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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜
- 1 :ゼロ ◆5eqMCHlE :2003/08/04 22:42:31
- このスレは、2003年のシャッフルユニット+αでのバトロワ風サバイバルゲーム小説のスレです。
残酷なシーンとか出てきますので、そういうの嫌いな方は見ないほうがいいです。
それでもいいという方がいれば──
少しの間、私の拙い小説にお付き合いください。
- 129 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/16(木) 18:57
- 2人はその冷凍庫の前に立つ。扉に鍵がかかっていたらどうしようもない。
高橋は扉を開けるためについている金属製のバーに手にかけると一息つき、バーを引っ張る。
最初は力を必要としたが、それ以降はさほど苦労せず扉を開けることができた。
中からの冷たい風が2人を震わせた。「さぶっ」隣の石川が思わず呟く。
(こういう時、薄手の衣装は嫌だな…)高橋は他のチームの衣装がうらやましかった。
(そういえば、FOODは揃いのTシャツにGパンだったな。せめてあれぐらいの衣装なら…)
2人は震えながら冷凍庫に入り、手持ちの懐中電灯をオンにする。
生まれた光の輪で冷凍庫の電気のスイッチを探す。寒さに震えながら1分弱でスイッチを見つけ早速ONにする。
冷凍庫内が光で満たされた。気のせいかちょっと寒さが和らいだ気がする。
- 130 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/16(木) 18:58
- 「…ビンゴね。高橋、あれ。」
高橋が石川の指差した方向を見ると、5、6種類の魚が冷凍保存されている。
それは、金目鯛・ムツ・メダイなど、この地方で捕れる魚なのだが、高橋には何の魚だがわからなかった。
「解凍するのがちょっと大変そうですね。」高橋は心配した。
「まあ、とりあえずこの小さな魚を持っていきましょう。」
石川は、アジとイワシを人数分6匹ずつ持って来たビニール袋に入れた。
「商店で、ミカさん達が野菜やお米を見つけたらしいし、今夜は魚料理ね。」石川は心なしかウキウキしている。
だが、高橋には一つ心配事があった。
(うちのチームに魚をおろせる人いるかなあ…)
しかしその疑問も、鼻歌まで歌い始めた石川を見ると言うに言い出せなくなってしまった。
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- 131 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/22(水) 08:54
- FOOD TEAM'S PHASE──
田中と連絡のようなものを取ってから、約20分後に保田と亀井絵里は帰ってきた。
中澤の「報告を聞かせて。」の言葉に促され始まった保田の報告は、その場にいる全員を凍てつかせるには十分だった。
道重の場合は、一方的に主催者側から殺されたものであるが、
新垣の場合は過程はどうあれ他のハロプロメンバーに殺されたのである。
あまりのことに誰も喋れなかった集会所に、昼頃聞いた音楽が鳴り響いた。
ハメて〜、ウ〜ハメて〜、SOMEBADY SOMEBADY SOMEDAY SO ハメて〜
音楽はどうやら、外の古びたポールについている拡声器のようなものから聞こえているようだ。
普段は津波の情報とかを知らせるのだろう。
亀井は咄嗟に壁の時計を見る。午後6時を少し過ぎたところだった。
音楽がだんだん弱くなり、その代わりに彼女らが今一番聞きたくない男の声が聞こえてきた。
- 132 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/22(水) 08:54
- 「あ、あ、マイクテス、マイクテス。みなさん、聞こえていますでしょうか。
6時間ぶりの石橋貴明、石橋貴明でございます。え〜、早速、死亡者の発表に移りたいと思います。
まずは…、SALT5 安倍なつみ。7AIR 新垣里沙。FOOD6 道重さゆみ…は俺が殺したんだっけ。
……大丈夫かあ、6時間もやって死亡者2人だけだぞー。24時間誰も死ななかったら全員の首輪が爆発しちゃうぞー。
と言っても昨日まで普通の仲間だったからしょーがねーよなあ。
そこでだ。あと1時間後から、また1チーム参戦するぞー。こいつらはハロプロメンバーじゃないから、
お前らを容赦なく攻撃するぞー。まあ、これで24時間誰も死ななくなるということはなくなるぞ。
頑張って戦えよー。今度の放送は夜中の0時だからな。バイバイブー。」ガチャ
不快な放送はようやく収まった。放送が終わって口火を切ったのは中澤だった。
「道重と新垣は聞いてたけど、なっちも? 圭ちゃん、どういう事?」保田につめよった。
「いえ、なっつぁんが死んだって事は石川は言ってなかったです。」保田もショックを隠しきれないようだ。
「石川は死んだということを隠していたか、AIRとは別件なのか、銃撃戦で傷つき後で…なのか。
どちらにしても本人に聞くしかないわね。…あと、もう1チームって誰?」
だが、それに答えられる者はいなかった。当たり前だが。
(ハロプロメンバーじゃないらしいし。誰なんだろう。)亀井は心の中で思っていた。
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- 133 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/25(土) 00:08
- UTABAN'S PHASE──
メンバーがいる島から北東に離れること約20km。ここにも別の小さな島がある。
その島の何かの事務所だったところ。ここには現在様々な放送用機材が置かれている。
とある部屋はモニタールームであり、メンバーがいる島のあちらこちらに取り付けられた無人カメラからの映像を映している。
また別の部屋はメンバーへの定時放送のための部屋であり、石橋はここから放送していた。
石橋は放送を終え、放送室から出る。「お疲れさまでーす。」女性スタッフが声をかけてくる。
まだ若いスタッフだ。最近入ってきたらしい。他にもスタッフはここに10人程いる。
ちなみに、木梨と香取は先に旅館に泊まっている。
「石橋さん、追加チーム入りました。」さっきとは別の男性スタッフに声をかけられた。
「そうか。……中居は?」「先に向ってます。」「そうか。」
石橋は事務所を出て3名のスタッフとともに港の方に歩く。3分ぐらいで港に着く。
港にはクルーザーが泊まっていた。船の入り口には中居が待っている。
「待たせたなぁ。」「うぃーっす。」2人は船に乗り、クルーザーの寝室に入る。
- 134 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/25(土) 00:08
- そこには2人の人物が寝かされていた。
ラジカセを持っていたスタッフがPLAYのスイッチを押す。
ハメて〜、ウ〜ハメて〜、SOMEBADY SOMEBADY SOMEDAY SO ハメて〜
「うるさいなあ、なんだよー。」「何?何が起きているの?」
どうやらとりあえず二人とも起きたようだ。そんな二人を石橋は満足そうに見つめ宣言する。
「ニューチャレンジャー達よ。おはようございまーす。突然ですが、君たちにはこれから殺し合いをしてもらいまーす。
ルール等は中居君から。」
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- 135 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/26(日) 23:23
- AIR TEAM'S PHASE──
里田・石川・ミカは、FOODと同盟を結ぼうと海に沈んで行く太陽をみながら、集会所へ向っていた。
本来ならば、6人で行くはずだったのだが、どうしても大谷が移動を拒絶したため、3−3に分かれたのだ。
港から集会所へ向う道は途中までが砂浜なのだが、途中で大きな崖に当たるため商店の方によらなければならない。
しかし、まだ砂浜を歩いているところだ。
「放送で安倍サンが亡くなってしまったのがFOODにわかってしまいましたね。大丈夫でしょうか?」ミカは石川に聞く。
「あの放送はどういう状況だったのかわからないから大丈夫よ。
私たちも放送で知ったことにしましょう。流れ弾にでもあたったんでしょうって。
まあ、この辺は私に任せといて。話し合わせといてくれればいいから。」石川は歩きながら2人に話す。
「わたしは、残した3人が心配です。」今度は里田である。「大丈夫でしょうか?」
「まあ、急いで帰ってくれば問題ないわよ。SALTも夕食を作っている頃でしょう。」
「そうだといいのですが……。」
(今、普通に動けるのが稲葉さんと愛ちゃんだけ。大谷さんが復活すればいいのだけど)里田はちょっと心配だった。
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- 136 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/29(水) 00:08
- SALT TEAM'S PHASE──
WATERに拒絶されたSALTは本部である別荘に戻ってきていた。
現在は支給された食パンに別荘にあった、ジャムを塗って早めの夕食をとりながら今後の行動を決めているところであった。
小川は、放送によって新垣の死を知り、ひどく悲しんでいた。食べ物もちょっと食べたばかりで何も喋らずぼーっとしていた。
ちなみに、新垣の死の原因については、
「丘での銃撃戦か、それとも全然関係ないことか。私たちにはわからない。」
と松浦も前田も本当のことは話さなかった。
加護亜依の場合は、安倍のように2人とも直接死体を見ていなかったこともあり、安倍の時ほど落ち込んではいないように見えた。
むしろ加護がショックを受けたのは、松浦と前田から、「私たちは飯田さんに見捨てられた。」と聞かされたからだった。
「飯田さんがうちらのこと見捨てた? なんでや?」思わず関西弁が出てしまう。
(飯田さんに限ってそんなこと…。)
「理由はわからない。ちょっと私の言い方が悪かったのかもしれない。」前田は肩を落としている。
「松浦の補足も悪かったです。だからこの件についてはお互い様ということにしましょう。
それよりも…。これからどうするかですが…。倉庫に行って、直接AIRと接触するというのはどうでしょう?」
「え?」加護や小川よりも、前田の反応が一番早かった。
「接触って……。話し合うってこと?」加護には前田が何故か動揺しているように思えた。
「そうです。もともとは私たちは仲間だったんだから、向こうも話し合いに応じてくれるはずです。
だけど今度は、加護ちゃん、まこっちゃん、今度はあなたたちの協力が必要になってくると思う。
協力してもらえる?」松浦は2人に協力を要請する。
「はい。加護にできることがあれば。」「まこっちゃんは?」「わ、わたしももちろん。」
「では、食事が終ったら……そうね。7時ごろになったら出発します。それでいい?」
「「はい。」」加護と小川は元気良く答えた。
* *
- 137 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/31(金) 00:20
- 夕食が終わり、一息ついていた松浦は前田に呼ばれて2階にあがった。今度は廊下の右側にある子供用の寝室に2人は入る。
「松浦さん、話し合うって本気なの? そんなことするとは思えないし、たとえできたとしても、
新垣ちゃんのことがバレちゃうよ。」
「いえいえ、話し合うというのは、加護ちゃんとまこっちゃんを連れて行くための方便に過ぎません。
勿論、私達の目的はAIRの抹殺、ゆくゆくはゲームに生き残って無事に戻ることです。
