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俺と娘。の夢物語〜in 狩狩〜
1 :
名無し娘。
:2003/09/09(火) 18:55
前スレ
俺と娘。の夢物語
http://teri.2ch.net/mor2/kako/977/977128657.html
俺と娘。の夢物語〜第2章〜
http://teri.2ch.net/mor2/kako/986/986831774.html
俺と娘。の夢物語〜第3章〜
http://www.metroports.com/test/read.cgi/morning/1004618557/
このスレを狩と共に終わらせてしまうのは、
余りにも惜しい。
552 :
名無し娘。
:2004/05/24(月) 01:42
てとさんのネタ好きだけど、546に同じ・・・
553 :
てと
:2004/05/24(月) 21:31
>>552
もしかして被ってたりしました?!
とりあえず意味を教えていただきたいのですが・・。
554 :
てと
:2004/05/24(月) 22:20
「これからどうなるのかな?」
ミュージカルの練習が行われている場所の近くの公園で、
僕は暮れゆく空を見上げながら呟く。
ごっちんの時以来、僕はこの言葉を口にしたと思う。
暗黙の了解で知らず知らずのうちに禁句とされていた話題だけど、
言わずにはいられなかった。
そんな中、藤本さんはそんな僕と同様、胸に蟠りを潜めていた。
「なんか着々と、じゃないけど・・・なんか嫌な予感がする。」
「嫌な予感?」
「うん・・・。加護ちゃん辻ちゃんの時といい、伏線かなって。」
言葉を濁し、含みを持たせたけど、僕は藤本さんが何を言いたいのか、
よく分かった。そしてそれが、言ってはいけない事だと言うことも。
「次は多分、美貴か愛ちゃんか、あんたをソロにする。」
555 :
てと
:2004/05/24(月) 22:20
「俺?」
いきなり振られて動揺してしまった。藤本さんはなんでもない顔で、答える。
「そ。で、梨華ちゃんが卒業したらいよいよ・・・かもね。」
「・・・・・・・。」
二人きりと言うこともあってか、やけに空気が重苦しかった。
でも、藤本さんはその空気をガラッと変えてみせる。
「させないけどね。」
「え?」
「今美貴達に出来ることは、今以上に仕事を頑張って、どうにかして売れる。
美貴が意地でも娘。を殺さない。」
その目には決意の色が見えた。でも、
「顔、赤くなってるよ。」
「うるさい!夕陽だよ!!」
藤本さんはそう声を張り上げると、恥ずかしそうに笑った。
556 :
名無し狼。
:2004/05/24(月) 23:31
もうすぐミュージカル初日。いよいよリハーサルも大詰めだ。
俺はラジオのコメント録りで他のメンバーよりちょっと遅れて
スタジオ入り。ちょうど休憩時間らしく、皆それぞれ自分なりの
リラックス法を実行中だった。
「…っと、うわ!」
何かにつまづきかけて、足元を見たらそれが体育座りをしていた
新垣さんだと気付いた。
「あっ、先輩、おはよーございまーす」
いつもの飄々とした口調で体育座りのままこっちを向いて軽く会釈する。
けれど心ここにあらずといった感じだ。そしてまた視線を元あった
方向に戻して微動だにしなくなった。
その先には…飯田さんがいた。
同じ場所をぐるぐる歩きつつ、矢口さんや吉澤さんらと談笑しながらも、
リハーサル中に決まっていつも噛んでしまう長台詞を天井を
見つめながらくり返し唱えていた。
そして…あ、やっぱり転んだ。既に何度も見かけた光景である。
「相変わらずだな。ウチのリーダーは学習するってことを知らない
のかね。ね、ガキさん?」
ボヤきながら振り向くと、いつの間にか新垣さんはひざに顔を
うずめて、さっきにもまして小さくうずくまっていた。
「ガキさん?」
「…先輩」
「ん?」
「今のこの瞬間があしたもあさっても、ずーっと続いて欲しいのって、
やっぱりワガママですよね? 後ろ向きでダメな考え方ですよね?」
「………」
結局、俺はその問いに答えることができなかった。
557 :
名無し娘。
:2004/05/25(火) 21:26
1年後には現実かも((((((; ゚Д゚)))))ガクガクブルブル
558 :
てと
:2004/05/25(火) 21:54
雑誌の『Tarzan』を読んでいると、加護ちゃんが覗き込んできた。
なんだか妙に真剣な表情なので黙ってみていると、突然、
「よし!うちも肉体改造や!!」
『はい?!』
加護ちゃんの発言に楽屋はどっと沸いた。みんなの色々な声が混じりあって
楽屋は凄いことに。そんな中、道重さんの声は何故かすっと掻い潜ってきた。
「それ以上がたい良くするんですか?」
道重さんの暴言で、一瞬“間”が出来るも、加護ちゃんはめげない。
「かっけーボディーになって浜ちゃんを見返したる!」
「でもさ・・・・。」
僕は、この場にいる全員が思っているであろう一言を、口にした。
「スコーン(バーベキュー味)持って言われても。」
さっきより長い“間”が場を包む。ちょっとして楽屋は爆笑の渦。
加護ちゃんは顔を真っ赤にして、
「明日や!明日から始めるで!!」
次の日はチーズ味だった。
559 :
名無し娘。
:2004/05/25(火) 23:50
最後の1行にコーヒー吹き出した。
560 :
名無し娘。
:2004/05/26(水) 08:04
>>558
ワロタ。
でも、松っちゃんのがよかったかな。
561 :
てと
:2004/05/26(水) 22:29
ガチャッ
「ごっちん、CD・・・あれ?」
ごっちんが僕の持っているCDを借りたい、と言ったので楽屋を訪れたけど、
ごっちんの返事がなかった。でもすぐに何故か分かった。
「・・・・・・・・・・・。」
眠り姫。
仕方なくCDをこの場に置き、紙に一言書こうと、ごっちんの横に座り、
紙に一言書く。そして立ち上がろうとしたら、
びーんっ
「あれ?」
服の袖をがっちり掴まれてしまった。でもごっちんは一向に起きる気配がない。
しょうがないから、時間もあるし、僕はそのまま待つ事にした。
なんだか安らかな寝顔を見ていると、こっちまで安らぐ気がする。
562 :
てと
:2004/05/26(水) 22:29
「んあ?」
ごっちんは突然起きた。
「どしたの?」
まだ開かない目を擦りながら、ごっちんは僕を見た。僕がCDを掲げて見せると、
「んあ!ありがと〜。」
凄い嬉しそうな顔を見せてくれた。僕はCDを手渡しすると、
「じゃあ俺はもう行くね。」
「うん。あたしは寝直す。」
僕が楽屋を出たときには、ごっちんはもう静かに寝息を立てていた。
563 :
名無し娘。
:2004/05/26(水) 22:43
イイヨイイヨー
564 :
名無し娘。
:2004/05/27(木) 02:45
流れる空気がごくごくわずかに暖かいのがいいな。
565 :
てと
:2004/05/27(木) 21:29
「あの先輩。」
「何?」
呼ばれて後ろを向くと、そこにいたのは亀井さん。なんか黒い紙・・・
歌詞カードを持ってこっちを見ている。なんか少し困ったような顔で。
「この間『君が好き』歌ってましたよね。」
「うん。」
「ミスチル聞くんですか?」
「この間のアルバムは聞いたよ。」
そう言うと困った表情は笑顔に変わる。
「ここの歌詞の意味がよく分からなくて。教えてください。」
僕は歌詞カードを渡されると、亀井さんは指を刺した。
566 :
てと
:2004/05/27(木) 21:30
「ここの、『ファンタジスタって呼ばれてぇよ 夜だけじゃなくて昼も』」
ブッ
僕は思いきり噴出す。でも亀井さんはそんなの全然気にせず、
「教えてください。」
とこっちの目を見て笑顔。教えてくださいって・・・。
本当に分からないのだろうか。笑顔なのが余計に答えずらい。
「えーーっと・・・聞きたい?」
「はい!」
気づいていないのか、純なのか・・・。僕がそっと耳打ちすると、
亀井さんの顔はどんどん紅く染まってゆく。
「お、教えて下さいなんて言っちゃっ・・・
でも先輩になら、って何言ってんだ!あ〜。」
なんか高橋さんみたいに色々早口に言いながら、亀井さんは逃げるように去ってゆく。
567 :
てと
:2004/05/27(木) 21:31
亀井さんは少ししたら戻ってきて、
「さっきは取り乱してすみませんでした。」
わざわざ謝りに来た。
「いや、俺もあんなストレートに言っちゃって悪かった。」
「いえ、その方が分かりやすくてよかったです。
・・・さっきえりが言ってた言葉、どうとってももらっても、いいですよ?」
亀井さんはそれだけ言うと、また逃げるように去っていった。
・・・・・どういう意味?
568 :
名無し娘。
:2004/05/27(木) 21:48
僕にはわかる!
わかるよ、えりりん
569 :
名無し娘。
:2004/05/27(木) 22:43
>>てとさん
いろいろな切り口がいい感じ。がんばって。
570 :
名無し娘。
:2004/05/27(木) 23:52
最近いいペースで更新してますね。
頑張って下さい作者タン
571 :
てと
:2004/05/28(金) 23:55
コンビニからスタジオに帰ってきて、レコーディングの順番を待ちながら、
お菓子を食べる。今日買ってきたのはダースだった。
さて、食べるか、疲れた時は甘いもんだよな〜。
572 :
てと
:2004/05/28(金) 23:56
「あ、せんぱい。一つ頂きます。」
1
「さゆだけずるいたい!」
2
「えりもえりも!」
3
「おいらも食べるぞ〜。」
4
「美味しいですね。」
「(紺野さんもう食ってる?!)」
5
「あたしもいただきま〜す。」
6
「まこっちゃん言う前に食べてんじゃん!!この新垣にもお一つ!!」
7
「はっぴ〜。」
「(ことわりなしかよ!!)」
8
「俺もも〜らったっ!」
9
573 :
てと
:2004/05/28(金) 23:56
ここで一人からの視線に気がつく。物欲しそうな顔をして見ているのは・・・
高橋さん。
「・・・・食べる?」
「はい!」
10
やれやれ、結局食べられるのはいつも数個なんだよな、何て思いつつ、
残り2つを、
ガチャッ。
その時ブースから出てきたのは・・・。
「あ〜チョコなのれす!!」
「なんや、うちらだけのけものか?」
「いや、俺まだ1個も・・・。」
574 :
てと
:2004/05/28(金) 23:57
11
12
「おいしいのれす。」
「せやな。」
二人はさっきの泣きそうな顔から一転、満面の笑みになっていた。
575 :
名無し娘。
:2004/05/29(土) 02:17
ワラタ
ダースなんか買ってくるからだ。
576 :
名無し娘。
:2004/05/29(土) 13:48
川VoV从 >
( ゜皿 ゜) >わたしたちは?
577 :
名無し娘。
:2004/05/29(土) 14:27
>>576
もう一度ダースを買いに行く
↓
また2名食べられない人がいる
↓
もう一度ダースを買いに行く
↓
また2名食べられない人が(r
↓
永久ループ(+д+)マズー
578 :
てと
:2004/05/29(土) 18:38
>>576
( ゜皿 ゜)は一番大人だからたからないと勝手に判断。
川VoV从 はかなり食いつきそうだけど数の都合で(ry
>>577
最初から”僕”は頭数に入っていないようでw
579 :
てと
:2004/05/29(土) 18:38
昨日テストが帰って来たのか、紺野さんと小川さんがテストの結果を
見せ合っていた。
「あさ美ちゃん高すぎ〜!!!」
まあ学校も学校だしなぁ、僕もよく吉澤さんとやってたっけ・・・。
いい感じにしみじみしていると、
「じゃあジュースね。」
去ってゆく二人。ああそれもよくやった。で、低すぎて山Pによく
奢らされて泣いてたっけ。
しばらくして紺野さんは一人で戻ってきて、ジュースを鞄の中へ。
・・・・?なんかおかしくない?
580 :
てと
:2004/05/29(土) 18:39
辻ちゃん入室。すぐにテストを取り出す。
「勝負だ!」
いや、無謀ですよ。いざ、オープンザ答案。
45対91。
「あ!惜しい!」
辻ちゃんの一言に僕は思わず横でこけそうになる。
「(どこが?!)」
「ハンデ2倍だったのに〜。」
「(2倍?!)」
「じゃ、ジュースジュース!」
「ちぇーっ」
「(え?また?)」
581 :
てと
:2004/05/29(土) 18:40
しばらくすると、今度は違うジュースを持って、鞄の奥へ。
まさか・・・。
「勝った方がジュースやったな。」
「うん。」
加護ちゃんは60点。
「危なかったぁ。」
「(またハンデ?!)」
また違うジュースを持って来た紺野さん。また鞄の奥へ。
・・・・でもぬるくならないのか?
ってあれ、クーラーボックス?!!
「えっ?!」
思わず声を上げてしまった。すると紺野さんはこっちを見て、
「何か言いましたかぁ?」
見たことのないような笑顔の紺野さんに、僕は何も言えなかった。
582 :
てと
:2004/05/30(日) 17:31
楽屋で全員、なんとなくテレビを見ている。
その時、不意にスクリーンから松浦さんが顔をのぞかせ、
<ポッポッポッ
「ポポポポー!!」
いきなり辻ちゃん加護ちゃんが同時に立ち上がり、全員びっくりする。
『ポッポポポポポー3時だよ〜♪
ポッポポポポポポポポポポポポポポ3時のおやつは3時の、紅茶!』
「うるさい!!!」
終わった瞬間飯田さんの檄が飛んだ。
次の日。
『つっぱりつっぱりつっぱり!!』
「ええ?!」
ガキさん先頭に3人でfeat.
次の日。
「シャバダバダドァバァッドゥ♪」
「みんなで午後ティー飲んで騒ぐな!!」
ただ一人乗り遅れて、周りの陽気な外国人役Mになり損ねた飯田さんが叫んだ。
583 :
名無し娘。
:2004/05/30(日) 21:17
いいねえ。新風だね。
584 :
名無し娘。
:2004/05/31(月) 11:07
楽屋でありそう。
ここんとこ毎日更新乙です。
585 :
てと
:2004/05/31(月) 21:37
今月の終わりはある人へのリスペクトを込めたオマージュで。
「あ・・あ・・・。」
「もう待てないよ。」
「だめ、だめ・・。あ、あ、あ・・・。」
「いや、もう待てない。」
「いや、・・・・だめ、あ、あ、あ」
バン!!!
「何してるんですか!!!」
「『愛のままに(略)』だ!!」
「ブー。『愛のために』です、残念!・・・どうしたの高橋さん。凄い顔して。」
「・・・・・え?」
物凄い剣幕で入ってきた高橋さんは、僕と藤本さんを見てきょとんとしている。
「覚えるしりとり(曲名編)なんかもう二度とやんない!」
586 :
てと
:2004/05/31(月) 21:38
それを聞いた瞬間、高橋さんの顔が見る見るうちに赤くなっていく。
「いや、その、あの、
決して変なことしてるんじゃないかとかそんな事は全く考えてませんよ?
