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ときめきモーニング

1 :サボテン:2003/09/10 15:13:57
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1 春
2 夏
3 秋
4 冬

228 :サボリン:2003/10/22(水) 14:34
 
「あれ〜、真理男くん、もう□□くんと友達になったの〜?」
と言って石川さんが寄ってくる。
「うん、そうなんだ、あ、石川さんも□□と一緒に飯にしよーぜ」
と、矢口先輩はオレの机の上に乗って弁当を広げ始める。
「いいわね、でも、□□くんは、お弁当じゃないでしょ?」
「あ、オレ、今日は弁当なんだ、妹が作ってくれて」
「そう、じゃ、ちょうどいいわね」
石川さんは俺の隣の席に座り、3人で弁当を食べることにした。
と、フタを開けてビックリ。
卵のそぼろごはんの真ん中に桜でんぶでハートマーク。
その上段にはタコ型揚げウィンナーと牛肉の八幡巻き、
輪切りの緑・黄・赤の3色ピーマンとハート形にんじんのバター炒め。
その横にレタス畑に囲まれたプチトマトが二つと黄色の星形つま楊枝。。
「はうぁ!」…目がチラチラしてテンカン起こしそうだ。。
「あっら〜、□□くんの妹さんって□□くんにぞっこんなのね」と石川さん。
「…う、うん、まあ」
「……」なんか矢口先輩がにらんでいる。ヤバイな。
「さ、ま、真理男、食べようぜ〜」
「いただきま〜す」
「……」
オレは牛肉の八幡巻きから一口、もぐもぐ、、ウマー!!、
…絵里ちゃん、シャワーの入り方も知らなかったくせに料理の腕前は凄いな。
なんてオレが顔を崩してにやけて食ってると、
なおも矢口先輩がにらんできてマズイ空気が流れた。
 

229 :サボリン:2003/10/22(水) 14:35
 
と、そこへ

ガラガラッ

「ちーす、このクラスにかわゆい男の子が転校してきたってねー!」
と安倍先輩が入ってきた。
「どこかな、どこかな、あれ、かわいい」
と矢口先輩を抱き上げた。矢口先輩は苦笑いをしたままおとなしくしている。
「ぼく〜、お名前なんていうの?」
「…矢口真理男って言うんだ、よろしくねっお姉ちゃん!」
「よろしく〜、かわいいお洋服でちゅね〜」
「キャハハ、お姉さんのほっぺもふっくらしててかわいい」
二人は不気味な笑顔を作ってにらみ合っていた。
「安倍先輩、なにしに来たんですか?」
「そんな言い方ないべ〜、
 なっちも□□くんと一緒にお弁当食べようと思っただけだべさ」
と言ってオレを見つめる安倍先輩はいつもと違った雰囲気だ。
あ、そうか、制服を着てるせいか。。
…今まで柔道着姿の安倍先輩しか見たことなかったかも。
「あ、安倍先輩、制服が結構似合うんだね」
「やだぁ、いきなり何をいいだすんだべ、□□くんは〜
 そんなこと言われたら、なっちは照れてしまって〜」
と、急に矢口先輩を両手で持ち上げて
「どーすればいいんだべかぁ!!」ヒュゥウ!
いきなり矢口先輩を空中に放り投げた。
「ほうれ、たかい、たかーい」ヒュゥ、ヒュゥウ!
と言いながら何回も矢口先輩を空中に放り投げていた。
「キャハハ、やめてよお姉さん!」
と言って笑いつつも矢口先輩は顔が引きつっていた。
 

230 :サボリン:2003/10/22(水) 14:36
 
「ちょっと安倍先輩、怖がってるじゃん!」
「ん?」
と安倍先輩は急にこっちに顔を向けて、目を離し、ドカッ!!
「うぎゃ!」と、矢口先輩が後ろで床に激突していた。
「はれぇ、□□くんのせいで真理男くんが落ちてしまったべ
 だいじょぶかぁ?」と矢口先輩のそばに駆け寄る。
「キャハハ、気にしないでよお姉ちゃん、大丈夫」
と矢口先輩は背中に手を伸ばし
「なわけねーだろっゴルァ!!」バリバリバリッ!
小型スタンガンで安倍先輩が感電していた。
「はうっ、はう、はう」
矢口先輩はうずくまる安倍先輩にボコボコ蹴りを入れつつ
制服の中に何かを入れて素早く離れた。
と、バチバチバチッ、パンパン、パパンッ!
と爆竹が安倍先輩の制服の中で鳴り始め、辺りが煙に包まれた。
「はうっ、はう、はう」
安倍先輩はひたすらもがいていたが、やがて起きあがって
「ま、真理男く〜ん、面白い遊びを知ってるんだねぇ〜!」
と言って破れた制服を脱ぎ捨て、矢口先輩に近寄ろうとする。
「あれェ?火薬が足りなかったかなぁ〜
 久しぶりに豚の丸焼きが食えると思ったのになァ!」
「…真理男くん、許さないべ」
「へっ、豚ァ、豚ァ、ここまで来れるもんなら来てみやがれ豚ァ!」
と言いながら矢口先輩はぴょんぴょんと巧みに机の上をジャンプして
ベランダの柵の上までたどり着き、
「あばよォ、豚、この続きはまた後でなぁ!」
と言ってベランダから飛び降りて行った。
おい、ここは4階だぞっ、矢口先輩!!
あわてて下を見てみると、
パラシュートで華麗に舞ってる矢口先輩が笑って手を振っていた。。
・・・小さくなってからの矢口先輩は
ますます人間離れしていくような気がする。
「ちくしょー、こしゃくな技を使いおって」
と言いながら安倍先輩は教室を出て行った。
「真理男くん、かっこいい〜」
石川さんはベランダに出て矢口先輩を見ながら目を輝かせていた。
 

231 :サボリン:2003/10/22(水) 14:37

 
 
 
 
午後の授業が始まる頃に矢口先輩は無事に帰ってきた。良かった。


で、午後の授業も終わり放課後だ。
さて、今日はどうするか。
矢口先輩があれじゃ、部活は事実上休部だしなぁ。
そう言えば今日は平家みちよのベストアルバム発売日なんだよなぁ。
・・買いに行こうかな。
ん、向こうから矢口先輩を抱いた石川さんが寄ってくるぞ。
「□□くん、一緒に帰ろ」




1 石川さん、矢口先輩と一緒に帰る
2 一人で隣町まで買い物に行く
3 そうだ、昨日のこと、愛ちゃんに謝らなきゃ
 

232 :名無し娘。:2003/10/22(水) 17:41
おもしれえ!他のときめき系とは違うな

で、2で

233 :名無し娘。:2003/10/22(水) 18:57
安倍矢口が絡むといい感じにノッてくるな3

234 :名無し娘。:2003/10/22(水) 20:20
1

235 :名無し娘。:2003/10/22(水) 21:28
2で

236 :名無し娘。:2003/10/22(水) 22:15
3で

237 :名無し娘。:2003/10/22(水) 22:50
3だな

238 :名無し娘。:2003/10/24(金) 00:31
う〜ん、面白い! 3で

239 :名無し娘。:2003/10/24(金) 01:20
1で

240 :サボリン:2003/10/25(土) 19:08
 
そうだ、昨日のこと、愛ちゃんに謝らなきゃ。
「ごめん、石川さん、今日ちょっと用事があって」
「え〜、そんなぁ、梨華、悲しみ〜」
「石川さん、せっかくだから真理男と二人でデートでもしてきなよ」
「……」何も言わずに矢口先輩がにらんでいる。。
「じゃ、そう言うことで、また明日!」
と言ってオレはすばやく教室を出て音楽室に向かった。
・・矢口先輩と一緒にいると、ときどき疲れるんだよなぁ。



音楽室に着き、ドアを開けてみたが、そこには誰もいない。
あれ?今日は合唱部休みかなぁ。。と、

ドカッ!!

突然、背後から強烈な膝カックンを食らってオレはその場に突っ伏した。
誰かが背中に乗って両手を後ろで押さえられ、頭を床に押しつけられる。
「だれれすか?」
「うぅ…」
「なんの騒ぎやぁ!」と、奥から誰かが出てきた。
「しんぬーしゃれす!」
「…侵入者て、のの、あんたが鍵し忘れたんやろ?」
「…あ、そうれした、ごめんれす」
「ホンマに使えんなぁ」
と言ってその子はオレの髪の毛をつかんで顔を上げさせる。
「なんやぁ、里沙ちゃんの兄ちゃんやないか!」
「か、加護ちゃん!」
「里沙ちゃんのお兄ちゃん!?」
「加護ちゃん、これはどういうことだよっ!」
「…のの、離してやりぃ」と言って頭を抱える。
辻ちゃんが背中をどいてくれてやっと自由になれた。
「…はぁ、痛かった。…二人とも何やってんのさ?」
「ひみつれす」
「のの、これ以上邪魔が入らんよう、さっさと鍵しめろや」
「あい」と言って辻ちゃんがドアの鍵を閉める。
 

241 :サボリン:2003/10/25(土) 19:09
 
「仕方ない、兄さんにも手伝ってもらおか
 兄さんには借りもあるし、分け前ははずむで」
「な、なんの話だよ」
「詳しい話はタカハシが帰って来てからや」
と、ドアをコンコンとノックする音。
「タカハシ!」と加護ちゃんが言うと
「え、笑顔汚い」という声がドアの向こうからする。
「加護亜依!」
「ハゲ、ハゲ…激しくかわいい!」
「…よし、入れや」と言って加護ちゃんが鍵を開ける。
と、ドアを開けて愛ちゃんが入ってきた。
「遅いやねーか、タカハシ!」
「すんません」
「首尾は?」
「へぇ、なんとか」
「ブツは?」
「へぇ、ここに」
と言って愛ちゃんはアタッシュケースを加護ちゃんに手渡した。
「ようやった」
と加護ちゃんがアタッシュケースを開けると
中には白い粉が入ったビニール袋がびっしりと。。
「のの、準備せえ!」
「…あい、…どんくらいで試すんれすか?」
「これや」と言って加護ちゃんは右手で5本指を立てる。
「…ご、五百れすか?…大丈夫れすか?」
「アホ、うちをなめんなよ、グラム打ったって死にゃせんわ!」
「……あい、わかりますた」
辻ちゃんは袋を一つとって窓際で試験管をいじりだした。
 

