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ときめきモーニング

1 :サボテン:2003/09/10 15:13:57
季節を選択してください

1 春
2 夏
3 秋
4 冬

263 :名無し娘。:2003/10/31(金) 00:34
2?

264 :名無し娘。:2003/11/06(木) 18:45
1で

265 :サボリン:2003/11/06(木) 23:35
 
ここで騒がれても困るな。
「しょうがない、石川さんも連れて行くか」
「やったー」

その後、2、3時間ドトールでくっちゃべってから学校に向かった。
着いてみると、もう午後9時過ぎで学校は真っ暗だった。
裏口から校舎に入って音楽室に向かうと、突然ライトを照らされ
「君たち〜、何やってるんだ〜、こんな時間にィ!」
と警備員に見つかってしまった。すかさず辻ちゃんが
「てりゃぁ!」
と警備員に跳び蹴りを食らわせたのでその場は何とかやり過ごせた。


ほどなく音楽室に着き、ドアを開けたがそこには加護ちゃんの姿が見えない。

「加護ちゃん?どこいったの?」
4人は音楽室に入って恐る恐る辺りを探した。

すると、
「キャァア!」
愛ちゃんの叫び声。
「オラオラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラ!!」バスッバスッ!
と、加護ちゃんが愛ちゃんの背後から頭を抱えて手刀を浴びせていた。
「あいぼん、まだ戻ってないんれすか!?」
「なに言うてんのや、のの!うちはこの通り全快やで〜
 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」バスッバスッ!
「や、やめれぇ」と頭を抱えてしゃがみ込む愛ちゃん。
「なんかさっきとあんまりかわんねーようにみえるのれす」
「なに言うてんのや!うちのこの見事な手刀が見えんのかァ!
 ほれェ、オラオラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラァ!!」
「あぁ〜、わかったからやめるのれす!!
 愛ちゃんがリアルに逝っちゃうのれす!!」
と辻ちゃんが加護ちゃんの手をつかんだ。
 

266 :サボリン:2003/11/06(木) 23:36
 
「わかりますた、戻ってきたか確かめるために
 のんと一緒にいつものうしろゆびさされ組ごっこをやるのれす」
「ええで〜望むところや!」
と言って加護ちゃんと辻ちゃんが並んで立ち上がる。
「ほな、振り付きでいこか
 ラァ〜ラ、ラブミ〜 うっしィろゆぅびィ〜
 って、のの! うちはデブやからうしろ指は無理やってあれほど!!」
と加護ちゃんが辻ちゃんの襟首をつかむ。
「うぅ、よかったれす、戻ってきたみたいれすね」
「あたりまえや、さっさと準備せー、時間もせまっとるで〜」
「あい!」
「って、のの! なんやこの黒んぼはァ!」
「あ、おにーさんがペラペラしゃべってばれちゃったんで
 しょーがねーからつれてきたのれす」
「なんやてー、兄さん、偉いことしくさってくれたなァ」
「違うって、辻ちゃんがほとんどしゃべっちゃったんだよ!」
「えへ、あいぼん、梨華も一緒に連れてってね」
「…黒さを利用して闇に紛れるとはなかなかやるやないか
 仕方あらへん、一緒に来ィ、人身御供に使ってやるわ!
 そんかわり分け前は兄さんの分から引かせてもらうでェ」
「やったー、梨華、嬉しみ〜」
「ほな、行くで〜」
と加護ちゃんの号令で4人は音楽室を出た。
 

267 :サボリン:2003/11/06(木) 23:36
 
 
 
学校を出て駅に向かい、地下鉄を乗り継いで30分、
どうやら目的のビルについたらしい。
ビルの前にメガネをかけた細身の女が立っていた。
「ジャストですね、どうぞこちらに」
女に案内されてエレベーターに乗り、地下2階にたどり着いた。
と、女がなにやら操作をし、エレベーターはさらに下に向かって動き始めた。
しばらくしてエレベーターが止まり、ドアが開くと、
そこは地下とは思えないほど明るい、白い廊下が続いていた。
「どうぞ、こちらです」
と案内された部屋に入るとそこも真っ白な部屋で薄気味悪かった。
メガネの女は部屋のすみで立ったまま黙っている。
「ははっ、座り心地のええソファーや」
と言って加護ちゃんがソファに座って
「黒んぼ、オマエも突っ立ってると黒さが目立つから座れや」
「なによ〜、黒んぼ黒んぼ言わないでよ〜」
と言って石川さんも座ったのでオレと辻ちゃんもソファに座った。

と、ドアが開いて金髪のケバイ女とメッシュの短髪の女が現れた。
「村さん、ご苦労」と金髪。
「はっ」
「よォ!ハゲ、久しぶりだなァ」と金髪。
「おう、斉藤ゥ、変わりないかァ」
「まあな、ってハゲ、オマエなにぞろぞろ連れて来てんだよ」
「はは、悪いな、うちも食われちゃかなわんきに
 さすがのアンタも4人も食ったりせーへんやろ」
「ふっ、ま、ほざいてろ、で、ブツは?」
「これれす」と言って辻ちゃんが持っていたアタッシュケースを差し出す。
「ほう」と言って金髪がケースを開き、中身を確かめる。
「村さん、頼むわ」と言って袋を一つメガネに渡す。
「はっ」と言ってメガネが部屋を出て行く。
 

268 :サボリン:2003/11/06(木) 23:37
 
「ハゲ、随分と鼻息が荒ェじゃねーか
 あんまり気張ると禿げるぞハゲ!」
と金髪が対面のソファに座ってタバコをふかし始める。
「はは、斉藤ゥ、アンタもシャブシャブほどほどにせーへんと
 気ィつけーな、歯茎の色が悪いで〜」
「ふっ、余計なお世話じゃあ」プカーッ
なんて談笑をしてると、ドアを開けてメガネが入ってきた。
「村さん、どうだった?」
「かなりの上物です」
「…そうか、で、ハゲ、いくらいるんじゃ?」
「7キロはあるはずや…6000でどうや?」
「…ハゲ、オマエなぁ、今時シャブなんて流行らねェんだよ
 おまけに北からヨボ共がルール無視して自殺覚悟で特攻してきよる
 まぁ、3000がいいところじゃ」
「っ、ふざけンなぁ! 末端4億はいっとるハズやぁ
 買いたたくのもええ加減にせェ!」
「こんアフォがぁ! 悔しかったら
 どっか余所のシマ行って隠れてチビチビ足で売ってこんかい、ハゲ!」
「…うぅ、せやかてコイツはチョンの持ってくるカスとはちゃうで!
 5000や、斉藤ゥ!それ以上はまけられへん!!」
「…ハゲ、それ以上ゴネると頭剃って
 丸紅の加藤と一緒に東京湾沈めっぞゴルァ!
 3000っつったら3000じゃあ!」

なんて二人が言い合っていると
「なにをもめていらっしゃるの?」
と聞き覚えのある声が奥からする。
 

269 :サボリン:2003/11/06(木) 23:38
 
「はっ」と急に金髪の目つきが変わる。
と、奥の扉が開き、
「アッチ熱ッ パティ死ね 摂氏あぼ〜ん!
 プチプチ 狂わす俺 We!ジュテーム!
 あ、ビラビラこーまん垂れブッ!」
と言いながら見覚えのある女の子が車椅子にひかれてやってきた。
「あ…亜弥様!」
「ま、まつうらさん!!」
「あら、○○くん、ご機嫌よう」
「亜弥様、お知り合いで?」と金髪。
「ええ、まぁ、で、なにをもめてるの?」
「すんません、チンピラが丸紅よろしくゴネてるんでさ
 これから加藤と一緒に東京湾沈めてきますんで
 亜弥様にご足労頂かなくとも…」
「…面白いじゃないですか、加護さんとおっしゃいましたね
 おいくらご所望ですか?」
「ご、五千万や!」
「亜弥様、こんなチンピラお相手なさらずとも…」
「斉藤さん、こちらの方は、たんの手の者ですよ」
「えっ、たんとおっしゃいますと、あの、み、帝の!?」
「帝!?」とメッシュの短髪が目を丸くする。
「み、帝が?」とメガネ。
「…たんはもはや帝ではありません、私たちの敵です!」
「す、すみません、み…藤本が生きていたとは…」
「まあ、その話は後でしましょう
 加護さん、では5000万差し上げましょう」
「ほんまか?」
「ただ、よろしかったら
 私たちの仲間と腕相撲で勝負をしませんか?」
「な、なんやて?」
「そちらの4人とこちらの4人で勝ち抜き戦です
 買ったら7000万差し上げましょう、負けたら3000万で我慢してもらいます」
「うぅ」
「亜弥様、お戯れを…」
「面白いじゃないですか、ねぇ、みうな」
「はい、さすがは亜弥様」と車椅子を押していた女の子が答える。
「どうしますか、加護さん?」
「せやな〜、どうしよか…うぅ〜ん、
 …兄さん、どうしよか?」
「オレにきかれてもなぁ……」




1 女相手だろ、俺一人でも勝ち抜けるさ、勝負しる!!
2 5000万くれるんだからそれでいいじゃん、勝負しないで早く帰ろう!
 

