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ときめきモーニング

1 :サボテン:2003/09/10 15:13:57
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1 春
2 夏
3 秋
4 冬

801 :サボリン:2004/04/11(日) 19:04
 
よし、れいなと組むことにしよう。
「絵里ちゃん、愛ちゃん、加護ちゃん、ごめん。
 オレ、れいなと組むよ、れいな、まだ慣れてないみたいで…」
「えー、だったら絵里がれいなと組むよ!」
「いや、ファティマ同士が組んでも効率が悪いだろ、
 絵里ちゃんは愛ちゃんと組んで愛ちゃんを守ってあげてよ」
「…ふんだ、…もういいよ○○なんか、行こう、高橋さん!」
「あ、うん」スタスタ。
絵里ちゃんは愛ちゃんの手を引っ張ってそそくさと歩いていく。
愛ちゃんも複雑な表情をしながらも従っている。
…絵里ちゃんと愛ちゃん、仲良くなってくれればいいな。。

「…へっ、気楽なもんや、遠足やねーんやで〜、
 ほな兄さん、うちは…保田でも連れてくわ、またな〜」
そう言って加護ちゃんも去っていった。

絵里ちゃんと愛ちゃんはどうも南の方に向かったようだ。
加護ちゃんは西の方に行くって言ってたし、、
よし、それじゃ、絵里ちゃんが行こうとしていた北の山の方に行ってみるか。


「よし、れいな、行こうか」
「…うん」スタスタ。
れいなは下を向いてとぼとぼとついてくる。
しばらく歩いて森の中に入ったが、
れいなは髪の毛で顔を隠して黙ったままだ。。
「どうした?、れいな、元気ないな?」
「…だって絵里が怒っちゃったから」
「あんなの、拗ねてるだけだよ」
「でも絵里は……」
「…ん?」
「…○に〜ちゃんと絵里はこっちでも仲がいいんやね、
 うち、こっちで知ってる人は後藤さんだけやったから…」
「なんだぁ、こっちに来てもう六日も経つんだから
 みんなと仲良くなれたんじゃねーのかよ?
 辻ちゃんとか石川さんと一緒に貯水池を掘ってただろ?」
「…みんな、うちがファティマやって知っとるから…避けてるんばい」
「…そんなこと」
・・・あるかもしれないな。
斉藤さんたちが撃った弾をバリアしてるのをみんな見てたしなぁ。。
「れいな、自分がファティマだって自分で壁を作ってるんじゃないのか?
 れいなもみんなも普通の女の子だよ、ちょっと能力が違うだけで」
「…うちはみんなとおんなじがよか」
「だーっ、もう、れいならしくないなぁ!
 元気出すんだ、れいな!、ん〜よしっ、走るぞっ!」パシッ。
オレはれいなの手を取って走り始めた。スタタタタ。
「あっ…あははは、待って〜、○に〜ちゃん!」スタタタタ。
突然オレが引っ張ったので少しビックリしたようだったが、
すぐにれいなも笑って走り始めた。やっとれいなの笑顔が見れた。。

802 :サボリン:2004/04/11(日) 19:04
 

調子に乗って二人で走って行くうちに随分と山の中に入ってきた。。
傾斜はきつくないのだが、左手は見上げるような崖が視界を塞いでいる。
オレたちは徐々にスピードを落とし、
崖に手を添えるようにして山を登っていった。

「○に〜ちゃん、気をつけて」
「…ああ」…と、

ガコッ。

上から妙な音が聞こえてくる。
シャラシャラ…と小石が降ってきた。。ん?…顔を上げて上を見る、、

・・・と、巨大な石がオレに向かって降ってくる!!ひゅぅう〜!!

「うわぁあ!」
「危なか!!」 バリバリバリバリッ!!

 ドガッ、ドシャッ!


・・・・頭にやった腕を恐る恐る上げて見てみると、
俺たちのまわりで石が粉々になっていた。…れいなが助けてくれたんだ。。

「れいな…ありが…」
「……<っ!」ググググ。

と、れいなが体を丸めていきなり苦しみ出す。

「……っぁぁああ!!」
「れいな!、どうした?れいなァ!?」
オレはれいなの体を抱き寄せた。…プルプルと震えている。

「○に〜ちゃ…れいなはもう……っ!」
「れいな!、しっかりしろォ!!」
「……ぁっ…」
と、目の錯覚か、、れいなの体が一瞬サッと光り、
れいなはそのままガクッと気を失った。。

「…れいな…れいな…どうしちゃったんだよォ…」
 

803 :サボリン:2004/04/11(日) 19:05
 

オレはれいなを背負って安全なところに移動し、草むらに横に寝かせた。。
…とりあえず息はしている。…顔色を見てみるが穏やかだ。
……う〜ん、単に眠っているようにしか見えないなぁ。。
なんだったんだろう、さっきの苦しみ方は。
…死んじゃうのかと思った。。

と、おもむろにれいなは目を覚ました。

「…あ、○に〜ちゃん、どうしたん?」ぱちくり。
「…ど、どうしたんじゃねーよォ、いきなり気を失って…心配したんだぞっ!」
「…あれ?、うち、どうしたん?」
「覚えてないのか?、降ってきた石を壊してオレを助けてくれたんだろ?
 …そしたら、いきなり苦しみだして、体が光って…」
「そうやったっけ?…もう大丈夫ばい」スタッ。
何事もなかったかのようにれいなは立ち上がった。

「大丈夫かよ?」
「大丈夫ば…ぁっ!?」ビクッ!

「…どうした?」
「…体が重いっちゃ」
「そりゃ、さっきまで倒れてたんだからな…無理するな」
「なんか変だっちゃ…こんなの初めてばい…
 ……、…はっ!!」スタタタ。

れいなはいきなり走り出し、崖に向かって手のひらを向け
「やっ!、ちゃっ!」と声を出して力を込めはじめた。
「…どうしたんだよ?」
「……っ!」
「おい??」
 

804 :サボリン:2004/04/11(日) 19:05
 
「……はぁ〜、…ダメばい、
 …○に〜ちゃん、れいな、
 力ば…使えなくなっちゃった……」パタッ。
そう言ってれいなは手の力を抜いてうなだれる。。
「な、なんだって、、それってどういう…」
「…こっちに来るとき、絵里と一緒にすごい力を使ったんやけど…、
 …そいからなんや体に力が入らなくて、おかしいと思ってたっちゃ…」
「…そうだったのか」
「○に〜ちゃん、どうしよう?
 力が使えないうちなんて、必要なかん!?
 …れいな、なんの取り柄もなくなっちゃうよ!うわ〜ん!!」
そう言ってれいなはオレに体を寄せて胸をボカスカ殴ってくる。
「いててて、なに言ってんだよ、落ち着けよ!
 力を使えても使えなくても、れいなはれいなだろッ!」
オレが肩を持って揺すると、れいなは急におとなしくなり、
「そうかな…後藤さんに嫌われたり…しなか?」
と言って、目に涙を溜めてオレを見上げてきた。。
「大丈夫だよ、後藤さんはそんな人じゃない!」

「…○に〜ちゃんは?」
「オレはいつもれいなの味方だ、
 かっこいいれいなもダメなれいなも、みんな好きだぞっ」
「…えっ……○に〜ちゃん、れいなのこと…好いとぉの?」
「…あ、…ああ、好きだぞ」
…好きの意味がちょっと違う気もするが、
泣かれると困るから否定しないでおこう。。
「あは、そうか〜、よかったと〜」
れいなは急に明るい声を出して
涙と赤くなった頬を隠すように顔に手を寄せてくしゃっと笑った。

・・・しかし、力が使えなくなっちゃうなんて。。
確かにれいなは最近元気がないような気がしてたけど、、
あ、そういえば絵里ちゃんも最近おとなしいというか、
用水路を掘るときも普通にやってて力を使ってなかった。
…もしかしたら絵里ちゃんも力が使えなくなってるのかもしれないな。。


「さっ、○に〜ちゃん、行こ!」ちゃっ。
「行こって、大丈夫なのかよお前?」
「うん、もう大丈夫ばい!
 …なんだか、初めて自分の体が自分のものになった気分、
 嬉しくて…なんかどんどん歩きたい感じ、さっ、行こ!」ステテコ。
そう言ってれいなは山の奥の方にずんずんと歩いていく。
「おいこら、ちょっと待て!」スタタ。
オレも慌ててついていった。
・・・よく考えたら力が使えないれいななんて、
そこら辺の中学生…いや、ほとんど子供と一緒じゃねーか。
…今度は逆にオレがれいなを守らなきゃなんだな。。
 

