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ほぼ毎日、娘。のとある奴が俺の家にいる・・・!!!5

1 :◆5/w6WpxJOw :2004/02/08(日) 06:16

【10秒でわかるあらすじ】

とある事情で、とある部屋に、とある奴らが来るようになった。そんな話。


【過去スレ】

ほぼ毎日、娘。のとある奴が俺の家にいる・・・!!! (第一部)
http://news3.2ch.net/test/read.cgi/news7/1040831621/
http://yumeiro23.at.infoseek.co.jp/musume/1040831621.html
ほぼ毎日、娘。のとある奴が俺の家にいる・・・!!!2 (第一部→第二部)
http://news3.2ch.net/test/read.cgi/news7/1043831353/
http://yumeiro23.at.infoseek.co.jp/musume/1043831353.html
ほぼ毎日、娘。のとある奴が俺の家にいる・・・!!!3 (第二部→第三部)
http://news3.2ch.net/test/read.cgi/news7/1053111546/
http://yumeiro23.at.infoseek.co.jp/musume/1053111546.html
●ショムニ● (第三部→第四部→第五部)
http://www.omosiro.com/~sakuraotome/live/test/read.cgi/bbs/1041444474/22-

152 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:54

「ふーっ……やっと終わったー!」

広いリビングに一人の女性の声が響き渡った。
それは多分、部屋の反対側にいた一人の男性に対して言った言葉だったのだろう。

彼は無意識的にそう感じ、仕方なく彼女の近くに歩み寄ると、おもむろに声をかけた。

「何が終わったんだ?」
「うん。前にも言ったよね。あたしがネットで小説書いてるって話」
「ああ、そう言えばなんか聞いたことがあったような気がしないでもないような……」
「なーによ、それ!人がせっかく終わらせたって言うのに、労(ねぎら)いの言葉くらいあってもいいでしょ?」
「労いって言われてもなあ、大体どんな小説書いてんだ?」
「それは別にいいでしょ!もーちゃんには内緒だよ!」
「内緒はないだろ?こうして二人で暮らしてもう半年だぞ?俺の秘密はすぐ聞きたがるくせに!」

そう言ってもーちゃんと呼ばれた男性は少し怒ったような表情を浮かべた。
ただ、以前ならば――同棲し始めた頃ならば、それは軽い冗談として流れていったことだろう。
しかし、お互いに相手が笑っただけで幸せな気分になれたあの頃はもう遠いどこかへと……。

「いいじゃん!これね、ほんとに長かったんだから。ね?だからさ、労ってほしいんだ。お願い!」
「なんで俺が労わなきゃいけないんだよ。もういいよ。俺疲れたから……部屋で休んでるよ」
「ねえ、ねえってばあ!……バカ!……もーちゃんのケチ!……」

彼女がそれほど労いの言葉に固執したのには理由があった。
彼女が書いていた小説、それは彼女ともーちゃんとの恋愛を描いたものだったのだから。
そして、彼女がそれを書き始めたのが、実はもーちゃんと付き合いだした頃だったのだ。
そう、それはまさに、お互いに相手が笑っただけで幸せな気分になれた頃……だっただろう。

「はあ……せっかく終わらせたのに……やっぱりもーちゃん、私のこと……」

彼女はそう言ってから、何度も何度も、深く溜息を吐いた。

153 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:54

彼女には最近気になることがあった。あまり表情には出さなかったものの、
最近彼女が少し苛立っていたのもそれが原因だった。

それはもーちゃんに別に好きな人ができたんじゃないか、ということだった。
それは付き合い始めた頃から覚悟していることではあった。
彼女は自分に自信が持てないでいた。それはその容姿が最もな理由だっただろう。
今は女優という仕事をしているものの、それでも色物扱いをされ続けているのは彼女自身も理解していた。

そして、だからこそ、彼がいつか自分の元から去ってしまうのではないか、
そういった不安をずっと抱き続けていたのだ。

そして更に、その不安が増大したのが二、三ヶ月ほど前のことだった。
彼女の昔の仕事仲間が部屋に遊びに来たのだ。名前は福田明日香と、そして中澤裕子。
そして、その日を境に彼の態度が少しおかしくなったと、そう彼女は感じていた。

特に彼が浮気をしたとか、そういう証拠があるというわけではなかった。
しかし、彼女にとって、その疑惑は証拠が無ければ無いだけ膨らむものだった。

そして驚くことに、彼女はその怒りをその小説にぶちまけてしまったのだ。
いや、ぶちまける、という表現は明らかに間違っているだろう。
それは決して、怒りのあまりの文章、展開というものではなかったのだから。
それはかなり冷静な、そして計算づくのものだったのだ。

彼女はその小説の中で、彼と彼女たち――福田と中澤のことだ――を意図的に接近させたのだ。
その理由……それは、最後に思いっきり二人を叩きのめし、そして勝利の余韻に浸るため……。

しかし……しかし……彼女はそれを実行することができなかった。
それがどれだけ虚しいことなのか、書いているうちに痛いほど身に染みてきていたのだ。

だから彼女はその最初の計算通りにその小説を終わらすことはできなかった。

154 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:54

そしてまた、彼女はそんな卑怯な自分のことを、自分で嫌いになってしまっていたのだ。
だからこそ、彼女は予定していたはずの、彼女が最後に彼の前に現われるという結末を
うやむやにしてしまったのかもしれない。

ただ、そのままで終わらすことはもっと回避しなくてはならないことだった。
そこで彼女は苦心の末に、一つの作戦を実行することにしたのだ。
それが、夢オチのような場面転換を幾度となく重ねるという、ほとんど反則とも言える終わり方……。
今までの話はなんだったのか、と誰もが思うその展開こそが、彼女に残された唯一の作戦だったのだ。

様々な作者を作り上げては、それぞれの作品を次々と重ね合わせ、どれが本筋なのかわからなくする。
その中にはなぜか福田の存在もあったが、ただ、それも彼女の後悔の表れなのだろう。
友人であるはずの福田に対してあらぬ疑いを勝手にかけ、そしてそれを憎んでいたのだから。
だから彼女は、そんな自分を救うために、自分を許せなくなる前に、
その償いとして、福田を一人の作者として登場させたのだろう。

