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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜
- 325 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/04/03(土) 23:29
- SALT TEAM'S PHASE──
「うん。うん。わかった。じゃあ2人を助けるよ。それじゃあ。」
と言って前田は通信を切った。「何だって?」稲葉が聞いてくる。
「松浦からでした。石川が本部に向かって来たんですが、途中で矢口さんと遭遇しもめて、
結果矢口さんを刺し殺し、矢口のところへ行こうとしていた加護と小川を見つけて2人を追いかけて行ったそうです。
3人は学校方向へ向ったようで、2人を助けてくださいと。」前田は今聞いた内容を稲葉に伝えた。
「石川が、矢口さんを? ついにいくとこまでいっちまったか…。よし急ごう。」
それから2人は学校の方へと道を急ぐ。その途中で2人の前方に、横の方から何かボールのようなものがコロコロ飛び出してきた。
それが目に入る。あれ? これ、どこかで見たことがある。あれはたしかゲームが始まってすぐ私がナップザックに…。
思い出した瞬間、前田は「危ない!」と叫び、自分からわざと横向きに飛んだ。
- 326 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/04/03(土) 23:30
- 横向きに倒れた前田は、転がってきた手榴弾が弾け、煙を吐き出し、稲葉が数メートル飛ばされるのを目の当たりにした。
稲葉は仰向けに倒れる。前田からは足しか見えず稲葉の生死はわからない。
「稲葉さん?」前田は呼びかける。足がぴくりと動く。どうやら生きているようだ。
前田は安心し、立ち上がろうとする。とそこへ手榴弾の煙の中から一人の人物が両手で剣を構えて走って近づいてきた。
その横顔は誰かに殴られたのかあちこちが腫れ上がっていたが、見覚えがあった。
(あれは、たしか…EEジャンプの…ユウキとか言ったっけ?)
ユウキは、起き上がろうとした前田を見て少し驚いたようではあるが、そのまま稲葉の方へ近づく。
稲葉のそばに来て、仰向けの稲葉の上で剣を下向きに構える。「や、やめろ!」下の稲葉はわめく。
そんな稲葉の声が聞こえないかのように、ユウキはそのまま剣を稲葉の体に下ろした。
「ぐっ」稲葉の声が聞こえる。
ユウキは剣を稲葉の体から抜くとまた再び突き刺す。抜いて刺す抜いて刺す抜いて刺す…。
突き刺すユウキの表情には喜びすら浮かんでいた。
- 327 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/04/03(土) 23:31
- 前田はハッと我に返り、デザートイーグルを探すが見つからない。
周りを見るとちょっと離れた所に落ちている。どうやら突き飛ばされた時に落としたらしい。
前田は銃に飛びつくと、ユウキに向けて銃を1発撃つ。
「くそっ、こいつ!!!」
銃は命中せず、周りの空気を切り裂くのみだった。
ユウキは前田の方を見て、面倒くさそうな顔をすると血塗れたエクスカリバーを抜き身で持ったまま、
「あばよ。ハハハハハ!」と前田に高笑いをし、走って北方向に立ち去った。
「くそったれ!!」と罵りつつ前田は稲葉の元へと駆け寄る。
稲葉の体は…無残なものだった。手榴弾自体の傷は距離が少しあったせいか、たいしたことはなかったらしく、
それでも普通の社会生活に支障はきたすだろうが、
ズボンは破けて、その下の足は傷だらけでところどころ血が流れている程度だった。
しかし、ユウキによる傷は深く、体にはいくつもの剣による穴がうがかれ、
そこからいまだ血が流れ、回りの土をどす黒く染めている。
目はこれ以上ないほど見開いており、口からは一筋の血が流れている。
もちろん、息がないことは子供にだってわかる。
前田はがっくりと膝を付く。
「私が甘かった、とでもいうのかい、稲葉さん?」答えるわけはないとわかっているが、稲葉に呟いた。
稲葉貴子:死亡 【SALT 5人→4人】
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