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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜

1 :ゼロ ◆5eqMCHlE :2003/08/04 22:42:31
このスレは、2003年のシャッフルユニット+αでのバトロワ風サバイバルゲーム小説のスレです。
残酷なシーンとか出てきますので、そういうの嫌いな方は見ないほうがいいです。
それでもいいという方がいれば──
少しの間、私の拙い小説にお付き合いください。


147 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/09(日) 23:51
AIR TEAM'S PHASE──

石川達が集会所で中澤達と話している時に、高橋と稲葉は漁業組合で夕食の支度をしていた。
倉庫には調理場がなかったためである。
夕食といっても、魚とご飯だけであるが。高橋は稲葉に教わりながらアジと悪戦苦闘していた。
普段、包丁を握ったこともない高橋にとっては冷や冷やの連続だった。
ふと、調理場の窓がノックされる。高橋が窓の外を見ると、2人の人物が並んで夕暮れをバックに懐中電灯で下から光を当てていた。
「ひゃあ〜」高橋は情けない声をあげた。手放した包丁が流し台のシンクにぶつかる。
今度は、2人とも光を正面から当てる。「愛ちゃん、やっほー。」
「加護さん、まこっちゃん。びっくりしたー。」
「ん? SALT? なんでこんなところに…」横にいた稲葉も驚いたようだ。

料理の残りの工程は稲葉がやってくれるということで、稲葉の許可を得て、
高橋は加護と小川を連れて港の桟橋の方に移動した。桟橋には街頭がついており明るい。

148 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/09(日) 23:52
「夕暮れ綺麗だねー。」加護が目をきらきらさせながら感傷に浸る。
「東京じゃ見られないよねー。」小川も感動しているようだ。
「でも、本当にびっくりしたよ。2人がいきなりくるから。でもよかった。2人に会いたいと思っていたんだ。」
高橋は丘の出来事を思い出していた。といっても階段の下にいた高橋が覚えているのは銃声が鳴り響いていたことぐらいだが。
「うん。前田さんと亜弥ちゃんが仲直りしようって。加護たちの力を貸してくれって。」
「でもみんなFOODの方へ行っちゃって今は高橋と稲葉さんと大谷さんしかいないんだ。」
「ま、しょうがないよ。予告してなかったんだし。」小川が慰める。
「とりあえずきっかけが出来てよかったよかった。」加護が満足そうに頷く。

その時、ジャッポーンと何か飛び込む音が聞こえてきた。
「何? 何の音?」「何かが落ちたよね?」
そのうち、どこかで聞いたことのある電子音が聞こえてきた。

ぴ ぴ ぴ

高橋は懐中電灯を取り出し、音がどこから聞こえてくるか探す。懐中電灯の輪はやがて1人の人物の照らした。

「大谷さん!!」

                   *            *

149 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/12(水) 23:23
「あなたは安倍さんを殺したひとごろし。」
その声は大谷自身の声かもしれないし、違う気もする。脳の中で響いているのかもしれないし、外から聞こえる気もする。
──でも、あれはしょうがなかった。怖かった撃たれるんじゃないかって
「理由なんて関係ない。あるのはあなたがひとごろしだという事実だけ。」
──…………………
「もし、みんなで無事に戻れたとしても、ひとごろしのあなたを他のメロンのメンバーはどう思うかしら?
 そして、安倍さんを殺したあなたのことをモー娘。のメンバーはどう思うかしら?」
──そ、それは…
「表面的には『しょうがない』という態度に出るのでしょう。しかし心の中ではどう思うかしら?
 立場を変えて見ましょうか。例えば、村田さんが誰かに殺されたとします。でも、何とか無事に元の暮らしに戻れたとします。
 あなたはその人のこと、表面上は普通に接することができても、内面では憎しみなく思えますか?」
──それは、無理……
「それが普通の人の反応です。また、あなたが生き残ってもモー娘。のメンバーはそう思うことでしょう。」
──どうすれば?
「あなたは立派な社会人です。自分のしてしまったことに対する責任を取る必要があります。」
──……責任を取る……
「もし、禁止エリアの海に入れば、首輪が爆発します。それは、おそらく痛みを感じる暇もないでしょう。」
──…………………

150 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/12(水) 23:24
大谷はすっと立ち上がり、倉庫の扉に向って歩き出す。倉庫の扉を開けると綺麗な夕日が見える。
大谷はその夕日に向けて一歩ずつ歩いていき、やがて波止場に辿りつく。
目の前には、夕日を反射して赤くなっている海が見える。
──天国? ヒトゴロシなのに天国にいけるの?
大谷はためらうことなく、海に飛び込んだ。着衣のままだが、なんの支障もない。
大谷はそのまま沖の方へ泳いでいく。

ぴ ぴ ぴ

どこからか音が聞こえる。
──天国の人たちが歓迎して曲でも流しているの?

ぴ ぴ ぴ

やがて、大谷の顔に光が当てられる。「大谷さん!!」女の子の声が聞こえる。
──ああ、もうここは天国なんだ。…もう悩まなくてすむんだ。

「どうして…」「どこに…んで…か?」「早く…くだ…い!」
2、3人の女の子が大谷に向って何か叫んでいるようだ。

ぴぴぴぴぴぴぴぴぴ
──みんな、ありがとう。歓迎してくれるんだね。…まずは、安倍さんに謝らな…

パーン

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151 : :2003/11/14(金) 02:03
死んじゃった・・・

152 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/15(土) 22:56
SALT TEAM'S PHASE──

「何か外から声が聞こえない?」

外の異変に先に気付いたのは、前田ではなくて稲葉だった。
前田が耳を澄ますとたしかに港のほうから誰かの叫び声が聞こえる。

「なんだろう? とりあえず行って見よう。」

前田は稲葉を連れ立って漁業組合の建物を出た。
最初、港に出た誰かが間違って海に落ちてしまい、他の人がそれを助けようとしているのかと思ったが…。
叫び声をよく聞くと、「大谷さ〜ん。」と言っているようだ。

(大谷さんが? 倉庫にいるって話じゃ?)
前田と大谷はスピードを上げる。やがて桟橋が見えるところまで来た。

桟橋には、加護、高橋、小川がいた。加護と小川はお互い体を寄せ合い泣いており、
高橋は四つんばいになり海をじっとみつめている。

153 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/15(土) 22:58
「どうしたの?」前田が声をかける。
泣き顔の顔を充血させた加護が顔を上げる。「前田さん…、大谷さんが、ううう。」
「どういうこと?」後ろから来た稲葉が高橋に聞く。
高橋は黙って自分の懐中電灯をONにし、海を照らす。光の輪は海に浮かぶ何かを照らした。

最初見たとき、前田はそれが何かわからなかった。白いものが何か浮いているとだけはわかった。
目を凝らし、その白いものが人型をしており、周りの海水が赤くなっており、それが血だと理解した瞬間──

「大谷さん?」前田は全てを理解した。高橋は黙って頷く。
「小康状態だったはずなのに。なんで…。」稲葉は驚愕を隠し切れないようだ。
「高橋たちが気付いたときは、もう大谷さんは海の中でした。」

高橋のその言葉を最後に、その場に聞こえる音は、加護と小川の泣き声と波の音だけになった。
そんななか、前田は港の建物の陰から松浦がそっとこっちの様子を伺っているのを発見した。
松浦は……どうやら……うっすらと笑っているように前田には見えた。

大谷雅恵:死亡 【AIR 6人→5人】

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154 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/17(月) 22:40
FOOD TEAM'S PHASE──

中澤と保田がAIRと共に去ってから30分後に、田中は集会所に戻ってきた。
ところが、肩から見慣れないカバンを提げている。
田中がカバンをあけると中からノート型PCと金属製の厚さ5ミリくらいのカードが出てきた。
亀井はカードを取り上げて「これな…」とまで言ったところで、
田中が口の前に人差し指を添えているのを見てあわてて口を押さえる。

「あー、おなかすいた。カレーってまだありますか?」と言いつつ洗面所の方に向う。
洗面所に入り、後藤に向けて手招きをする。
後藤は何のことかわからず人差し指を自分のほうに向けて首をかしげる。田中が頷くと、後藤は洗面所の方へ近づいていく。
そこで田中は2枚、Gパンの前ポケットからプリントを取り出し、1枚目を後藤に渡した。
そこにはどこかのプリンターから出力されたらしく、ゴシック体の文字でこう書かれていた。

155 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/17(月) 22:43
「突然のこのようなメッセージに驚かれたと思いますが、まず言いたい事は、私達は貴方達の味方だと言うことです。
 そして注意して欲しいことは、あなた方の会話は全て盗聴されているということです。
 この島にはいろんなところに隠しカメラが仕掛けられており、行動も監視されています。
 もちろん、トランシーバーによる会話も傍受されています。
 ノート型PCだけではなにもできませんが、このカードがあることによってインターネットもできるようになります。
 本来は、隠しアイテムはノート型PCだけの予定でした。このカードは私独自に用意したものです。
 ですから、主催者にバレると妨害される恐れがあるのでこのカードのことは口に出したり、
 不用意に晒したりしないようにしてください。そしてこのセットはPCに詳しい人に渡すようにしてください。」

