。
2 大人に任せた方がいい、中澤先生たちの味方をする。
3 愛ちゃんを裏切れない、愛ちゃんの味方をする。
4 誰の味方もできない。
- 608 :名無し娘。:2004/01/25(日) 12:49
- 3
- 609 :名無し娘。:2004/01/25(日) 17:21
- 4
- 610 :名無し娘。:2004/01/25(日) 17:30
- 3
- 611 :名無し娘。:2004/01/25(日) 21:21
- 4
- 612 :MONIX ◆h6RjqrC4Ko :2004/01/26(月) 01:26
- 3
- 613 :名無し娘。:2004/01/27(火) 01:12
- 4
- 614 :名無し娘。 :2004/01/27(火) 07:47
- 3
- 615 :名無し娘。 :2004/01/28(水) 17:55
- 3
- 616 :名無し娘。:2004/01/28(水) 18:13
- 【ゴールデンレス】
このレスを見た人はコピペでもいいので
10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
そうすれば14日後好きな人から告白されるわ宝くじは当たるわ
出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です
- 617 :名無し娘。:2004/01/28(水) 19:28
- 4
- 618 :名無し娘。:2004/01/29(木) 00:01
- 3
- 619 :名無し娘。:2004/01/29(木) 01:01
- 4
- 620 :名無し娘。:2004/01/29(木) 03:52
- 3
- 621 :名無し娘。:2004/01/29(木) 21:40
- 1
- 622 :名無し娘。:2004/01/29(木) 21:44
- 4
- 623 :名無し娘。:2004/01/30(金) 12:17
- 3
- 624 :名無し娘。:2004/01/31(土) 12:05
- 3
- 625 :名無し娘。:2004/01/31(土) 12:06
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4-6
- 626 :名無し娘。:2004/01/31(土) 12:42
- 3
- 627 :サボリン:2004/01/31(土) 22:47
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「オレは……愛ちゃんの味方だ!」
「…そうかぁ、それは残念やなァ
…兄さんもアホやなぁ、うちらの味方をしとれば
死なずにすんだのになァ!」
と、加護ちゃんが近づいてきて刀を構える。カチャ。
「…あわわ、いや、オレは、愛ちゃんの味方だけど
何も加護ちゃんの邪魔をするつもりは、サラサラなく…」
「やかましかァ!…おんなじことや!
見せしめに兄さんから殺ったるわい!」
と、加護ちゃんが日本刀を振りかぶる。ブワッ。
「やめれぇェ!!」ひゅん、ズドッ!!
・・・加護ちゃんの右脇にドライバーが突き刺さった。
「くはっ!」・・・・ボトッ。
青黒い血をトロリと引きずってドライバーはすぐに落ちた。
「うわぁああっ!!」
加護ちゃんが右肩を押さえて転げ回る。
「うぉぉおおおっ!!」
「あいう゛ぉーん!!」
辻ちゃんが慌てて駆け寄って抱き起こす。
「うぉおお!」
「…卑怯れすっ、針痕を狙うなんて!」
よく見ると、脇の下、注射針の痕が青く残ってるところから血が出ていた。
「先輩ッ!、今のうちです、逃げましょう!」
「…うん」
- 628 :サボリン:2004/01/31(土) 22:47
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と、横では、中澤先生が札束を持ったまま呆然と見ていたが、
「…ぉぉぉお、りゃッ!!」ドッ!
「はうあ!」・・・ドドッ、ゴロゴロ、ゴロッ、ドガッ!!
愛ちゃんの蹴りが頭部に見事に決まり、
中澤先生は宙を浮いて床に落ち、
トイレットペーパーみたいにゴロゴロ転がって
壁にぶつかって動かなくなっていた。
よく見ると、ついでに矢口先輩まで吹っ飛んでいて気絶していた。
「先輩、早く!、残りは捨て置きましょう!」
愛ちゃんはバッグを持って窓を出て校庭の方に走り出した。
「…待って、さゆみちゃんが!」
さゆみちゃんを連れて行こうとして後ろを振り返ると
安倍先輩と石川さんが争って、残りの札束を奪い合っている。
「なっちにわたすべ!」
「いやっ、梨華の〜!」
・・・司令塔を失ってどちらのチームも壊滅状態だ。
オレはさゆみちゃんの手をひいて校庭に向かった。
「はぁっ、はぁっ、さゆみちゃん、急いで」
「……ぁぅ〜」
裏門の前の木の影に隠れて愛ちゃんが待っているのが見える。
(先輩!こっちです!)と愛ちゃんが手招きをする。
「…うん」
後ろを振り返ると、
辻ちゃんが、その後ろから加護ちゃんが追いかけてくるのが見える。
・・・もう回復したのか。。はぁっ、はぁっ。
- 629 :サボリン:2004/01/31(土) 22:48
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と、どこからともなく、…ヘリの音がする。
バダバダバダバダバダバダバダバダ。
・・・随分大きい音だ。近いぞ。・・おかしいな、こんな街中で、、
どこにいるんだ?? きょろきょろ。はぁっ、はぁっ。
バダバダバダバダッバダバダバダバダッバダバダバダバダッ!