安倍さんの復讐をする、なんていっても2人は来ないでしょう。かつての『仲間』を手にかけられるとは思えません。
しかし私と前田さんだけで行っても向こうは6人なので敵うはずもありません。残した加護ちゃんとまこっちゃんも心配です。
だから、2人を連れ出すためにああいう言い方をしたわけです。」
「なんだ、そういうこと…。よかった。」
「まあ、話し合うというのもそんなに嘘ではありませんよ。こっちが話し合いの意志を見せたけど、
AIRが全く話し合いに乗ってくれないばかりか、こちらを攻撃しようとしたのでやむなく撃ってしまった。
という事態もありえるわけです。…さて、物置の武器をまた補充しておきましょう。」
そういうと松浦は立ち上がった。
(私は、松浦亜弥。こんなところで死ねない。死んではいけない。)
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- 138 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/01(土) 22:19
- WATER TEAM'S PHASE──
WATERは全員で夕食を食べていた。ものはやきそばである。
みんなで学校の近くの民家を探したところ、見つかったのがやきそばの麺と鶏肉と人参とキャベツであり、
それでやきそばを作ったのだった。だがしかし、WATERは大所帯であり一人当たり0.7人前ぐらいしかなかった。
辻や紺野などはあきらかに足りないようだった。そんな中……
「みんな聞いて。圭織はなっちと同じようにみんなを集めてこんな馬鹿げたものから脱出したい。
これを見て。」飯田は下に置いてあった拡声器を取り出す。
「なっちはこれでみんなに呼びかけをしたの。だから圭織もなっちの意志を継ぎ、これで人を集めたい。
……でもね、やっぱり一度争ったSALTとAIRを仲直りさせるのは難しいとは思っている。
もし、このゲームを脱出できるいい方法が見つかったら、2チームとも協力してくれると思う。
みんなのなかで何かいい意見はない?」
- 139 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/01(土) 22:25
- メンバーは隣の人と話したりして、ざわざわざわつきはじめた。
「はい。」「アヤカ。」アヤカが立ち上がる。
「とりあえず、この首輪をどうにかしなければいけないと思います。さっき、斉藤さんのを見せてもらったんですが、
簡単には外れないようになっているようですし、下手すると爆発するのであまり調べられませんでした。
せめて外された首輪があればそれを調べられるのですが。」
「首輪か…。たしかにやっかいね。外された首輪は、そう簡単には手に入りそうもないわね。」
(生の状態でその辺においてあるわけないし、誰かの首を切って、そこから外すぐらいしか方法はなさそう。)
「圭織。」「ん? 矢口。」
「海に入ったら爆発しちゃうよね。だったら空から脱出っていうのはどう?」
「それは試してみないとどうとも言えないけど、それよりも何で脱出するの?」
「それは、まあ、気球とか、ハングライダーとか、飛行機とか…。」
「それはどこにあるの?」
「大金持ちの家にあったりしないかなあ、なんて。アハハハハハハ。」
(手段はともかく、空か。考えておこう。)
- 140 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/01(土) 22:25
- 「石橋か、中居を人質にとるっていうのはどうですか?」今度は藤本である。
「そうすればスタッフも私たちを脱出させないわけにはいかなくなると思いますけど。」
「その2人をこの島に呼び寄せるのはどうするの?」
「まだ具体的な方法はないんですけど、何か緊急事態になればスタッフごとこの島に来ると思います。」
「なるほど。」
(スタッフが2人を捨て駒として考えていたらダメだけどね。)
「いいらさん!」辻が手を上がる。「のの、何?」
「やきそばお代わり!」
「…………もうないよ。」
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- 141 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/05(水) 00:24
- FOOD TEAM'S PHASE──
集会所では、田中を除くFOODの5人と石川、ミカ、里田の3人が話をしていた。
「なるほどなぁ。そっちの話はわかった。つまり、なっちを撃った自覚はないが、流れ弾で傷つけてしまった可能性が高い。
そういうことなんやな。」FOOD側の代表として中澤が話を進めている。
「はい。あの時は動揺してしまって…。どっちが先に仕掛けたのかも覚えていません。気付いたときには銃撃戦になってました。
SALTはきっとわたし達のこと、憎んでいると思います。あのチームが次に狙ってくるのは私たちでしょう。
ですから、私たちを助けてもらえないでしょうか? 私たちはSALTと和解したいのです。」
「……ふむ。」
(丘の出来事についてはデータが足らないからなんとも言えないわね。
真実はわかりそうもないけど、AIRがSALTと和解するっていうことならば…。)
「ええよ。うちらの願いもここから逃げ出すことやからな。それでどないすればいい?」
「うちのメンバーで移動できない者がいるから、来て頂けたらありがたいのですが…。」
「怪我でもしてるん?」
「そういうわけではないんですが、ちょっと……。」
(SALTが安倍の敵討ちに来て、それに巻き込まれるかもしれへんし、田中も戻ってきてへん。
全員で向こう行くのはちょっと心配やな。うーん。)
「……皆がそっちに行ってしまうと、田中が戻って来た時に田中が困るだろうし、
とりあえず、うちと圭ちゃんが行くわ。それでええか?」
「「「ありがとうございます。」」」AIRの3人は安心したようにお礼を言った。
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- 142 :名無し娘。:2003/11/05(水) 01:03
- 更新速度早っ!がんばってくだされ
- 143 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/06(木) 23:44
- ??? TEAM'S PHASE──
「いやーしかし驚いたよ。俺さ、コンビニで立ち読みしてたんだよ。ヤンジャン。そしたらさ、いきなり肩たたかれてさ、
横向くと和田さんなんだよ。『よ、久しぶり。』なんていってさ、車に乗せられて。何のようかって聞いたら、
『目的地着いたら話す』って言われて、いつの間にか寝ちゃったんだけど…。んで起きたら、石橋と中居だろ?
驚いたのなんのって。」
「…………………………………………。」
「んでいきなり『戦え』だなんてびっくりしたよ。ほんとに。……でも優勝したら芸能界復帰できるなんて夢みたいだよな。
しかも、殺した人数×2000万円もらえるんだからさ。2人で山分けしても1人1000万円だぜ。うっはー。
そして、何人殺しても警察に突きつけたりしないと来たもんだ。
キャバクラの件で俺、追放されてしばらくカタギの生活してたんだけど、ダメだね。物足りない。生活に張りがない。
やっぱり俺の場所は芸能界だと思ったね。」
「…………………………………………。」
- 144 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/06(木) 23:45
- 「それで、俺らの武器のある場所はっと。あの灯台か……。船降ろされる時にもらったこの鍵で入り口を開けるっつーことか。
そいや、中居が『お前らの武器はいっぱいあるぞ』って言ってたけどさ、何があるんだろう?
やっぱり銃はあるよな。バッキューンって撃って見たいよなあ。男のロマンだな。」
「…………………………………………。」
「そうそう、お前の芸能活動も見てたけどさ、何? あの裸エプロンとかさ、前ガバッと開いた服とかさあ。
なんか必死でさ。見てて痛々しかったよ。あーでもしなきゃ売れ…」
「黙れ! お前に私の芸能活動を否定される筋合いはない。いい? 私にとってお前は今やパートナーでもなんでもないわけ。
無理矢理組まされたから仕方なくやるだけ。私は死にたくない。殺される前に殺す。ただそれだけ。」
「へいへいへい。ま、何はともあれよろしくな。」
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- 145 :名無し娘。:2003/11/07(金) 00:02
- この二人だったのか・・・
- 146 :名無し娘。:2003/11/07(金) 16:32
- 矢口、松浦と交流ある訴人と後藤の弟であるユウキ…
どんな展開になんだろ…
- 147 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/09(日) 23:51
- AIR TEAM'S PHASE──
石川達が集会所で中澤達と話している時に、高橋と稲葉は漁業組合で夕食の支度をしていた。
倉庫には調理場がなかったためである。
夕食といっても、魚とご飯だけであるが。高橋は稲葉に教わりながらアジと悪戦苦闘していた。
普段、包丁を握ったこともない高橋にとっては冷や冷やの連続だった。
ふと、調理場の窓がノックされる。高橋が窓の外を見ると、2人の人物が並んで夕暮れをバックに懐中電灯で下から光を当てていた。
「ひゃあ〜」高橋は情けない声をあげた。手放した包丁が流し台のシンクにぶつかる。
今度は、2人とも光を正面から当てる。「愛ちゃん、やっほー。」
「加護さん、まこっちゃん。びっくりしたー。」
「ん? SALT? なんでこんなところに…」横にいた稲葉も驚いたようだ。
料理の残りの工程は稲葉がやってくれるということで、稲葉の許可を得て、
高橋は加護と小川を連れて港の桟橋の方に移動した。桟橋には街頭がついており明るい。
- 148 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/09(日) 23:52
- 「夕暮れ綺麗だねー。」加護が目をきらきらさせながら感傷に浸る。
「東京じゃ見られないよねー。」小川も感動しているようだ。
「でも、本当にびっくりしたよ。2人がいきなりくるから。でもよかった。2人に会いたいと思っていたんだ。」
高橋は丘の出来事を思い出していた。といっても階段の下にいた高橋が覚えているのは銃声が鳴り響いていたことぐらいだが。
「うん。前田さんと亜弥ちゃんが仲直りしようって。加護たちの力を貸してくれって。」
「でもみんなFOODの方へ行っちゃって今は高橋と稲葉さんと大谷さんしかいないんだ。」
「ま、しょうがないよ。予告してなかったんだし。」小川が慰める。
「とりあえずきっかけが出来てよかったよかった。」加護が満足そうに頷く。
その時、ジャッポーンと何か飛び込む音が聞こえてきた。
「何? 何の音?」「何かが落ちたよね?」
そのうち、どこかで聞いたことのある電子音が聞こえてきた。
ぴ ぴ ぴ
高橋は懐中電灯を取り出し、音がどこから聞こえてくるか探す。懐中電灯の輪はやがて1人の人物の照らした。
「大谷さん!!」
* *
- 149 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/12(水) 23:23
- 「あなたは安倍さんを殺したひとごろし。」
その声は大谷自身の声かもしれないし、違う気もする。脳の中で響いているのかもしれないし、外から聞こえる気もする。
──でも、あれはしょうがなかった。怖かった撃たれるんじゃないかって
「理由なんて関係ない。あるのはあなたがひとごろしだという事実だけ。」
──…………………
「もし、みんなで無事に戻れたとしても、ひとごろしのあなたを他のメロンのメンバーはどう思うかしら?
