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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜
- 309 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/03/15(月) 23:39
- SALT TEAM'S PHASE──
加護と小川は、矢口と合流しようと松浦に教わった地点へと急ぐ。
やがて茂みの向こうから、何やらドサッと地面に落ちる音がした。
小川は、茂みから顔を出し、そっと音のした方を見る。
すると、石川が仰向けに寝ていて、矢口が何かを遠くへ投げているところだった。
(どうしたんだろう? いやな雰囲気だなあ。)
「あれ? やぐ…」「しっ」隣に来た加護に向けて小川は右手の人差し指を口に持って行き、
静かにというメッセージを送った。
やがて石川は立ち上がると、腰から斬鉄剣を抜き、矢口に斬りかかる。
振り向いた矢口は咄嗟に手元のナップザックからデザートイーグルを取り出し、それで斬鉄剣を受けた。
カキーン
- 310 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/03/15(月) 23:40
- 金属音と共に、矢口のデザートイーグルは斬鉄剣の勢いを消せずにはね飛ばされた。
「ちょ……って!……」
石川は今度は矢口の喉元を狙って突きを入れる。今度は矢口は防ぎきれずに刃は喉の下部に突き刺さった。
石川が斬鉄剣を引き抜くと、矢口の喉から血が飛び散りはじめた。石川の上半身が矢口の地で赤く染まっていく。
矢口は口から血を吐き出し、ゆっくりと後ろに倒れた。
「うわああああああっ」加護は目の前で行われた悲劇に対し、悲鳴を上げ尻餅をついて座り込んでしまった。
石川がゆっくりと2人のほうを向く。上半身は返り血で真っ赤に染まり、その目は何も見ていなかった。
(こ、この目は危ない。正気な人の目じゃない。)
「ああああああああああ!!!」
加護は尻餅をついたまま後ずさりし、立ち上がると一目散に逃げ始めた。
「加護さん、加護さんっ!!」小川も後を追いかける。
- 311 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/03/15(月) 23:40
- 加護は、松浦のいる別荘に戻ると玄関のドアを開けようとする。だが開かないようだ。
小川は、玄関のインターホンを連打する。「松浦さーん、松浦さーん!!!!」
すると中から、「今更、中に入れるとでも思ってるの?」という声がした。
加護は「なんでやねん…。」というと、どこかへ向けて走り始める。
「どこへ行くんですかあ?」小川もついていきながら尋ねる。
「学校や。学校にいくんや。!!」その時、パンパンパンと何発か発砲する音が当たりに響いた。
加護が何かに弾かれたように倒れる。「ぐっ…。」左の脇腹を押さえている。
「どうしたんですか?」小川は加護の脇腹を見た。脇腹からは血が流れ始めている。
どうやら撃たれたらしい。
小川が後ろを振り向くと、50mほど先に石川がデザートイーグルを構えて立っていた。
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- 312 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/03/17(水) 23:48
- AIR TEAM'S PHASE──
石川が振り向くと、尻餅を付いた加護とそんな加護を見て慌てている小川の姿があった。
(あの衣装は、SALT。)
「ああああああああああ!!!」
加護は尻餅をついたまま後ずさりし、立ち上がると一目散に逃げ始めた。
「加護さん、加護さんっ!!」小川も後を追いかけていく。
(…SALTと稲葉が私を嵌めなければ、私は矢口さんを殺さずに済んだ…。
いってみれば、SALTが矢口さんを殺したようなものだ。私はSALTを許さない…。)
石川は自分が人殺しを、しかも一昨日まで一緒に芸能活動をしていた先輩を殺してしまったことを受け止められずに、
他人に転嫁しはじめていた。逃げる2人は石川にとっては、同期や後輩ではなく自分の敵だった。
足元に落ちている矢口の(もともとは松浦の)デザートイーグルを拾うと2人を追いかける。
- 313 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/03/17(水) 23:49
- どうやら2人は別荘に戻ろうとしているようだ。
2人は玄関の扉を開けようとするが鍵が掛かっているのか開ける事ができず、諦めて逃げ出す。
その間に石川は2人との差をつめていた。
(矢口さんの敵、やぐちさんのかたき、ヤグチサンノカタキ…)
逃げようとする2人に向かって石川はデザートイーグルを構えると、トリガーを4回弾いた。
そのうちの1発が加護の脇腹に命中し、加護が崩れ落ちる。
石川はそれを確認すると、デザートイーグルをしまい斬鉄剣を抜き、2人に近づいていく。
「待ってよー、2人ともー、なんで逃げるの? やましいからでしょう。
間違ったことしていなかったら逃げるはずないもんねー。」
加護はこっちを向くと、小川に支えられて立ち上がり、2人でまた逃げ出す。
だが、2人の逃げるスピードは以前よりも落ちていた。
「どうしたの? ずいぶんゆっくりねー。まー、もともとあいぼんは足遅いもんねー。」
石川は斬鉄剣を抜いたまま、2人を追いかける。
2人はしばらく逃げていたが、やがて二手に分かれる。
(なるほどねー。どっちかは逃げ残るというわけね。さて、どっちを追いかけ…ん?)
「石川さんっ。」
見ると、一方に逃げたはずの小川が立ち止まって石川の方に呼びかけている。
「なんで、なんで、矢口さんを殺したんですか?」
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- 314 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/03/19(金) 20:38
- SALT TEAM'S PHASE──
「待ってよー、2人ともー、なんで逃げるの? やましいからでしょう。
間違ったことしていなかったら逃げるはずないもんねー。」
(梨華ちゃん言っていること無茶苦茶やな…)
加護はデザートイーグルをしまい斬鉄剣を抜いて近づいてくる石川を見ると、
小川に肩を借りて立ち上がり、2人でまた逃げ出す。
ところが怪我を負った加護は脇腹に力が入らなく、早く走れなくなっていた。
「どうしたの? ずいぶんゆっくりねー。まー、もともとあいぼんは足遅いもんねー。」
後ろから石川の声が聞こえた。
- 315 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/03/19(金) 20:38
- (このままじゃ、すぐに追いつかれてしまうな…。今の梨華ちゃんに話は通じへんやろし、……そや。)
「まこっちゃん」加護は小川に呼びかける。「なんですか?」「二手に分かれよう。」「へ?」
「このままだったら追いつかれちゃう。二手に分かれれば、相手は一人だからどっちかしか追いかけられないよ。
梨華ちゃんがどっちを追いかけるかわからないけれど、2分の1の確率だよ。」
「…わかりました。じゃあ小川は丘のほうから逃げます。…学校で会いましょう。」
「そうそう。絶対生き延びてWATERに入れてもらおうね。約束だよ。」
「はい、わかりました。ぜったい2人でWATERに入れてもらいましょう。」
というと小川は加護から離れていった。
(まこっちゃん、ごめんな。うちは多分約束守れそうにない。
おそらく梨華ちゃんは怪我している足の遅いうちの方にくるやろ。
怪我しているうちができる抵抗と言ったら大した抵抗もできへん。
でもこれでええんや。まこっちゃんが無事に学校にたどり着いてののやこんちゃんと合流できればええんや。
まこっちゃん、WATERのみんなによろしくな。)
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