805 :サボリン:2004/04/11(日) 19:06
 
と、どんどん歩いていくれいなの後をついて行くと、
急にれいなが立ち止まる。ぴたっ。

「○に〜ちゃん、あれ、なんやろ?」
「…ん?」
れいなの指差す方向を見ると、
少し下ったところに小さな池が見える。…ん?湯気が出てる。
「あ、温泉かも知れないな」
「…温泉って?」
「お風呂のでっかいやつ」
「お風呂!?、やったーっ!お風呂〜!」スタタタタ。
「ちょっ…」
れいなは一目散に温泉に向かって走っていって木の陰に見えなくなった。
「おーい、れいなー、離れるなよー!」スタスタ。
・・・どうするつもりだ?、まさか入るつもりじゃ、、

「おーい、○に〜ちゃ〜ん、じっくりコトコトいい湯だよ〜」

・・・あわわわ。

れいなは既に温泉に入っていた。
素っ裸で突っ立ってこっちを向いて手を振っている。。
日の光の中に白い肌を晒して、爪先きで背一ぱいに伸び上がっていた。。
下半身は湯気で見えないものの、ムネがプルプル揺れてるのははっきり見えた。

「お前、恥じらいってものを…」
「○に〜ちゃんも早く入りなよ、気持ちいいよ〜」
そう言ってれいなは体を湯に沈めた。ちゃぽん。
「あ、熱くないか?」
「大丈夫ばい」
「気をつけろよ、天然の温泉なんだから
 どっかムチャクチャ熱いところがあるかも知れないから」
「大丈夫ばい!」
「いや、大丈夫じゃない!
 右の奥の方に、白くなってるところがあるぞ、気をつけろ!」
「わかったっちゃ、もう、○に〜ちゃんも早く入らんと?」
そう言って濡らした髪をよせながらオレを見上げるれいな。
白い肩がツルツル光っている。
目を細めて顔を火照らせて、…ホントに気持ちよさそうだ。。
「…ぅぅ、…ま、まぁ、せ、せっかくだから入ることにするか。。」


オレは木の陰に隠れて裸になった。
近くにはれいなの下着やTシャツが転がっていた。
・・・ったく、絵里ちゃんもれいなも、、常識がなさすぎる。。
あ、そうだ、この6日間着替えなんてしなかったから服も汚いな。
…日差しが強いから温泉で洗ってから干せば乾くだろう。ついでに洗うか。
オレはれいなの服も持って温泉に入った。ぽちゃ。
れいなからなるべく離れて。。

806 :サボリン:2004/04/11(日) 19:07
 
「おそいよ〜、○に〜ちゃん、れいな、のぼせちゃうよ」ちゃぽ。
「だーっ!、立つなっ、いいからそこでつかってろ!」
オレは慌てて目をそらす。
「なんで〜?、話もできんと」
「お前、普通の女の子になりたいとか言ってたろ、
 だったらもう少し恥じらいを持て、恥じらいを!」
「なんや、つまらん」ぽちゃ。

「ほら、これ、お前の服、持ってきたから、
 お湯の中で適当にゴシゴシして洗っとけ」ふよふよ。
「はーい」ちゃぽちゃぽ。

「ふーっ。。」
・・・確かにいい湯だなぁ。。
・・・6日ぶりということもあるかも知れないけどホントに気持ちよかった。
昨日までの激務で溜った疲れが吹っ飛んでいくようだった。

「ひぃ〜、極楽、極楽ゥ〜」

「…なんや、○に〜ちゃん、オヤジくさっ!」
「・・・・、…へっ、子供は黙ってなさい、子供は!」
「なっ…、れいなは、」ぽちゃぽちゃ。
「…ん?」
「…れいなは子供じゃなかーっ!!」 ばさぁ!
れいなが来ていきなりオレの目の前に立ち上がる。。

「うわぁぁあ!」
「ほらっ、毛だって生えてるもん!
 毛が生えたら大の大人だって石川さんが言ってたもん!」ぷるん。
「だぁーーっ!、わぁーったから、見せるのはやめなさい!見せるのは!」
「それや、れいなは子供じゃなかと?」
「子供じゃないです、子供じゃないです、だからやめなさい!!」
「…ふむ、わかればよし!」ちゃぽ、と再び湯につかるれいな。

ふーっ。。

「…でもね、ほんまは生えてきたのはこん前なんよ、
 力がなくなりはじめてから、…なんか体がおかしいとよ
 石川さんに相談したら、、大人になってる証拠だって…」
「…そ、そうか、良かったな」

・・・どういうことだ?
いくられいなでも最近生えてきたってーのはおかしいだろう。
もしかしたら力を失って普通の人間になったのかもしれないな。。
 

807 :サボリン:2004/04/11(日) 19:07
 

・・


その後、洗った服を干し、乾くのを待つ間に昼寝をすることになった。
「れいな、お前はあっちで寝ろ!、こっち来んなよ!」
「なんで〜、○に〜ちゃんのそばがよか、
 好いとぉもん同士は裸で一緒に寝るんやって石川さんも言ってたよ」
「なっ…、…とにかく、お前はあっちで寝るんだっ!、じゃーなっ!」ピュゥ。
・・・ったく、石川さんも、、
かわいい顔をして裏では何を言ってるかわかったもんじゃないな。。


…ふう。

適当な草むらを見つけて横になる。
素っ裸で寝るのはちょっと落ち着かなかったけど
風呂上がりだし、気温も穏やかだ。……気持ちよく寝れそうだ。。

…うとうと。…と、

「キャーーッ、ライオンだよーっ!!
 ○に〜ちゃーん、助けて〜!!」 突然れいなの叫び声が!!
「な、なにっ!」スタタタ!!
オレは一目散に声のする方に走った。
・・・が、れいなは何事もなかったように笑って突っ立っていた。

「あははは、○に〜ちゃん、ひっかかったぁ〜」
「……っ、お、お前なぁ〜、、」
「あは、○に〜ちゃんのハダカば見ちゃったっ!
 うちのも見たんやけん、おあいこばい」
「あっ!」オレは慌てて股間を隠した。。

「くそォ、…お前は今井か!、自作自演は犯罪だぞっ、
 …ホントにライオンに食われても知らねーからな」スタスタ。
「あははは、ホントにライオンが来よったら
 うちはライオンと友達になるとよ〜」
「…勝手にやってろ、…オレは寝る!」スタスタ。

・・・ったく。
オレは元の場所に戻って横になった。
もう何を叫ぼうが起きないからな。むにゃむにゃ。

ようやく落ち着いて眠りにつくことができそうだ。。

ん〜、むにゃむにゃ、

今井は劣化ウラン弾ケツに突っ込んで氏ね・・・
 

808 :サボリン:2004/04/11(日) 19:08
 



・・ん?

・・・れいながライオンの子供になって、じゃれている。

・・・・夢だ。。

がーっ、夢の中にまで出てくるなっ!

「れいなっ、いい加減にしろっ!」バサッ。

「・・・・?」
起きると、横にれいなが座っていた。
れいなはもう服を着ていて、オレの上には乾いたシャツがかかっていた。

「○に〜ちゃん、……どうしたん?」
「いや、…れいなの夢でうなされた」
「あは、ひどいっちゃ〜、
 …あ、そうだほら、もう服乾いてたよ」
パサッ、とれいながオレのパンツを投げてきた。

「ああ、サンキュ、
 って、お前・・・・、…やっぱいいや」
いろいろ言うのが面倒になって、オレはそそくさと服を着た。

「さっ、帰るぞ」スタスタ。
「えっ、もう?、まだ明るいのに?」
「暗くなったら帰れないだろ」スタスタ。
「なんで〜、まだ大丈夫ばい
 もっと遠くまで探険しようよ、
 なんか他に発見できるかも知れなかよ、
 そしたらみんなも喜ぶとよ?」スタタタ。

「う〜ん、そう言われるとそうかもな…」ピタッ。
・・・今日は結局、温泉入ってただけだしな。
太陽を見ると…まだ2時頃だから先に行けないこともない。
でも、もっと先に行って帰れなくなったら困るぞ。
れいなは力を使えなくて頼りにならないし、、

どうするか。。




1 みんなのためにも、もう少し先まで探険してみる。
2 れいなを危険な目にはあわせられない、心配だからすぐに帰る。
 

809 :名無し娘。:2004/04/11(日) 22:46
1

810 :名無し娘。:2004/04/11(日) 22:49
ヾ从 ;` ヮ´;)ノ<れいなはボーボーたい!

