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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜
- 253 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/12(月) 22:41
- 紺野あさ美は、役場近くの民家で藤本が出て行って少々不安だった。
しかも、遠くの方で銃声のような音がしたからなおさらである。
必ず味方を連れて戻ってくると思っていたがそれでも、戻ってくるまでの1分が1時間にも感じられた。
(こんなことなら無理にでも付いていったほうが良かったのかな? でも足手まといになったら困るし。)
その時、民家のドアのノブがガチャガチャと回る音がする。が、鍵がかけてあるので開くことはない。
(美貴ちゃんだ!!)とすぐにでも鍵を開けようとしたが、藤本との約束を思い出す。
(そうだ、歌…。)しばらくドアの向こうの人物が歌いだすのを待っていたが、
紺野の期待に反して、その人物が歌いだすことはなく、ドアから離れていった。
(あれ? 別の人だったのかな? それとも合言葉忘れちゃったのかな?)
今野がそんなことを思っていると、ガッシャーンと庭に面しているサッシのガラスが割られる音がした。
紺野は慌てて民家の台所に逃げ込む。
侵入者はガラスの割れたところから手を入れて鍵を開け入ってくる。
紺野の耳に、侵入者の足音が聞こえてきた。
スタスタスタスタ……
侵入者はゆっくりとだが確実に台所に近づいてくるようだ。
紺野の心臓の音がバクバクと大きくなっていく。
(がんばれ、がんばるのよ、あさ美)
紺野はコンサート前にそうやっているように、自分の胸に手を置き、
息を整えるとかつてやっていた空手を思い出しながら、
思い切って台所から飛び出し侵入者へ向けて渾身の正拳突きを繰り出した。
「ぐっ!!」侵入者は吹き飛び、居間のテーブルに背中を思いっきりぶつけ、顔を伏せて痛がった。
「イタタタタタタ…、ひどいなあ、もう。…あれ、紺野さんじゃないですか?」侵入者は顔を上げた。
ユウキだった。
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- 254 :名無しさん:2004/01/15(木) 06:36
- あぁ・・・
- 255 :名無し娘。:2004/01/16(金) 00:10
- (♂´ Д `)<HEY!YO!
- 256 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/16(金) 00:26
- EE JUMP TEAM'S PHASE──
ソニンとユウキは灯台に戻ってくると、それまで一睡もしていなかったソニンは、
(夜中はユウキが寝て、ソニンはずっと起きて、武器の使い方を調べたりしていた。)
「2時間ぐらい寝るから、見張りよろしく。」というと、座って壁にもたれながら眠ってしまった。
ユウキは最初の30分くらいはまじめに見張りをしていたが、そのうち飽きてきてしまった。
手元のレーダーの倍率を縮小したり拡大したりして遊んでみる。
すると、自分のいるところのわりと近くに、WATERのメンバーを示す青い点2つがあり、
そのうちの1つは動いてないが、1つは学校のほうへ動いていく。
つまり自分の近くに1人でいる人がいるということである。
(2人だったら、武器が優勢でもヤバいけど、相手が1人なら、女の子だし武器は有利だし問題ないな。
さっきはソニンにおいしいところばかり取られちゃって、今度は俺の出番だ。
ま、ソニンがおきるまでに戻れば問題ないっしょ。)
ユウキは立ち上がると灯台の階段を下り、扉から外に出て、鍵を閉め、レーダーを頼りに人物がいるところへ向う。
- 257 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/16(金) 00:27
- そこへは15分ぐらいで着くことができた。レーダーを確認する。当たりに人は自分と建物の中にいる人物しかいない。
まずは玄関の扉のノブを引く。ガチャガチャ。やはりというか鍵は閉められていた。
(ま、そりゃそうだよな。)
ユウキは裏に回り、庭のサッシのガラスを開けようとするがこちらも鍵がかかっている。
庭の端にあったシャベルでサッシのガラスを割る。ガッシャーンという音がした。
ユウキは慎重に割れたところから手を入れ鍵を外し靴のまま中に入った。
レーダーで、相手の位置を確認する。台所の奥にいるようだ。
(こんなことなら手榴弾でも持ってくればよかったな。)と思ったが取りあえず中に進んでいった。
(ま、ある程度進んだら呼びかけてみるか。)
ユウキはゆっくり相手の方へ進んでいく。ある程度すすんだところで台所の奥から影が飛び出した。
(へ?)