270 :サボリン:2003/11/06(木) 23:47
↑を書いてる間に問題解決。
丸紅の加藤様ご迷惑をおかけしました。
東京湾に沈まなくてもいいです。
丸紅は神です。2万PCゲッツです。

271 :名無し娘。:2003/11/07(金) 02:46
本当に買えるのかねぇ2で

272 :名無し娘。:2003/11/07(金) 02:53
>>270
  お  ま  え  だ  っ  た  の  か

2で

273 :名無し娘。:2003/11/07(金) 03:03
作者は無職?学生?2で

274 :名無し娘。:2003/11/08(土) 00:56
1だろ

275 :名無し娘。:2003/11/09(日) 02:38
2

276 :サボリン:2003/11/09(日) 10:57
 
「引き際が大切だと思うよ、加護ちゃん」

「…うーん、そやな〜、…無理はあかんな
 …姉さん、5000万で頼むわ」
「そうですか、…残念ですが、賢明な選択でしょう
 人にはそれぞれ器というものがあります
 自分の器を知っているあなたは賢いですね」
「……」
「斉藤さん、用意してあげなさい」
「…はい」と言って金髪が電話をかける。
「シヴァ、5000万で話がついた、用意してくれ
 ああ…なに! …そうか、わかった、じゃ、頼む」ガチャ
「…亜弥様、丸紅の桑原が、動いたそうです」
「そうですか、やはり。。これで万事解決ですね
 加藤さんも命拾いしましたね、良きかな良きかな、
 では、加護さん、失礼〜」
と言うと、みうなという女の子が車椅子の向きを変え、扉から出て行こうとする。
「…あ、ああ、姉さん、おおきに」
「ふふ、斉藤さん、加護さん達を丁重にお送りしなさい」
「は、はい」パタン
「…ふん、ハゲ、亜弥様に気に入られたようだな」
「…斉藤、あの姉さんがアンタの飼い主かいな?」
「高貴なる亜弥様を気安く姉さんなんて呼ぶんじゃねぇ!
 あのお方が動いたら、オマエが地球の裏側逃げようと瞬殺じゃあ!」
「ふん、そーゆーんなら、やんごとなき亜弥様のご命令だ
 さっさと5000万用意して車だせや、斉藤ゥ」
「…チッ、今度会うときは死ぬときだと思えよ、ハゲ」
 

277 :サボリン:2003/11/09(日) 10:57
 
なんて二人がじゃれあってると、
ドアが開いてウサギ顔のかわいい女の子が札束をトレイに乗せて運んできた。
「うひゃあ!金や金や!
 のの、見てみィ!」と言って加護ちゃんが札束を数え出す。
「あいぼん、やったのれす!」と言って辻ちゃんも必死に数えてる。
「ちゃんと数えろや、のの、1枚たりともミスは許さんでぇ!」
「あい!」
「兄さんも黒んぼも手伝え!」
「う、うん」とオレも一緒になって札束を数え出す。と、
「柴ちゃん、…柴ちゃんじゃない?」と石川さんがウサギ顔に話しかける。
「リ、梨華ちゃん! な、なんでこんなところに!?」
「柴ちゃ〜ん! 会いたかったよぉ〜」
と言って石川さんがウサギ顔に抱きつく。
「梨華ちゃん、こんなところでやめてよ」
と柴ちゃんという女の子が顔を赤くする。
「なんじゃ、シヴァ、知り合いか?」と金髪。
「…はい、昔の知り合いで」
「もう、どこいってたのよ〜、心配したんだから!!」
と言いながら石川さんは柴ちゃんの胸に顔をうずめて泣いている。
「シヴァ…どうすればいいか、わかるな?」
「…はい」と言って柴ちゃんは石川さんの肩を持って体を離すと
「梨華ちゃん、僕はもう梨華ちゃんの知ってる僕じゃないんだ
 僕のことは忘れてくれ」と言って
バタン!と素早くドアを開けて出て行ってしまった。
「柴ちゃん!!」
と石川さんが追いかけようとするが、メガネが立ちふさがり
「お友達と一緒にお送りしましょう」と言う。
「柴ちゃん……」
 

278 :サボリン:2003/11/09(日) 10:58
 
しばらくして札束をキッチリと数え終わり、
「おう、黒んぼ、帰るで〜
 なに突っ立ってんだぁ、オマエほんと役立たねェなぁ!」
と加護ちゃんが石川さんのアゴをつかんで舌を出させる。
「うっ、ぇえ〜」
「役に立たねえ黒んぼは舌引っこ抜くで〜ハハハ」
と言って笑う。随分と機嫌がいいようだ。

「では、お送りいたしましょう」とメガネがドアを開く。
「ハゲ、またな」と金髪。
「おう、あの世で会おうや、斉藤ゥ!」
白い廊下を通ってエレベータに乗り、地下2階で下ろされた。
向こうから凄いスピードでキキキィィイ!と
シルバーのベンツがやってきてオレたちの前でピタッと止まった。
「マサオさん、お願いします」とメガネ。
「おう」とさっきのメッシュが運転席で言う。
「マサオさん、パレスホテルまで頼むわ」と加護ちゃん。
「おう」
 

279 :サボリン:2003/11/09(日) 10:58
 
マサオさんに送られて4人はパレスホテルについた。
とりあえず飯にすることにして9階のレストランに向かった。
注文を終えワインが運ばれてくると、
「乾杯の前に皇居に向かって敬礼や!」
と言って加護ちゃんは目つきを変え、手首を伸ばして妖しげな舞を始めた。
窓の外に見える皇居の暗い森をバックに加護ちゃんの舞は美しかった。
「…陛下ァ!」最後に最敬礼を終え、舞が終了したようだ。
「…さ、うちらの門出に…乾杯や!」
「カンパイれす!」辻ちゃんは心なしか目に涙を溜めているようだ。
「か、乾杯…」
「…乾杯」石川さんは少し元気がないようだ。
「ほれ、黒んぼ、どうした?
 今日はうちのおごりやぁ、死ぬほど食えや!」
と言って加護ちゃんは上機嫌にワインを飲んでいた。
「…柴ちゃん、…もう知らない!」
そう言って石川さんはワインを一気飲みしだした。
「おい、石川さん、大丈夫?ペース早いよ」
「プハーッ、こんくらい、たいしたことないよ〜」と顔を近づけてくる。
「石川さん、近いよ、近い!!」
するとさっき単品で注文しまくった料理が運ばれてきて
辻ちゃんが黙々とガツガツ食い始めた。
…せっかくのフランス料理なんだから、もうちょっと味わって食べろよなぁ。
「うりぃぃ!もう一杯!」
「その意気や、黒、ガンガン飲めや!」
と言って加護ちゃんが石川さんにワインをタプタプと注ぐ。
「うりぃぃ!」と言って石川さんはまた一気飲みを始めたが
全部飲み終わらないうちにグラスを置いて、「うゅ」と倒れて眠ってしまった。
「ハハハ、その意気や、黒んぼ!」
そう言ってケタケタ笑う加護ちゃんだったが、
5千万の入ったバックの取っ手だけは常にガッシリと握っていた。。
 

280 :サボリン:2003/11/09(日) 10:58
 
結局、酔いつぶれた石川さんをオレが背負って
フラフラの辻ちゃんと加護ちゃんを連れてなんとか部屋までたどり着いた。
……だいたいオレはなんでこのメンツと
パレスホテル泊まることになってるんだ??
石川さんをベッドに下ろしたが、まだ「うぅ〜」と言って苦しんでる。
「兄さん、ブラジャーはずしてやりぃ」
そう言って加護ちゃんは自分のベッドに潜り込み、
辻ちゃんと一緒にいびきをたてて眠ってしまった。
「うにゅう…」
仕方なく石川さんをいったん起きあがらせて上着のボタンをはずし
背中に手をまわしてフックをはずした。と、
「うぅ…柴ちゃん…」と石川さんに抱きつかれて仰向けに倒されてしまった。
…オレも酔いが回ってきたのか、上に乗った石川さんをどける気力がなくなり
そのまま、石川さんの匂いに包まれて眠りに落ちた。。
 
 

281 :サボリン:2003/11/09(日) 11:00
 




5日目。


ふと、人の気配がして目が覚めた。
起きあがって辺りを見回してみるが誰もいない。気のせいか。
カーテンの向こうが白み始めている。6時頃だろうか。
石川さんが隣ですやすや眠っている。かわいい寝顔だ。
再びベッドに潜りながら、はだけた布団を石川さんにかけてあげる。
石川さんと向き合って目を閉じると、後ろから
「先輩…」という声がする。
ビックリして振り返ると愛ちゃんが寝ていた。
「愛ちゃ…」
「シーッ!!」と指で唇を押さえられた。
愛ちゃんはなぜか、黒のタンクトップに黒の長い手袋をはめていていた。
かわいい・・って、そんなことより、
あれから愛ちゃんのことすっかり忘れていたことに気づいた。。
「先輩、ちょっと待ってて下さいね」 ニコッと笑うと
愛ちゃんは天井につるされた紐をよじ登って宙に浮いて移動し始めた。
巧みに紐を操って加護ちゃんの真上でピタッと止まった。
加護ちゃんは例のバッグを抱きしめたまま、布団をかけずに熟睡していた。
愛ちゃんは加護ちゃんの鼻の周りに白い布を置いてから
ツンツンと腕をつつき、ゆっくりとバッグに絡まった腕をはずし、
そっーとバッグを奪ってこっちに戻ってきた。
「先輩、成功です」と愛ちゃんがささやく。
「あわわ、愛ちゃん、ヤヴァイって、殺されるよ…」
「あっしはもう、加護さんにハブられたりこき使われたりするのは嫌なんです
 先輩、あっしと一緒に逃げましょうよ」
「に、逃げるってどこに?」
「うぅ〜ん」と石川さんがムズってる。
すかさず愛ちゃんが白い布を顔にかぶせるとおとなしくなった。
「どっか海外に二人だけで逃げましょう!
 こんな雲に隠れた小さな日本とオサラバして
 どこか南の島で二人だけで暮らしましょうよ!」
「…愛ちゃん」
「先輩、お願い…」