1で

811 :名無し娘。:2004/04/12(月) 22:33
2

812 :名無し娘。:2004/04/14(水) 00:22
1

813 :名無し娘。:2004/04/14(水) 00:42
2で

814 :名無し娘。:2004/04/14(水) 22:16
2

815 :名無し娘。:2004/04/15(木) 18:36
1

816 :名無し娘。:2004/04/16(金) 12:37
1

817 :名無し娘。:2004/04/16(金) 18:48
1

818 :サボリン:2004/04/17(土) 03:43
 
「ん〜、よし、もう少しだけ先の方まで探険してみるか」

「やったっ、早く行こ!」ぷにっ。
れいなはオレの腕をつかんで頭を肩に寄せてくる。。
「・・・お前、なんか勘違いしてねーか?、デートじゃねーんだぞォ!」
「離れたら危険ばい、
 だって、れいなはもう力が使えなかよ、か弱い女の子なんよ、
 ○に〜ちゃんのせいでこうなっちゃったんよ?」
「・・・・ぐっ、…日が暮れるから早く行くぞ」スタスタ。
「あ、そぎゃん速う歩いたら歩きにくか…」
「腕を組んで山を歩くな、山をあなどるな!」スタスタ。
「あ〜ん待って、○に〜ちゃんのいぢわる、けち…」ステテテ…

「あっ!」

 ズテッ!グギャ!

れいなが足を滑らせてズッこける。
オレがスピードを上げたのに、
れいなは強引にオレの腕にしがみついたままだったから。。

「だ、大丈夫か?」
「……ぅ、…ぅ、大丈夫…ばい…」
れいなは目に涙を溜めて痛みを我慢している。膝からは血が出ていた。
「ほ、ホントか?
 …ちょっと見せてみろ、血が出てるじゃねーか」
「えっ!、…あっ、……ぅぅ、
 …○に〜ちゃんがいぢわるするけん、
 こけちゃったんやなかかぁーぁあーっ!、…うぇ〜ん!!」
「わたたた、ごめん、れいな、ごめんよー、
 ほら痛いの飛んでけーってな、ほら痛くないだろ?」スリスリ。
オレは必死に膝のまわりをさすってやったが、れいなは一向に泣きやまない。
「うぁ〜ん!、うぇ〜ん」ヒック、ヒック。
・・・うっわー、よく見たら実際痛そうだこりゃ。
擦り傷じゃなくて、膝がパックリと割れている。ピロッ。
傷口は3センチくらいだけど血がどんどん出てくる。ヤヴァイぞこりゃ。。
ったく半ズボンなんてはいてるから。って違う、オレのせいだ。
それはともかく、縫わなきゃかも。。とはいえ麻酔なんてないし、
ランボーよろしく強行突破か!?…って、針も糸もねーよ。。
 

819 :サボリン:2004/04/17(土) 03:43
 
「あわわ、とりあえず応急措置をして…
 とにかく、学校に戻ろう!」
オレはれいなの膝を抱えてハンカチで傷口を縛る。ササッ、クイッ。
「あぁ!」
「我慢しろ!」グルグル、グッ。
命に関わるほどの出血じゃないけど、
念のため太腿にベルトを絞めて止血した。
「痛い!」
「さっ、おんぶしてやるから、つかまれ!」
「…ぅぅ」
「よし、行くぞっ!」
オレはれいなを背中に乗っけて走り始めた。。


はぁ、はぁっ。

いくら軽いれいなとは言え、
山道を背負って下るのはつらかった。
れいなは痛みを我慢しながらうなっていたが、
泣き疲れたのか、しばらくすると眠ってしまった。。

はぁ、はぁっ。


と、来るときに崖崩れのあった場所に近づいた。
崩れた石の残骸があちこちに転がっていて歩きにくい。

石を避けながらもぞもぞとゆっくり歩いていると、

「困っているみたいね?」

・・・どこからともなく声がする。

「だ、誰?」 辺りを見渡す。

と、木の陰から一人の少女が姿を現した。。
 

820 :サボリン:2004/04/17(土) 03:44
 
「…君は、誰?、この時代の人?」
「あなたが○○さんですか、出会えて光栄です」 フッと微笑する少女。
れいなよりも小さな女の子だ。その割に話し方は大人びている。。
「な、なんでオレの名前を知ってるの?」
「…れいな、あの程度の負荷でヒトに堕ちてしまうとは情けない…」
そう言って近づき、れいなの口元に指先を添える少女。。
「…れいなも知ってるのか?、質問に答えろよっ!」

「私の名前は鈴木愛理、
 今はそれしか言えません、…お助けしましょう」

そう言うと少女はれいなの膝に手を添える。
と、フワッっと一瞬光が差す。

「…もう大丈夫です、ハンカチを取ってみて」

「えっ、マジで?」
スルスルッ、・・・傷が跡形もなく消えている。。
「すごい、、あ、ありがとう、、君は…」
「近いうちにまたお会いできるでしょう、では」 フッ

・・・・お、女の子は消えてしまった。。

…いったい何だったんだ?あの子は誰なんだ?、未来人?
なんでオレやれいなのことを知ってるんだ?
なにがなんだかわからない、けど、
れいなの傷が治ったことだけは確かだ。。


・・

しばらくしてれいなが目を覚ました。
事の顛末を話し、女の子のことを知っているかときいたが知らないと言う。

「でも、傷を一瞬で治しちゃうなんて…」
「そうやね、すごいね、…ファティマかもね」
「かもねってお前…」
「さ、○に〜ちゃん、早く帰ろ、れいなお腹空いちゃった」スタタタ。
「あ、こら待て、気をつけろ」スタタ。
「大丈夫ばーい」スタタタタ。

れいなはすっかり元気になり、二人で走って山を下った。。

 

821 :サボリン:2004/04/17(土) 03:45
 


・・



暗くなり始めた頃になんとか学校にたどり着いた。


それぞれが探険から帰ってくるのを待ち、みんなが集められた。

オレは温泉があったことをみんなに報告した。
みんな喜んで明日から交代で順番に行くことになった。
(ただ、山で会った愛理という女の子については話さなかった。)

愛ちゃんと絵里ちゃんは南の方で米がなってるのを発見したらしい。
明日以降、あさみちゃんが調査に行くようだ。
それにしても稲が自生してるとは運がいい。
既に実のついたものが沢山あったいう話で、みんな喜んでいた。

加護ちゃんは西の方でコカの木を発見して葉を持って帰ってきた。
みんなにコカの葉の茶を振る舞って喜んでいた。
みんなも久しぶりに明るさを取り戻して夕飯は盛り上がった。
ラジカセで音楽を鳴らして、みんなヒューヒュー踊っていた。
加護ちゃんは一人、石灰を包んでコカの葉をシカシカと噛みながら
明日からは栽培の研究をするんやと言って張り切っていた。


そんな感じで愉快な晩は過ぎていった。。


 

822 :サボリン:2004/04/17(土) 03:46
 






・・






25日目。。









あれから約2週間。

稲は思っていたよりたくさん実っていて
みんなで収穫したり脱穀したりで忙しかった。
麦やそばなども発見した。家畜の数も増えてきた。
どうやらこの冬は越せそうで、
余裕が出来てみんなの顔にも笑顔が見えはじめた。
来期に供えて畑や田んぼの耕作も徐々に始まった。

2日に一度、温泉に入りに行くようになった。
労働の後の温泉とコカ茶は最高だった。
洗濯もするようになり、一応清潔な生活が出来るようになった。
とはいえ着替えがなかったので、
みんな洗濯中は野球やサッカーのユニフォームとか柔道着を着ていて、
はたから見るとすごい間抜けな集まりだった。。

トイレも斉藤さんたちがちゃんと作ってくれて不自由が無くなった。
用水路の下りも完成して綺麗な水が循環するようになった。。
 

823 :サボリン:2004/04/17(土) 03:47
 

そんなある晩。

みんなが寝静まった後、
オレは少し寝付かれずに長屋の外に出て月を眺めていた。。

・・・・さゆみちゃんはどうしてるだろうか。
ふと気になった、そのとき、

 カラン。

と、オレの部屋から物音がする。。…ん?誰だろう?
まえに一度、辻ちゃんがかくれんぼをしていて潜り込んできたことがあるが、
まさかこんな深夜にやってんじゃねーだろーな。。

「誰?、辻ちゃん?」コト。部屋の中をゆっくりとのぞく。

…暗くてよく見えないが、布団の上に誰かいるみたいだ。。

「誰だよ?、返事しろ?」

「ふ、ふ、ふふふ、久しぶりね、○○くん」
「だっ、誰だよっ!」
「ふ、ふ、私を忘れたの?、この私を?、この世界一かわいい私を!」
カーテンが風に吹かれて窓から少し月明かりが差し込む。。

「ま、まつうらさん!」
…監禁されているはずのまつうらさんが布団の上に座っている。
随分痩せてしまって、目玉が浮き出るように頬がこけている。

「だ、だいじょう…」

 ガッ!!