ただし、それでも彼女の中の疑惑というものが完全に消え去ったというわけではなかった。

そこが女性の恐ろしいところでもあるのだろう。――と、寺川光太は改めて思った。

寺川光太は調査会社の人間である。いわゆる探偵業というやつで、今は個人で小さな事務所を開いていた。
しかし、探偵と言っても、一般の人々が想像する探偵というものとは全く違った稼業だろう。
現在の仕事は、女優・保田圭の素行調査。ただし、それは尾行とかそういう程度のものではなかった。

すでに一ヶ月前からその仕事は開始されており、今はこうして彼女の動作を逐一観察できるほどであった。
彼女の部屋には盗聴器や小型盗撮カメラが幾つも仕掛けてあり、彼女の電話の内容や、
パソコンで何をやっているのか、その押したボタンの一つすらも、全てが把握できるようになっていたのだ。

完全に違法であるが、しかし寺川にはそれを気にする様子は微塵も無かった。
むしろ、その違法性を楽しんでいるような、そんな感じにも見えただろう。
それもそのはず。最近の調査機材はどれも小型で優秀であり、
寺川は彼女の独り言どころかその吐息までもを全て捕捉できていたのだから。

155 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:55

そして何より、最近の寺川はこの保田という女優に少しづつ好意を持ち始めていたのだ。
寺川も最初は保田のことはほとんどタイプではなかった。他のメンバーと比べるとより一層そうだっただろう。
しかし、その保田という女性の私生活を見れば見るほど、何か惹き込まれるものを感じたのだ。
そして、そんな寺川が一番楽しみにしていたのが、それが保田と彼氏との夜の営みだった。

カメラやマイクは部屋中の至るところに仕掛けられていた。当然、寝室にもだ。
二人の営みはあまり頻繁とは言えず、むしろ一ヶ月でたった二回という程度のものだったが、
しかし寺川にはそれがまた、その欲望を掻き立てるのにちょうどいい具合になっていた。

そして、次に二人がその営みを行ったのは、それから一週間後のことだったのだが、
しかし……それを寺川が観察することはなかった。

その営みが行われた日の二日前、東京湾から寺川の水死体が上がったのだ。

それは新聞やテレビでも報道された。ただ、彼の身元がわかった後になっても、
彼が小さな調査会社を運営していたことは全く触れられることが無かった。
ただ何らかの仕事上のトラブルに巻き込まれたのではないか、というありきたりな報道がされるだけだった。
そしてこの事件も他の例に漏れず、人々の記憶から次第に消えようとしていた。しかし……。

「あのお、警部補……れすよね?ちょっと発言してもよろしいれしょうか?」
「ん?後にしろ後に!こっちは忙しいんだ。ったく、今月だけで管轄内で殺人が三件……」
「れも、れも、これきっと重要な情報なのれすよ。えっとれすね……」
「一体なんだね!情報があるならまず本部に報告してくれ!大体君は交通課じゃないのかね?」

警部補と呼ばれた50代くらいの男性は若い新米の婦警をそう一喝すると、
堅苦しい表情で冗談と思しきものを呟きながら廊下の奥へと消えていった。
「これじゃまるで週一の刑事ドラマじゃねーか……事実は小説よりも何とやら、か」

「うーん。刑事ってのはよくわからないのれす。とりあえず捜査本部に行けばいいのれすかね?」

そう確認するように言ってから、新米婦警は二階へと階段を登っていった。

156 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:55

「おう、辻巡査じゃねーかよ。一体どうしたんだい?いかにも困ってますって顔してるぜ?」
「あう。吉澤巡査部長。ちょうろ良かったのれすよ。捜査本部に行きたいのれす」
「捜査本部って、あの殺人のかい?」
「そうなのれすよ」
「おいおい、俺っちたちは交通課だぜ?それが何の用で刑事課のテリトリーなんて行くんだい?」
「重要な情報が手に入ったのれすよ」
「わお、マジでか?」
「それはよくわからないのれす。れも石川しゃん……石川巡査長からそう言われたのれす」
「おいおい、それで本部なんてよく行くつもりになったなあ。あそこはへんくつ者の溜まり場だぜ?」
「それはわかるのれすよ。さっきも鬼瓦みたいな警部補に怒鳴られたばかりなのれす」
「ははは。鬼瓦ってことは、あの警部補か。そりゃ災難だったなあ」
「そうれすよ。思い切り怒鳴られたのれす。鬼瓦のくせに最低なのれすよ」
「そうだよなあ。顔は同じ鬼瓦でも女優の保田さんとは偉い違いだよな」
「保田しゃんというと、あの元モーニング娘。の保田圭しゃんれすか?」
「そうそう。実はなあ、俺っちも昔、モーニング娘。に憧れてた時期があったんだよなあ」
「そうなのれすか!ののもなのれすよ!」
「おう、そうか。でもなあ、オーディションに参加する前に解散しちゃったんだよ。何年前だったかな?」
「ののが中学生らった時なのれす。らから7年くらい前れすかね?」
「そっか。もうそんなになんのか。懐かしいなあ。今じゃ活躍してるのは何人いるんだか……」
「飯田しゃんに保田しゃんれしょ?それにのの、市井しゃんのファンなのれすよ」
「おう、俺っちも市井さんは好きだぜ?」
「それは奇遇なのれす。ののも市井しゃんみたいに清楚で素敵な女性になりたいのれす」
「ははは。そりゃそうだよなあ。俺っちも市井さんには憧れちまうもんなあ」
「……そう言えば、後藤しゃんはあれからろうなったんれすかね?」
「さあなあ、結局あれで解散しちゃったもんなあ。シャブなんて、人間壊れるだけなのにな」
「そうれすね……いくら後藤しゃんれも、覚醒剤らけは許せないのれす」
「おっと、そんなことより、さっき言ってただろ?重要な情報ってどういうことなんだ?」
「そのことれすか。実はれすね、今朝知らない車が止まってるって署に通報があったのれす」
「ふむふむ」
「それれレッカー移動に向かったのれす。そしたら、車内から怪しげなものがたくさんれてきたのれす」
「あやしげなもの?」

