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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜

317 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/03/22(月) 21:17
小川は、加護から離れると一旦は丘方面へと走ったが、やがて戻り石川に話し掛ける。
「石川さんっ。なんで、なんで、矢口さんを殺したんですか?」

(加護さんは自分が犠牲になることにより、わたしを逃がしてくれようとしたのかもしれない。
 でも、加護さんばっかり辛い目にはあわせない。石川さんだったら後輩には遠慮してくれる……はず……たぶん。)

「わたしが矢口さんを殺した? 何言ってるの、小川? 
 まあ、たしかに最終的にはわたしがとどめをさす形にはなったけど、
 もともとは、あなたたちSALTが石川達を罠にはめたからそうなったのよ。」
「罠にはめたって…どういうことですか?」
小川と加護は、中澤が死んだのが石川が暴走したせいだと信じている。
「やっぱりとぼけるんだ。」石川は呆れたように言った。
「とぼけるって…。罠にはまったかどうかはともかく命を奪ったのは事実じゃないですか。」
「ええ、命は奪ったわよ。でも私にそうさせたのはあなたたちだって言っているの!」
(え、開き直った…。)小川は石川の意味不明な責任転嫁に呆れて声が出なかった。
「ふん、もう言いたいことはないようね。」というと石川は腰から斬鉄剣を引き抜いた。
「さて、あの世で新垣に謝ることね。」小川にゆっくりと近づいてくる。

318 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/03/22(月) 21:51
この言葉に小川はすぐさま反応した。
(もうこの人は小川の知っている石川さんじゃない。)
あらかじめズボンの後ろのポケットに入れてあったデザートイーグルを取り出すと銃口を石川に向ける。
「!!」石川は驚愕の表情を浮かべるが、すぐさま呆れた表情になった。
「あらあら、小川がそんなことするなんて…。はぁ。」「…撃ちますよ。」
「わたし、ショックだなあ。小川が先輩を撃とうとするなんて。そんなふうに育てた覚えはないんだけどな。」
と言いつつ近づいてくる。
「くっ」(今更先輩気取りされても…)
「わたし、小川にいろいろ教えたよね? 歌はあんまり上手じゃなかったけど、ダンスとか精神的なこととか。」
石川は更に近づいてくる。
「……」(この人は石川さんじゃない。この人は石川さんじゃない…。)
石川に向けた銃身が細かく震えていた。
小川はこのとき思い出してしまっていた。加入からの石川との思い出を。
(撃てるわけ、撃てるわけない…。)小川は石川に向けていた銃口を下に下ろした。
「そうそう。それでいいのよ。」石川は満足気に頷くと斬鉄剣を横に構える。
(お母さん、お父さんごめんなさい。)死を目の前にして自然と小川の目から涙が出てきた。
ぼやけた視界の中で石川が動き、腹部に衝撃を受けて小川の意識はそこで途切れた。
途切れる少し前、「殺しはしないわよ。」という石川の声を聞いたような気がした。

                   *            *

319 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/03/24(水) 22:17
AIR TEAM'S PHASE──

石川は倒れかかる小川の体を手で支え、ゆっくり地面に寝かすと、斬鉄剣を鞘にしまう。
「みねうち…ってやつね。うまくいってよかった。」
そして意識のない小川に微笑む。
「ま、運がよければ誰かが起こしてくれるでしょう。
 自らの身を挺してあいぼんを逃がしたんだもんね。先輩思いのいい後輩だよ。
 さてと、そんな後輩を見捨てて一人逃げ出したあいぼんにお仕置きしなくちゃね。」
とつぶやくと加護の後を追いかけはじめた。
 
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