242 :サボリン:2003/10/25(土) 19:10
 
「か、加護ちゃん…これって」
「ヒロポンや、…うちの友達にミカってメリケン人がおっての
 そいつがダニエルっつー兄弟の腹切って、中に詰めて運んで来たんや
 …それが不幸な事故でのぅ、腹ん中の袋の一つが割れてしまっての
 あと少しってところでダニエルは血の涙を流して逝っちまったんや
 ミカはショックで稼業から足を洗う決心をしたんやが…
 上から認められそうもなくてのう、悩んでおったんや、
 そこでうちがブツを安う引き受けるかわりに、ミカを逃がしてやったんや」
「……」
「とゆうても、うちにだってこんな大量なブツ、
 さばききれるはずあらへん、んで、これから斉藤さんつー
 ここいらの元締めにまとめて引き取ってもらうところや
 でも相手が斉藤さんやからなぁ…下手なブツ納めたら首が飛ぶ
 つーことで今からうちが直々に純度の鑑定とくらぁ」
「あいぼん、準備できたのれす」と言って辻ちゃんが注射器を差し出す。
「ちょちょ、ちょっと加護ちゃん、高校生がいけないよ!」
「兄さんは黙っててもらおうかの!
 うちもここが勝負時や、
 コイツで儲けて父ちゃんをムショから出して
 ののと一緒に高飛びや!」
と言って右肩を出して紐を肩に巻き始めた。
脇の下の方には青い痣が見えた。
「くそぅ、しばらくやってなくて太っちまったからなァ
 血管が出てこねぇ、タカハシ!手伝えや!」
「へぇ」と言って愛ちゃんが加護ちゃんの肩を強く縛る。
「タカハシ、覚えとくとええで、
 夏も長袖着るような恥ずかしいマネしとうなかったら
 こうやって脇の下から入れるんや」
「へぇ」

「ほな、イクでぇ!」
 

243 :サボリン:2003/10/25(土) 19:11
 
 
 
ぷすぅぅ

勢いよく加護ちゃんが注射器を刺した。

・・

・・・

「…ぅくはッッ! ……うっ…コイツはぁ!」

ドクッドクッ!

と目を見開き痙攣しながら加護ちゃんはフラフラと立ち上がり、
「じょ、上物だぜぇ…」と言って白目をむきながら
グシャっとワカメみたいにその場に崩れ落ちた。。
「お、おい、大丈夫かよっ!」
辻ちゃんが加護ちゃんを抱きかかえてまぶたを開き
ペンライトで瞳孔を確認していた。
「…大丈夫れす」
と、スタッといきなり加護ちゃんが立ち上がり、
「ポルァ!タカハシ!
 うちのアイブチどこや、どこへやったんや!」
と愛ちゃんの襟首をつかんで頭をガコガコ前後に振りはじめた。
「知らんです、やめてください、加護さん!」
加護ちゃんは襟首をつかんだまま黒板まで愛ちゃんを引きずって
愛ちゃんの頭を黒板にドカドカッと何度も叩きつけていた。
「か、加護さん、や、やめれぇ」とうずくまる愛ちゃん、
「ポルァ、ポルァ!」バスッ、バスッ!
と加護ちゃんは今度は愛ちゃんの頭に手刀をあびせていた。
「ウソつくなや、タカハシ、ポルァ、ポルァ!」バスッバスッ!
「加護ちゃん!!」オレは背後から加護ちゃんを押さえつけた。
 

244 :サボリン:2003/10/25(土) 19:11
 
「はなせぇ、エロ親父!」
意外にに力は弱かったので両腕を背中にまわして押さえつけた。
「…ちきしょう、好きにしやがれっ!
 いつかぶっ殺してやるからなぁ!」
そう言いながら加護ちゃんは白目をむいて
よだれをだら〜っと愛ちゃんの頬に垂らしていた。と、
「ははっ、タカハシ!
 おまえ、ザーメンまみれやでっ!
 誰に姦られたんだぁ、ケケッ、この肉便器ィ!、ざまぁ見ろ!」
と言って今度はケタケタ笑い始めた。
「ちょっと、辻ちゃん、どうすンだよぉ!」
「仕方ないれすね、とりあえずコレで縛っちゃってくらはい」
と言ってガムテープを渡されたので、両手を背中の方で縛った。
「ふう、しばらくやってなかったんで強すぎたみたいれすね
 とりあえずヘロインで中和させますか」
と言ってまた試験管をいじりだした。
「のの〜! 助けてくれェ!
 ミミズや、ミミズだらけやぁ!
 なんなこの汚い部屋はミミズだらけやないかぁ!
 うわぁ! うちのヘソからミミズが出てくるでぇ!
 助けてェ! のの〜! 助けてェ!」
と縛られた加護ちゃんが涙を流して叫んでいる。
「もう、うるさいれすね、これでおとなしくさせてあげるのれす」
「ちょっと、辻さん、ヘロイン打つ気ですか?」
と愛ちゃんが起きあがって話しかけてきた。
「そうれす、アップ系はダウン系で中和させるのが基本れす」
「な、何言ってんですか!
 そんなことやったら死にますよ!」
「へ? のんはいつもこうしてあいぼんを直してきたれすよ?」
「アップ系とダウン系同時使用はマジ危険ですよ
 そんなことやってるから加護さんの耐性が強くなっちゃったんですよ!」
「そ、そうなのれすか?」
「こういうときはセルシンでも打っときゃいいんですよ、はい」
と言って愛ちゃんは薬の瓶を差し出した。
「く、くわしいんれすね、愛ちゃん
 …のんはあいぼんのあいぼー失格れす」
と言って辻ちゃんはまた試験管をいじりだした。
 

245 :サボリン:2003/10/25(土) 19:12
 
「ホントに効くんれしょうか?」
「大丈夫だと思いますよ、さぁ」
と言って愛ちゃんが加護ちゃんの腕をつかんで紐で縛り始めた。
「な、なにするんや!うちはハムちゃうで!
 うちは贅肉の塊や、うちを食ってもうまないで!」
「じゃ、いくのれす」
と言って辻ちゃんは注射器を加護ちゃんの腕に刺した。と、

「はうぅぅ〜」

と言って加護ちゃんは瞼を閉じて眠ってしまった。

「加護さんだったら4、5時間で回復するでしょう
 約束は何時なんですか?」
「たしか、22時れす」
「じゃ、大丈夫ですね、ちょっと休憩にしましょうか」
「そ、そうれすね、のんは腹がへったのれす」
「そうですね、ちょっと早いですけど腹ごしらえしときますか」
「あい」
「どうしましょうか、加護さんはここに置いて鍵かけとけば
 大丈夫だと思うんですけど〜、先輩なに食べたいですか?」




1 「じゃ、みんなでマックにでも行こうか」
2 「じゃ、みんなで吉野家にでも行こうか」
3 「加護ちゃんが心配だよ、オレがコンビニで弁当買ってくるよ」
 

246 :名無し娘。:2003/10/25(土) 22:23
1

247 :名無し娘。:2003/10/25(土) 22:42
おいおい1で

248 :名無し娘。:2003/10/25(土) 23:36
2で大盛りねぎだくギョク。

249 :名無し娘。:2003/10/26(日) 03:17
>>248
2で加護同

250 :名無し娘。:2003/10/26(日) 05:01
2で並51杯

251 :名無し娘。:2003/10/26(日) 05:40
3でこのまま加護ちゃんを。。。

252 :名無し娘。:2003/10/26(日) 13:41
2で馴れ合い禁止。

253 :サボリン:2003/10/27(月) 19:08

「じゃ、みんなで吉野家にでも行こうか」
「いいれすね、吉野家は安くてうまいのれす」
「そうですね、じゃ、吉野家にしましょうか」

音楽室に鍵をかけて3人で近くの吉野家に向かった。


ポチ、カラカラッ〜
「いらっしゃいませ〜、お好きなお席にどうぞ〜」
着いてみると、平日の午後4時過ぎで店内は殺伐としていた。
「よかったね、すいてて」
とオレはカウンターの奥の席に座った。
が、愛ちゃんは無言で席を一つ空けてオレの隣の隣の席に座った。
辻ちゃんもおもむろに愛ちゃんの隣の隣の席に無言で座る。
・・あ、せっかくすいてるんだから広く座れた方がいいのかな。。
「何にしようかなぁ、愛ちゃんは?」
と語りかけたが、愛ちゃんは下の方を向いたまま返事をしない。
辻ちゃんも無言でジャンプを読んでいる。…二人ともどうしたんだろう?
すると店員が水を持ってきて「ご注文はお決まりですか」と聞いてくる。
「じゃ、オレは牛鮭定食で」
「プッ」と愛ちゃんの笑い声。。ん?何がおかしいんだ?
「大盛り・ネギダク・ギョクで」と愛ちゃんが注文した。
「プッ」と今度は辻ちゃんの笑い声。。
「並、…二つ。」と辻ちゃんが二本指を立てて注文し、愛ちゃんを見返す。
「…くっ」と愛ちゃんは唇を噛んで悔しがっているようだ。
・・しばらくたっても二人ともまったくしゃべろうとはしない。
 