1 わかった、一緒に逃げよう!
2 恐いよ、それにオレには家族もいるし、今の生活も大切だ、ごめん。
 

282 :名無し娘。:2003/11/09(日) 13:03
色んな期待を込めて1

283 :名無し娘。:2003/11/09(日) 13:21


284 :名無し娘。:2003/11/09(日) 17:21
2

285 :名無し娘。:2003/11/09(日) 17:23

  ま  た   丸   紅   か 

2だ

286 :名無し娘。:2003/11/09(日) 20:23
1だ

287 :名無し娘。:2003/11/09(日) 22:20
1で。

288 :名無し娘。:2003/11/09(日) 23:04
1だな。

289 :名無し娘。:2003/11/10(月) 00:18


290 :名無し娘。:2003/11/10(月) 07:43
1しかありえない

291 :サボリン:2003/11/11(火) 17:56
 
「わかった、一緒に逃げよう!」
「…ありがとう、先輩」
愛ちゃんは目に涙を溜めて見つめてくる。
「…さ、行こうか」

オレと愛ちゃんは忍び足で部屋を出て、出口に向かって急いだ。
ホテルを出てからは手をつないで走って東京駅まで向かった。
ふと、思い出した。
「愛ちゃん、海外に逃げるって言ってもオレ、パスポート持ってないよ」
「大丈夫ですよ、先輩、まずは新潟に向かいましょう」
と愛ちゃんは笑って、自販機で切符を買っている。
「さ、先輩、急いで、もうすぐ出ますよ!」
愛ちゃんに引っ張られて新幹線のホームに向かった。
06時08分発 とき301号、…これがオレたちの愛の逃避列車か。。
愛ちゃんが走って先に列車に乗ったが、
絶滅したトキを思いだし、オレは急に恐くなって歩幅を緩めた。
少しだけ不安そうな顔を見せた愛ちゃんとオレとの間に沈黙が流れ、
発車を知らせるアナウンスだけが静かに響いていた。
「愛ちゃん、…大丈夫かな」
「…心配いらないよ、私がいるもん!
 私が全部守ってあげるよ、…守ってあげる!」
そう言って愛ちゃんは満面の笑みを浮かべた。
オレはにわかに暖かな気持ちになって、
列車に飛び乗って愛ちゃんを抱きしめた。
と、プシューッとドアが閉まってゆっくりと列車が走り出した。
愛ちゃんとオレは抱き合いながら朝焼けを浴びる東京の街を黙って眺めた。
あまり顔を近づけすぎたせいか、二人の息でガラスが曇って風景が乱れた。
目的を失った二人の視線が再びお互いの方向を向き、
瞳の中の自分を確かめるように、何度も何度も、キスを交わした。
 

292 :サボリン:2003/11/11(火) 17:57
 
 
君は覚えているかい?
あの時の僕たちは、
お互いの存在を支えあうようにして座っていたね。
僕が上着を肩にかけてあげると、
君はなにも言わず、穏やかに微笑んでくれたんだ。
でも僕は、僕に寄りかかって眠る君の横顔を見ながら、
とても罪深い考えを抱いていたんだ。
このまま君と二人で、永い眠りにつきたいと。

「は〜るっの〜こもれびの〜なかでぇ〜、ってか!
 よ、熱いね、ご両人!!」
いきなり声をかけられ、ビックリして目を開けた。
通路を挟んだ隣の席に小学生くらいのかわいい女の子が座っていた。
「愛の逃避行ってヤツかぁ、うらやまスィ〜」
顔が幼い割になんて口の利き方なんだ。。
二人はまじまじと女の子を見つめた。
「あ、あの〜、なんか用ですか?」
「なんか用ですか、やて、冷たいなぁ
 ウチは一人旅の流れもんや、旅は道連れ世は情け言うやろ
 これもなんかの縁やから仲良うしよやないか」
小学生で一人旅??話し方といい明らかにアヤシイぞこの子は。。
「…先輩、なんかこの子、中澤先生に似てませんか?」
「…そうだね」
ん?言われてみれば、顔つきといい、話し方といいそっくりだ。
20歳くらい若いのをのぞけば。。
「ゆゆたんにもこんくらいかわいいときがあったんだろうね」
「そうですね」
「…もっとも今はああなっちゃったけど」と言うと、
「な、なんやて〜□□ゥ!!
 ああなっちゃったってどうなっちゃった言うねん?あ?」
といきなり女の子が襟首をつかんできた。
「うぅ…ゆゆたん冗談だよ、許して!
 って、おい、アンタ、…ゆゆたんなのか?」
「ウチの顔を見忘れたんかぁ!
 この若くて美しい中澤裕子先生の顔を見忘れたんかぁ!」
と襟首をさらに絞めて頭を前後に振ってくる。
「ちょ、ちょっと待て!
 若いっつーかそれ、子供だぞ!
 どうしちゃったんだよ、ゆゆたん!」
「ウチの願いを神様がきいてくれたんや!
 □□ゥ、これでウチを年増言うヤツはおらへんで!」
「わかったから落ち着いて! 離してよ!」
やっと女の子は襟首を離してくれた。
 

293 :サボリン:2003/11/11(火) 17:58
 
「ハハハ、どうや□□、若いウチは最高やろ!」
・・・ホントに中澤先生なのか?
顔も話し方もそっくりだが、体格や顔つきが明らかに10歳前後だぞ。。
「ワレ、高橋そそのかして、平日からなにやってんねん?」
「ゆゆたん、ホントにゆゆたんなら…矢口先輩はどうした?」
「ヤグチか?ヤグチだったら…」モゾモソ
「ここにいるぜぇ!」
中澤先生のバッグから矢口先輩が出てきた。
「おっは〜、って○○〜、なにやってんのさこんなとこで!」
「うにゅう…どうやら本物みたいだな」
矢口先輩が人形みたいに小さくなったと思ったら
今度は中澤先生が激若返りか。。なんか最近おかしなことが起こりすぎだぞ。
「○○〜、誰この子? おいらのダーリンに手を出すと承知しないぞ!」
と言って矢口先輩は愛ちゃんの膝に乗って髪の毛を引っ張っていた。
「や、やめれぇ〜」
「ちょっと、やめてあげて矢口先輩!」
と言ってオレは矢口先輩を愛ちゃんから離して膝に乗っけた。すると、
「えへ、○○〜、○○も一緒に温泉行こ〜」と抱きついてきた。
「…ゆゆたん、どういうこと?」
「ウチ、今日起きたらこんな体になってるやんか
 こんなんじゃ学校行けへんからヤグチと温泉でも行こか〜思うてな」
・・相変わらず現実感ないな〜。こんな体になったら普通動揺するだろ。
「そうや!、大人が一人はいた方がええ思ってたところやねん
 今日は特別や、ウチが許すから□□も一緒について来ィ!」
「大人って…」
確かにこのメンツだとオレが一番年上に見えるな。。

と、愛ちゃんが立ち上がり、
「コホン、ちょっと失礼」と言ってトイレの方に歩いていった。
「……あ、ごめん、あの子調子悪いみたいなんだ、見てくるね」
そう言って矢口先輩を預けてオレは慌てて愛ちゃんを追いかけた。
案の定トイレの前で愛ちゃんは待っていた。
「先輩!、なんなんですかあの人達は!!」
「なんなんでしょう。。」
「…とにかく、知ってる人に見られちゃまずいですよ
 一刻も早く日本を離れないと、加護さんたちが追ってきます!
 ルートを変えましょう、次の大宮で降りて東北に行きましょう
 …ロシア経由で、、…お金はあるからなんとかなると思います」
「そんなこと言ったって、もうゆゆたんに思いっきり見られてるわけで
 変に逃げたりしたら余計怪しまれると思うけど…」
「…そうかな、、先輩、どうしましょう」



1 「よし、大宮で降りて乗り換えだ」
2 「ここはおとなしく、ゆゆたんたちと温泉に行こう」
 

294 :名無し娘。:2003/11/11(火) 22:34
1でヒョードルの故郷へ

295 :名無し娘。:2003/11/11(火) 23:16
2で

296 :名無し娘。:2003/11/12(水) 20:52
2

297 :名無し娘。:2003/11/12(水) 20:59
2だ<丶`∀´>

298 :名無し狼。:2003/11/12(水) 22:20


299 :名無し娘。:2003/11/13(木) 11:45
1

300 :名無し娘。:2003/11/13(木) 23:46
1

301 :名無し娘。:2003/11/15(土) 02:07
1de

302 :名無し娘。:2003/11/15(土) 11:15
1だす。

303 :名無し娘。:2003/11/15(土) 11:42
1でニキフォロフの故郷へ

304 :名無し娘。:2003/11/15(土) 19:54
1で。エクソダス〜。

305 :名無し娘。:2003/11/15(土) 20:18
2

306 :サボリン:2003/11/16(日) 10:59
 
「ここはおとなしく、ゆゆたんたちと温泉に行こう」
「…そうですね、わかりました
 それじゃ予定通り、新潟ルートでいきましょう
 温泉で気のゆるんだところで、隙を見て逃げましょう」
「…うん」
とりあえず中澤先生について4人で温泉に行くことになった。


