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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜
- 241 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/30(火) 20:52
- SALT TEAM'S PHASE──
SALTは別荘に戻ると、中澤を安倍の横に埋め、遺品を保管すると別荘の2階でFOODに連絡を入れた。
「ふう。」保田に連絡を入れた前田は一息ついた。「これでFOODは大丈夫ですね。稲葉さん。」
「ところがそうもいかないと思う。」横に居る稲葉はそう言った。
「どういうことですか?」松浦が聞く。現在ここにいるのは3人。加護と小川は1階で朝食の準備をしている。
「多分、AIRの里田がまだ集会所にいるから、石川から里田に連絡が行っていると思う、
だからFOODのもとには、中澤の死に関して2つの理由が存在していることになる。
…だから混乱はさせることはできても、一方的に石川のせいにでできていないんじゃないかな。」
稲葉は状況を分析する。そんな稲葉を見て、仲間にしてよかったと前田は心の底から思っていた。
* *
- 242 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/30(火) 20:54
- 時はSALTが稲葉・高橋・大谷のいる倉庫に来た前日に戻る。
高橋が加護・小川とともに港に行き、松浦が姿を消したあとは、前田と2人きりになった。
前田は開口一番「単刀直入に言います。稲葉さん、SALTに来ませんか?」と稲葉を誘った。
「へ?」と驚く稲葉に前田は、本当はAIRと仲直りする気はなく、むしろ安倍を殺したAIRを滅したい事、
どうせ戻っても芸能界でもマイナー路線を行くくらいなら、状況次第でゲームに乗ってもいい事、
それには人生経験豊富な稲葉がSALTには必要な事を説いた。
「それはAIR全員の意見なの?」稲葉は聞く。
「いえ、加護と小川にはこの話はしてませんが、賛成はしてくれないでしょう。松浦はゲームの件には了解したようです。
といっても理由は私と違って、こんなところじゃ死ねないというのが理由らしいですが。」前田が答える。
- 243 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/01(木) 18:21
- 稲葉は考える。AIRで自分が浮き気味な事、現リーダーである石川の資質。
少なくとも自分がAIRにいても役に立つとも思えない。だが、目の前には自分を必要としてくれる人がいる。
「──わかった。私も居場所はAIRではないと思っていたところだった。」稲葉は了解した。
「ありがとうございます。稲葉さんだったらいい返事をもらえると思ってました。」
「それはいいんだが、チーム変更ってどうやるの?」
「それは、」というと前田はナップザックからバトロワのルールが書かれたプリントを出し、
何枚かめくって稲葉に示す。そこには「第13条、所属チームの変更について。」と書いてあった。
稲葉はその後に続くルールを読んだ。
「こんなルールがあったとはね。ルールブックなんてぺらぺらとしか見なかったよ。」
「人数的には過半数なので、私と松浦で問題ないと思いますが、
一応みんなに納得してもらうために、稲葉さんがうちに入る動機付けを作っておきたいと思います。
とりあえず、石川さんを連れて明朝6時過ぎ、放送が終わってからぐらいがいいですね、
島の中央部の丘に来てください。理由は『同盟を組むから』がいいでしょう。
2対2で話し合いという条件も付け加えて置いてください。人数が多いと面倒ですから。」
- 244 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/01(木) 18:22
- 「うん、わかった。」
「それで、それでその場で銃を空にでも1発放って、それから石川さんにわざとぶつかってください。
…でも、これはダミーです。状況的には、石川が私を撃とうとして、
稲葉が取り付いて狙いが外れたということになってます。
その時に松浦が大声を上げますので他のメンバーも来るでしょう。そうしたら、
『石川さん、なんで同盟を結ぼうという時に騙まし討ちで前田を撃とうとしたの?』とキレて下さい。
…まあ、もちろん嘘ですが、私も松浦も『石川が騙まし討ちしようとした』と声を合わせて押し切ります。
それで、『騙まし討ちをする石川のいるAIRにはいられない』という名目でうちに入れるわけです。
これから加護と小川も納得してくれるかと。」
「ふんふん。」(まあ、名目なんていらない気もするけど、まあいいや。)
「とりあえず私の、SALTのトランシーバーを置いておきます。何か連絡があれば聞かせてください。」
その時、港のほうで誰かが騒いでいるのに気がついた。
「何か外から声が聞こえない?」
* *
- 245 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2004/01/04(日) 12:40
- 石川達が到着し、中澤が仲裁役を引き受けた事を知った稲葉は、他メンバーの目を盗んでSALTと連絡を取る。
「もしもし、こちら稲葉です。」
「はい。松浦です。前田さんはちょっと手が離せないみたいで。前田さんから状況は聞いてます。」
トランシーバーの向こうは松浦のようだ。
「わかった。ちょっと報告が。どうやら明日の集まりに裕ちゃんが仲介として来るみたい。
で、作戦を変更と思って連絡を。前は空砲の予定だったけど、実際に裕ちゃんを撃つことにした。
そして、その罪も石川に被せる。」
「…………………。大丈夫ですか?」向こうで息を呑む音がする。
「いくらみんなが声を揃えても裕ちゃんはごまかせないから。」
「…………………。わかりました。あ、これは前田さんと決めたことなんですけど、
石川さんは前田さんを撃とうとしたわけじゃなくて、松浦を撃とうとしたことにしてもらえませんか?
そっちの方がインパクトあるので。」
「……うん。(まあ、どっちでもいいや。)」
「時間は、そうですね、6時過ぎのままでいいと思います。人数も2対2のままで。」
「じゃあ、時間は変わらずに。こっちは2人のままでいいわけね。わかった。それじゃ明日。」
「はい。また明日。」通信は終了した。
* *
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