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( `▽´)<なんなのなによ!

1 :名無し娘。:2003/10/19(日) 02:23
(O^〜^)<梨華ちゃんって色黒いよね〜

( `▽´)<なんなのなによ!

(O^〜^)♪<まあそこがいいんだけどね〜

Σ(; ^▽^)

(#´▽`)´〜`0)

64 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/03/21(日) 08:43

【DD刑事、西へ  終わり】

65 :名無し娘。:2004/03/21(日) 22:20
こんな小説期待してやる!

66 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/03/28(日) 08:25

【第三話  DD刑事、東へ】

67 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/03/28(日) 08:26

深夜バスに乗るなんて貧乏人のすることだよね。間違いないよね4時間前のミスターDD。
なんでこうなっちゃったんだろうね、昨日に戻りたい。
別に学校でテスト受けてたわけじゃないんだけどね。あは。


ロリコン署長には手続きに手間取ってとか適当にウソぶっこく。ウソはDDの始まりイエイ。
縁起でもないのかな。バスジャック犯とバスで相席なんてさ。
演技でもないのかな。バスジャック犯はバスで大人しくしてるけどさ。
一応警戒。仁王怖い。山王強すぎだぴょん。
深津キャプテンはぴょ〜ん星人ヲタなんだ!間違いないだぴょん!!


「ねーねー、なんてバスジャックなんかしたの?」
「DDさん・・・・・声でかいっす」


ざわつく車内。さんづけされたビビる俺だが他の乗客はそれどころじゃない様子。
まーまーそう慌てんなって。そわそわ一般ピーポーエヴリバディイエイ。
目立つうちわをたくさんぶらさげていますが、こう見えても私一応刑事ですから。

68 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/03/28(日) 08:26

「安心してください。我々は刑事ですから」


そうそう俺達刑事ですから。リピートアフターミーイエイ。
そうそう、そうやって警察手帳もちゃんとみんなに見せれば。安心安心。
・・・・・ってそこのお前誰だよ!
見た見た?関西で会得してきた乗り突っ込み。ダメ?あっそう。


「な、DD」
「あれ?もしかしてこのバス名古屋にも止まるの?」
「そういうこと。これで鬼に金棒だな、DD」
「冗談は五木ひろしだけにしてくださいよ、先輩。堀内孝雄までは面倒みきれないっす」
「あ、猛虎さんじゃないですか。お久しぶりです!」
「おうおうおう。元気そうじゃん、森内君」

69 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/03/28(日) 08:26

急に顔に生気が戻る森内君。地獄で仏とはまさにこのこと?
一度は猛虎先輩に捕まってるのにねえ。
捕まった記憶よりも逃がしてくれた記憶の方が強く残っているとは
チャーミー石川ばりにポジティブシンキングの意味を取り違えているね森内君。


それはさておき最近燻っていた猛虎先輩の顔まで輝いているのはなんでだろうね。
思いたくない。信じたくない。それがナゴヤ球場のなせる奇跡だとは。
疑惑が確信に変わった瞬間にナゴヤ球場に戻りたくなった俺はDD。
忘れ去られたオリメンだって役に立たない名目上のリーダーだって大好きさイエイ!


ガタンゴトンと揺れるバス。俺の右隣はバスジャック。俺の左隣は取り逃がし界の界王神。
絶対起きる。何かが起きる。ラブストーリーは突然に。出会ったのは偶然なの?
だから取り逃がしさえも偶然なの。いや、今度取り逃がす時は必然。
ずっとそばにいたいけど、ねえ仕方ないのね・・・・・
って仕方ないことあるかい!ダメ?あっそう。

70 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/03/28(日) 08:27

「動くな!動くと撃つぞてめえら!!」


非番中というのに、ご丁寧にも拳銃および手錠所持の界王神。
奪われてから人質となるまでの一連の動きには全く無駄というものがない。
生きる伝説の取り逃がしっぷりに不覚にも見惚れていた俺は、
気がつけば憐れにもコップホルダーと手錠で連結。
これが漫画だったら恋人未満の幼馴染と風呂やトイレで大騒ぎ、といったところなのにねえ。


「おい!運転手!」
「は・・・はい・・・・」
「次で高速から降りろ!人気のないところまで走れ!」
「わかりました・・・・」


高速を降りられるとちょっとやっかいだ。
追跡するのはモーニング娘。から降りた保田圭を追いかけるよりも難しくなる。
俺は素早くコップホルダーを引きちぎる。意外と簡単なことは意外と知られていない。
子供の手が抜けなくなる事故が多いためにかなりゆるい作りになっているんですよ奥さん。
伊東家の食卓もびっくりのこの豆知識って何へえ?もらえる粗品はバスローブかなイエイ。

71 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/03/28(日) 08:28

「グハッ」と俺の蹴りをもろに受けてありがちな呻き声を上げながら
高速に転がり落ちバックミラーから消えていく憐れな伝説の男を尻目に
俺はバスジャック犯と対峙する。退治しちゃうぜイエイ。


ビビルなDD。恐れるなDD。使い慣れていない人間にとって拳銃は、
アウェイのトーク番組における石川梨華と同じくらい使いにくいはずだ。
あ、ちょっと怖いかも。暴発しないでね梨華ちゃん。


「氏ねこのやろうーーーーー」と絶叫する
バスジャック歴二回取り逃がされ歴二回の森内君だが
守り神とも言える界王神を失った動揺は隠せない。
童謡はどうよう?突如うずきだす生乾きの市井の傷跡イエイ。
手際よく拳銃を叩き落としみぞおちにストレート一発よっしゃ一閃。
ストレイツィオ容赦せん。


あらららら。あっけなく崩れ落ちる意外と弱い森内君。これじゃ俺には一生勝てない。
俺がさくらでお前がおとめ。さくら満開。大の大人がこころのブスにはなっちゃダメだよ?
などと決め台詞を言う前に俺の内ポケットで鳴り響くでっかい宇宙に愛があるイエイ。

72 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/03/28(日) 08:30

「あら?生きてた先輩?」
「ひでーよDD。誤爆かよ!」
「・・・・・・まあ、そいうことにしときましょう」
「とりあえずそこで待ってろ!緊急車両ですぐ追いつくから」