「うわっ!」ドサッ!
まつうらさんが飛んできてオレの体をねじ伏せる。…な、なんて力だ。。

824 :サボリン:2004/04/17(土) 03:47
 
「あなたに心配される覚えはないわ!」ゴン!
「…痛ッ!」
オレの体の上にまたがり、オレの頭を手で地面に押しつけながらつぶやく。
「皆さん、よくも私をこんな目にあわせてくれましたわね、
 生まれて初めてのナイガシロですわよ私、怒りましたよ、ハァ、ハァ」
「いや、みんな藤本に命令され…」ゴン!
「黙りなさい!!
 そもそも私がさゆみんの主になっていれば
 こんなコトにはならなかったのよッ!」ゴンッ!
「……ッ!」
「…今度こそあなたを殺したいところだけど、
 ふっ、まぁいいわ、もっと面白いことを思いついたから…」
「な、何する気?」
はっ、まつうらさんの首にさゆみんの石がかかっている!
この凄い力は石のせいか。。石を盗るためにオレの部屋にいたのか?
「…ふ、ふ、ふふ、楽しみにしてなさい、
 せいぜい皆さんと仲良くやってね、デハ、ごきげんよう!」サッ!

「あっ、まつうらさん!」

…まつうらさんは凄い早さで走って裏門を出て行った。
・・・大丈夫だろうか、あんな痩せた体で。。
・・・・面白いことって、何をするつもりだろう。。
はっ、それより早く藤本に知らせなきゃ!
 

825 :サボリン:2004/04/17(土) 03:48
 
オレは急いで1号室に向かった。
と、ちょうど辻ちゃんと小川さんも来ていて
藤本や紺野さんと何やら話をしていた。
今日は辻ちゃんが夜の見張り当番だったが、
まつうらさんに騙されて鍵を開けて逃げられたという。
殴られて気を失っているところを交代で来た小川さんに発見されたらしい。

「…すまんれす」
「もういい、辻、過ぎたことだ…、
 猿とて生身の猿、あの衰弱した体でできることは高が知れている」
「…それが、藤本、違うんだ、
 まつうらさんは…さゆみんの石を持っているんだ…しかも3つ…」
「なっ、なんだとォ!、確かな話かァ!?」
「…うん、実はオレ、飯田さんから石を預かっていて、
 それを盗られて、…さっきもすごい力でねじ伏せられた、…眼が怖かった」
「オメー、石を持ってて今まで黙ってたのかァ?」グイッ!
「…ぅぅ、…ごめん」
「……っ、くそォ」
「…石を持ってるとなると話が変わってきますね、
 松浦さんはそれなりに知識を持っていますし、使い方も知ってるようです」
「野放しにしたら何をやらかすかわからねーなァ、、
 で?、ヤツはどこに行った?」
「オレを殺すより面白いことを思いついたって言って、
 裏門を出て南の方に走ってった…」
「…ちくしょう、何をしでかす気だァ・・・?
 森に逃げられたらココで暴れられるよりタチが悪いじゃねーか、
 これじゃぁ、明日から安心して森を歩けねぞォ!」
「…藤本、どうしよう?」
「美貴様…」
 

826 :サボリン:2004/04/17(土) 03:49
 
「……焦ったら負けだ、
 今日はとりあえずみんな寝ろ、明日の朝、まつうら討伐隊を結成する、
 隊員はオレと○○、他数名、森に入ってまつうらを撃つ!」
「……そんな、まつうらさんを撃つって…」
「○○、オメーが石を盗られてこんなことになったんじゃねーか、
 とにかく、猿は危険なんだ、文句は言わせねーぞォ!」
「……、…わかったよ」
「よし、他の人選はオメーに任せる、明朝までによく考えておけ」
「…うん」
「ヨゥシ、オメーラ解散だァ、騒ぐんじゃねー、ほら散れ散れ!」
「……」



オレは自分の布団にもぐって考え始めた。
まつうらさん、あんな怖い顔をして何をする気だろうか。

…それにしても、さゆみんの石を盗られたのはまずかった。
・・・・さゆみちゃん、生きてるのかな。

いや、それよりまず、明日の人選を考えなくちゃ。
藤本とオレと、、あと数名を選べって言ってたな。
・・・なんで藤本はオレなんかに人選を任せたんだ?

…なんだか身震いがする。。…よく考えて選ぼう。。





【以下の中から、2人選んでください】
 (多数決で3名が討伐隊に加わります)


  紺野さん 絵里ちゃん れいな 愛ちゃん 加護ちゃん


(ここでは親密度が2以下の人物は選択肢に表示されていません)

 

827 :名無し娘。:2004/04/17(土) 12:18
紺野さん 絵里ちゃん

戦闘力重視で

828 :名無し募集中。。。:2004/04/17(土) 14:09
紺野さん 愛ちゃん

好み重視で

829 :名無し娘。:2004/04/17(土) 14:44
れいな 加護ちゃん

830 :名無し娘。:2004/04/17(土) 16:02
愛ちゃん 絵里ちゃん

831 :sage:2004/04/18(日) 03:27
れいなとえりりん

好みでw

832 :名無し娘。:2004/04/19(月) 08:15
紺野さん 愛ちゃん

展開たのしみにしてます

833 :名無し娘。:2004/04/19(月) 22:12
愛ちゃん 加護ちゃん
あいちゃんずで

834 :名無し娘。:2004/04/20(火) 05:10
絵里ちゃん 加護ちゃん

835 :名無し娘。:2004/04/22(木) 08:04
紺野さん、絵里ちゃん

836 :サボリン:2004/04/27(火) 01:23
 
よし、紺野さんと絵里ちゃんと愛ちゃんを連れて行こう。

石を盗られたのはオレの責任だ。
あの状態のまつうらさんは確かに危険だと思う。
できるならみんなを危険な目にはあわせたくないけど、
オレ一人で解決できる問題じゃない、
藤本やみんなにも協力してもらうしかないのか。。

オレはモンモンとしながら眠りについた。




26日目。




朝、起きて校庭に出てみると
紺野さんたちが銃を用意して待っていた。

「○○、隊員は決まったかァ?」と、藤本。
「うん、・・・紺野さん、絵里ちゃん、愛ちゃんに頼もうと思う、
 みんな、一緒に行ってくれるかな?」
「もちろんです」「やったー○○と一緒!」「先輩について行きます」
「ありがと、みんな、まつうらさんのことはオレに責任が…」
「ヨゥシ、隊員は決まったァ、
 各自朝食を済ませ、8時に裏門に集合だ、わかったかァ!」
「はいっ」「はい!」「やよー」「…うん」


8時に裏門に集合してみると
機関銃とリュックが各自に用意されて手渡された。
「それぞれ装備の確認を怠るな、
 銃の使用法はあらかじめ紺野やまいに習っておけェ!」
銃の使い方を教わって、装備をつけてみると、
なんだかみんな物々しい格好になっていた。。
 

837 :サボリン:2004/04/27(火) 01:24
 
 
「まい、あさみ、後は頼んだ」
「はい!」「はっ」
「まつうらのことが片づくまで森には入るな」
「はい!」「はっ」
「では、行って参る」
「お気をつけて!」「ご武運をッ!」
「ヨゥシ、オメーラァ!、行くぞォ!!」スタタタ。
「おお!」「はい!」「はい」「…おお!」スタタタタ。
オレたちは藤本の後について裏門を出て南に走った。


森の入り口まで来ると藤本が止まって話し出す。カチャ。
「紺野、亀、タカハシ、○○、よく聞け!
 これからお互いに30メートル間隔で距離を保って南下する、
 常に隣のヤツの動きを見て、安全を確認しながら歩け。
 それと、まつうらはさゆみんの石を持っているから
 気をつけろ、いいか普通の人間だと思うな!
 まつうらを発見した場合はまず警笛で知らせる、
 ただ、状況が切迫している場合、なるべくなら、
 …なるべくなら殺りたくはないが、自衛的に発砲を許可する、
 だが、もしもそのときは一発で殺せ!
 まつうらに二度目は無いぞっ!、いいな!」
「はい!」「はい」「…うん」「……」


