■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 最新50
とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜
- 99 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/09/23(火) 17:16
- 怒りを滾らせる保田から逃げるように立ち去った7AIR。
彼女らが倉庫に戻ると、そこにはとある3人の人物が待っていた。
「大谷さん、あれは斉藤さん達ですよ!」
里田まいは、さっきから下を向いている大谷に説明する。大谷はハッとして、顔を上げる。
(WATERが何の用かな?)
向こうもこっちに気付いたようだ。手を振って斉藤が微笑んだが、どこか不自然な笑顔だった。
「あら、メロンの皆さん、どうしたの?」石川が聞く。
「ん? ちょっとね。ところで……。」斉藤は一息つく。彼女は真顔になる。
「さっき、飯田さんから島の中央の丘であなたたちとSALTの間でいざこざが……
というよりあなたたちが安倍さんを撃ったと聞いたんだけど、それは本当?」
横では村田が斉藤の衣装のひじの部分を引っ張っている。「ちょっと、そんなはっきりと……。」
「ああああああああああああああああああああっ!!」突然の叫び声に稲葉は驚く。
見ると大谷が首を激しく横に振っていた。
「ちがうのちがうのちがうのちがうのちがうのちがうの……。」
「大谷さん、落ち着いて。大丈夫だから。」何が大丈夫かわからなかったが里田は大谷を落ち着かせようとした。
「ううっ、ううっ。グスッ…。」大谷は泣き始めていた。
- 100 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/09/23(火) 17:17
- とここで石川がそんな大谷を隠すように前に出る。
「ええ、それは本当よ。でもね、先にうちの新垣がSALTの卑怯な罠で殺されているの。
しかも、丘の件だって罠だったのよ。安倍さん以外のメンバーはみんな銃を持って隠れていたし。
だから、本当に悪いのはSALT。むしろ私たちは被害者ってわけ。帰って飯田さんにそう伝えて。」
しばらく斉藤と石川は喋ることなく互いに凝視していた。
斉藤は石川の発言の真偽を推し量り、石川は自分の言葉が本当であることを主張しているようだった。
30秒ほどその状態が続いただろうか、斉藤が少し表情を緩めた。
「なるほどね。わかった。とりあえず伝えとくよ。」
斉藤はそういうと、東の方に歩いていく。
その後に村田と柴田が大谷を心配そうに見ながら斉藤の後に続いていった。
───────────────────────────────────────────────────────────
- 101 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/09/25(木) 23:12
- 学校への帰り道。柴田あゆみはさっきの大谷の態度について考えていた。
しかし、どうしても悪いことばかりにしか結びつかない。
他の2人も同じ事を考えているのか、さっきから3人の間にはなんとなく重い空気が漂っていた。
そんな時、斉藤が口を開いた。
「理由はわからないけど、実際に安倍さんを撃ったのはマサオのようね。」
それの言葉に対し、隣で村田が息を飲むのがわかる。
「でも…、なんで?」柴田は理由を尋ねた。
「直接の理由はわからない。けれど、先に新垣ちゃんが罠によって殺されたのが何かしらの理由には違いないわね。
あの狼狽ぶりからすると、殺すつもりはなかったのじゃないかしら? まあこれは私の希望込みでの話だけど。」
「マサオ大丈夫かなあ?」村田が心配そうに聞く。
「たしかに心配だけど、マサオのことは今はAIRに任せておくしかないね。
……私が心配なのは、AIRは新垣ちゃんをSALTに殺され、SALTは安倍さんをAIRに殺された。
つまり、この2チームに因果関係が生まれてしまったこと。
一度産まれた憎しみは……なかなか消えないでしょうね。
一緒に脱出に協力しようと思っても、お互いに嫌がるでしょうし。
だから早いところ戻ってみんなで対策を考えようと思ってるの。急ごう。」
3人は歩みを速めるのだった。
───────────────────────────────────────────────────────────
499KB
続きを読む
掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50