254 :サボリン:2003/10/27(月) 19:08
 
「並二つ、お待たせしましたぁ」と、
最後に頼んだのに、辻ちゃんの注文が先に来た。
「どうも〜、あ、すいません、お茶キボンヌ」「はいただ今」
辻ちゃんはまた無言で愛ちゃんを見返し、一人でガツガツ食べ始めた。
おいおい、せっかくみんなで来たのに一人で食べるなよ。。
と、愛ちゃんの大盛りが来て、これまた愛ちゃんも無言で食べ始めた。
・・うむぅ、二人にとって吉野家は神聖な場所なのかもしれない。
しばらくしてオレの牛鮭定食が来た。。オレも黙って食うことにするか。
と、一人でもぐもぐ食べながら店内を見ていると、
奥のカウンターにうちの制服を着た女の子が一人、黙々と食っていた。
後ろ姿で顔は見えないが、、最近は女子高生でも一人で吉野家にくるんだなぁ。
と、「おかんじょ〜」と言って女の子が立ち上がる。
どこかで聴いた声だなと思っていると、
ふと女の子が振り返り、目が合ってしまった。
「い、石川さん!」
「あっ、□□くん!」
と、急に石川さんは頬を赤くして下を向いてしまった。
「やだ、梨華、こんなとこ見られて…」
「いや、別に気にしないでよ、そうだ今日は悪かったね…」
「…梨華、梨華、恥ずかしい〜!」と石川さんは走り出して店を出て行った。
「あ、石川さ〜ん!」
「あ、コラ!食い逃げだ!!」
と言って店員がカウンターから出てきて石川さんを追っかけようとする。
「すいません、あの子僕の友達なんです、僕が払いますから!」
オレはとっさに店員の腕をつかんで言った。
「あ、そうだったんですかぁ、すみません、失礼しますた」
「…食い逃げはよくないれすなぁ」と辻ちゃん。
「…ですなぁ」と愛ちゃん。
 

255 :サボリン:2003/10/27(月) 19:09
 
しばらくしてみんな食べ終わった頃、
ドアの外にまたもや石川さんの姿が見える。。
こっちを見てもじもじ立っている。
お勘定を忘れたのを思い出して戻ってきたのかな。と、
「あ、食い逃げ梨華ちゃんれす!」と言って辻ちゃんが走り出し、
「ビーナス姉さん、食い逃げだちかんぞよっ!!」
と言って愛ちゃんまで走り出して店を出て行ってしまった。
外では石川さんが辻ちゃんに追われながら必死に横断歩道を渡っていた。
「おい、おまえら、待て!」
と止めようとしたが時は既に遅く、オレは店員に腕をつかまれていた。
「お友達、ですね?」
「…はい、そうです」
「えー、並二つ、大盛り二つ、牛鮭定食一つ、卵二つ、
 お会計2030円になりまーす」
「…あ、はい、じゃ、これで」
「2030円ちょうど頂きます。ありがとうございました〜またお越し下さ〜」

カラカラッ〜
「ちくしょう、、アイツら、つるんでンのかぁ!」
オレは辺りを走り回って探したが三人の姿はどこにも見えなかった。
・・学校に帰ったのかなぁ。。
学校に帰り音楽室に向かったが音楽室はまだ鍵がかかっていた。
「どこいったんだよぉ、みんなぁ」
オレは暗くなりはじめた廊下でドアに寄っかかって座った。
加護ちゃんがこのドアの向こうで泡拭いてぶっ倒れてるってのに、
気楽なもんだ。。と、プルルゥと携帯が鳴る。カチャ
「あ、□□くん、梨華です」
「あ、石川さん、今どこ?他の二人は?」
「今、駅前のドトールのそば、のんちゃんがいぢめるの、助けて〜」
「わかった、とりあえずそっち行くから待ってて」プツッ
オレは急いで走って駅前に向かった。
・・あれ?石川さん、オレの携帯、なんで知ってんだ?
ま、いいか。。ハァ、ハァ。
 

256 :サボリン:2003/10/27(月) 19:10
 
…ふう。
ドトールの前に着くが石川さんの姿はどこにも見えない。
「・・・ったく、なんだよ、もう疲れた!」
と、ドトールの中をガラス越しにのぞいてみる、、
おい、三人が楽しく談笑してコーヒー飲んでんじゃねーか!!
「おまえらッ!ふざけんなっ!」とオレは店の中に入っていった。
「プハーッ、やっぱし臭い牛飯の後はドトールに限るのれす」
「□□く〜ん、二人が梨華のこと黒い黒いっていぢめるのよ〜」
「黒いもんは黒いんですからしょうがないっすよねぇ、先輩」
「・・・おまいら、、なにやってンだよォ!
 加護ちゃんが倒れてるっつーのに緊張感ねーなッ!
 しかも、これからヤヴァイ取引があるんだろォ!」
「…のんは、のんは、き、キンチョールに耐えあれずに
 普段飲まないカフェモカなんて飲んじゃってるんれす!
 この苦しみが、この苦しみがおにーさんにはわかりれすまい!」
と辻ちゃんが唇をゆがませて顔を近づけてくる。
「うっ、わ、わかんねーよ、いいからさっきの金はらえよ」
「まぁ、おにーさん、コーシーでも飲んで落ち着くんれす
 あ、注文のついでにアイスロイヤーミルクテーとミラノサンドCィ、
 追加おながいするれす!」
「まだ食うのかよっ!…つーか、あとでちゃんと金払えよ」
「金、金、うるさい人れすね、今回のがうまくいけば、
 コーシーなんて胃に穴が開くほど飲めますれすよ
 それよりアイスロイヤーミルクテーとミラノサンドCィ、
 追加おながいするれすよっ!」
「……はいはい、わかりますたよー」とオレは注文に向かう。
 

257 :サボリン:2003/10/27(月) 19:11
 
俺が注文を終えてコーヒーとミルクティーを持って席に戻ると
三人がなにやらもめている。
「ねーねー、□□く〜ん、取引ってどういうこと〜」と石川さんがきいてきた。
「え、それは…」
「ったく、おにーさんのせいで梨華ちゃんにまで
 知られてしまったのれす、どーしてくれるんれすか!?」
・・・マズイ、さっき、うっかり口をすべらしちゃったなぁ。。
「…いや、なんでもないって、
 えっと、そう、辻ちゃんとさ市場の見学にでも行こうかなって話だよ」
「え、そうなの?シャブって市場で取引されてるんだ〜」
「うん、そうなんだ、最近は規制も緩くなってきてね〜
 って辻ちゃん!!オメーが全部話してんじゃねーかよっ!!」
「のんは詰問に弱いんれす…」
「アイスロイヤルミルクティーとご一緒に
 ミラノサンドCをご注文のお客様〜お待たせしました〜」
「あ、でけたみたいれす」と言って辻ちゃんはすばやく席を離れる。
「ね〜、梨華も一緒に連れてってよ〜」
「石川さーん…、どこまで聞いたのか知らないけど危険だって!」
「梨華だけのけものなんて、つまんな〜い」
「あ、それより、矢口セン…真理男はどうした?」
「真理男くんならちゃんと中澤先生の家に届けたわよ」
「…そう、良かった」

すぐに辻ちゃんが食いながら戻ってきた。
「ひょふかないからひかちゃんもひっちょにつれれりくのれす」
「だーっ! 食うかしゃべるか、どっちかにしる!
 ただでさえ舌足らずなのにわけわかんねーだろ!」
と言うと、辻ちゃんはおとなしくなって黙ってガツガツ食い始めた。
「ね〜、のんちゃんもああ言ってることだし、梨華も連れてってよ〜」
「…つーか、オレに言われても、、」と愛ちゃんに目線をずらす。
「あっしはどっちでもええんですけど、
 ビーナス姉さんが騒ぎ出してオオゴトになっても困りますよねぇ…」
「うにゅう…」




1 石川さんも一緒に連れて行く
2 危険な目に遭わすことはできない。説得して帰らせる。
 

258 :名無し娘。:2003/10/27(月) 19:13
1でさらに混乱させよう

259 :名無し娘。:2003/10/28(火) 10:19
1だな

260 :名無し娘。:2003/10/28(火) 22:57
1

261 :名無し娘。:2003/10/29(水) 21:22
1だろ

262 :名無し娘。:2003/10/30(木) 18:20
1だな

263 :名無し娘。:2003/10/31(金) 00:34
2?