ま、色々世話になった先輩だ。トレカをたくさんもらったこともあった。
犯人逮捕のためとはいえバスから蹴落とした俺も悪かった。
緊急車両で東京まで帰るってのも無理な話だろう。
いくら取り逃がしの達人とはいえ一日に同じヤツを二回逃がすこともないだろう。
待ってあげたい理由はたくさんある。


「運転手さん」
「はい?」
「フルスピードで東京まで!」


待てない理由は一つで十分。あと三時間以内に自宅に帰らねば。
新幹線で帰る予定だった俺は今日のハロモニの録画予約をしてなかったからね。

73 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/03/28(日) 08:31

【DD刑事、東へ  終わり】

74 :名無し娘。:2004/04/03(土) 08:32

ああ。

日本のどこかに。

私を待ってる人がいる。

75 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/03(土) 08:33

【第四話  DD刑事の尋問】

76 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/03(土) 08:34

むさ苦しい男が二人。机をはさんで向き合う狭い部屋には煙草の臭い。
二人ははぼ初対面、そしてマジヲタとUFAばりの超超超超敵対関係。
もっと微妙な雰囲気でいきましょうよ。せめてなっちとかおりんくらい。


「深浦ぁ、サクッと白状しちまいなよ。お前がやったんだろ?」
「知らないね。ていうかお前誰だよ。偉そうに」

「DD。誰でも大好きと書いてDDだ」
「ケッ。DDだかC-C-Bだか知ら」

「待て!てめえC-C-Bがココナッツボーイの略だと知ってて言っ」
「あ?知らねーよバカ。何がココナッツだよ。ケッ」

「『何がココナッツだよ』だあ!?てめえにダニエルの、レフアの気持ちがわかんのか!!」
「知るか!誰だよダニエルって!Romantic止めて胸を苦しくさせたろか!!」

「止められるもんなら止めてみろや!恋の花咲く浮かれモードをよ!!」
「おいコラ!狭い部屋で回るな!踊るな!キモイんだよ!」

「こっちはキモイのが仕事なんだよ!!」
「取調べだろ!仕事はよ!さっさと済ませろや能無しが!」

「じゃあサクッと白状しろよ。お前がやったんだろ?」
「知らないね。ていうかお前誰だよ。偉そうに」

77 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/03(土) 08:34

深浦君はヒゲだけじゃなくてキャラも濃いね。フル参戦後並みに疲れた俺はDD。
間違いなく5℃は上がった部屋の温度。取調べ音頭でドドンがドン。
ドンドンドンとノックもなく突然開かれた扉。入ってくるさらに暑苦しい男が一人。

「DDクン。なかなかてこずっているみたいですね」
「ハラさん・・・・・お口にケチャップついてますよ」

高貴な言葉遣いとウラハラに暑苦しいことこの上ない150kgの巨漢。
ハラが出てるからハラさん。ビールバラなら薔薇さんか?別の意味で妖しいぜイエイ。
190cmの巨体を窮屈そうに屈めて椅子に収まる浅草橋署きってのデブ専刑事。
アンドレ・ザ・ジャイアントが「動く山脈」なら
ハラさんは「動く吉澤ひとみ」くらいは言ってもいいかもしれないね。

「ほお。深浦君は事務所荒らしをしてくれたわけですか・・・・・・」
「知らないね。ていうかお前誰だよ。偉そうに」
「私はハラというものだ。デリバリピザはいつもLかMかで迷う」
「ウソつけ!このデブ!」

78 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/03(土) 08:35

挑発する容疑者を目を細めて見つめる「人間凶器」ならぬ「人間吉澤ひとみ」。
深浦君はデブにデブと言うことの危険性を計算して言ったのだろうが
この男にとってデブという言葉は褒め言葉以外の何物でもない。

「君はこういう言葉を知っているか」
「弁護士呼んでくれ」

「DDクン」
「ハイ」

「君はこういう言葉を知っているか」
「おい、コラ。話逸らすんじゃねーよ!デブ!」

「汝の敵を愛せよ」
「キリスト教ですね」

「誰でも大好きの異名をとる君ならわかってくれると思う」
「犯罪者は愛せませんよ。誰でも愛せるのはハラさんの方じゃないですか?」

「いや、DD刑事の君にならできる。私には・・・・・私には・・・・・」
「ハラさん?」

「今の後藤真希は細すぎる」

79 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/03(土) 08:36

冗談タイムは終了した模様で、事務所荒らしクンに対して
まるで補導した非行少年を諭す少年課の刑事のように接するハラさん。
「吐かせたらハラ」という異名はてっきり過食症のことかと思っていましたよイエイ。
まるで高橋愛のように最初の威勢がなくなった深浦君。盛り返したハラさんはコンコンですか?
コンコンコンと律儀なノックとともに開かれた扉。入ってくるやけに涼しげな男が一人。

「どうも。私は弁護士の青野というものです」
「あ、どうも。浅草橋署のDDというものです。好きなモーニ」

「依頼人と二人にしていただけますか?」
「わかりました」

ハロープロジェクトとは無縁の人生を歩んでいる確率100%の
弁護士さんの事務的な笑顔と流麗な口調に嫌な汗をかく俺はDD。
モーヲタと犯罪者以外の人間と話したのはいったいいつ以来だろうか。
「汝の敵を愛せよ」か。犯罪者を愛する弁護士くらいなら愛せそうな気はするけどね。
犯罪者を愛する刑事なんて押尾を愛する安倍ヲタくらいありえなくない?

「DDクン。お疲れ様です。私達の仕事はここまでのようですね」
「お疲れっす。なんとかなりそうですね。助かりましたよ」
「愛あらば IT'S ALL RIGHT!。取調べは愛ですよ」
「愛ですか。俺には無理っすよ。そして多分ハラさんにも・・・・・」
「そうだな。私には・・・・・・」
「そう、ハラさんには・・・・・・」

「今の高橋愛は細すぎる」

80 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/03(土) 08:36

【DD刑事の尋問  終わり】

81 :名無し娘。:2004/04/11(日) 08:27

私待つわ

いつまで待つわ

たとえあなたが振り向いてくれなくても

82 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/11(日) 08:31

【第五話  DD刑事の追跡】

83 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/11(日) 08:32

仕事帰りのうらぶれた30男(モーヲタ)の落ち着く先はキョンビニ。
別に内緒じゃないんだけどね。晩飯でも買って・・・・・あれ?
バタンバタンバタンと夜のキョンビニには不似合いな騒々しい音。
飛び出してくるフリーター風の男。今週中にはバイトを決めたい?そりゃドタバタするわな。