考えてませんけどあんな変な声出されたりしたら誰だって・・・。」
あまりの早口に僕と藤本さんは目を回す。ほとんど聞き取れないうちに
高橋さんはいつもの位置に座ると、すぐに本を読み出してしまった。
「高橋さん。」
「は、はい?!」
「本逆。」
「え?!」
ますます慌てる中、藤本さんがゆっくりと高橋さんへと近づいてゆく。
そして耳元で何かを囁いた。
すると高橋さんは更に顔を赤く染める。藤本さんはそのままドアの方へと。
「なんて言ったの?」
「ちょっとね〜♪」
バタン
ドアが閉まった瞬間、「負けないがし」って小さな声で聞こえたけど、
何の事だかよく分からなかった。
587 :
名無し娘。
:2004/05/31(月) 21:58
ハァ━━━━━━ *´Д`* ━━━━━━ン!!!
588 :
名無し娘。
:2004/06/01(火) 03:53
川*VvV从<美貴と○○はもう通じ合ってるから。××済みだし。
川*’ー’)<…
川*’−’)<マケナイガシッッ
589 :
てと
:2004/06/01(火) 22:18
撮りも順調に進んで早く終わったし、せっかくだからみんなでサッカーでも
見ましょうということになり、僕達はスタジオのセットをモニター以外片付け、
みんなでサッカー観戦。
こういうことが出来るのは、やっぱハロモニが内輪番組だからかな〜、
なんて思いつつ、みんなで日本を応援した。
でも人によってモチベーションが大分違った。
「阿部行くべさ〜!!!」
「今野頑張れ!」
名前が被っているから応援する娘。
「ケガってかなしいね・・・。」
「ケガで出ないからあんまり面白くないたい。」
被ってる人がケガでいないから気合の入らない娘。そして、
「頑張れ〜!!!・・・っしゃ〜先制!!!!」
何故か明らかに黒い人達を応援する娘。
「矢口さん非国民〜。」
「るせ〜マリがおいらを呼んでるんだ!」
なんだかよく分からない事を言って先制したマリに一人大喜び、周りから
非国民コールを浴びてもめげない矢口さん。
590 :
てと
:2004/06/01(火) 22:19
『大久保〜!!!!』
全員テンションが上がりに上がりまくっている中、一人だけ地べたに倒れこんでる人がいた。
「別にカメラ回ってませんよ。」
僕が言うと、本気で凹んでるのか、何も言わない矢口さん。
矢口さんを気にする事無くガンガン盛り上がるみんな。
そして試合はそのまま・・・。
<ここでホイッスルが鳴りました。
『ああ〜・・・・・。』
全員の溜息がスタジオ中を響く。みんなであと10分あればね〜とか話していると、
矢口さんは立ち上がって、
「アテネでは勝つ!!」
と謎の台詞を残して走り去ってしまった。
591 :
てと
:2004/06/02(水) 22:43
「If I can, change the world〜♪I will be a sunrise in the universe♪」
僕がロッキーズにせがまれギターを弾きながら歌っていると、
部屋の反対側から声が聞こえてきた。歌いながらその会話を聞く。
「もし世界が変えられたらどうする?」
「男皆イケメンにするしかなくない?」
藤本さん、そう言う意見は・・・。まあ楽屋だからいいんだけどさ。
「同意〜。」
同意者出ちゃったよ!僕は誰が言ったかは見ないことにした。
どうせ声で分かっちゃうけど。
「あたし一度男になってみた〜い。」
それって世界っていうか自分が変えてるじゃん・・・。
592 :
てと
:2004/06/02(水) 22:43
「なんでいきなりこんな話になったの?」
妙に的外れな人が一人。舌っ足らずなこの喋りは・・・。
そんな辻ちゃんに対して吉澤さんが、
「歌ってたじゃん。」
「え?・・・え?」
「If I can, change the world〜♪って。」
「・・・・・英語?」
「いや分かってくれよ。」
「じゃあよっすぃ〜全部訳してよ!!」
「・・・全部?」
「全部。」
「・・・・それとこれとは関係ないでしょ!!」
議論は何故か「あの英語はどういう意味なのか?」に移行。
みんな、勉強しよ?
一方僕はというと、今度は最近コカコーラのCMで流れている
エアロの曲を歌わされ、「アコギだとしょぼいですね」なんて言われていた。
593 :
てと
:2004/06/03(木) 23:02
「う〜ん・・・・。」
辻ちゃんが珍しく悩んでいると思ったら、コップに入った飲み物×3と、
にらめっこ。見た感じ、アミノサプリ?か何かの色だけど・・・。
向かい側の紺野さんは真剣な表情で迷う辻ちゃんを見ていた。
辻ちゃんの人差し指が3つのコップ上を揺れる。
そして漸く左のコップ上に指を止め、
「左から3,2,1!!」
「ファイナルアンサー?」
「ファイナルアンサー。」
「・・・・・・・・・・。」
紺野さんがみのもんた?役なのか、凄い表情でにらめっこ。
辻ちゃんが変顔で笑わそうとするも、紺野さんは動じない。
594 :
てと
:2004/06/03(木) 23:03
「残念!!右から燃焼系アミノ式1000mg、燃焼系アミノ式2000mg、
アミノサプリでした!!」
燃焼系はアミノ酸の量で判断?!てかわかんないよ・・・。
「やっぱり2000mgは当ててきましたね。」
「(嘘―!!!?)」
「倍なんだから当たり前れす。」
「(むしろアミノ酸で判断?!)」
辻ちゃんは一段落つくと、オレンジジュースを取り出し、
「こっちはオレンジジュースのメーカー当てれす!」
「あ〜ヤマ外したぁ〜。」
「(ヤマ?!)」
ある日、楽屋での一コマでした。
595 :
名無し娘。
:2004/06/04(金) 00:48
>>579
山P?
596 :
てと
:2004/06/04(金) 01:29
>>595
いや、その、学校同じかなって・・・・。
これ以上は言わない方が良さそうな気がするのでメル欄参照です。
597 :
名無し娘。
:2004/06/04(金) 13:55
芸能人=堀○なイメージれすね(俺もだが
598 :
てと
:2004/06/04(金) 21:28
「あちぃ〜・・・。」
ジュースを買おうと財布を取り出すと、500円玉しかなかった。
とりあえずその500円玉を入れると、不意に話しかけられた。
「せんぱ〜い!」
亀井さんが、小走りで現れた。妙に元気が良くてびっくりする。
「どうしたの?そんな大きな声出しちゃって。」
「今日暑いですね!」
「そうだね。」
「こんな暑いと汗とかいっぱいかいちゃいますよね!」
「うん。」
「喉も渇いちゃいますよね!」
「(あ、嫌な予感。)」
599 :
てと
:2004/06/04(金) 21:29
「あれ〜、何で500円玉入れたんですか?」
「いや、これは他に細かいのがないからであって決して」
「奢るためですよね!!」
声をさえぎられ、今日一番の大声。
「・・・・・・何が飲みたい。」
もう観念した。すると亀井さんは、
「ごちになりま〜す!」
と言って、更に大きな声で、
600 :
てと
:2004/06/04(金) 21:29
「今だ、ロッキーズ出動」
「え?」
ピッピッピッピッ
ゴトン
ゴトン
ゴトン
ゴトン
チャリーン
「あの〜なんで藤本さんまで?」
僕は2枚の銅貨を手に言った。
「なんでって・・・ロッキーズ。」
親指で自分を指差す藤本さん。
「俺のジュース・・・。」
「男は細かい事気にしたらだめとよ!出世できませんよ!」
「ここは可愛いさゆに免じて許してやってください。」
「やっぱ暑い日は炭酸ですよね〜。」
「なんなら口移しなんてど〜よ?」
完全敗北_| ̄|○
601 :
名無し娘。
:2004/06/05(土) 14:55
ミキサマミキサマクチウツシキボンヌ
602 :
名無し娘。
:2004/06/05(土) 16:08
>>601
愛ちゃんが大騒ぎしそうだ
603 :
てと
:2004/06/05(土) 23:26
「田中さん。」
「なんですか?」
「噂で聞いたんだけど・・・。」
僕は真相が確かめたいがため、言った。と言っても別に週刊誌とかそういうのは
全く関係ない目撃情報なんだけど。
「上京の日福岡空港で泣いてたって本当?」
「!!」
「友達に大きくて可愛いぬいぐるみもらってそれ抱えて泣いてたって・・。
知り合いに聞いたんだけど、意外だな〜って。本当なの?」
「・・・・そ」
「そ?」
「そんなことなか!」
ドン!!
「ぐは!!」
僕はいつかに食らった一撃をもろで浴び、田中さんは走り去ってしまった。
そして僕はやはり後頭部を強打。
・・・・・で、どうなの?
604 :
てと
:2004/06/06(日) 23:48
「おいおい今年はどうしたんだよ〜。」
最近こんな言葉を石川さんにかける人がたくさんいる。
別に本人の話ではない。
「今に上がります!!!」
そう、阪神の話だ。
今年混戦のセリーグから抜け出せず、赤星の不調、アリアスのケガもあり、
今現在5位という成績。でもこの間井川が完封した時のテンションは、
やばかった。
「待ってろ読売!!」
なんて仕事の打ち合わせ中にも拘らず絶叫。そのせいで次の日福原が
打たれた時は、ほとんどみんな石川さんを弄り倒した。
石川さんはそれで思い切り凹んで、ネガティブモード。そんな石川さんに、
ポンッ。
「まああと18年待て。」
矢口さんは肩を叩くと、ニコッと笑い、スタスタと歩いていった。
605 :
てと
:2004/06/07(月) 21:47
オフの日、矢口さんが地元の美味しい中華料理屋さんに連れて行ってくれた。
ちょうど今が食事時のピークだったのか、人が大勢いてバレないかと一瞬ひやひや。
でもよく考えてみると、
「矢口さん小さいからバレませんよね。」
「うるさい!」
僕らは人ごみを掻き分けながら、目的の店を目指す。
店の料理は矢口さんの言った通り本当に美味しくて、僕は思わず唸った。
「弁当ばっかりだったから余計に美味しく感じますね。」
矢口さんは口いっぱいに中華まんを頬張りながら頷く。
そして口の中身が全部なくなると、
「だろ〜?ここは本っ当に美味しいんだよ!」
なんだか自分が誉めてもらったみたいに喜んだ。
606 :
てと
:2004/06/07(月) 21:47
外を出るとついさっきまでは明るかったのにもう暗く、珍しく星達が
キレイに輝いている。人気のあまりないベイエリアの方まで移動し、
しばらく星をじっと眺めた。
「はぁ〜・・・・。」
思わず溜息をついてしまう情景。僕が星に見惚れていると、
不意に矢口さんが呟く。
「あれって、おいら達みたいだよね。」
「・・・星がですか?」
「うん、一人一人は、もしかしたら小さいのかもしれない。
でも、みんなで集まる事で一つの夜空を彩っていく・・・。」
「矢口さんは体も小さいですけどね。」
「こら!茶化すな!」
矢口さんは精一杯背伸びして僕の頭を掴もうとしたけど、届かなかった。
607 :
てと
:2004/06/08(火) 22:38
楽屋に松浦さんが遊びに来た。見た瞬間、僕は思わず、
「最近CM多くない?」
率直な感想をコメントした。午後ティーだけで3種類くらいあったような。
「そうですかぁ〜?ありがとうございま〜す!」
松浦さんはなんか妙に引っ付いてくる。僕が微妙な表情を浮かべているのに
気がついたのか、はたまた・・・。
とにかく、藤本さんが救いの手を差し伸べてくれた。
「嫌がってない?」
うわぁ、超直球ですね。
「そんな事無いよぉ。ねぇ先輩?」
608 :
てと
:2004/06/08(火) 22:39
ぐいっ。
松浦さんが僕の右手を引っ張る。藤本さんはそれを見て、何も言わずに
左手を引っ張った。
いつか聞いた、aikoさんのラジオのワンコーナーのハガキを思い出す。
『僕の夢はあややとミキティが僕の取り合いをして、僕の右手と左手を
引っ張り合う事です』
・・・・・実際やられるとかなりきついっす。
「二人とも、嫌がってますよ!!」
高橋さん乱入。高橋さんは何をとち狂ったか、僕の頭を引っ張る。
僕が苦しんでいるのを見て面白がった加護ちゃんと辻ちゃんが、
それぞれ左足と右足を掴んだ。
609 :
てと
:2004/06/08(火) 22:40
「嘘―――?!」
いつぞやの時代の処刑方法に似てるぞこれ。
「なんや、SMか?」
騒ぎを聞きつけて今度は中澤さんが乱入してきた。
「!!中澤さん・・・・なんで笑っているんですか?」
恐る恐る聞くと、中澤さんは、
「・・・・・ニヤリ。」
「ああああああ!!!!」
ガチャッ!!!!
「うるさくて寝れないよ!!!」
「・・・・・・すみません。」
ごっちん最強説浮上?
610 :
名無し娘。
:2004/06/08(火) 23:57
ちと意味わからないがご苦労様といってみるテスト
611 :
名無し娘。
:2004/06/09(水) 02:13
両手両足と頭以外で、体でつかめるところってあとどこよ?
という話でいいんだろうな。
姐さんこわいっすw
612 :
名無し娘。
:2004/06/09(水) 09:43
掴まれてぇ。
613 :
名無し娘。
:2004/06/09(水) 13:16
まんなかのあ(r
614 :
名無し娘。
:2004/06/09(水) 20:37
掴み返した俺。
615 :
てと
:2004/06/09(水) 23:15
「よっしゃ行くぞ〜!」
『お〜!』
吉澤さんの掛け声に、4人で元気良く答える。
かなり久々に4期と僕という形でカラオケに行くことになった。
というわけで、仕事が終わると同時に直行。
このカラオケ、かなり侮れない。何歌おうかな〜なんて考えてたら、
すぐに予約曲が8曲くらい入ってて、全然歌えないのだ。
だから僕は急いで入力するも、既に5曲も予約されていた。
『〜〜〜♪』
石川さんの的外れな音程が耳を揺さぶる中、4人で笑う。
当然ながら男は僕だけだから、歌う曲が被ることはとりあえずない。
でも一つ、僕達のカラオケにはルールがあった。それをあろうことか、
今日に限って僕はすっかり忘れる。
616 :
てと
:2004/06/09(水) 23:16
『If I can♪Change the world〜♪』
みんなの視線を見て思う。やばい。
「みんな、ここに非国民がおるで。」
「本当なのれす。」
「こりゃ1曲」
「歌ってもらうっきゃないでしょ!」
洋楽禁止ルール。僕達の間にある、謎のルール。英語を毛嫌いするみんなが
決めたんだけれど、特に辻ちゃんがこのルールを押している。無理も無いか。
そしてこのルールを破ると、罰ゲームが待っている。僕の場合、
『あやや!あやや!』
室内中を4人のあややコールがこだまする。・・・・・。
「あ、いくよ?1,2,3♪」
当然のように振り付き。僕が泣きそうになりながら歌う中、
みんなはお腹を抱えて笑っていた。
617 :
名無し娘。
:2004/06/10(木) 01:07
>609-614 ……六根清浄、六根清浄……
☆ノハヽノノノハヽ
♀*´ー`)♀T▽T)
○ヽy/と○ヽy/と)
|!ニニ△ |!ニニ△ チリンチリーン
|i_ _!_i..|i_ _!_i
|∪ ∪ |∪ ∪
>616 「燃えよドラゴン」はルール的にどうなの?(←そもそも歌なのか、アレは)
618 :
名無し娘。
:2004/06/10(木) 12:20
>617 誤爆?
