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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜

33 :ゼロ ◆RO/PNu7I :2003/08/20 22:18:36
「えー、ではこれからどうするかってことなんだけど、その前に…。」
南の集会所では、保田圭が中心となって今度の方針について検討していた。
会議に参加しているメンバーば、保田、後藤真希、みうな、それに亀井絵里。
ここにいないメンバーのうちの1人、
中澤裕子は、自分の挑発によって1人の命を失ってしまったためか、「しばらく一人にさせて。」
と言って、外に出て行った。おそらく海を見ているだろう。

そしてもう1人…。
「あれ? 田中は?」
「えっと、れいなは…。」亀井がおずおずと説明しはじめた。

時は10分ほど前に戻る。石橋から鍵を受け取り、集会所の物置から武器を得て、
(ちなみに物置に入っていたのは、コルト・ガバメントがもう1丁、暗視スコープ付ブレーザーR93が2丁、
 ──暗殺でもしろっていうのかい?──
 残りは、青龍偃月刀、蛇矛、方天画戟、弩、弓などの古代中国風な武器だった。
 これも、もともと女性用なものを除くと、原寸の2/3の大きさらしい。 )
集会所の花壇の側にあったスコップで穴を掘り、道重を埋葬したあとの出来事であった。


34 :ゼロ ◆RO/PNu7I :2003/08/20 22:29:16
玄関でローラーブレードを履いている田中を発見したのは、
みんなが会議を前に冷蔵庫にあった麦茶で休憩しているときだった。
「れいな。どこいくん?」
「あ、絵里か。……さゆの仇ばとらんとね。」
「さゆの仇って。……なにか当てはあるの?」
「それは……、今から探すばい。島のどこかにヒントぐらいはあると思うとね。」
「なら、わたしを連れて行って。」
そこで田中は困った顔をした。しばらく亀井をみつめ、空白の時が過ぎる。やがて…。
「…それはできんと。」
「なんで? わたしだってさゆの仇を討ちたいよ。」
「絵里までここを抜けたら、ここには4人しかいなくなってしまうけん。
 絵里には、ここに残って中澤さん達のサポートをしてほしか。」


35 :ゼロ ◆RO/PNu7I :2003/08/20 22:30:10
再び空白の時が流れる。
「…………………うん。」かすかな言葉とともに亀井は頷いた。
「うちはきっと戻ってくるから。」
「約束だよ。」
「うん。……あの時の約束も、うちは忘れなか。」
「私も、ううん、さゆもきっと。」
「中澤さんに、うちがローラーブレードとこの『倚天の剣』と弩を持っていくって伝えといてほしか。」
「うん、わかった。」
「やあね。」田中はまるで近所のコンビニに買い物をしにいく時のように普通に入り口から出て行った。


36 :ゼロ ◆RO/PNu7I :2003/08/22 22:45:09
亀井は報告すると(あの時の約束うんぬんは言わなかったが。)一息ついた。
保田はしばらく窓の外の海に視線を移動させていたが、フッとため息をつくと自分のナップザックからトランシーバーを取り出した。
窓際へ移動しアンテナを伸ばす。
「田中ぁ、保田だけど必ず戻ってくるのよ。」
そういうと保田はトランシーバーを再びナップザックの中にしまった。
「さて、これからなんだけど、私ちょっと手に入れたい物があるの。」保田は仕切り直した。
「圭ちゃん、手に入れたいものって?」後藤が尋ねる。
「パソコン。できれば、ネットにつなぎたいところね。助けを求める…というのは無理かもしれないけど、
 せめて情報収集ぐらいはしときたいかな。……それでありそうなところなんだけど、目星はつけてあるの。
 まずは別荘。おそらくオーナーはお金持ちだろうし、もしかしたらそこにあるかな?
 じゃなければ、村役場にはあると思う。」
「こっからだとどっちも島の中央にある山の反対側ですね。でもちょっとだけ村役場の方が近いかもしれません。」
みうなは地図を確認する。
「ついでに途中にある商店をよってみるわ。後藤はここで裕ちゃんをお願い。
 亀井、一緒についてきてくれる? もしかしたら田中に会えるかもしれない。」
「わかりました。では準備します。」「うん、10分後に玄関でね。私は裕ちゃんに報告してくる。」
保田の言葉を最後に会議は幕を閉じた。

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37 :名無し娘。:2003/08/23 00:48:25
更新乙!期待させて待たせてもらうよ!

38 :ゼロ ◆RO/PNu7I :2003/08/23 23:30:30
村役場への道を前田有紀と松浦亜弥は歩いていた。
SALT5の残りの安倍なつみ、加護亜依、小川麻琴はもうすでに村役場についているのではないだろうか?
何故、2人だけ遅れているのか? それは、いざ出発する時に前田が忘れ物をしたらしく、
安倍達3人に先にいってもらうようお願いしたからである。

「あれ? ナップザックどうしたんですか?」
松浦は、前田がナップザックではなくリュックサックを背負っていることに気付いた。
「これ? 支給されたやつ、穴があいてたんで、あの家に元からあったものを貰ったのよ。……ところで。」
ここで前田は一息つく。
「もし、私たちSALT5が生き残って優勝したらどうなると思う、松浦さん?」
「え? それは豪華商品が…」
「いえ、その後よ。まあ、すごく運が良くて他のチーム同士が戦って
 私たちが何もせずに勝ち残るということがあるかもしれない。でも、そんなことはまずありえないわ。
 基本的に生き残って優勝するということは……。」
そこでまた前田は数秒の間をおいた。
「……誰かを殺すということだと思う。」
「……。」


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