「ご、強盗だーーー!!」
「ご、強盗だーーー!!」


まるでWのようにハモっているのかいないのかよくわからない二人の店員。
俺の頭の中に流れる恋のバカンスの切ないメロディイエイ。
だがそれも藤本美貴のソロ活動のようにほんの一瞬。
恋もバカンスも無縁の俺の人生。まさにWの悲劇。んぁ。


走り出す俺とピタクリ君の距離は10メートル。
迅速にお仕事モードに切り替わるのはDD刑事の悲しい性イエイ。

84 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/11(日) 08:32

走り去るフリーター風の男を見て見ぬ振りをする通行人の皆様。
追いかける特攻服のDDに好奇の視線を浴びせる通行人の皆様。
イメージで「ヲタクな人」にキャラ設定されちゃったぜイエイ。


肩で風を切り切り走る犯罪者クン。
別に大威張りしているわけじゃないんだけどね。
やっぱり難しいね日本語は。役不足オーケー?


まるで中澤裕子から逃げていった婚期のごとく
急速に離れていく犯罪者クンとの距離は20メートル。
本気を出さねば追いつけないと判断した俺は、「大の大人」本スレで
アンチを叩くのを断腸の思いで中断し、携帯のiモードを終了する。ふぉーふぉー。

85 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/11(日) 08:33

「ガシャーン!」と二期プッチがブッ潰れたときのような
派手な音とともにヤツは自転車置き場になだれ込み、
通りすがりのババア(中澤裕子のことではない)から自転車を強奪する。


俺も負けずに「ガシャーン!」と二期タンがブッ潰れたときのような
派手な音を立てて通りすがりのジジイから自転車を強奪する。
倒れた死にかけのジジイに律儀に黄色いサイリュームを振る俺はDD。


気がつけばヤツとの距離は15メートル。
君の特等席は野球部が練習してる学校のグラウンドじゃないからね。
「へ〜、今度裁判があるんだ。うん、見に行くね。ははは。最終弁論がんばってね」
吉澤と小川のように急速に接近する二人の距離は5メートル。

86 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/11(日) 08:33

ついに並走するところまで追いついた俺は
ヤツ(名前は何なんだよお前)に飛びつく。これが本当のフライングゲット。
DAKIWAKAREることなくしっかりとヤツ(だから誰だよお前)を捕捉。


「放せよ!おい!誰だよてめえ!」
「私は・・・・DD・・・・ハァハァ・・・・好きなモー・・・ハァハァ」
「何だよてめえ!ハァハァハァハァ、キショイんだよ!」
「ハァハァ・・・・キショイのが・・・しごご・・」


てめえの方が誰なんだよと反論することも出来ずに
噛み噛みになりつつ犯人に自己紹介する俺は悲しい30過ぎ。
最近ちょっと運動不足気味だったとはいえ情けない。


はあ。
ねえモーヲタの神様。もっともっと持久力を下さいな。
目には見えない力を、ちょうだ〜い!


今日の私、なまってるスか?

87 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/11(日) 08:34

【DD刑事の追跡  終わり】

88 :名無し娘。:2004/04/18(日) 08:25

逢いたくて恋しくて 

泣きたくなる夜

そばにいて少しでも 

話を聞いて

89 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/18(日) 08:28

【第六話  DD刑事の狙撃】

90 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/18(日) 08:28

深く深くため息を一つ。大きく二つ深呼吸。フーフー。
このロッカーを開ける時はいつも心臓が早鐘のように鳴る。
別に矢口が入ってるわけじゃないのにね。


「おーい、行くぞDD。準備はできたか?」
「ゴアさん・・・・・・・」
「い・そ・が・な・きゃー、間にあわん DAY!」
「得意なことよりも・・・・・好きなことがいいっす」


この目は―たとえ二階席からでもやすすのホクロが見えるため。
この手は―たとえハワイまで行こうともあややと握手するため。
ゲスな犯罪者の頭を弾くためのもんじゃないはずだ。だだ。
もちもん断ろうと思えば断れたのだが、
夏の妙な雰囲気でついうなずいちゃった俺はDD。


この仕事が終わった後でも、俺は誰でも大好きなんて言う資格があるのだろうか。

91 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/18(日) 08:29

今度は誰が卒業するんだよ?ってなくらい重苦しい車内。
俺に狙撃のドレミ・・・・・じゃなかった狙撃の1・2・3・・・・・あれ?
じゃなかった狙撃のイロハを教えてくれたのは他ならぬゴアさん。
狙撃者の憂鬱は狙撃者にも理解不能な心の怪物。
俺に何も言わずにハンドルを操るゴアさんはかつての名スナイパー。


「ターゲットは?」
「21歳。身長165cm。体型・急杉田かな。茶髪」
「ポイントは?」
「4階のビルの屋上。ターゲットから約250m。晴れ」
「通り雨のちスキ?」
「天気予報はあてにならんよ」
「女の子の気まぐれはよりは予知できるでしょ」


いつものように軽口を叩き合っても表情は冴えない。
ゴアさんの目も心なしか空ろだ。鬱ロダ?今ならいくらでも画像をうpできますよ。
目の病気をしてからゴアさんはこの仕事を下りた。
なっちからやすすにうつされたのはものもらいだが、
ゴアさんから俺にうつされたのは、目の病気ではなくてやっかいなこの仕事。


ケースの中で静かにその時を待つ、もう一人の俺。

92 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/18(日) 08:29

なんのトラブルもなくパラッとポイントに到着。
覚醒剤の売買なんかして、良い子の私にバイバイしてた
ターゲット君は捜査官を振り切って人質を盾に立て篭もっているらしい。
英会話スクール。入ったきり。いけてないぜ。


ケースからバラッとライフルを取り出す。重い。
まるで高橋が一人ではしゃいでいる時の空気みたいに重い。
スコープを覗き込む俺はちょっとしたタシーロ気分を味わう。届けこの想い!
室内は昨日行った娘。のコンサートのように人がまばら。
ご丁寧に黒いシートまでかぶせてあって笑える。あははははははははははは。失礼。


