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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜
- 152 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/15(土) 22:56
- SALT TEAM'S PHASE──
「何か外から声が聞こえない?」
外の異変に先に気付いたのは、前田ではなくて稲葉だった。
前田が耳を澄ますとたしかに港のほうから誰かの叫び声が聞こえる。
「なんだろう? とりあえず行って見よう。」
前田は稲葉を連れ立って漁業組合の建物を出た。
最初、港に出た誰かが間違って海に落ちてしまい、他の人がそれを助けようとしているのかと思ったが…。
叫び声をよく聞くと、「大谷さ〜ん。」と言っているようだ。
(大谷さんが? 倉庫にいるって話じゃ?)
前田と大谷はスピードを上げる。やがて桟橋が見えるところまで来た。
桟橋には、加護、高橋、小川がいた。加護と小川はお互い体を寄せ合い泣いており、
高橋は四つんばいになり海をじっとみつめている。
- 153 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/15(土) 22:58
- 「どうしたの?」前田が声をかける。
泣き顔の顔を充血させた加護が顔を上げる。「前田さん…、大谷さんが、ううう。」
「どういうこと?」後ろから来た稲葉が高橋に聞く。
高橋は黙って自分の懐中電灯をONにし、海を照らす。光の輪は海に浮かぶ何かを照らした。
最初見たとき、前田はそれが何かわからなかった。白いものが何か浮いているとだけはわかった。
目を凝らし、その白いものが人型をしており、周りの海水が赤くなっており、それが血だと理解した瞬間──
「大谷さん?」前田は全てを理解した。高橋は黙って頷く。
「小康状態だったはずなのに。なんで…。」稲葉は驚愕を隠し切れないようだ。
「高橋たちが気付いたときは、もう大谷さんは海の中でした。」
高橋のその言葉を最後に、その場に聞こえる音は、加護と小川の泣き声と波の音だけになった。
そんななか、前田は港の建物の陰から松浦がそっとこっちの様子を伺っているのを発見した。
松浦は……どうやら……うっすらと笑っているように前田には見えた。
大谷雅恵:死亡 【AIR 6人→5人】
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