619 :
名無し娘。
:2004/06/10(木) 19:50
>>617
むしろ罰ゲームかと
620 :
てと
:2004/06/10(木) 23:15
最近何故か忙しく、みんな寝不足。僕も例に漏れる事無く、楽屋での待ち時間、
今にも寝てしまいそうになりながらも、必死に歯をくいしばっていた。
そんな時、加護ちゃんが、
「なあ、勝負せぇへんか?」
「なんの?」
「先に寝た方が勝ち。」
「ああかなり前にメチャイケでやってたね。ごっちん呼ぶ?」
「アホ、ハマグチェ呼ぶようなもんやぞ。タイマンや。」
「やるか。」
なんか大事な事を忘れていた気がしたけど、たまたま楽屋にいたのが
二人だけだったから、止める人も誰もいない。
「レディー・・・ステディーゴー!」
なんだか違和感を感じつつ開始。本当に眠かったからか、僕達はあっという間に、
夢の世界へ・・・。あれ?・・・これ判定する方法なくな・・・・・zzz
「ちょっとあんた達リハ押しちゃって・・・・・何寝てるの!!!!」
621 :
てと
:2004/06/11(金) 21:58
楽屋に紙コップと3ℓのペットボトルを持ち込み、みんなで飲んでいると、
「待ちなさい!コップは1人1個までよ!ていうかあたし達多いから
3人で1個くらいがちょうどいいくらいよ!」
ここ最近石川さんが細かい事にうるさい。
うるさいって言っちゃまずいんだろうけど、道重さんと一緒にかなり精力的。
流石エコモ二。でもこのコンビ、ほんわかと抜け目が多い。
ドンッ。
「あ。」
ボトッ。
ドボドボドボ・・・・。
「あ〜!!!!!」
ジュースをこぼした環境大臣なのに黒っぽい少女は、慌ててペットボトルを立て、
ティッシュを総動員して噴出した。
「あ〜勿体無い。」
「てか梨華ちゃんの服の生産中止にした方が絶対環境にいいって。誰も買わないもん。」
「うぅ・・・・・。」
石川さんが悲しそうに、ハンカチも補強して拭いていると、
「不祥事で大臣交代ですね・・・。」
道重さんはそんな事を呟いていた。
622 :
名無し娘。
:2004/06/12(土) 01:50
さゆ野心家だなさゆ。
623 :
てと
:2004/06/12(土) 22:50
「この間さー。」
藤本さんは携帯をいじりながら、いきなり僕に言った。
「この間っていつの事?」
あまりにも漠然としていたので僕は聞き返す。
「覚えるしりとりの後。美貴が部屋出た後、愛ちゃんなんか言ってた?」
「え?う〜ん・・・・・。」
なんだったかな・・・。あ!そういえば。僕は何とか思いだし、
「『負けないがし』とか言ってた。」
「ほほう。」
それを聞くと、藤本さんは意味深に笑い、
「ありがと。」
とだけ言って、行ってしまった。そのままロッキーズの方へと。
そしてなにやら話し出すと、みんなで会議室の方へと歩き出した。
今回から更新が2日に一度となります。理由はメル欄参照。
624 :
名無し娘。
:2004/06/13(日) 11:05
がんがれよ
625 :
名無し娘。
:2004/06/14(月) 10:57
狩狩れすか?
626 :
名無し娘。
:2004/06/14(月) 19:11
どこだよ
627 :
てと
:2004/06/14(月) 21:31
狩狩です。あとはメル欄参照。
一人での収録が終わって楽屋に帰ると、中には亀井さんしかいなかった。
なんだか良く分からないけど少しだけこわばった面持ちで、こっちを見ている。
特に話す話題もなかったので、僕は本を読んでいた。すると、
「せ、先輩!」
「何?」
亀井さんの方へと振り向いて目を見ると、突然言葉が詰まる。
「えっ・・・と・・・・。」
「?」
僕が困った顔を見せたせいか、亀井さんは慌てていきなり、
「6月って祝日がなくて嫌ですよね!」
「え・・・それってうちらあんまり関係なくない?」
「あ!そ、そうですよね!」
なんかそわそわとくねくねする亀井さん。
ガチャッ。
「失格〜。」
「?」
突然楽屋に現れ、謎の言動を発する藤本さん。いきなり言い放った一言は、
ちょっと僕には理解出来ない。
「すみませ〜ん。」
「何の話?」
「こっちの話、ほら、練り直しだ。」
藤本さんは亀井さんを連れ、楽屋を出て行ってしまった。
628 :
名無し娘。
:2004/06/15(火) 02:39
孤軍奮闘乙。 毎日チェックしてます。
629 :
名無し娘。
:2004/06/15(火) 09:52
37 名前:名無し娘。[supersage] 投稿日:2004/06/15(火) 00:33
羊のどこで書いてるの?
630 :
てと
:2004/06/16(水) 21:38
お昼時、ケータリングに行こうと思い立って立ち上がった時、
紺野さんに声をかけられた。
「あの、先輩。」
「何?」
「おなかすいてませんか?」
さっきから手を後ろに回したままの仕草が気になる。
とりあえず気にせずに僕は答えた。
「うん。これからケータリングに行くんだけど、一緒に行く?」
「いや、そうじゃなくて。おべ」
「あ、あさ美ちゃんお弁当持って来たの?」
「え?!」
小川さんが紺野さんに話しかけると、紺野さんは凄く驚き、
困った顔をしてそっちを向いた。
「あたしも持って来たから、一緒に食べよ!」
「あ、・・・うん。」
紺野さんはそのまま小川さんと一緒に部屋の奥へと行ってしまった。
・・・・何事?
631 :
てと
:2004/06/16(水) 21:39
ケータリングから戻って来てドアを開けると、藤本さんとすれ違う。
藤本さんは何も言わずに、紺野さんを引っ張って歩いて行ってしまった。
632 :
名無し娘。
:2004/06/17(木) 10:36
定期更新ご苦労様です
楽しみにROMしてますよー
633 :
名無し娘。
:2004/06/17(木) 14:40
っていうか、連動しているスレを知らないと話が半分わからないよね。
なぜ、紺野さんが藤本さんに引きずられてってしまったのか、とか。
≫632さん。頑張って探してください。
ここにヒントを書くと作者様に怒られそう。
634 :
てと
:2004/06/17(木) 18:45
ヒントですか・・・。現在supersage中ですので下の方にあるのは確かです。
下から20番くらいには入ってると思います。
635 :
632
:2004/06/17(木) 18:56
一番下から探してここまで上って来てしまった…
見落としてるのかな…_| ̄|○
636 :
てと
:2004/06/17(木) 19:29
>>632
あ、AAです。それで見落としたのかもしれません。
637 :
名無し娘。
:2004/06/18(金) 09:36
なんでそんなまどろっこしいことしてもったいぶってんの?
ヒントとか言ってないで教えちゃえばいいじゃん。
結局ごちゃごちゃと関係ないレスが付いちゃうくらいなら、そっちのがよっぽど良いと思うんだけど?
638 :
名無し娘。
:2004/06/18(金) 10:40
>>637
オマエモナ〜
639 :
637
:2004/06/18(金) 14:50
>>638
意味ワカンネ。
俺は見てないし探してないから知らんし知ったことじゃないのに「オマエモナー」て言われてもな・・・
あれか、覚えたての神々しい言葉を使いたいだけかw
640 :
名無し娘。
:2004/06/18(金) 15:05
正直このスレで連動ネタはどうかと思う
641 :
てと
:2004/06/18(金) 19:48
>>637
そうですね。争いが起こってもしょうがないので貼ります。
http://www.omosiro.com/~sakuraotome/live/test/read.cgi/bbs/1077313135/
>>640
思いつきでやってしまったので、すみません。
642 :
名無し娘。
:2004/06/18(金) 20:55
あっちを見て思ったのだが・・・連動させる意味無くね?
643 :
てと
:2004/06/18(金) 21:49
>>642
藤本がよく分からない行動をしている意図を示す上で、
このスレで「僕」以外の視点で話を動かすのはおかしいかな、と思いまして。
なんせ「僕と娘。の夢物語」ですし。
でもそう思われるのもしょうがないかもしれません。
644 :
てと
:2004/06/18(金) 23:16
コンビニにお弁当を行こうと思い立って立ち上がった時、
田中さんに声をかけられた。
「あの、先輩。」
「何?」
「おなかすいてませんか?」
さっきから手を後ろに回したままの仕草が気になる。
この間とおんなじ匂いが。でもアレは何がなんだかだったな。
とりあえず気にせずに僕は答えた。
「うん。これからコン」
「これ食べてください!!」
僕の声をさえぎるように、田中さんは弁当箱を差し出してきた。
「?ありがと。」
お礼を言い、椅子に座る。みんなに冷やかしを受けながら、
弁当箱を開けると、
「肉?!」
肉、肉、とにかく肉。下に御飯があるんだろうけど
それすら見えない。とりあえずもらったものだし、僕は口に運んだ。
「どうですか?」
「・・・しょっぱい。」
その声を聞いた瞬間、後ろにいた藤本さんが田中さんを掴み、
攫っていった。
・・・・流石親戚焼肉屋。
645 :
名無し娘。
:2004/06/19(土) 01:47
>642-643
企画としては面白いと思うけどなぁ。
少なくとも同じスレでやっちゃったら面白くも何ともないし。
とりあえず楽しみに読んでるのがいる事を表明しておく。
646 :
名無し娘。
:2004/06/19(土) 23:06
好きなようにやってみたらいいんじゃない
647 :
てと
:2004/06/20(日) 23:08
空き時間がたっぷりあったので、皆でサッカーボールを何個か持って、
近くの公園にサッカーをしに行くことに。平日で、時間も時間なだけに
人の気配すらほとんどなく、僕達は人の目を気にする事無くサッカーをすることが
出来た。
僕がリフティングをしていると、道重さんがこっちを見て言った。
「せんぱい、フェイントを上手くやる方法教えてください。」
僕はボールを足に乗せ、地面へと置くと、少し考える。そのとき、
道重さんはこう付け加えた。
「かわいく。」
「へ?」
「かわいいフェイントを教えてください!」
かわいい・・・。しばし本気で悩む。
「かわいく・・・。」
648 :
てと
:2004/06/20(日) 23:09
ボールを持ちながら、僕は道重さんの顔をじっと見る。目が合った瞬間、
身体を左へと出す。道重さんもそれに反応してこっちの方向へと来る。
身体が近づいた瞬間、僕は素早く囁く。
「かわいいよ。」
ニコッと笑って言うと、道重さんも笑顔になって動きが一瞬止まった。
一瞬の隙を利用して、左足のヒールでボールを右へ蹴る。
道重さんがハッとして左足を大きく開いた瞬間、股を素早く抜いた。
「よっしゃ〜!」
僕がそのまま少しだけドリブルをして戻ると、
「だめです、かわいくないです。」
ぐはっ。
「でも・・・。」
「でも?」
「かっこよかったです。」
いきなりそんな事を言われて、なんだか首筋が凄く熱くなった気がした。
「おーい!もうそろそろ行くよ〜!」
キャプテン吉澤さんの声が聞こえる。僕達は慌てて皆の後を追いかけた。
649 :
名無し募集中。。。
:2004/06/21(月) 18:21
ハァ━━━━━━ *´Д`* ━━━━━━ン!!!
650 :
てと
:2004/06/22(火) 23:03
「先輩、今日の一緒に帰りませんか?」
「ごめん、ちょっと用があって。」
僕は高橋さんの誘いを断ると、荷物をまとめる。高橋さんは少し寂しげな
顔で僕を見ている気もした。用、というのは・・・。
2時間前。
「せんぱい。」
話しかけられて後ろを振り向くと、道重さんだった。
なんだか最近よく話しかけられる気がする。なんだろう?
「今日の帰り、CDショップに行くんですけど、一緒に行きませんか?」
この時点で特に断る理由もなかったから、僕はそのまま行くことにした。
ただ、
「せんぱい、行きましょ〜。」
高橋さんと藤本さんのあまりに対照的な視線が気になる・・・。
651 :
てと
:2004/06/23(水) 22:56
向こうのスレでも書いたのですが、私情によりで休業いたします。
私のせいでずっとかけなかった人もいるかと思います。
私は再来週の水曜まで帰ってこない(はず)です。
どんどん書いちゃってください。
652 :
名無し娘。
:2004/07/02(金) 22:57
>>651
待ってます。
653 :
てと
:2004/07/07(水) 18:23
CDショップに着くと、僕達は早速CDを漁った。
道重さんが何を聞くのか、ちょっと興味深かったから見ていると、
「だめです。」
と言っていたずらに笑った。ウロウロとその場を動いていると、
自分達のポスターが視界に飛び込んできた。
こういうのを見ると未だに照れくさくなったりする。
「自分らのポスター貼ってあるとちょっとドキドキしない?