頭の中が真っ白になった後藤に田中は2枚目のプリントを渡した。それは一見、後藤達が支給された地図のようだが、
よく見てみると、隠しカメラの位置が書いてある。

(ちょ、ちょおっと待って、これってどういうこと? 信じちゃっていいのかなあ? っていうかこの人誰?
 まあ、とりあえず、裕ちゃんか圭ちゃんに聞いたみたほうがよさそうだ。)
迷う後藤の方を田中がつつく。見ると、田中はゲームのルールを書いた紙の裏にボールペンで文字を書き、
それを後藤に見せた。
『ということなんで重要な問題は筆談がいいと思います。』後藤は頷く。

156 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/17(月) 22:43
「後藤さん、パソコンに詳しいのって誰ですか?」
(そうか、PCがあるっていうのはスタッフも知っているから普通に喋っていいんだ。)
「やっぱり圭ちゃんじゃないかなあ。」
「保田さんはどこにいるんですか?」
「今、AIRの3人と倉庫に向っているはずなんだけど…。ちょっと呼び出してみよう。」
「こちら、後藤です。聞こえてますか、どうぞ」
「………。」
「こちら、後藤です。裕ちゃんか圭ちゃん、聞こえてますか?」
「─wwヘ√レv…こちら、保田だけど…v〜…後藤、どうしたの?…─wwヘ√レvv〜─」
「田中が戻ってきて、ノート型パソコン持ってきたんで、圭ちゃんに見てもらいたいなあと思って。」
「─wwヘ√レv…ちょっとね、こっち立て込んじゃってすぐに戻れそうもなさそうなんだ。
 後藤もパソコンの立ち上げ方ぐらいはわかるでしょ。…─wwヘ√レvv〜─」
(こういうのは圭ちゃんじゃないとダメなんだけど、盗聴されているらしいから、そこまでは言えないなあ。)
「そう。わかった。とりあえず中身を見てみるよ。でも、早いところ戻ってきてね。」
「─wwヘ√レv…わかった。じゃあね。…─wwヘ√レvv〜─」
(取り込んでいるって何があったんだろう?)

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157 : :2003/11/18(火) 13:36
面白くなって参りました

158 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/20(木) 22:46
AIR TEAM'S PHASE──

「もしもし、こちら……。ちょっと報告が。どうやら明日の集まりに裕ちゃんが仲介として来るみたい。
 で、作戦を変更と思って連絡を。……うん。…………………………じゃあ、時間は変わらずに。
 こっちは2人にすればいいわけね。わかった。それじゃ明日。」


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159 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/23(日) 00:01
WATER TEAM'S PHASE──

「ふわぁ〜」
昇降口で教室から持ってきた椅子に座り、見張りをしていたあさみ(カントリー娘。)は今日12回目のあくびをした。
時計を見てみる。午前4:30。
見張りを始めてちょうど半分である。ちなみに彼女の当番は3時〜6時までだ。

彼女は昨日の夜のことを、思い出していた。
飯田主催の「どうやったらこのゲームから抜け出せるか?」という会議は食事終了後も、
矢口、斉藤、藤本を交えて夜遅くまで話し合っていたようだ。
ようだというのは、あさみが夜中の見張り番になり早めに就寝したからであった。
2:50頃の起床を予定にしていたのだが、12:00の放送で一度目が覚めてしまった。
今回の放送は、石橋ではなくて中居だった。
「ど〜も〜、中居正広です。えー、今回ゲームーオーバーになってしまったのは、
 AIRチーム、大谷雅恵、1人。ということで頑張ってくださーい。」
と、死亡者がたった1人にもかかわらずに怒ったりせず、いやにあっさりしたものだった。たぶん眠かったのだろう。

160 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/23(日) 00:01
あさみはまたカントリー娘。について思い出していた。
1999年7月、戸田鈴音(りんね)・柳原尋美・小林梓の3人がインディーズ・デビューする……はずだった。
ところが、その1週間前に柳原尋美が不幸な交通事故で亡くなってしまい、小林梓もそのショックで脱退してしまう。
りんねは1人になり1年近く、ひとりでカントリー娘。を続けていく。
木村麻美があさみとしてカントリー娘。に入ったのはそんな時だった。
あさみは生来の明るさで盛り上げ、やがて石川が助っ人として登場し、里田が入って軌道に乗ったのだっだ。
「りんねちゃん、何やってるんだろう?」
そこまで考えたところで、あさみは入り口に一人の人物が入ってくるのを確認した。

161 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/23(日) 00:02
「こんばんは〜、夜遅くすみません。ここ学校ですよね?」
どうやら少年のようである。だが、明かりをバックにしているせいか顔はよくわからない。
「ええ、そうですが。」
「じゃあ、11WATERの皆さんがいるんですよね?」
「え、ええ。」
「やっぱり。それなら良かった。」
「ところで…。あなたはどちら様ですか?」
「へ? 俺? 俺たちは…。」
そのとき、あさみは突然息ができなくなった。首が何か細いもので締め付けられているようで、とても痛い。
「お前達を殺しに来たのさ。」目の前の少年が答える。
あさみは苦しみに悶えながら咄嗟に首を手で確認する。何か細い糸のようなものが首に巻きついているようだ。
苦しくて思わず立ち上がって、懸命に糸のようなものを手で外そうとするが、
息苦しさと喉の痛みと、首から流れ始めた自分の血のせいででうまくつかめない。
「あ゛、あ゛、あ゛…………」
声にならない声を上げつつ、目の前が真っ白になっていく…。

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162 :名無し娘。:2003/11/23(日) 10:31
あさみが、あさみが・・・

163 : :2003/11/23(日) 18:21
作者は一応メンバー全体を知ってるみたいでよかった。
資料ならいくらでも用意するんで見てる人は多いので頑張ってください!

164 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/25(火) 23:27
EE JUMP'S PHASE──

ソニンがあさみの首に巻きつけたのはただの糸ではない。暗殺用の敵の喉仏を切り裂く武器である。
力が決して強いというわけではないソニンが選んだ武器の一つがこれである。
他にも、ブルーノCzモデル75、オリハルコン(ダガー)を持ってきている。

目の前の目を大きく開き首を掻き毟りながら苦悶するあさみを見て、
ソニンは顎でユウキに中に進むよう促す。ユウキはそれに従い校舎を進んでいった。

──────

ソニンとユウキが灯台にたどり着いたのが、夜7時頃。灯台の鍵を開け、中に入ると、
そこには、剣、銃、弓矢などなど、様々な武器があった。
「かっけ〜。」
ユウキは、すぐさまワルサーPPK9ミリと、エクスカリバー(剣)を手に取った。
それを横目にしつつ、ソニンはブルーノとオリハルコンと暗殺用のワイヤーを手に取る

165 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/25(火) 23:27
「ソニンさあ、最初どこ攻めるの? やっぱり近い倉庫?」
「そうね。最初は…、学校かな。武器も大したことないし、人数も稼げるだろうし。」
「まあ、俺はFOOD以外ならとりあえずいいけどな。よし、じゃあ早速いこうぜ!」
「待って。今はまだ早い。到着してすぐだから向こうも警戒しているかもしれない。
 それにこの時間はまだ皆起きているはず。そうだと人数に劣る私たちは不利よ。
 だから、ここは夜襲をかける。時間は…4時ぐらいね。」
「そりゃそうだよな〜。やっぱ、お前頭いいわ。」

──────

166 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/25(火) 23:27
あさみの首から流れ出た血は、WATERの衣装を更に赤く染め、地面に血だまりを作り始める。
ソニンは更に力をこめた。鋼線は喉仏を切断し、やがて頚椎をとらえる。
抵抗していたあさみの手はだらしなく下がり、首が前に落ちこんだ。

その時──
「あなた、誰?」
「くそっ!!」ターン
銃声音があたりに響く。

ソニンは自分の予想していなかった事態が起きたと悟った。

あさみ(カントリー娘。):死亡 【AIR 11人→10人】

─────────────────────────────────────────────────────

167 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/25(火) 23:29
いつも応援ありがとうございます。
まあ、のんびりと進めていきますのでよろすく。

168 :名無し娘。:2003/11/26(水) 06:30
ここでソニンとユウキ登場か
他の刺客も楽しみにしてます

169 :名無し娘。:2003/11/26(水) 16:00
>>167
あのー、更新してくださる所悪いのですが・・・
>>166はWATERですよ

170 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/26(水) 23:34
あ、ホントだ。指摘ありがd

以下、166の訂正

171 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/26(水) 23:35
あさみの首から流れ出た血は、WATERの衣装を更に赤く染め、地面に血だまりを作り始める。
ソニンは更に力をこめた。鋼線は喉仏を切断し、やがて頚椎をとらえる。
抵抗していたあさみの手はだらしなく下がり、首が前に落ちこんだ。

その時──
「あなた、誰?」
「くそっ!!」ターン
銃声音があたりに響く。

ソニンは自分の予想していなかった事態が起きたと悟った。

あさみ(カントリー娘。):死亡 【WATER 11人→10人】

172 :名無し娘。:2003/11/27(木) 22:55
(*`_´)とても
(・e・)おもしろい
(●´ー`)だべ

173 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/28(金) 23:45
WATER TEAM'S PHASE──