そして、安倍さんを殺したあなたのことをモー娘。のメンバーはどう思うかしら?」
──そ、それは…
「表面的には『しょうがない』という態度に出るのでしょう。しかし心の中ではどう思うかしら?
立場を変えて見ましょうか。例えば、村田さんが誰かに殺されたとします。でも、何とか無事に元の暮らしに戻れたとします。
あなたはその人のこと、表面上は普通に接することができても、内面では憎しみなく思えますか?」
──それは、無理……
「それが普通の人の反応です。また、あなたが生き残ってもモー娘。のメンバーはそう思うことでしょう。」
──どうすれば?
「あなたは立派な社会人です。自分のしてしまったことに対する責任を取る必要があります。」
──……責任を取る……
「もし、禁止エリアの海に入れば、首輪が爆発します。それは、おそらく痛みを感じる暇もないでしょう。」
──…………………
- 150 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/12(水) 23:24
- 大谷はすっと立ち上がり、倉庫の扉に向って歩き出す。倉庫の扉を開けると綺麗な夕日が見える。
大谷はその夕日に向けて一歩ずつ歩いていき、やがて波止場に辿りつく。
目の前には、夕日を反射して赤くなっている海が見える。
──天国? ヒトゴロシなのに天国にいけるの?
大谷はためらうことなく、海に飛び込んだ。着衣のままだが、なんの支障もない。
大谷はそのまま沖の方へ泳いでいく。
ぴ ぴ ぴ
どこからか音が聞こえる。
──天国の人たちが歓迎して曲でも流しているの?
ぴ ぴ ぴ
やがて、大谷の顔に光が当てられる。「大谷さん!!」女の子の声が聞こえる。
──ああ、もうここは天国なんだ。…もう悩まなくてすむんだ。
「どうして…」「どこに…んで…か?」「早く…くだ…い!」
2、3人の女の子が大谷に向って何か叫んでいるようだ。
ぴぴぴぴぴぴぴぴぴ
──みんな、ありがとう。歓迎してくれるんだね。…まずは、安倍さんに謝らな…
パーン
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- 151 : :2003/11/14(金) 02:03
- 死んじゃった・・・
- 152 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/15(土) 22:56
- SALT TEAM'S PHASE──
「何か外から声が聞こえない?」
外の異変に先に気付いたのは、前田ではなくて稲葉だった。
前田が耳を澄ますとたしかに港のほうから誰かの叫び声が聞こえる。
「なんだろう? とりあえず行って見よう。」
前田は稲葉を連れ立って漁業組合の建物を出た。
最初、港に出た誰かが間違って海に落ちてしまい、他の人がそれを助けようとしているのかと思ったが…。
叫び声をよく聞くと、「大谷さ〜ん。」と言っているようだ。
(大谷さんが? 倉庫にいるって話じゃ?)
前田と大谷はスピードを上げる。やがて桟橋が見えるところまで来た。
桟橋には、加護、高橋、小川がいた。加護と小川はお互い体を寄せ合い泣いており、
高橋は四つんばいになり海をじっとみつめている。
- 153 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/15(土) 22:58
- 「どうしたの?」前田が声をかける。
泣き顔の顔を充血させた加護が顔を上げる。「前田さん…、大谷さんが、ううう。」
「どういうこと?」後ろから来た稲葉が高橋に聞く。
高橋は黙って自分の懐中電灯をONにし、海を照らす。光の輪は海に浮かぶ何かを照らした。
最初見たとき、前田はそれが何かわからなかった。白いものが何か浮いているとだけはわかった。
目を凝らし、その白いものが人型をしており、周りの海水が赤くなっており、それが血だと理解した瞬間──
「大谷さん?」前田は全てを理解した。高橋は黙って頷く。
「小康状態だったはずなのに。なんで…。」稲葉は驚愕を隠し切れないようだ。
「高橋たちが気付いたときは、もう大谷さんは海の中でした。」
高橋のその言葉を最後に、その場に聞こえる音は、加護と小川の泣き声と波の音だけになった。
そんななか、前田は港の建物の陰から松浦がそっとこっちの様子を伺っているのを発見した。
松浦は……どうやら……うっすらと笑っているように前田には見えた。
大谷雅恵:死亡 【AIR 6人→5人】
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- 154 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/17(月) 22:40
- FOOD TEAM'S PHASE──
中澤と保田がAIRと共に去ってから30分後に、田中は集会所に戻ってきた。
ところが、肩から見慣れないカバンを提げている。
田中がカバンをあけると中からノート型PCと金属製の厚さ5ミリくらいのカードが出てきた。
亀井はカードを取り上げて「これな…」とまで言ったところで、
田中が口の前に人差し指を添えているのを見てあわてて口を押さえる。
「あー、おなかすいた。カレーってまだありますか?」と言いつつ洗面所の方に向う。
洗面所に入り、後藤に向けて手招きをする。
後藤は何のことかわからず人差し指を自分のほうに向けて首をかしげる。田中が頷くと、後藤は洗面所の方へ近づいていく。
そこで田中は2枚、Gパンの前ポケットからプリントを取り出し、1枚目を後藤に渡した。
そこにはどこかのプリンターから出力されたらしく、ゴシック体の文字でこう書かれていた。
- 155 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/17(月) 22:43
- 「突然のこのようなメッセージに驚かれたと思いますが、まず言いたい事は、私達は貴方達の味方だと言うことです。
そして注意して欲しいことは、あなた方の会話は全て盗聴されているということです。
この島にはいろんなところに隠しカメラが仕掛けられており、行動も監視されています。
もちろん、トランシーバーによる会話も傍受されています。
ノート型PCだけではなにもできませんが、このカードがあることによってインターネットもできるようになります。
本来は、隠しアイテムはノート型PCだけの予定でした。このカードは私独自に用意したものです。
ですから、主催者にバレると妨害される恐れがあるのでこのカードのことは口に出したり、
不用意に晒したりしないようにしてください。そしてこのセットはPCに詳しい人に渡すようにしてください。」
頭の中が真っ白になった後藤に田中は2枚目のプリントを渡した。それは一見、後藤達が支給された地図のようだが、
よく見てみると、隠しカメラの位置が書いてある。
(ちょ、ちょおっと待って、これってどういうこと? 信じちゃっていいのかなあ? っていうかこの人誰?
まあ、とりあえず、裕ちゃんか圭ちゃんに聞いたみたほうがよさそうだ。)
迷う後藤の方を田中がつつく。見ると、田中はゲームのルールを書いた紙の裏にボールペンで文字を書き、
それを後藤に見せた。
『ということなんで重要な問題は筆談がいいと思います。』後藤は頷く。
- 156 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/17(月) 22:43
- 「後藤さん、パソコンに詳しいのって誰ですか?」
(そうか、PCがあるっていうのはスタッフも知っているから普通に喋っていいんだ。)
「やっぱり圭ちゃんじゃないかなあ。」
「保田さんはどこにいるんですか?」
「今、AIRの3人と倉庫に向っているはずなんだけど…。ちょっと呼び出してみよう。」
「こちら、後藤です。聞こえてますか、どうぞ」
「………。」
「こちら、後藤です。裕ちゃんか圭ちゃん、聞こえてますか?」
「─wwヘ√レv…こちら、保田だけど…v〜…後藤、どうしたの?…─wwヘ√レvv〜─」
「田中が戻ってきて、ノート型パソコン持ってきたんで、圭ちゃんに見てもらいたいなあと思って。」
「─wwヘ√レv…ちょっとね、こっち立て込んじゃってすぐに戻れそうもなさそうなんだ。
後藤もパソコンの立ち上げ方ぐらいはわかるでしょ。…─wwヘ√レvv〜─」
(こういうのは圭ちゃんじゃないとダメなんだけど、盗聴されているらしいから、そこまでは言えないなあ。)
「そう。わかった。とりあえず中身を見てみるよ。でも、早いところ戻ってきてね。」
「─wwヘ√レv…わかった。じゃあね。…─wwヘ√レvv〜─」
(取り込んでいるって何があったんだろう?)
