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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜

93 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/09/21(日) 21:38
安倍の呼びかけに亀井が出て行きそうになったが、保田圭はそれを制した。
「まあ、そう焦らないで。」
保田の脳裏に浮かんだのは、矢口から借りたDVD「バトルロワイヤル」。
そこでは、今の安倍と同じように説得にあたった生徒2人が、ゲームに乗った生徒に銃殺されるシーンがある。
保田はそれを思い出したのだ。
そんな保田に浮かんだシーンをなぞるように、丘の方角から銃撃戦が聞こえてきた。
「保田さん、これは?」亀井が不安そうに聞いてくる。
「おそらく、あまりよくない事態のようね。」眉を顰め、保田は正直に答える。

数分後、銃声がやんだ。気のせいか、丘の方が煙っている気もする。
やがて丘の方角何かに追われるように6人の人物が逃げてきた。
「あれは、石川? ということは7AIR…。」
(おそらくは、あの銃撃戦に関係があるのは疑いもないわね。さて……。)
「亀井」
「はい?」
「私、ちょっと話を聞いてくる。大丈夫だと思うけど、万が一の場合は集会所に逃げて。
 場所はわかるわね?」
「え? それって…」
いまいち保田の発言の意図がわかっていない亀井を置いていき、保田はAIRに近づく。

94 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/09/21(日) 21:38
「石川!」保田が呼びかけると、石川はビクッとなり、慌ててシグ/ザウェルを構える。
「そんな物騒なものしまいなさいよ。久しぶりね。とはいっても、実際にはそんなには経ってはないけど、ね。」
石川は銃を下げると少し安心したような表情になった。「保田さん……。」
「……新垣は? あと、丘から銃声が聞こえたけど?」

それから石川は保田に今までのことを話した。途中でミカなり、稲葉にフォローしてもらいながら。
ふと、保田は大谷の様子がおかしいことに気付く。寒くもないのに震えているようだ。
だがしかし、今は石川の話を聞いていた。

「というとあのなっつぁんの呼びかけは罠だった。ということね?」
「ええ、他のメンバーが周りの木に隠れていて、近づいたらいきなり撃ってきました。」
「……。」
(自分達のいたところに罠を張り新垣を殺し、しかも呼びかけまでもが罠……。
 なっつぁんがそんなことをするとは思えないけど、他のメンバーが勝手にしたのかもしれないわね。
 嘘か本当か即断は禁物か。)

95 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/09/21(日) 21:39
「ですから、保田さんもSALTには気をつけてくださいね。」
「ああ、気をつけるわ。石川達はどうするの?」
「とりあえず倉庫に戻ろうと思います。保田さんは?」
「ちょっと村役場に……。じゃあ、また。」
「あ、保田さん、待ってください。」去ろうとする保田に石川は声をかける。
「何?」
「あの…、道重ちゃんは本当に殺されちゃったんですか?」
「!! え、ええ。でも何で石川が知っているの?」
「えっと、倉庫にTVがあって、映されて、ま、した…」
怒気を帯び始めた保田に圧倒され石川の語尾が弱くなる。
「……。」
「えと、で、では。」石川は逃げるようにその場を去った。
(みせしめ、というわけね。)保田は集会所での出来事を思い出し、なんともやりきれない思いになった。

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