アヤカは、トイレから出ると自分の見張り場である昇降口に戻ろうとした。
ところが、昇降口の方から1人の人物が歩いてくる。窓から漏れた光に照らされたその姿は、
濃紺のパーカーにジーパン。明らかにWATERの人間ではない。
そのうち、その人物と目が合った。その顔を見てとある人物が思い浮かぶ。だが、

「あなた、誰?」思わず誰何してしまった。
目の前の人物──ユウキは──小さな声で「うわっ」と驚くと、右手に持っていたワルサーを構える。
アヤカは、咄嗟に教室の入り口飛びつく。
「くそっ」ユウキは狙いも定めぬまま、焦ってトリガーを引く。弾はそれて、教室の扉の反対の壁にめり込み、
ユウキ自身は不安定な格好で銃を撃ったせいか、態勢を崩し尻餅をついていた。

174 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/28(金) 23:45
それを見たアヤカは、急いで教室の中に入り、教室の明かりを点ける。
ここには、吉澤、辻、紺野、藤本が寝ていた。その中で、藤本は銃声で既に起きており、
アヤカに対し、「今の何の音?」と聞いてくる。
また、吉澤と紺野も目を覚ましており、眠そうに目をこすりながら上半身を起こしていた。
全員の姿を確認しつつ、アヤカは教室の前後の扉に鍵をかける。
(これでとりあえずは、入ってこられないはず。あとは…。)

アヤカはナップザックからトランシーバーを取り出すと、スイッチを押し部屋の全員と、
校長室で寝ている飯田、矢口、職員室で寝ている斉藤、村田、柴田に聞こえるように大声で叫んだ。
「みんなっ!!! 起きてー!!! 敵よー!!!」

                   *            *

175 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/01(月) 00:24
「みんなっ!!! 起きてー!!! 敵よー!!!」
夢の世界に居た村田めぐみは、その機械を通した声で現実の世界に戻される。
部屋の見渡すと、斉藤も目を覚ましたようだ。
村田は立ち上がり、職員室の明かりをつける。柴田も起き上がる。彼女もまた目が覚めたようだ。
「何があったの?」柴田が村田に聞いてきた。
「わからない。でも、敵が侵入したらしい。私とひとみんでちょっと様子を見てくる。柴ちゃんはここで待ってて」
「気をつけて。」「うん。」
村田はホーリィソード、斉藤はモーニングスターを持ち、村田が職員室の扉をそっと開け外の様子を伺う。
そこにはシーンと静まり返った廊下があるだけだった。
「とりあえず大丈夫みたい。」2人はゆっくりと廊下へと出た。
2人は武器を構えたままとりあえず廊下の様子を探る。
すると、廊下と昇降口と校庭に通じている廊下の交差点に何か白く細長いものが2本見えた。
目を凝らしてみてみると、どうやらそれは誰かの足らしい。
上半身は校庭側の通路にあるらしく、ここからだと死角になって見えない。

176 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/01(月) 00:25
「誰か仰向けに倒れているみたい。」斉藤は驚く。「とりあえず行ってみよう。」村田が返す。
2人は警戒しながらゆっくりと廊下をすすむ。
近づくにつれわかってきたのだが、廊下の足から昇降口へと足に添って赤いラインが2本ひいてあるようだ。
やがて、2人は足の持ち主がはっきりとわかるところまで来た。
「!!!!!」2人は言葉がでなかった。
持ち主であるあさみの首は何かでざっくり切られたのか、パカっとあいておりそこから血が今だ流れている。
WATERの衣装も自身の血で汚れており、(もともと赤と黒の衣装なのでそんなには目立たないが)
さっきみた赤いラインの正体は血だったのだ。
顔は、口からは舌がだらしなく出ており、目がこれ以上ないくらい飛び出ている。
そしてその生気のない目は、偶然にも村田たちの方を向いている。

177 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/01(月) 00:26
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
気がつけば横の斉藤が後ずさりをし、大声で叫びながら昇降口の方へ走っていく。
「ひとみん! 待って!」村田は追いかける。
「ああああああああああああ!!!!!!!」もはや言葉にならない叫びを続けながら斉藤は走り続ける。
「待ってよ! 待って!」村田は斉藤を追いかけて昇降口を出、さらに校門を出ようとする。
ところが、校門を走り抜ける瞬間、村田は何かに躓き胸から地面に倒れる。
「うわっ、ててて。ん?」
村田は立ち上がろうとするが、上から誰かに乗りかかられ動けない。
「え? 何? 誰なの?」
顔だけ上げると、斉藤は村田の様子など知る由もなく逃げ続けてようで、だんだん斉藤の背中が小さくなっていく。
村田の後頭部に何か冷たいものが当たった。


ターン
ターン

あたりに2発銃声が響いた。

村田めぐみ(メロン記念日):死亡 【WATER 10人→9人】

─────────────────────────────────────────────────────

178 :名無し娘。:2003/12/01(月) 00:52
また推しメンが1人・・・・・
自分的にユウキとソニンがいつ死ぬか注目したいと思います
(本編の前回優勝者ってわけでもないし最後まで残るかわからんしw)
これからも頑張ってください

179 :名無し娘。:2003/12/01(月) 01:42
地味な奴から死んでくな

180 :死後の世界:2003/12/01(月) 10:24
( - Δ-)地味…。

( ;・e・)(●`ー´)大谷さん、なっちを撃つなんてひどいべさ  (`_´; ) 
安倍さん落ち着いて。

从*・ 。.・从<死んでも私ってカワイイ

181 :名無し娘。:2003/12/01(月) 14:23
そういやメロンがすでに二人死んだのか
作者はメロンあんまり好きじゃないみたいだな

182 :名無し娘。:2003/12/01(月) 23:05
>>180
あさみが・・・

183 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/01(月) 23:17
別にメロンが嫌いというわけではないですよ〜。

184 : :2003/12/02(火) 01:53
>>183
特に気にせず計画にそって不要メンをどんどん頑張ってください

185 :名無し娘。:2003/12/02(火) 15:13
(oTvTo)
↑180に忘れられたあさみ

186 :名無し娘。:2003/12/02(火) 16:08
作者さん、周りの雑音は気にせずにがんばってくださいね。
いつも楽しみにしてます。

187 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/03(水) 23:44
EE JUMP'S PHASE──

「くそっ」
態勢を崩し尻餅をついていたユウキは、アヤカが教室に入るのを見て、自分も入ろうと立ち上がろうとする。
ところがその肩を誰かに抑えられた。振り返ると…。
「なんだお前か。なんだよ。早くしないと…。」
「おそらく教室の中は仲間がたくさんいる。深追いは禁物だ。それよりも手伝って欲しいことがある。」
そういうソニンの後にユウキは続く。その後ろで教室に電気が入るのがわかった。
2人は昇降口に戻る。血の海の中で首を切られているあさみを見てユウキは少し吐き気がした。
「オエッ」
「ちょっと足のほう持って。移動するから。」
そんなユウキの気持ちを知ってか知らずかソニンはあさみの頭と腕を持つ。
(勘弁してくれよ…。)と思いつつも仕方なしにユウキは足を持ち、二人は移動した。

少しゆれるたびに、あさみのパックリ割れた喉からいろんなものが見えたりしてユウキは気持ち悪かったが、
そんなにソニンの目的地が遠くなく、5mくらいのところだったのでガマンできた。
着いた場所は、教室と職員室などを繋ぐ廊下と昇降口と校庭に通じている廊下の交差点であった。
そこに、校庭側を頭にそして足を交差点に置いたところで明かりの漏れた教室から、
「みんなっ!!! 起きてー!!! 敵よー!!!」
と誰かの声が聞こえた。2人はそれを聞き、素早く校舎をでる。

188 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/03(水) 23:44
ユウキははじめ灯台へ戻ると思い、校門を出て灯台の方へ行きかけたが、
「違う、違う」というソニンの言葉にはっと振り返る。ソニンは校門のところでしゃがんでいた。
「帰るんじゃないの?」ユウキも校門に戻りつつ聞く。
「まだやることがある。…とりあえずしゃがんで。」ソニンはナップザックから懐中時計のようなものを取り出した。
ユウキはそれを覗き込む。

この懐中時計のようなものはレーダーである。灯台の中で見つけたものだ。
各メンバーの首輪とリンクされており、メンバーの位置を把握できる代物である。
ただし、メンバーの固定まではできず。どのチームに属しているかまでしかわからない。
レーダーの探索範囲は4段階調節できる。最大だと島全体をカバーするが、今は学校を収める3番目の広さにしてある。
学校の中に、WATERチームのメンバーであることを示している青い点がいくつもあり、
それぞれ別の部屋にいるらしく点が1、2、2、5でそれぞれ別れている。
校門のところに、EE JUMPのメンバーであることを示している紫の点が2つある。