藤本の指示通り、お互いに30メートル離れながら森に入った。

銃を構え、辺りを見回しながらゆっくりと歩く。カチャ、ザザッ。
…昨日まで稲の収穫で通っていた森が突然戦場になったみたいだった。


・・

2時間ほど無言の時が流れた。。
足が草に引っかかる。…疲れてきた、が、
隣の紺野さんと絵里ちゃんも頑張って歩いてる。
泣き言は言えない。。と、

ぴゅゅゅぅぅう!、

笛の音が聞こえる。

警告音だ!、左の方からだ。
…愛ちゃんがいる方向。。大丈夫だろうか。。

オレたちはお互いを見ながら静かに笛の音の方へ近づいた。スタスタ。
 

838 :サボリン:2004/04/27(火) 01:24
 
と、愛ちゃんが座って誰かを抱えている。…飯田先輩だ。

「飯田先輩、大丈夫っすか?」ペチペチ。
「…ぅぅ、……ぁ?」
「飯田先輩!」ペチペチペチペチペチペチペチペチペチペ…
「…ぅぁあ!、、……高橋、、…□□くん」むにゃ。
「…飯田先輩、どうしたんですか?」
飯田先輩…、久しぶりに会った。。
2週間以上森をさまよっていた割にはちゃんとした格好だ。
とはいえ様子がおかしい。目の焦点が定まらないようだ。。
「どうしたァ?」スタタ。藤本もやってきた。
「…なんだデンパババァか、どういうことだ高橋?」カチャ。
「ここで倒れてたんすよ、あっしはただ発見しただけやで…」
「…はっ、松浦、松浦さんが……ぅ<っ!、はあっ、はぁっ!」
いきなり飯田先輩がムネをつかんで苦しみ出す。
「なにっ?、まつうらがどうしたってェ?」グイッ。

「…松浦さんを行かせてはダメよ、
 彼女はさゆみんを殺す気だわ!」
「なんだってェ、さゆみんが生きて…??」
「さゆみんを殺したら今度こそ地球はッ…っ」
「飯田先輩、さゆみちゃんに会えたんですか?生きてたんですか!?」
「…会えなかった、でも、神殿のような建物を発見したわ、
 この先の川に沿って…南に50キロほど行ったところに…小さな湖がある、
 そこに神殿のような建物があって、、恐ろしい気を感じたの、
 私は□□くんを呼んでこようと思って……っ、
 …学校に戻る途中で松浦さんにッ、…ゴホゴホッ!」
「まつうらにやられたのか!、飯田ァ!?」
「…ゴホゴボッ、……っ、…そうよ」
「美貴様、飯田さんはさゆみんの石のかなりの使い手で、
 あのときは弱点を突かれたとは言え、亀を吹っ飛ばすほどでした、
 その飯田さんがここまでやられたとなると…」と紺野さん。
「うにゅぅ、猿め!」ピキ。
「松浦さんはもう…っ、ほどんど狂っていたわ、気をつけなさい、
 ……っ、とにかく、さゆみんを頼んだわ、□□くん…」ちゃら。
そう言って飯田先輩がさゆみんの石をオレに差し出す。
「飯田先輩!」がしっ。
「…南へ、神殿へ行きなさい…」ガクッ。

・・・そう言って飯田先輩は気を失ってしまった。
「飯田先輩っ!!」

 

839 :サボリン:2004/04/27(火) 01:25
 

「…飯田……」
「……さゆ…」
「神殿ってなんやろ、人がいるってことやろか?」
「美貴様…」
「…ヨシっ、先を急ぐぞッ、飯田を信じて神殿に向かう!」スタスタ。
「ちょっと待てよ、藤本、
 飯田先輩はどうすンだよォ?」
「…捨て置け。じきに回復して自力で学校まで行けるだろう」
「そんな…こんなヘロヘロになってんだから無理だろォ!?
 飯田先輩を学校まで連れて行ってからにしようよ?」
「今はそんなことをしている暇はない、猿の目的がわかっただろォ!
 …ヤツはどうにかして…さゆみんにまたあの力を使わせる気だ、、
 そうなったら今度こそオレら仲良くソロってあの世逝きだぜ○○ゥ、
 ンなことになってもいいのかよォ?、…一刻を争う事態だ、早く行くぞ!」
「藤本ォ…」
「飯田さんなら大丈夫ですよ、さ、○○さん、行きましょう」スタスタ。
「紺野さん…」


そんな・・・、
気を失った飯田先輩をこんなとこに置いたまま行くなんて…

藤本はいったん言い出したら曲げないし、、どうすればいいんだ?

誰か一人が残って飯田先輩の面倒をみるっていうのはどうだ?

…オレが残りたいところだけど、さゆみちゃんが生きてるなら
オレが行ってなんとかしなきゃだし。。





1 紺野さんに残って飯田先輩をみてもらう。
2 絵里ちゃんに残って飯田先輩をみてもらう。
3 愛ちゃんに残って飯田先輩をみてもらう。
4 戦力の低下は避けるべきだ、…飯田先輩は見捨てる。
 

840 :名無し娘。:2004/04/27(火) 01:31
4

841 :名無し娘。:2004/04/27(火) 18:14
1

842 :名無し娘。:2004/04/27(火) 21:00
2

843 :名無し娘。:2004/04/27(火) 21:10
1de

844 :名無し娘。:2004/04/28(水) 14:52
4

845 :名無し娘。:2004/04/29(木) 08:37
3

846 :名無し娘。:2004/04/29(木) 18:11
4

847 :名無し娘。:2004/04/29(木) 23:01
4

848 :名無し娘。:2004/05/02(日) 00:02
4

849 :サボリン:2004/05/03(月) 03:48
 
「…わかった」…飯田先輩はここに置いて行こう。。

「…ヨゥシ○○、行くぞっ、
 ……さっさと歩けよタコ!」スタスタ。
「…うん」

・・・飯田先輩のことだから大丈夫だろう、、たぶん。。
オレは飯田先輩から渡されたさゆみんの石を握りしめて歩き始めた。
倒れたままの飯田先輩を見るのが怖くて後ろを振り返れなかった。。


・・

しばらくして川を見つけ、川が見える距離を保って森の中を南下した。

辺りを警戒しながらゆっくりと歩く。

既に未開拓地域に入っていた。

深い森に時折差し込む太陽の光、、

もう正午近くだとわかる。。


5人はさっきよりも近づいてかたまって歩いていたのに

警戒心からか、森の静けさにのまれたのか、

お互いに話すこともなく、ひたすら草を切って歩いていた。。


・・


27日目。



そして次の日になっても、、

オレたちは、ほぼ一日中歩いていた。

しかし、風景は変わらなかった。。

しだいに日が傾き始め、

今日も昨日と同じように野営の準備をすることになった。
 

850 :サボリン:2004/05/03(月) 03:49
 

たき火を囲み、米を炊きながら熊肉の燻製をかじる5人。

それぞれの顔がオレンジに照らされ、

火の加減で表情が変化して見える。。パチパチ。


「…飯田さんは50キロ南下すれば湖があるって言ってたのに、
 2日歩いても着かないなんて……どういうこと?」パチパチ。
おもむろに絵里ちゃんが口を開く。

「森ん中をゆっくり歩いてるんやから、
 こんなもんなんじゃないすか?」と愛ちゃん。
「高橋さんは…飯田さんを信じるんですか?」
「…飯田先輩は悪い人やないよ、あっしは信じるよ」
「絵里は…あの人、なんか信じられない、
 松浦さんの味方だったらどうするの?
 絵里たちがこうしてる間に学校が攻撃されてるかも…」
「…亀、
 私たちの役目は信じるかどうかではない、行うかどうかだ」
紺野さんが諭すように絵里ちゃんに言う。
「……はい」

「どっちにしても明日には結論が出るだろう…」と藤本。
「…藤本、もし明日、湖に着いたとして、
 …まつうらさんを発見したら、どうするつもり?」オレがたずねる。
「…殺すしか、ないんじゃねーかな」
「どうして?、なんでオマエとまつうらさんが
 殺し合わなきゃならねーんだ?
 二人の間に何があるって言うんだよォ?」
「フッ…さぁな、
 …お互い、しょってる荷物が重くなっちまったからなァ…」
「美貴様…」
「ずぅっと一緒だったんだ…、
 養護施設にいた頃から。…アイツの事ならなんでも知ってる」
「……」 
「アイツには世界が自分を否定したら
 肯定するようにその世界を変える力があった…、
 でも次第にヤツは、世界にあわせて自分を変えるようになっちまって…」
「……」
「皮肉にもそれが原因でヤツは今、世界に否定されようとしている、
 …それで、今度は自分から世界を否定してやろうと必死なのさ……」
「…よくわかんねーよ、…だから殺すってーのか?」
「裸の王様に裸だって真実を教えるよりも
 裸のまま葬ってやった方が、信義を守ることになるのさ…」カチャ。
「……」「……」「……」「……」
 

