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( `▽´)<なんなのなによ!
- 122 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 22:57
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【最終話 さよならDD刑事】
- 123 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 22:59
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最初は何が何だかよくわからなかった。
おいおいチャーミーの歌声って爆風みたいだな、とか思ってしまった俺はDD。
石川をこよなく愛するゴアさんがまず気づく。年の功より推しの好。
轟く轟音は爆ぜて弾けるプラスチック爆弾?
「丸山だ!ハラさんこっち!DDとロッキーは裏から上に回れ!」
「DD!ヤツは銃も持っているはずだ!見つけたら迷わず撃て!」
「ラジャー!行くぞロッキー!」
「先輩!懐中電灯は?いらないんすか?」
再び轟音。巻き上がる爆風。どうやら丸山に気づかれたらしい。
砂塵と夜闇に紛れて逃げるつもりか。どこに?ロスへ?音楽の勉強?嘘つけ!
エレベーター。危険だ。危険すぎる。罠の可能性大。
たとえ辻加護がコスプレで迎えてくれても乗るわけにはいかない。
その行き先はMUSIXライブ会場ではなくて多分爆発天国爆死地獄。
吹き抜けの階段。見晴らし良すぎ、と思う間もなく響く銃声。
どこ狙ってるんだバーカと東京フレンドパークの一視聴者状態になる俺。
ところがどっこいおがどっこい。
後ろから聞こえてくる呻き声で俺は突然ふと我に返る。
我に返る?俺は我を忘れていたのか。流れる嫌な汗はケメコ汁ならぬDD汁。
- 124 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:00
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「へへへ。華やかな色に染まっちまいましたね。俺の胸」
「バッカ野郎が。懐中電灯なんかつけやがって」
「救急車・・・・・・ダメか。この傷じゃ」
「喋るなバカ。それはスイスの国旗だ」
「先輩・・・・・・せ」
「なんだ?・・・・・ロッキー?おいロッキー!?」
轟音はいつしか消えMステでの後列メン達のような沈黙が辺りを支配する。
空っぽの俺の耳に響く遠い銃声。今度はゴアさん達とやりあっているのだろうか。
俺は必死に今の状況を整理しようとするが小川の錠前開けのように上手くいかない。
真っ赤を通り越してドス黒く染まったロッキーの胸を見つめる。
バカ野郎が。真金色ってのはそんな色じゃねえだろ?
俺がもう少し早く後ろの懐中電灯に気づいていれば。
俺がもう少し早くこのポイントの危険性にきづいていれば。
何年刑事やってんだ。何年狙撃やってんだ。暴走する俺の思考回路。
一人でする後悔って信じらんないほどまじやばいっす。
べっとりと手に染み付いたロッキーの血を胸にこすりつける。
これが真金色っていうならそれでもかまわない。
上等だ。ヤツの胸もこの色に―――華やかな色に染めてやるぜ。
響く今日三回目の爆音。ヤツの爆弾なんかじゃない。
それは俺の頭の中で鳴り出したPAINT IT GOLDの聴き慣れたイントロ。
- 125 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:01
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そんなに深く考えるの
面倒だったから
恋とかまじめに語るヤツ
が 信じられなくて
- 126 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:01
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吹き抜けの階段をやりすごし俺は一旦屋外に出る。
ビルの側面に配置されている非常階段を駆け上がる。
だってお下がりばっかりなんていやだ。
緊張感で汗ばむ。DD刑事の見せ場じゃん
そうさ俺はDD刑事さ。こんな時でもDD刑事さ。
- 127 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:02
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いつからだろか あいつのこと
ずっと考えてる
髪をくしゃくしゃにしたくなる
位 変な気持ち
- 128 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:03
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廊下に倒れている巨大な肉塊を目にし、3度下がる俺の体温。
落としたスイカのように真金色に染まっているのはハラさんの後頭部。
俺はヤツを殺さなければならないのだろうか。
一生後悔するつもりかい?楽勝ゼロ敗自分次算。
そうさ俺はヤツを殺す。一瞬も躊躇することなく。多分。
- 129 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:04
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私流の生き方を
否定された
気分になるよな
感じ
- 130 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:04
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砂利まみれの廊下を音を立てずに走るのは難しい。
ヤツはどこにいる?待っていてはダメだ。
先に見つけなければ勝算は薄い。
今の俺は幸せ来る日をキャンセル待ちするつもりなどない。
頬を撫でる生暖かい湿気。右手の奥に感じる人の気配。
- 131 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:05
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PAINT IT GOLD
染めてあげる
華やかな色
- 132 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:05
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一瞬早く気づいたのはヤツの方。ヤバイ。ヤバイヤバイ宇宙ヤバイ。
降り注ぐ銃弾の雨。物陰はほとんどない。どうするDD。
ここでチャレンジしなきゃ、いつするんだよ!
って自分に言い聞かせろってD・D!
そんなDDは偉い。もっと頑張れ。超頑張れ。
- 133 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:06
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PAINT IT GOLD
抵抗せずに
スキになりなさい
スキになりなさい
- 134 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:07
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気配を頼りに二発撃ち込む。弾ける兆弾。漆黒の闇に光る火花。
鉄骨の陰からはみ出す浅黒いヤツの笑顔。
笑顔。笑ってやがる。楽しそうだな、おい。
ハラさんの言葉を思い出す。次の瞬間には忘れる。
俺には俺のやりかたがある。俺のやりかたしかない。
- 135 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:07
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PAINT IT GOLD
楽になるよ
私の色は
- 136 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:08
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ハラさんはヤツに撃たれた。
コンビを組んでいたゴアさんの気配はない。どこにもない。
それが意味するものを考える。胸をせり上がる吐き気。
ゴアさんの言葉を思い出す。次の瞬間には忘れる。
この仕事をさみしいと感じ始めたのはいつからか。
- 137 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:09
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PAINT IT GOLD
抵抗せずに
そばにいなさい
そばにいなさい
- 138 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:10
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またまた爆発音。今日何度目か数えようとしてやめる。
角を曲がる。目の前に。至近距離で。ヤツの顔が。笑顔が。
ヤツの銃が俺を捕らえる。俺の銃がヤツを捕らえる。
前後して放たれる二つの銃弾。
俺の銃弾がヤツの頭を打ち抜く――――
いや、それよりも一瞬早くヤツの銃弾が俺の頭を――――
いや
- 139 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:11
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HEY!
YOU SHOULD PAINT IT TO MY COLOR
LIKE IT LIKE IT LIKE IT.......
- 140 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:12
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どちらが先だったかなんてどうでもいい。
大事なのは、だ。
俺はその瞬間にヤツに向かって笑うことができたかどうか。
とびきりの笑顔で
安倍なつみのような
無菌的な、人工的な、とびきりの笑顔で。
- 141 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:13
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PAINT IT GOLD
抵抗せずに
そばにいなさい
そばにいなさい
- 142 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:13
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【さよならDD刑事 終わり】
- 143 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:14
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- 144 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:21
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- 145 :ジョセフ後藤 ◆JOJO8O9U :2004/05/09(日) 23:23
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