189 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/03(水) 23:46
その時、校舎の中から誰かの叫び声が聞こえてきた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
レーダーを見てみると、ユウキ達に一番近かった2点のうち1点がユウキ達に近づいてくるところだった。
もう1点もそれを追いかけるように付いて来る。
「最初の人物は無視して、私がまず後ろの人物に足を掛けて転ばす。そしたらユウキは背中に乗っかってくれ。」
ソニンが囁き、ユウキは「わかった。」と応えた。
「ああああああああああああ!!!!!!!」「待ってよ! 待って!」
まずは1人目が校門を通り過ぎる。一度見たら忘れられない金髪のパーマ、斉藤瞳。
ソニンは光点に合わせて、校門の陰から足を出す。
「うわっ」
校舎のほうから来た人物はもんどりうって前に倒れこんだ。ユウキは作戦通り上にのしかかる。
「え? 何? 誰なの?」倒れた人物は抵抗する。ソニンがその人物の後頭部にブルーノを押し当てトリガーを引く。

ターン
ターン

190 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/03(水) 23:47
銃弾は目の前の人物の頭に2つの穴をあけ、その人物を死に至らしめた。
ソニンは動かなくなった人物の前に回り顔をあげその人物を確かめる。
「メロンの村田さんだ。」感情もなく報告する。
ユウキはふと、預かっていたレーダーに目をやる。校舎の中のほとんどの光点が移動し始めた。
「みんな移動しはじめたぜ。どうすんだ?」
「そうね……。」というとソニンは校門から中に入り、
ナップザックから手榴弾を取り出し、安全ピンを口にくわえ、
手榴弾を持っている手を右に引くことによって安全ピンを外しおもむろに校舎の廊下の窓に手榴弾を投げる。

ガシャーン……ドゥーン

派手にガラスの割れる音がし、そして手榴弾が破裂した音が聞こえてきた。
中から何人かの悲鳴が聞こえてくる。

「こんなところね。深追いは禁物。…引き上げるよ。」「へーい。」

─────────────────────────────────────────────────────

191 :名無し娘。:2003/12/04(木) 14:44
ソニンつえー

192 :名無し娘。:2003/12/04(木) 19:00
被爆で誰か死んだか

193 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/08(月) 01:46
WATER TEAM'S PHASE──

誰かの悲鳴、そして2発連続の銃声、ガラスの割れる音、何かが爆発する音。
これらによってWATER TEAMは混乱のきわみにあった。

校長室で矢口とともに寝ていた飯田も、トランシーバー越しのアヤカの叫び声で飛び起きた。
トランシーバーでアヤカと連絡を取り合ってところに悲鳴から始まる、一連のコンボが彼女らを襲った。

最初にパニクったのは矢口だった。
「に、にげ、逃げなくっちゃ。」そういうと飯田の静止も聞かず一人で校庭へ逃げ出してしまう。
飯田は矢口を追おうかと一瞬思ったが、
状況の把握が先決と思い自分の武器である王者のつるぎを持つと校長室の扉から出る。

194 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/08(月) 01:50
外は銃声などは聞こえてこなかったが、WATERのメンバーと思われる叫び声や泣き声、廊下を走る音などが聞こえてくる。
(えっと、どうすれば…。)
普段モー娘。のリーダーとして頑張っている飯田だが、さすがにこういう経験はなく動揺していた。
とりあえず隣の職員室を覗いてみる。もう誰もいないようだ。
廊下を進み、昇降口と校庭への通路との交差点に差し掛かる。そこには吉澤がぼーっと突っ立って、何かを見ていた。
「どうしたの? よし…。」
飯田は吉澤に近づく、と同時に吉澤が見ていたものが目に入る。それは…変わり果てたあさみの姿だった。
「!!! これ、どういうことのなの?」飯田は吉澤の腕を掴み、揺らして経緯を尋ねるが、
吉澤は変わらず放心状態で何も答えない。
「そこ動かないでいてよ。」と飯田は言い残し教室へと移動する。
教室に入ると声が聞こえた。「辻ちゃん、しっかりして。」
教室ではアヤカが辻にを起こしているところだった。
目を覚ました辻は、まだ眠そうに目をこすり「あれ? いいらさん? みんなは?」などと暢気である。
こんな状況でもマイペースな辻に対し呆れの感情と安心の感情が同時に起きる。
おかげで少し我にかえる事ができ、一息ついて教室を良く見ると、現在教室にはこの2人しかいない。

195 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/08(月) 01:53
「みんなは?」飯田はアヤカに聞いてみる。
「悲鳴が上がった後、私と藤本さんと吉澤さんで様子を見に行きました。
 そしたら、あさみさんが…。その後、廊下のガラスが割れて爆発音がしました。
 吉澤さんは放心状態になり、藤本さんは急いで教室に戻り、
 紺野ちゃんを連れて2人でどこかへ…。多分、逃げちゃったんじゃないかと…。
 私は辻ちゃんがまだ寝ている事を思い出し、吉澤さんが心配でしたがとりあえず教室に戻りました。
 辻ちゃんは起きていましたが、状況が全く飲み込めてないようでした。
 そこへ飯田さんが入ってきたというわけです。」アヤカは答える。横で辻が目を白黒させている。
「ありがとう。」
飯田は耳を澄まし当たりの状況を探る。
銃声などは聞こえないが、誰かの泣き声が少し遠くから聞こえてくるようだ。
(あとは、メロンの3人か。)
飯田達3人は教室を出て吉澤の居る場所に戻る。吉澤はまだ放心状態だった。

196 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/08(月) 01:53
「しっかりして。」飯田は吉澤の頬を張る。
「あ、飯田さん。」叩かれた頬を押さえ、小さい声を出し吉澤が我にかえる。
「とりあえず、銃声はしていないみたい。安全とはいえないけど、とりあえず外を確認してくる。
 アヤカ。付いて来てくれる? 吉澤は辻と教室で待っていて。」
「「「はい。」」」吉澤と辻は教室に戻った。
「まずはあの泣き声ね。」飯田とアヤカはゆっくりと昇降口へ向う。
昇降口に付くと、そこから外が見える。空がだいぶ明るい、もうすぐ夜明けかもしれない。
そんなサファイアブルーの空の下、WATERの衣装を纏った人物がおり、泣き声はそこから聞こえていた。
「ううううぅぅぅ、めぐたんまで……。」
飯田とアヤカはそっと近づく。
1人は……多分、村田だろう……うつ伏せで倒れており、頭に銃創と思われる穴があいている。
もう1人、柴田はそんな村田に覆いかぶさりひたすら泣いていた。
飯田とアヤカはそんな柴田にかける言葉が見つからず、立ち尽くすばかりだった。

─────────────────────────────────────────────────────

197 :名無し娘。:2003/12/08(月) 02:41
斉藤さんは何処

198 :名無し娘。:2003/12/08(月) 13:56
( ‐ Δ‐)y-~~~ 死んだふりもつらいにぇー

199 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/11(木) 22:00
FOOD TEAM'S PHASE──

亀井はノートPCから目線を外し、部屋の時計を見る。午前5時3分過ぎである。
「ん〜」亀井は大きく伸びをする。
夜は明けたらしく外は明るく、どこかで聞いたことのあるような鳥の鳴き声が聞こえる。

結局、田中が持ってきたPCは、後藤がカメラの見えない部屋に置き一通り調べたが、
イマイチよく分からなかったようだ。亀井も午前4時からここへ来ていろいろ調べていた。
たしかにインターネットができるようにはなるらしいのだが、設定の仕方がわからず、
「解説書.doc」というファイルを開いてみてもなんのことやらさっぱりわからない。

そこへ、田中が部屋に入ってきた。「おいっす。」
「おはよ〜」「どう?」田中が少し期待を込めて聞いてきた。
亀井は黙って首を振る。「そっか。」田中はがっかりしたようだ。

200 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/11(木) 22:02
その時、2階からドタドタと誰かが慌てたように降りてくるのが聞こえた。
階段から姿を現したのは、見張りをしているみうなである。ちなみにPCを調べていた後藤は今は寝ている。
「「おはよ〜」」「あ、おはよう。あの、帰ってきたよ。」「誰が?」
「ただいま〜」「おじゃましまーす。」集会所の入り口から誰かの声がした。
3人とも入り口に移動する。そこには…。
「あ、保田さんに里田さんも。おかえりなさいといらっしゃいませ。」亀井はお辞儀をする。
「あれ? 中澤さんは?」みうなは中澤がいないことに気付いた。
「うん、裕ちゃんはね、AIRとSALTの和解の立会いに向っているんだ。6時10分に丘の中央に集合で。
 あたしはパソコンが気になったんだけど、ほらこの島って電灯あんまりないじゃない?
 道も暗いし、何があるかわからないし、帰ってこられなかったのよ。それで倉庫に泊めてもらったのよ。」
「朝になったんで、保田さんは一人で大丈夫って言ったんだけど、
 何があるかわからないし私もついてきたと、そういうわけ。」里田が後を継ぐ。
「んで、パソコンは? え、何、何?」見渡す保田を田中が引っ張って洗面所に連れて行く。亀井も続く。
里田が不思議そうな顔をして付いていこうとしたが、みうなが頷いて引き留める。

201 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/11(木) 22:02
田中はポケットから、後藤に見せた「貴方達の味方」と言う人からの手紙を見せた。
保田の顔色が徐々に変わっていく。
亀井は『ということなんで重要な問題は筆談がいいと思います。』と書いた紙を保田に見せた。
保田はその紙に、『わかった』と書いた。
「なるほどね〜。ノート型のXPか。モノはどこにあるの?」保田が聞く。
田中と亀井はPCのある場所に保田を連れて行った。

─────────────────────────────────────────────────────

202 :名無し娘。:2003/12/11(木) 23:18
斉藤さんは!?