さすがに新幹線は速く、雑談の間もなく1時間ちょっとで越後湯沢についた。
「うひゃひゃ〜、東京とは空気がちげーや!」と中澤先生。
「うほほーい、もう山が紅葉してるねえ!」と先生に抱かれた矢口先輩。
「およ?ありゃなんや?『ぽんしゅ館』やて、ヤグっさん、行きまひょか」
「おす、行きましょや、行きましょや」
と、二人はどんどん先に行ってしまった。
「待ってよ、ゆゆたん!」
「ふふ、しょうがない人たちですね」
…あれ?…愛ちゃんも意外に楽しんでるのかもしれないな。。

中澤先生たちの後を追って「ぽんしゅ館」に入ったが、、
うわっ、ヤバイ、名前の通り日本酒がバリバリ置いてある。
「プヒェャ! ええ酒や!」
試飲コーナーで幼児体の中澤先生が思いっきり日本酒を飲んでいた。
「お! 嬢ちゃん、粋だね!」
「おっさん、もうちっと辛口はないかぁ!」
「そんならコイツはどうや、八海醸造の八海山!」
「ん?どれどれ」ズビビビ
「かーっ、切れ味がええのう!」
「嬢ちゃん、通だね!」
「ちょっと、おじさん! 小学生にお酒飲ませないでよ!」
どんどん飲ませそうな勢いだったので慌てて止めに入った。
「お、兄さんもやるかい?」
「なに言ってんですか! 未成年ですから結構です!」
「残念じゃな、それにしてもこの子はええ利き酒師になりそうじゃ
 どうじゃ、わしのとこに預けてみんか?」
「…結構です! ゆゆたん!行くよ!」
オレは中澤先生の手を引っ張って外に出た。
 

307 :サボリン:2003/11/16(日) 11:00
 
「安心せえ、□□、ウチはこんなんじゃ酔わへんで」
「そーゆー問題じゃなくて、今の自分の姿を冷静に考えろよ!」
「ハハハ、大人は朝から酒飲んどったら怒られるけど
 子供は何やっても怒られへんで〜、ええなぁ子供は」
「…うにゅう」
「さ、□□、行くで〜」
「行くで〜」
「行くってどこに?
 よく考えたら温泉ってこんな早くからやってんのか?」
「黙ってついて来ィ!」
「ついて来ィ」
仕方なく中澤先生について行って温泉街をしばらく歩いた。
と、中澤先生が立ち止まる。どうやら目的地らしい。
「湯沢ホテル」か、、結構いい宿だな。
「ここや、□□、今朝『中澤』で予約したからな、
 ワレが先頭に立って行け!」
と言って中澤先生は矢口先輩をバッグにしまい始めた。
「う、うん」とオレは恐る恐る門をくぐった。

「いらっしゃいませ〜」と女将らしき人が出てきた。
「あ、あの今朝予約した、中澤ですけど…」
「お待ちしておりました、こちらへどうぞ」
「こんな朝早うから、すまんな女将、無理言うて」
「い、いいえ〜、お構いなく、平日ですから。。
 …よくできた妹さんですねぇ、ご兄弟でご旅行ですか?」
と女将が宿帳を差し出す。
「え、ええ、まぁ」
中澤○○、愛、裕子、と書く。矢口先輩は…書かなくていいか。
 

308 :サボリン:2003/11/16(日) 11:00
 
部屋に案内されて
「プハー、やっぱ畳はええのう」と中澤先生が横になってはしゃいだ。
「露天風呂の方の鍵はこちらになります。
 ご自由にお使い下さいませ、では失礼します。」
「おお、またな〜」 女将は部屋を出て行った。
「…ゆゆた〜ん、子供のくせに態度でかすぎ」
「かまへん、かまへん、ウチらはお客様やで!」プシュ「プハーッ!」
幼児体でタバコをふかす中澤先生はなんとも退廃的でエロチックだった。
「おいしょ、おいしょ、うん、なかなかいい部屋だね」
と矢口先輩がバッグから出てきた。
「うぃーす、ヤグチ、お疲れん、
 …あ、高橋、お茶頼むわ」
「あ、おいらも」
「…はい」
愛ちゃんが静かにコボコボお茶を入れていると
窓から落ち葉がひらひら舞って落ちてきた。
「…ええ季節やのう」
誰にともなしに中澤先生がつぶやいた。
 
 

309 :サボリン:2003/11/16(日) 11:01
 
しばらくマターリと紅葉を見ながらお茶を飲んだ。
「愛ちゃん、お茶おいしいよ」
「えへ、ありがとうございます」
「おーい、○○〜、この子とはどういう関係なわけ?」と矢口先輩。
「いや、別に…」
「別にってなに?」
「いや、だから…」
「二人とも、青春やのう、ウチの青春もこれからや!
 ん〜さてッ、風呂行こかァ!」と伸びをする。
「ちょっと裕ちゃん、おいらは今…」
「こんなとこまで来て面倒な話すんなや、風呂行こや」
「…う、うん、そうだね」
「高橋も□□も用意せぇ!」
「オレは後でいいよ」
「なんや、せっかくの貸し切り露天風呂やで、
 みんなで入らな面白うないやん」
「え?貸し切り? し、しかも混浴…?」
「なんや、□□が急に乗り気になったぞ、このスケベ!」
「キャハハ、スケベ、スケベ!」
「…なんだよ、そういうわけじゃないよっ、
 いいよ、オレは行かないから!」
「冗談やて、□□、一緒に来ィ!」
「オレは良くても…愛ちゃんとか、どうなわけ?」
「…あっしは別に、、構いませんけど」と、愛ちゃんが顔を赤くする。
「…ど、どうしようかなぁ」




1 「…じゃ、一緒に行くか」
2 「オレは、下でゲームでもやってるよ」
 

310 :名無し娘。:2003/11/16(日) 19:39
2

311 :名無し娘。:2003/11/16(日) 21:18
ONE!

312 :名無し娘。:2003/11/16(日) 21:23
1しかないだろ

313 :名無し娘。:2003/11/16(日) 21:45
2で

314 :名無し娘。:2003/11/16(日) 22:59
やっぱ1でしょう

315 :名無し娘。:2003/11/17(月) 01:51
1だ<丶`∀´>

316 :名無し娘。:2003/11/17(月) 02:36
1以外にありえないかと・・・

317 :名無し娘。:2003/11/17(月) 03:11
1で

318 :名無しさん:2003/11/17(月) 15:39


319 :サボリン:2003/11/18(火) 16:13
 
「…じゃ、一緒に行くか
 …うむ、湯につかっての語り合いも、た、たまにはよかろう」
…どうせみんなタオルで隠すんだろうしな。。
「ハハハ、よし、ほな準備せえ」
「うん…」 とはいえタオルはないから買うしかないし、
浴衣だけ持ってけばいいか。。
と、愛ちゃんが押入の方でなにやら作業をしている。
「…愛ちゃん?」
「先輩、これ…」
「ああ、…うん」
押入の奥の方に例のバッグを隠したようだ。
「なにやっとるんや、高橋、さっさと行くで〜」
「はい!」

風呂場に着いてみるとこぢんまりとした脱衣所があり
その奥が露天風呂で、木の丸い湯船がある。
周りを高い岩に囲まれて外から見えないようになっている。
うまいつくりだな〜と感心していると、
「ほれぇ〜一番やぁ!」
と幼児体の中澤先生が素っ裸で湯船に入っていった。ビシャーン!
「ゆゆたん、先に体洗えよ
 って違う、少しは隠せ!!」
うっわ〜、毛も生えそろわない…完全に、ょぅι゛ょじゃん。
「ずるい〜、おいらも行くぜ〜」と矢口先輩も素っ裸で走って行って
ピチャン!と湯船に飛び込んだ。
「キャ、ヤグチ! 顔にかかったで!
 仕返しや、ほれ」ピチャピチャ!
「キャハハ! って裕ちゃん、…おいらおぼれそう」
「…しょうがないな、ほれ、こっち来ィ」
お湯の中を泳いでなんとか中澤先生の胸までたどり着いたようだ。
・・中澤先生と矢口先輩、ホントに姉妹みたいだな。
・・・それにしても幼児体の中澤先生はかわいいな。10歳当時で比べたら、
もしかしたら愛ちゃんとか石川さんよりかわいかったのかも。。
 

320 :サボリン:2003/11/18(火) 16:13
 
「ほれ、そこのスケベ、覗いてばっかいないで入ってこんか」
「う、うん」準備しようと脱衣所に戻ると
愛ちゃんがバスタオルを巻いて立っていた。
「……」
愛ちゃんは顔を少し赤らめて微笑んだ。
髪の毛を上に上げてお団子をつくって縛っている。
結わえきれなかった後れ毛がセクシーだ。
うーん、やっぱ女の子はこうじゃなくちゃ。