バレないかな?なんて。」
そう言っているとなんだかちらちら視線を感じ出した。
道重さんはニコッと笑うと、
「そうですね〜。さゆはよく気づかれちゃいます。
やっぱ可愛いと苦労しますよね〜。あ、これ買います♪」
楽しそうに去ってゆく道重さんを見ながら、僕は呟いた。
「・・・多分見つかる理由ちょっと違うと思うよ。」
多分飯田さんとおんなじ・・・・。
654 :
名無し娘。
:2004/07/07(水) 19:54
更新お疲れ様です。
あっちのほうが更新されていたのでもしかしたらと思ったら、やっぱりでした。
これからも、自分の時間を大切にしつつ、小説も頑張ってください。
655 :
てと
:2004/07/09(金) 21:27
「最近行く暇なかったんでやっと買えましたぁ。」
CDを手に、道重さんはご満悦。左手に袋を持って、僕の左側に立っていた。
二人で歩いていると、
「あの、手、繋いでもいいですか?」
ちょっとだけ見上げ気味に、上目遣い言われてちょっとドキッとした。
一瞬迷ったけど、
「いいよ。」
そういえば前繋いだ事あったな(
>>493
)と思い出し、ここで断るのは変かな、
と思って手を握った。道重さんは握られた瞬間、
「せんぱいの手、暖かいです。」
少しだけ微笑んだ。またドキッとしたけど、僕は何も言わなかった。
656 :
てと
:2004/07/11(日) 21:48
道重さんと買い物へ行った次の日の朝楽屋に入ると、
高橋さんがいきなり凄い剣幕で僕の前にやってきた。
「どうしたの?怖い顔しちゃって。」
「・・・ちょっと来て下さい。」
「?うん。」
来たばかりなのに、楽屋の外へ出るとは。
バタンッ。
バタンッ。
少し歩いた所でまたドアの開く音がした気がした。
657 :
てと
:2004/07/11(日) 21:49
僕はそのまま社内の階段の踊り場まで連れて行かれた。
皆普段この階段を使わないから人気も無い。妙な静寂が気まずかった。
高橋さんは相変わらず怖い顔のまま、
「先輩。」
「はい。」
思わず出た返事が「はい」だった。
「シゲさんとはどういう関係ですか?」
「え?・・・どういうって?」
「昨日見ました、シゲさんと手を繋いで歩いている所。」
不意打ちを食らった気がした。なんだか気配を感じていたけど、
高橋さんだったのか。しかも誤解を招きそうなところをきっちり
見られている。
別にごまかしたりする必要なんて何も無い。僕はありのままに
話す事にした。
658 :
てと
:2004/07/11(日) 21:50
「前転んだ道重さんが転ばないようにって、1回手を繋いだ事があったんだ。
だから特に深い意味は無」
「うそ、そんなのウソです。何も思わないはずが無いじゃないですか。」
そう言われると少し苦しかった。僕が言葉に詰まっていると、
「・・・・・っ!」
タタタタタタタ・・・・。
高橋さんは走り去ってしまった。
「・・・・・。」
どうしていいのか分からない僕に、誰かが後ろから叫んだ。
「追いかけろ!」
「・・・藤本さん?なんで」
「いいから行け!」
横にいた道重さんが物凄く気になったけど、突き飛ばされた勢いで僕は
走り出した。
659 :
てと
:2004/07/11(日) 21:51
なんとか高橋さんに追いついたけど、高橋さんはなんとか逃げ出そうと
必死に動きまわった。なんとか落ち着かせ、僕は言った。
「ごめん、気づいてたよ。」
「・・・・・え?」
高橋さんの顔はなんとなく赤みを帯びていた。
「気持ち、気づいてたよ。」
僕はふーっ、と呼吸を一息つくと、続けた。
「でも道重さんの方が先に誘ってきたんだよ。」
「はいっ?!」
顔の赤かった高橋さんの顔が一変する。なんだか拍子抜けした顔だ。
660 :
てと
:2004/07/11(日) 21:51
「え?断って道重さんと行った事が問題じゃ・・。」
「・・・もういいです!!!」
「?違うの?」
高橋さんは怒っているような声だったけど、顔は笑っていた。
「許して欲しかったら・・・。名前で呼んでください。」
「名前?」
「はい・・・。」
「分かった。愛ちゃん。」
「は、はい。」
なんだかぎこちない返事に、思わず二人で笑った。
661 :
てと
:2004/07/12(月) 19:24
いつかの話。
「誰かセカチュウ見に行こうぜ〜。」
矢口さんのそんな呼びかけに、ちょうど見たいと思っていた僕は行くことにした。
でも他のメンバーはどうやら都合が悪いらしい。
「なんだよつれないな〜。」
矢口さんはそんな愚痴を笑いながらこぼしている。
映画もクライマックスに差し掛かってきて、館内では少しずつすすり泣く
声が聞こえてきた。僕はちょっとジーンと来ていたところ、ふと横を見ると、
「・・・・っ・・。」
目が合う。
「・・泣いてねぇぞぉ・・・。」
矢口さんはそう強がっていたけど、矢口さんの涙は暗闇の館内の中光って見えた。
662 :
名無し娘。
:2004/07/12(月) 20:42
やぐたん!
ハァ━━━━━━ *´Д`* ━━━━━━ン!!!
663 :
てと
:2004/07/13(火) 22:07
ある日電車を降りて駅を出ようとすると、外は凄い雨だった。
地下鉄だから気がつかなかった、傘持ってきてよかった、なんて
考えながら傘を開こうとすると、
「先輩!」
「愛ちゃん。」
後ろからいきなり話しかけられ振り向くと、
「傘入れてください。」
「え、あ、うん。いいよ。」
ようやく愛ちゃんって呼ぶの慣れたな。そんな事を思いながら傘の中に入れて、
ゆっくりと歩き出す。雨は大分強くて驚いた。あっと言う間に出来る
水溜り達を避けながら、進んでゆく。
「先輩、肩すごい濡れちゃってるじゃないですか。」
「いいよ別に。風邪ひいちゃうでしょ?」
愛ちゃんの方を見て軽く微笑むと、愛ちゃんは軽く俯いて首を振った。
鞄から折り畳み傘がはみ出ているのは見なかった事にしよう・・・。
664 :
てと
:2004/07/14(水) 21:50
「・・・・・無理だ。」
「先輩何やってるんですか?」
「あ、小川さん。これ高2終了程度のレベルらしいよ。」
僕が小川さんに差し出したのは英検準2級の問題集。小川さんは少しだけ見ると、
見る見るうちに顔が青ざめていった。
「・・・・なんですかこれ。」
めちゃイケも結局中学レベルだし・・・なんて言い訳して逃げ出したくなる。
「うわ、こんなの持ってきちゃ駄目ですよ。」
うわ、と露骨に嫌な声を出したのは紺野さん。
「そういえば英語苦手だっけ。」
「英語以外は完璧です!」
紺野さんは「完璧」をやけに強調していた。
665 :
てと
:2004/07/14(水) 21:55
「こういうのは4択だからえんぴつ転がすんですよ〜。」
ひょこっと小さな顔を出したのは新垣さん。最初から運頼み。
高橋さんもやってきて、僕の周りを5期全員集合。
高橋さんはくるなり言った。
「でもなんでこんなのやってるんですか?」
「いとこが取ったらしくて試しに買ってみたんだけど・・・。」
「じゃあやってみましょうよ!」
『え゛?!』
提案者新垣さんに賛同出来ない全員。特に紺野さんの嫌そうな顔は目立った。
とりあえず1問、ためしにやってみて全員思い思いの数字を選ぶ。
「真面目に答えた人が不正解で、鉛筆転がした里沙ちゃんが正解って
どうなのよ。」
小川さんは頭を抱えてぼやいている。新垣さんは得意そうに眉毛を動かしている。
「あっしは惜しかったやよ〜。」
4択に惜しいという概念はあるのだろうか・・・。
「もう1問!」
『えー。』
新垣さんの笑顔と手のひらの鉛筆が光って見えた。
666 :
名無し娘。
:2004/07/15(木) 01:22
なんかほのぼのしててイイですね
667 :
てと
:2004/07/15(木) 22:15
エコモニ。は活動が終了しても楽屋では活動が続いている。
ちょっとしたことがあると大臣は空気も読まずにはしゃぎまくっていた。
「矢口さーん!!割り箸もらってきちゃだめですよ!!」
「あ〜なんだようるさいな〜。」
今日も奮闘中。でも今日は紺野さんが遊撃した。
「石川さん。」
「何?今は大臣よ!」
「割り箸って、切らないといけない木を切ってるんで、資源の無駄では
ないんですよ。」
「・・・・・え?」
大臣の動きが完全に止まった。紺野さんは間髪入れずに続ける。
「伐採しないと養分がちゃんと行き渡らなくて共倒れしちゃうんですよ。
だからある程度は伐採して、その木を割り箸などに使うんですけど・・・
って大臣さん?」
大臣さんは既に地面にひれ伏していた。
「期間中だったらさゆが大臣だったのに・・・。」
道重さんはまだそんな事を呟いていた。
668 :
てと
:2004/07/16(金) 18:45
空き時間、楽屋でただただボーっとしていると、珍しく本を読んでいる
辻ちゃんが目に映った。しかも文章ばっかり。意外だな〜と思ってみていたら
なんだか悩み始めた。
「ん〜・・・・・・。」
辻ちゃんは持っている本片手に、横にいた加護ちゃんに訪ねた。
「あいぼん、これってどう読むの?」
「これ?ん〜。かくかくやろ。」
ブッ!!!
「あ、矢口さん汚〜い!」
なんだ?!僕はためしに近づいて本を覗き込むと・・・各々だった・・・。
つんくさん、大丈夫なんですか?卒業させて。
669 :
名無し娘。
:2004/07/17(土) 13:39
紺野と藤本がニュースステーションで柔道して、
紺野の背負い投げでミキティの胴衣がはだけておっぱい丸見えって夢を見た。
670 :
名無し娘。
:2004/07/17(土) 18:53
シンプルだが実にイイッ!!
671 :
てと
:2004/07/17(土) 23:18
某日某所。僕達はロケで或る場所へとそれぞれ向かった。現地集合なので
当然早く来る人、遅く来る人、遅刻する人・・・色々いる。
今日は田中さんが来なかった。仕方無く亀井さんが電話をかけることに。
「あ、れいな?今何処?」
『えり?ごめん、電車が人身事故で止まっちゃった。』
「電車が止まっちゃったみたいです。」
亀井さんは皆に向かってそう伝えるとマネージャーさんが今どこにいるのか
聞くように指示した。
「今何処?・・・・分かった。じゃあ急いでね。」
いや、電車止まってるし急げないのでは・・・。なんて思いながら、
電話を切った亀井さんを見た。亀井さんはマネージャーさんに言った。
「”はるにち”駅にいるらしいです。」
『?』
「・・・・・・・・・・春日(かすが)。」
頭を抱えて矢口さんが言った。つい先日の悪夢が蘇えったような、
そんな顔をして。
つんくさん、 メンバー内にも似たような輩がいます。僕たち大丈夫
なんでしょうか?
672 :
てと
:2004/07/18(日) 18:54
『今日の占いCount Down〜!!!』
本を読んでいると、そんな声が耳に飛び込む。皆食い入るような表情で
テレビに見入っていた。僕は別に興味もなかったので、ジュースを買いに
外へと出て行った。
楽屋に戻ると大騒ぎ。入った途端に道重さんが、
「せんぱい!ご一緒に。」
「え?」
「3,2,1、ハッスルハッスル!」
わけも分からず一緒にやると、道重さんは言った。
「今日1位だったんですよ。それでハッスルハッスルやったらもっと楽しい
1日になるんだって!」
あ、そう・・・。他にもいろんな人が色々やってる中、
「あ、さっそくジュース買ってる〜!」
石川さんに捕まった。なんでも僕の星座はジュースを飲んで落ち着きましょう
見たいな事を言われていたらしく、いじられた。
にしても・・・皆深々深いな(違う?)
673 :
てと
:2004/07/18(日) 19:04
お昼時、そろそろ御飯を食べようと思って財布の中身を確認していると
いきなり腕を掴まれた。
「御飯食べに行こ。」
藤本さんだった。半ば強引に引っ張られ楽屋を出る。
「痛痛痛!なんなんだよ〜。」
「先輩と御飯。」
「はい?」
「占いでやってたの、先輩と御飯食べに行くといいんだって。だから行こ。」
藤本さんもそう言うの信じるのか〜。
あれ?でも藤本さん、僕と星座同じじゃなかったっけ?気のせいかな・・?
674 :
名無し娘。
:2004/07/19(月) 02:12
ミキティキャワ!
675 :
てと
:2004/07/19(月) 20:56
ガチャッ
「おはようございまーす!」
「亀井おはようって・・・どうした?」
矢口さんの一言に僕は思わず入り口の方へ目を向ける。
?
亀井さんは顔だけ右を向いたまま入ってきた。
「寝違えちゃいましたー。」
何故か半笑いの亀井さん。矢口さんは心配そうな表情で、
「こういうときはえ〜っとどうすればいいんだっけ?」
なにやら色々試行錯誤を始めた。
それはなんだか次期リーダーとしての下準備のようにも見えた。
676 :
てと
:2004/07/19(月) 21:02
ガチャッ
「おはようございまーす!!」
間もなくして石川さんが入ってくる。石川さんは左を向いてる。
二人も寝違える事ってあるのかな?
でも矢口さんのリアクションは、
「どうした石川、とうとう本当に狂ったか。」
?!
「ひっどぉ〜い!!亀井と随分リアクションが違うじゃないですか〜!」
「見てたならなおさらだ。自分でなんとかしろ。」
「ひでー・・・。」
「いやそうでもないよ。」
「飯田さん?どういうことですか?」
飯田さんは極めて冷静な表情で、またよく分からない事で言うのだろうか。
「石川も来年カオリと卒業でしょ?そろそろいい加減巣立ちに向けて色々
しっかりさせないと。いや、今でも充分かもしれないけど、団体の中での
しっかりさと一人でやってくのは違うでしょ?矢口なりの愛情表現みたいな
ものじゃないかな。」
飯田さんはそこまで語ると、
「あれ?歌う時はユニット?」
と独り言のように呟くと一人でブツブツ呟き出した。
・・・巣立ちか。
677 :
名無し娘。
:2004/07/19(月) 22:31
みんながまだ怪談話を引きずっているようなので、辻ちゃん&加護ちゃんも
誘って、ちょっとした悪戯を。
パチッ
楽屋の電気を消してみる。
『?!』
続いて辻ちゃん&加護ちゃんによるラップ現象
ガタゴトッ、キーキー、パーン
『@★*?&□#$!¥●※』
声にならない大きな声が楽屋中に響きわたる。
あまりの混乱に誰かが僕の背中に抱きついた。
678 :
名無し娘。
:2004/07/19(月) 22:32
パチッ
「ごめんね、みんなー」
「犯人はコイツやで」
「俺かよっ!」
電気を点けるとそこにあるのは地獄絵図、やり過ぎたかな?
何名かは失神寸前、矢口さんが涙目で何かまくし立てているが、
何を言っているのかさっぱり判らないほど動揺している。
・・・数時間後・・・
辻ちゃん&加護ちゃんに全てのことをばらされた僕は、廊下で
マネージャーさんからキツイお叱りを受けました。
679 :
名無し娘。
:2004/07/19(月) 22:33
そういえば、電気を点けた瞬間に背中から離れたけど誰だったの?
なんて思っていたら
「男の人はは背中が広いと安心するね。」
そんな声が楽屋の中から聞こえた。
680 :
名無し娘。
:2004/07/19(月) 22:38
間違えたー!
「男の人はは背中が広いと安心するね。」
↑
「は」が一つ多いね、ごめんなさい
僕に抱きついた人は皆さんのお好きな方でどうぞ
681 :
てと
:2004/07/20(火) 21:24
仕事帰り、たまにはゆっくり歩いてみようと思って街を歩いた。
そこでたまたまゲーセンが眼に入る。入ってみよう、特何を考えるわけでも
なく僕はゲーセンに足を踏み入れた。
「あ、せんぱーい!」
呼ばれて振り返ると、そこにいたのは6期の3人。
頭文字Dの前に立っている。
「よく来るんですか?」
「ううん、なんとなく寄ってみただけ。そっちは?」
「よく3人で来るんですよ〜。あ、先輩。これやってください。」
亀井さんが指を指したのはギターフリークス。
「ホンモノ楽屋で弾いてるじゃん。アコギだけど。ライブでエレキ弾いてるし。」
「だからこそですよ!一体何点出してくれるのか!」
「うわプレッシャーかけるねぇ。」
僕は笑いながらお金を投入すると、ギターを肩にかけた。
682 :
てと
:2004/07/20(火) 21:28
僕がギタフリをしている間、田中さんと道重さんはUFOキャッチャーに
挑戦中だった。少しのインターバルを鋏んで、
「あ〜!!」
なんて声が聞こえて、間もなく、
「もう1回!」
何て声が聞こえてくる。
全ステージをクリアしてランキングに名前を入れた後そっちへと行くと、
大にぎやかだった。
「あ〜!」
「さゆがやる!!」
「あと1回!あと1回だけたい!」
そんな中、亀井さんが無言のまま横で挑戦。なんと一発で捕ってみせた。
「先輩にプレゼントです。」
亀井さんが僕にぬいぐるみを渡して微笑むと、それを見ていた二人が食いついた。
そのままゲーセン内で亀井さんによる「クレーンキャッチャー講座」が開始。
僕は一言言って先に帰った。
683 :
てと
:2004/07/20(火) 21:30
次の日・・・・・。
ドン!!!!