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- 157 : :2003/11/18(火) 13:36
- 面白くなって参りました
- 158 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/20(木) 22:46
- AIR TEAM'S PHASE──
「もしもし、こちら……。ちょっと報告が。どうやら明日の集まりに裕ちゃんが仲介として来るみたい。
で、作戦を変更と思って連絡を。……うん。…………………………じゃあ、時間は変わらずに。
こっちは2人にすればいいわけね。わかった。それじゃ明日。」
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- 159 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/23(日) 00:01
- WATER TEAM'S PHASE──
「ふわぁ〜」
昇降口で教室から持ってきた椅子に座り、見張りをしていたあさみ(カントリー娘。)は今日12回目のあくびをした。
時計を見てみる。午前4:30。
見張りを始めてちょうど半分である。ちなみに彼女の当番は3時〜6時までだ。
彼女は昨日の夜のことを、思い出していた。
飯田主催の「どうやったらこのゲームから抜け出せるか?」という会議は食事終了後も、
矢口、斉藤、藤本を交えて夜遅くまで話し合っていたようだ。
ようだというのは、あさみが夜中の見張り番になり早めに就寝したからであった。
2:50頃の起床を予定にしていたのだが、12:00の放送で一度目が覚めてしまった。
今回の放送は、石橋ではなくて中居だった。
「ど〜も〜、中居正広です。えー、今回ゲームーオーバーになってしまったのは、
AIRチーム、大谷雅恵、1人。ということで頑張ってくださーい。」
と、死亡者がたった1人にもかかわらずに怒ったりせず、いやにあっさりしたものだった。たぶん眠かったのだろう。
- 160 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/23(日) 00:01
- あさみはまたカントリー娘。について思い出していた。
1999年7月、戸田鈴音(りんね)・柳原尋美・小林梓の3人がインディーズ・デビューする……はずだった。
ところが、その1週間前に柳原尋美が不幸な交通事故で亡くなってしまい、小林梓もそのショックで脱退してしまう。
りんねは1人になり1年近く、ひとりでカントリー娘。を続けていく。
木村麻美があさみとしてカントリー娘。に入ったのはそんな時だった。
あさみは生来の明るさで盛り上げ、やがて石川が助っ人として登場し、里田が入って軌道に乗ったのだっだ。
「りんねちゃん、何やってるんだろう?」
そこまで考えたところで、あさみは入り口に一人の人物が入ってくるのを確認した。
- 161 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/23(日) 00:02
- 「こんばんは〜、夜遅くすみません。ここ学校ですよね?」
どうやら少年のようである。だが、明かりをバックにしているせいか顔はよくわからない。
「ええ、そうですが。」
「じゃあ、11WATERの皆さんがいるんですよね?」
「え、ええ。」
「やっぱり。それなら良かった。」
「ところで…。あなたはどちら様ですか?」
「へ? 俺? 俺たちは…。」
そのとき、あさみは突然息ができなくなった。首が何か細いもので締め付けられているようで、とても痛い。
「お前達を殺しに来たのさ。」目の前の少年が答える。
あさみは苦しみに悶えながら咄嗟に首を手で確認する。何か細い糸のようなものが首に巻きついているようだ。
苦しくて思わず立ち上がって、懸命に糸のようなものを手で外そうとするが、
息苦しさと喉の痛みと、首から流れ始めた自分の血のせいででうまくつかめない。
「あ゛、あ゛、あ゛…………」
声にならない声を上げつつ、目の前が真っ白になっていく…。
─────────────────────────────────────────────────────
- 162 :名無し娘。:2003/11/23(日) 10:31
- あさみが、あさみが・・・
- 163 : :2003/11/23(日) 18:21
- 作者は一応メンバー全体を知ってるみたいでよかった。
資料ならいくらでも用意するんで見てる人は多いので頑張ってください!
- 164 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/25(火) 23:27
- EE JUMP'S PHASE──
ソニンがあさみの首に巻きつけたのはただの糸ではない。暗殺用の敵の喉仏を切り裂く武器である。
力が決して強いというわけではないソニンが選んだ武器の一つがこれである。
他にも、ブルーノCzモデル75、オリハルコン(ダガー)を持ってきている。
目の前の目を大きく開き首を掻き毟りながら苦悶するあさみを見て、
ソニンは顎でユウキに中に進むよう促す。ユウキはそれに従い校舎を進んでいった。
──────
ソニンとユウキが灯台にたどり着いたのが、夜7時頃。灯台の鍵を開け、中に入ると、
そこには、剣、銃、弓矢などなど、様々な武器があった。
「かっけ〜。」
ユウキは、すぐさまワルサーPPK9ミリと、エクスカリバー(剣)を手に取った。
それを横目にしつつ、ソニンはブルーノとオリハルコンと暗殺用のワイヤーを手に取る
- 165 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/25(火) 23:27
- 「ソニンさあ、最初どこ攻めるの? やっぱり近い倉庫?」
「そうね。最初は…、学校かな。武器も大したことないし、人数も稼げるだろうし。」
「まあ、俺はFOOD以外ならとりあえずいいけどな。よし、じゃあ早速いこうぜ!」
「待って。今はまだ早い。到着してすぐだから向こうも警戒しているかもしれない。
それにこの時間はまだ皆起きているはず。そうだと人数に劣る私たちは不利よ。
だから、ここは夜襲をかける。時間は…4時ぐらいね。」
「そりゃそうだよな〜。やっぱ、お前頭いいわ。」
──────
- 166 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/25(火) 23:27
- あさみの首から流れ出た血は、WATERの衣装を更に赤く染め、地面に血だまりを作り始める。
ソニンは更に力をこめた。鋼線は喉仏を切断し、やがて頚椎をとらえる。
抵抗していたあさみの手はだらしなく下がり、首が前に落ちこんだ。
その時──
「あなた、誰?」
「くそっ!!」ターン
銃声音があたりに響く。
ソニンは自分の予想していなかった事態が起きたと悟った。
あさみ(カントリー娘。):死亡 【AIR 11人→10人】
─────────────────────────────────────────────────────
- 167 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/25(火) 23:29
- いつも応援ありがとうございます。
まあ、のんびりと進めていきますのでよろすく。
- 168 :名無し娘。:2003/11/26(水) 06:30
- ここでソニンとユウキ登場か
他の刺客も楽しみにしてます
- 169 :名無し娘。:2003/11/26(水) 16:00
- >>167
あのー、更新してくださる所悪いのですが・・・
>>166はWATERですよ
- 170 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/26(水) 23:34
- あ、ホントだ。指摘ありがd
以下、166の訂正
- 171 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/26(水) 23:35
- あさみの首から流れ出た血は、WATERの衣装を更に赤く染め、地面に血だまりを作り始める。
ソニンは更に力をこめた。鋼線は喉仏を切断し、やがて頚椎をとらえる。
抵抗していたあさみの手はだらしなく下がり、首が前に落ちこんだ。
その時──
「あなた、誰?」
「くそっ!!」ターン
銃声音があたりに響く。
ソニンは自分の予想していなかった事態が起きたと悟った。
あさみ(カントリー娘。):死亡 【WATER 11人→10人】
- 172 :名無し娘。:2003/11/27(木) 22:55
- (*`_´)とても
(・e・)おもしろい
(●´ー`)だべ
- 173 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/28(金) 23:45
- WATER TEAM'S PHASE──
アヤカは、トイレから出ると自分の見張り場である昇降口に戻ろうとした。
ところが、昇降口の方から1人の人物が歩いてくる。窓から漏れた光に照らされたその姿は、
濃紺のパーカーにジーパン。明らかにWATERの人間ではない。
そのうち、その人物と目が合った。その顔を見てとある人物が思い浮かぶ。だが、
「あなた、誰?」思わず誰何してしまった。
目の前の人物──ユウキは──小さな声で「うわっ」と驚くと、右手に持っていたワルサーを構える。
アヤカは、咄嗟に教室の入り口飛びつく。
「くそっ」ユウキは狙いも定めぬまま、焦ってトリガーを引く。弾はそれて、教室の扉の反対の壁にめり込み、
ユウキ自身は不安定な格好で銃を撃ったせいか、態勢を崩し尻餅をついていた。
- 174 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/11/28(金) 23:45
- それを見たアヤカは、急いで教室の中に入り、教室の明かりを点ける。
ここには、吉澤、辻、紺野、藤本が寝ていた。その中で、藤本は銃声で既に起きており、
アヤカに対し、「今の何の音?」と聞いてくる。
また、吉澤と紺野も目を覚ましており、眠そうに目をこすりながら上半身を起こしていた。
全員の姿を確認しつつ、アヤカは教室の前後の扉に鍵をかける。
(これでとりあえずは、入ってこられないはず。あとは…。)
アヤカはナップザックからトランシーバーを取り出すと、スイッチを押し部屋の全員と、
校長室で寝ている飯田、矢口、職員室で寝ている斉藤、村田、柴田に聞こえるように大声で叫んだ。