264 :名無し娘。:2003/11/06(木) 18:45
1で

265 :サボリン:2003/11/06(木) 23:35
 
ここで騒がれても困るな。
「しょうがない、石川さんも連れて行くか」
「やったー」

その後、2、3時間ドトールでくっちゃべってから学校に向かった。
着いてみると、もう午後9時過ぎで学校は真っ暗だった。
裏口から校舎に入って音楽室に向かうと、突然ライトを照らされ
「君たち〜、何やってるんだ〜、こんな時間にィ!」
と警備員に見つかってしまった。すかさず辻ちゃんが
「てりゃぁ!」
と警備員に跳び蹴りを食らわせたのでその場は何とかやり過ごせた。


ほどなく音楽室に着き、ドアを開けたがそこには加護ちゃんの姿が見えない。

「加護ちゃん?どこいったの?」
4人は音楽室に入って恐る恐る辺りを探した。

すると、
「キャァア!」
愛ちゃんの叫び声。
「オラオラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラ!!」バスッバスッ!
と、加護ちゃんが愛ちゃんの背後から頭を抱えて手刀を浴びせていた。
「あいぼん、まだ戻ってないんれすか!?」
「なに言うてんのや、のの!うちはこの通り全快やで〜
 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」バスッバスッ!
「や、やめれぇ」と頭を抱えてしゃがみ込む愛ちゃん。
「なんかさっきとあんまりかわんねーようにみえるのれす」
「なに言うてんのや!うちのこの見事な手刀が見えんのかァ!
 ほれェ、オラオラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラァ!!」
「あぁ〜、わかったからやめるのれす!!
 愛ちゃんがリアルに逝っちゃうのれす!!」
と辻ちゃんが加護ちゃんの手をつかんだ。
 

266 :サボリン:2003/11/06(木) 23:36
 
「わかりますた、戻ってきたか確かめるために
 のんと一緒にいつものうしろゆびさされ組ごっこをやるのれす」
「ええで〜望むところや!」
と言って加護ちゃんと辻ちゃんが並んで立ち上がる。
「ほな、振り付きでいこか
 ラァ〜ラ、ラブミ〜 うっしィろゆぅびィ〜
 って、のの! うちはデブやからうしろ指は無理やってあれほど!!」
と加護ちゃんが辻ちゃんの襟首をつかむ。
「うぅ、よかったれす、戻ってきたみたいれすね」
「あたりまえや、さっさと準備せー、時間もせまっとるで〜」
「あい!」
「って、のの! なんやこの黒んぼはァ!」
「あ、おにーさんがペラペラしゃべってばれちゃったんで
 しょーがねーからつれてきたのれす」
「なんやてー、兄さん、偉いことしくさってくれたなァ」
「違うって、辻ちゃんがほとんどしゃべっちゃったんだよ!」
「えへ、あいぼん、梨華も一緒に連れてってね」
「…黒さを利用して闇に紛れるとはなかなかやるやないか
 仕方あらへん、一緒に来ィ、人身御供に使ってやるわ!
 そんかわり分け前は兄さんの分から引かせてもらうでェ」
「やったー、梨華、嬉しみ〜」
「ほな、行くで〜」
と加護ちゃんの号令で4人は音楽室を出た。
 

267 :サボリン:2003/11/06(木) 23:36
 
 
 
学校を出て駅に向かい、地下鉄を乗り継いで30分、
どうやら目的のビルについたらしい。
ビルの前にメガネをかけた細身の女が立っていた。
「ジャストですね、どうぞこちらに」
女に案内されてエレベーターに乗り、地下2階にたどり着いた。
と、女がなにやら操作をし、エレベーターはさらに下に向かって動き始めた。
しばらくしてエレベーターが止まり、ドアが開くと、
そこは地下とは思えないほど明るい、白い廊下が続いていた。
「どうぞ、こちらです」
と案内された部屋に入るとそこも真っ白な部屋で薄気味悪かった。
メガネの女は部屋のすみで立ったまま黙っている。
「ははっ、座り心地のええソファーや」
と言って加護ちゃんがソファに座って
「黒んぼ、オマエも突っ立ってると黒さが目立つから座れや」
「なによ〜、黒んぼ黒んぼ言わないでよ〜」
と言って石川さんも座ったのでオレと辻ちゃんもソファに座った。

と、ドアが開いて金髪のケバイ女とメッシュの短髪の女が現れた。
「村さん、ご苦労」と金髪。
「はっ」
「よォ!ハゲ、久しぶりだなァ」と金髪。
「おう、斉藤ゥ、変わりないかァ」
「まあな、ってハゲ、オマエなにぞろぞろ連れて来てんだよ」
「はは、悪いな、うちも食われちゃかなわんきに
 さすがのアンタも4人も食ったりせーへんやろ」
「ふっ、ま、ほざいてろ、で、ブツは?」
「これれす」と言って辻ちゃんが持っていたアタッシュケースを差し出す。
「ほう」と言って金髪がケースを開き、中身を確かめる。
「村さん、頼むわ」と言って袋を一つメガネに渡す。
「はっ」と言ってメガネが部屋を出て行く。
 

268 :サボリン:2003/11/06(木) 23:37
 
「ハゲ、随分と鼻息が荒ェじゃねーか
 あんまり気張ると禿げるぞハゲ!」
と金髪が対面のソファに座ってタバコをふかし始める。
「はは、斉藤ゥ、アンタもシャブシャブほどほどにせーへんと
 気ィつけーな、歯茎の色が悪いで〜」
「ふっ、余計なお世話じゃあ」プカーッ
なんて談笑をしてると、ドアを開けてメガネが入ってきた。
「村さん、どうだった?」
「かなりの上物です」
「…そうか、で、ハゲ、いくらいるんじゃ?」
「7キロはあるはずや…6000でどうや?」
「…ハゲ、オマエなぁ、今時シャブなんて流行らねェんだよ
 おまけに北からヨボ共がルール無視して自殺覚悟で特攻してきよる
 まぁ、3000がいいところじゃ」
「っ、ふざけンなぁ! 末端4億はいっとるハズやぁ
 買いたたくのもええ加減にせェ!」
「こんアフォがぁ! 悔しかったら
 どっか余所のシマ行って隠れてチビチビ足で売ってこんかい、ハゲ!」
「…うぅ、せやかてコイツはチョンの持ってくるカスとはちゃうで!
 5000や、斉藤ゥ!それ以上はまけられへん!!」
「…ハゲ、それ以上ゴネると頭剃って
 丸紅の加藤と一緒に東京湾沈めっぞゴルァ!
 3000っつったら3000じゃあ!」

なんて二人が言い合っていると
「なにをもめていらっしゃるの?」
と聞き覚えのある声が奥からする。
 

269 :サボリン:2003/11/06(木) 23:38
 
「はっ」と急に金髪の目つきが変わる。
と、奥の扉が開き、
「アッチ熱ッ パティ死ね 摂氏あぼ〜ん!
 プチプチ 狂わす俺 We!ジュテーム!
 あ、ビラビラこーまん垂れブッ!」
と言いながら見覚えのある女の子が車椅子にひかれてやってきた。
「あ…亜弥様!」
「ま、まつうらさん!!」
「あら、○○くん、ご機嫌よう」
「亜弥様、お知り合いで?」と金髪。
「ええ、まぁ、で、なにをもめてるの?」
「すんません、チンピラが丸紅よろしくゴネてるんでさ
 これから加藤と一緒に東京湾沈めてきますんで
 亜弥様にご足労頂かなくとも…」
「…面白いじゃないですか、加護さんとおっしゃいましたね
 おいくらご所望ですか?」
「ご、五千万や!」
「亜弥様、こんなチンピラお相手なさらずとも…」
「斉藤さん、こちらの方は、たんの手の者ですよ」
「えっ、たんとおっしゃいますと、あの、み、帝の!?」
「帝!?」とメッシュの短髪が目を丸くする。
「み、帝が?」とメガネ。
「…たんはもはや帝ではありません、私たちの敵です!」
「す、すみません、み…藤本が生きていたとは…」
「まあ、その話は後でしましょう
 加護さん、では5000万差し上げましょう」
「ほんまか?」
「ただ、よろしかったら
 私たちの仲間と腕相撲で勝負をしませんか?」
「な、なんやて?」
「そちらの4人とこちらの4人で勝ち抜き戦です
 買ったら7000万差し上げましょう、負けたら3000万で我慢してもらいます」
「うぅ」
「亜弥様、お戯れを…」
「面白いじゃないですか、ねぇ、みうな」
「はい、さすがは亜弥様」と車椅子を押していた女の子が答える。
「どうしますか、加護さん?」
「せやな〜、どうしよか…うぅ〜ん、
 …兄さん、どうしよか?」
「オレにきかれてもなぁ……」




1 女相手だろ、俺一人でも勝ち抜けるさ、勝負しる!!
2 5000万くれるんだからそれでいいじゃん、勝負しないで早く帰ろう!
 

270 :サボリン:2003/11/06(木) 23:47
↑を書いてる間に問題解決。
丸紅の加藤様ご迷惑をおかけしました。
東京湾に沈まなくてもいいです。
丸紅は神です。2万PCゲッツです。

271 :名無し娘。:2003/11/07(金) 02:46
本当に買えるのかねぇ2で

272 :名無し娘。:2003/11/07(金) 02:53
>>270
  お  ま  え  だ  っ  た  の  か

2で

273 :名無し娘。:2003/11/07(金) 03:03
作者は無職?学生?2で

274 :名無し娘。:2003/11/08(土) 00:56
1だろ

275 :名無し娘。:2003/11/09(日) 02:38
2

276 :サボリン:2003/11/09(日) 10:57
 
「引き際が大切だと思うよ、加護ちゃん」

「…うーん、そやな〜、…無理はあかんな
 …姉さん、5000万で頼むわ」
「そうですか、…残念ですが、賢明な選択でしょう
 人にはそれぞれ器というものがあります
 自分の器を知っているあなたは賢いですね」
「……」
「斉藤さん、用意してあげなさい」
「…はい」と言って金髪が電話をかける。
「シヴァ、5000万で話がついた、用意してくれ
 ああ…なに! …そうか、わかった、じゃ、頼む」ガチャ
「…亜弥様、丸紅の桑原が、動いたそうです」
「そうですか、やはり。。これで万事解決ですね
 加藤さんも命拾いしましたね、良きかな良きかな、
 では、加護さん、失礼〜」
と言うと、みうなという女の子が車椅子の向きを変え、扉から出て行こうとする。
「…あ、ああ、姉さん、おおきに」
「ふふ、斉藤さん、加護さん達を丁重にお送りしなさい」
「は、はい」パタン
「…ふん、ハゲ、亜弥様に気に入られたようだな」
「…斉藤、あの姉さんがアンタの飼い主かいな?」
「高貴なる亜弥様を気安く姉さんなんて呼ぶんじゃねぇ!
 あのお方が動いたら、オマエが地球の裏側逃げようと瞬殺じゃあ!」
「ふん、そーゆーんなら、やんごとなき亜弥様のご命令だ
 さっさと5000万用意して車だせや、斉藤ゥ」
「…チッ、今度会うときは死ぬときだと思えよ、ハゲ」
 