オレも慌てて着替えて風呂場にに向かった。
体を洗って前を隠しながら湯船に入ろうとすると
「なんや、□□、水くさいのう、
 ウチらが裸のつきあいしよ思うてるんに」
「ゆゆたん、子供になったからってオープンすぎ!
 少しは女の子としての恥じらいを持てよ、愛ちゃんみたいに」
そう言ってオレは湯船につかったが、案外湯船が小さくて、
3人が足を伸ばしてつかるとちょうどくらいの大きさだった。
「高橋もなんや、バスタオルぐるぐる巻きにしおって、
 マナー違反やで!」
「だって、先輩の前だから…」
「ハハハ、青春やのう」
なんてしばらく雑談をしていると矢口先輩がのぼせたようで
中澤先生が仕方なく脱衣所に連れて行った。
「ウチももうあがるわ、二人で変なことすんなよ」
「するか!」
「……」
急に取り残されて、話すこともなく二人で並んで外の景色を見ていた。
 

321 :サボリン:2003/11/18(火) 16:14
 
と、岩の向こうから人の手が見える!!
「キャッ、先輩、なにあれ!?」
と愛ちゃんが抱きついてくる。
「な、なんだ?」
と、岩を登ってくる人影が見える。。
「か、加護ちゃん…」「加護さん…」

「おうおう、お熱いことでェ、
 驕るタカハシ、コンニチハ」
そう言って全身を現した加護ちゃんは右手に日本刀を持っていた。
「か、加護ちゃん、お落ち着けっ、話せば、話せばわかる!」
そういう間に愛ちゃんは湯船から出て身構えている。
「先輩、逃げて!!」
「愛ちゃ…」
「あいやァーーーッ!」
逃げる間もなく、加護ちゃんがジャンプして愛ちゃんを刀で斬りつけてきた。
愛ちゃんは素早く上方にジャンプして刀をかわし、ガッ!
と、加護ちゃんの顔面を蹴って、バク宙して華麗に着地した。
「ふぎゃぁあ!」 加護ちゃんが鼻血をブシューっと出して
顔を真っ赤にして倒れていた。
「…タカハシィ、ええ覚悟や」
「あっしはもう、加護さんの言いなりにはならない!」
「…タカハシィ、…死ねや!」と、加護ちゃんが刀で愛ちゃんを突く。
右、左、右、と繰り返される突きをかわしたが、
加護ちゃんが最後の突きから刀を返して下から切り上げてきたので
寸前でよけ損ない、刃先が胸の谷間を通って髪の毛を散らした。
パラッ、パラパラ、と髪の毛が落ちたと思ったら
バスタオルまでも、真ん中からスッと切れて落ちた。
…あ、愛ちゃん、マッパか?と一瞬目をつぶったが、
開けてみると愛ちゃんは黒のビキニの水着を着ていた。。
 

322 :サボリン:2003/11/18(火) 16:15
 
「…こ、こんなこともあろうかと」と顔を赤くする愛ちゃん。
って、恥ずかしがってる場合じゃねーぞ。
壁際に追いつめられてもう逃げ場がない!
「ハハハ、準備がええのう、
 …こっちも遺体処理の準備はできてるでェ、
 未来の夏目雅子のために臓器提供おながいしますッ!」
「加護さん、夏目雅子ひまわり基金はハゲに苦しむ患者に
 カツラを無償貸与してますよ〜」
「そうかぁ、そりゃ助かるわ、って誰がハゲやねん、必要ないわ!」
と言って加護ちゃんは刀をギュッと握って構える。
「タァーカァーハァースィィイ!
 …ハブられ続けて16年、ワレも人様の役に立つときが来たんや、
 ダニエルが待ってるでェエ…安心して逝って来い!!」
と再び斬りつけようとしたとき、
「なんや!なんの騒ぎや!」と浴衣を着て中澤先生(と矢口先輩)が出てきた。
「…っ、なんやこの糞ガキャァ、邪魔するとワレも殺るぞゴルァ!」
「な、なんやて、加護! 教師に向かってなんて口の利き方だ!」
「はぁ?キサン誰やねん、スッ込んでろタコがァ!」
「加護ォ! ウチの顔を見忘れたんかぁ!」
「…だから誰やねん?」
「加護ちゃん、あれ、中澤先生なんだよ…」
「ほう、年増が大手術でもやったんかぁ、
 現代医療も進んだものやのう、ってふざけんなやワレ!」
「な、なんやて! 加護、年増言うたら許さんで!」
と中澤先生が加護ちゃんに近づく。
と、加護ちゃんはスパッっと刀を振り回し、
中澤先生の横の竹の物干し竿を真っ二つに切った。
「ガキはスッ込んでろ言うてんのがわからんかァ」
「…はい、わかりますた。。」
さすがの中澤先生も事態を理解したらしい。
 

323 :サボリン:2003/11/18(火) 16:15
 
と、加護ちゃんに一瞬の隙が出来たので、オレは近づいて刀を取ろうとした。
が、ドサッと後ろから誰かに押さえられ、腕を後ろにまわされてしまった。
「おにーさん、余計なことはしない方がいいんれす」
「うぅ、辻ちゃん…」
「先輩、大丈夫ですか!?
 …加護さん、あっしを殺したら5000万は出てきませんよ、
 隠しましたから!」
「ほう、…そんなら体に聞くまでや」
と、追いつめられた愛ちゃんの喉元に刀の先端を当てる。
「やめろ! やめてくれ! 加護ちゃん!
 オレが場所を知ってる、今から持ってくるからやめてくれ!
 全部返すから、頼む!このとおりだ!」
とオレは必死になって頭を下げた。
「……ふっ、
 …実はうちも遺体処理はもうこりごりやねん、
 ちゃんと返すんなら、兄さんに免じて指一本で許したる」
「わかった、今持ってくるから、待ってて!」
辻ちゃんが放してくれたのでオレは急いで部屋に向かって
押入の奥にしまってあったバッグを持って風呂場に戻ってきた。
だが、待っていた辻ちゃんに渡そうと歩み寄ったその時、ステーン!
足を誰かに引っかけられてすっ転んでしまった。
バッグは手を離れて湯船の先の方に転がった。

324 :サボリン:2003/11/18(火) 16:16
 
「もらったァ!」
と、駆け寄ってバッグを拾ったのは幼児体の中澤先生。。
「加護ォ 高校生にこんな大金は必要あらへん、
 大きゅうなるまでウチが預かってやるさかいな!」
といいながら中澤先生はバッグと矢口先輩を背負って素早く岩を登り始めた。
「若さと金を手に入れたウチはまさに完璧やで!ほな!」
あっという間に中澤先生は岩の向こうに行って視界から消えてしまった。
「……のの、追え」
「…あ、あい!」と辻ちゃんが走り出す。
ブンブンブオーンというバイクの音の後に
「待て〜」という辻ちゃんの声が響く。
加護ちゃんはまだ愛ちゃんの喉元に刀を突きつけていたが、
「…タカハシ、この続きはまた後でな…」スススーッ
とゆっくりと刃先を胸元にずらし、トップの紐をブチッと切った。
「キャッ!」と慌てて胸元を隠す愛ちゃん。
「…後でゆっくり、殺したる!」ブン!
今度は愛ちゃんの頭上をスパァッと斬りつけて、
スタタタっと加護ちゃんも去っていった。
と、ボトッっとお団子が落ちて黒く広がった。



二人は血痕のように広がった髪の毛をしばらく呆然と見ていたが
ふと、愛ちゃんが目に涙を溜めて抱きついてきた。
「ごめんなさい、先輩、ごめんなさい」
「ううん、何いってんの、無事で良かった、ホント良かったよ」
オレは力いっぱい愛ちゃんを抱きしめた。
 

325 :サボリン:2003/11/18(火) 16:17
 
 
しばらくしてやっと愛ちゃんが落ち着いたので
とりあえず部屋に戻ることにして脱衣所で荷物を片づけていたが、
ふと、なにやらキラッと光るものを見つけた。
ブルーの石がつるされたネックレスだ。中澤先生の荷物のようだが。。
ん?どこかで見たような…
あ、矢口先輩が小さくなったときに見つけたヤツと同じだ。。
・・今度は石に「Y」と刻まれている。
オレは、なんとなく気になって持ち帰ることにした。


部屋に着くと、愛ちゃんが洗面所で髪を切り始めた。
「大丈夫? 自分でやっちゃって…」とのぞいてみる。
「大丈夫ですよ、いつもやってますから」
…意外に立ち直りが早いな。ま、元気になって良かった。
「あ、でも先輩、短くなったんで後ろが難しいです、
 先輩やってください」とハサミを渡された。
「やるってどうやって?」
と、愛ちゃんの後ろに立って鏡越しにたずねる。
「ハサミは斜めに入れて、サクサクとラフにやっちゃってください」
「ラフにね…」 オレは愛ちゃんのうなじに触れて髪をつまんだ。
「あぁ! あんまりいっぺんに切らないでくださいよ!
 少しずつ切って…たまにこれで見せてください」と手鏡を渡された。
「…わかりますた」
愛ちゃんの指示を受けながら、なんとか切り終わり
ちょっと変わったマッシュボブに仕上がった。
「どうですか?先輩?」と愛ちゃんが鏡越しにきいてくる。
「うん、似合ってるよ、かわいい」
とオレは思わず後ろから愛ちゃんを抱きしめた。
愛ちゃんは目を閉じて嬉しそうにオレの腕に頭をのせる。
オレは静かに愛ちゃんの頬にキスをした。と、パシッ!