203 :名無し娘。:2003/12/12(金) 22:50
石橋「臨時放送だ。只今、この島に新しいチームが到達したようだ。そのチームは芸能界には縁が無く、
   大学の出会い系スーパーフリーの幹部どもだ。勿論文字通りにお前たちをレイプしていくからな。以上だ!」
   
 スーパーフリー、元々は出会い系サークルであったが、スーパーフリーのパーティに来た
女子大生達を次々と強制猥褻していったレイプ集団となってしまった。

 其の幹部達の中でこの島に来たのは、和田真一郎を始め、沼崎敏行、小林潤一郎、小林大輔、藤村翔
、岸本英之、若松直樹、宇田篤史、小泉創一郎、吉野豪洋、高山知幸等である。
彼等はこのゲームで生き残ったら元の大学に復学し、スーパーフリーも復活することが約束されている。

スーパーフリーの幹部達のチームがこのゲームに参加したことでいったいどうなるのだろうか?

204 :名無し娘。:2003/12/12(金) 23:10
エロ小説でつね!

ここからの議論は批判要望板に移行するのかな

205 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/12(金) 23:57
「う〜ん、う〜ん」後藤は悪夢にうなされていた。
それはTVのニュースで見たことのある「スーパーなんとか」が参加すると石橋が放送する夢だった。
「う〜ん、ハッ!」後藤は目覚める。「何だ夢か〜」というと後藤はまた寝てしまった。

206 :ゼロ ◇ZERO/PNu7I :2003/12/13(土) 00:33
その直後、後藤の悪夢が正夢となった、

石橋「臨時放送だ。只今、この島に新しいチームが到達したようだ。そのチームは芸能界には縁が無く、
   大学の出会い系スーパーフリーの幹部どもだ。勿論文字通りにお前たちをレイプしていくからな。以上だ!」
   
 スーパーフリー、元々は出会い系サークルであったが、スーパーフリーのパーティに来た
女子大生達を次々と強制猥褻していったレイプ集団となってしまった。

 其の幹部達の中でこの島に来たのは、和田真一郎を始め、沼崎敏行、小林潤一郎、小林大輔、藤村翔
、岸本英之、若松直樹、宇田篤史、小泉創一郎、吉野豪洋、高山知幸等である。
彼等はこのゲームで生き残ったら元の大学に復学し、スーパーフリーも復活することが約束されている。

スーパーフリーの幹部達のチームがこのゲームに参加したことでいったいどうなるのだろうか?

207 :名無し娘。:2003/12/13(土) 14:18
>>203
>>206
荒らしですか??
ひどいことしますね。
作者さん、無視してがんがってください。

208 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/14(日) 20:34
WATER TEAM'S PHASE──

飯田達はあさみと村田の遺体をとりあえず使っていない教室に寝かせ、
逃げた矢口達が学校内に隠れていないか一通り探したが残念ながら見つけることはできなかった。
飯田達はとりあえず、吉澤達が寝ていた教室に戻った。
部屋に入り、教卓の上に山積みになったいるトランシーバーを見て飯田は愕然とした。
そしてゲームが始まって早々自分が「結構重いし、必要なとき持っていればいいから、とりあえず一まとめにしといて、
使うときは持っていくようにしよう。」と提案したことを思い出した。

がっかりしながらもトランシーバーの数を数えてみる。7つであった。
2つは見張りであるあさみとアヤカが持っており、あとは職員室と校長室に各1台。これはそれぞれ飯田と柴田が持っている。
7+2+2=11。つまり全部学校にあるということ、すなわち逃げたメンバーは誰もトランシーバーを持ってない。
(これじゃ逃げたメンバーと連絡取れない…。)

209 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/14(日) 20:36
それと、アヤカから襲撃者について聞いた。去年の秋に卒業した娘。と大変似ている実弟。
おそらく放送であった、6時からの参加者の一人が彼だろう。
「チーム」ということでもう1人、逆境にも負けないがんばり屋さんの少女の姿を思い浮かべる。
しかしその2人がおそらくあさみと村田を殺した。とは簡単には想像できなかった。

(もしも殺されたのが、ののや矢口だったら、私は怒り狂っているかもね。)
とそこまで考えたところで、あさみと村田の命と辻や矢口の命と均等に扱っていない自分に気付き、
少し落ち込む飯田。

だが、落ち込んでばかりもしていられない飯田は、捜索隊を出すことにした。メンバーは飯田、アヤカ、柴田。
もしかしたら、学校に戻ってくるかもしれないので吉澤と辻は学校で待機である。
「よっすぃ〜、何かあったら連絡をちょうだいね。」「はい。飯田さんこそ気をつけてください。」
飯田達は隠れるのに絶好な場所に当たりをつけ、吉澤と辻に見送られて学校を出発した。

─────────────────────────────────────────────────────

210 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/17(水) 21:05
AIR TEAM'S PHASE──

島の中央部の小高い丘、午前6時より少し前。
仲介役の中澤、AIRから石川と稲葉、合計3人が集まっていた。

時を石川達とともに、中澤と保田が倉庫へ着いた時に戻る。

中澤と保田が倉庫に付くと、高橋と稲葉が何も喋らず落ち込んでいた。2人にわけを聞くと、
大谷が海に飛び込んで自殺した、とのこと。そこからが大変だった。
みんなで港に行き確認すると、石川が稲葉に「稲葉さん、あなた何をしてたの?」と少し怒り気味に聞いた。
稲葉はSALTが来たこと、そして仲直りしたがっていること、明朝の放送後6時10分に丘で待っていること、
そして、SALTの人と話している間は大谷が一人だったことを説明した。

211 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/17(水) 21:05
この仲直りの件について、中澤がかなりの乗り気で「ほなら、仲介はわたしがやるわ。」と仲介役を買ってでて、
あまり乗り気ではなかった石川を説得し、石川も渋々仲直りOKした。
その後は夜になってしまい、暗い中、集会所に帰るのも危険ということで中澤と保田はとまらせてもらった。
次の日、夜明けとともに呼び出された保田と付き添いとして里田を集会所に向わせ、残りのメンバーは丘へ向かった。
丘の入り口まで来たところで2対2の話し合いということで、ミカと高橋を残し3人で上って行った。

6時になり3回目となる音楽が流れる。
「みなさん、ぐっもーにん!! バシタカです。それじゃ、死亡者発表するぞ。
 WATER、あさみ―カントリーの方な。それと村田めぐみ。以上2名だ。夜で明かりも少なくて、
 思うように殺し合いができなかっただろうが、夜も明け活動しやすくなっただろう。
 思う存分殺し合いをしてくれ。以上だ。」
放送は終わった。

212 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/17(水) 21:08
石川が他の2人を見ると、稲葉は平然としており、中澤は丘にあるポールについている拡声器を睨みつけていた。
やがて、前方から人の足音が聞こえてきた。石川が目を向けると丘に入ってくる前田と松浦の姿が現われた。

「お待たせしました。」前田が言う。
「2チームの仲介役として、あたしが進行させてもらってもいい?」中澤がSALTの2人に聞く。
「ええ。」「いいですよ。」前田と松浦はOKを出した。
「じゃあまず、それぞれのカバンの中から武器を出してわたしに渡してもらおうか。」

というと4人ともナップザックを開けて中の武器を取り出し、次々と中澤に渡していく。
中澤はそれを足元に置いた。石川も自分の天のむら雲を渡し、次にシグ/ザウェルを渡そうとしたが、
稲葉にそれを横から取られてしまう。稲葉はシグ/ザウェルの安全装置を外し、構え、
トリガーに手をかけて銃口を松浦に向ける。
「稲葉さん?」石川は稲葉の突然の乱行の理由がわからなかった。
稲葉は体をくるりと90度回転させると、そこにいた人物に向けておもむろにトリガーを引いた。パンと乾いた音が広がる。
銃弾は、不意をつかれた中澤のへそのあたりを貫通した。後ろに飛ばされる中澤。
「う、うぅぅぅ…」呻く中澤に稲葉は近づき、
小さな声で「ごめんな」というと今度は心臓目掛けてまたトリガーを引いた。パンと再び音が広がる。
中澤はびくんと体を揺らして完全に動かなくなった。すると稲葉は石川のほうを振り返ると銃を持ったまま突然走り出し、
石川に体当たりをした。2人とももんどりうって倒れる。

その横で「キャーーーーーーーーーーーーー!!」と松浦が甲高い声を出した。

中澤裕子:死亡 【FOOD 6人→5人】

─────────────────────────────────────────────────────

213 :名無し娘。:2003/12/18(木) 12:57
从#~д~#从<なんや、あのあっちゃんの態度は! 絶対納得いかへん。酒や! 酒もってこい!!