「うわぁっ!!」
・・・ヘリは真上にいた。・・・しかも軍用だぞこりゃ。
…オレは思わず立ち止まってしまった。と、
「先輩っ、大丈夫ですかっ!?」
愛ちゃんが心配して近づいてくる。あっ、ダメだっ、出てきちゃ!!
「…ってりゃっ!」ドガッ!!
「くっ!」ベチャ。
追いついた辻ちゃんの跳び蹴りを食らって愛ちゃんが倒れた。
「愛ちゃんっ!!」
バダバダバダバダッバダバダバダバダッバダバダバダバダッ!
愛ちゃんは辻ちゃんの下敷きになって頭を押さえられていた。
「ようやったァ、ののォオ!!」
左手に日本刀を持って加護ちゃんが愛ちゃんに近づいていく。
バダバダバダバダッバダバダバダバダッバダバダバダバダッ!
ヒュウウウウウウゥゥゥ!
・・・ヘリが、どんどん近づいてくる。・・・なんなんだっ??
辺りはヘリの突風で砂嵐が起きていてよく見えない。
かろうじて加護ちゃんの後ろ姿が見える。
「ちょっと待て、加護ちゃん!
…この、このヘリはなンなんだよォ!!」バダバダバダバダ。
「ンなこと知ったこっちャねェ!
タカハシッ、今度こそ死ねやッ」カチャ。バダバダバダバダ。
「やめろォオ!」ドシッ。バダバダバダバダ。
オレは加護ちゃんに背後からしがみついて左手をつかんだ。バダバダバダバダ。
- 630 :サボリン:2004/01/31(土) 22:49
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と、ヘリからひゅるんっとヒモが下ろされ、人が3人振ってくる。
ひゅるるぅ。ひゅるる〜。ひゅるるるぅ。バダバダバダバダ。
「離せェ!コイツだけは殺らんと気がすまんのじゃァ!」バダバダバダ。
「頼む、よしてくれ」バダバダバダバダ。
「……ぁぅ〜!」
と、後ろから声がする。
「腹這いになり、手足を広げろ!」
気がつくと、オレたちは機関銃を持った3人に囲まれていた。
誰なんだ?ゴーグルをしていて顔がよく見えない。
「なんやァ、あんたらはァ!」と加護ちゃん。
「腹這いになり、手足を広げろ!」ズドドドドドッ!
「うわぁ!」
「……ぁぅ!」
威嚇射撃だろうか、足下に向かって銃を撃ってきた。
「…わたたたた、なんなんやァ!」
「…ん?…ハゲ?
ハゲじゃねーか、なにやってンだよォ、こんなとこでェ!」
と、一人が金髪の髪を振り払ってゴーグルをはずす。…斉藤さんだ。。
「…斉藤?、斉藤ゥやないかァ!?
てめェこそ、ンなとこでなにやってンじゃァ!!」
「ハゲ、オマエに用はない、おとなしく去れ!!」
「こっちも手前なんかにゃ用はねーんだよォ!
これは内輪の争いや、口出しせんでもらいてーわァ!」
「ハゲ、相変わらすオマエは度量が狭いのう、
まだそんなチンカスみたいな金で奔走してんのかぁ?」
「やかましかァ!ほっとけやッ!」
- 631 :サボリン:2004/01/31(土) 22:50
-
「……仕方あるまい…マサオ、シヴァ、…やれ」
「はっ」スタタタ。 「はっ」スタタタ。
ガッ! ガッッ!
「うっ」ドサッ。 「くはっ」ドサッ。
銃の台尻を腹や頭に食らって辻ちゃんと加護ちゃんが倒れる。
すかさずマサオさんと柴ちゃんが二人の背後にまわり、
腕を後ろにまわさせて手錠を絞める。ガチャ。ガチャ。
「いてーのれす!のんの腕はそっちにはまわらねーのれす!」
「なんやァ、ひでーやないかァ、なんもしてへんにィ!」
なんて、ボーっと見ていたら、ガッ!
「くっ!」
斉藤さんの一撃がオレの腹に。。・・・バタン。
オレも腕を背後にまわされ、手錠をかけられてしまった。ガチャ。うぅ…。
「ったく、世話を焼かせるぜェ」
そう言って斉藤さんがさゆみちゃんに近づき髪をつかんで顔をあげさせる。
「……ぁぅ!」
「やめろォ!さゆみちゃんに傷ひとつでもつけて見ろォ!