157 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:55

「バッカモーン!なんでもっと早く報告せんのだ!」
「ひぃっ、すいませんなのれす。れも……れも後にしろって言われたのれす」
「ったく、これだから最近の新人は……」
「とにかくお前はもう下がっていいから。手の開いてる者を全員招集させろ!至急証拠品の分析だ!」

レッカー移動されたその車の持主は都内に住む銀行員だった。
しかし、銀行員は忙しくて車にはほとんど乗らず、車は自宅から1km離れた駐車場に停めたまま、
一ヶ月ほど全く見ていなかったという。そして、その間に盗難にあっていたということがわかった。
つまりは盗難車だ。それも、その銀行員が車のケアをしていなかったということを知っていたとなると、
それはかなり念入りな下準備をしていたという可能性も出てくるのだ。

ただ、その車の盗難が寺川光太殺人事件とどのように繋がるのかは今のところ判明していなかった。
わかっているのは、その工場脇に放置された車の中から、寺川に関係すると思われる、
膨大な量の書類や、そして写真やディスクなどが見つかったということだった。
その車を盗んだのが寺川なのか、それとも別の人物なのかも今のところは不明である。

「わお、それじゃ大手柄じゃないか!」
「そんなことないのれすよ。鬼瓦しゃんにまた怒鳴られたのれす」
「ははは、そりゃまあ、捜査本部もかなり慌ててるってことなんじゃないかな。殺人三件山積みだしね」
「それにしても、寺川ってのは何者なんれすかね?ののには何も教えてもらえなかったのれすよ」
「そりゃそうだよ。あちらさんは外部には一切情報は渡さないからね。交通課も外部ってこと」
「れも、ののたちが見つけたんれすよ。少しくらい教えてくれてもいいんじゃないれすかね?」
「まあ、そういう枠組みってのが組織ってもんだからな。それは仕方ないって」
「うーん、あれ?」
「ん?どうしたんだ?」
「ポケットの中に何か入ってるのれす」
「?」
「あ、これ……朝あの車の中を確認した時にうっかりポケットに入れてしまったのれすよ」
「おいおい、それはちょっと……まずいんじゃないのか?」
「れも、おかしいれすね。ろうしてそんなことしたんれすかね?」
「とにかく、まずそれが何なのか見てみろよ」

158 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:55

「写真なのれす……それも三枚重なってたのれす」
「写真か、何が写ってるんだ?ちょっと見せてみろって」
「……あ、ああ!!!い、市井しゃんなのれす!!!」
「市井さんって?あの、市井さん?」
「お、思い出したのれす!そうれす。のの、市井しゃんの写真をうっとり眺めてたのれす」
「そしたら、一緒にいた石川しゃんに『何ぼーっとしてんの!』って怒られて……それれつい……」
「その反動で無意識的にしまっちまったってわけか」
「れも、れも、なんれ市井しゃんの写真があるんれすかね?これ、家の中みたいれすけろ……」
「ほんとだ。って、これ……盗撮ってやつじゃないのか?」
「と、盗撮れすか!な、なんて卑猥な響きなのれしょうか!そ、それじゃ寺川って男は?」
「……盗撮マニア……ってこともあるけど、これはひょっとすると……もっと複雑な事情があるのかも!」
「ろ、ろうしましょう。これ、今から本部に……」
「バカッ!ちょっと待て。いいか?その写真は何枚くらいあったんだ?」
「えーと、よくわからないけろ、たくさんあったのれす。たくさんの書類と一緒にカバンに入ってたのれす」
「書類……ってことは、その書類で寺川に関連したものだとわかったわけだな?」
「多分そうらと思うのれす。石川しゃんが何か叫んで、それれ急いれ報告してくれって」
「なるほど。となると、これはこれで面白いことになるかもしんねーぞ!」
「これ、ろうしましょう。やっぱり本部に……?」
「まあ待て。大量にあった写真の中からたった三枚だぜ?となると、無くても困らないものかもしれない」
「ろういうことれすか?」
「俺っちたちで捜査するんだよ!この事件を……っていうか、その寺川って男がしてたことを、な!」
「の、ののたちが捜査れすか???」
「ああ。交通課だなんて言ってるけど、やっぱりドラマだって刑事が主役だぜ?」
「れ、れもほんとに大丈夫なんれすかね?」
「なーに、いいってことよ。それに……気になるしな。この写真に写ってたのが……市井さんってことが!」
「わかったのれす。ののも捜査するのれす!」
「よし、それじゃ、二人で捜査……ってのも心もとないな。そうだ。梨華は今どうしてるんだ?」
「石川しゃんなら、さっき捜査本部れ一緒に怒られたのれすよ。その辺にいると思うのれす」
「よし、それじゃまずは、俺っちたちの捜査本部結成と行くか!」
「了解なのれす!」

それが彼女たちを定められた運命へと導くことになるとは、その時はまだ……。

159 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:56

書類が散乱した机越しに、二人の男が向き合っていた。
灰皿からはタバコの煙がモクモクと立ち昇り、辺りをぼやけた空気に変えていた。

「で、君はこれを……本気で私に提出する気かね?」
「ええ。自信作なんです。どうです?凄いでしょ?」
「ああ、凄いね。それも物凄く……だが、それは……別の意味でだ!!!」
「だ、駄目ですか?」
「駄目だ。大体何だねこの脈絡の無い展開は!」
「それが狙いなんですけど……」
「君は狙いとか、そういうことを言える立場にあるのかね?」
「いえ……それは……」
「やれやれ。君のような無能な新人をなんでうちで使わなきゃいけないんだか……」

椅子に座っている方の男は向かいに立っている男にわざと聞こえるようにそう呟いて、
タバコに火をつけた。灰皿にはまださきほどのタバコが煙を立ち昇らせていたが、
それももしかすると嫌がらせの類だったのかもしれない。