「田中さん・・・・・・これは?」
「先輩にプレゼントです!!」
「さゆもです!!」
ドン!!!!!!
机の上に乗せられたのは大量のぬいぐるみ。数で言うと20個以上。
二人は誇らしげな表情をしていたけど、心なしか机に置いてある
財布がいつもより薄くなっていた。
684 :
てと
:2004/07/20(火) 21:30
次の日・・・・・。
ドン!!!!
「田中さん・・・・・・これは?」
「先輩にプレゼントです!!」
「さゆもです!!」
ドン!!!!!!
机の上に乗せられたのは大量のぬいぐるみ。数で言うと20個以上。
二人は誇らしげな表情をしていたけど、心なしか机に置いてある
財布がいつもより薄くなっていた。
685 :
てと
:2004/07/20(火) 21:31
2重投稿すみません
686 :
名無し娘。
:2004/07/22(木) 22:47
先輩の脳内順位は1.愛ちゃん2.えりりん3.しげさん4.やぐ あたりかな?
687 :
名無し娘。
:2004/07/26(月) 14:32
今日も石川さんと一緒に阪神戦を見にいった。
石川さんは本当に阪神が好きなんだな。 俺が誰を一番応援してるのかと聞くと、
「みんな応援してるよ。頑張ってる姿が好きなの」
と少し照れながら言った。
俺は黙ってポップコーンを食べた。矢野と工藤が激突した時、
「大丈夫かな、大きな怪我じゃないといいね。みんな元気で野球をしてほしいな」
と石川さんはちょっと悲しそうな顔で呟いた。
「矢野が悪いんじゃないか?」
そう俺が言うと、石川さんはぷるぷると首を振った。
「みんな一生懸命やってるの、誰も悪くないよ。私はみんなを応援してるんだから」
石川さんの目は綺麗だった。ただポップコーンを食う俺が写っていた。
688 :
名無し娘。
:2004/07/26(月) 18:31
すいません。ちょっと感動してもいいですか。
689 :
てと
:2004/07/26(月) 21:55
ボーっとしていると、不意に調子の外れた歌声が耳に飛び込んできた。
「ひ〜とみ〜をと〜じて〜君を〜描くよぉ♪」
眠気が一気に覚める。そっちの方を見ると、やっぱり石川さんが歌っていた。
そしてその歌は更に続く。
「それだけで〜いいぃぃぃ〜♪ステーウィフミー♪・・・ああ、言われた〜い。」
なんだかうっとりしている表情。冗談っぽく近づこうとすると、先客が現れた。
よしこだ。
「ひ〜とみ〜をと〜じて〜き〜みを〜描〜くよ〜そ〜れだけで〜いいぃぃ♪」
目は僕をはるかに超える男前。石川さんはそれを見て完全にうっとりしてしまった。
「よっすぃ〜素敵!」
抱きつく石川さん。
・・・・・いいのか?
690 :
てと
:2004/07/27(火) 15:08
ある日、矢口さんが某飲料を口にして言った。
「これって美味しいか?」
誰も否定しないし肯定もしない。
僕達がそれを話題に取り上げることがいかにまずいか全員知っていたからだ。
藤本さんの視線が熱い。
691 :
てと
:2004/07/27(火) 15:09
ある日、高橋さんが(略)
「後味焼きそばですよね。」
全員無言のままスタンディングオベーション。
そういえば最近見かけない気がする。
食べ茶。
692 :
名無し娘。
:2004/07/28(水) 00:52
「次は、XXく〜ん」
OLばかりのこの部署に
な〜ぜか ひ〜とり 男の子
周りの男は うらやましがるが
本人どうなの?
「え、こ、光栄です」 オイ!
WOW WOW WOW 青春
いろいろあるさ!
2,3人集ったら
かしまし かしまし
693 :
てと
:2004/07/28(水) 17:20
「高校生クイズに出たい。」
紺野さんが突然そんな事を言ったのは、ある日の午後の事。
その場にいた小川さんと新垣さんもすぐにそれに乗って、盛り上がり始めた。
そして色々話しているうちに紺野さんはどうやら本気で出たいらしいと言う事が
分かり、スケジュール表を見て色々考えていた。
「あ、やった空いてる〜!」
「よしじゃあ3人で出ようよ!」
そろそろ本格的に盛り上がってきた。
「あ、でも同学年じゃなきゃ駄目かも。」
というわけで新垣さん渋々離脱。というわけで誰か他に該当者を探すと、
「のんつぁんか、かーちゃん。」
『・・・・・・・・・・・・・。』
「無理か。」
「無理だね。」
「諦めようか。」
「しょうがないよね。」
ひどっ。
694 :
名無し娘。
:2004/07/29(木) 00:36
学年はバラバラでいいけど、学校は同じじゃないといけない気がする。
695 :
てと
:2004/07/29(木) 15:14
安倍さんと久しぶりに一緒に食事をした。軽い近況報告をお互いに済ませた後、
居酒屋でお酒を飲みなおす。そのうち安倍さんが悪酔いを始めた。
僕はなんとかなだめたが安倍さんのお酒の摂取量は増える一方。
そして居酒屋を出た頃、安倍さんは歩けないくらいに酔っ払っていた。
仕方なく僕は安倍さんをおぶると、今日はうちに泊まってください。と言った。
うちがここから近かったからだ。
「なっちを家に連れ込んでな〜にする気なんれしょーね〜。」
「プレステ。」
「なっ!いつの間にそんな事言うようになったんだべか!!」
フラフラと歩くうちに、安倍さんの愚痴は再開された。
「ドラマの数字もイマイチ、CDのセールスもイマイチ・・・。なんでみんな、
なっちのこと嫌いになっちゃったのかな・・・。」
背中に何か生暖かい水のようなものを感じる。すぐにすすり泣く声が聞こえてきた。
「・・・・。」
696 :
てと
:2004/07/29(木) 15:16
家に着き、安倍さんに水を渡す。安倍さんは一気にそれを飲み干すとすぐに
ベッドの上で目を瞑ってしまった。僕は安倍さんの横に腰を下ろし、そっと
呟いた。
「大丈夫ですよ、心配しなくても。みんな安倍さんががんばっていること、
よ〜く知ってますから・・・。」
「・・・・・ありがと。」
え、と思って安倍さんも見るも、目はしっかり閉じられていた。
強すぎるくらいに。
「今何か言いましたか?」
うわ言のように呟いてみると、安倍さんの声がすぐに聞こえた。
「な、何言っているべさ。なっちは寝てるんだべ?何も言うわけないっしょ。」
「・・・そうですね。」
僕は少しだけ微笑んで安倍さんを見ると、安倍さんの寝顔も少しだけ微笑んでいた。
697 :
名無し娘。
:2004/07/29(木) 15:43
前スレが見れません。アド教えてくださいませ
698 :
てと
:2004/07/30(金) 18:34
ピンポーン
ある日の夜遅く、突然鳴ったホテルのチャイム。誰だろう、僕は疲れた体を
なんとか起こし、重い足取りでドアへと向かった。
ガチャッ
「あれ、ごっちん。」
「来ちゃった。」
こんな夜遅くに現れて、何故か笑顔のごっちん。
「来ちゃったって」
ドンッ。
突然体を強く押され、そのまま僕はベッドの上に転がった。
「どうした・・・・の?」
気づくと僕は馬乗りにされていた。混乱しているうちに、ごっちんは腕を
僕の体に回し、強く抱きしめた。
「曲作って。」
「・・・・はい?」
いきなりそんな事を言われて僕はたじろいだ。耳元で囁かれて自分の顔が
どんどん熱くなっているのが分かる。ごっちんは頬を僕の頬に摺り寄せて、
「お願い。寺田よりはいいの作れるよきっと。
ただでとは言わないからさ・・・・。」
体全体を擦り付ける様に抱きつくごっちん。いやらしい笑みを浮かべて、
その口からは牙が・・・・牙?!
「そ、それ、何?!」
「いただきます。」
『あああああああ!!!!!』
699 :
てと
:2004/07/30(金) 18:40
暗い部屋の中で、みんな四方八方に散った。矢口さんはガタガタ震えて、
なにやら文句を言っている。
「エロヒトオモフタラナニイキナリコワクヒテフホヨ!!!」
多分、エロいと思ったら何いきなり怖くしてるのよ。って言ってます。
「え、だって、昨日見た夢大会なんだからしょうがないじゃないですか。」
楽屋で突然始まったそんな大会。優勝商品は中澤さんから昼飯おごり贈呈。
(まだ中澤さんには何も言っていない)
ただ単に僕の大声でびびらせただけのような形となったけど、そんな中でも
藤本さんは冷静に、
「寺田よりいいの作れるよきっとの所マジウケた!」
た、確かに夢にしてはリアル・・・・。
700 :
てと
:2004/07/31(土) 18:19
バラエティで珍しい人と共演する機会が出来た。保田さんだ。
ロケは新幹線で行く遠出。娘。のメンバー全員ではなくて僕個人でのオファー
だった事もあり、保田さんと待ち合わせをして新幹線に乗っていく事になった。
現地は各自で行くように、なんていうひどい番組だったからだが、これが
思わぬ事件を招いた。
「保田さん!何珍しく遅刻してるんですか!!!」
「仕方ないじゃない!テレビ番組なんて久ぶりすぎて最後いつか覚えてないわよ!」
か、悲しい・・・。そんな事を考えている場合ではないので僕らは全速力で
階段を駆け上った。
『駆け込み乗車はおやめください・・・。駆け込み乗車はおやめください!』
駅員さんがキレまくる中、僕らはなんとか電車に飛び乗った。
「はぁ・・・・はぁ・・・。保田さん?」
「・・・・・・・・・・・。」
保田さんは年老いた老婆みたいに生気を完全に失ってしまっていた。
僕はタオルを渡して、スポーツドリンクを買うと、保田さんに渡した。
物凄い勢いでがぶ飲みする保田さん。
「・・・保田さん、運動しましょう?」
701 :
てと
:2004/08/01(日) 21:49
早朝、今日も体力づくりのジョギング。ツアー中、前は欠かせない。
僕の場合30分くらい軽くやって終わりだが、今日は横に人がいた。
「おはよ〜!」
「石川さん。どうしたの?」
「なんだか目が覚めちゃって。ウェアもあるし、たまにはいいかなぁって。」
朝から爽やかな笑顔。軽く飛び散る汗は太陽の光を浴びてキラキラ光っていて、
漫画みたいな情景だった。
「あ、犬だ。」
早朝という事もあってか、犬の散歩にもちょくちょく出くわす。
「さわってもいいですか?」
石川さんは飼い主さんに許可を貰うと嬉しそうに犬を撫で出した。犬は
くぅーんっ、と鳴くとパタパタとシッポを振って石川さんにじゃれている。
僕も犬の頭を軽く撫でたけど、すぐに僕への興味を失って石川さんの膝に
両手を乗せて石川さんの手をぺろぺろとなめていた。
「きっと雄なんだぁ。」
石川さんはそう笑うと、犬を抱きかかえ、
「ありがとうございました。」
飼い主に渡した。犬はちょっとだけ名残惜しそうな顔をしていて僕らは
また笑った。
702 :
名無し娘。
:2004/08/01(日) 23:12
>>697
前スレあったよ。
http://www.miraclenight.net/logs/mor/040603/1004618557.html
それにしても、最初から読むと歴史を感じるな。
703 :
てと
:2004/08/02(月) 17:24
楽屋に後藤さんが訪れる。この暑い中爽やかな笑顔で一言。
「差し入れ〜。こんな暑い日には〜これ。西瓜!みんな食べなよ〜紺野ばっか
食ってないで。ってあれまだいないか。」
「人数多いから分け前少ないけど2つで我慢しいや〜。」
「みんな差し入れだよ〜。暑いっしょ〜、こんな日は西瓜!ほら亀ちゃん
何ボーっとしてるの。暑いから冷たいもの食べなきゃ〜。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「卒業したばっかやけどうちらからの差し入れや〜!・・・・あれ?」
楽屋の机に積み上げられた西瓜西瓜西瓜。計13個。更に二人の持って来た分で
15個。さっきまでせめて一人だったのに・・・。
更にここで一人、遅れてきた娘が現れる。
「遅れました〜。でもいいもの買ってきましたよ〜。」
紺野さんは手を後ろに回してそれを隠している。嫌な予感・・・。
「夏はやっぱこれです!すいか」
『!!!』
「バー!完璧です!あれ、なんでみんなどうしてこけてるんですか?」
704 :
名無し娘。
:2004/08/02(月) 22:29
見せ方はまだへただけどイメージはいいね
読んでて楽しくなってくる
705 :
てと
:2004/08/03(火) 22:06
空き時間に近くのコンビニに買い物へと出かけた。テレビ局の近くという事も
あり、そこへ行くとメンバーや他の芸能人と会う事がたまにある。別に期待
をするわけではないけど、誰かいるかもな〜、くらいは頭の中で考えつつ、
僕はコンビニの中へ入った。
中に入り適当にパンを物色しようと奥へ足を進めると、やっぱりいた。
吉澤さんが手にゆで卵をとって、他に何を取ろうか考え事をしているのか、
顔はボーっとしていた。
悪戯心が僕に囁きかける。僕は少し笑いをこらえながら吉澤さんの背後に忍び寄り、
「わっ!」
「うわっ!!!」
予想外のリアクションのでかさに僕は高橋さんみたいに目を見開いた。
吉澤さんは勢い余って棚の中に頭を突っ込んでしまい、僕は慌てて引っ張り出した。
「ご、ごめん!!」
吉澤さんが棚から顔を出すと、僕は思わずぷっと噴出した。何故だか分からないけど
その口にはゆで卵が咥えられていたからだ。吉澤さんはそれを口から取り出すと、
「危ないじゃんかYO!」
「うぉ久しぶりにそれ聞いた!」
僕が驚いて叫ぶと吉澤さんは満足そうにニコニコ笑う。
帰り道、僕らのビニール袋の中でゆで卵が仲良く1個ずつ揺れていた。
706 :
てと
:2004/08/04(水) 18:39
自分以外の収録が思いのほか長くて暇になってしまった。スタッフの人が
楽屋に時間の押し具合の説明が入り、入り時間の変更が告げられる。こに
よって思わぬ時間が生まれた。2時間、暇になる。僕は楽屋を見渡した。
僕以外でいるのは5,6期マイナス藤本さん。僕を合わせて8人。
いい人数だ。僕はみんなに言った。
「サッカーしない?」
『しま〜す!』
即答。僕は楽屋に置きっぱなしになっている、誰のものというわけでもない
サッカーボールを拾い上げると、みんなで駆け出した。
すかっ、
ピューッ
「あ!」
足を思い切り振った田中さんの靴が弾みでミサイルのように飛び出した。
靴はそのまま、
「痛!!!」
それに気づいていない小川さんの背中にヒットすると、転がって僕のところに
落ちた。僕はそれを拾い上げると、ゆっくりと田中さんのところまで歩き、
「どうぞ、シンデレラ。」
くだらないかな〜?と思って田中さんの表情をうかがうと、その顔はみるみる
赤くなっていく。
「べ、別にその一言はいらんとですよっ!!」
強引に靴を奪い取ると、慌ててはいてすぐにボールを追いかけに行ってしまった。
僕はちょっとだけ呆然としていると、道重さんが僕に近づき、ふと漏らした。
「先輩ももうオヤジですかね。」
そ、そんなにくだらなかったか・・・・。
予想外の攻撃に胸をえぐられた気がした。
707 :
てと
:2004/08/05(木) 16:00
今日は一人の仕事。ドラマのロケで僕は台本を読んでいた。
現場はやけに静かに感じた。どうしてもいつもと比べてしまうせいかもしれない。
一通り台本を通した所でポケットに震えを感じる。加護ちゃんからだ。
携帯を開くといきなり飛び込んできた文字は
「左を向け」
僕はとりあえず言われるがままに左を向くと、すぐにメールが届く。今度は
辻ちゃんからだった。
「後ろ」
今度は180度回転。何がしたいんだ?そして今度は2件同時にメールが届いた。
「右」「。」
「あ。」
「よう。」
「どうれすか?調子は。」
僕が振り向くと、二人は笑顔でポーズを取ってみせる。僕も思わず笑った。
「どうしたの?」
「ちょっと寄ってみただけや。このあとはNKホール。」
「頑張ってくらはい。」
「うん、二人も頑張って。」
二人は手を振りながら道を歩き出した。僕も手を振ると、ますます強く手を
振った二人の鞄からポテチの袋が零れ落ちた。
708 :
名無し娘。
:2004/08/05(木) 21:40
零れ落ちたぁー!!