851 :サボリン:2004/05/03(月) 03:49
 

「…しゃべりすぎたようだな、…明日も早い、もう寝よう」
「…ああ」「…はい」「…うん」「…うん」


5人はそれぞれ自分のリュックを枕にして横になった。

静かすぎて寝付かれない夜だった。

川の音だけが静かに流れていた。



・・




28日目。




今日も朝から歩きっぱなしだった。ザッ、ザザッ。

…銃を持つ腕が重い。…みんなの表情にも疲れの色が見える。

木々の間から見える川だけはキラキラと光って涼しげに流れていた。

「…ねぇ、ホ、ホントに湖なんてあるの?
 どこまで行ってもおんなじ景色じゃない!?」ハァ、ハァ。
「黙れ亀」ザッ、ザザッ。
「やっぱり飯田さんに騙され…」
「黙れっつってんだろォオ!」
「…ぅぅ」
紺野さんが切れて怒鳴ったので
絵里ちゃんはとうとう泣き出してしまった。
「…ったく、ねんねじゃあるめーし、
 力を使えないファティマほど使えねーもんはねぇぜ!」
「…えっ、……どうして…?」
「最近のオマエの様子を見ればわかるさ、
 第一、オマエがまだ力を使えるんなら
 こんくらい歩いたくらいでへたばるはずがねーじゃねぇか」
「……紺野さん、知ってたの…?」
・・・そうか、やっぱり絵里ちゃんも力が使えなくなってたのか。。
「亀ェ、見捨てられたくなかったらァ、
 おとなしく黙ってついて来いッ!わかったかァ!?」
「……っ、…はい!」スタスタ。
 

852 :サボリン:2004/05/03(月) 03:50
 

「紺野…」ピタッ。
「はっ、どうなされましたか美貴様?」スタタ。
「…霧だ」
「え?」

・・・本当だ。
気がつくといつのまにか前の方が霧に覆われている。
「オメーラ気をつけろ、
 なるべくかたまって行くぞ、
 それと、霧が晴れるまで銃は使うな」
「はい」「…はい」「…うん」「うん」

オレたちは声を出してお互いを確認しながら
真っ白な霧の中をゆっくりと歩いていった。。
が、霧はどんどん濃くなり、2メートル先も見えないようになってきた。

「ちくしょう…、
 オメーラ、適当に誰かと手をつなくんだ、
 ゆっくり、気をつけて行け!」 もわもわ。

「はい」「はい」「うん」 もわもわ。


・・・誰かと手をつなげって、その誰かが見つからねーよ。。
・・・もう声を頼りに歩くしかないな。

オレは必死に耳をそばだててみんなの声を聞いた。
紺野さんと絵里ちゃんと愛ちゃんはそばにいるみたいだ。

誰の方に向かおうか。。





1 紺野さんの方に向かう。
2 絵里ちゃんの方に向かう。
3 愛ちゃんの方に向かう。
 

853 :各無し墓集中。。。:2004/05/04(火) 09:26
3

854 :名無し娘。:2004/05/05(水) 03:07


855 :名無し娘。:2004/05/05(水) 14:13
3

856 :名無し娘。:2004/05/05(水) 19:51
2

857 :名無し娘。:2004/05/06(木) 01:21
2

858 :名無し娘。:2004/05/07(金) 18:37
3

859 :サボリン:2004/05/08(土) 06:23
 
「愛ちゃん!、愛ちゃんどこ?」 もわもわ。

「あ、先輩、ここですよ、ここ!」 もわもわ。

「ちょっと待…」 ドシン!

「あいた!」

「…っ、、ごめん愛ちゃん、大丈夫?」

「……っ、…大丈夫です、
 よかったー、先輩と会えて、
 もう二度と会えなくなるような気がしちゃいましたよ」

そう言う愛ちゃんの笑顔が微かに見えた。
「ハハハ、大げさだなー、…じゃ行こうか」
「はい」

オレは愛ちゃんの手を握って歩き始めた。

視界はさらに悪くなり、
手を握っている愛ちゃんの顔すら見えないくらいだった。
愛ちゃんの手は緊張で少し汗ばんでいた。。と、


「…ぅっ!」 …ドサッ!


…突然愛ちゃんが小さな声をあげて転んでしまった。

「愛ちゃん、どうしたの!?」ゆさゆさ。
「…」
オレは手探りで愛ちゃんの体を抱きしめたが反応がない。
「ちょっ、大丈夫かよオイ!」ゆさゆさ!

・・・打ち所が悪かったのだろうか。…気を失ってるみたいだ。

「お、おーい藤本ォ!、愛ちゃんがコケちゃって意識不明だよォ!!」
「ァんだとォ!、…オメーが背負って連れてこいよ!」
「……わかった!」

オレは愛ちゃんをなんとか背負って歩き始めた。
視界がほとんどない霧の中で愛ちゃんを背負って歩くのはつらかった。
目隠しをされた馬になった気分だった。
 

860 :サボリン:2004/05/08(土) 06:24
 
 
ひたすら歯を食いしばって歩いていくと、ようやく霧が晴れてきた。
5分くらいしか歩いてないはずなのに随分長く感じた。


と、突然目の前に湖が、、そして神殿が、見えてきた。。

…飯田先輩の言ったとおりだ。湖の上に神殿が建っている。

パルテノン神殿みたいな造りで、大きな柱が何本も見える。

「……ついたようだな」
「…はい」「はい」「…ああ」
「ヨシ、ここは視界が悪くて危険だ、
 …とりあえず神殿の中に入るぞ!」スタスタ。

と言って藤本は歩き出す。紺野さんと絵里ちゃんも歩き出す。
・・・オイオイ、こんなアヤシイ神殿にいきなり入っちゃって大丈夫かよ。
とはいえ、湖の周りは霧だらけで、神殿の辺りだけ霧が晴れていた。
まるで神殿がオレたちを呼んでいるようだった。

藤本の後について神殿への橋を渡る。
下に見える湖の水が恐ろしく澄んでいた。
近づくにつれ、柱の一つ一つがなまめかしく光っているのが見える。

6本の大きな柱の間を通って中に入ってみると、
大きな空間に2列の柱列があってさらに奥へと続いていた。
藤本はその奥へと足を進めていく。スタスタ。
「オイ、藤本、そんな奥に入っちゃって大丈夫かよ?」スタスタ。
「なるべく死角の少ないところへ行くんだ」スタスタ。

「ここなら大丈夫だろう」ピタッ。
柱列の奥に大きな壁があり、玉座のような立派な石の椅子があった。
オレたちはその壁を背中にしてやっと歩みを止めた。

「なんか気持ち悪いね」と絵里ちゃん。
「…うん」
床も柱も硬くツルツルしていて気持ち悪い。
いやな汗が出てくる。。
 

861 :サボリン:2004/05/08(土) 06:24
 
と、はじめて背中が重いことを思い出す。

「……はっ、愛ちゃん大丈夫かな?」
オレは背中の愛ちゃんを地面に下ろした。 ズルズル。
「愛ちゃん?、愛ちゃん?」 ペチペチ。
「…」
「どうですか、高橋さんは?
 …人騒がせなヒトですねぇ、まったく」
そう言って紺野さんが様子を見に来る。

「鼻血が出てますね…」 ピトッ。
そう言って愛ちゃんの首筋を触る紺野さん。
が、紺野さんはいきなりフリーズしたように顔が固まってしまった。

「ちょっ……これは…?」 ブルブル。
「なに?…どうしたの紺野さん?」
「高橋さん、大丈夫ぅ?」絵里ちゃんも心配そうに愛ちゃんの顔をのぞく。
「…亀、…コイツ…」
「え、なになに?…どうしたの?」

「…死んでる」
「なっ、なにっ!」「ぬァんだとォ?」
「やっだー、紺野さん、こんな時に冗談…」 ピトッ。。

「ぅわぁああ!、死ンでるぅう!!」

絵里ちゃんが叫び出す。

「嘘だろォオイ!」
オレは慌てて愛ちゃんの口元に耳を寄せる。
…息をしてない。。…体も冷たい。。
ホ、ホントに死んでる、、みたいだ。。。


「○○、どういうことだ?」
「し、知るかよ、愛ちゃんはただ転んだだけで…」
「転んだだけで死んでたまりますか!」
「打ち所が悪かったンじゃねェか?」
「なんで、なんでこんなことに!?」

と、4人で騒いでいると背後から笑い声がする。。
 

862 :サボリン:2004/05/08(土) 06:25
 


「へっ、へっへっ、…カッパがオカで死んでるってェ?」


「なっ!…」カチャ。

「…まつうらさん!、いつの間にっ!」
振り向くと、まつうらさんが背後の玉座に座ってこっちをにらんでいた。

「くっ、くっ、くっ」ニヤッ。

「……っ、…松浦さん、あなたが、、殺ったんですか…」

「…ぅるせェ、金魚はすっこんでろ!!」

ヒュン!  …ドガッ!!