「まあいい。上の方から君の脚本をどうしても使ってくれと言われてるからね……」
「そ、そうですか。ありがとうございます!」
「ただね……これはさすがに長過ぎるんじゃないかね?全部やるとしたら半年は……」
「すいません。まさか採用されるとは思わず、ついつい筆が進むままに書き進めたものですから」
「えーと、まず最初の部分は……これか。『ほぼ毎日、娘。のとある奴が俺の家にいる・・・!!!』……」
「はい、そうです。ある家庭に上がりこんだ娘。を主役にしたホームドラマです」
「それはいいんだが、ただねえ、主役が保田ってのは使えないよ。やるとしてもキャラ変更ね」
「そ、そうなんですか?でも、保田さんもコントには出てますよね?それにこれは保田さんじゃないと……」
「それで次が第二部だっけ?これは元娘。たち……これは当然却下、あるいはキャストと脚本変更」
「はあ、でもそれは元娘。だからこそ……」
「で、第三部は未来編か?そりゃコントとしては未来でもいいが、脚本が最悪だよ、これは」
「す、すいません……それは自分でもそう……」
「はあ。第四部……問題外……まあ軽いヤンキーキャラのコントならいけないこともないが」
「ですよね……」

160 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:56

「第五部……これは第二部の延長だったな。これも当然キャストの変更」
「……」
「で、この最後はなんでこんなに複雑なんだ?」
「それが狙いですから」
「それはさっきも聞いたが、どうしてこんなわけわからないの書くかなあ」
「でも……」
「精神病の患者に都市伝説に福田に、新垣の日記は、これは別コーナーならいけるか」
「本当ですか?」
「うーん、ただ彼女たちに漫才ってのはどうかね。以前にも他局さんで失敗してるからねえ」
「そうなんですか」
「で、次がまた保田か……ん?なんだねこの展開は?」
「すいません。それもわかりにくいですよね。突然殺人事件になったり……」
「いや……これは……使えるんじゃないか?今のところ辻と吉澤と石川がメインなのかね?」
「は、はい。そうです。その三人がメインです!」
「うーん、辻のスケジュールがどうなるかだなあ。ただ、刑事モノはコントとしても確かにやりやすいな」
「ほ、本当ですか?」
「ああ、ただ、続き物ってのは困るんだよね。やっぱり単発モノじゃないと」
「そ、それじゃ毎回オチがあるように作り直したらどうでしょうか?」
「うん。それならまあ、いいかもしれないな。規模もちょっと小さくした方がわかりやすいかもな」
「規模を?」
「そうだ。例えばだ、そうそう、舞台を駅前の交番にして、出てくるのは町内の事件」
「町内……ですか?」
「おお、そうだ。それでいこう。タイトルは『駅前交番物語』だ!……とすると……」
「と、すると?」
「キャストはこれじゃ問題だな。婦警は年上がいいだろう。中澤(30)と、そうだな、後は矢口(31)だ」
「そして、交番の前には病院とバス停だ。そして近所の幼稚園の生徒や魚屋がよく通る設定にしよう!」
「あ、あの……それじゃこの脚本とは全然違って……」
「これをどう変更するかは君の腕次第だよ!期待してるよ!」
「は、はあ……」

 『ハロモニ。劇場の舞台裏〜駅前交番物語誕生秘話〜』 終

161 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:56

書類が散乱した机越しに、二人の男が向き合っていた。
灰皿からはタバコの煙がモクモクと立ち昇り、辺りをぼやけた空気に変えていた。

「で、君はこれを……本気で私に提出する気かね?」
「ええ。自信作なんです。どうです?凄いでしょ?」
「ああ、凄いね。それも物凄く……だが、それは……別の意味でだ!!!」
「だ、駄目ですか?」
「駄目だ。大体何だね、特にこの最後の展開は!」
「はあ、一応コントの台本が出来上がるまでの過程をですね……」
「君ねえ、ものすごくわかりにくいんだよ。特に区切りが無いと、どれがどの話なのやら」
「いえ……それは……」
「それにねえ、視聴者はこんなコントの舞台裏の身内ネタなんて興味ないんだよ」
「まあ、それはそうですけど……」
「視聴者が見たいのはモーニング娘。なんだよ。君の脚本はその基本がわかってない!」
「はあ……でも身内ネタで数字取ってる番組も結構ありますよね?」
「だから君は勘違いしてると言ってるんだ。例えこれをコントでもドラマでも、とにかくだな……」
「……」
「これを視聴者に見せて、一体どれだけの反響があると思うんだね?」
「それはまあ、あまり無いかと……」
「……やれやれ。君のような無能な新人をなんでうちで使わなきゃいけないんだか……」
「すいません。やっぱり無理ですよね……」
「いや、一応上の方から君の脚本を来月から使えと言われているんだ。なぜかは知らないけどね」
「……」
「ったく、どこのコネだか知らないが……まあいい。とにかく、これを使えってことだから……」
「はあ。ありがとうございます」
「とりあえず、使えそうな部分は……刑事モノくらいだな。ここをコント風に修正するように。わかったかね?」
「は、はい」

そして一ヵ月後、彼が書いた刑事ドラマ風の脚本がテレビで放映されることになった。
一週目は彼が最初に書いた脚本にあったままの進行であり、辻・吉澤・石川の婦警三人が、
ある殺人事件を独自に調査することを決意するまでを描いたシリアスなストーリー。
そして二週目は……。

162 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:56

署内のとある一室。そこに交通課の三人の婦警がひそかに集まっていた。

「とにかく、俺っちたちの唯一の武器は、この三枚の写真ってことだ」
「でも、この三枚の写真で何がわかるのかしら?その……殺人事件との関係が」
「それはまだわからないよ。ただ、これがあの殺された寺川が撮った写真だとすると……」
「それが殺された原因?ってこと?」
「その可能性が高いってことよ。こうやって有名人のスキャンダルを餌にしていたのかもしれないだろ?」
「それにしても市井しゃんは綺麗なのれす。さすが結婚したい“独身”女優ナンバーワンなのれす」
「ほんとね、でも、ちょっと後ろめたいな。こうやって部屋の中を覗くなんて……」

そう言って石川は複雑そうな表情を浮かべた。
スリルや波乱を望む吉澤や辻とは違い、石川は刑事ドラマにはほとんど興味を持っていなかった。
むしろ交通課の婦警を目指して警察官に志願したほどなのだ。
そんな石川が吉澤の呼びかけに同意してこうして独自の捜査に加わったのは、
二人のように推理ごっこがしたいからではなく、ただ単に親友の吉澤に誘われたからだった。