「タイムリミットは16:00だそうだ」
「結構待つんですね」
「ギリギリまで突入の機会は狙うからな」
「今すぐ入れば?」
「無理だ。失敗するのは確実」
「コーラを飲んだらゲップが出るってくらいに?」
「次のシングルが10万枚を割り込むってくらいに」


何事にも初めてということはある。俺は犯人射殺の経験は一度もない。

93 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/18(日) 08:30

16時。その時はやってきた。後藤真希卒業の瞬間のようにあっけなく。
鏡を見るまでもなく自分の顔が強張るのがわかる。笑えDD。
笑え笑え笑え笑え笑え 笑顔のパワー!ヘイ!パワー!
吉澤ひとみの全盛期を思い出してテンションを上げる俺はDD。


スコープにターゲットをロックオン。カタカナばっかり。頑張れ日本語。
ここで俺が引き金を引けば、たとえセクシービームをもってしても
彼の人生のホームページを更新することはできなくなっちゃうんですよ遺影。
いつでも撃つぜ撃っちゃうぜ。うぜうぜうぜー議論厨。
レディース、アンド、ジェントルマン!ミニモニ。射殺フェスティバール!
いっちゃえーーーーーーーーーーーーーー。


「突入!」


おやおやなんと刺激少ない方をお選びですか?
イヤホンから聞こえてきた必要最小限の単語による命令。
「いのち」の「きまり」と書いて命令。深いね日本語。役不足オーケー?
スコープに映る喧騒。揉み合う機動隊と犯人。揉み合う?あらやだいやらしい。
あっという間に捕まる犯人。時間にして辻のソロパートくらい。

94 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/18(日) 08:32

そそくさと撤収を始める狙撃班。こんなに人がいたなんて知らなかったよ。
そんなことよりとにかく喉が渇いた俺は手に取ったペットボトルにがっつく。
グホグホグホッ。DDとはいえさすがにモニフラ一気飲みはキツイ。
この仕事もなあ。フラダンス味くらい甘ければ俺の人生もっと楽なのにね。


「DD、お疲れサマー」
「別に疲れてナイトタウン」
「笑え。DD」
「は?」
「笑えよ」
「何言ってんすか?」
「刑事の仕事、好きなんだろ」
「・・・・・・・」


射殺するか否かの刹那。笑ってる場合でもナイトタウン。
いくら笑顔のパワーが欲しいといってもとても笑えそうにナイトタウン。
どんな笑顔見せても心の中が読まれそうだしね。
大人ぶった下手な笑顔じゃ心かくせない。
わかっているんでしょ、ゴアさん。
刑事の仕事なんてさ!


大キライ!大キライ!大キライ!大スキ!

95 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/18(日) 08:32

【DD刑事の狙撃  終わり】

96 :名無し娘。:2004/04/24(土) 07:06

長い間

待たせてごめん

また急に仕事が入った

97 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/24(土) 07:23

【第七話  炎のDD刑事】

98 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/24(土) 07:23

愛ちゃんの大好きなタオルの色に燃え上がる
炎炎炎炎炎炎炎炎炎炎炎炎炎炎炎炎炎炎炎炎炎。
並んだ炎の漢字から開演前のカーテンを連想するおれは現場系DD。


ふぎゃああああああと悲鳴を上げて転がるトルエン売人の名は屋敷。
屋敷君のお屋敷はモーニング娘。の収支会計のごとく真っ赤に炎上。
なーんて冗談言ってる場合ではないよね。あちちちち。
場に合うと書いて場合。上手いね日本語。役不足オーケー?


泳がせていた売人の根城をつかむまでは良かった。花丸100点薬丸マーケットイエイ。
失敗したのは相棒の人選。大人しいだけのヤツと思っていた面食いの後輩ロッキー君。
まるでうたばんで突如推しを受けた新加入メンバーのごとく舞い上がって拳銃乱射。
初めての現場とはいえ配属されてからもう一年以上経つんだけどねえ。


「せせせせせせんパイ!火が!拳銃がファイアーが!」
「バカが!トルエンがゴロゴロしてる所で撃つヤツがあるか!」
「うわああああん・・・ゴロ・・ゴロッキーズがあああああ」
「いいかげん、終わった番組思い出して泣くのはやめろよ・・・・・」

99 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/24(土) 07:25

パニクってる新米刑事とベタベタ漫才をやってる暇はない。あんまりない。あちちち。
燃え上がるマンション。屋敷から逃げ出す屋敷。どうするDD。
「任務は遂行する」。「部下も守る」。
「両方」やらなくっちゃあならないってのが「DD刑事」のつらいところだな。
覚悟はいいか?ちょっと待ってよブチャラティ。ハイ!


「おい!ロッキー!」
「ああ!うまくできません!まっすぐに打ち明けて平気ですか先輩!」
「屋敷を追え!辻AAにつきまとうマスオのごとく!」
「え?お魚くわえたドラネコを追っかける裸足のサザエさんのごとくですか?」
「なんでもいいいいいいいいいけえええええええええなりかずき!!」


大丈夫きっと大丈夫。ロッキー君の特技は軽犯罪者並の病的なストーキング。
あいつの拳銃もつんくの作詞作曲能力ばりにとっくに弾切れみたいだし、
殺しはしないだろ。しないよ。ビューティーを紡ぐよ。嘘つけコラ。
そして俺は119番通報。もじもじしている暇はない。自信もって電話していいですか?

100 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/24(土) 07:26

パリンパリンと熱波で割れる窓ガラス。悪ガラスよっすぃー。やらせろよー。
加護亜依のごとくもくもくと膨れ上がる煙。三倍どころの騒ぎじゃないぜイエイ。
消防車もまだ来ない。はしご車もまだ来ない。走り出せない消火のブギートレイン。


とりあえず、ほうほうの体でモーニング娘。から逃げ出したなっちのごとく
住民をマンションから避難させる俺は博愛主義者のDD。
とりあえず。とりあえず。とりあえずだらけなモーヲタの人生とUFAの方針。


「こら入るな!見りゃわかんだろ!火事なんだよ!」
「そんな・・・・娘・・・娘が部屋に!!」
「何階の何号室だ!」
「7階の728号室です!」
「そこで待ってろ!動くな!」


「娘」という単語に必要以上に弱い俺は真性のDD。
母親はどう見ても40前。Aコースか?それともBコースか?
娘は磨けば光る金のエッグかもねと邪念がよぎるそんな俺も成人男子のDD。
卵ならコンガリ焼いた方が美味しいかもと不謹慎なことを考える俺は誰だよイエイ。