「くはっ!」

・・紺野さんが吹っ飛ばされて柱にぶつかった。
・・・まつうらさんは手も触れてないのに。。

「紺野さん!、大丈夫ですか!?」絵里ちゃんが駆け寄る。

・・・まつうらさん、様子が変だ。話し方も表情も別人みたいだ。。
 

863 :サボリン:2004/05/08(土) 06:26
 

「へっ、へっ、藤本ォ!、…元気にしてたかよ?」 スタッ。
「…ふっ、まぁな、オメーこそ、ずいぶんと顔色が悪いぜ」
「ちょっと頭痛がな・・・・」
「そりゃイケねーなァ、カワイイお顔がゆがんでるぜ!
 楽にしてやろうかァ、なァまつうらよォ!」 カチャ。

「へっ、そう力むなよ藤本、お前はオレの友達だろォ?
 オレはお前が土下座して謝るなら生かしてやろうと思ってんだ、
 ケツ拭きの女中として使ってやるよォ!」
「ははっ、猿の糞掃除は勘弁だぜェ!
 ……まつうらよォ、…オメーが目障りだったんだよ、
 ガキの頃から何をするのもオメーが指図しやがる、
 どこにでも出てきてボス面しやがる!!」

「へっ、お前もボスになったんだろォ、
 …あのガキ共のはき溜めでよォ!!」

「まつうらァア!!」

「"さん"をつけろよ、デコ助野郎ォ!!」

「死ィねェエエ!!!」


 ズ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ッ ! !


           ピンピンピンピンピンッ!


「なっ…」

「ハハハ、そんなオモチャでなにが"死ね"だ」 ジャリ。

「……ちくしょう」 ズズッ。
 

864 :サボリン:2004/05/08(土) 06:26
 
「そんなんでオレが殺せると思ったのかよォ、藤本ォ」
そう言って静かに人差し指を唇に添えるまつうらさん。。
「それじゃぁ、オレもママゴトに付き合ってやろうかなァ、
 オレは指鉄砲で勝負してやるよォ…、行くぞォ…」

「バンッ!」

 ドッ!!

「…痛ッ!!」 …ブシュッ!!

・・・あわわ、藤本の左腕が割れて、勢いよく血が出ている。
「…ふ、藤本ォ!」
・・・と、叫んだもののオレは足がびくついて動けなかった。。

「あっれれれれれれェ??
 このォ指鉄砲は本物みたいに効いちゃうんでちゅねェ、
 …じゃぁ、今度は右足を狙ってみようかなァ、当たるかなァ…」

「バンッ!」

「……っ…ぁっ!」 …ブシュゥゥ、ドクッ、ドクドクッ!

・・・もう藤本の体は全身が血だらけだった。見ていられない。

「ちくしょぉおお!!」スタタタタ。

オレは意を決し、体当たりをしようとまつうらさんめがけて走り出した。

「邪魔者はァ、すっこんでろ!!」 クン!

ヒュン …ドカッ!

「うわぁあっ!」
…軽くまつうらさんに吹っ飛ばされて柱に叩きつけられるオレ。。
・・・何も出来ない自分が情けない。。
 

865 :サボリン:2004/05/08(土) 06:27
 

「さァってと、次はどこを狙おうかなァ?
 へっ、安心しろォ藤本、お前だけは簡単に死なせやしねーから」

と、

「……美貴…様…」 ズズッ…

紺野さんが藤本をかばって前に立つ。

「紺…野、オメーはあっちに…」
「あーら、紺野ちゃん、まーだ生きてたの〜?
 どいてくれるかなァ?、それとも先に死にたいの?」
「……」
大きな目を見開いてまつうらさんをジッと見つめる紺野さん。
「ねぇ、紺野ちゃん、どいてよ?」
「……」
黙って唇を噛む紺野さん。

「ねぇ、どいてくれたら私の部下にしてあげるよ?」

 プッ!

「……っ!」
紺野さんがまつうらさんの顔に唾を吐きかけた。

「紺野…」
「美貴様…」
 

866 :サボリン:2004/05/08(土) 06:28
 

「・・っ・・・!」

「・・・どけっつってんだろ、こん出目金がァ!」


    バ カ ッ !!


 …頭から血を四方に吹いて紺野さんが後ろに倒れ込む。

それを抱え込む藤本。

「紺野ォオ!ォオ!」 ・・・グチャ。

「うわぁああ!!」…ガクガクブルブル。

・・・紺野さんの頭が割れてる。。・・・震えが止まらない。。
紺野さんの頭を抱く藤本のまわりはもう、二人の血でぐちゃぐちゃだった。

「はァ、はァッ、…まつうらァ、貴様ァ…」

「…藤本、手前も逝っちまえ!」

そう言って人差し指を藤本に向けるまつうらさん。


 ドンッ!


 

867 :サボリン:2004/05/08(土) 06:29
 
「…?、・・・くはっ!」

まつうらさんの背後に見える人影。。絵里ちゃん!!

絵里ちゃんが背後からナイフをまつうらさんの背中に刺していた。

「はぁっ、はあっ!」

「よくやったァ、亀ェエッ!」
「え、死んだ?死んだ?」

「…ハハ、これくらいで死ぬわけがないだろゥ、亀ちゃんよォ」 グググッ。
後ろに手を伸ばして絵里ちゃんの腕をつかんでナイフを引き抜くまつうらさん。

「…ぁっ!」 ググッ、、スポッ。

まつうらさんが絵里ちゃんのナイフを奪い取る。

「わっからねーのかなァ…」 クルッ…

と、振り返って絵里ちゃんの肩をつかむ。 ググッ。


「雑魚はァ…、、おとなしく死んでろってェ!!」

 ズ ド ッ !!

「ああっ!!」

絵里ちゃんのみぞおちから心臓の方へ一気にナイフが突き刺さる。

「……痛い、痛いよ○○っ…」 グリグリッ。

「絵里ちゃん!!」スタタ。

「○○、手前もこうなりたくなかったらおとなしくしてろォ、
 ・・・・ほらよっ!」

 ズ バ ッ ト !!

まつうらさんが勢いよくナイフを引き抜き、
絵里ちゃんが背中から倒れるのをオレは急いで受け止めた。ドサッ。
 

868 :サボリン:2004/05/08(土) 06:29
 
「・・・ああぁ、絵里ちゃん、絵里ちゃん・・・」
「○○、絵里…がんばった?…え、偉い?」 ドクドク。
「がんばった、わかったからもうしゃべるな!」
絵里ちゃんの腹からどんどん血が流れてくる。 ドクドクッ。
オレは血を止めようと腹を押さえるが、指の間からなおも血が出てくる。

「止まらねェ、止まらねェよォ、絵里ちゃ…」
「○○、最後に…絵里にキス…して…
 絵里は○○のこと、…ホントに好きだったんだよ…」
「うん、オレだって…」

そう言ってオレはやさしく絵里ちゃんにキスをした。。


 …頭を上げてみると、絵里ちゃんは目を閉じて動かなくなっていた。

「……っ、絵里ちゃァん!!、
 ……ぅぅ、…絵里ちゃ……絵里ちゃ…ん…」

オレは冷たくなり始めた絵里ちゃんを抱きしめたまま崩れ落ちた。

「へっ、メロドラマじゃねーんだよォ!」 クルッ…

「さぁてと、どうする?、藤本?
 残ったのはお前だけだぜェ!」 ザザッ。
そう言って藤本の方に歩いていくまつうらさん。
 

869 :サボリン:2004/05/08(土) 06:30
 
「はァ、…はァッ、
 …殺るなら、…早く殺らねーかこの猿!」

「ふふ、まだ元気が残ってるようね」 ぐいっ。
と、藤本のアゴを持って顔を上げさせる。
ギラッと、もの凄い形相でにらみつける藤本。

「…その眼だよォ、
 オレはその眼が気に入らなかったんだよ藤本ォ、
 そのナイフで切ったような眼、人を刺すような眼、
 その鋭さだけはお前の勝ちだよなァ藤本」 チャカ。

「はあッ、…はぁッ、
 …ふっ、…勝ちとか…負けとか、
 …オメーは全然…成長してねーな猿」

「…へっ、テメェもちったァ頭下げることを覚えたら…」 ススッ…

「…どォなンだよォオ!!」


  ス ラ ー ッ シ ュ !!


「うわぁあああっ!!」 ブシュッ!


藤本が眼を押さえて体をよじらせる。

・・・眼をナイフでやられたらしい。
 

870 :サボリン:2004/05/08(土) 06:31
 

「あぁ!、…たん、…美貴たん!
 …どうしたの?、…かわいそうに、、
 …私、…なんてことをしてしまったの」ガクガク。

「・・・・なァ、藤本よォ、お前だけなんだよ、
 オレを対等に見てくれたのは、頭を下げなかったのは…」 シクシク。

「・・・・オレぁ、嬉しかったんだぜェ、
 お前と友達になれて、、だからよォ、藤本、
 お前さえ居ればいい、もう一度二人でやりなおさないかァ?」

「ねぇ?、…美貴たん?」


「…あ、亜弥ちゃん…」

スッと、まつうらさんに手を伸ばす藤本。

「…?、……たん!?」 スス…

「…亜弥ちゃ…」

「…たん!」


「…、……ィねッ」 ブン!!