影を確認した瞬間、腹に強い衝撃をうけてユウキは後ろに吹っ飛ばされていた。
今のテーブルに背中を思いっきりぶつけて、腹と背中の痛みでしばらく動けなかった。
落ち着いたところで顔を上げる。そこには構えたままの紺野の姿があった。
「イタタタタタタ…、ひどいなあ、もう。…あれ、紺野さんじゃないですか?」
ユウキは焦って年下に敬語を使ってしまった。
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- 258 :名無しさん:2004/01/16(金) 05:46
- 俺実はユウキヲタでした
- 259 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/18(日) 00:27
- WATER TEAM'S PHASE──
「あれ? ユウキさん? ど、どうもすみません。」
紺野はよく知った人物の実の弟の登場に戸惑い、思わず正拳を見舞ってしまったことに頭を下げた。
「まあ、不用意に近づいた俺が悪いんだから。でも良かった。やっと人を見つけられて。」
「でも、こんなところで何を?」紺野の問いかけにユウキは自分の境遇を話した。
和田マネ(ユウキにとっては元だが)にだまされて連れて来られた事、ソニンと組まされてこの島に放り投げられた事、
しかしそのソニンとはぐれてしまい不安に震えながら一人彷徨っていた事、
とりあえずどこかの民家で隠れようとしていた事。(もちろん全てユウキのでまかせだが。)
この時、もしも紺野が逃げる前にアヤカから学校の襲撃者の人相などを聞いていれば相手に気を許しはしなかっただろう。
しかし、紺野にとって目の前にいるのは、敵ではなく同じ境遇の同情すべき人物だった。
紺野も自分の置かれた状況を説明する。「あ〜、こえ〜な〜、早く帰りて〜。」
少し落ち着いてユウキの周りを見てみると、懐中時計のようなものが落ちている。紺野はそれを手に取った。
紫の光点と青の光点が1つずつ見える。
- 260 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/18(日) 00:29
- 「これ、何ですか?」紺野は尋ねる。
「そ、それは、レーダーだよ。これでどのチームの人がどこにいるかわかるんだ。
それが誰かまではわからないけれど。」ユウキはちょっと焦ったように答えた。
「この青い点が紺野さん。んで紫の点が俺。んでここを押すと倍率が変わるっと。まあ、いろいろ試してみなよ。」
紺野は試しに拡大してみる。島全体が移り、各メンバーがどこにいるかわかる。「へぇ〜」思わず感心する。
とりあえず、WATERを示す点を探してみた。学校である東の端に3つある。
(良かった…。学校は無事みたい…。)
他にも探してみると、学校の南側、ちょうど集会所との中間あたりの島の淵に点が1つ。
別荘と学校の間の診療所のあたりに点が3つ。島の中央よりちょっと南に点が1つ。
全部確認したところで倍率を小さくしていく。
最小から2番目の倍率になったところで、さっきは見えなかった緑の点が少し離れたところの北に1つ現われた。
「緑の点は誰を…!?」その時、紺野は自分の腰に衝撃を感じ、床に倒れる。
同時に右の腰の当たりに激痛を感じた。右の脇腹を見てみる。
へその横の辺りがパックリと割れており、中から内臓が見える。紺野は傷口を咄嗟に隠しながらユウキの方をみると、
彼は血で汚れた西洋風の剣を両手で握りながら笑顔を浮かべていた。
「な、なんで?」紺野は思わず聞いた。
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- 261 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/19(月) 22:08
- EE JUMP TEAM'S PHASE──
レーダーを見つけられた時にはユウキは焦ったが、とりあえずレーダーに興味を持たせて何とかごまかした。
紺野はすっかりレーダーに夢中でいろんなところをいじっている。
ユウキは後手にエクスカリバーをそっと引き抜く。カチャと音がしたが紺野には気付かれなかった。
ユウキはゆっくりとエクスカリバーを前に持って行き、野球のバッターがボールを待つように右に体を捻り、
少しためて、紺野の横腹目掛けて振りぬく。
「緑の点は誰を…!?」エクスカリバーは何を喋ろうとした紺野の腰の当たりにヒットした。
剣はWATERの衣装を破り腰の肉をえぐった。
倒れこみ、何が起きたかわからずに苦しそうに横腹を押さえる紺野。
- 262 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/19(月) 22:11
- 「な、なんで?」顔を苦痛に歪めながら紺野は聞いてきた。
「わりいな。俺さ、このゲームで優勝したら芸能界復帰できるのよ。それに1人殺すごとに2000万円もらえんのよ。」
「く…。」紺野は右腹を抑えながら立ち上がり、庭の方に逃げようと進んでいく。
そんな紺野の足にユウキは自分の足を引っ掛けて転ばせ、うつぶせに倒し、背中を踏み体重を乗せ固定する。
「おいおい、人の話は最後まで聞かなくちゃって先生に教わんなかったのか?
まあいい。いいことを教えてやろう。学校襲撃したの俺らなんだよ。お前らの仲間を殺したのは俺らだ。
あと、ソニンとはぐれたって言うのは嘘。あとは本当だけど。ん?」
その時、紺野が何かぶつぶつ呟きながら泣いているのに気付いた。
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
- 263 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/19(月) 22:12
- このとき、もちろん紺野はユウキに謝ったわけではなかった。
(自分が油断したために、ユウキ達がまたたくさん人を殺してしまう。
もしかしたら呼びに行ってくれている美貴ちゃんや、他のメンバーを殺してしまう。)
とハロプロの他のメンバーに謝っていたのだった。
紺野は、赤点での娘。入りや「うたばん」での怪我などの経緯から(自分が他の人の足を引っ張る。)
ということに敏感であった。
しかし、そんなことはユウキの知ったことではなかった。
「謝ったって許すわけねーだろうが、アホ。…まあいい、女の子が苦しがって喜ぶ程俺は変態じゃないからな。」
というとエクスカリバーを下向きに持つ。
「あばよ。」ユウキはエクスカリバーを足の下の紺野の心臓目掛けて振り下ろした。
紺野あさ美(モーニング娘。):死亡 【WATER 9人→8人】
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