277 :サボリン:2003/11/09(日) 10:57
 
なんて二人がじゃれあってると、
ドアが開いてウサギ顔のかわいい女の子が札束をトレイに乗せて運んできた。
「うひゃあ!金や金や!
 のの、見てみィ!」と言って加護ちゃんが札束を数え出す。
「あいぼん、やったのれす!」と言って辻ちゃんも必死に数えてる。
「ちゃんと数えろや、のの、1枚たりともミスは許さんでぇ!」
「あい!」
「兄さんも黒んぼも手伝え!」
「う、うん」とオレも一緒になって札束を数え出す。と、
「柴ちゃん、…柴ちゃんじゃない?」と石川さんがウサギ顔に話しかける。
「リ、梨華ちゃん! な、なんでこんなところに!?」
「柴ちゃ〜ん! 会いたかったよぉ〜」
と言って石川さんがウサギ顔に抱きつく。
「梨華ちゃん、こんなところでやめてよ」
と柴ちゃんという女の子が顔を赤くする。
「なんじゃ、シヴァ、知り合いか?」と金髪。
「…はい、昔の知り合いで」
「もう、どこいってたのよ〜、心配したんだから!!」
と言いながら石川さんは柴ちゃんの胸に顔をうずめて泣いている。
「シヴァ…どうすればいいか、わかるな?」
「…はい」と言って柴ちゃんは石川さんの肩を持って体を離すと
「梨華ちゃん、僕はもう梨華ちゃんの知ってる僕じゃないんだ
 僕のことは忘れてくれ」と言って
バタン!と素早くドアを開けて出て行ってしまった。
「柴ちゃん!!」
と石川さんが追いかけようとするが、メガネが立ちふさがり
「お友達と一緒にお送りしましょう」と言う。
「柴ちゃん……」
 

278 :サボリン:2003/11/09(日) 10:58
 
しばらくして札束をキッチリと数え終わり、
「おう、黒んぼ、帰るで〜
 なに突っ立ってんだぁ、オマエほんと役立たねェなぁ!」
と加護ちゃんが石川さんのアゴをつかんで舌を出させる。
「うっ、ぇえ〜」
「役に立たねえ黒んぼは舌引っこ抜くで〜ハハハ」
と言って笑う。随分と機嫌がいいようだ。

「では、お送りいたしましょう」とメガネがドアを開く。
「ハゲ、またな」と金髪。
「おう、あの世で会おうや、斉藤ゥ!」
白い廊下を通ってエレベータに乗り、地下2階で下ろされた。
向こうから凄いスピードでキキキィィイ!と
シルバーのベンツがやってきてオレたちの前でピタッと止まった。
「マサオさん、お願いします」とメガネ。
「おう」とさっきのメッシュが運転席で言う。
「マサオさん、パレスホテルまで頼むわ」と加護ちゃん。
「おう」
 

279 :サボリン:2003/11/09(日) 10:58
 
マサオさんに送られて4人はパレスホテルについた。
とりあえず飯にすることにして9階のレストランに向かった。
注文を終えワインが運ばれてくると、
「乾杯の前に皇居に向かって敬礼や!」
と言って加護ちゃんは目つきを変え、手首を伸ばして妖しげな舞を始めた。
窓の外に見える皇居の暗い森をバックに加護ちゃんの舞は美しかった。
「…陛下ァ!」最後に最敬礼を終え、舞が終了したようだ。
「…さ、うちらの門出に…乾杯や!」
「カンパイれす!」辻ちゃんは心なしか目に涙を溜めているようだ。
「か、乾杯…」
「…乾杯」石川さんは少し元気がないようだ。
「ほれ、黒んぼ、どうした?
 今日はうちのおごりやぁ、死ぬほど食えや!」
と言って加護ちゃんは上機嫌にワインを飲んでいた。
「…柴ちゃん、…もう知らない!」
そう言って石川さんはワインを一気飲みしだした。
「おい、石川さん、大丈夫?ペース早いよ」
「プハーッ、こんくらい、たいしたことないよ〜」と顔を近づけてくる。
「石川さん、近いよ、近い!!」
するとさっき単品で注文しまくった料理が運ばれてきて
辻ちゃんが黙々とガツガツ食い始めた。
…せっかくのフランス料理なんだから、もうちょっと味わって食べろよなぁ。
「うりぃぃ!もう一杯!」
「その意気や、黒、ガンガン飲めや!」
と言って加護ちゃんが石川さんにワインをタプタプと注ぐ。
「うりぃぃ!」と言って石川さんはまた一気飲みを始めたが
全部飲み終わらないうちにグラスを置いて、「うゅ」と倒れて眠ってしまった。
「ハハハ、その意気や、黒んぼ!」
そう言ってケタケタ笑う加護ちゃんだったが、
5千万の入ったバックの取っ手だけは常にガッシリと握っていた。。
 

280 :サボリン:2003/11/09(日) 10:58
 
結局、酔いつぶれた石川さんをオレが背負って
フラフラの辻ちゃんと加護ちゃんを連れてなんとか部屋までたどり着いた。
……だいたいオレはなんでこのメンツと
パレスホテル泊まることになってるんだ??
石川さんをベッドに下ろしたが、まだ「うぅ〜」と言って苦しんでる。
「兄さん、ブラジャーはずしてやりぃ」
そう言って加護ちゃんは自分のベッドに潜り込み、
辻ちゃんと一緒にいびきをたてて眠ってしまった。
「うにゅう…」
仕方なく石川さんをいったん起きあがらせて上着のボタンをはずし
背中に手をまわしてフックをはずした。と、
「うぅ…柴ちゃん…」と石川さんに抱きつかれて仰向けに倒されてしまった。
…オレも酔いが回ってきたのか、上に乗った石川さんをどける気力がなくなり
そのまま、石川さんの匂いに包まれて眠りに落ちた。。
 
 

281 :サボリン:2003/11/09(日) 11:00
 




5日目。


ふと、人の気配がして目が覚めた。
起きあがって辺りを見回してみるが誰もいない。気のせいか。
カーテンの向こうが白み始めている。6時頃だろうか。
石川さんが隣ですやすや眠っている。かわいい寝顔だ。
再びベッドに潜りながら、はだけた布団を石川さんにかけてあげる。
石川さんと向き合って目を閉じると、後ろから
「先輩…」という声がする。
ビックリして振り返ると愛ちゃんが寝ていた。
「愛ちゃ…」
「シーッ!!」と指で唇を押さえられた。
愛ちゃんはなぜか、黒のタンクトップに黒の長い手袋をはめていていた。
かわいい・・って、そんなことより、
あれから愛ちゃんのことすっかり忘れていたことに気づいた。。
「先輩、ちょっと待ってて下さいね」 ニコッと笑うと
愛ちゃんは天井につるされた紐をよじ登って宙に浮いて移動し始めた。
巧みに紐を操って加護ちゃんの真上でピタッと止まった。
加護ちゃんは例のバッグを抱きしめたまま、布団をかけずに熟睡していた。
愛ちゃんは加護ちゃんの鼻の周りに白い布を置いてから
ツンツンと腕をつつき、ゆっくりとバッグに絡まった腕をはずし、
そっーとバッグを奪ってこっちに戻ってきた。
「先輩、成功です」と愛ちゃんがささやく。
「あわわ、愛ちゃん、ヤヴァイって、殺されるよ…」
「あっしはもう、加護さんにハブられたりこき使われたりするのは嫌なんです
 先輩、あっしと一緒に逃げましょうよ」
「に、逃げるってどこに?」
「うぅ〜ん」と石川さんがムズってる。
すかさず愛ちゃんが白い布を顔にかぶせるとおとなしくなった。
「どっか海外に二人だけで逃げましょう!
 こんな雲に隠れた小さな日本とオサラバして
 どこか南の島で二人だけで暮らしましょうよ!」
「…愛ちゃん」
「先輩、お願い…」




1 わかった、一緒に逃げよう!
2 恐いよ、それにオレには家族もいるし、今の生活も大切だ、ごめん。
 

282 :名無し娘。:2003/11/09(日) 13:03
色んな期待を込めて1

283 :名無し娘。:2003/11/09(日) 13:21


284 :名無し娘。:2003/11/09(日) 17:21
2

285 :名無し娘。:2003/11/09(日) 17:23

  ま  た   丸   紅   か 

2だ

286 :名無し娘。:2003/11/09(日) 20:23
1だ

287 :名無し娘。:2003/11/09(日) 22:20
1で。

288 :名無し娘。:2003/11/09(日) 23:04
1だな。

289 :名無し娘。:2003/11/10(月) 00:18


290 :名無し娘。:2003/11/10(月) 07:43
1しかありえない

291 :サボリン:2003/11/11(火) 17:56
 
「わかった、一緒に逃げよう!」
「…ありがとう、先輩」
愛ちゃんは目に涙を溜めて見つめてくる。
「…さ、行こうか」

オレと愛ちゃんは忍び足で部屋を出て、出口に向かって急いだ。
ホテルを出てからは手をつないで走って東京駅まで向かった。
ふと、思い出した。
「愛ちゃん、海外に逃げるって言ってもオレ、パスポート持ってないよ」
「大丈夫ですよ、先輩、まずは新潟に向かいましょう」
と愛ちゃんは笑って、自販機で切符を買っている。
「さ、先輩、急いで、もうすぐ出ますよ!」
愛ちゃんに引っ張られて新幹線のホームに向かった。
06時08分発 とき301号、…これがオレたちの愛の逃避列車か。。
愛ちゃんが走って先に列車に乗ったが、
絶滅したトキを思いだし、オレは急に恐くなって歩幅を緩めた。
少しだけ不安そうな顔を見せた愛ちゃんとオレとの間に沈黙が流れ、
発車を知らせるアナウンスだけが静かに響いていた。
「愛ちゃん、…大丈夫かな」
「…心配いらないよ、私がいるもん!
 私が全部守ってあげるよ、…守ってあげる!」
そう言って愛ちゃんは満面の笑みを浮かべた。
オレはにわかに暖かな気持ちになって、
列車に飛び乗って愛ちゃんを抱きしめた。
と、プシューッとドアが閉まってゆっくりと列車が走り出した。
愛ちゃんとオレは抱き合いながら朝焼けを浴びる東京の街を黙って眺めた。
あまり顔を近づけすぎたせいか、二人の息でガラスが曇って風景が乱れた。
目的を失った二人の視線が再びお互いの方向を向き、
瞳の中の自分を確かめるように、何度も何度も、キスを交わした。
 