ぶっ殺してやるからなァ!」…オレは倒れたまま叫んだ。
「…良く理解してないようだな…
オマエは今、亜弥様のお情けで生きていられるんだぞ」バダバダバダバダ。
ダバダバダバダッ…ヒュンヒュンヒュンヒュン、ヒュゥゥウウウ。
気づくとヘリが校庭に着地しているところだった。
と、ヘリの中からみうなが出てくる。スタタタ。
「みうな、さゆみんを頼んだ、慎重に扱えよ」
「はい」
みうなはさゆみちゃんをガシッとつかんで逃げないようにする。
「……ぁぅ〜ぁ!」
「さゆみちゃん、大丈夫!?」
オレが立ち上がってさゆみちゃんに近づこうとすると、ドガッ!
「くはっ!」 …またもや斉藤さんの台尻がオレの腹に。。
「□□とか言ったなぁ、おとなしくしてねェと殺すぞォ!」
「くぅ…」
そう言い放って斉藤さんはヘリの方に近づく。
- 632 :サボリン:2004/01/31(土) 22:50
-
と、ヘリの中から着ぐるみを着た人物が2人現れる。
「ぴょぴょぴょんぴょ〜んのあやぴょんなのだ!」
「めめめのめぇ〜の みきう〜るナリ!」
・・・ピンクのうさぎの着ぐるみを着たまつうらさんと
ブルーの羊の着ぐるみを着た、、藤本だ。。
・・・なんて場違いな格好なんだ。てうか藤本の様子が変だ。
「藤本!オイ!藤本ォ!どうしたんだァ!」
「あやぴょ〜ん、あそこで叫んでる人、怖いメェ〜」
「みきう〜る、ここで待ってるぴょん、
あやぴょん、すぐに用事すませて帰ってくるぴょん」
そう言ってうさぎの着ぐるみを着たまつうらさんがこっちに近づいてくる。
ぴょん、ぴょん。
「…あわわ」…なんだか怖い。。
と、裏門から爆音をあげてバイクが2台、やってくる。
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド !!
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド !!
シィィィイイイ ズザザザザザザァァア!!
ズザザザザザザァア ドフン!!
バイクが2台向き合って、真一文字に横になり急制動して止まった。
「美貴様ッ!」スタタタッ。
後席から下りてきたのは、紺野さんだった。
絵里ちゃんが運転席から下りてきて、
あさみちゃんとまいちゃんも下りてきた。ジャリ。スタッ。
…紺野さんとまいちゃんは包帯をしている。
…ケガは大丈夫だったんだろうか??
- 633 :サボリン:2004/01/31(土) 22:51
-
「紺野ォ!下手なマネすると、
コイツがどうなっても知らねェぜッ!」カチャ。
そう言って斉藤さんが藤本の頭をつかんで銃を突きつける。
「メェ〜、怖いメェ〜」
「美貴様ァ!どうなされたんですかァ!美貴様ァ!」と叫ぶ紺野さん。
「へっ、コイツはもう赤子同然よ
デスニーランドで亜弥様の術中に落ちたんじゃ!」
「メェ〜、メェ〜」
「…な、なんということを、、
帝王にあるまじき情けないお姿、…おいたわしい、、
…美貴様、そのようなお姿をこの紺野、見たくはございません!
美貴様ァ!お目覚めをォ!美貴様ァア!!」
そう言って紺野さんは涙を流して見守っている。
「ぅるせェ!オマエラはそこでおとなしくしてろよォ!」
斉藤さんの合図で柴ちゃんとマサオさんが銃を構えて見張りにつく。
紺野さんも絵里ちゃんも、あさみちゃんもまいちゃんも動けないでいる。
「……美貴様」
と、音楽室の方から、さっきの残りの札束を持って
中澤先生(と矢口先輩)と安倍先輩と石川さんが出てきた。
「なんのさわぎや?」「……」「なんだべ?」「…柴ちゃん?」
「みんな、こっちに来るなァ!危険だぞォ!」
とオレは心配して叫んだが、
中澤先生たちもヘリや銃を見て足がすくんでいるようで
周りから見守るだけで近づこうとはしない。
ふと見ると、愛ちゃんが気を失っているみたいだ。
辻ちゃんと加護ちゃんも手錠をかけられておとなしくしている。
- 634 :サボリン:2004/01/31(土) 22:51
-
と、まつうらさんがオレの背後にまわってオレを押さえる。
「な、何する気だよ」
「さゆみんともう一度キスをしてください、
そうすれば再びさゆみんは眠りにつきます。
○○くん、あなたを殺せば早い話なのだけれど
せっかく知り合った○○くんを殺したくはなかったの」
「……さゆみちゃんは、眠ったらどうなるんだ?」
「それは〜、あやぴょんが起こしてあげるんだぴょん!」
いきなり話し方を変えて笑顔を見せるまつうらさん。。
「…そういうことか」
「これが一番平和的な方法なのだぴょん
早いとこ、お願いするんだぴょん!」
「□□ッ、亜弥様の言うことを聞くんだァ
そうすればコイツも元に戻してやるとおっしゃっておられる!」
そう言って斉藤さんが藤本をガツン!と殴る。
「メェ〜!」
「…ちくしょう」
「美貴様ァ!」ザッ。
「紺野!動くンじゃァねェ!」スドドドドドドッ!