326 :サボリン:2003/11/18(火) 16:17
「さ、先輩、新潟に向かいましょう!」と、いきなり腕を放された。
「な、なに言ってんの? もうお金もないし無理じゃん」
「お金なら、…ここにありますよ」
「ん?」
愛ちゃんは押入から枕を出してきてカバーを開いて札束を見せた。
「あ、愛ちゃん…」
「ま、こんなこともあろうかと…」
「だ、だましたの?」
「先輩って性格いいからホントのこと教えたら
 すぐしゃべっちゃうでしょ、ふふ」と笑った。
「…うにゅう」…愛ちゃん、すごい。
・・・今頃どっかで加護ちゃんと中澤先生が
生死を賭けた無駄な追いかけっこをしてると思うと恐くなるが。。


愛ちゃんに引っ張られて、早々に会計をすませホテルを出た。
「…先輩、おなか空きませんか?」と愛ちゃんが歩きながら言う。
「う〜ん、そうだね、もうすぐお昼か」
駅前のガイドブックで少し調べて、
「保よし」というお店に行くことになった…

「はぁ〜、うまか〜、あっしは幸せもんです!」
と舞茸の天ぷらを美味しそうに食べる愛ちゃん。
見てるだけでこっちも幸せな気分になってくる。
「加護さんとか、今頃どうしてますかね〜
 今度見つかったら確実に半殺しですね、ふふ」
「…愛ちゃん、恐いことを笑って言うなよ」
「すんません、でも生きてるうちに美味しいもん
 食べとかなきゃって、ふと思ったんですよ」
「まー、確かにね」
「先輩もどんどん食べてください、美味しいですよ」
「う、うん、うまいよ」モグモグ
 

327 :サボリン:2003/11/18(火) 16:18
「絵里のお弁当とどっちがおいしい?」
「え?そりゃ絵里ちゃんの方がおいしいよ」
「えへ、よかった」
「って、絵里ちゃん!…なんでこんなとこにいんだよォ!」
テーブルの脇に絵里ちゃんがちょこんと座っていた。
「迎えに来たんだもん」
「…っ、どうしてここっ…どうやってきたの?」
「飛んできた」
「……」
「昨日迎えに行ったら途中で電波が消えて見失って
 朝になってまた見つけたら高速移動しだしたから急いで来た」
・・・昨日の夜からオレを探してたのか。。
「…絵里ちゃん、オレはね、今忙しいんだから、帰りなさい!」
「○○も帰ろ、里沙ちゃんがキトクだよ」
「な、なに!? …キトクって死にそうってこと?」
「そう、さっき紺野さんが言ってた、40度の熱だって」
「ホントかよ!…うそだろ?」
「妹の死に際に会えないなんて不憫だから早く連れてこいって
 紺野さんが言ってた」
・・・ホントなのか。。昨日見たときは、
…精神的にはともかく肉体的には問題なかったはずだが。
「……先輩」と愛ちゃんが不安そうな目で見つめてくる。
「早く、早く帰ろ」と絵里ちゃんが腕を引っ張る。
・・・里沙が危篤…ホントなのか?
でも、ここで帰ったら加護ちゃんに見つかってしまうかもしれない。。




1 愛ちゃんを裏切れない、あくまで海外逃亡!
2 里沙が心配だ、愛ちゃんには悪いが引き返す!
 

328 :名無し娘。:2003/11/18(火) 16:47
加護恐いから

嘘は嘘として1で

329 :名無し娘。:2003/11/18(火) 22:38
1だ

330 :名無し娘。:2003/11/18(火) 22:41
2

331 :名無し娘。:2003/11/18(火) 23:52
1だもん

332 :名無し娘。:2003/11/19(水) 05:50
2で

333 :名無し娘。:2003/11/19(水) 12:56
1だよね

334 :名無し娘。:2003/11/19(水) 17:18
2

335 :名無し娘。:2003/11/19(水) 19:40
1で

336 :名無し娘。:2003/11/20(木) 11:07
1がいいれす

337 :名無し娘。:2003/11/20(木) 23:43
えりりんと一緒にかえる!
よって2!

338 :名無し娘。:2003/11/21(金) 01:35
1

339 :サボリン:2003/11/24(月) 02:44
 
「絵里ちゃん、オレはもう家には帰らない。
 愛ちゃんと一緒に遠くに行くんだ、だから…ここでお別れだ」
「え〜、そんなのいやん!」と袖を引っ張る絵里ちゃんを振りきって
「さ、愛ちゃん、早く出よう!」とオレは立ち上がった。が、
「……」愛ちゃんは下を向いて黙ったままだ。
「…先輩、やさしいんですね
 でも、無理しなくていいですよ
 …行ってあげてください。里沙ちゃんが待ってます。
 あっしはやさしい先輩が好きです、
 こんな時には真っ先に駆けつけるやさしい先輩が…」
「…愛ちゃん、…でも、愛ちゃんは?」
「あっし一人だったらしばらく潜伏していられます
 時期を見て連絡しますから、その時は一緒に来てくれますよね?」
「……うん、ごめん、…やっぱり里沙が心配かも、、
 いったん帰るよ、必ず連絡くれ、愛ちゃんは一人じゃないからね!」
「…ありがとう、先輩、さ、急いだ方がいいです、
 ちゃんと里沙ちゃんの最期を見取ってやって下さい!」
「…うん、愛ちゃん、ありがとう!」

オレと絵里ちゃんは急いで駅に向かって走った。
絵里ちゃんはオレをおぶって帰るとか言い出したが
なんとか説得して新幹線に乗らせた。

家についた頃はもう夕方だった。
里沙の部屋に入ってみると、
確かに里沙は尋常でない汗をかいて苦しんでいた。
「…うぅ…ん」
「里沙……里沙…」
「…医者にも診せたんですが原因がわからないみたいです」と紺野さん。
「…そう、…里沙、どうしてこんなことに…」
里沙の肌がなんだか青く変色している。痛々しい姿だ。
「紺野さん、ごめんね、迷惑かけて」
「いいえ」
「…いろいろ、ありがとね、紺野さん
 里沙も最期に紺野さんと友達になれて嬉しかったと思うよ…」
「はい…
 ○○さん、かわいそうですがもう外に出ましょう、
 新種のインフルエンザかもしれないので、うつったら大変です」
「…そうか、わかった」
オレと紺野さんは静かに里沙の部屋を出た。
 

340 :サボリン:2003/11/24(月) 02:45
 
 
「○○さん、こんな時になんですが
 少しお話があります、リビングまで来て下さい」
「え、…うん」
紺野さんに言われてリビングに行ってソファに座った。
「亀もそこに座れ」
「…はい」と絵里ちゃんも座る。
「○○さん、この石、どこで手に入れたんですか?」
と、紺野さんがネックレスをテーブルの上に出して見せる。
「あ、それ、どうしたの?」
「…すみません、勝手に部屋を掃除したこと、謝ります。
 ○○さんの机の上にありました。…これ、どうしたんですか?」
「どうしたって、それたぶん矢口先輩のだよ、
 それにほら、今日は中澤先生の荷物からコレを拾ったんだ」
オレは脱衣所で見つけたネックレスを差し出した。
「おぉ! こ、これは…」
同じようなネックレスが二つ、テーブルの上に並んだ。

「○○さん、これは、さゆみんの石です!」
「さゆみんの石?」…なんじゃそのフヌケた名前は。。
「アヤックスに乗り込んだ時のことを覚えていますか?
 …美貴様と私たちは、さゆみんを探しているんです
 そしてこれは、さゆみんへのゲートを開くさゆみんの石!」

・・・アヤックス?? ・・・さゆみん??
「さゆみんとは、亀と同じく特別な能力を持つファティマです。
 さゆみんの主となったものは世界を制する力を手にするそうです。
 ただ、その存在は伝説とも言われ、私たちも幾度も噂に騙されてきました。
 …しかし今回、やっと確かな情報を得て
 探していたのがこのさゆみんの石なのです!!」
「……あ、そう、じゃあげるよ」
「…○○さん、ふざけないでくださいよ!
 これは一刻を争う事態です、この石はどこで手に入れたんですか!?」
「だからぁ、これは矢口先輩の、これは中澤先生のだし、
 …たぶん、学校かどっかで拾ったんじゃないかな」
「…そうですか、やはり学校ですか…」
 

341 :サボリン:2003/11/24(月) 02:46
 
と、その時、ガタッという音が階段の方でした。
「誰だッ!」と、すかさず紺野さんが拳銃を構える。
「コンノー」 ドアの向こうで声がする。
「誰だっ、出てこい、出てこないと撃つぞ!!」と紺野さんが言うと

パリッ、ドゥガガガァア!!