101 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/24(土) 07:26

七階に着く頃にはもうマンションは我が物顔で闊歩する煙の館。
ケッ。新参が。突然ASAYAN時代の殺伐感を語りたくなる俺は古参のDD。
目を閉じても入ってくる煙。涙で何も見えない。何も。
加護の肥大化も小川の劣化も。だから何も見えないんだって。ホントだよお。
こんなに涙を流したのは市井が結婚発表した時以来か。あの時は死ぬほど笑った。


それでも勘で開けた扉はビンゴ!728!この数字には何か浅からぬ因縁があるのかもね。
火の手はこの部屋にまで達している。時間がない。うたばん寸前。録画オーケー?
煙の中で蠢く物体。あれがエッグか。意外とデカイ。俺と即席デカモニ結成イエイ。


抱きとめる俺。抱かれるエッグ。煙でよくわかんないけど中学生くらいか?
泣きじゃくるエッグ。エッグエッグエッグ。そういうオーディションなのか?
自己紹介する暇も惜しんで駆け出す。好きなモーニング娘。のメンバーはまた今度ね。


右煙左煙前煙後煙。完全にパニックになってる今日三人目の人間。
一人目は新米ストーカー刑事。二人目は金の卵見込みインザスモーク。
そして三人目は炎に行く手を阻まれた憐れなDD刑事。パニックトリオの生存率は三分の一?
どこまでいっても割り切れない小数点以下の3と辻加護卒業に対する俺の気持ち。
燃え盛る炎の回廊。もはや煙は平坦な灰色の背景。パリンパリンと割れる窓ガラスのダンス。

102 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/24(土) 07:29

「おおおおい!大丈夫か!」


割れた窓ガラスの向こうから現れたのは夏男ばりの銀の衣装に身を包んだ消防士。
(念の為に言っておくが、消防士とは小学生レベルのカキコをする坊主のことではない)
大丈夫きっと大丈夫。と軽口を叩く気力もない俺はエッグを男に預ける。
チラリと見えたエッグの横顔は美人だがオーディションには世界で一番向いていない感じ。
一言でいえば・・・・・・・平家さん似。以上。


はしご車から鈴木あみの人気のように転がり落ちていく俺。
復活するのは亜美の自由だけどね。飛んで火にいる夏の亜美イエイ。
煤だらけになりながら救助員に抱えられる俺の目に映る人影が二つ。
遠くから近づいてくるそれは多分パニック刑事ロッキーとトルエンバイヤー屋敷。


「せんぱあああああい。真っ黒だあ。梨華ちゃんのコスプレ?」
「意外と早かったな。最初からそうやれよ。バカが」
「ああ、でももう下火ですね。なんとかあゆみの人気みたいに。ははははは」
「あのなあ。あのマンションに火をつけたのは誰なんだよ?」
「チャンスはいつもミスの後にやってくるんです。だから逮捕できたんですよ。ね」


全焼した高級マンション(略さないでください)をバックにのほほんとのたまう後輩。
まったく仕事にならん。
新人の成長は―――まるで各駅停車。
急に、ドカンって、進まない!

103 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/04/24(土) 07:29

【炎のDD刑事  終わり】

104 :名無し娘。:2004/05/01(土) 06:54

そのドアを力いっぱい

しめれば済む事さ

いつまで少女で

いる気なのさ

105 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/01(土) 06:55

【第八話  DD刑事と死体とハガキ】

106 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/01(土) 06:56

あうあうあ。すげえ臭い。思わず俺はハガキの束で臭気を扇ぐ。
ヨーグルトからキノコが生えていたとしても全く不思議ではない散らかった部屋。
毎日洗っているようには見えないジャージを着ている下膨れの死体。
改めて自己紹介しよう。俺はDD刑事。アンチ安倍ではないので念の為。


「この件とは全く関係ない話なんだがDDクン」
「なんすかハラさん」
「来月、娘の結婚式がありましてね」
「え。知らなかったっすよ。おめでとうございます」


結婚記者会見のようにパシャパシャと光るフラッシュ。
そのフレームが捕らえているのはもちろんこの部屋の主役・変死体なんだけどね。
捕らえる前に消えちゃったねフレーム君と田中さんを慰めたくなる俺はDD。


ハラさんの娘さん。えーっと確かまだ若干二十歳くらい。アイムクライ。
「わかせん」なんて読んだらふるさとのマザーから涙が溢れちゃう単語、若干オーケー?
安倍さんが二十歳の頃って何してたっけなあ。略してピンチラピンチランナー?
なるほど。ハラさんの娘さんもひょっとしてプレステインザルームイエイ。

107 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/01(土) 06:56

うちらの与太話も聞かずに熱心に指紋をふき取る鑑識のみなさん。
浅草橋署に配属になったら「化学くん」と呼ばれること間違いなし。
その回収した唾液からDNAを経て個人情報を解析するわけですか。
逆に個人情報から梨華ちゃんの唾液は作れないかと妄想する俺はDD以下の変態刑事。


「娘の相手なんですがね」
「はあ」

「証券会社に勤める・・・・・・・」
「!」

「釣りが趣味の・・・・・・・」
「おお!!」

「・・・・・・・久保さんだそうです」
「ええ〜〜」

「背は低い方らしいんですけどねえ」
「『久保』じゃ意味ないっすよね。優しい人でも」


心なしかハラさんの巨体も今日は小さく見える。
ハラさんも「何だ君は!」とか怒鳴ったりしていたんでしょうか。
かける言葉がない俺はパチンと部屋のテレビをつける。
日曜日は午前11時半。ハロプロ信者が礼拝を始める聖なる時間。
一瞬にして生気が戻るハラさんは花嫁の父親である前に一匹のモーヲタ刑事。

108 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/01(土) 06:57

死体よりも三度の飯とハロモニが大好きなハラサンは
検死が終わったことを鑑識に確認すると足でゴロゴロと死体を部屋の隅へ追いやる。
飛び散る脳漿だかリンパ液だかよくわからない色の液体。
あまりの狼藉に超不安な顔する鑑識の皆さん。
「何がしたい?」とか聞かないのは、浅草橋署の人間が
話せばビックリするようなことしか言わないのを知っているからでしょうか。