「…くっ」
「おとなしくしてろォ!、おとなしくしてれば
コイツだけは助けてやる」
「…美貴様、…○○」…絵里ちゃんも心配して見守っている。
「さあ、さゆみんとキスをするんだぴょん!」
そう言ってまつうらさんがオレの腕をつかむ。
後ろで手錠をつけられたオレは抵抗できない。。
「…くぅっ」
「みうな、お願いするぴょん」
「はい」
そう言って、みうながさゆみちゃんを後ろからつかんでオレに近づける。
「……ぁぅ〜」
「…さゆみちゃん」
- 635 :サボリン:2004/01/31(土) 22:52
-
だんだんとさゆみちゃんの頭がオレに近づいてくる。
「……ぁぁ!」
さゆみちゃんはオレの顔を見て安心したのか無邪気に笑っている。
買ってやったおもちゃの風車を髪にさしている。
さゆみちゃんにキスするとまた眠ってしまうのか。
そして、まつうらさんのものになってしまうのか。。
「さぁ!」
既に唇が触れ合うくらいまで顔が近づいてきていた。
オレはもう、さゆみちゃんの瞳を見ることしかできなかった。
「……ぁぅ〜」
「…さゆみちゃん」
…仕方ない、キスするか。…藤本のためだ。
…それにもう、抵抗することもできない。。
…さよなら、オレのさゆみちゃん。
ダン!
ん?
鈍い音と衝動で目を閉じてしまった。
…再び目を開けてみると、、
さゆみちゃんを押さえていたみうなの頭から赤い線が縦に走っている。
…血だ。
「あそこだ!撃てェ!」
斉藤さんの合図で校舎の陰を柴ちゃんとマサオさんが撃つ。
ズダダダダダダダッ!
と、れいなが出てきて弾をバリアでガードする。ピンピンピンピン!
…後ろから後藤さんが出てきた。
「…しくった、すっかりしくった!」
…後藤さんが悔しがっていた。。
- 636 :サボリン:2004/01/31(土) 22:53
-
と、みうなが、声もなく血を頭からふきながら崩れ落ちる。
「・・・・・・」
みうなの目から涙が流れて宙に飛んだ。
ドクン!
「!」
「!」
「!」
急に絵里ちゃんとれいなが頭を抱えて苦しみ出す。
…さゆみちゃんも唇を噛んで眉を寄せて苦しそうだ。
「み・・・みうなさん!!!!」
「ぐっ!ううっ!!」
「・・・・・・ぁぅっ!」
ドクン!
「さゆみん!!」
裏門からゴジラ化した里沙が見守っていた。。
「おぉお! いっ、いかん!」
体育館の裏から飯田先輩が出てきて叫んでいた。。
- 637 :サボリン:2004/01/31(土) 22:53
-
「 に ゃ ァ ア ァ お ッ !!」
- 638 :サボリン:2004/01/31(土) 22:54
-
・・・・さ、さゆみちゃんが叫んだ。。
さゆみちゃんは頭を押さえて空を見る。
苦しそうだ。頭から風車がポトンと落ちた。
みんなボーゼンとして見守っている。
と、さゆみちゃんが両手を胸の前に据え、
手のひらの間になんか力を込めている。
鈍い光が真ん中に見える。
「や・・・・やめなさい・・・・
さゆ・・・・そ・・・それは!」
サァァー───────-──-─-ッ
「なっ、何だ!?」
「ひっ、光が・・・・集まってる!?」
「まさか、そんな!!」
「さゆみんが!!」
- 639 :サボリン:2004/01/31(土) 22:55
-
キィィー────────-──-─-ッ
「!」
カッ
さゆみちゃんのまわりに白い球体が見える。
さゆみちゃんは肩の力が抜けたのだろうか、
丸めていた体を起こして、満足そうな表情だ。
と、辺りは光に包まれて何も見えなくなる。。。
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