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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜
- 348 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/04/29(木) 23:23
- WATER TEAM'S PHASE──
吉澤は加護が呼びかけた時は、調理室で捜索隊の3人のための食事をつくっていた。
加護の呼びかけは聞こえなかったが、その後の誰かの足音に気がついた。
最初は気のせいだと思ったがとりあえず確認のため、保健室の中を覗くがベッドに辻はいなかった。
「辻さん? 辻希美さん?」
その時、学校の外から何やら騒がしかったので、自分の武器であるデーモンスピアとデリンジャーを持ち、校門へと向う。
外に出た吉澤が見たものは、斬鉄剣を抜いた石川と、怪我でもしたのか脇腹のあたりを押さえて蹲っている加護と、
その加護の前で両手を広げて加護を庇っている辻の姿だった。
- 349 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/04/29(木) 23:23
- 雰囲気はやばそうだというのは吉澤にはわかったが、ここはわざと呑気に、
「おーい。みんな揃って何してるんだ?」と声をかけた。
すると「「「よっすぃ〜!!」」」その場にいる3人が吉澤の名前を呼んだ。
吉澤はゆっくりと3人に近づく。
「とりあえず梨華ちゃん、そんな危ないものはしまって、辻も両手を下ろして、
ん? あいぼん、どうした? 怪我してるじゃないか。」
「うん。」と石川はとりあえず斬鉄剣をしまい、辻は両手を下ろした。
「ちょっと、よっすぃ〜聞いてよ。あいぼんとののったらね〜。」
「梨華ちゃんおかしいんだよ。あいぼんをさー。」辻と石川は2人いっぺんに話しかけてくる。
「ちょ、ちょっと2人同時に話しかけられても、理解できないって。とりあえず順番に話してよ。」
それから順を追って吉澤は3人から話を聞いた。石川の言っていることは支離滅裂で責任転嫁だということは
吉澤にはわかった。だが、石川をここで悪者にしてしまうと、
加護のように誰であろうと傷つけてしまう可能性がある。そこで…。
- 350 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/04/29(木) 23:24
- 「そりゃ、あいぼんが悪いなあ。逃げちゃだめだよ。うん。」と言うと、辻と加護が不満の表情を浮かべた。
「そうでしょ? でしょ? 私わるくないよね?」
「そうだね。でも暴力は良くないよ、梨華ちゃん。」
「よっすぃ〜。おかしいよ!!」辻は不満を口にした。
「まあまあ。梨華ちゃん、ちょっと2人を説得してくるから待ってて。」というと吉澤は辻を連れ、加護をおぶって学校の方へ歩いていく。
石川へ声が届かないところまでくると、吉澤は加護を下ろし、小声で2人に話し掛ける。
「吉澤にだって、梨華ちゃんが悪いことぐらいはわかるよ。でも、ここで吉澤まで梨華ちゃんの敵になったら、
梨華ちゃん、何をしでかすかわからないからさ。とりあえずはああいう態度を取ったんだよ。」
吉澤は先ほどの態度を2人に説明した。辻と加護は頷く。
「それでさ、とりあえず2人は反省したことにしといて、吉澤が梨華ちゃんは引き止めるから、
辻は加護を連れて保健室にいって手当てをした後、学校を離れて飯田さん達と合流するんだ。
トランシーバー使えば連絡とりあえるだろう?」
「うん」
「とりあえず、辻は吉澤と一度梨華ちゃんのところに戻って、『ごめんなさい。加護も反省しています。』って言って、
…本当はイヤだろうけどさ、なんとか我慢してよ…、それで加護を保健室に連れて行こう。」
「わかった。よっすぃ〜は?」
「そうだな。とりあえず梨華ちゃんが大人しくなったら、トランシーバーで連絡するよ。
よし、じゃあ行くよ。」というと加護を残し2人で石川の元へと戻る。
- 351 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/04/29(木) 23:24
- 辻がまず石川の前に出ると、
「梨華ちゃんの気持ちもわからず、歯向かったりしてごめんなさい。あいぼん達が悪かったです。
あいぼんも自分が悪かったと言ってます。」と頭を下げた。
石川は頷くと、「わかってくれればいいのよ。私をはめる真似をしたSALTが全て悪いんだから。」と言う。
辻は下唇を噛みながら、吉澤の顔をじっとみつめた。吉澤は「我慢して」と念じながら見つめ返した。
「じゃあ、のん達は学校に戻ります。」と言うと辻は加護を連れて校舎へと戻っていく。
「あれ? どこへ行くの?」石川は尋ねる。
「さすがにあのままにはしておけないよ。生きて償う罪もあるっていうことだよ。」答えたのは吉澤だった。
「…それもそうね。」少し考えて石川はとりあえず納得したようだ。
「ところで、お腹すかない? 朝メシには遅いし、昼メシには早いけど。おにぎりつくってるところなんだ。」
吉澤は提案した。
「そういえば、朝から何も食べていなかったっけ。じゃあ、よっすぃ〜の手作りをもらおうかな。」
「料理なんて作ったことないから、味に自信はないけどね。ま、男の手料理ということで。」
「んもぅ、よっすぃ〜女の子でしょ?」
「ん? そうだっけ? ま、とりあえずついて来てよ。」吉澤はとぼける。
2人も学校の中へと入っていった。
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