292 :サボリン:2003/11/11(火) 17:57
 
 
君は覚えているかい?
あの時の僕たちは、
お互いの存在を支えあうようにして座っていたね。
僕が上着を肩にかけてあげると、
君はなにも言わず、穏やかに微笑んでくれたんだ。
でも僕は、僕に寄りかかって眠る君の横顔を見ながら、
とても罪深い考えを抱いていたんだ。
このまま君と二人で、永い眠りにつきたいと。

「は〜るっの〜こもれびの〜なかでぇ〜、ってか!
 よ、熱いね、ご両人!!」
いきなり声をかけられ、ビックリして目を開けた。
通路を挟んだ隣の席に小学生くらいのかわいい女の子が座っていた。
「愛の逃避行ってヤツかぁ、うらやまスィ〜」
顔が幼い割になんて口の利き方なんだ。。
二人はまじまじと女の子を見つめた。
「あ、あの〜、なんか用ですか?」
「なんか用ですか、やて、冷たいなぁ
 ウチは一人旅の流れもんや、旅は道連れ世は情け言うやろ
 これもなんかの縁やから仲良うしよやないか」
小学生で一人旅??話し方といい明らかにアヤシイぞこの子は。。
「…先輩、なんかこの子、中澤先生に似てませんか?」
「…そうだね」
ん?言われてみれば、顔つきといい、話し方といいそっくりだ。
20歳くらい若いのをのぞけば。。
「ゆゆたんにもこんくらいかわいいときがあったんだろうね」
「そうですね」
「…もっとも今はああなっちゃったけど」と言うと、
「な、なんやて〜□□ゥ!!
 ああなっちゃったってどうなっちゃった言うねん?あ?」
といきなり女の子が襟首をつかんできた。
「うぅ…ゆゆたん冗談だよ、許して!
 って、おい、アンタ、…ゆゆたんなのか?」
「ウチの顔を見忘れたんかぁ!
 この若くて美しい中澤裕子先生の顔を見忘れたんかぁ!」
と襟首をさらに絞めて頭を前後に振ってくる。
「ちょ、ちょっと待て!
 若いっつーかそれ、子供だぞ!
 どうしちゃったんだよ、ゆゆたん!」
「ウチの願いを神様がきいてくれたんや!
 □□ゥ、これでウチを年増言うヤツはおらへんで!」
「わかったから落ち着いて! 離してよ!」
やっと女の子は襟首を離してくれた。
 

293 :サボリン:2003/11/11(火) 17:58
 
「ハハハ、どうや□□、若いウチは最高やろ!」
・・・ホントに中澤先生なのか?
顔も話し方もそっくりだが、体格や顔つきが明らかに10歳前後だぞ。。
「ワレ、高橋そそのかして、平日からなにやってんねん?」
「ゆゆたん、ホントにゆゆたんなら…矢口先輩はどうした?」
「ヤグチか?ヤグチだったら…」モゾモソ
「ここにいるぜぇ!」
中澤先生のバッグから矢口先輩が出てきた。
「おっは〜、って○○〜、なにやってんのさこんなとこで!」
「うにゅう…どうやら本物みたいだな」
矢口先輩が人形みたいに小さくなったと思ったら
今度は中澤先生が激若返りか。。なんか最近おかしなことが起こりすぎだぞ。
「○○〜、誰この子? おいらのダーリンに手を出すと承知しないぞ!」
と言って矢口先輩は愛ちゃんの膝に乗って髪の毛を引っ張っていた。
「や、やめれぇ〜」
「ちょっと、やめてあげて矢口先輩!」
と言ってオレは矢口先輩を愛ちゃんから離して膝に乗っけた。すると、
「えへ、○○〜、○○も一緒に温泉行こ〜」と抱きついてきた。
「…ゆゆたん、どういうこと?」
「ウチ、今日起きたらこんな体になってるやんか
 こんなんじゃ学校行けへんからヤグチと温泉でも行こか〜思うてな」
・・相変わらず現実感ないな〜。こんな体になったら普通動揺するだろ。
「そうや!、大人が一人はいた方がええ思ってたところやねん
 今日は特別や、ウチが許すから□□も一緒について来ィ!」
「大人って…」
確かにこのメンツだとオレが一番年上に見えるな。。

と、愛ちゃんが立ち上がり、
「コホン、ちょっと失礼」と言ってトイレの方に歩いていった。
「……あ、ごめん、あの子調子悪いみたいなんだ、見てくるね」
そう言って矢口先輩を預けてオレは慌てて愛ちゃんを追いかけた。
案の定トイレの前で愛ちゃんは待っていた。
「先輩!、なんなんですかあの人達は!!」
「なんなんでしょう。。」
「…とにかく、知ってる人に見られちゃまずいですよ
 一刻も早く日本を離れないと、加護さんたちが追ってきます!
 ルートを変えましょう、次の大宮で降りて東北に行きましょう
 …ロシア経由で、、…お金はあるからなんとかなると思います」
「そんなこと言ったって、もうゆゆたんに思いっきり見られてるわけで
 変に逃げたりしたら余計怪しまれると思うけど…」
「…そうかな、、先輩、どうしましょう」



1 「よし、大宮で降りて乗り換えだ」
2 「ここはおとなしく、ゆゆたんたちと温泉に行こう」
 

294 :名無し娘。:2003/11/11(火) 22:34
1でヒョードルの故郷へ

295 :名無し娘。:2003/11/11(火) 23:16
2で

296 :名無し娘。:2003/11/12(水) 20:52
2

297 :名無し娘。:2003/11/12(水) 20:59
2だ<丶`∀´>

298 :名無し狼。:2003/11/12(水) 22:20


299 :名無し娘。:2003/11/13(木) 11:45
1

300 :名無し娘。:2003/11/13(木) 23:46
1

301 :名無し娘。:2003/11/15(土) 02:07
1de

302 :名無し娘。:2003/11/15(土) 11:15
1だす。

303 :名無し娘。:2003/11/15(土) 11:42
1でニキフォロフの故郷へ

304 :名無し娘。:2003/11/15(土) 19:54
1で。エクソダス〜。

305 :名無し娘。:2003/11/15(土) 20:18
2

306 :サボリン:2003/11/16(日) 10:59
 
「ここはおとなしく、ゆゆたんたちと温泉に行こう」
「…そうですね、わかりました
 それじゃ予定通り、新潟ルートでいきましょう
 温泉で気のゆるんだところで、隙を見て逃げましょう」
「…うん」
とりあえず中澤先生について4人で温泉に行くことになった。


さすがに新幹線は速く、雑談の間もなく1時間ちょっとで越後湯沢についた。
「うひゃひゃ〜、東京とは空気がちげーや!」と中澤先生。
「うほほーい、もう山が紅葉してるねえ!」と先生に抱かれた矢口先輩。
「およ?ありゃなんや?『ぽんしゅ館』やて、ヤグっさん、行きまひょか」
「おす、行きましょや、行きましょや」
と、二人はどんどん先に行ってしまった。
「待ってよ、ゆゆたん!」
「ふふ、しょうがない人たちですね」
…あれ?…愛ちゃんも意外に楽しんでるのかもしれないな。。

中澤先生たちの後を追って「ぽんしゅ館」に入ったが、、
うわっ、ヤバイ、名前の通り日本酒がバリバリ置いてある。
「プヒェャ! ええ酒や!」
試飲コーナーで幼児体の中澤先生が思いっきり日本酒を飲んでいた。
「お! 嬢ちゃん、粋だね!」
「おっさん、もうちっと辛口はないかぁ!」
「そんならコイツはどうや、八海醸造の八海山!」
「ん?どれどれ」ズビビビ
「かーっ、切れ味がええのう!」
「嬢ちゃん、通だね!」
「ちょっと、おじさん! 小学生にお酒飲ませないでよ!」
どんどん飲ませそうな勢いだったので慌てて止めに入った。
「お、兄さんもやるかい?」
「なに言ってんですか! 未成年ですから結構です!」
「残念じゃな、それにしてもこの子はええ利き酒師になりそうじゃ
 どうじゃ、わしのとこに預けてみんか?」
「…結構です! ゆゆたん!行くよ!」
オレは中澤先生の手を引っ張って外に出た。
 

307 :サボリン:2003/11/16(日) 11:00
 
「安心せえ、□□、ウチはこんなんじゃ酔わへんで」
「そーゆー問題じゃなくて、今の自分の姿を冷静に考えろよ!」
「ハハハ、大人は朝から酒飲んどったら怒られるけど
 子供は何やっても怒られへんで〜、ええなぁ子供は」
「…うにゅう」
「さ、□□、行くで〜」
「行くで〜」
「行くってどこに?
 よく考えたら温泉ってこんな早くからやってんのか?」
「黙ってついて来ィ!」
「ついて来ィ」
仕方なく中澤先生について行って温泉街をしばらく歩いた。
と、中澤先生が立ち止まる。どうやら目的地らしい。
「湯沢ホテル」か、、結構いい宿だな。
「ここや、□□、今朝『中澤』で予約したからな、
 ワレが先頭に立って行け!」
と言って中澤先生は矢口先輩をバッグにしまい始めた。
「う、うん」とオレは恐る恐る門をくぐった。