「みんなっ!!! 起きてー!!! 敵よー!!!」
* *
- 175 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/01(月) 00:24
- 「みんなっ!!! 起きてー!!! 敵よー!!!」
夢の世界に居た村田めぐみは、その機械を通した声で現実の世界に戻される。
部屋の見渡すと、斉藤も目を覚ましたようだ。
村田は立ち上がり、職員室の明かりをつける。柴田も起き上がる。彼女もまた目が覚めたようだ。
「何があったの?」柴田が村田に聞いてきた。
「わからない。でも、敵が侵入したらしい。私とひとみんでちょっと様子を見てくる。柴ちゃんはここで待ってて」
「気をつけて。」「うん。」
村田はホーリィソード、斉藤はモーニングスターを持ち、村田が職員室の扉をそっと開け外の様子を伺う。
そこにはシーンと静まり返った廊下があるだけだった。
「とりあえず大丈夫みたい。」2人はゆっくりと廊下へと出た。
2人は武器を構えたままとりあえず廊下の様子を探る。
すると、廊下と昇降口と校庭に通じている廊下の交差点に何か白く細長いものが2本見えた。
目を凝らしてみてみると、どうやらそれは誰かの足らしい。
上半身は校庭側の通路にあるらしく、ここからだと死角になって見えない。
- 176 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/01(月) 00:25
- 「誰か仰向けに倒れているみたい。」斉藤は驚く。「とりあえず行ってみよう。」村田が返す。
2人は警戒しながらゆっくりと廊下をすすむ。
近づくにつれわかってきたのだが、廊下の足から昇降口へと足に添って赤いラインが2本ひいてあるようだ。
やがて、2人は足の持ち主がはっきりとわかるところまで来た。
「!!!!!」2人は言葉がでなかった。
持ち主であるあさみの首は何かでざっくり切られたのか、パカっとあいておりそこから血が今だ流れている。
WATERの衣装も自身の血で汚れており、(もともと赤と黒の衣装なのでそんなには目立たないが)
さっきみた赤いラインの正体は血だったのだ。
顔は、口からは舌がだらしなく出ており、目がこれ以上ないくらい飛び出ている。
そしてその生気のない目は、偶然にも村田たちの方を向いている。
- 177 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/01(月) 00:26
- 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
気がつけば横の斉藤が後ずさりをし、大声で叫びながら昇降口の方へ走っていく。
「ひとみん! 待って!」村田は追いかける。
「ああああああああああああ!!!!!!!」もはや言葉にならない叫びを続けながら斉藤は走り続ける。
「待ってよ! 待って!」村田は斉藤を追いかけて昇降口を出、さらに校門を出ようとする。
ところが、校門を走り抜ける瞬間、村田は何かに躓き胸から地面に倒れる。
「うわっ、ててて。ん?」
村田は立ち上がろうとするが、上から誰かに乗りかかられ動けない。
「え? 何? 誰なの?」
顔だけ上げると、斉藤は村田の様子など知る由もなく逃げ続けてようで、だんだん斉藤の背中が小さくなっていく。
村田の後頭部に何か冷たいものが当たった。
ターン
ターン
あたりに2発銃声が響いた。
村田めぐみ(メロン記念日):死亡 【WATER 10人→9人】
─────────────────────────────────────────────────────
- 178 :名無し娘。:2003/12/01(月) 00:52
- また推しメンが1人・・・・・
自分的にユウキとソニンがいつ死ぬか注目したいと思います
(本編の前回優勝者ってわけでもないし最後まで残るかわからんしw)
これからも頑張ってください
- 179 :名無し娘。:2003/12/01(月) 01:42
- 地味な奴から死んでくな
- 180 :死後の世界:2003/12/01(月) 10:24
- ( - Δ-)地味…。
( ;・e・)(●`ー´)大谷さん、なっちを撃つなんてひどいべさ (`_´; )
安倍さん落ち着いて。
从*・ 。.・从<死んでも私ってカワイイ
- 181 :名無し娘。:2003/12/01(月) 14:23
- そういやメロンがすでに二人死んだのか
作者はメロンあんまり好きじゃないみたいだな
- 182 :名無し娘。:2003/12/01(月) 23:05
- >>180
あさみが・・・
- 183 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/01(月) 23:17
- 別にメロンが嫌いというわけではないですよ〜。
- 184 : :2003/12/02(火) 01:53
- >>183
特に気にせず計画にそって不要メンをどんどん頑張ってください
- 185 :名無し娘。:2003/12/02(火) 15:13
- (oTvTo)
↑180に忘れられたあさみ
- 186 :名無し娘。:2003/12/02(火) 16:08
- 作者さん、周りの雑音は気にせずにがんばってくださいね。
いつも楽しみにしてます。
- 187 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/03(水) 23:44
- EE JUMP'S PHASE──
「くそっ」
態勢を崩し尻餅をついていたユウキは、アヤカが教室に入るのを見て、自分も入ろうと立ち上がろうとする。
ところがその肩を誰かに抑えられた。振り返ると…。
「なんだお前か。なんだよ。早くしないと…。」
「おそらく教室の中は仲間がたくさんいる。深追いは禁物だ。それよりも手伝って欲しいことがある。」
そういうソニンの後にユウキは続く。その後ろで教室に電気が入るのがわかった。
2人は昇降口に戻る。血の海の中で首を切られているあさみを見てユウキは少し吐き気がした。
「オエッ」
「ちょっと足のほう持って。移動するから。」
そんなユウキの気持ちを知ってか知らずかソニンはあさみの頭と腕を持つ。
(勘弁してくれよ…。)と思いつつも仕方なしにユウキは足を持ち、二人は移動した。
少しゆれるたびに、あさみのパックリ割れた喉からいろんなものが見えたりしてユウキは気持ち悪かったが、
そんなにソニンの目的地が遠くなく、5mくらいのところだったのでガマンできた。
着いた場所は、教室と職員室などを繋ぐ廊下と昇降口と校庭に通じている廊下の交差点であった。
そこに、校庭側を頭にそして足を交差点に置いたところで明かりの漏れた教室から、
「みんなっ!!! 起きてー!!! 敵よー!!!」
と誰かの声が聞こえた。2人はそれを聞き、素早く校舎をでる。
- 188 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/03(水) 23:44
- ユウキははじめ灯台へ戻ると思い、校門を出て灯台の方へ行きかけたが、
「違う、違う」というソニンの言葉にはっと振り返る。ソニンは校門のところでしゃがんでいた。
「帰るんじゃないの?」ユウキも校門に戻りつつ聞く。
「まだやることがある。…とりあえずしゃがんで。」ソニンはナップザックから懐中時計のようなものを取り出した。
ユウキはそれを覗き込む。
この懐中時計のようなものはレーダーである。灯台の中で見つけたものだ。
各メンバーの首輪とリンクされており、メンバーの位置を把握できる代物である。
ただし、メンバーの固定まではできず。どのチームに属しているかまでしかわからない。
レーダーの探索範囲は4段階調節できる。最大だと島全体をカバーするが、今は学校を収める3番目の広さにしてある。
学校の中に、WATERチームのメンバーであることを示している青い点がいくつもあり、
それぞれ別の部屋にいるらしく点が1、2、2、5でそれぞれ別れている。
校門のところに、EE JUMPのメンバーであることを示している紫の点が2つある。
- 189 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/03(水) 23:46
- その時、校舎の中から誰かの叫び声が聞こえてきた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
レーダーを見てみると、ユウキ達に一番近かった2点のうち1点がユウキ達に近づいてくるところだった。
もう1点もそれを追いかけるように付いて来る。
「最初の人物は無視して、私がまず後ろの人物に足を掛けて転ばす。そしたらユウキは背中に乗っかってくれ。」
ソニンが囁き、ユウキは「わかった。」と応えた。
「ああああああああああああ!!!!!!!」「待ってよ! 待って!」
まずは1人目が校門を通り過ぎる。一度見たら忘れられない金髪のパーマ、斉藤瞳。
ソニンは光点に合わせて、校門の陰から足を出す。
「うわっ」
校舎のほうから来た人物はもんどりうって前に倒れこんだ。ユウキは作戦通り上にのしかかる。
「え? 何? 誰なの?」倒れた人物は抵抗する。ソニンがその人物の後頭部にブルーノを押し当てトリガーを引く。
ターン
ターン
- 190 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/03(水) 23:47
- 銃弾は目の前の人物の頭に2つの穴をあけ、その人物を死に至らしめた。
ソニンは動かなくなった人物の前に回り顔をあげその人物を確かめる。
「メロンの村田さんだ。」感情もなく報告する。
ユウキはふと、預かっていたレーダーに目をやる。校舎の中のほとんどの光点が移動し始めた。
「みんな移動しはじめたぜ。どうすんだ?」
「そうね……。」というとソニンは校門から中に入り、
ナップザックから手榴弾を取り出し、安全ピンを口にくわえ、
手榴弾を持っている手を右に引くことによって安全ピンを外しおもむろに校舎の廊下の窓に手榴弾を投げる。
ガシャーン……ドゥーン
派手にガラスの割れる音がし、そして手榴弾が破裂した音が聞こえてきた。
中から何人かの悲鳴が聞こえてくる。
「こんなところね。深追いは禁物。…引き上げるよ。」「へーい。」
─────────────────────────────────────────────────────
- 191 :名無し娘。:2003/12/04(木) 14:44
- ソニンつえー
- 192 :名無し娘。:2003/12/04(木) 19:00
- 被爆で誰か死んだか