「二枚目の写真は……これも市井しゃんれすよね?」
「ああ、サングラスをかけて変装してるみたいだけど、格好から言って市井さんだろうね」
「これ……ろこなんれしょうか?ろこかの通りみたいれすけろ」
「うーん。後ろの建物に看板みたいなのが見えるけど……文字までは読めないな」
「ねえ、この三枚目の写真って、これってやばいんじゃない?」
「え?どうして?」
「だってこれ、隣に写ってるの、男の人でしょ?」
「だね。でもマネージャーさんかもしれないし、ただの友達かもしれないぜ?」
「そうならいいんだけど、でもちょっと、寄り添ってる風に見えない?」
「まあ、市井さんもいい年だし、カレシの一人や二人くらいいても……別に、な?」
「でも、この写真だけじゃ何とも言えないよね?部屋の中と、男とのツーショットだけじゃ」
「うーん。いきなり行き詰まりかあ。やはりこれだけじゃ捜査は無理なのかなあ」
「……あれ?この二枚目と三枚目の写真……ちょっと気になるのれすよ」
「ん?どうした?」
「これ、二枚目は、市井さんが一人れ、ろこかの建物に入るような、そんな感じなのれす。れも……」

163 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:57

「三枚目は……そこから二人れ、れてくるところに見えるのれす」
「……確かにそうだな。背景に写ってるレンガ模様の壁も一致するし……ってことは?」
「市井さんは一人でその建物に入り、そして男と二人で出て来た……そしてそれを写真に撮られた……」
「おいおい、梨華。それがそんなに重要なことなのか?」
「だって、普通はわざわざそんな写真なんて撮らないでしょ?撮るからには、それなりの理由が……」
「……!ってことは、寺川にはこの二枚の写真を撮る理由があった?それはつまり……!」
「それがスキャンダルってことじゃ?」
「おい、確か、課に画像分析の装置があったよな?ナンバープレートの分析に使うやつ!」
「それがろうしたのれすか?」
「わかった。それでこの写真を分析しようってことでしょ?」
「イエス、アイドゥーーーン!」

一時間後、三人は駐車違反取り締まりと称して署を離れ、都内のある通りにやって来ていた。
そこは有名なラブホテル街だった。そして写真に写ってる風景が今、三人の目の前に広がっていた。



「あのお、一応書き上げたんですけど、二週目はこれでどうでしょうか?」
「どうって言われてもね、君の脚本を使えって言われてるんだから、私には何も言えないんだがね」
「はあ……」
「ただね。君がどんなコネを持っていようと、大事なのは数字と、そして反響だよ」
「それはわかってます」
「とにかく、この刑事ドラマへの反響次第で、次をどうするかを決めるから。この二週分の反響でね」
「と言うことは……」
「視聴者の反響によって、続けるか、それとも打ち切るか、それを決めるってことだよ」
「はあ……」
「もし視聴者からの好意的な反響があれば続けるし、逆なら即打ち切りだ。わかったかね?」
「はあ……まあ、わかりました」
「もっとも、首を洗って待っていた方が身のためだとは思うがね。ふははははっ」


 『ハロモニ。劇場の舞台裏〜刑事ドラマの行方〜』 終

164 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:57















.

165 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:57

「ごめんなさい」
「まあ……別にお前が謝るようなことじゃないし……」
「でも……許可があるまで見ないって約束してたのに……」
「まあ見るなって言われると見たくなるのが人間ってもんだからな」
「……」
「それに、第四部は一応お前が監修してたんだし、そりゃ続き読みたくもなるわな」
「……」
「おいおい、そんな落ち込むようなことじゃないだろ?大体お前は俺の心配をしてくれたんだし」
「それはそうですけど……」
「俺も自分でもやばいと思ってたからな。こんなん書いてるようじゃ……」
「……」
「わかったよ。お前の言う通り、明日にでもまた精神科に行って薬処方してもらってくっから……」
「ごめんなさい……」
「だから謝ることじゃないだろ?こんな展開書いてたら確かに正常とは言えないからな」
「……」
「まあいいや。とりあえず晩飯にすっか。今日は二人っきりだし、お前の好きなもんでいいぞ」
「……」
「ん?どうした?なんか言いたいことでもあるのか?」
「あの……その……もうさくさん、もしかして、私のこと……」
「はあ?」
「いえ、なんでもないです……」
「なんだそりゃ。なんか今日のお前おかしいぞ。何かあったのか?」
「あの……もうさくさん……もしかして私に気がありませんか?」
「ゔふっ……な、なんだよ突然」
「だって、あの小説でもうさくさん、私のこと書いてましたよね。私が、もうさくさんのことを……って」
「なんだ、そんなこと気にしてたのかよ。あれはあれだ。ただのフィクションだろ?」
「で、ですよね」
「そうそう。俺が好きなのはあいつだけだからな。まあお前がもうちょっと色っぽければなあ」
「それ、どういう意味ですか!」
「ははは。まあいいじゃん。ってか、逆にお前の方が俺に気があるんじゃねーの?」
「な、ななななにバカなこと言ってるんですか!私がもうさくさんごときに惚れるなんて、そんなことは!!!」
「ほらほら、そうやってムキになるとことかさ」

166 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:57

「もうさくさんなんて嫌いです!」
「ははは。そういうところはほんっと素直なんだよな。いっつもは頑固なのにさ」
「悪かったですね。どうせ私は頑固ですよ!それももうさくさん以上に!」
「はいはい。さーて、それじゃ、晩飯作るか。お前どうするよ?一緒に作るか?」
「性格の悪い人とは一緒に作りません。作るんだったらお一人でどうぞ!」
「ったく、つれないなあ、ほんっと……」

彼女たちが私の家に来るようになって、早一年が過ぎた。
その間、色んなことがあった。中には辛いこともあった。
でも、多分私は、誰よりも幸せだったことだろう。

自分の恋は小説の中ではまあうまくいったけれど、それはまだ実行には移していないことでもあって。
その決意には、まだ誰も――勘の鋭い福田ですら気づいてはいないのだけれど。

明日、部屋に彼女がやって来る。保田が、久しぶりにこの部屋に……。
私はそこで、自分の気持ちにけじめをつけようと思う。
小説の中で書いたように、あの思い出の場所で……。