「なんだ。よりによってキッズのライブですか」
「可愛いじゃないすか。俺は好きですよ。キッズ」
「やれやれ。私はDDにはなれそうにありませんな」
「じゃあ6期はどうですか?いい感じじゃないですか」
「まだまだですよ。吉澤はおろか小川の域にすら達していない」


テレビを見ていると角度的にどうしても目に入ってしまう変死体君。
ちょいと粋なステップで踊りそうなちょいと生意気な青年だね。
目を逸らして俺はハガキに住所を書き出す。詳しい捜査開始まであと30分待ってくれ。
日曜の昼に死ぬなんて後藤と同時に発表された保田の卒業発表並に間が悪いぜイエイ。

109 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/01(土) 06:58

「DD君・・・・・君は結婚しないのかね」
「女一人だませない真面目な男ですから」
「おいおい。まるでうちの娘がだまされてるみたいじゃないか」
「ははははは。似たようなもんすよ。昔の加護と辻くらい」
「失礼な。吉澤ひとみと神取忍くらい全然似てないぞ」
「ははははは。全ていつか納得できますよ」


本当は恋愛なんて深く考えるのが面倒なだけ。
真面目に話す価値のある話題なんてごっちんの処女議論くらい。
DDにはDDのやりかたがある。DDのやりかたしかない。


まるで卒業などしなかったかのようにハロモニに出演している安倍なちみ。
まるで結婚なとしなかったかのように父親に甘える娘だっているかもしれない。
まるで石川が喋りだしたときのように下がる俺とハラさんのテンション。
こういうときは物にでも当たるのが一番いいんだが、
部屋の隅で転がっているあれは物に分類してもいいんでしょうか清水キャプテン。


誕生日の高橋愛のようにいつまでも放置しておくわけにもいくまい。
ハロモニもエンディングが流れ出したしそろそろお仕事始めますか。


それにしてもあのカメラ、何枚ハガキを出しても当たらないなあ。

110 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/01(土) 06:58

【DD刑事と死体とハガキ  終わり】

111 :名無し娘。:2004/05/01(土) 11:47
GW

112 :名無し娘。:2004/05/01(土) 15:21
>>111
baka

113 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 06:36

君のくちびるが

さようならと動くことが

こわくて下をむいてた

114 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 06:37

【第九話  DD刑事の聞き込み】

115 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 06:39

「被害者の名前は藤井。前科2犯」
「鈍器のような物で後頭部を一撃。即死のようです」
「部屋はかなり荒らされていました」
「密造拳銃は一丁も見つかりませんでした」
「部屋の状況から見てあそこで製造していたのはほぼ間違いありません」
「用心深い男です。顔見知りの犯行の可能性が高いのでは」


踊る捜査会議をよそにドンキーのような高等部?、とか考える俺はDD。
藤井と関係のある三人の男の写真を前に議論する刑事達。
念の為に言っておくが、別にみんなフォークソングを嫌っているわけではない。
真剣なまなざしはオーディションの最終選考を連想させる。
トミーのCMに出演済みなんていう中途半端なコネはここじゃ一切通用しないぜイエイ。


最後の一人に選ばれた栄光のロックボーカリストは丸山という男。
殺人の前科アリ。みっちゃんみたいにいい子じゃないことは確かだね。
無償で拳銃ゲットのためにムショ仲間をボブサップばりに撲殺ですか。
素朴な疑問。殺人犯ってなんで人を殺すんだろう。
殺人もそれなりの理由もありまっしょい。それなりに答えはあるでっしょい。


俺にもその答を理解できるの日が来るのだろうか。

116 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 06:40

犯人逮捕以外の仕事ならそこそこ優秀な猛虎さんと組んで
別に恋の花なんか咲いていない丸山の地元の駅を聞き込み開始。
丸山は悟られないようにメモを受け取ったり、
最後まで読んだメモは破って捨てるような慎重な性格。なんだってさ。伝聞イエイ。
捜査員全員一緒にミラコーを起こさないと足取りを掴むのは難しい。


聞き込み開始から一週間。冨樫は今週も休載。荒木も同じ病気。なんだってさ。伝染イエイ。
丸山がある組織とZYXばりの即席ユニットを組んで
何かデカイ仕事の準備しているという情報が捜査本部に入る。
ソースは貼れないがBUBKA並に信頼できる事情通からというからまず間違いない。


「丸山は他人と組んで仕事をするタイプじゃない」
「そうですね。でも案外すんなりグループにとけ込めたりして」
「ミキティじゃあるまいし」
「やっぱりソロコンサートがしたいのかなあ」
「百年早い。安倍さんがソロコンサートに至るまでは・・・・・・・・・・・」


猛虎さんが安倍なつみを語り出すと長いんだよね。
他メンなんか目じゃないし。恋は盲目子犬のワルツ塩分控えめプレステ厳禁。

117 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 06:40

悪い予感ほどよく当たる。
常に最悪の状況の斜め上をいくUFAの方針は別として。
どうやら丸山は組織を裏切ったようだ。再び消える丸山の足取り。
まさか忘れた頃に身内とできちゃった結婚発表!
とかはしてくれないだろうから俺達は捜査を続けなければならない。ふう。


藤井が殺されてから一ヶ月。
ハラさんの娘さんは無事久保君とゴールイン。
二人の人生はもう始まっている。コングラチュレーション!


俺はロッキーと組んで秋葉原を散策。趣味じゃないよ。DDだけど。
丸山は悪名高い爆弾魔。英語で書くとボマー。冨樫は今週も休載。ざけんなコラ。
おっさんの俺には何がなんだかわからん部品だらけの店内。
最新系たって何じゃこりゃ何じゃこりゃ。
はしゃぐロッキー。最近のストーカーはこういうのが好きなのか。


「先輩、丸山は最近ここには来ていませんね」
「断言すんなよ」
「すぐわかるんですよ。そういうのは」
「ところでさ、何でどの店でもお前は知り合いがいるの?」
「ホントホント。世間は狭いですねえ」


狭いのはお前の世界なんじゃないのという言葉を飲み込む俺はDD。
他人の生き方に干渉できるほど立派な人生を歩んではいない俺はモーヲタ。
立派な人生を歩んでいても、やっぱり他人の人生には干渉しちゃいけないけどね。