と、ドアが爆発したように崩れ落ちた。

「ひゃぁあ、な、なんだぁ?」


すると、煙の中から
「コンノーッ」と、妙に小さなゴジラが現れた!
「あわわわわ、ゴ、ゴジラだ」
いつもの里沙の着ぐるみじゃなくて、すげーリアルなゴジラだ。

「コンノーッ、さゆみんてーのはどこにいるんだァ!」
とゴジラが紺野さんに語りかける。

「里沙…?」と紺野さん。
「な、…里沙ァ?」…言われてゴジラをよく見ると
目元が確かに里沙に似ている。しかし、里沙は2階で死にかけてたのに…
「さすがだなァ、紺野ォ、友達だもんなァ
 こんな姿になってもオレのことわかってくれるんだなァ」
 

342 :サボリン:2003/11/24(月) 02:47
 
「…里沙、ホントに里沙なのか?」
目元は似ていても、肌は青い鱗で覆われ、口からは牙が生えてる。。
「紺野ォ、オレも仲間に入れてくれよォ
 さゆみんてーのに会わせてくれよォ」
・・・オレの話は耳に入らないようだ。
「ホラ、オレもその石、持ってるんだぜェ
 コイツのおかげでなんだか体中から力が湧き出てくるようだゼ!」
と言って首にかけた石を指差す。たしかに似ている石だ。
「…石の魔力ですね。。」と紺野さん。
「紺野ォ、その石もくれよォ!
 オレ、さゆみんと友達になりてーんだァ」
「里沙、私たちに任せて寝ていなさい、
 さゆみんが起きればあなたの病気も治るでしょう」
「あー、紺野ォ、聞こえねェーなァ!
 なんだってぇ?オレは病気じゃねーヨ
 だからぁ、さっさとその石くれよォ!」
「だめだっ、オマエはさゆみんを知らない!」

「くれっつってんだろォオ!!」

ブォォオオオオ!!

いきなりゴジラが口から火を吹いた。
「キャッ」と石をつかんで紺野さんがよける。
「だー、家が燃えるだろォ! やめろ、こんなとこで!
 って、…オマエ、ホントに里沙なのか?
 里沙、オマエこんな姿になっちまってどおすんだよぉ、
 女の子なのに素っ裸で恥ずかしくないのか!
 これじゃ里沙じゃなくてゴリサじゃねーか!!」
「うっせーよ、アニキィ!
 寒いダジャレ吐いてんじゃねー!!」バチッ!!
と、里沙は後ろを向いて尻尾でビンタをしてきた。
「イテッ!」
オレは軽く吹っ飛ばされて尻餅をついた。と、

343 :サボリン:2003/11/24(月) 02:47
「紺野さん! 大丈夫ですか?」
と知らない女の子が二人、リビングに入ってきて紺野さんに近寄る。
「ああ、…気をつけろよ、二人とも」
「なんだぁ、ひとんちに勝手にあがってくんな!」
「…里沙、力を使いすぎると体がもたねーぞっ
 ちゃんと直してやる、助けてやるからその石を渡せ!」
「あんだとォ〜!」ドガァア!!バキッ、バキバキ
と、里沙が柱をグーで叩きつけて壊した。。

「…仕方ない……亀、殺れ!」
と紺野さんが目で絵里ちゃんに合図をする。
「はい」と言って絵里ちゃんが横から里沙に近づく。と、

「来るんじゃァ、ねェ!」

ブォォォオオオオ!! 

再び里沙が炎を勢いよく出して
「キャァア!」ドカッ
「うわっ!」ドカッ
爆風と共に絵里ちゃん、オレ、女の子二人、最後に紺野さん、
と次々に吹っ飛んで壁に叩きつけられた。
ドカッ、ドカ、ドガガガァア!!
…痛ッ〜、、絵里ちゃんまで吹っ飛ぶなんてなんて威力だ。
 

344 :サボリン:2003/11/24(月) 02:48
 
「はっはっ、オマエもそこに居たっけなァ」
「…うぅ…」紺野さんが頭を抱えながら起きあがる。
「いいんだよ、紺野、
 オレはもうオマエに助けてもらわなくってもいいんだよ、
 …これからはオレがオマエを助けてやる、
 そんときは言いなァ、こんこんよォ!!」
「里沙ァ、いい加減にしろォ!
 テメエ、誰に向かって口きいてンだァ!!」
「へっ、口のきき方が気に入らねェかァ…
 頭に来たかァ…、ならどうする、おい!紺野!
 どォすンだよォォーーオオッ!!!」

ブォォォォォオオオオオオ!!!

今度は縦に炎を吐いて、リビングの壁を焼き切りながら
炎は天井に向かい、あっという間に家を真っ二つに寸断してしまった。

バリッ、バリバリ、ドシャァア! ガコンガコン!!

と、食器や家具や、柱やら壁やらが降ってきて家が崩壊に向かっていく。
埃の間から絵里ちゃんや女の子二人が倒れているのが見える。
「…うぅ」
紺野さんも柱の下に倒れて挟まれて動けなくなっている。
里沙が静かに紺野さんに近づき、紺野さんの目の前に落ちた石を拾う。
里沙は紺野さんの顔を足で踏みつけて、ググッ!
「プニプニ、はずむ顔だなァ
 …紺野、さゆみんはどこだ」と痛めつける。
「…くっ!……オマエにさゆみんは起こせない」
「どこにィ、居るんだァ!」ググググッ!!
「…くはぁっ!、…や、山崎の像の下だ、そ、そこにゲートがある!」
「へっ、いい子だ、
 それじゃぁ、またなァ!」ドゥガァ!!
壁をぶち破ってあっという間に里沙は外に出て行った。。
 

345 :サボリン:2003/11/24(月) 02:48
 
「…紺野さん、大丈夫?」
柱をどかして、埃だらけの紺野さんをなんとか引き出した。
「…ありがとうございます、大丈夫です。
 それにしても、まさか、里沙が石を持っていたとは…」
「紺野さん、大丈夫ですか?」と女の子二人も寄ってくる。
「…まい、あさみ、災難だったなぁ
 で、美貴様は?見つかったか?」
「それがどこにも見あたらないんです」とやせた女の子。
「なにか事件にでも巻き込まれたんでしょうか」とぽっちゃりな女の子。
「こんな大事なときに美貴様はなにをしておられるのだ。。
 …しかし、おまえら、これはチャンスだ!!
 さゆみんの石は、S、A、Y、U、の全部で4つある。
 里沙は3つしか持っていない、
 ヤツはどうあがいてもさゆみんは起こせない。
 そして残りの1つのありかを私たちは知っている!」
「え?それはどこに?」とやせた女の子。
「Sの石は代々、モーニング高校の生徒会長が持っているらしい…」
「生徒会長ですか?」とぽっちゃりな女の子。
「ああ、今は飯田ってノッポがやってるはずだ、
 …目覚めの時は近い! 亀、用意しろ、出撃じゃあ!!」
「はい!」
「…とはいえ美貴様がおられなければ話は進まない。。
 二班に分けるぞっ!
 亀は○○さんと飯田のところに行って石を取ってこい、
 …と言って二人だけじゃ心配だ。。
 私かまいかあさみ、誰か一人が亀と○○さんにつきそい、
 残りの二人で美貴様を探す、いいな!!」
「はい!」「はい」「はい」
「…じゃ、○○さん、誰をつれていきますか?」
「…え?、、オレが決めるの??」




1 紺野
2 まい
3 あさみ
 

346 :名無し娘。:2003/11/24(月) 08:36
4 みうn(rじゃなくて 2で。

347 :名無し娘。:2003/11/24(月) 13:03
2で

348 :名無し娘。:2003/11/24(月) 16:20
1

349 :名無し娘。:2003/11/24(月) 17:27
1

350 :名無し娘。:2003/11/24(月) 18:06
2

351 :名無し娘。:2003/11/25(火) 02:28
1で

352 :サボリン:2003/11/26(水) 00:27
紺野とまい、両方連れてくことにします。

353 :サボリン:2003/11/27(木) 16:39
 
「う〜ん、…まいちゃんでおながいします」
「…そうですか、わかりました
 しかし、冷静に考えると、飯田のところで石を手に入れたとして、
 今の里沙から残りの3つを奪うのは難しいですね。。
 …私も一緒に行きましょう。美貴様はあさみにお願いします」
「はい」
「頼みましたよ、ここが正念場です、
 なんとしても美貴様を探し出してお連れするのです!
 私たちは先に行って必ずやさゆみんを確保しますから…」
と、紺野さんがあさみちゃんの手を握る。
「…はい」
「……あさみ、不憫な、
 私の影として随分とつらい目に遭わせてしまった…
 あなたにはもっとまともな学生生活を過ごさせてあげたかった…」
「そのような…
 紺野さんの悲しみに比べれば私の悲しみなど及びもしません」
「やさしい娘ですね…
 …行け!」バシッ!
と、いきなり紺野さんがあさみちゃんの手を振り切った。
「はっ」
あさみちゃんは忍者のように素早く家を出て行った。

「さ、○○さん、向かいましょう」
「う、うん」

ということで、オレと絵里ちゃんと紺野さんとまいちゃんで
瓦礫と化した我が家を抜け出し、飯田先輩の家に向かった。
紺野さんたちは飯田先輩の家を知らなかったのでオレが案内した。
 

354 :サボリン:2003/11/27(木) 16:40
 
 
薄暗くなった林にそびえる喫茶『北風』は以前よりも気味が悪かった。
店内に入ってみると、店の奥の方のソファに人影が見える。
全員が店内にはいると、ピカッと照明がついて、
いきなり店内が明るくなった。
ソファには飯田先輩と知らないお姉さんが座っていた。