ずっと言えなかった言葉を、彼女に……。







   『ほぼ毎日、娘。のとある奴が俺の家にいる・・・!!!』

   第五部 「変わらぬ日常と、そして……」

   ―― 完 ――

167 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:58

*月*日――

長かった私の現実もようやく完結を迎えた。
人はそれを単なる脳内妄想だと、キモヲタの妄想だと言うかもしれない。
でも、それは私にとっては、はっきりと現実だった。
そして私はその現実の中で、とても幸せだった。
誰が何と言おうと、その私の幸せを否定することはできない。

でも、その幸せを続けるわけにはいかなかった。
幸せはいつかは消えてしまう。
例え消えなくても、必ず最後には無くなってしまう。
人間いつかは死ぬのだから。
問題は、死ぬ時に自分が幸せだったと思いながら死ねるかどうか、だろう。

だからこそ私は幸せをここで止めるのだ。
自分が満足している今こそがその時だと、そう思ったから。

168 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:58

*月*日――

身の回りの整理を始めて三日目、バイトも辞め、部屋もだいぶ片付いた。
必要なもの以外は全て処分するか、ダンボールに閉まって積んである。

これなら例え私が死んでも困ることはないだろう。

169 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:58

*月*日――

部屋が少し淋しい。
片隅に茶色いダンボールが積んであるけど、それでもガランとしている。

テレビも冷蔵庫も捨ててしまい、あるのはCDラジカセと電気ポットくらいだ。
それと布団と数日分の衣服、どれもその日までは必要なものだ。

でも、まだその日時と場所と方法が決まらない。

血を見るのは嫌いだし、苦しむのは嫌だし、高い所は苦手だ。
ここはやはり練炭というものを買うべきだろうか。
明日にでも近くのホームセンターを覗いてみよう。

170 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:58


七輪と練炭を購入。
タバコを吸うついでに、試しにその炭に少しだけ火をつけてみる。
これなら苦しむこともなく、幸せなままいけそうだ。

後はその日時と、そして最後に聴く音楽を決めなくてはいけない。
やっぱり最後は好きな曲に囲まれていたいから。

姉さんの『二人暮し』か市井の『journey』、後藤の『サヨナラのLOVE SONG』あたりがいいだろうか。
でも無難に『Never Forget』というのもありかもしれない。

171 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:59

*月*日――

そろそろカップ麺とほか弁にも飽きてきた。
貯金を残していても意味がないし、パーッと贅沢するべきかもしれない。

172 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:59

*月*日――

結局、最後の曲は『LOVE-計算チガイ-』に決めた。
私にとって思い出の曲だから。

173 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:59

*月*日――

荷物を処分する。部屋がスッキリした。

174 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:59

*月*日――

私は幸せだったのだろうか。

175 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 22:59

*月*日――

私は幸せだった・・・。

176 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 23:00

*月*日――



.

177 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 23:00

*月*日――



.

178 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 23:00

*月*日――



.

179 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 23:00

*月*日――



.

180 :◆5/w6WpxJOw :2004/04/19(月) 23:00

*月*日――

この日には多分、私はもういない。
だからあらかじめ書いておきたい。

この日記が例えここで終わっていたとしても、
この日付けで途絶えていたとしても、私の幸せは永遠に続いていく。

明日も、明後日も、来週も、来月も、来年も・・・例え宇宙がなくなっても・・・。

私は幸せを抱いたまま、幸せを抱いたままの状態でいつづけるのだから。

ずっとずっと・・・。



私はそう、信じている。










   『ほぼ毎日、娘。のとある奴が俺の家にいる・・・!!!』

   ―― 完 結 ――

181 :名無し娘。:2004/04/20(火) 07:11
おおおおおおおおおおおお。乙。

182 :名無し娘。:2004/04/20(火) 10:55
終わってしまったあ〜〜〜〜〜〜〜
乙彼様でした。

183 :名無し娘。:2004/04/21(水) 02:05
保田つながりで、まさか >>136 で「河童」をもってきて、すげーうまくまとめたと思ってたのに、その続きがあるとわ。。。 乙でした!

184 :名無し娘。:2004/04/22(木) 00:51
うおー…面白かったあ…
読んでてこんなに疲れたり、達成感を感じたのははじめてかも
お疲れさんでした

185 :名無し娘。:2004/04/30(金) 04:21
最後の更新から10日も過ぎて、終わった事に寂しさを覚えるのは俺だけか?
終わりのない物語なんてないのは知ってるが、いつかまたどのような形でも逢える事を期待してます

186 :F:2004/06/12(土) 07:27

ほんと、何やってんですかね。あの人は。
まさかこんなことになってたなんて思いもしませんでしたよ。ええ。

大体あの人はいっつもそうなんですよ。
優柔不断というか、考えすぎというか、真面目すぎるというか、
自分の気持ちにすら素直になれない人ですからね。
相手がどうだとか、相手の迷惑になるとか、そんなことばっかりで。
それで結局とんでもない最終回書いてんですから、呆れて物も言えませんよ。ええ。

まあ、ちょっとだけ頼りになるかなっていうようなところはありましたけどね。
でもそれとこれとは別の問題ですから、それは今は置いておきます。

問題は、いったい何を書いてるんだってことです。
一応見るなとかなんとか言われてましたけど、そりゃ見ちゃいますよ。
だって勝手に部屋を出て行ったんですよ。普通は心配しますよ。

それで見てみたらこれです。わけのわからない最終回。
もうなんか精神的にやばいですよね。半分フィクションと言えこれはね。

特に最後なんか練炭自殺ですか?
あの人にそんな勇気があるとは思いませんから心配はしませんでしたけどね、
でももし私以外が見たらどう思いますかね。絶対に笑えませんよ。
さすがの真希も、大笑いだとか小笑いだとか、そんなこと言いませんよ。これは。

とにかく、私がこうして書き込んだのには理由があります。
要約すれば、みんな心配してるから連絡先くらい教えろ、ということです。
もちろんここに書けなんて言いませんよ。見てるかどうかもわかりませんし。
でも、こっちの連絡先はわかってますよね?
なら電話なりメールなり手紙なり、手段は色々あるじゃないですか。
それなのに何の連絡も寄越さず、いきなり消えたままなんてありえませんよ。

はっきり言って私は怒ってます。突然いなくなったこともそうですけど、
この第五部の内容にもです。ちょっと長くなりますけど書かせてもらいますから。

187 :F:2004/06/12(土) 07:27

まず最後の部分ですけどね、圭に告白したとかキスしたとか、
それっぽいことが書いてありますけど、それ嘘ですよね?