(o゚v゚o;)三          三( ;- Δ-)

(●;´ー`)<裕ちゃん、お酒なんかここにはないべさ。

( `_´)<自棄酒は恥ずかしいことではないです。


从*T 。.T从<死んじゃったんで自分の姿が鏡に写らないの。

( ;・e・)<そ、そうか。

214 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/19(金) 00:00
WATER TEAM'S PHASE──

探索隊の飯田・アヤカ・柴田はとりあえず近場の誰かが隠れることができそうな場所から探していった。
だがしかし、誰も見つけることができない。焦る2人にアヤカが提案する。
「みんなはきっと仲間達のところに向ったんじゃないんでしょうか?」
「それは、一理あるね。」飯田は思い浮かべる。「矢口は……、可愛がってくれている裕ちゃんのところかな?
それとも加護のところ? 藤本達は…、あややと小川のいるSALTのところ? 斉藤さんは…、ちょっとわからないかな。
……よし、とりあえずSALTのいる別荘に行こう。」
3人は別荘へと向った。

─────────────────────────────────────────────────────

215 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/21(日) 11:55
IR TEAM'S PHASE──

ミカと高橋は交渉している間階段下で待機していたのだが、彼女らの耳に2発の銃声の後少し経ってから、
「キャーーーーーーーーーーーーー!!」と誰かの悲鳴が丘から聞こえた。2人に緊張が走る。
(あの声は松浦サンかな。)ミカはナップザックからシグ/ザウェルを取り出し階段をしゃがみながら上がっていく。
高橋も後ろから菊一文字を右手にゆっくりと同じようにしゃがみながら付いて来る。
(昨日も同じことをした気がする。)
やがて、丘の様子が見えるところまで登ってきた。ミカは頭を少しだけ出して様子を伺う。
ミカは驚愕した、なぜなら石川と稲葉が倒れ、松浦と前田が立っていたからである。中澤の姿は見えない。
一瞬、2人とも銃で撃たれたのかと思い焦る。だが良く見てみると石川と稲葉の2人とも動いている。
少なくても生きているようだ。一方、松浦と前田の手には銃はないような気もする。
(状況がここからじゃまったくわからない。とりあえず交渉は成功とはいえなさそうね。
 ここで考えていても仕方ないか。)
「アイ」「はい?」「ワタシは出ていくけどアイはどうする?」「高橋も行きます。」「わかった。」
ミカは銃をとりあえずナップザックにしまうと、スタスタと丘の中央に向けて歩き出す。
途中で、松浦が奥のほうに泣きながら移動するのが見えた。前田は一度こっちを確認したが、
驚きの表情を浮かべたまま、ミカと高橋に対しリアクションを取ることはなかった。
2人が近づくと、石川と稲葉がちょうど起き上がるところだった。ちらっと見たが、大きな怪我とかはないようだ。
しかし、松浦が誰かに覆いかぶさるように泣いている。衣装からするとおそらく中澤だろう。
その顔には生気がまるでなかった。後ろで高橋がハッと息をのむ。

216 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/21(日) 12:01
一方、石川は起き上がるなり、稲葉に詰め寄っていた。「稲葉さん、どういうこと?」
稲葉は答える。「それはこっちのセリフ。なんで松浦に銃を向けたの?
仲直りするんじゃなかったん? 私が飛びついたけど、裕ちゃんが…、くそっ。」と言って地面を蹴る。
(????)突然の仲違いにミカは混乱していた。
石川も同じらしく目を白黒させていたが、「は? 何、それはどういう」
「うるさーい!!!」当たりに前田の叫び声が響く。
「あんた達がね、どうこう騒いだって中澤さんは生き返らないの。
 石川、あんたが松浦を殺そうとしたことは大目に見てやる。だからお前はここから姿を消せ!
 見ているだけで不愉快になる。そこの2人」とミカと高橋に視線を移す。
「石川をつれてここから出て行け!」
「は、はい。」前田の剣幕に圧されるようにミカは思わず返事をしてしまった。
石川の手を引き連れて歩き出す。石川は「なんでわたしが出て行かなくちゃならないの?」と納得していないようだ。
だが、ミカと高橋2人に引っ張られてずるずると引きづられるように移動していく。

ミカは稲葉が付いてきてないことに気付く。「稲葉サン、帰りましょう。」ミカは呼びかけた。
「……、私は残るよ。裕ちゃんをこのままにしとくわけにはいかへん。あとから戻るわ。」稲葉は残るらしい。
「……わかりました。」ミカは答えた。隣で石川が「チッ」と舌打ちをする音が聞こえてきた。

─────────────────────────────────────────────────────

217 :名無し娘。:2003/12/21(日) 14:07
从#~∀~#从y-~~<たまには死んだフリも悪ないな・・・

218 :名無し娘。:2003/12/21(日) 15:17
よくわからなくなってきた

219 :名無し娘。:2003/12/22(月) 06:03
>>218
うむ     でもそれだけに続きが気になる

220 :名無し娘。:2003/12/22(月) 11:44
石川の謀反があるんだとしたら、その描写が実際の行動の前に無いってのは・・・

221 :名無し娘。:2003/12/22(月) 17:48
ソルトと稲葉が石川を罠に嵌めたってことじゃないの?

222 :名無し娘。:2003/12/22(月) 20:46
まぁなんにせよ今の状態じゃどうにも言えんわな
これだけ絡まった糸を元に戻せたんなら、それこそ名作だな

223 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/23(火) 12:48
SALT TEAM'S PHASE──

小川と加護は、ミカ達とは反対側の入り口の下で待機していた。
前田の「何があっても、こっちからトランシーバーで呼びかけるまで出てきちゃダメだよ。」の言葉に従い、
2発の銃声、松浦のと思われる悲鳴、そして石川と前田と誰か(稲葉なのだが、小川にはわからなかった。)の
怒鳴り声が聞こえてきたが動かずじっとしていた。「プープー」トランシーバーが鳴った。
「はい、加護です。」「前田です。出てきてもいいよ。」前田だった。

2人が緊張しながら丘に上ると、そこには前田と松浦と稲葉の2人が居た。
気のせいか松浦が今まで泣いていたかのようにズズッと鼻をすすっていた。
「あれ? 梨華ちゃんは?」加護が尋ねる。
「ちょっとね。」答えたのは前田だった。

224 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/23(火) 12:49
その時小川に肩を叩かれる。「加護さん、あれ…。」と小川の指差した先には…。
お腹のあたりと左胸を打ち抜かれた中澤が仰向けになって倒れていた。中澤は微動だにしない。
「なかざわさん?」加護と小川はかけよる。「嘘…」
「最初は、石川は松浦を撃とうとしたの。」後ろから前田の声がかけられる。
「それに気付いた稲葉さんが、銃に取り付いて取り上げようとしたんだけど、
 2人が揉み合っているうちにトリガーが引かれちゃって、ちょうど中澤さんのいた方向に…。」
「ごめんね。加護ちゃんに小川ちゃん。私がもっと早く気付いていれば…。」稲葉が声を掛けた。

中澤裕子は加護が娘。に入った時のリーダーであった。
最初は、怖い人だと思っていて、ちょっとおっかなびっくりしていた。
教育係の後藤や、同期の3人と話すことはあっても、中澤と直接話すことはなかった。
しかし、加護が娘。として活動していくうちに、自然と中澤に対するイメージが変わった。
怖そうに見えるけど、平気で二日酔いで現場にくるし、結構涙もろい。
それからの加護の中澤に対する態度は、辻と2人で中澤を「おばちゃん」と呼んでいたところに表されるだろう。
「みそじ、みそじ〜」とからかう事もしばしばあった。

225 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/23(火) 12:49
そんなことを思い出していたら、加護の目から涙が落ちた。
(なんでや、なんでみんな血ィ流して死んでしまうんや? こんな下らないことで、
 昨日まで仲間だったうちらがなんで争わなあかんのや? なんでや? 教えてや、中澤さん。)
その最初の一粒がきっかけとなって、加護は中澤の手を握って再び泣き始めた。
小川は自分のポケットからハンカチを取り出し、そっと加護に渡した。

                   *            *

226 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/23(火) 21:26
加護が落ち着くのを見計らって、稲葉は話を切り出した。
「私、正直石川さんには正直、これ以上ついていけない。だから、AIRからSALTにチーム変更したいと思う。
 そこでね、SALTのみんなの協力が必要なの。」
「協力?」小川と加護が声を合わせて聞き返す。
稲葉はナップザックを開けると、バトロワのルールが書かれたプリントを出し、2、3枚めくると、
プリントを小川と加護に見えるように差し出した。「ちょっとここ読んでみて。」稲葉はプリントのある場所を指し示す。
小川が代表してその文章を読む。

「えっと、第13条、所属チームの変更について。所属チームの変更は、変更先の過半数以上のメンバーの承認があれば、
 これを認める。ただし、以下の場合は認められない。
 1 変更先のチームの人数がゲーム開始より多くなる場合(SALT 5人、AIR 7人、WATER 11人、FOOD 7人)
 2 チーム変更により変更元のチームの人数が0人になる場合   」
(こんなルールがあるの知らなかったなあ。ざっとしか読んでなかったからなあ。)
小川は読み終わると、プリントを稲葉に返した。
「つまり、加護ちゃん達が私のチーム変更を認めてくれればOKなわけ。」
稲葉はプリントを再びナップザックにしまいながら言う。

