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とくばん〜HPシャッフルサバイバルSP〜
- 118 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/10(金) 23:33
- SALT TEAM'S PHASE──
加護達SALTが学校に到着すると、見張りの藤本とアヤカが無線で飯田と連絡をとり、職員室に来るように言われた。
昇降口から上がる時に藤本に「紺野ちゃん、ちょっと怪我しちゃって今、保健室にいるんだ。よかったら顔を出して行ってよ。」
の言葉に驚いた加護と小川は、前田と松浦の許可をもらいすぐに保健室に向った。
(前田と松浦にしては、飯田への交渉時にはこの2人がいないほうがよかったので問題なかったのだが)
包帯でぐるぐる巻きにされてうなされている紺野を想像し、加護は保健室のドアをあけた。
「こんちゃん、大丈夫!?」
ドアを開けた2人が見たものは、アイスクリームを頬張る辻と紺野の姿だった。
「あ、まこっちゃん。」「あれ、あいぼんどうしたの?」
(なんや、心配して損したわ。)
- 119 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/10(金) 23:34
- 数分後、加護と小川もアイスクリームを貰って頬張っていた。近くの民家にあったものらしい。
「勝手に食べていいのかな?」小川が心配する。
「いらなかったら、つぃが食べてあげるよん。」辻が小川のアイスに手を伸ばす。
「あげません。」小川が慌てて口に含む。
「でも、こんちゃんが苦しんだりしているわけじゃないんで安心した。」これは加護の正直な感想だ。
「うん、怪我自体は大したことはなかったんです。どちらかというと銃に撃たれたショックの方が大きかったです。」
紺野はにっこり微笑む。
「ところで、あいぼん達は何をしに来たの?」
「それがなあ、同盟だって。次にAIRが狙うのが加護達だって前田さんが言ってたから、WATERに守ってもらうって言ってた。」
「じゃあ、のの達はあいぼん達と一緒に行動できるの?」辻はきらきらと目を輝かせる。
「ま、そういうことになるかな。」加護が答える。と、そのとき。
「出てって!!」
大きな声が隣の部屋から聞こえてきた。どうやら飯田の声である。
(なんや、なんや? 何があったんや?)
- 120 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/10(金) 23:35
- 「わたしも随分甘くみられたものね。さあ、帰って!」飯田の声が続けて聞こえてくる。
隣のドアが乱暴に開けられる音がした。足音が聞こえてくる。
(こりゃあかんわ。せっかくののと一緒になれるおもうてたのに…。)
保健室のドアが開けられた。「加護ちゃん、まこっちゃん。帰るよ。」松浦が呼びかける。
「え? 一緒に行動するんじゃなかったんですか?」小川が驚く。
「んー、ちょっとね。ダメみたい。」松浦が苦笑する。
「一緒になれなくてごめんな、のの。」
「また、会えるよね?」辻は心配そうだ。
「あたり前だよ。アイスありがと。じゃ、まこっちゃん、行くよ。」
* *
- 121 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/12(日) 19:19
- 加護と小川を保健室に行かせた松浦と前田はそのまま職員室に向った。職員室には、WATERのリーダーの飯田の他に矢口もいた。
まずは、前田熱っぽく喋べって、時々松浦が補足する形をとる。
WATERの二人はそれに口を挟むことなく聞いている。
「……残念ながらAIRはゲームに乗ってしまったようです。私たちは、安倍さんの無念を晴らしてあげたいと思ってます。
そこでWATERの協力が欲しいのです。WATERの人数、そして私たちの武器、これらがあればAIRなんて問題はありません。」
ここで初めて飯田が口を挟む。
「あのさ、あなたちはAIRをどうしたいわけ? 皆殺しにしたいの?」
「そうではありません。改心できればもちろん……。」
「うちのチームの斉藤と村田と柴田──メロンの3人がAIRのいる倉庫へ行ったのね。大谷に会いに。
そこでいろいろ話を聞いたの。そこでこんな話を聞いたんだ。『先に新垣がSALTの卑怯な罠で殺されている。
しかも、丘の件だって罠でなっち以外のメンバーはみんな銃を持って隠れていた。』と。
前田さん、新垣の件については話してくれなかったわよね? この件は本当なの?」
「えっと、それは…。」「新垣ちゃんの件については本当です。」
口ごもる前田に代わって松浦が話し始める。
- 122 :ゼロ ◆ZERO/PNu7I :2003/10/12(日) 19:20
- 「でも、新垣ちゃんは間違って殺してしまいました。メンバーがある場所に手榴弾を置きっぱなしにしちゃって、
それを新垣ちゃんが間違って暴発させてしまったのです。これに関しては私たちに責任があります。
でも、丘の件については違います。安倍さんは純粋に一緒に脱出しようとして呼びかけたのです。
安倍さんをAIRがいきなり撃って…」
「…出てって!」松浦の言葉を遮って飯田が叫ぶ。「言い訳は十分。つまり、どっちもどっちってことじゃない。」
横では矢口が驚いたように飯田を見る。
「それをさも『なっちの仇うちましょう』とかなっちをだしに使って。
その言葉を使えば私が首を縦に振ると思った? わたしも随分甘くみられたものね。さあ、帰って!」
「いえ、そんなつもりは決して…」飯田はなお、言葉を続けようとする前田を無理矢理、職員室から追い出す。
「さあ、松浦も」続いて松浦も職員室から追い出した。そして「ふぅ」と一息つくと、幾分表情を緩め矢口の方に向く。
「矢口、ゴメン1人にしてもらえる?」「うん、わかった。…何かあったら呼んでね。」
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