この前圭を尋問したんですが、そのようなアプローチは受けていないということでした。
大体おかしいんですよね。告白して成功したのに部屋を出て行くなんて矛盾してます。
ですからその部分については、多分にフィクションということでいいんだと思います。

まあ私としましても、圭ともうさくさんがうまくいくことを望んでいたわけで、
あの壮絶なる圭の卒業歓迎パーティ以来、ほとんど進展がないことを心配していたわけですよ。
あそこでチューしてれば歴史は変わっていたというのが私たち全員の総意だと思います。

ただ、第五部の中にも、私たちがけしかけたとか、そのようなことが幾つか書いてあったので、
一応そういうこと自体には気づいていたということで、それはそれで安心なんですが、
ただね、ありえないようなことも幾つかあるんですよ。ええ。

例えば私がもうさくさんに好意をよせているような記述。結構ありますよね。
笑いましたよ。でもありえないです。断言しますけど、それはありえません!絶対に!

そこで思ったんですけど、もしかしてもうさくさん、私に好意を持ってたんじゃないですか?
じゃないとありえないですもん。大体私は社交ダンスなんて踊れませんよ。釣りは一緒に行きましたけど。

でもちょっと困るんですよね。そこではっきり「イエス」と言われるとそりゃ当然困ります。
でもはっきり「ノー」と言われてもそれも複雑なんですよね。乙女としては。
そんなこと書くとどこが乙女なんだとか言われそうですけど、というか言いに来てくださいよ。

今の部屋がどういう状態なのかわかってますか?
はっきり言って誰もいませんよ。もちろんもうさくさんがいなくなったことが原因ですけど、
その後に裕子と圭の大喧嘩なんかもあって、今じゃ誰も寄りつきませんよ。その必要もないですし。

188 :F:2004/06/12(土) 07:27

でも一応、一つだけ進展はあったんですけどね。とりあえずそれが言いたかったわけです。
部屋の合鍵をですね、圭織と、それと石川さん辻ちゃん加護ちゃんに渡したんですよ。
なっちにはすでに渡してありましたからね。そして一度みんなで集まったんです。
裕子と圭と私と、圭織と石川さんの五人で。集まれたのがその五人だけだったわけですが。
でもそこでちょっと揉めちゃったんですね。些細なことだったんですけど、
冷蔵庫の中がですね、卵とか野菜とかが腐ってたとかで、ほんとつまんないことですよ。
もうさくさんが部屋にいたら、そんなことにはならなかったんですけどね。それはわかりますよね。

それで最初は二人だけの喧嘩だったんですよ。いつも通りと言ってもいいかもしれませんが。
でもそこに他の面子も巻き込まれて、もう最悪な空気ですよ。
一応部屋を出る時には冷蔵庫の中身を使い切るという約束を決めて解決したんですけどね。
でも一度そんなことがあると駄目なんですよ。特に仲介役がいませんから。

そんな感じで、今は多分誰も寄りついてないと思います。
一応裕子がドラマの収録が終わって暇らしいので、よくそっちに泊まってるそうですけど、
そう聞いたら余計に行けなくなりますよね。私は一度だけ裕子と一緒になりましたけども。
あと真希から聞いた話ですけど、一度だけなっちが泊まったそうですよ。
なんでも観葉植物を育てようとして、すぐに枯らしてしまったそうです。
そりゃそうですよ。誰もいませんし、いても裕子が水をあげるとは思えませんからね。

それはいいんです。問題はですね、一度ちゃんと説明してほしいということですよ。
出て行った理由とか、今何してるとか、そういうことをですね、説明する義務があると思うんです。
突き詰めればそのせいでぎくしゃくしてるわけですから。みんな。

そこで話は戻りますけど、圭とのことです。
もうさくさんがいなくなって、圭がどうなったか知ってますか?
彼氏と幸せに・・・とか単純に考えてたとしたら大馬鹿者ですよ。
もうさくさん驚くかもしれませんけど、圭はカレシとは別れたそうです。ええ。
もうさくさんがいなくなったことで別れる決意を固めたそうです。
わかります?
もちろんわかりませんよね。もうさくさん、そういうのは全く駄目ですからね。
わからなくてもいいですけど、とにかく、それももうさくさんのせいなんですよ。
それだけは覚えといてください。

189 :F:2004/06/12(土) 07:27

それで圭の話は終わりです。それで、次は私の話になりますけど。

もう一度言っときますけど、私がもうさくさんに想いを寄せてるとか、それはありえませんから。
確かに裕子たちと同様に、年の差はあるけどいい友人だというのはありますけど、
でもそこにそれ以上のものはありませんよ。あくまでも友人だということです。
これは心に留め置いてください。

ただね、人間的に興味があったのは事実です。
思考理念は似ているのに、そのベクトルの方向は全く違いますからね。
そういうところに興味を覚えるのは当然の成り行きだと思います。
でも、それを勘違いしてもらうと困るんですよ。ええ。かなり困ります。

もちろんこれを読んでこれを事実だと受け取る人は一人もいないと思いますから、
それが私にとって何らかのマイナス要因になるというようなことはないのでしょうが、
しかしその半分には事実が含まれているというようなことを忘れてもらっては困ります。
バファリンの半分が優しさであるように、第五部の半分は事実なんですから。
もう終わったことですけど、それは念を押しておきます。

それで次ですけど、そろそろ真希のことを話しましょうかね。
もうさくさんがいなくなった後、最初に部屋を訪れたのは真希でした。
当然驚きます。部屋は空っぽで机の上に手紙が置いてあったんですから。
それからすぐに私のところにも連絡網が回ってきました。ええ。
まあそんなことはどうでもいいです。