「いらっしゃいませ〜」と女将らしき人が出てきた。
「あ、あの今朝予約した、中澤ですけど…」
「お待ちしておりました、こちらへどうぞ」
「こんな朝早うから、すまんな女将、無理言うて」
「い、いいえ〜、お構いなく、平日ですから。。
 …よくできた妹さんですねぇ、ご兄弟でご旅行ですか?」
と女将が宿帳を差し出す。
「え、ええ、まぁ」
中澤○○、愛、裕子、と書く。矢口先輩は…書かなくていいか。
 

308 :サボリン:2003/11/16(日) 11:00
 
部屋に案内されて
「プハー、やっぱ畳はええのう」と中澤先生が横になってはしゃいだ。
「露天風呂の方の鍵はこちらになります。
 ご自由にお使い下さいませ、では失礼します。」
「おお、またな〜」 女将は部屋を出て行った。
「…ゆゆた〜ん、子供のくせに態度でかすぎ」
「かまへん、かまへん、ウチらはお客様やで!」プシュ「プハーッ!」
幼児体でタバコをふかす中澤先生はなんとも退廃的でエロチックだった。
「おいしょ、おいしょ、うん、なかなかいい部屋だね」
と矢口先輩がバッグから出てきた。
「うぃーす、ヤグチ、お疲れん、
 …あ、高橋、お茶頼むわ」
「あ、おいらも」
「…はい」
愛ちゃんが静かにコボコボお茶を入れていると
窓から落ち葉がひらひら舞って落ちてきた。
「…ええ季節やのう」
誰にともなしに中澤先生がつぶやいた。
 
 

309 :サボリン:2003/11/16(日) 11:01
 
しばらくマターリと紅葉を見ながらお茶を飲んだ。
「愛ちゃん、お茶おいしいよ」
「えへ、ありがとうございます」
「おーい、○○〜、この子とはどういう関係なわけ?」と矢口先輩。
「いや、別に…」
「別にってなに?」
「いや、だから…」
「二人とも、青春やのう、ウチの青春もこれからや!
 ん〜さてッ、風呂行こかァ!」と伸びをする。
「ちょっと裕ちゃん、おいらは今…」
「こんなとこまで来て面倒な話すんなや、風呂行こや」
「…う、うん、そうだね」
「高橋も□□も用意せぇ!」
「オレは後でいいよ」
「なんや、せっかくの貸し切り露天風呂やで、
 みんなで入らな面白うないやん」
「え?貸し切り? し、しかも混浴…?」
「なんや、□□が急に乗り気になったぞ、このスケベ!」
「キャハハ、スケベ、スケベ!」
「…なんだよ、そういうわけじゃないよっ、
 いいよ、オレは行かないから!」
「冗談やて、□□、一緒に来ィ!」
「オレは良くても…愛ちゃんとか、どうなわけ?」
「…あっしは別に、、構いませんけど」と、愛ちゃんが顔を赤くする。
「…ど、どうしようかなぁ」




1 「…じゃ、一緒に行くか」
2 「オレは、下でゲームでもやってるよ」
 

310 :名無し娘。:2003/11/16(日) 19:39
2

311 :名無し娘。:2003/11/16(日) 21:18
ONE!

312 :名無し娘。:2003/11/16(日) 21:23
1しかないだろ

313 :名無し娘。:2003/11/16(日) 21:45
2で

314 :名無し娘。:2003/11/16(日) 22:59
やっぱ1でしょう

315 :名無し娘。:2003/11/17(月) 01:51
1だ<丶`∀´>

316 :名無し娘。:2003/11/17(月) 02:36
1以外にありえないかと・・・

317 :名無し娘。:2003/11/17(月) 03:11
1で

318 :名無しさん:2003/11/17(月) 15:39


319 :サボリン:2003/11/18(火) 16:13
 
「…じゃ、一緒に行くか
 …うむ、湯につかっての語り合いも、た、たまにはよかろう」
…どうせみんなタオルで隠すんだろうしな。。
「ハハハ、よし、ほな準備せえ」
「うん…」 とはいえタオルはないから買うしかないし、
浴衣だけ持ってけばいいか。。
と、愛ちゃんが押入の方でなにやら作業をしている。
「…愛ちゃん?」
「先輩、これ…」
「ああ、…うん」
押入の奥の方に例のバッグを隠したようだ。
「なにやっとるんや、高橋、さっさと行くで〜」
「はい!」

風呂場に着いてみるとこぢんまりとした脱衣所があり
その奥が露天風呂で、木の丸い湯船がある。
周りを高い岩に囲まれて外から見えないようになっている。
うまいつくりだな〜と感心していると、
「ほれぇ〜一番やぁ!」
と幼児体の中澤先生が素っ裸で湯船に入っていった。ビシャーン!
「ゆゆたん、先に体洗えよ
 って違う、少しは隠せ!!」
うっわ〜、毛も生えそろわない…完全に、ょぅι゛ょじゃん。
「ずるい〜、おいらも行くぜ〜」と矢口先輩も素っ裸で走って行って
ピチャン!と湯船に飛び込んだ。
「キャ、ヤグチ! 顔にかかったで!
 仕返しや、ほれ」ピチャピチャ!
「キャハハ! って裕ちゃん、…おいらおぼれそう」
「…しょうがないな、ほれ、こっち来ィ」
お湯の中を泳いでなんとか中澤先生の胸までたどり着いたようだ。
・・中澤先生と矢口先輩、ホントに姉妹みたいだな。
・・・それにしても幼児体の中澤先生はかわいいな。10歳当時で比べたら、
もしかしたら愛ちゃんとか石川さんよりかわいかったのかも。。
 

320 :サボリン:2003/11/18(火) 16:13
 
「ほれ、そこのスケベ、覗いてばっかいないで入ってこんか」
「う、うん」準備しようと脱衣所に戻ると
愛ちゃんがバスタオルを巻いて立っていた。
「……」
愛ちゃんは顔を少し赤らめて微笑んだ。
髪の毛を上に上げてお団子をつくって縛っている。
結わえきれなかった後れ毛がセクシーだ。
うーん、やっぱ女の子はこうじゃなくちゃ。

オレも慌てて着替えて風呂場にに向かった。
体を洗って前を隠しながら湯船に入ろうとすると
「なんや、□□、水くさいのう、
 ウチらが裸のつきあいしよ思うてるんに」
「ゆゆたん、子供になったからってオープンすぎ!
 少しは女の子としての恥じらいを持てよ、愛ちゃんみたいに」
そう言ってオレは湯船につかったが、案外湯船が小さくて、
3人が足を伸ばしてつかるとちょうどくらいの大きさだった。
「高橋もなんや、バスタオルぐるぐる巻きにしおって、
 マナー違反やで!」
「だって、先輩の前だから…」
「ハハハ、青春やのう」
なんてしばらく雑談をしていると矢口先輩がのぼせたようで
中澤先生が仕方なく脱衣所に連れて行った。
「ウチももうあがるわ、二人で変なことすんなよ」
「するか!」
「……」
急に取り残されて、話すこともなく二人で並んで外の景色を見ていた。
 

321 :サボリン:2003/11/18(火) 16:14
 
と、岩の向こうから人の手が見える!!
「キャッ、先輩、なにあれ!?」
と愛ちゃんが抱きついてくる。
「な、なんだ?」
と、岩を登ってくる人影が見える。。
「か、加護ちゃん…」「加護さん…」

「おうおう、お熱いことでェ、
 驕るタカハシ、コンニチハ」
そう言って全身を現した加護ちゃんは右手に日本刀を持っていた。
「か、加護ちゃん、お落ち着けっ、話せば、話せばわかる!」
そういう間に愛ちゃんは湯船から出て身構えている。
「先輩、逃げて!!」
「愛ちゃ…」
「あいやァーーーッ!」
逃げる間もなく、加護ちゃんがジャンプして愛ちゃんを刀で斬りつけてきた。
愛ちゃんは素早く上方にジャンプして刀をかわし、ガッ!
と、加護ちゃんの顔面を蹴って、バク宙して華麗に着地した。
「ふぎゃぁあ!」 加護ちゃんが鼻血をブシューっと出して
顔を真っ赤にして倒れていた。
「…タカハシィ、ええ覚悟や」
「あっしはもう、加護さんの言いなりにはならない!」
「…タカハシィ、…死ねや!」と、加護ちゃんが刀で愛ちゃんを突く。
右、左、右、と繰り返される突きをかわしたが、
加護ちゃんが最後の突きから刀を返して下から切り上げてきたので
寸前でよけ損ない、刃先が胸の谷間を通って髪の毛を散らした。
パラッ、パラパラ、と髪の毛が落ちたと思ったら
バスタオルまでも、真ん中からスッと切れて落ちた。
…あ、愛ちゃん、マッパか?と一瞬目をつぶったが、
開けてみると愛ちゃんは黒のビキニの水着を着ていた。。
 