709 :
てと
:2004/08/06(金) 20:58
バンッ!!
「イエ〜イみんな調子はどぅだーい?」
「・・・・キショッ。」
「バカ?」
突然物凄く勘違いな格好で入ってきた石川さん。そしてそれに対するいつもの
二人の罵声。石川さんの格好があまりに奇天烈な事以外は、何もかもいつも
と同じ情景だった。石川さんの格好は、例えるなら・・・。
「これからはパンクの時代なのよ!」
そう、パンク。ピンクなのはいつも通りだけどどうも格好がパンクバンドの
メンバーみたいな感じ。
「まあ存在時代がパンクしてるしね。」
「・・・・ポジティブパンクよ!」
藤本さんの口撃ももろともせず、石川さんの暴走は続く。今度は練習の
ため持ってきていたエレキギターを僕の手から奪うと、
ヘッドホンのコードを抜いてしまった。石川さんは今にも暴れだしそうな
雰囲気。
「ギブソンだから高いよ。」
「・・・・・い、行くぜ〜!!」
今の間は一体なんだったのだろう。石川さんは完全にコードを無視した
位置に指を置くと、ストロークを開始した。
ガッ
「あ、弦太めにしてるから。」
「・・・・・・。」
「ショボッ。」
「・・・・・・。」
「所詮梨華ちゃん如きにパンクなんか無理だったって事だよ。」
「・・・・・・。」
石川さんは矢口さんと藤本さんを泣きそうな顔をして少しだけ睨むと、
ギターを僕に渡して部屋の奥、ロッカーと壁の間に入ろうとした。
「石川さん、ここはえりのスペースです。他当たってください。」
「・・・・・・・・・。」
石川さんは無言のまま駆け出して楽屋の外へ去っていったけど、
吉澤さんが追いかけたから大丈夫、多分。
710 :
てと
:2004/08/07(土) 21:13
「さゆ機種変したっちゃか。」
「うん。カメラすごいんだよ〜。」
楽屋を賑す携帯談義。道重さんの周りをたくさんの人が囲んで盛り上がっている。
あとで見せてもらおうかななんて思っていると、メールが届いた。
僕がポケットから携帯を取り出して開くと、
「あ、先輩さゆと同じだ〜。」
「色違いじゃん。」
え?同じ?色違い?
よく見てみると道重さんは確かに僕同じ機種の携帯をいじっていた。
メールを見てみると、道重さんからの空メール。
「おそろいじゃん。」
「それで二人ゴト出れば?」
藤本さんと吉澤さんに肩をポンポン叩かれる。
や、やられた・・・。
一方道重さんはいつも鏡に向けているような満面の笑みだった。
711 :
名無し娘。
:2004/08/08(日) 05:51
>「石川さん、ここはえりのスペースです。他当たってください。」
えりりんキャワ
712 :
てと
:2004/08/08(日) 15:20
昼ごはんを食べ、ハロモニのコントを1本とり終えたあと、小腹が空いた。
時計を見てみると・・・2時。時間的に微妙だったけど、とりあえず
コンビニで何か買おうと思い、僕はフラフラとテレビ局を出た。
「お・・・夏メシ。」
別に安倍さんの宣伝ってわけではないけど、たまたま飲んだ事がなかったから
僕はカロリーメイトゼリーを買う事にした。
僕がこれを外で飲みながらテレビ局へと帰ったら、宣伝になるのだろうか?
「あ。どうも。」
「がんばってるべか〜?」
テレビ局への帰り、安倍さんとすれ違う。安倍さんも何かゼリー系を飲んでいる。
・・・・・・・・・ん?
「だめですよ木村さんに負けちゃ!!」
「え?」
よく分かってない安倍さん。僕の手元を見るとその意味を理解したらしく、
「あ・・・・。」
「あ、って・・・。この間たくさんもらったって言ってたじゃないですか。」
「でもこっちの方が好きべさぁ。」
語尾にハートマークがついてしまいそうなほどの甘い声。
「負けました。」
713 :
名無し娘。
:2004/08/08(日) 19:52
なっち大塚製薬さんに見られちゃだめだよなっち
714 :
名無し娘。
:2004/08/08(日) 22:30
>>709
「・・・・ポジティブパンクよ!」
白塗りで目の周りを真っ黒に塗るわけですね。
715 :
てと
:2004/08/09(月) 21:25
お昼時、僕は鞄から持って来た弁当箱を取り出すと、それを見た小川さんが
「あ!先輩それ誰が作ったんですかぁ?」
大声で叫んだもんだから楽屋は大騒ぎ。皆あっと言う間に僕を取り囲んで
じーっと弁当を見た。中には弁当箱を恨めしそうに睨みつける娘まで。
「彼女じゃん?」
「えーーーー?!」
藤本さんの言葉に過敏に反応するのは高橋さん。僕の肩を力いっぱい掴んで
違いますよね、違いますよね、とブンブン前後に振りまくってきた。
「えー絶対そうだって、こいつがいくつだと思ってるんだよ。」
「絶対それはないやよ!!ね?ね?先輩!」
目が回ってきたし収拾がつかないから僕は正直に言う事にした。
「自分で作りました!」
{・・・・・えーーーーー?!}
「何そのリアクション・・・。」
716 :
てと
:2004/08/09(月) 21:25
みんなありえない、って顔をして驚いている。高橋さんだけ若干ほっとした
顔をしてるけど。正直、みんなより作れますと私、はい・・・。
「んあ〜、でもこれ美味しい。」
「ごっちんいつの間に?!」
いつの間にやら現れたごっちんを口火に、全員一気に僕の弁当に群がる。
まるで水中で獲物を見つけたピラニアみたいに。
・・・というと文句を言われそうな例えかもしれない。
「料理できる男の人っていいよね〜。」
「俺より女らしいじゃん。」
弁当は瞬く間にただの箱と化し、みんな色んなコメントを残しながら
ぞろぞろと退散していく。
弁当どうしよう・・・途方に暮れていると、
「食べます?」
「うん。」
親切な人が芋を恵んでくれたので一緒に食べました。
「あ、これ美味しい。」
「・・・(もそもそ)」
717 :
名無し募集中。。。
:2004/08/10(火) 02:40
なんか読んでて和むね〜
718 :
てと
:2004/08/10(火) 17:35
たまたま一緒になった小川さんとケータリングに行くと、やはり予想していた
通りの展開になった。トレイにポンポンいろんなものを置いていく小川さん。
早くも僕が今日取ろうとしていた量を超えられたところで、僕は一応先輩として
言った方がいいのかな?と思い忠告した。
「小川さん、取りすぎじゃあ・・・・。」
「そんなことないですよぉ〜。」
いやあるよ・・・。これ以上の小川さんの成長を防ぐためには、やっぱり
ここで退くわけにはいかない。僕は続けた。
「食べすぎは体によくないって。」
「だって御飯美味しいんですもん。それにいっぱい食べると毎日いっぱい
楽しくて、幸せですよ?」
満面の笑みでそう語る小川さん。その表情は確かに幸せそうで、トレイに
食品を置く手も速まる。
「・・・じゃ、いっか。」
「やったー!」
僕が結局折れると、また料理を取っていく小川さん。そして遂には、
「あ、それ俺の!」
「エヘヘ。」
小川さんの笑顔を見てたら、なんだか取られた料理のことはどうでもよくなった。
719 :
てと
:2004/08/11(水) 18:01
ファンクラブ主催のハワイ旅行。仕事とはいえ海外にいけるのだから
楽しみじゃないはずがない。僕は少しだけ心躍らせながら集合場所である
空港に到着した。でも、みんなを見てすぐに冷めた。
「なんで・・・すかそれ?」
「え、おそろい。あそこで売ってるから買ってきたら?」
「いや、遠慮しておきます・・・。」
たくさんの女の子と一人だけ男の子。バレないはずがないこの状況。
でもみんな全然バレてないつもりなのか、
「バレないねぇ。」
「これでさゆの可愛さが隠れるの。」
なんて言っていた。
いや、バレてます、バレてますよみなさん・・・。
タモモニ♪サングラス♪
嗚呼懐かしや。
720 :
てと
:2004/08/12(木) 17:15
青い空、青い海、白い雲、白い砂浜。誰が言い出した言葉だか分からないけど
単純かつ絶妙な形容をしたもんだと思う。ハワイはまさにそんな場所だ。
空いた時間に砂浜で空を見上げていた。ファンの方とたまに会って話したり
しながら、特に何を考えるわけでもなく、ただなんとなく。
砂に半分だけ埋もれた丸太の上に座って。
「先輩。」
そんな僕の横に、いつしか新垣さんが現れて丸太に腰をかけた。
新垣さんも空を見上げて、吹く海風を気持ちが良さそうに浴びている。
新垣さんは突然、言った。
「子供の頃、いつかあの雲を食べてやる〜なんて思ってたんですよ。」
「俺もそんな事考えたっけな〜。」
「ですよね!あのおっきい雲を鷲づかみしてバクバク食べちゃうんですよ。」
「でも大きくなってって・・・。一つずつ夢を消されてって・・・。」
なんとなく、浸ってみてしまった。でも新垣さんは違ったみたいだ。
「私はまだ諦めてませんよ。」
「え?」
「だっていくら学校で教えられてもやってみないと分からないじゃないですか!」
「・・・・そうだね。」
「そうですよ!スカイダイビングしてあ〜んなんていいんじゃないですかぁ!」
とてもとても楽しそうに話す新垣さんの髪は、海風を浴びて相変わらず
気持ちが良さそうに靡いていた。
721 :
てと
:2004/08/13(金) 19:04
「あれ?」
南国、ハワイ。
アメリカ合衆国の州の一つで、当たり前だけど海外。
ホテルも外国人の従業員が働いて、チップとか払ってみたり、朝はバイキングで
オムレツは具の一つ一つ全部細かく指定してその場で作ってもらったり・・・
と、そこまではよかった。
でも僕らが止まったホテルには、そのハワイあるまじき物体が存在した。
「見間違い・・・やあらへんよね?」
「なんで関西弁なんですか。」
愛ちゃんに笑われながら、”それ”にゆっくりと近づいていく。
やっぱり見間違いではないらしい。
「やるやよ。」
愛ちゃんはフロントに行くと、借りるものを借りて帰って来た。
「やりません?」
「やろうか。」
僕は高橋さんがやっていた組立作業を手伝い始めた。
台を組み立て、網をピンと張る。お互いに端と端に分かれ、構える。
722 :
てと
:2004/08/13(金) 19:04
「卓球温泉〜!」
「愛ちゃんそれなんか違う気が。」
「あ、混ぜて混ぜて〜!」
「楽しそうじゃん。」
いつの間にかみんな集まってきた。でもセットをしたのは僕らということで、
まず最初の対戦は僕VS愛ちゃん。サーブは彼女から。
「むぅ〜・・・・。」
難しい顔をしてラケットとボールを見つめる愛ちゃん。前かがみになって
ずっと悩んでいる。
ハワイ、夏、すなわち暑い。暑さというのは人間を解放的な気持ちに
させる、というか薄着にさせる。愛ちゃんも当然薄着。
前かがみになった事でシャツの中がチラリと見えた。
気づいたら最後。それが気になってしょうがない。そして、
「そりゃっ!」
カコンッ。
「あ!」
気づいたらもうサーブを打たれていた。
「ボーっとしてるなら変われよ〜!!」
愚痴が飛ぶ中、僕は地面へと落ちたピンポン玉を探すふりをして、
顔から赤みが取れるまでずっと待っていた。
723 :
てと
:2004/08/14(土) 17:47
本を読んでいると、横に座っていた亀井さんが目を細める。
何かと思って見てみたら大分眠たそうに、でも寝ないように必死に
色々と試行錯誤していた。
「眠ったら?」
「・・・・・え?あ、なんですか?」
完全に寝ぼけている亀井さん。今にも眠ってしまいそうな顔を覗かせる。
「起こしてあげるから寝てていいよ。」
「・・・・・よろしくお願いします。」
その一言を最後に亀井さんは目を閉じ、椅子に座ったまま前かがみ気味の
状態を取って眠り出した。最近急がしくて疲れているのかもしれない。
読書を続けていると、突然左肩に重みを感じた。
横を向くと亀井さんの頭が視界に入る。そして間もなくしていい匂いがした。
すーすーと寝息を立てる亀井さんを起こすわけにもいかず、僕はなるべく
動かないように注意しながら本を読み続ける。
でも本の内容なんて全然頭に入らなかった。
724 :
名無し募集中。。。
:2004/08/14(土) 23:31
ハァ━━━━━━ *´Д`* ━━━━━━ン!!!
725 :
名無し募集中。。。
:2004/08/16(月) 08:29
やっぱりえりりんはいい匂いがするんだね・・・(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
726 :
てと
:2004/08/20(金) 18:53
機会があって中澤さんと二人で飲みに行く事になった。
少し洒落た感じのバーにて、中澤さんはカクテルを注文した。
流石に中澤さんと飲む時はお酒は飲めない。
僕はジュースをちびちびと飲みながら、中澤さんのお酒に付き合う形になった。
「入ったときはどうなるかと思ったけど、立派になったなぁ〜。」
中澤さんはしみじみとした顔で僕を見る。
年を感じているように、僕には見えた。
見えると同時に、僕は思わず言ってしまった。
「何おばあさんみたいにしみじみしてるんですか。」
「お、おばあさん?!」
中澤さんは脊髄反射の反応速度で絶叫する。周りの人がこっちをじろじろと見る。
中澤さんは回りを見ながら恥ずかしそうにすると、少しだけ小さな声で、
「ちょっとでっかくなって誉められたからってええ気になってるんやないわ!」
「え〜さっきどこら辺誉めましたぁ?」
「口だけは達者やなぁ全く・・・。」
中澤さんは呆れた表情を浮かべてカクテルを口にすると、言った。
「これから大変やと思うけど、頑張りや。」
「・・・・はい。」
その言葉はすごく心に響いた。
727 :
名無し娘。
:2004/08/21(土) 00:45
また旅行いくの?