227 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/23(火) 21:27
「とりあえず、松浦からいきます。」松浦は少し落ち着いたようで、手を上げて話し始めた。
「私、松浦亜弥は、稲葉貴子のSALTへのチーム変更を認めます。」
「前田有紀は、稲葉貴子のSALTへのチーム変更を認めます。」次は前田だ。
「この時点で、過半数は超えているけど、私は全員の許可を得たいと思ってね。」
「えっと、加護亜依は、稲葉貴子のSALTへのチーム変更を認めます。でいいのかな?」加護も賛成したようだ。
「ありがとう。」稲葉が手でサインを出す。
(う〜ん、石川さんが松浦さんを撃とうとしたというのはちょっと信じられないけど、
 とりあえず稲葉さんの加入に反対する理由はないなあ。)小川は思った。
「小川麻琴は、稲葉貴子のSALTへのチーム変更を認めます。」
「ありがとう。これからよろしくね。」差し出された稲葉の手を加護は握り、小川も同様に握手をした。
その時、小川の心の中にあるアイデアを思いついた。
(これって大丈夫だよね? …うん、多分いけるはず。あとで加護さんに相談してみよう。)

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228 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/25(木) 21:37
WATER TEAM'S PHASE──

学校から逃げた矢口真里は、いろんなところに隠れながら転々とし、
とりあえず自分を可愛がってくれた中澤がいる集会所へ向かおうとしていた。

途中、丘のちょっと北側を通ったところで、SALTのメンバーである松浦・前田・加護・小川と、
なぜかAIRの稲葉が一人、歩いているのを発見した。そして、前田の背には──中澤が背負われている。
「裕ちゃ〜ん、裕ちゃ〜ん」矢口は思わず駆け出していた。
ところが、中澤は矢口がいくら呼びかけてもピクリとも動かないどころか、近づいてみてわかったのだが、
顔に生気がない。
そんな矢口に、加護がぽつりと、「あ、矢口さん。」と声を掛けてきた。
前田は矢口を確認すると、中澤をそっと近くの木の影に下ろした。

229 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/25(木) 21:38
「裕ちゃんは?」矢口は聞く。「中澤さんはもう…。」答えたのは前田だった。
矢口は中澤の胸とへそのあたりの銃創で、中澤に何があったかを知った。
「誰が?」「それは…。」前田が説明する。

SALTとAIRで同盟を組むために丘に集まったが、最初に武器を中澤に集める際に、突然石川が松浦に銃口を向けた。
それに気付いた稲葉が石川に取り付いて銃を取り上げようとしたが、もみ合っている際に2発、発砲されてしまい、
それが中澤の胸と腹に当たってしまい、それが致命傷になった。
SALTは中澤が打たれたのは稲葉のせいにするAIRをその場から追い出した。
そんな中澤をそのままにはしておけず、とりあえずみんなで慎重に運ぶことにした。
診療所の近くの安倍を埋めたところに一緒に埋めるつもりであった。

「石川が?」矢口にはにわかに信じがたい話だった。
「石川は、新垣の件があってから、SALTを目の敵にしてました。」
それから稲葉が石川がいかにSALTを目の敵にしていたか語った。
そして、稲葉がそんな石川についていけず、チームをAIRからSALTに変更したことも付け加えた。
(なるほどね。AIRとSALTには遺恨があるわけね。でも…。)

230 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/25(木) 21:42
「おいら、石川に話を聞いてみる。」矢口は決意した。「裕ちゃんをよろしくお願いします。」
「…わかりました。くれぐれも気をつけて。」「矢口さん、中澤さんは任せてください。」
小川のその一言を最後にSALTは去っていった。

(さて、どうしようかな? 倉庫へ行こうか。それとも向こうから来るのを待とうか。)
「矢口さん。」誰かに呼びかけられ振り向く。松浦だった。
「石川さんは、中澤さんのことでかなり頭に血が上っていると思います。
 …もしかしたら矢口さんを攻撃してくるかもしれません。何か武器は持ってますか?」
(そういえば、学校から出てくるときに慌てててナップザックしか持って来てないや。
 その中の武器といえば、毒蛾のナイフぐらいか…。でも…)
「大丈夫だよ。ま、ナイフはあるから。おそらく武器なんか使わないと思うし。」
「そうですが、一応のことはあります。」と松浦はデザートイーグルを矢口に握らせ、簡単な使い方を説明した。
「でも、松浦はいいの?」
「まだ安倍さんのもありますし、家に帰ればまだまだ武器はありますので。」
「…まあ、後で返すよ。」
「じゃあ。」松浦は別荘の方へと帰っていった。

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231 :名無し娘。:2003/12/25(木) 23:59
次に死んじゃう奴わかっちゃった気がするんだが・・・

232 :名無し娘。:2003/12/27(土) 13:23
>>231
わかってても言うのイクナイ!

233 :名無し娘。:2003/12/28(日) 22:18
>>231
おまいだ

234 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/28(日) 22:36
FOOD TEAM'S PHASE──

「う〜ん。」
保田は田中の持ってきたPCの前で腕を組み唸っていた。
最初にPCにあった「解説.doc」の中は、はじめは医学関係のわけのわからない文章だったが、
PCに入っていたとあるソフトで解析すると新たな文章となった。
そしてその文章には、今回の「ハロプロシャッフルゲーム」の様々なことが書いてあった。
スタッフの名前とどこで監視をしているか、警備の人数、ゲームの舞台となる島の建物の位置、
宝箱の位置と中身などなど。
(あの外国の兵士達は昨日一日の契約だけだったみたいね。ま、この辺はプラスになる情報っと。)
その中でも、保田が特に気になったのが首輪システムである。
やはりコンピュータで管理されているらしく、一応防御システムもあるみたいなのだが、
外からの攻撃にはあまり強くないみたいである。
(まあ、外から攻撃されるなんて思ってもみないでしょうけど。ここを突かない手はないわね。)
保田は首輪のシステムに侵入するつもりである。そこからどうするかはまだ未定だ。
とりあえず今は、ネット上に置いてある自分のデータをダウンロードしているところである。
(やっぱりデータが大きいと時間がかかるわね。)

235 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/28(日) 22:36
「プープー」その時、FOODのトランシーバーから呼び出し音が鳴った。
(そういえば、交渉が成功したら連絡するって裕ちゃんが言ってっけ。)保田は思い出す。
「保田です。裕ちゃん、どう? うまくいった?」相手が中澤だと思いそのつもりで呼び出しに答えた。が、
「こちら前田です。SALTの前田です。中澤さんのトランシーバーを借りました。
 交渉は決裂しました。それで、中澤さんは…………亡くなりました。」
「へ?」保田は突然すぎて前田の言ったことが理解できなかった。
そして、トランシーバーの向こうから流れる中澤が撃たれた経緯を、
どこか映画かドラマのストーリーを聞くがごとく、現実と認めることができずに、他人事のように聞いていた。
「そういったわけで、AIRには十分気をつけてください。
 あと、これからそちらへ中澤さんの遺品を届けたいと思います。それでは。」通信は終了した。

しばらく現実を認められずに、トランシーバーを握りしめながら、ぼーっとしていた保田だが、
はっと気がつくと、みんなのいる第一会議室(最初にみんなが寝かされていた場所)に走っていく。
中には、亀井・田中、そして目覚めた後藤がいる。どうやら朝食の話をしていたようだ。
「みんな、大変よ!」
3人とも慌てて入ってきた保田をみてびっくりする。「圭ちゃん、どうしたの?」後藤が心配する。
そこで、保田はさっき前田から聞かされた話を3人に話す。
「中澤さんが…、本当なんですか?」3人とも信じられないようだ。そこへ…

236 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/28(日) 22:37
「みんな、大変よ!」顔色を変えた里田とみうなが会議室に入ってくる。
「へ? どうしたの?」ちょっと前の自分とほとんど同じ行動の里田に保田は面食らう。
「中澤さんが亡くなったと、石川さんから連絡がありました。」里田は報告する。
「それ、私のところにも前田さんから連絡があったよ。石川が松浦を撃とうとして
 あっちゃんがそれに気付いて飛びついたんだけど、狙いが外れて裕ちゃんに当たったって。」
保田は後藤たちにした話を里田にする。
「え? あたしの聞いた話だと、稲葉さんが突然中澤さんを撃って、そのあと石川さんに体当たりして、
 松浦さんが大声をあげてミカさん達が駆け寄ったらいつのまにか石川が松浦を撃とうとしたことになっていた
 と聞きましたよ。つまり、石川さんは稲葉さんと前田さんと松浦さんの罠に嵌って言ってました。
 それで、あたしに『急いで戻ってきて。』と言ってきました。」

237 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/28(日) 22:38
「みんな、大変よ!」顔色を変えた里田とみうなが会議室に入ってくる。
「へ? どうしたの?」ちょっと前の自分とほとんど同じ行動の里田に保田は面食らう。
「中澤さんが亡くなったと、石川さんから連絡がありました。」里田は報告する。
「それ、私のところにも前田さんから連絡があったよ。石川が松浦を撃とうとして
 あっちゃんがそれに気付いて飛びついたんだけど、狙いが外れて裕ちゃんに当たったって。」
保田は後藤たちにした話を里田にする。
「え? あたしの聞いた話だと、稲葉さんが突然中澤さんを撃って、そのあと石川さんに体当たりして、
 松浦さんが大声をあげてミカさん達が駆け寄ったらいつのまにか石川が松浦を撃とうとしたことになっていた
 と聞きましたよ。つまり、石川さんは稲葉さんと前田さんと松浦さんの罠に嵌って言ってました。
 それで、あたしに『急いで戻ってきて。』と言ってきました。」