多分一番ショックを受けたのは真希ですね。それはなんとなくわかりますよね。
私なんかは波乱を好む精神を兼ね備えていますけど、真希は結構弱い部分がありますからね。
圭もショックだったんでしょうけど、圭の場合はそういう部分をあまり見せようとしませんから。

真希は色々その原因について考えたそうです。それから数日後に会って一緒に遊んだんですが、
その時に色々と話して聞いたことなんですけども。自分の責任なんじゃないかとまで言ってました。
あっさり否定してあげましたけども。あの人は優柔不断の上に馬鹿だから自分の気持ちに
素直になれなくてついにそのジレンマから逃げだしたというようなことをですね。
我ながら完璧な推理ですけど、ただ、余り納得してはいなかったみたいです。
なぜか知りませんが、真希はもうさくさんのことを男らしい男だと信じてましたからね。
だからそのような逃げるという行為について納得がいかなかったんだと思います。

190 :F:2004/06/12(土) 07:28

結局のところ、裕子曰く、あの人は仕事の都合でいなくなったという話になって、
それで失踪の原因は表向きは解決したことになったんですけど、それも明らかに嘘ですよね。
まあもうさくさんのことですから、裕子にだけは何らかの相談をしていてもおかしくはないわけですが。

というか、よくよく考えるとそれもありかもしれませんね。
色々脚色してありましたけど、もうさくさんが裕子のお見合いに立ち会ったのは事実ですし、
もしかしてその時のキスも本当なのかなあなんて思わせられましたし。当然本人には聞けませんけどもね。
まあそれはいいです。もうさくさんが誰とどんなキスをしようが私には関係ありませんから。
それはいいとして、裕子なら何か知ってるかもしれないというのはありえるかもしれません。
ただ、そこが逆に納得いかないんですよ。なぜ裕子にだけ理由を告げて、他には内緒なのかということ。
仮にも私はもうさくさんの師匠であって、それはもうさくさんも第五部の中で実際に書いてることで、
それなのに師匠の私に何の相談もせずに裕子にだけ相談するというのは納得いきませんよ。
まあでも裕子が本当に知ってるかどうかはまだわかりませんし、それは私が尋ねればいいことですけど、
でも他人の口から聞くというのは私はあまり好きではないので、
やはり本人の口から言ってもらわないことには始まらないというのが私の意見です。

少し長い文章になりましたが、次の話に移ります。

彩と紗耶香ですけど、私もしばらく会っていないので、そこがどうなってるのかはわかりません。
一度彩から電話がありましたけど、もうさくさんがいなくなったことの確認をされただけでしたから。
ただ、あまり心配はかけさせないでくださいよ。二人とも身重なんですから。

それで次は石川さんの話です。
石川さんとは昔一度だけ会ったことがありましたけど、話したことは一度も無かったわけです。
そういう意味で、新しいメンバーがどんどん来るということは私にとっては重大事なわけです。
特に私の場合は一緒に活動したメンバーはたった七人ですから、他は全く知らないわけです。
でも真希と親友になれたように、他のメンバーでもそのような可能性は十分にあるわけです。
特に石川さんは圭のことを慕ってるみたいなので、ということは私とは実質的に姉妹なわけですよ。
そういう点で今後が非常に楽しみなわけですが、それなのにもうさくさんのせいで誰も部屋に
寄り付かなくなってしまったわけですよ。それに関して責任を取れとは言いませんけど、
色々問題があるので連絡くらいしてほしいというのが私の一番言いたいことなわけです。
ちょっと変な文章になってしまいましたけど、そこはわかりますよね?

191 :F:2004/06/12(土) 07:28

それで次です。圭織ですね。
第五部にもありましたけど、圭織と大阪城ホールで会ったというのは本当だったそうですね。
これはあさ美から聞いたことなんですけど、そうそう、あさ美のことも話さなきゃいけませんね。
一応あさ美とは一緒に第四部を考えた仲なわけで、そのことはそれでいいんですけど、
あさ美は今ちょっとした問題を抱えてるみたいで、是非もうさくさんに相談したいなんてことを
電話で話してたんですけど、あさ美はもうさくさんがいなくなったことを知らないんですよね。
しばらく部屋にも来てなかったみたいですし、色々と事情があるみたいなんですけども。

それであさ美の話は終わりで、圭織のことなんですけど、
あの鼠園で会ったことがあったというのは本当の話なんですかね?
ここを読んで知ったことですし、本人に尋ねるわけにもいかないので聞いてないんですけど、
まあ多分にフィクションだとは思いますけども、しかし圭織の話を聞いていて、
ありえない話でもないと思うわけです。二、三回しか会ったことがないはずなのに、
もうさくさんのことをなぜか好意的に捉えてるような節がありましたから。
ダサい男には見向きもしないあの圭織がですよ。そこがちょっと気になったわけです。

まあそんなことはどうでもいいんですけど、とりあえず今日はこのくらいにしておきますかね。
というかなぜこんな近況文を私が書かなくちゃいけないかってことですよ。
あの変化を好まないもうさくさんが部屋を出て行ったくらいですから、
ここを今も読んでるという可能性はあまり無いとは思うんですけど、
でも変化に耐え切れなくなってまた元の鞘に収まろうとするのももうさくさんですから、
多分にここを読んでいる可能性もまだあるわけで、そういう意味でこうして書いたわけです。

とりあえず私が言いたかったことは、最初にも書きましたけども、連絡してほしいということです。ええ。
ちょっと余分なことを書きすぎてしまいましたが、とにかくそれが伝わればよしとします。

   From F

192 :F:2004/06/12(土) 07:36
追記)
私用の書き込みをさせてもらいました。申し訳ありません。

193 :名無し娘。:2004/06/12(土) 14:12
ヒサブリにキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!

194 :名無し娘。:2004/06/12(土) 19:48


195 :名無し娘。:2004/06/24(木) 01:09


196 :名無し娘。:2004/06/24(木) 13:54
ANN

197 :名無し娘。:2004/06/27(日) 13:06
ANN ANN

198 :名無し娘。:2004/07/27(火) 13:50
保全だyo

199 :名無し娘。:2004/08/22(日) 04:26
c

200 :名無し娘。:2004/08/29(日) 22:23
200

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