「おお、これはこれはクリクリおめめのこんこんさん、
 お待ちしておりました、出会えて光栄です」
飯田先輩がワイングラスを片手に話しかけてきた。
「…?」
まるで俺たちが来るのを知っていたかのような話し方だ…
フリルのついた西洋貴族のような服を着た飯田先輩、、
長い髪を他人のもののように邪険に扱いながらワインを飲む。
この前のウェイトレス姿とはまるで別人だ。。
「あら、紹介がおくれましたね、
 こちらは前生徒会長の石黒さんです」と飯田先輩。
「…どうも」
飯田先輩の横にいたお姉さんが軽く会釈をする。
「初めまして、紺野です」
「…石が騒いでいましたのでね、
 そろそろおいでになるかと思っていました」と飯田先輩。
「…そうですか、随分と話が早いですね、
 では、その石を渡してもらいましょうか」と紺野さん。
よく見ると飯田先輩の首に例のネックレスがかかっている。
 

355 :サボリン:2003/11/27(木) 16:40
 
「ふふ、せっかちですね、
 しかし、あなたたちは何故この石を欲しがるのですか?」
「その理由はあなたが一番ご存じのはず」
「ははは、そうですね、さゆみんですか、
 しかし、さゆみんはその本質において手段であって目的ではありません。
 となると彼女を起こすのは他にしたいことがあるからですね、それは何か?」
「それは美貴様が知っています」
「ではあなたは、ここに来た理由を知らないのですね
 あなたは、行けと言われたから来ただけです
 ふっ、まるでロッタちゃんはじめてのおつかいのよう…」
「…何が言いたいんですか?」
「あらゆる物を支配する、紛れもない真理があります。
 因果関係です。作用、反作用、風が吹けば、桶屋が儲かる…」
「全ては選択から始まるのでは?」
「いいえ、違います、選択は幻想です、
 あるのはただ力を持つ者と、持たざる者です」
と、飯田先輩はワインを飲み干し、紺野さんから視線をずらして
オレの斜め後ろにいた絵里ちゃんを見つめる。
「…あなた、かわいい顔をして立派なモノをお持ちのようで」
そう言って飯田先輩は絵里ちゃんの方に軽く手を伸ばして指を動かし始めた。

ぷにゅぷにゅ。

「…ぁ…はっ…」

とつぜん絵里ちゃんが股間を押さえだした。

「どうした?絵里ちゃん?」とオレは絵里ちゃんの肩に触れる。
絵里ちゃんはわけもなく体を震わせている。ビクビクッ!

「…ぁぁ…絵里…っ…」
 

356 :サボリン:2003/11/27(木) 16:41
 
ぷにゅぷにゅ。

飯田さんは離れた場所で指を動かし続ける。
な、なにが起きてるんだ??超能力か??
「彼女には判らない、何故なのか?
 …そしてどうでもよくなる、
 すぐにわけや理由は消え去る、
 大事なのはその感覚だけになる…」

ぷにゅぷにゅ。

「…ぁぁ…っ…ぃ<…」

肩をビクン!と震わせて、絵里ちゃんはうずくまってしまった。。

「…トイレ…どこ…ですか?」真っ赤な顔をして絵里ちゃんがたずねる。
「向こうの奥ですよ」と飯田先輩が笑って指差す。
絵里ちゃんは股間を押さえながらトイレに走っていった。

「な、なにをしたんだ!?」と、オレは思わず飯田先輩に怒鳴った。
「ふっ、思春期の性欲にも理由はあります。
 …因果関係、そこからは逃れられない、私たちは永遠にその奴隷…
 私たちの唯一の安らぎはその理由を理解すること…
 理由こそ力の源、それを欠けば無力、そして私には!!
 …あなたたちにこの石を渡す理由は見当たらない、どこにも。
 …帰りなさい、出口はあっちです!」と飯田先輩は出口を指差す。

「…ヵぁァアア、このババア!!
 おとなしくしてりゃ、ゴタク並べやがって!
 テメエが石を渡す理由はあんだよ、死にたくねー!それが理由だァ!」
ついに紺野さんが切れて拳銃を飯田先輩に向ける。
 

357 :サボリン:2003/11/27(木) 16:42
 
「ほう、あなたの選択が正しいと思うなら撃ちなさい」
「へっ、あの世で禅問答でもしてろォ!」

バン!!

紺野さんは躊躇なく飯田先輩に向かって銃を撃った。

が、パキン!と弾が跳ね返って天井の照明に当たった。パリッパリン!
「うわっ!」「キャッ!」辺りにガラスが降ってきた。
…どうやらバリアみたいなのが飯田先輩の周りに張ってあるらしい。

「ふっ、次は自分の弾で死なないように注意しなさい」
「…テメエ、人間なのか?」
「ふふ、この石を使えばこのくらいは訳もない
 もっとも、使い方を誤って怪物に変身したバカも居るようですが…」
「それは…クリリンのことかーっ!!」
「……いいえ、違います
 …あなたのお友達の里沙さんが苦戦している様が見えます」
「な、なに?」
「人間とは浅ましいもの、
 理由を知らず目的を理解せず欲望の赴くままに今を争うだけ…」

と、バタンッと絵里ちゃんがトイレから出てきた。なぜか内股。。
「…はぁ…はぁ、
 うぅ…絵里…もうお嫁に行けない」
まだ目の焦点が定まっていないように見える。
「亀ェ、ちょうどいいところに出てきた!
 コイツを殺って、石を奪うんだ!!」と紺野さん。
 

358 :サボリン:2003/11/27(木) 16:43
 
「え…絵里、この人恐い」
「何いってんだ、命令だ!殺れ!」
「…っ…はい」
「変なバリアみたいの張ってるから気をつけろォ!」
絵里ちゃんが静かに飯田先輩に近づいて
「えい!」と掌を出して力を込める。

バリバリ、バリッバリッ!!

と電撃が走って飯田先輩の周りのバリアがピンク色に見えるようになった。

「ほう、なかなかやりますね、しかし…」
「…うぅ」
しばらく互角に電撃を張り合っていたようだが、
突然飯田先輩が目を見開いて、バリバリッ!

「パラディノメ!!」

ドゥガガァァアアア!! ドシャン! パリパリン!

絵里ちゃんが吹っ飛ばされて窓を破って外に飛んでいった。
「絵里ちゃ〜ん! 大丈夫?」オレは慌てて絵里ちゃんに駆け寄った。
「うぅ…絵里…もうくじけそう」と絵里ちゃんがしなだれる。

「撤退じゃー!!」 そう言って紺野さんとまいちゃんも店から出てきた。

「ふう、な、なんなんじゃ、あのババアは!
 亀も吹っ飛ばすなんて完全に人間離れしてるぞ」と紺野さん。
「…たぶん、石の使い方を知り尽くしてるんですね
 あの石を奪わないことには近づけませんよ」とまいちゃん。
「とは言え、石を奪ったらもうババアには用はないんだがな…」
 

359 :サボリン:2003/11/27(木) 16:44
 
 
家も壊れてしまって、4人は行くあてもなく
しばらく公園のベンチで缶コーヒーを飲んで休んでいた。
と、向こうから女の人が寄ってくる。あ、飯田先輩の隣にいた人だ。

「ふふ、あなたたち、さっきはさんざんだったわね」
「…まだなんか用か?鼻ピアス!」と紺野さんがにらむ。
「そんなに怒らなくたっていいじゃないの
 私はもう引退したんだから敵でも味方でもないわ」
「……」
「私はモーニング高校の第五代の生徒会長だった…
 代々私たちは石を引き継ぎ、さゆみんとさゆみんの石を守ってきた…
 カオリはあなたたちに石を渡す理由はないなんて言ってたわね、
 確かにそうだわ、でも逆に言えば、石を渡さない理由もないのよ」
「…というと?」
「…あんな偉そうなことを言ってても
 カオリも私もさゆみんに会ったことはないわ
 何故石を守ってきたか、私たちだって知らないのよ
 石の魔力を自分のものにする…独占欲で守ってるだけよ」
「…で?」
「4つの石が集まろうとしているのはこれが初めてだわ、
 …私はさゆみんが実在するのなら会ってみたいとも思う…
 …私が石を手配してもいいって言ってるのよ」
「ホントか!」と紺野さんが目を見開く。
「ええ、私が石を盗ってきてあげるわ
 カオリも私にならスキを見せるでしょうから」
「お、恩に着る!」
「ただし、条件があるわ!
 その娘、亀って呼ばれてたわね
 その娘を小一時間貸してくれない?」
そう言って石黒というお姉さんは怪しげな笑みを浮かべる。
「おやすいご用です、亀、行け!」

「え…絵里、いやん、○○助けて!」
なにかを敏感に察知したようで絵里ちゃんが脅えてオレに抱きついてくる。
「ふふ、若いっていいわね」とお姉さんが微笑む。




1 「絵里ちゃん、美貴さまのためだ、頑張れ!!」
2 「そんなオバハンに絵里ちゃんを預けるなんてできない!」
3 「心配だからオレも一緒についていく、それなら許す」
 

360 :名無し娘。:2003/11/27(木) 16:48
相変わらず元ネタがわかんねえ 1で

361 :名無し娘。:2003/11/27(木) 18:41
3

362 :名無し娘。:2003/11/27(木) 19:20
3

363 :名無し娘。:2003/11/28(金) 03:08
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