322 :サボリン:2003/11/18(火) 16:15
 
「…こ、こんなこともあろうかと」と顔を赤くする愛ちゃん。
って、恥ずかしがってる場合じゃねーぞ。
壁際に追いつめられてもう逃げ場がない!
「ハハハ、準備がええのう、
 …こっちも遺体処理の準備はできてるでェ、
 未来の夏目雅子のために臓器提供おながいしますッ!」
「加護さん、夏目雅子ひまわり基金はハゲに苦しむ患者に
 カツラを無償貸与してますよ〜」
「そうかぁ、そりゃ助かるわ、って誰がハゲやねん、必要ないわ!」
と言って加護ちゃんは刀をギュッと握って構える。
「タァーカァーハァースィィイ!
 …ハブられ続けて16年、ワレも人様の役に立つときが来たんや、
 ダニエルが待ってるでェエ…安心して逝って来い!!」
と再び斬りつけようとしたとき、
「なんや!なんの騒ぎや!」と浴衣を着て中澤先生(と矢口先輩)が出てきた。
「…っ、なんやこの糞ガキャァ、邪魔するとワレも殺るぞゴルァ!」
「な、なんやて、加護! 教師に向かってなんて口の利き方だ!」
「はぁ?キサン誰やねん、スッ込んでろタコがァ!」
「加護ォ! ウチの顔を見忘れたんかぁ!」
「…だから誰やねん?」
「加護ちゃん、あれ、中澤先生なんだよ…」
「ほう、年増が大手術でもやったんかぁ、
 現代医療も進んだものやのう、ってふざけんなやワレ!」
「な、なんやて! 加護、年増言うたら許さんで!」
と中澤先生が加護ちゃんに近づく。
と、加護ちゃんはスパッっと刀を振り回し、
中澤先生の横の竹の物干し竿を真っ二つに切った。
「ガキはスッ込んでろ言うてんのがわからんかァ」
「…はい、わかりますた。。」
さすがの中澤先生も事態を理解したらしい。
 

323 :サボリン:2003/11/18(火) 16:15
 
と、加護ちゃんに一瞬の隙が出来たので、オレは近づいて刀を取ろうとした。
が、ドサッと後ろから誰かに押さえられ、腕を後ろにまわされてしまった。
「おにーさん、余計なことはしない方がいいんれす」
「うぅ、辻ちゃん…」
「先輩、大丈夫ですか!?
 …加護さん、あっしを殺したら5000万は出てきませんよ、
 隠しましたから!」
「ほう、…そんなら体に聞くまでや」
と、追いつめられた愛ちゃんの喉元に刀の先端を当てる。
「やめろ! やめてくれ! 加護ちゃん!
 オレが場所を知ってる、今から持ってくるからやめてくれ!
 全部返すから、頼む!このとおりだ!」
とオレは必死になって頭を下げた。
「……ふっ、
 …実はうちも遺体処理はもうこりごりやねん、
 ちゃんと返すんなら、兄さんに免じて指一本で許したる」
「わかった、今持ってくるから、待ってて!」
辻ちゃんが放してくれたのでオレは急いで部屋に向かって
押入の奥にしまってあったバッグを持って風呂場に戻ってきた。
だが、待っていた辻ちゃんに渡そうと歩み寄ったその時、ステーン!
足を誰かに引っかけられてすっ転んでしまった。
バッグは手を離れて湯船の先の方に転がった。

324 :サボリン:2003/11/18(火) 16:16
 
「もらったァ!」
と、駆け寄ってバッグを拾ったのは幼児体の中澤先生。。
「加護ォ 高校生にこんな大金は必要あらへん、
 大きゅうなるまでウチが預かってやるさかいな!」
といいながら中澤先生はバッグと矢口先輩を背負って素早く岩を登り始めた。
「若さと金を手に入れたウチはまさに完璧やで!ほな!」
あっという間に中澤先生は岩の向こうに行って視界から消えてしまった。
「……のの、追え」
「…あ、あい!」と辻ちゃんが走り出す。
ブンブンブオーンというバイクの音の後に
「待て〜」という辻ちゃんの声が響く。
加護ちゃんはまだ愛ちゃんの喉元に刀を突きつけていたが、
「…タカハシ、この続きはまた後でな…」スススーッ
とゆっくりと刃先を胸元にずらし、トップの紐をブチッと切った。
「キャッ!」と慌てて胸元を隠す愛ちゃん。
「…後でゆっくり、殺したる!」ブン!
今度は愛ちゃんの頭上をスパァッと斬りつけて、
スタタタっと加護ちゃんも去っていった。
と、ボトッっとお団子が落ちて黒く広がった。



二人は血痕のように広がった髪の毛をしばらく呆然と見ていたが
ふと、愛ちゃんが目に涙を溜めて抱きついてきた。
「ごめんなさい、先輩、ごめんなさい」
「ううん、何いってんの、無事で良かった、ホント良かったよ」
オレは力いっぱい愛ちゃんを抱きしめた。
 

325 :サボリン:2003/11/18(火) 16:17
 
 
しばらくしてやっと愛ちゃんが落ち着いたので
とりあえず部屋に戻ることにして脱衣所で荷物を片づけていたが、
ふと、なにやらキラッと光るものを見つけた。
ブルーの石がつるされたネックレスだ。中澤先生の荷物のようだが。。
ん?どこかで見たような…
あ、矢口先輩が小さくなったときに見つけたヤツと同じだ。。
・・今度は石に「Y」と刻まれている。
オレは、なんとなく気になって持ち帰ることにした。


部屋に着くと、愛ちゃんが洗面所で髪を切り始めた。
「大丈夫? 自分でやっちゃって…」とのぞいてみる。
「大丈夫ですよ、いつもやってますから」
…意外に立ち直りが早いな。ま、元気になって良かった。
「あ、でも先輩、短くなったんで後ろが難しいです、
 先輩やってください」とハサミを渡された。
「やるってどうやって?」
と、愛ちゃんの後ろに立って鏡越しにたずねる。
「ハサミは斜めに入れて、サクサクとラフにやっちゃってください」
「ラフにね…」 オレは愛ちゃんのうなじに触れて髪をつまんだ。
「あぁ! あんまりいっぺんに切らないでくださいよ!
 少しずつ切って…たまにこれで見せてください」と手鏡を渡された。
「…わかりますた」
愛ちゃんの指示を受けながら、なんとか切り終わり
ちょっと変わったマッシュボブに仕上がった。
「どうですか?先輩?」と愛ちゃんが鏡越しにきいてくる。
「うん、似合ってるよ、かわいい」
とオレは思わず後ろから愛ちゃんを抱きしめた。
愛ちゃんは目を閉じて嬉しそうにオレの腕に頭をのせる。
オレは静かに愛ちゃんの頬にキスをした。と、パシッ!

326 :サボリン:2003/11/18(火) 16:17
「さ、先輩、新潟に向かいましょう!」と、いきなり腕を放された。
「な、なに言ってんの? もうお金もないし無理じゃん」
「お金なら、…ここにありますよ」
「ん?」
愛ちゃんは押入から枕を出してきてカバーを開いて札束を見せた。
「あ、愛ちゃん…」
「ま、こんなこともあろうかと…」
「だ、だましたの?」
「先輩って性格いいからホントのこと教えたら
 すぐしゃべっちゃうでしょ、ふふ」と笑った。
「…うにゅう」…愛ちゃん、すごい。
・・・今頃どっかで加護ちゃんと中澤先生が
生死を賭けた無駄な追いかけっこをしてると思うと恐くなるが。。


愛ちゃんに引っ張られて、早々に会計をすませホテルを出た。
「…先輩、おなか空きませんか?」と愛ちゃんが歩きながら言う。
「う〜ん、そうだね、もうすぐお昼か」
駅前のガイドブックで少し調べて、
「保よし」というお店に行くことになった…

「はぁ〜、うまか〜、あっしは幸せもんです!」
と舞茸の天ぷらを美味しそうに食べる愛ちゃん。
見てるだけでこっちも幸せな気分になってくる。
「加護さんとか、今頃どうしてますかね〜
 今度見つかったら確実に半殺しですね、ふふ」
「…愛ちゃん、恐いことを笑って言うなよ」
「すんません、でも生きてるうちに美味しいもん
 食べとかなきゃって、ふと思ったんですよ」
「まー、確かにね」
「先輩もどんどん食べてください、美味しいですよ」
「う、うん、うまいよ」モグモグ
 

327 :サボリン:2003/11/18(火) 16:18
「絵里のお弁当とどっちがおいしい?」
「え?そりゃ絵里ちゃんの方がおいしいよ」
「えへ、よかった」
「って、絵里ちゃん!…なんでこんなとこにいんだよォ!」
テーブルの脇に絵里ちゃんがちょこんと座っていた。
「迎えに来たんだもん」
「…っ、どうしてここっ…どうやってきたの?」
「飛んできた」
「……」
「昨日迎えに行ったら途中で電波が消えて見失って
 朝になってまた見つけたら高速移動しだしたから急いで来た」
・・・昨日の夜からオレを探してたのか。。
「…絵里ちゃん、オレはね、今忙しいんだから、帰りなさい!」
「○○も帰ろ、里沙ちゃんがキトクだよ」
「な、なに!? …キトクって死にそうってこと?」
「そう、さっき紺野さんが言ってた、40度の熱だって」
「ホントかよ!…うそだろ?」
「妹の死に際に会えないなんて不憫だから早く連れてこいって
 紺野さんが言ってた」
・・・ホントなのか。。昨日見たときは、
…精神的にはともかく肉体的には問題なかったはずだが。
「……先輩」と愛ちゃんが不安そうな目で見つめてくる。
「早く、早く帰ろ」と絵里ちゃんが腕を引っ張る。
・・・里沙が危篤…ホントなのか?
でも、ここで帰ったら加護ちゃんに見つかってしまうかもしれない。。




1 愛ちゃんを裏切れない、あくまで海外逃亡!
2 里沙が心配だ、愛ちゃんには悪いが引き返す!
 

328 :名無し娘。:2003/11/18(火) 16:47
加護恐いから

嘘は嘘として1で

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0ch BBS 2006-02-27