728 :
てと
:2004/08/21(土) 00:54
メル欄直してない事に気づき焦。旅行は当分行きませぬ。
729 :
てと
:2004/08/21(土) 22:32
「久しぶりですね。モデルになるの。」
椅子の上に座り、表情を造る。
僕の先にはイーゼルにキャンバス、そして難しい顔をした飯田さんがいる。
たくさんの鉛筆を入念に選び、流れるようにそれを走らす。
卒業するにあたってそれまでにメンバー全員の絵を描くという計画らしい。
「時間はあると思っていたら、すぐになくなっちゃうから。」
なんだかちょっとだけ悲しげな表情を浮かべるリーダーに、僕はただ頷いた。
いくらか時間が過ぎたところで、飯田さんの指先が止まる。
「出来た。」
満足そうな笑みを浮かべると、僕は久しぶりに立ち上がってその画を
見ようと回り込んだ。でも飯田さんはそれを阻止して隠す。
「見せてくださいよ。」
飯田さんは何故かすごい頬が緩く、目も少し泳いでいた。
「はい。」
「・・・・な、なんですか・・・これ。」
「なにって・・・・あんた。」
「・・・嫌な事思い出させないでくださいよ・・・。」
キャンバスの上では、猫耳が頭にくっついた僕が済ました表情で佇んでいた。
730 :
名無し娘。
:2004/08/22(日) 12:53
いいねえ。ガンガレ
731 :
てと
:2004/08/22(日) 17:44
安倍さんと昼ご飯を食べに行く事になり、僕達は「北海道ラーメン」と
書かれた店に入ってみた。
塩と味噌をそれぞれ頼んでちょっとずつ分け合う、ということになる。
ラーメンをすすりながら、僕はなんとなく言った。
「安倍さんこれ食べてなんとも思わないんですか?」
「え?美味しいけど・・・。」
「そうじゃなくて・・・。こんなの北海道じゃないべさぁ!って思ったり」
僕が最後まで言い終わる前に、安倍さんはくすっと笑って僕を遮る。
「そんな頃もあったなぁ・・・。」
その目はなんだか少し遠くを見つめているようだった。
「安倍さん?」
「自分ではそうでないつもりでも、東京に染められてきた、ってことかな・・・。」
「そんなこと・・・・。」
その先が、どうしても出てこなかった。
帰り道、公園を突っ切る。お昼時の公園には、一人寂しく食事をするサラリーマン、
どこかの野良猫くらいしかそこにはいなくて静かだった。東京ではないみたいに。
僕はここで、安倍さんに自分の意見をぶつけてみる事にした。
「染められる事は、別に悪い事じゃありませんよ。」
「え・・・?」
「いろんな経験をして、東京に慣れたとして、だからといって北海道に
いた安倍さんは嘘じゃないはずだし、染められてもその中に北海道が
少しでも残っている限り、安倍さんは安倍さんですから。」
「全部染まっちゃったら・・・どうするんだべ?・・あ。」
言った途端に北海道で取れたてのトマトみたいに顔を真っ赤にして口を抑えた。
「いまだに訛りが取れないから大丈夫ですよ。それになんていうか、その・・・
なんていえばいいんだろ。」
安倍さんは僕を見て思い切り笑うと、
「もういいべさ。ありがとう。」
安倍さんはちょっとだけ僕の近くに立ち、ほっぺをつっついてきた。
そして後ろに回りこみ僕の両肩に手を乗せると、
「今度は本場のラーメンを食べに行くべ。」
その笑顔は迷いとは無関係に見えるくらいに無垢だった。
732 :
てと
:2004/08/23(月) 18:56
楽屋に今いるのは僕と矢口さんの二人だけ。矢口さんはさっきからトッポを
ずっと食べている。僕は本を読みながら缶コーヒーを口にして、リラックス中。
そんな時、矢口さんが話しかけてきた。
「ねぇ、勝負しない?」
「勝負?」
「トッポを1本か2本袋から交互に抜いて最後の1本を引いたら負け。
負けたら相手の言う事をなんでも聞く。どう?」
「面白そうですね。」
「そう来なくっちゃ!」
矢口さんはノリノリで僕の横に腰掛けると、僕に向かって袋を差し出した。
僕が先行らしい。
「1本。」
「・・・じゃあ2本。」
「・・・あれ?」
袋を受け取り、気がつく。もう既にあと1本しかない。
733 :
てと
:2004/08/23(月) 18:56
「・・・矢口さん謀りましたね!」
「キャハハッ、勝ちは勝ちだ!さあどうしてもらおうか・・・。
じゃあお前、目つぶれ。」
「?目ですか?」
ビンタでもされるんじゃないかと思い、目を瞑る。しばらく待っても何も
されず、不思議に思い目を開くと、矢口さんの顔がすぐ側にあった。
「おい開けるなよ!!」
大慌てで3歩くらい退く矢口さん。
「いや退きすぎですよ。」
僕はもう一度目を閉じると、静かに何かをされるのを待った。
ガチャッ。
「うわ!!」
ドアが開いた音の後、またも大慌てする矢口さんの声。気になり目を開けると、
石川さんが立っていた。何故かドロが沢山服についている。
「そんなに驚かないでよぉ〜!もう本当に大変だったんだから〜!
矢口さん聞いてください!!」
「・・・・れ。」
「え?」
「帰れ。」
「はい?」
「お前もう帰れ!!」
何故か突如マジギレした矢口さんを止めるのにそれから30分かかり、
罰ゲームの事を聞くと矢口さんは疲れた顔をして「もういい」
とだけうわ言のように繰り返した。
734 :
名無し娘。
:2004/08/23(月) 21:45
届かなかったのね
735 :
てと
:2004/08/24(火) 18:52
ガチャッ
「うわ!!」
朝楽屋に入った瞬間、目の前に飛び込んできたものに僕は絶叫してしまった。
絶叫されたその”もの”はそんな僕にすぐに突っかかってくる。
「だからあんたたちなんなのよ!私が楽屋にいるとそんなにおかしい?!」
「いやだって、ドア開けたらいきなり保田さんがいるんですよ?!
至近距離に!椅子に座って!!
おかしいっていうか怖いです。」
「な?!」
「そのくらいにしてあげなよ、保田さんこれで5人斬り達成なんだから。」
「数えるんじゃないわよ!大体一人目は石川!あんたでしょ!!」
「えへっ。」
キショッ、という声が何処からともなく聞こえる。
「もうここまできたら13人斬りしちゃってくださいよ〜。」
ガチャッ
「うわぁぁぁ!!!」
6人斬り達成、と思われた瞬間
「うわぁぁぁ!!!」
保田さんに驚いた小川さんのリアクションで保田さんが驚き椅子ごと後ろ
に吹き飛んだ。保田さんが吹き飛んだ先は既に斬られ済みの6期3人。
『きゃーー!!!』
三方向に散る、というよりも転ぶように飛ぶ3人。
楽屋中が悲鳴に包まれた。
736 :
名無し募集中。。。
:2004/08/25(水) 18:39
がんがれ!
737 :
てと
:2004/08/25(水) 21:12
スタジオ入りをするために楽屋を出た。
本を読むのに夢中になってしまったから、楽屋を出るのは僕で最後。
もう時間もあまりなかったから急ごうとしたら、隣の楽屋が開いた。
中からはごっちんが出てきたけど・・・。
「・・・どうしたの?」
「んあ?どうもしないよ?」
「頭。」
「?」
僕は道重さんに誕生日の時もらった手鏡をごっちんに手渡した。
反射してごっちんの瞳に映るのは、頭が大爆発を起こしているごっちん。
「直さなきゃ!!!」
大慌てするごっちん。楽屋に入るのかと思いきや、あろうことか、
「み、水!!」
「水?!ワックス貸すから!!」
二人で全速力でスタジオに入ると、厳しい視線を受けて直したばかりの頭を
縦に下げた。
738 :
てと
:2004/08/26(木) 17:47
自販機の横の椅子に座ってジュースを飲んでいると、横で同じくジュースを
飲んでいた石川さんが前触れも無く唐突に言った。
「付き合ってる人いないの?」
ブッ
「ゴホゴホッ・・なんで?」
「この世界入って長いし。」
「・・・そう言う意味か。」
「え?どういう意味だと思ったの?」
突然石川さんは顔を近づけて、下から見上げるように上目遣い。
少しだけドキドキしてしまう自分がいた。
「別に・・・。」
「ねぇどういう意味?」
更に顔を近づけられ、それに比例して鼓動が高まる。
739 :
てと
:2004/08/26(木) 17:48
「じょ〜だん!」
石川さんはぴょんっと椅子に座りなおすと、笑ってみせた。
石川さんは前を向き直すと、
「当分はなさそうだね、その様子だと。」
「うるさいな〜。」
僕はなんだか恥ずかしくて思わず頭を軽くかいた。古いリアクションだ。
「でも相談があるならいつでも乗るよ。一応私の方がお姉さんだから。」
ウィンクをしてみせる石川さん。それを見て僕は顔を近づけた。
「聞いてくれる?」
「・・え?」
「俺・・・石川さんが・・・。」
手を握る。石川さんは顔を赤くして僕から逸らした。
更に顔を近づけると、石川さんは僕の方を見た。少しだけ固い表情。
740 :
てと
:2004/08/26(木) 17:48
「俺のこと、嫌い?」
「・・・・・・・。」
石川さんの顔がこれ以上ないくらいに赤くなったところで、僕は耳元で言った。
「じょ〜だん。」
「え?!」
「引っかかった〜。」
「もう・・・。」
今度は逆に引っ掛けられた石川さんの顔の色はまだ赤い。
「でもその時が来たらよろしくね、お姉さん。」
741 :
名無し娘。
:2004/08/27(金) 13:48
いい!がんがれ!!
742 :
てと
:2004/08/27(金) 18:52
吉澤さんに悩みの相談をされた。楽屋で二人きりのときに。
4期自分ひとりになってしまうと言う事を。
「なんだかんだ、やっぱ寂しいよね。最初ほとんど4人で行動してたわけだし。」
「らしくないよ。」
僕が軽い気持ちで言うと、それは吉澤さんにはよくなかったらしい。
吉澤さんは少し語調を強めて、
「なくもなるよ、あんたこの気持ち分かるの?!」
「・・・分からないよ。4.5期だから。最初から一人だから。」
「・・・・。」
僕は吉澤さんの座る椅子の横までゆっくりと歩いて座り、目を見て続けた。
「みんな先輩で動機は当然いなくて。でも俺は寂しく感じた事ないよ。
みんないるし、吉澤さんもいるし。」
「・・・え?」
「俺にとって4期の4人は同期当然だから。だからさ、1人だなんて言わないでよ。」
「・・・・・・・。」
吉澤さんは難しい顔をして少し俯いたけど、
「そうだね。でもあたしを同期だって言うなら、その吉澤さんってのは
いい加減やめてよ。」
「え?」
「余所余所しい。」
「う〜ん、よっすぃ〜、よっちゃん、よっちゃんさん、よしこ、」
「その調子!」
「頑固一徹!」
「それはやめい!」
吉澤さんがばしっと僕の胸を手の甲で叩くと、僕らは一緒に大笑いした。
743 :
:2004/08/28(土) 01:00
まあ、それに近いものはあるんだろうな。
744 :
てと
:2004/08/28(土) 23:53
そういえばうちなんであんたに加護ちゃんって呼ばれとるんやろ?
最近よっすぃ〜があだ名になったみたいやけど他はごっちんと愛ちゃん以外
みんな”さん”付けやん、後輩まで。でもうちとののは”ちゃん”
え〜っとなんでだっけ
覚えてへんのかい!あれは入ったばっかの時や・・・。
覚えてるじゃん。
細かい事はええねん。素人時代の名残や、確か。
【〜回想〜】
「加護ちゃん辻ちゃんアイス食べ」
「加護ちゃん?」「辻ちゃん?」
「あ・・・・。」
「いや、顔真っ赤にされてもこっちが困るで。」
「ごめん。テレビに向かって言ってた呼び名がそのまま出た。」
「別にのんはいいれすよ、辻ちゃんで。」
「うちもええで。」
745 :
てと
:2004/08/28(土) 23:53
そんなことあったなぁ。
まあこれからもよろしくな。
変なの。
ええねん、変でも別に。
それが売りってか
ほっとけ!
746 :
てと
:2004/08/29(日) 18:31
コンビニで買ったアイスを食べながら、その外の駐車場で辻ちゃんと駄弁ってた。
卒業しても同じ仕事、ハロモニみたいなものがあると
結局けっこう一緒に仕事をしたりして。
違う事をしているんだなと感じられるのはWの仕事の話を聞いているときくらいだ。
「あ、当たった。」
当たりつきだという事すら知らずに食べたから、なんとなく嬉しい。
でも横を見ると物欲しそうな顔をして見ている女の子が一人。
「あげる。」
「本当れすか!!ありがとうなのれす!」
棒を僕の手から強引に引っ張って、折れそうになる。
そんな事も気にせず辻ちゃんはお店へと走っていく。
・・・いくつになっても変わらないけど、それが“らしい”よな。
「はい。」
満面の笑みで店から出てきた辻ちゃんの手にはもう一本、アイスが握られていた。
747 :
名無し募集中。。。
:2004/08/29(日) 23:25
ののたん!