118 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 06:41

平日夜11時を過ぎても途切れない人の波。
わらわらとハロコンのバックダンサー達のように遊覧する夜型人間の群れ。
まだまだこれからがナイトオブトーキョーシティだぜイエイ。


車に戻るなり待っていたかのように鳴り出す警察無線。
出るのを一瞬ためらう俺。
秋葉原中の人間に盗聴されているような気がするのは
石川梨華様ばりの独りよがりな妄想なんでしょうか。


「DDか。上野に建設中のビルに向かえ」
「上野?署からも近いじゃないですか」
「他の連中もすぐに行かす。急げ」
「何があったんですか?」
「丸山らしき男が目撃された」
「了解」


建設中とは名ばかりのコンクリートの廃墟。
トップの無茶な方針で行き詰っているのはUFAだけじゃないみたいだね。
管理事務所に灯る明かり。なんだ。人がいるじゃん。
不安そうな顔。この人が目撃者らしい。
何かが足りないと思っていても、
俺は不安なんかにならない魔法はかけてあげられないんだけどね。

119 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 06:42

「いようDD。早かったな」
「ゴアさん。ハラさんも。この中に丸山が?」
「多分な。一応写真で確認した」
「ここ、電気は点かないんですか?」
「すいません・・・・・そこまで配線工事が進んでいなくて」


申し訳なさそうに謝る管理人にとりあえずここの地図をリクエスト。
俺とロッキーにゴアさんとハラさんを加えた四人で即席捜査会議。
電気は点かない。相手はおそらく拳銃所持。外に通じる出口はここだけ。
もうすぐ始まるちゃんちゃかチャーミー。そうなると答は一つ。


「とりあえず出口は押さえておいて・・・・・」
「本格的な捜査は夜が明けてからにしますか」
「あ、署長には僕が連絡しておきます」
「ついでにラジオも持ってきてくれ」
「了解!」


ラジオを聞きながらふと思う。殺人犯丸山のことを。
殺したいから殺す。ヤツはそういうタイプの人間らしい。またまた伝聞イエイ。
そんなタイプの人間も孤独は寂しいの? 笑ったなら楽しいの?
夜が明ければ俺はヤツを逮捕する。それがDD刑事の任務。
誰でも大好き刑事。仕事だって大好きさ。ヤツを好きになることはないだろうけど。
ヤツを逮捕したら、なっちのようなとびきりの笑顔のかわりにこう言ってやろう。


君のロジックは完全に間違っている、と。

120 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 06:43

【DD刑事の聞き込み  終わり】

121 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 22:56

心の奥にしまい忘れた

大切な箱

ひらくときは



122 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 22:57

【最終話  さよならDD刑事】

123 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 22:59

最初は何が何だかよくわからなかった。
おいおいチャーミーの歌声って爆風みたいだな、とか思ってしまった俺はDD。
石川をこよなく愛するゴアさんがまず気づく。年の功より推しの好。
轟く轟音は爆ぜて弾けるプラスチック爆弾?


「丸山だ!ハラさんこっち!DDとロッキーは裏から上に回れ!」
「DD!ヤツは銃も持っているはずだ!見つけたら迷わず撃て!」
「ラジャー!行くぞロッキー!」
「先輩!懐中電灯は?いらないんすか?」


再び轟音。巻き上がる爆風。どうやら丸山に気づかれたらしい。
砂塵と夜闇に紛れて逃げるつもりか。どこに?ロスへ?音楽の勉強?嘘つけ!
エレベーター。危険だ。危険すぎる。罠の可能性大。
たとえ辻加護がコスプレで迎えてくれても乗るわけにはいかない。
その行き先はMUSIXライブ会場ではなくて多分爆発天国爆死地獄。


吹き抜けの階段。見晴らし良すぎ、と思う間もなく響く銃声。
どこ狙ってるんだバーカと東京フレンドパークの一視聴者状態になる俺。
ところがどっこいおがどっこい。
後ろから聞こえてくる呻き声で俺は突然ふと我に返る。
我に返る?俺は我を忘れていたのか。流れる嫌な汗はケメコ汁ならぬDD汁。

124 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:00

「へへへ。華やかな色に染まっちまいましたね。俺の胸」
「バッカ野郎が。懐中電灯なんかつけやがって」
「救急車・・・・・・ダメか。この傷じゃ」
「喋るなバカ。それはスイスの国旗だ」
「先輩・・・・・・せ」
「なんだ?・・・・・ロッキー?おいロッキー!?」


轟音はいつしか消えMステでの後列メン達のような沈黙が辺りを支配する。
空っぽの俺の耳に響く遠い銃声。今度はゴアさん達とやりあっているのだろうか。
俺は必死に今の状況を整理しようとするが小川の錠前開けのように上手くいかない。
真っ赤を通り越してドス黒く染まったロッキーの胸を見つめる。
バカ野郎が。真金色ってのはそんな色じゃねえだろ?


俺がもう少し早く後ろの懐中電灯に気づいていれば。
俺がもう少し早くこのポイントの危険性にきづいていれば。
何年刑事やってんだ。何年狙撃やってんだ。暴走する俺の思考回路。
一人でする後悔って信じらんないほどまじやばいっす。


べっとりと手に染み付いたロッキーの血を胸にこすりつける。
これが真金色っていうならそれでもかまわない。
上等だ。ヤツの胸もこの色に―――華やかな色に染めてやるぜ。
響く今日三回目の爆音。ヤツの爆弾なんかじゃない。
それは俺の頭の中で鳴り出したPAINT IT GOLDの聴き慣れたイントロ。

125 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:01


そんなに深く考えるの


面倒だったから


恋とかまじめに語るヤツ


が 信じられなくて
 

126 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:01

吹き抜けの階段をやりすごし俺は一旦屋外に出る。

ビルの側面に配置されている非常階段を駆け上がる。

だってお下がりばっかりなんていやだ。

緊張感で汗ばむ。DD刑事の見せ場じゃん

そうさ俺はDD刑事さ。こんな時でもDD刑事さ。

127 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:02


いつからだろか あいつのこと


ずっと考えてる


髪をくしゃくしゃにしたくなる


位 変な気持ち
 

128 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:03

廊下に倒れている巨大な肉塊を目にし、3度下がる俺の体温。

落としたスイカのように真金色に染まっているのはハラさんの後頭部。

俺はヤツを殺さなければならないのだろうか。

一生後悔するつもりかい?楽勝ゼロ敗自分次算。

そうさ俺はヤツを殺す。一瞬も躊躇することなく。多分。

129 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:04


私流の生き方を


否定された


気分になるよな


感じ
 

130 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:04

砂利まみれの廊下を音を立てずに走るのは難しい。

ヤツはどこにいる?待っていてはダメだ。

先に見つけなければ勝算は薄い。

今の俺は幸せ来る日をキャンセル待ちするつもりなどない。

頬を撫でる生暖かい湿気。右手の奥に感じる人の気配。

131 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:05


PAINT IT GOLD


染めてあげる


華やかな色
 

132 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:05

一瞬早く気づいたのはヤツの方。ヤバイ。ヤバイヤバイ宇宙ヤバイ。

降り注ぐ銃弾の雨。物陰はほとんどない。どうするDD。

ここでチャレンジしなきゃ、いつするんだよ!

