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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜
- 414 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/06/03(木) 21:35
- 一方、歩くのにも限界が来た加護は辻に背負ってもらっていた。
「重くてごめんな。」
「…東京に戻ったら、一緒にダイエット………バナナって結構……いいらしいよ。」
辻の声がところどころで聞こえなくなってきた。おそらく出血多量によるものだろう。
「そうだね。」
自分の声も自分の頭の内部で響いていて、本当に自分が声に出したのかがわからなくなっていた。
(そろそろ限界やな。)
加護は自分の生命が尽きようとしていることを自覚していた。
(あれだけは言うとかんと。)
「なあ、のん。」
「何?」
「あんなー、前にのんがアイスがなくなったって騒いでた時があったじゃない。」
「うん、あった……誰かの……」
「あれなー、食べたの加護なんだ。なんか1つぽつんってあったから、余ってたのかなって思っちゃって食べちゃったんだ。
のんが騒いだ時も言い出せなくて……。ごめんな。」
「……あいぼんだった……、びっくり……良く言ってくれたね。」
「言わなくちゃいけないと思って。本当にごめん。……ちょっと眠くなったから眠る。」
「わかった。」
加護は辻の背中で揺られながら考えていた。
(それにしても頼もしい背中や。いつのまにこんなに大きくなったんやろ?)
- 415 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/06/03(木) 21:36
- 加護にとって辻は相方だった。はじめのころこそ、唯一の同年代の友達として仲良くしていたが、
加護がたんぽぽに入り、忙しくなるにつれあんまりプライベートで遊ばなくなった。
加護は加護で後藤たちと仲良くなり、辻は辻で飯田や安倍たちと仲良くやっていたようだ。
ミニモニにともに入り、写真集を「辻加護」として入るにつれ、
加護は辻のこと「相方」と思うようになっていた。
加護の意識がだんだん遠のいていく。目の前にあるのが背中という感触はすでになく、
何か暖かいものであった。
(でもこうして、相方の背中に背負われて終わる人生も悪くはない人生や。
のの、最後まで生き残るんやで……。)
その瞬間、辻の肩に置いてあった手から力が抜け、振動につられ、
すうっと、加護の手が辻の肩からずり落ちたのだった。
加護亜依:死亡 【SALT 3人→2人】
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