- 193 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/08(月) 01:46
- WATER TEAM'S PHASE──
誰かの悲鳴、そして2発連続の銃声、ガラスの割れる音、何かが爆発する音。
これらによってWATER TEAMは混乱のきわみにあった。
校長室で矢口とともに寝ていた飯田も、トランシーバー越しのアヤカの叫び声で飛び起きた。
トランシーバーでアヤカと連絡を取り合ってところに悲鳴から始まる、一連のコンボが彼女らを襲った。
最初にパニクったのは矢口だった。
「に、にげ、逃げなくっちゃ。」そういうと飯田の静止も聞かず一人で校庭へ逃げ出してしまう。
飯田は矢口を追おうかと一瞬思ったが、
状況の把握が先決と思い自分の武器である王者のつるぎを持つと校長室の扉から出る。
- 194 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/08(月) 01:50
- 外は銃声などは聞こえてこなかったが、WATERのメンバーと思われる叫び声や泣き声、廊下を走る音などが聞こえてくる。
(えっと、どうすれば…。)
普段モー娘。のリーダーとして頑張っている飯田だが、さすがにこういう経験はなく動揺していた。
とりあえず隣の職員室を覗いてみる。もう誰もいないようだ。
廊下を進み、昇降口と校庭への通路との交差点に差し掛かる。そこには吉澤がぼーっと突っ立って、何かを見ていた。
「どうしたの? よし…。」
飯田は吉澤に近づく、と同時に吉澤が見ていたものが目に入る。それは…変わり果てたあさみの姿だった。
「!!! これ、どういうことのなの?」飯田は吉澤の腕を掴み、揺らして経緯を尋ねるが、
吉澤は変わらず放心状態で何も答えない。
「そこ動かないでいてよ。」と飯田は言い残し教室へと移動する。
教室に入ると声が聞こえた。「辻ちゃん、しっかりして。」
教室ではアヤカが辻にを起こしているところだった。
目を覚ました辻は、まだ眠そうに目をこすり「あれ? いいらさん? みんなは?」などと暢気である。
こんな状況でもマイペースな辻に対し呆れの感情と安心の感情が同時に起きる。
おかげで少し我にかえる事ができ、一息ついて教室を良く見ると、現在教室にはこの2人しかいない。
- 195 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/08(月) 01:53
- 「みんなは?」飯田はアヤカに聞いてみる。
「悲鳴が上がった後、私と藤本さんと吉澤さんで様子を見に行きました。
そしたら、あさみさんが…。その後、廊下のガラスが割れて爆発音がしました。
吉澤さんは放心状態になり、藤本さんは急いで教室に戻り、
紺野ちゃんを連れて2人でどこかへ…。多分、逃げちゃったんじゃないかと…。
私は辻ちゃんがまだ寝ている事を思い出し、吉澤さんが心配でしたがとりあえず教室に戻りました。
辻ちゃんは起きていましたが、状況が全く飲み込めてないようでした。
そこへ飯田さんが入ってきたというわけです。」アヤカは答える。横で辻が目を白黒させている。
「ありがとう。」
飯田は耳を澄まし当たりの状況を探る。
銃声などは聞こえないが、誰かの泣き声が少し遠くから聞こえてくるようだ。
(あとは、メロンの3人か。)
飯田達3人は教室を出て吉澤の居る場所に戻る。吉澤はまだ放心状態だった。
- 196 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/08(月) 01:53
- 「しっかりして。」飯田は吉澤の頬を張る。
「あ、飯田さん。」叩かれた頬を押さえ、小さい声を出し吉澤が我にかえる。
「とりあえず、銃声はしていないみたい。安全とはいえないけど、とりあえず外を確認してくる。
アヤカ。付いて来てくれる? 吉澤は辻と教室で待っていて。」
「「「はい。」」」吉澤と辻は教室に戻った。
「まずはあの泣き声ね。」飯田とアヤカはゆっくりと昇降口へ向う。
昇降口に付くと、そこから外が見える。空がだいぶ明るい、もうすぐ夜明けかもしれない。
そんなサファイアブルーの空の下、WATERの衣装を纏った人物がおり、泣き声はそこから聞こえていた。
「ううううぅぅぅ、めぐたんまで……。」
飯田とアヤカはそっと近づく。
1人は……多分、村田だろう……うつ伏せで倒れており、頭に銃創と思われる穴があいている。
もう1人、柴田はそんな村田に覆いかぶさりひたすら泣いていた。
飯田とアヤカはそんな柴田にかける言葉が見つからず、立ち尽くすばかりだった。
─────────────────────────────────────────────────────
- 197 :名無し娘。:2003/12/08(月) 02:41
- 斉藤さんは何処
- 198 :名無し娘。:2003/12/08(月) 13:56
- ( ‐ Δ‐)y-~~~ 死んだふりもつらいにぇー
- 199 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/11(木) 22:00
- FOOD TEAM'S PHASE──
亀井はノートPCから目線を外し、部屋の時計を見る。午前5時3分過ぎである。
「ん〜」亀井は大きく伸びをする。
夜は明けたらしく外は明るく、どこかで聞いたことのあるような鳥の鳴き声が聞こえる。
結局、田中が持ってきたPCは、後藤がカメラの見えない部屋に置き一通り調べたが、
イマイチよく分からなかったようだ。亀井も午前4時からここへ来ていろいろ調べていた。
たしかにインターネットができるようにはなるらしいのだが、設定の仕方がわからず、
「解説書.doc」というファイルを開いてみてもなんのことやらさっぱりわからない。
そこへ、田中が部屋に入ってきた。「おいっす。」
「おはよ〜」「どう?」田中が少し期待を込めて聞いてきた。
亀井は黙って首を振る。「そっか。」田中はがっかりしたようだ。
- 200 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/11(木) 22:02
- その時、2階からドタドタと誰かが慌てたように降りてくるのが聞こえた。
階段から姿を現したのは、見張りをしているみうなである。ちなみにPCを調べていた後藤は今は寝ている。
「「おはよ〜」」「あ、おはよう。あの、帰ってきたよ。」「誰が?」
「ただいま〜」「おじゃましまーす。」集会所の入り口から誰かの声がした。
3人とも入り口に移動する。そこには…。
「あ、保田さんに里田さんも。おかえりなさいといらっしゃいませ。」亀井はお辞儀をする。
「あれ? 中澤さんは?」みうなは中澤がいないことに気付いた。
「うん、裕ちゃんはね、AIRとSALTの和解の立会いに向っているんだ。6時10分に丘の中央に集合で。
あたしはパソコンが気になったんだけど、ほらこの島って電灯あんまりないじゃない?
道も暗いし、何があるかわからないし、帰ってこられなかったのよ。それで倉庫に泊めてもらったのよ。」
「朝になったんで、保田さんは一人で大丈夫って言ったんだけど、
何があるかわからないし私もついてきたと、そういうわけ。」里田が後を継ぐ。
「んで、パソコンは? え、何、何?」見渡す保田を田中が引っ張って洗面所に連れて行く。亀井も続く。
里田が不思議そうな顔をして付いていこうとしたが、みうなが頷いて引き留める。
- 201 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/11(木) 22:02
- 田中はポケットから、後藤に見せた「貴方達の味方」と言う人からの手紙を見せた。
保田の顔色が徐々に変わっていく。
亀井は『ということなんで重要な問題は筆談がいいと思います。』と書いた紙を保田に見せた。
保田はその紙に、『わかった』と書いた。
「なるほどね〜。ノート型のXPか。モノはどこにあるの?」保田が聞く。
田中と亀井はPCのある場所に保田を連れて行った。
─────────────────────────────────────────────────────
- 202 :名無し娘。:2003/12/11(木) 23:18
- 斉藤さんは!?
- 203 :名無し娘。:2003/12/12(金) 22:50
- 石橋「臨時放送だ。只今、この島に新しいチームが到達したようだ。そのチームは芸能界には縁が無く、
大学の出会い系スーパーフリーの幹部どもだ。勿論文字通りにお前たちをレイプしていくからな。以上だ!」
スーパーフリー、元々は出会い系サークルであったが、スーパーフリーのパーティに来た
女子大生達を次々と強制猥褻していったレイプ集団となってしまった。
其の幹部達の中でこの島に来たのは、和田真一郎を始め、沼崎敏行、小林潤一郎、小林大輔、藤村翔
、岸本英之、若松直樹、宇田篤史、小泉創一郎、吉野豪洋、高山知幸等である。
彼等はこのゲームで生き残ったら元の大学に復学し、スーパーフリーも復活することが約束されている。
スーパーフリーの幹部達のチームがこのゲームに参加したことでいったいどうなるのだろうか?
- 204 :名無し娘。:2003/12/12(金) 23:10
- エロ小説でつね!
ここからの議論は批判要望板に移行するのかな
- 205 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/12(金) 23:57
- 「う〜ん、う〜ん」後藤は悪夢にうなされていた。
それはTVのニュースで見たことのある「スーパーなんとか」が参加すると石橋が放送する夢だった。
「う〜ん、ハッ!」後藤は目覚める。「何だ夢か〜」というと後藤はまた寝てしまった。
- 206 :ゼロ ◇ZERO/PNu7I :2003/12/13(土) 00:33
- その直後、後藤の悪夢が正夢となった、
石橋「臨時放送だ。只今、この島に新しいチームが到達したようだ。そのチームは芸能界には縁が無く、
大学の出会い系スーパーフリーの幹部どもだ。勿論文字通りにお前たちをレイプしていくからな。以上だ!」
スーパーフリー、元々は出会い系サークルであったが、スーパーフリーのパーティに来た
女子大生達を次々と強制猥褻していったレイプ集団となってしまった。
其の幹部達の中でこの島に来たのは、和田真一郎を始め、沼崎敏行、小林潤一郎、小林大輔、藤村翔
、岸本英之、若松直樹、宇田篤史、小泉創一郎、吉野豪洋、高山知幸等である。
彼等はこのゲームで生き残ったら元の大学に復学し、スーパーフリーも復活することが約束されている。
スーパーフリーの幹部達のチームがこのゲームに参加したことでいったいどうなるのだろうか?