 ズ バ ッ ! !


「…痛ッ!!」 ビッ!

藤本のナイフがまつうらさんの頬を切った。

「…ちくしょう、はずれたのか!?」
 

871 :サボリン:2004/05/08(土) 06:32
 


 「うぅるるるうぅぁぁああぁっ!!」


「…藤本ォオッ、今度こそ死ねェエ!」

 ブ ス ッ !

「……ッ!!」

「死ィねェッ、死ね死ねェエッ!」

 ブ ス ッ、、ブ ス ブ ス ッ !!

「…ッ、…っ、…ぉぁぁああぁっ!」

藤本の腹にナイフを刺しまくるまつうらさん。。

「やめろォオ!、まつうらさんやめてくれッ!
 なぜここまでしなきゃいけないんだよォオ!
 友達…友達だったんだろォ、藤本とはッ!!」


「…まァだ懲りねーのか○○、ならテメエから先に潰してやるぜ!」

頬を押さえたまままつうらさんがゆっくりと歩いて近づいてくる。

スタッ、スタッ、

はあっ、はぁっ、はぁっ、

ちくしょう、死んでやる、派手に死んでやるさ、

オレは絵里ちゃんを抱いたまま銃に手を伸ばした。

ドクン、ドクン、ドクン、

ドクッ、ドクンドクン、ドクドクン、、

 

872 :サボリン:2004/05/08(土) 06:32
 




「…ぁぅ〜」





「ん?」


「誰だっ!?」




「…ぃぁ〜?」





「さ、さゆみちゃん!」


まつうらさんの後ろの柱からさゆみちゃんが見える。

生きてた!…やっぱり生きてたんだっ!!

白いドレスに腰まで伸びた髪。。…まるで天使みたいだった。。
 

873 :サボリン:2004/05/08(土) 06:33
 

「…へっ、ついに出てきやがったなァ、化け物め!」


「…ぁぅ〜!」
嬉しそうな顔をしてオレに近づいてくるさゆみちゃん。

「あ、ダメだ、こっちに来ちゃ!!」

「死ねェっ!」

 ヒュン、ドガッ!!

「…ぁぅ!」 ガラガラガラッ……。

柱に叩きつけられるさゆみちゃん。

「さゆみちゃん、大丈夫!?」
オレは動こうとしたが絵里ちゃんを抱えてるせいか、
腰が抜けたのか、起きあがることができない。

「みんなで派手に逝こうじゃねーかァ?
 あ?、さゆみんよ、もう一度アレを頼むぜ!」 カチャ。
そう言って機関銃を構えるまつうらさん。

「逃げろっ、さゆみちゃん、逃げろォ!!」

「…ぃぁ?」

「試しに死んでみろっ!」

  ズ ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ッ !

「…ぁぅ!…ぁぅ!…ぁ!…ぅ!…ぅぁ!…ぁぅぉぅ!」

さゆみちゃんの胸に何発も銃弾が撃ち込まれる。

…ああ、、さゆみちゃん、さゆみちゃんまで死んじゃうのかよぉぉ・・・
 

874 :サボリン:2004/05/08(土) 06:34
 


「…ぁぅー!!!」


・・・あ、あれ?

さゆみちゃんは柱の前に元気に立っていた。
撃たれたはずの傷はたちまちのうちに癒えていた。

「……<っ、このォ、化け物がァ、
 …死ねェ、死ねェ、死ね死ねェ!」

 ド ン! ド ン!  ド ン! ド ン!

が、銃弾はさゆみちゃんの体を避けるように緩やかにそれていった。

「…ぁぅ〜」

頬を膨らませてまつうらさんをにらむさゆみちゃん。

「へっ、なんだよその眼はァ、オレとやろうってぇの…」


   フッ


                 ・ ・ ・ ・ ・ ド サ ッ。


な、なんだ?

まつうらさんがいきなり倒れたぞ。。
・・・さゆみちゃんは遠くからフッと息を吹きかけただけなのに。。
 

875 :サボリン:2004/05/08(土) 06:35
 
「…ぁぅ〜!!」 スタタタ。
何事もなかったかのように笑顔でさゆみちゃんが抱きついてくる。

「わっ、ちょっと待て、さゆみちゃん
 今、それどころじゃないんだっ!」
オレはなんとか立ち上がって藤本の方に向かった。

藤本のそばに行って頬を叩く。ペチペチ。
「藤本ォ!、大丈夫か藤……」

  ガ ッ ク シ … 。

藤本は既に息絶えていた。。

な、なんてことだ。
愛ちゃんも紺野さんも絵里ちゃんも藤本も死んじまって、
オレだけがおめおめと生きながらえているなんて。
なんで助けられなかったんだ。せめて誰か一人でも。。

オレは自分の情けなさに悲しくなって、声も出さずに泣き崩れた。

「…ぁぅ〜」 ピトッ。
なぐさめるようにオレの背中に抱きついてくるさゆみちゃん。
「・・・さゆみちゃん、、」

 

876 :サボリン:2004/05/08(土) 06:36
 
と、

「さゆみィ、どうしたァ、さゆみィ!」
・・・聞き覚えのない声がする。
と、背の高い女の子が一人、柱の向こうから現れた。。

「あっ、良かったさゆみ、居たか、…ってオイ!
 ……なんだよこの惨状はァ、ひでーじゃねーかよォ」
「…ぃぁ〜」

「おーい、えりかァ、さゆみは見つかったかァ?」
と、反対側からもう一人、スラッとした女の子が現れる。
「…ぃぁ〜」

「おー矢島、ここだここだ、いたことはいたんだが…」
「……オイオイ、えりかァ、どうしたよォ、もめ事かァ?」
「…さぁな、…って、あれ?
 …矢島ァ、…コイツらひょっとして、
 メグミ様が言ってた例の母体候補のヤツらじゃねーかァ?」
「…あ、ホントだ、さゆみの主もいるし、間違いねー」
「…矢島、ヤヴァすぎだぞコリャ、
 オレらの担当期間に母体がそろって全滅しちゃったらよォ!」
「…えりか、こりゃメグミ様に半殺しにされかねねーぞォ」
「…矢島、まだ間に合う、証拠隠滅だっ!
 なんとかして生き返らすんだッ、事態は急を要する!」
「わかった、やってみよう、って、どいつをやるんだ?」
「…それは、、主にきいてみるしかねーだろ、
 結局最後に選ぶのは主なんだからよォ!」
「そうだな、えりか、…じゃぁ○○だっけ、
 とりあえず二人選んでくれよ、
 オレらで一人ずつ、頑張って生き返らすからよ」

と、最後にいきなりオレにふってきた。
 

877 :サボリン:2004/05/08(土) 06:37
 
「ちょっと待て、オマエラなにもんだよ?
 話が見えねーよっ!」

「いいからはやく二人選べよっ!」
「早くしないとホントに死んじゃうぞっ!」

「二人だけ選べなんて無理だよっ、
 ていうか、ホントに生き返るのかよ!」

「生き返らせてやるから!」
「早く選べ!」


そんな、、ホントに生き返るなら、、

二人だけ選ぶなんてつらすぎるけど、でも、

せめて二人だけでも生き返って欲しいってのが正直な気持ちかも。。

だ、誰を生き返らせてもらおうか。。





【以下の中から、2人選んでください】


  愛ちゃん  紺野さん  絵里ちゃん  藤本


 

878 :名無し娘。:2004/05/08(土) 10:47
藤本 絵里ちゃん

879 :名無し娘。:2004/05/09(日) 01:15
AKIRA懐かしいなAKIRA

絵里ちゃん、藤本…かな。

880 :名無し娘。:2004/05/09(日) 01:18
紺野さん、絵里ちゃん

881 :名無し娘。:2004/05/09(日) 06:49
紺野さん  藤本

882 :名無し娘。:2004/05/09(日) 13:05
絵里ちゃん 愛ちゃん

883 :名無し娘。:2004/05/09(日) 22:33
絵里ちゃん  藤本

884 :サボリン:2004/05/10(月) 15:21
容量的につらいんで新スレ立てました。

ときめきモーニング Act.2
http://www.omosiro.com/~sakuraotome/live/test/read.cgi/bbs/1084169254/

でも更新は先です。
今回までの投票はこっちでやって下さい。ではまた。

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0ch BBS 2006-02-27