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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜
- 128 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/16(木) 18:57
- AIR TEAM'S PHASE──
島の西側の港では、赤く染まった夕方の太陽をバックに高橋愛と石川が夕食の材料を探していた。
港なので魚がごろごろ転がっているかと思いきや、全然探しても見つからなかった。
「石川さん、ありませんね。」
「おっかしいなー。さすがに本部の近くにはないということなのかな?」
「あ、あの倉庫ってもしかしたら、冷凍の倉庫じゃありません?」
高橋は、他の倉庫より幾分小さめな倉庫を見つけた。その扉は、まるで冷蔵庫の扉を大きくしたようになっている。
「そうね。…あ、なるほど。あそこに冷凍保存された魚があるかもしれない。そういうことね。」
「はい。」
「そうね。その可能性は高いわね。さっそく行ってみましょう。」
- 129 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/16(木) 18:57
- 2人はその冷凍庫の前に立つ。扉に鍵がかかっていたらどうしようもない。
高橋は扉を開けるためについている金属製のバーに手にかけると一息つき、バーを引っ張る。
最初は力を必要としたが、それ以降はさほど苦労せず扉を開けることができた。
中からの冷たい風が2人を震わせた。「さぶっ」隣の石川が思わず呟く。
(こういう時、薄手の衣装は嫌だな…)高橋は他のチームの衣装がうらやましかった。
(そういえば、FOODは揃いのTシャツにGパンだったな。せめてあれぐらいの衣装なら…)
2人は震えながら冷凍庫に入り、手持ちの懐中電灯をオンにする。
生まれた光の輪で冷凍庫の電気のスイッチを探す。寒さに震えながら1分弱でスイッチを見つけ早速ONにする。
冷凍庫内が光で満たされた。気のせいかちょっと寒さが和らいだ気がする。
- 130 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/16(木) 18:58
- 「…ビンゴね。高橋、あれ。」
高橋が石川の指差した方向を見ると、5、6種類の魚が冷凍保存されている。
それは、金目鯛・ムツ・メダイなど、この地方で捕れる魚なのだが、高橋には何の魚だがわからなかった。
「解凍するのがちょっと大変そうですね。」高橋は心配した。
「まあ、とりあえずこの小さな魚を持っていきましょう。」
石川は、アジとイワシを人数分6匹ずつ持って来たビニール袋に入れた。
「商店で、ミカさん達が野菜やお米を見つけたらしいし、今夜は魚料理ね。」石川は心なしかウキウキしている。
だが、高橋には一つ心配事があった。
(うちのチームに魚をおろせる人いるかなあ…)
しかしその疑問も、鼻歌まで歌い始めた石川を見ると言うに言い出せなくなってしまった。
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