- 207 :名無し娘。:2003/12/13(土) 14:18
- >>203
>>206
荒らしですか??
ひどいことしますね。
作者さん、無視してがんがってください。
- 208 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/14(日) 20:34
- WATER TEAM'S PHASE──
飯田達はあさみと村田の遺体をとりあえず使っていない教室に寝かせ、
逃げた矢口達が学校内に隠れていないか一通り探したが残念ながら見つけることはできなかった。
飯田達はとりあえず、吉澤達が寝ていた教室に戻った。
部屋に入り、教卓の上に山積みになったいるトランシーバーを見て飯田は愕然とした。
そしてゲームが始まって早々自分が「結構重いし、必要なとき持っていればいいから、とりあえず一まとめにしといて、
使うときは持っていくようにしよう。」と提案したことを思い出した。
がっかりしながらもトランシーバーの数を数えてみる。7つであった。
2つは見張りであるあさみとアヤカが持っており、あとは職員室と校長室に各1台。これはそれぞれ飯田と柴田が持っている。
7+2+2=11。つまり全部学校にあるということ、すなわち逃げたメンバーは誰もトランシーバーを持ってない。
(これじゃ逃げたメンバーと連絡取れない…。)
- 209 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/14(日) 20:36
- それと、アヤカから襲撃者について聞いた。去年の秋に卒業した娘。と大変似ている実弟。
おそらく放送であった、6時からの参加者の一人が彼だろう。
「チーム」ということでもう1人、逆境にも負けないがんばり屋さんの少女の姿を思い浮かべる。
しかしその2人がおそらくあさみと村田を殺した。とは簡単には想像できなかった。
(もしも殺されたのが、ののや矢口だったら、私は怒り狂っているかもね。)
とそこまで考えたところで、あさみと村田の命と辻や矢口の命と均等に扱っていない自分に気付き、
少し落ち込む飯田。
だが、落ち込んでばかりもしていられない飯田は、捜索隊を出すことにした。メンバーは飯田、アヤカ、柴田。
もしかしたら、学校に戻ってくるかもしれないので吉澤と辻は学校で待機である。
「よっすぃ〜、何かあったら連絡をちょうだいね。」「はい。飯田さんこそ気をつけてください。」
飯田達は隠れるのに絶好な場所に当たりをつけ、吉澤と辻に見送られて学校を出発した。
─────────────────────────────────────────────────────
- 210 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/17(水) 21:05
- AIR TEAM'S PHASE──
島の中央部の小高い丘、午前6時より少し前。
仲介役の中澤、AIRから石川と稲葉、合計3人が集まっていた。
時を石川達とともに、中澤と保田が倉庫へ着いた時に戻る。
中澤と保田が倉庫に付くと、高橋と稲葉が何も喋らず落ち込んでいた。2人にわけを聞くと、
大谷が海に飛び込んで自殺した、とのこと。そこからが大変だった。
みんなで港に行き確認すると、石川が稲葉に「稲葉さん、あなた何をしてたの?」と少し怒り気味に聞いた。
稲葉はSALTが来たこと、そして仲直りしたがっていること、明朝の放送後6時10分に丘で待っていること、
そして、SALTの人と話している間は大谷が一人だったことを説明した。
- 211 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/17(水) 21:05
- この仲直りの件について、中澤がかなりの乗り気で「ほなら、仲介はわたしがやるわ。」と仲介役を買ってでて、
あまり乗り気ではなかった石川を説得し、石川も渋々仲直りOKした。
その後は夜になってしまい、暗い中、集会所に帰るのも危険ということで中澤と保田はとまらせてもらった。
次の日、夜明けとともに呼び出された保田と付き添いとして里田を集会所に向わせ、残りのメンバーは丘へ向かった。
丘の入り口まで来たところで2対2の話し合いということで、ミカと高橋を残し3人で上って行った。
6時になり3回目となる音楽が流れる。
「みなさん、ぐっもーにん!! バシタカです。それじゃ、死亡者発表するぞ。
WATER、あさみ―カントリーの方な。それと村田めぐみ。以上2名だ。夜で明かりも少なくて、
思うように殺し合いができなかっただろうが、夜も明け活動しやすくなっただろう。
思う存分殺し合いをしてくれ。以上だ。」
放送は終わった。
- 212 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/17(水) 21:08
- 石川が他の2人を見ると、稲葉は平然としており、中澤は丘にあるポールについている拡声器を睨みつけていた。
やがて、前方から人の足音が聞こえてきた。石川が目を向けると丘に入ってくる前田と松浦の姿が現われた。
「お待たせしました。」前田が言う。
「2チームの仲介役として、あたしが進行させてもらってもいい?」中澤がSALTの2人に聞く。
「ええ。」「いいですよ。」前田と松浦はOKを出した。
「じゃあまず、それぞれのカバンの中から武器を出してわたしに渡してもらおうか。」
というと4人ともナップザックを開けて中の武器を取り出し、次々と中澤に渡していく。
中澤はそれを足元に置いた。石川も自分の天のむら雲を渡し、次にシグ/ザウェルを渡そうとしたが、
稲葉にそれを横から取られてしまう。稲葉はシグ/ザウェルの安全装置を外し、構え、
トリガーに手をかけて銃口を松浦に向ける。
「稲葉さん?」石川は稲葉の突然の乱行の理由がわからなかった。
稲葉は体をくるりと90度回転させると、そこにいた人物に向けておもむろにトリガーを引いた。パンと乾いた音が広がる。
銃弾は、不意をつかれた中澤のへそのあたりを貫通した。後ろに飛ばされる中澤。
「う、うぅぅぅ…」呻く中澤に稲葉は近づき、
小さな声で「ごめんな」というと今度は心臓目掛けてまたトリガーを引いた。パンと再び音が広がる。
中澤はびくんと体を揺らして完全に動かなくなった。すると稲葉は石川のほうを振り返ると銃を持ったまま突然走り出し、
石川に体当たりをした。2人とももんどりうって倒れる。
その横で「キャーーーーーーーーーーーーー!!」と松浦が甲高い声を出した。
中澤裕子:死亡 【FOOD 6人→5人】
─────────────────────────────────────────────────────
- 213 :名無し娘。:2003/12/18(木) 12:57
- 从#~д~#从<なんや、あのあっちゃんの態度は! 絶対納得いかへん。酒や! 酒もってこい!!
(o゚v゚o;)三 三( ;- Δ-)
(●;´ー`)<裕ちゃん、お酒なんかここにはないべさ。
( `_´)<自棄酒は恥ずかしいことではないです。
从*T 。.T从<死んじゃったんで自分の姿が鏡に写らないの。
( ;・e・)<そ、そうか。
- 214 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/19(金) 00:00
- WATER TEAM'S PHASE──
探索隊の飯田・アヤカ・柴田はとりあえず近場の誰かが隠れることができそうな場所から探していった。
だがしかし、誰も見つけることができない。焦る2人にアヤカが提案する。
「みんなはきっと仲間達のところに向ったんじゃないんでしょうか?」
「それは、一理あるね。」飯田は思い浮かべる。「矢口は……、可愛がってくれている裕ちゃんのところかな?
それとも加護のところ? 藤本達は…、あややと小川のいるSALTのところ? 斉藤さんは…、ちょっとわからないかな。
……よし、とりあえずSALTのいる別荘に行こう。」
3人は別荘へと向った。
─────────────────────────────────────────────────────
- 215 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/21(日) 11:55
- IR TEAM'S PHASE──
ミカと高橋は交渉している間階段下で待機していたのだが、彼女らの耳に2発の銃声の後少し経ってから、
「キャーーーーーーーーーーーーー!!」と誰かの悲鳴が丘から聞こえた。2人に緊張が走る。
(あの声は松浦サンかな。)ミカはナップザックからシグ/ザウェルを取り出し階段をしゃがみながら上がっていく。
高橋も後ろから菊一文字を右手にゆっくりと同じようにしゃがみながら付いて来る。
(昨日も同じことをした気がする。)
やがて、丘の様子が見えるところまで登ってきた。ミカは頭を少しだけ出して様子を伺う。
ミカは驚愕した、なぜなら石川と稲葉が倒れ、松浦と前田が立っていたからである。中澤の姿は見えない。
一瞬、2人とも銃で撃たれたのかと思い焦る。だが良く見てみると石川と稲葉の2人とも動いている。
少なくても生きているようだ。一方、松浦と前田の手には銃はないような気もする。
(状況がここからじゃまったくわからない。とりあえず交渉は成功とはいえなさそうね。
ここで考えていても仕方ないか。)
「アイ」「はい?」「ワタシは出ていくけどアイはどうする?」「高橋も行きます。」「わかった。」
ミカは銃をとりあえずナップザックにしまうと、スタスタと丘の中央に向けて歩き出す。
途中で、松浦が奥のほうに泣きながら移動するのが見えた。前田は一度こっちを確認したが、
驚きの表情を浮かべたまま、ミカと高橋に対しリアクションを取ることはなかった。
2人が近づくと、石川と稲葉がちょうど起き上がるところだった。ちらっと見たが、大きな怪我とかはないようだ。
しかし、松浦が誰かに覆いかぶさるように泣いている。衣装からするとおそらく中澤だろう。
その顔には生気がまるでなかった。後ろで高橋がハッと息をのむ。
- 216 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/21(日) 12:01
- 一方、石川は起き上がるなり、稲葉に詰め寄っていた。「稲葉さん、どういうこと?」
稲葉は答える。「それはこっちのセリフ。なんで松浦に銃を向けたの?