238 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/28(日) 22:39
「なにそれ? 随分情報が違っているわね…。
 とりあえず、その辺の検討はあとでするとして、里田さんは戻ったほうがいいわね。
 後藤、そしてみうなちゃん。里田さんを送り届けて。一人じゃ危ないし。」
「いえ、一人でも大丈夫ですよ。」
「何が起きるか分かりませんし、あさみさんが亡くなって、まいさんまで死んじゃったら私…。」
みうながあさみの死を放送で聞いた時の事を思い出したのか、少し目が潤ませ里田を説得する。
「わかったわ。それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます。」 
「じゃあ、圭ちゃん、行って来るね。」
後藤・里田・みうなは倉庫へと向った。

(石川が松浦を撃とうとしたせいで裕ちゃんが死んだというSALT。
 そして、石川を嵌めるためにはじめっからあっちゃんが撃ったというAIR。
 共通するのは裕ちゃんの死。…わけわかんないわ。)
保田は混乱していた。

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239 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/28(日) 22:39
すいません。236と237かぶっちゃいました。

240 :名無し娘。:2003/12/30(火) 16:38
>>239
ドンマイです。
いつもありがとう

241 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/30(火) 20:52
SALT TEAM'S PHASE──

SALTは別荘に戻ると、中澤を安倍の横に埋め、遺品を保管すると別荘の2階でFOODに連絡を入れた。
「ふう。」保田に連絡を入れた前田は一息ついた。「これでFOODは大丈夫ですね。稲葉さん。」
「ところがそうもいかないと思う。」横に居る稲葉はそう言った。
「どういうことですか?」松浦が聞く。現在ここにいるのは3人。加護と小川は1階で朝食の準備をしている。
「多分、AIRの里田がまだ集会所にいるから、石川から里田に連絡が行っていると思う、
 だからFOODのもとには、中澤の死に関して2つの理由が存在していることになる。
 …だから混乱はさせることはできても、一方的に石川のせいにでできていないんじゃないかな。」
稲葉は状況を分析する。そんな稲葉を見て、仲間にしてよかったと前田は心の底から思っていた。

                   *            *

242 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/30(火) 20:54
時はSALTが稲葉・高橋・大谷のいる倉庫に来た前日に戻る。
高橋が加護・小川とともに港に行き、松浦が姿を消したあとは、前田と2人きりになった。
前田は開口一番「単刀直入に言います。稲葉さん、SALTに来ませんか?」と稲葉を誘った。
「へ?」と驚く稲葉に前田は、本当はAIRと仲直りする気はなく、むしろ安倍を殺したAIRを滅したい事、
どうせ戻っても芸能界でもマイナー路線を行くくらいなら、状況次第でゲームに乗ってもいい事、
それには人生経験豊富な稲葉がSALTには必要な事を説いた。
「それはAIR全員の意見なの?」稲葉は聞く。
「いえ、加護と小川にはこの話はしてませんが、賛成はしてくれないでしょう。松浦はゲームの件には了解したようです。
 といっても理由は私と違って、こんなところじゃ死ねないというのが理由らしいですが。」前田が答える。

243 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/01(木) 18:21
稲葉は考える。AIRで自分が浮き気味な事、現リーダーである石川の資質。
少なくとも自分がAIRにいても役に立つとも思えない。だが、目の前には自分を必要としてくれる人がいる。
「──わかった。私も居場所はAIRではないと思っていたところだった。」稲葉は了解した。
「ありがとうございます。稲葉さんだったらいい返事をもらえると思ってました。」
「それはいいんだが、チーム変更ってどうやるの?」
「それは、」というと前田はナップザックからバトロワのルールが書かれたプリントを出し、
何枚かめくって稲葉に示す。そこには「第13条、所属チームの変更について。」と書いてあった。
稲葉はその後に続くルールを読んだ。
「こんなルールがあったとはね。ルールブックなんてぺらぺらとしか見なかったよ。」
「人数的には過半数なので、私と松浦で問題ないと思いますが、
 一応みんなに納得してもらうために、稲葉さんがうちに入る動機付けを作っておきたいと思います。
 とりあえず、石川さんを連れて明朝6時過ぎ、放送が終わってからぐらいがいいですね、
 島の中央部の丘に来てください。理由は『同盟を組むから』がいいでしょう。
 2対2で話し合いという条件も付け加えて置いてください。人数が多いと面倒ですから。」

244 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/01(木) 18:22
「うん、わかった。」
「それで、それでその場で銃を空にでも1発放って、それから石川さんにわざとぶつかってください。
 …でも、これはダミーです。状況的には、石川が私を撃とうとして、
 稲葉が取り付いて狙いが外れたということになってます。
 その時に松浦が大声を上げますので他のメンバーも来るでしょう。そうしたら、
 『石川さん、なんで同盟を結ぼうという時に騙まし討ちで前田を撃とうとしたの?』とキレて下さい。
 …まあ、もちろん嘘ですが、私も松浦も『石川が騙まし討ちしようとした』と声を合わせて押し切ります。
 それで、『騙まし討ちをする石川のいるAIRにはいられない』という名目でうちに入れるわけです。
 これから加護と小川も納得してくれるかと。」
「ふんふん。」(まあ、名目なんていらない気もするけど、まあいいや。)
「とりあえず私の、SALTのトランシーバーを置いておきます。何か連絡があれば聞かせてください。」
その時、港のほうで誰かが騒いでいるのに気がついた。
「何か外から声が聞こえない?」

                   *            *

245 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/04(日) 12:40
石川達が到着し、中澤が仲裁役を引き受けた事を知った稲葉は、他メンバーの目を盗んでSALTと連絡を取る。
「もしもし、こちら稲葉です。」
「はい。松浦です。前田さんはちょっと手が離せないみたいで。前田さんから状況は聞いてます。」
トランシーバーの向こうは松浦のようだ。
「わかった。ちょっと報告が。どうやら明日の集まりに裕ちゃんが仲介として来るみたい。
 で、作戦を変更と思って連絡を。前は空砲の予定だったけど、実際に裕ちゃんを撃つことにした。
 そして、その罪も石川に被せる。」
「…………………。大丈夫ですか?」向こうで息を呑む音がする。
「いくらみんなが声を揃えても裕ちゃんはごまかせないから。」
「…………………。わかりました。あ、これは前田さんと決めたことなんですけど、
 石川さんは前田さんを撃とうとしたわけじゃなくて、松浦を撃とうとしたことにしてもらえませんか? 
 そっちの方がインパクトあるので。」
「……うん。(まあ、どっちでもいいや。)」
「時間は、そうですね、6時過ぎのままでいいと思います。人数も2対2のままで。」
「じゃあ、時間は変わらずに。こっちは2人のままでいいわけね。わかった。それじゃ明日。」
「はい。また明日。」通信は終了した。

                   *            *

246 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/04(日) 12:41
一方、加護と小川は5人分のおにぎりを作っていた。
「加護さん?」「何?」「小川の話を聞いてもらえますか?」「いいけど、どしたの?」
小川は手を休めて話し始める。
「稲葉さん、うちに来たじゃないですか。」「そだね。あんなシステムがあるなんて思わなかったね。」
「それです。あのシステムってどこのチームでも有効じゃないですか。」「うんうん。」
「だから、WATERチームでも有効ってことですよね。」「そうなんじゃないの。」
「だから、加護さんと小川、2人でWATERに入れないかなあと思って。」
「へ? う〜ん。」加護は腕を組みしばらく考える。
「そっか。加護達もWATERの半分以上に賛成してもらえればWATERに入れるんだ。」
「そうです。あさみさんと村田さんには悪いですけど、ちょうど2人いませんし、
 おそらく賛成してくれると思います。」
「お〜、そだね。いいね、それ〜。まこっちゃん頭いい〜。」
「えへへ。」小川は照れる。「それで後でタイミング見計らって学校へ行きましょう。」
「前田さん達はどうするの? 正直に言うの?」
「そこが迷っているところなんですよね〜。多分素直に行かせてはくれないんで、
 メモだけ残して行っちゃおうかと思ってますけどね。」
「ま、その辺はタイミング次第でいいんじゃないの? とりあえずおにぎり作っちゃおうよ。」
「そうですね。」2人は再びおにぎりを作り始めた。

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247 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/06(火) 23:30
AIR TEAM'S PHASE──

一方、倉庫に戻ってきていたAIRチームは、里田に急いで戻るように伝えると、
石川が、ミカと高橋に先程の丘でのできごとの説明をしていた。
「じゃあ、いつの間にか石川サンのせいになってたわけですか。」
それまでじっと石川の話を黙って聞いていたミカが口を開いた。
「そうなのよ。ホント、わけわかんない。」
「とりあえず、稲葉さんが戻ってきたら聞いてみましょうよ。」高橋が提案する。
「そうね。…それにしても稲葉さん戻ってこないわね。」石川がまだ少し怒っているようだ。
「ワタシの考えが正しければ、稲葉さんは戻ってこないでしょう。」ミカが衝撃の発言をする。
「なんで?」「どうしてですか?」石川と高橋は同時に理由を尋ねる。

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