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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜
- 334 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/04/11(日) 11:32
- SALT TEAM'S PHASE──
加護は小川と分かれると、脇腹の痛みを我慢してひたすら走っていた。
とはいうものの元から足が速いほうではない加護が怪我を我慢しながらだから、
石川が追いつくのは時間の問題だと加護は思っていた。
ところがなかなか追いつく気配がない。
(もしや梨華ちゃん、まこっちゃんの方に行ってしもうたんやろか?
それならうちの読み違いや。…だったらいち早く学校に着いてWATERの人に助けてもらうだけや。)
左の脇腹に添えたハンカチが血で真っ赤になり、はっきりと血の感覚が手にも伝わってくる。
(ほんとなら、動いたらあかんやろうけど、仕方あれへん)
やがて、加護は学校に到着する。校門のところに誰かいるかと思ったが、
誰もいないようだ。加護は仕方なしに校門から中に入る。
昇降口から中に加護は呼びかける。
- 335 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/04/11(日) 11:32
- 「誰か、誰か、いませんかー?」
依然として学校はシーンとしたままだった。
「誰か、誰か、いませんかー!!」
加護はもっと声を張り上げて叫ぶ。
「ここにいるわよ。」声は加護の後ろから聞こえてきた。
「えっ」予想外の方向から聞こえてきた声に驚きながら加護は振り返る。
「梨華ちゃん!!」
石川梨華が息を切らしながら校門のところに立っていた。
「ねえ、あいぼん。いい後輩持ったわね。」たじろぐ加護に石川は近づきながら言う。
「え?」「小川のことよ。あなたと別れてから、小川は逃げずに私のところへ来たのよ。」
「!!」加護は驚く。
「それでまあいろいろ話し合ったんだけどね。結局話が通じなくてね。
それで、あの小川が銃を私に向けたのよ。信じられる?」
実際は最初に石川が斬鉄剣を抜いたからなのだが加護はそれを知らない。
- 336 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/04/11(日) 11:33
- 「……。」「でもね、私はここにいるの。これ、どういう意味だかわかる?」
石川は微笑む。それを見て加護の顔色が変わる。
「まさか、まこっちゃんを?」石川はそれには答えず微笑み続けるのみであった。
「…よくもまこっちゃんを…」「わが身を呈して先輩の為に立ち向かった小川に比べてあいぼんはさっさと逃げたと。」
(たしかに結果的にそうなってもうたけど、まこっちゃんの命を奪ったお前に言われとうない!)
「……しばくぞ。」加護はデザートイーグルを取り出す。
「あらあら、そんな物騒なものまで取り出しちゃって。おーこわ。」
というと石川は蹴りを繰り出し、それが加護のデザートイーグルを持っている右手に命中し、
加護はデザートイーグルを落とす。続けざまに蹴りが腹部を直撃し、加護は後ろに引っくり返った。
倒れた加護に対しても石川は容赦なく蹴りを入れる。
「あいぼん達がさ、私をはめる真似なんてしなかったら、こんなことにはならなかったんだよ?
ね? ね? ね?」
蹴りの一発が偶然、さっき撃たれた脇腹に入り加護に激痛が走る。「ぐっ」加護は思わず顔をしかめる。
「ここが痛いの? ね? ここが痛いの? ね?」
石川は傷口を広げるかのように脇腹に蹴りを加える。続けざまに来る激痛に加護は目を開けることが出来ない。その時、
「やめろーーーーーーーーーーー!!!」
誰かが叫びながら飛んできて石川にぶつかり、石川は跳ね飛ばされた。
目を閉じていた加護は自分の良く知った声に反応し目を開ける。
するとそこには、加護を庇うように辻が跳ね飛ばされた石川の前に立っていた。
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