仲直りするんじゃなかったん? 私が飛びついたけど、裕ちゃんが…、くそっ。」と言って地面を蹴る。
(????)突然の仲違いにミカは混乱していた。
石川も同じらしく目を白黒させていたが、「は? 何、それはどういう」
「うるさーい!!!」当たりに前田の叫び声が響く。
「あんた達がね、どうこう騒いだって中澤さんは生き返らないの。
石川、あんたが松浦を殺そうとしたことは大目に見てやる。だからお前はここから姿を消せ!
見ているだけで不愉快になる。そこの2人」とミカと高橋に視線を移す。
「石川をつれてここから出て行け!」
「は、はい。」前田の剣幕に圧されるようにミカは思わず返事をしてしまった。
石川の手を引き連れて歩き出す。石川は「なんでわたしが出て行かなくちゃならないの?」と納得していないようだ。
だが、ミカと高橋2人に引っ張られてずるずると引きづられるように移動していく。
ミカは稲葉が付いてきてないことに気付く。「稲葉サン、帰りましょう。」ミカは呼びかけた。
「……、私は残るよ。裕ちゃんをこのままにしとくわけにはいかへん。あとから戻るわ。」稲葉は残るらしい。
「……わかりました。」ミカは答えた。隣で石川が「チッ」と舌打ちをする音が聞こえてきた。
─────────────────────────────────────────────────────
- 217 :名無し娘。:2003/12/21(日) 14:07
- 从#~∀~#从y-~~<たまには死んだフリも悪ないな・・・
- 218 :名無し娘。:2003/12/21(日) 15:17
- よくわからなくなってきた
- 219 :名無し娘。:2003/12/22(月) 06:03
- >>218
うむ でもそれだけに続きが気になる
- 220 :名無し娘。:2003/12/22(月) 11:44
- 石川の謀反があるんだとしたら、その描写が実際の行動の前に無いってのは・・・
- 221 :名無し娘。:2003/12/22(月) 17:48
- ソルトと稲葉が石川を罠に嵌めたってことじゃないの?
- 222 :名無し娘。:2003/12/22(月) 20:46
- まぁなんにせよ今の状態じゃどうにも言えんわな
これだけ絡まった糸を元に戻せたんなら、それこそ名作だな
- 223 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/23(火) 12:48
- SALT TEAM'S PHASE──
小川と加護は、ミカ達とは反対側の入り口の下で待機していた。
前田の「何があっても、こっちからトランシーバーで呼びかけるまで出てきちゃダメだよ。」の言葉に従い、
2発の銃声、松浦のと思われる悲鳴、そして石川と前田と誰か(稲葉なのだが、小川にはわからなかった。)の
怒鳴り声が聞こえてきたが動かずじっとしていた。「プープー」トランシーバーが鳴った。
「はい、加護です。」「前田です。出てきてもいいよ。」前田だった。
2人が緊張しながら丘に上ると、そこには前田と松浦と稲葉の2人が居た。
気のせいか松浦が今まで泣いていたかのようにズズッと鼻をすすっていた。
「あれ? 梨華ちゃんは?」加護が尋ねる。
「ちょっとね。」答えたのは前田だった。
- 224 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/23(火) 12:49
- その時小川に肩を叩かれる。「加護さん、あれ…。」と小川の指差した先には…。
お腹のあたりと左胸を打ち抜かれた中澤が仰向けになって倒れていた。中澤は微動だにしない。
「なかざわさん?」加護と小川はかけよる。「嘘…」
「最初は、石川は松浦を撃とうとしたの。」後ろから前田の声がかけられる。
「それに気付いた稲葉さんが、銃に取り付いて取り上げようとしたんだけど、
2人が揉み合っているうちにトリガーが引かれちゃって、ちょうど中澤さんのいた方向に…。」
「ごめんね。加護ちゃんに小川ちゃん。私がもっと早く気付いていれば…。」稲葉が声を掛けた。
中澤裕子は加護が娘。に入った時のリーダーであった。
最初は、怖い人だと思っていて、ちょっとおっかなびっくりしていた。
教育係の後藤や、同期の3人と話すことはあっても、中澤と直接話すことはなかった。
しかし、加護が娘。として活動していくうちに、自然と中澤に対するイメージが変わった。
怖そうに見えるけど、平気で二日酔いで現場にくるし、結構涙もろい。
それからの加護の中澤に対する態度は、辻と2人で中澤を「おばちゃん」と呼んでいたところに表されるだろう。
「みそじ、みそじ〜」とからかう事もしばしばあった。
- 225 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/23(火) 12:49
- そんなことを思い出していたら、加護の目から涙が落ちた。
(なんでや、なんでみんな血ィ流して死んでしまうんや? こんな下らないことで、
昨日まで仲間だったうちらがなんで争わなあかんのや? なんでや? 教えてや、中澤さん。)
その最初の一粒がきっかけとなって、加護は中澤の手を握って再び泣き始めた。
小川は自分のポケットからハンカチを取り出し、そっと加護に渡した。
* *
- 226 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/23(火) 21:26
- 加護が落ち着くのを見計らって、稲葉は話を切り出した。
「私、正直石川さんには正直、これ以上ついていけない。だから、AIRからSALTにチーム変更したいと思う。
そこでね、SALTのみんなの協力が必要なの。」
「協力?」小川と加護が声を合わせて聞き返す。
稲葉はナップザックを開けると、バトロワのルールが書かれたプリントを出し、2、3枚めくると、
プリントを小川と加護に見えるように差し出した。「ちょっとここ読んでみて。」稲葉はプリントのある場所を指し示す。
小川が代表してその文章を読む。
「えっと、第13条、所属チームの変更について。所属チームの変更は、変更先の過半数以上のメンバーの承認があれば、
これを認める。ただし、以下の場合は認められない。
1 変更先のチームの人数がゲーム開始より多くなる場合(SALT 5人、AIR 7人、WATER 11人、FOOD 7人)
2 チーム変更により変更元のチームの人数が0人になる場合 」
(こんなルールがあるの知らなかったなあ。ざっとしか読んでなかったからなあ。)
小川は読み終わると、プリントを稲葉に返した。
「つまり、加護ちゃん達が私のチーム変更を認めてくれればOKなわけ。」
稲葉はプリントを再びナップザックにしまいながら言う。
- 227 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/23(火) 21:27
- 「とりあえず、松浦からいきます。」松浦は少し落ち着いたようで、手を上げて話し始めた。
「私、松浦亜弥は、稲葉貴子のSALTへのチーム変更を認めます。」
「前田有紀は、稲葉貴子のSALTへのチーム変更を認めます。」次は前田だ。
「この時点で、過半数は超えているけど、私は全員の許可を得たいと思ってね。」
「えっと、加護亜依は、稲葉貴子のSALTへのチーム変更を認めます。でいいのかな?」加護も賛成したようだ。
「ありがとう。」稲葉が手でサインを出す。
(う〜ん、石川さんが松浦さんを撃とうとしたというのはちょっと信じられないけど、
とりあえず稲葉さんの加入に反対する理由はないなあ。)小川は思った。
「小川麻琴は、稲葉貴子のSALTへのチーム変更を認めます。」
「ありがとう。これからよろしくね。」差し出された稲葉の手を加護は握り、小川も同様に握手をした。
その時、小川の心の中にあるアイデアを思いついた。
(これって大丈夫だよね? …うん、多分いけるはず。あとで加護さんに相談してみよう。)
─────────────────────────────────────────────────────
- 228 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/25(木) 21:37
- WATER TEAM'S PHASE──
学校から逃げた矢口真里は、いろんなところに隠れながら転々とし、
とりあえず自分を可愛がってくれた中澤がいる集会所へ向かおうとしていた。
途中、丘のちょっと北側を通ったところで、SALTのメンバーである松浦・前田・加護・小川と、
なぜかAIRの稲葉が一人、歩いているのを発見した。そして、前田の背には──中澤が背負われている。
「裕ちゃ〜ん、裕ちゃ〜ん」矢口は思わず駆け出していた。
ところが、中澤は矢口がいくら呼びかけてもピクリとも動かないどころか、近づいてみてわかったのだが、
顔に生気がない。
そんな矢口に、加護がぽつりと、「あ、矢口さん。」と声を掛けてきた。
前田は矢口を確認すると、中澤をそっと近くの木の影に下ろした。
- 229 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/12/25(木) 21:38
- 「裕ちゃんは?」矢口は聞く。「中澤さんはもう…。」答えたのは前田だった。
矢口は中澤の胸とへそのあたりの銃創で、中澤に何があったかを知った。
「誰が?」「それは…。」前田が説明する。
SALTとAIRで同盟を組むために丘に集まったが、最初に武器を中澤に集める際に、突然石川が松浦に銃口を向けた。
それに気付いた稲葉が石川に取り付いて銃を取り上げようとしたが、もみ合っている際に2発、発砲されてしまい、
それが中澤の胸と腹に当たってしまい、それが致命傷になった。
SALTは中澤が打たれたのは稲葉のせいにするAIRをその場から追い出した。
そんな中澤をそのままにはしておけず、とりあえずみんなで慎重に運ぶことにした。
診療所の近くの安倍を埋めたところに一緒に埋めるつもりであった。
「石川が?」矢口にはにわかに信じがたい話だった。
「石川は、新垣の件があってから、SALTを目の敵にしてました。」
それから稲葉が石川がいかにSALTを目の敵にしていたか語った。
そして、稲葉がそんな石川についていけず、チームをAIRからSALTに変更したことも付け加えた。
(なるほどね。AIRとSALTには遺恨があるわけね。でも…。)
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