って自分に言い聞かせろってD・D!

そんなDDは偉い。もっと頑張れ。超頑張れ。

133 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:06


PAINT IT GOLD


抵抗せずに


スキになりなさい


スキになりなさい
 

134 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:07

気配を頼りに二発撃ち込む。弾ける兆弾。漆黒の闇に光る火花。

鉄骨の陰からはみ出す浅黒いヤツの笑顔。

笑顔。笑ってやがる。楽しそうだな、おい。

ハラさんの言葉を思い出す。次の瞬間には忘れる。

俺には俺のやりかたがある。俺のやりかたしかない。

135 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:07


PAINT IT GOLD


楽になるよ


私の色は
 

136 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:08

ハラさんはヤツに撃たれた。

コンビを組んでいたゴアさんの気配はない。どこにもない。

それが意味するものを考える。胸をせり上がる吐き気。

ゴアさんの言葉を思い出す。次の瞬間には忘れる。

この仕事をさみしいと感じ始めたのはいつからか。

137 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:09


PAINT IT GOLD


抵抗せずに


そばにいなさい


そばにいなさい
 

138 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:10

またまた爆発音。今日何度目か数えようとしてやめる。

角を曲がる。目の前に。至近距離で。ヤツの顔が。笑顔が。

ヤツの銃が俺を捕らえる。俺の銃がヤツを捕らえる。

前後して放たれる二つの銃弾。

俺の銃弾がヤツの頭を打ち抜く――――

いや、それよりも一瞬早くヤツの銃弾が俺の頭を――――

いや

139 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:11


HEY!


YOU SHOULD PAINT IT TO MY COLOR


LIKE IT LIKE IT LIKE IT.......
 

140 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:12

どちらが先だったかなんてどうでもいい。


大事なのは、だ。


俺はその瞬間にヤツに向かって笑うことができたかどうか。


とびきりの笑顔で


安倍なつみのような


無菌的な、人工的な、とびきりの笑顔で。
 

141 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:13


PAINT IT GOLD


抵抗せずに


そばにいなさい


そばにいなさい
 

142 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:13

【さよならDD刑事  終わり】

143 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:14
.
 

144 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:21


─┬────ヘ         ─┬────へ      
  │       \          .│       \    
  │        \         .│        \   
  │         .ヽ       ...│         ヽ 
  │         │        .│         │  
  │         /         │         /
  │        /          │        /
  │      /           .│      /
─┴────            ─┴──── 



      ─┬─┬─     │          │
        │  │    │ │     .────┼────
        │  │    │ │       .┌──┼──┐
      ─┼─┼─  │ │       .└──┼──┘
        │  │    │ │       .───┼───┐
        │  │    │ │   .─────┼───┼──
        /   .│       │       .───┼───┘
       ./    │       │          │
      /     .│     ─┘        ..─┘
 

145 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:23


                      ┌┐
                      ││
      ┌───────┘└───────┐
      │┌──────────────┐│
      └┘                      └┘
          ┌──────────┐
          └──────────┘

      ┌─────.─────.──―─―┐
      └────┐ ┌──┐ ┌────┘
                │ │    │ │
                │ │    │ │
                /  /     │ │
                /  /     | |
             ノ  ,ノ     │ │
            /  /       │ │      /\
       _/  /          │ └────′/
       \_/            └────── '′

 

146 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:24
ご愛読ありがとうございました。

147 :名無し娘。:2004/05/10(月) 20:14
最後震えちまったよ…
乙でした

148 :名無し娘。:2004/05/10(月) 21:30
めちゃおもしろかったっす
よくぞここまで新旧ハロプロネタをからめーの
しかもストーリーはきっちりまとめあげーので
お見事 GJ!
もっといろいろ言いたいけど俺なんかには役不足っす






                ・・・役不足オーケー?

149 :名無し娘。:2004/05/11(火) 19:49
スゲェ…( ゚д゚)

あまりにも圧倒的すぎて言葉にならない。乙、そしてありごとう。

150 :名無し娘。:2004/05/12(水) 21:19

第一話  DD刑事の説得        >>53-58    .3/13 (土)
第二話  DD刑事、西へ        >>60-64    .3/21 (日)
第三話  DD刑事、東へ        >>66-73    .3/28 (日)
第四話  DD刑事の尋問        >>75-80    .4/03 (土)
第五話  DD刑事の追跡        >>82-86    .4/11 (日)
第六話  DD刑事の狙撃        >>89-95    .4/18 (日)
第七話  炎のDD刑事         >>97-102    4/24 (土)
第八話  DD刑事と死体とハガキ   >>105-110   5/01 (土)
第九話  DD刑事の聞き込み     >>114-120   5/09 (日)
最終話  さよならDD刑事       >>122-145   5/09 (日)

151 :名無し娘。:2004/05/20(木) 05:03
今更ながら一気読みした
なんかわからんけどありがとう

152 :名無し娘。:2004/05/28(金) 00:09
なんか荒唐無稽な面白さでしたぞ!

153 :名無し娘。:2004/06/26(土) 07:39
もう少しこのスレを見ていたい保全

154 :名無し娘。:2004/07/18(日) 15:44
熱いな

155 :名無し娘。:2004/07/21(水) 00:49
DD

156 :名無し娘。:2004/08/22(日) 12:18
まあ

157 :名無し娘。:2004/09/16(木) 03:47
こんな名小説があったのか・・・

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0ch BBS 2006-02-27