今年はハワイにいけなくて残念だね。
748 :
てと
:2004/08/30(月) 22:32
「あ!」
お昼時、そんな悲鳴が聞こえてふと振り向くと、愛ちゃんがとんでもなく
大きく目と口を開けてあんぐりとしていた。その視線の先には・・・・・
「落としたんだ・・・。」
「・・・・はい・・・。」
誤まって弁当を落としてしまったらしい。愛ちゃんは悲しそうな顔をしながら
落ちた弁当の処理をしている。その表情はちょっとだけ紺野さんを彷彿とさせた。
片付け終わって、溜息をついている愛ちゃんに、僕は提案した。
「あげるよ。」
「え、いいですよ!!」
慌てて断る愛ちゃん。そりゃ無理も無いけど、
「でも食べないと仕事ちゃんとできないでしょ。
・・・じゃあ半分こしよっか。」
「え?!」
「はい、あ〜ん。」
「えぇ?!せ、先輩・・。」
「冗談。」
箸を一気に引っ込めると、愛ちゃんの表情はいきなり歪んで、プイッと
あっちを向いてしまった。
「あれ?」
「もういいです!」
「ごめんごめん!!」
なんとか愛ちゃんの機嫌を直した後、二人で仲良く?弁当を食べた。
749 :
てと
:2004/08/31(火) 23:52
ペラペラペラ・・・・。
乾いた紙を開く音が楽屋をよく響く。4つ折になったパンフレットを広げ、
僕ははぁ〜、と溜息をついた。
「何見てるんですか?」
「USJのパンフ。友達が休みで行って御土産くれたんだけど、
これが袋に入っててさ。」
話しかけてきた紺野さんに説明する。
カラフルに描かれたアトラクション。これを見ていたら、
「HEY×3思い出しますねぇ。」
「でしょ?ジュラシックパークライドとか思い出すよね。
ごっちんの顔がすごくてさ!」
二人で暫くUSJスペシャルの時の思い出話で盛り上がった。
ある程度会話がひと段落着いたところで、
「また行きたいですね。」
紺野さんがそう天井の方をぼーっと見上げる。僕はからかおうと思って、
「今度二人で行く?」
「はい?!」
「冗談」
「なんだ・・・残念です。」
「え?」
「冗談です。」
紺野さんは笑うと、パンフレットをマジマジと見つめ始める。
・・・愛ちゃんとは違うな。
750 :
名無し娘。
:2004/09/01(水) 21:04
んまい
751 :
てと
:2004/09/01(水) 22:40
朝、楽屋に入るとまず最初に小川さんが目に入った。
来たばっかりらしく、ドアの付近で顔だけこっちを振り向いていた。
僕は小川さんを見た瞬間、
「元気ですかー!」
「チッチッチ。」
「?」
小川さんはなんだかベテランな顔で言った。
「まだまだ甘いですよ先輩。もっとこうっ、『元気ですかー!!!』」
「元気ですかー!」
「元気ですかー!」
「元気ですかー!」
「げんうっ!!」
「う?」
突然蹲る小川さん。
「はほははふへはひは」
「?」
小川さんは手帳を取り出すと、走り書きで
『顎が外れました』
「・・・・・!!」
僕は事の重大さに気づくと、急いで小川さんを引っ張って楽屋の外へと出た。
752 :
てと
:2004/09/02(木) 18:01
フットサル練習日の休憩時間、僕はピッチの外で腰を下ろした。
ふー、と一息ついて上を見上げると、そこには鳥の巣があった。
どうやら雀の巣らしく、親鳥が飛んできて子どもに餌を上げている。
たまたま横にいた新垣さんもそれを見て、見上げながら言った。
「雀って生まれた時はお母さんにご飯をもらって周りに兄弟がいますよね。」
「・・・うん。」
「でも時はいつだって待ってくれない。いつかはみんな大人になって、
それぞれの道へ飛び立っていく。」
「・・・・・・。」
新垣さんは見上げる事をやめた。顔を下ろし、地面と平行になると、
膝に手をついて、続けた。
「私達も、同じです。でもそれは長いたびの始まりでしかないから、
だから悲しむ事はやめて飛び立つ兄弟達を暖かく送り出さなければいけない。」
「・・・・・・。」
「なんて、カッコつけすぎですかね?」
こっちを向いた新垣さんの眉毛はハの字に切なく曲がっていて、
表情もどこか哀愁漂っていた。
「・・・どうだろう。でも泣いてくれる人もいてくれた方がいいこともあるんじゃないかな。」
「・・・・そうかもしれません。でも私は無理して背伸びしちゃいそうです。」
微笑んだ新垣さんの顔は、初めて見るような表情だった。
753 :
てと
:2004/09/03(金) 21:26
アウトロが流れ終わると、僕の拍手に満足そうな表情を浮かべる藤本さん。
ジュースを飲み干すと椅子に座り、
「男に生まれたかったかな〜、って思う事あるんだ。」
「なんで?」
「歌いたい曲沢山あるし〜。歌いにくいじゃん?まあたまになんだけどね。」
僕は少し笑いながらジュースを飲むと、体を少し伸ばした。
「でも男になると娘。になんか・・・・いるか。」
僕の表情を見た藤本さんはバカウケして背中をバンバン叩いてくる。
好きなだけ笑い終わると、藤本さんは呟いた。
「あ・・・でもよくよく考えたら女に生まれてよかったかな・・・。」
ピッピッ、と既に記憶された番号を直接打ち込む藤本さん。
マイクを持つと立ち位置に戻った。再開の合図だ。
「え、どういう意味?」
「そう言う意味!」
「え〜?」
『ねえ結局はボーイフレンド♪』
藤本美貴擬似ソロコンサート、後半戦開始。
754 :
名無し娘。
:2004/09/03(金) 21:47
創意あり。意欲的でよい。残り3人だがんばれ。
755 :
名無し娘。
:2004/09/04(土) 03:28
スタッフさんの差し入れで、楽屋に夏みかんが置いてあった。
「夏みかんって最近食べてないよね〜」
矢口さんは一つ手にすると、軽くお手玉のようにポーンポーンと遊んでいる。
「カオリも久しぶりだなぁ〜」飯田さんもちょっと笑顔になって取って行く。
僕も一つ手に取り、ガシガシと皮を剥いていると、
うらやましそうに亀井さんがこっちを見ていた。
「夏みかん、食べないの?」僕がそういうと、
亀井さんは少しうつむき加減に、「食べたいんですけど・・・」と歯切れが悪い。
遠慮しているのかと思い、新しい夏みかんを一つ、亀井さんに手渡す。
「ヤグチィ〜、カオリの剥いてよ〜、自慢の爪が〜」と甘えた声でおねだりしている。
「カオリ?かわいくないよ!」と矢口さんが振り向きもせずに言う。
そんなやり取りを、僕は剥き終えた夏みかんを食べながら、いつものように微笑んで見ていた。
すると、服の裾をチョンチョンと、引かれる感触。
「センパイ?・・・」
亀井さんに呼びかけられ、僕が振り向くと、
「・・・剥いてもらって・・・いいですか?・・・」
うっすら頬を赤く染め、遠慮がちに夏みかんを両手で差し出していた。
僕は、それを受け取り、剥いてある自分のを半分にし手渡す。
ちょっとビックリして、耳まで赤くし、うれしそうに亀井さんが受け取り食べ始める。
僕のあげた夏みかんを、一つ一つ大事そうに食べている亀井さんを見ていると、
僕の夏みかんは、さっき食べていたのより、なぜか甘くなっているように感じられた。
756 :
名無し娘。
:2004/09/04(土) 06:57
僕が楽屋へ入っていくと、矢口さんと石川さんが何やら騒いでいる。
「やっぱり私のようになりたかったのね、まりっぺは。」
「違うって言ってるだろ、これは昔に撮ったウケ狙いだから!」
余裕の表情の石川さんに、必死で抵抗している矢口さん。
いつもとは立場が逆の言い合いに、僕は「どうしたの?」と聞いてみる。
すると石川さんは、待ってましたかの勢いで、僕に矢口さんの携帯画面を向ける。
「見てやって。まりっぺの携帯!」
「コラ、見せるな!・・・お前も見るな!!」
矢口さんは、バタバタと両手で石川さんの持っている自分の携帯画面を覆い隠そうとする。
「拝見しま〜す。」と言って、僕は石川さんから携帯を受け取り、携帯画面を見る。
そこには、いまどきガングロメイクをして、得意のギャルポーズをしている矢口さんの姿。
僕は、笑いそうになるのを必死でこらえて、あえて真顔でからかうように聞いてみる。
「矢口さんのマイブームですか?」
「さっきから違うって言ってるだろ、バカ!もう!!」
泣きそうな顔で、矢口さんは言う。
「でも、かわいいですよね。結構、僕好きですよ。ほんと。」
僕の言葉に、矢口さんは驚いたような顔をして、
「マジで?ほんとに?」と、うれしそうに何回も僕に聞いてくる。
「な〜んだ、つまんな〜い。」
興味がなくなった石川さんは、そう言うと席を立ち、楽屋から出て行ってしまった。
矢口さんは僕から取り戻した自分の携帯をマジマジ見ながら、ひとり言のようにつぶやいている。
「やっぱり、おいら、カワイイからなぁ。ガングロメイクはギャルのカワイさが・・・。」
僕は、顔が引きつらないよう笑顔をつくりながら、調子を合わせて
「・・・そっ、そうですよねぇ・・・」と、言って顔を上げ、楽屋内を見渡す。
ほとんどのメンバーは、それぞれ自分の事をやっている中、少し離れた所で、
このやり取りをじっと見つめて、うなずいている道重ちゃんを見つけた。
(道重ちゃん、なんか怖いよ・・・。)
次の日のオフ、僕は買い物に出かけ、とある衝撃的な光景を目撃してしまった。
道重ちゃんが、化粧品売り場の女性店員に、激しく訴えかけている姿を・・・。
「・・・だから、もっと黒いファンデーションはないんですか?・・・
ガングロメイクはギャルのカワイさが引き立つんです!!」
(・・・道重ちゃん、違うよ...。)
757 :
名無し娘。
:2004/09/04(土) 12:52
>>755-756
イイヨー。どんどん書いてくれ。
矢口の「お前も見るな!!」とかよかった。
758 :
てと
:2004/09/04(土) 21:37
「先輩泣いてください。」
「え?」
突然、本当に突然亀井さんに言われた一言に、僕は呆然としてしまった。
意味が良く分からないけど、亀井さんは笑っている。
「絵里小悪魔になったんです、泣いてください。」
そう言うと亀井さんはその場でターン。黒髪がふわりときれいに揺れて、
一瞬遅れていい香りがした。
「ああ、あのCMの奴か。」
「はい!あれに変えたんですよ!だから絵里は今日から小悪魔です。」
笑顔で小悪魔、って言われても・・・。
「じゃあ男の人もてあそぶの?」
「え?そんな事しませんよぉ!悪戯とかするんです。」
すごい笑顔だけど、すごい意味取り違えてるなこの子。
ニコニコ笑っているから笑い返すと、亀井さんはまた突然口を開いた。
「というわけで先輩の鞄の中のポテチを塩味からチーズ味に変えてみました。」
「嘘ぉ?!」
僕は言われたとおり慌てて鞄を漁ったけれど、中に入っているのは変わらない
美味しさだった。
「ひっかかった〜。」
満足そうに笑う亀井さんに、僕は怒るにも怒れなかった。
759 :
てと
:2004/09/05(日) 18:02
「絵里がドラマ出たじゃないですか。」
「出たね。」
「さゆも出たいです。」
どうしてこうみんないきなり言うんだろう。
どう返していいか分からない僕に対して、道重さんは続ける。
「だから演技の練習相手付き合ってください。」
「え、あ、いいよ。」
そういうことか。少し挙動不審になってしまったけど、僕は立ち上がった。
「じゃあさゆとせんぱいは恋人です。」
「え」
「ラブシーンまで3・2・1・」
「ちょっ、待った!具体的になにするの?」
「キス」
「え?!」
「さゆとキスするの・・・嫌ですか?」
亀井さんよりよっぽど小悪魔だ・・・。僕はどうにかしてこの暴走を
止めようと、
「安倍さんのドラマも影とか猫とかでごまかしてるから寸止めで。」
「え〜じゃあ抱きしめてくれる所まではやってくれるんですね。」
760 :
てと
:2004/09/05(日) 18:03
やられた。
仕方無しに抱きしめ、見つめあう。胸の下辺りに柔らかいものを感じた。
道重さんは上目遣いで、目が少しだけ潤んでいる。
演技だって分かっているのに、少しドキドキした。
僕は意を決したように、顔を近づけていった。
ガチャッ
「あ・・・。」
この場で一番来てはいけない人が入ってきてしまった。
愛ちゃんは僕達二人を見ると、そのまま走り去ってしまった。
バタンというドアが閉まる音が聞こえると、僕は道重さんの体から
離れて走り出そうとした。でも、
「さゆの事、嫌いですか?」
もはや演技かどうか判別不能。僕は頭を掻き毟った。
「あ〜もうどうしろっちゅーねん!!」
僕は少し悩むと、決めた。
761 :
てと
:2004/09/06(月) 22:17
たまたま見ていた雑誌に福岡の店が載っていた。
それに気づき、覗き込むようにしてきたのは田中さん。
「ここ行った事あります。」
「マジで?」
田中さんは少し懐かしそうに微笑むと雑誌をペラペラとめくり始めた。
その表情を見て僕は思ったまま口にした。
「寂しくない?」
「寂しくないことはないですけど・・・もう慣れました。それに。」
「それに?」
「夢を追ってここに来たのも本当ですから。」
笑っているような、そうでないような。どっちともつかない表情を浮かべて
田中さんは少しだけ遠くを見るような目をした。
「・・・そろそろ時間か。がんばろっか!」
「はい!」
いつも以上に気合の入った田中さんの背中は、いつもよりちょっぴり大きく見えた。
小さな体を大きく動かしていて、でもちょっとだけ背伸びしているような気もする。
だから思わず僕は、
つん、
「にゃっ?! な、なにするとですか先輩!!」
そうそう、自然体がいちばん。
762 :
名無し娘。
:2004/09/06(月) 23:28
先輩してるなあ
これで全員切りかな てと乙カレ
いろんなシチュエーションを楽しませてもらいました
やっぱりこのスレの設定って絶妙だね
763 :
名無し娘。
:2004/09/07(火) 00:01
全員切り乙〜
個人的には梨華ちゃんとミキティのがよかった
764 :
てと
:2004/09/07(火) 20:48
松浦さんとたまたま時間があってご飯を食べる事になった。
こんな風に娘。以外の人と、しかも二人っきりで行ったりすると
雑誌が意味もなく盛り立ててくる事もたまにあるけど、実際は当然仕事仲間。
辺りをキョロキョロと見る僕に気づいたのか、松浦さんも
「会社の同僚とご飯食べるのと何も違わないんですけどね〜。」
楽しく食べた後はお会計。
「ゴチになりま〜す♪」
「割り勘だろ〜。」
「先輩〜。」
「年あんま変わんないけどな〜。」
そう言いながらも財布からお金を取り出す僕を見て、松浦さんは満足そうな
笑みを見せた。
「次も楽しみにしてますよ、先輩♪」
765 :
名無し娘。
:2004/09/08(水) 06:59
こんなやつとは一緒に飯食いたくないな
766 :
てと
:2004/09/08(水) 18:17
ね、眠い・・・。
早朝、楽屋に着いた後すぐに僕は睡魔に襲われた。
あんまり寝てないからな・・・。まだ時間あるし、いいか。
僕はそのまま畳の上で眠りについた。
767 :
てと
:2004/09/08(水) 18:17
意識が戻った瞬間、固かったはずの畳がやけに柔らかく感じられた。
耳の辺りによく分からない感覚を覚えながら、目を開けると、何故か
ドアが見えた。でもドアノブは見えない。あれ、逆方向に寝てたよな。
寝返りかな・・・。
「この間肩借りちゃったんで。」
いきなり誰かの声が上から聞こえた。寝ぼけているから誰だか分からない。
声の方角へと見上げると、優しく微笑んでいる亀井さんの姿があった。
・・・・ということは
「大丈夫、今誰もいませんから。」
慌てて動こうとした僕を亀井さんが制す。
「え、でももういいよ。」
「遠慮しないで下さいよ。絵里は今離すとどこか逃げちゃうかもしれませんよ?」
逃げちゃうって・・・。小悪魔されてる気がした。
この状態は新垣さんが部屋にノックをした所まで続いたけど、
すごく長い時間に感じた。
768 :
てと
:2004/09/09(木) 21:29
暑い。9月に入っても暑い。
そしてその被害は直接的よりも間接的なものの方が、僕らには多い。
ピチョッ
「うわ!」
首筋に水気を感じて思い切り叫ぶ。犯人はライブ中汗をはじきまくることで
一世を風靡した(?)、保田さんだ。
「飛ばさないでくださいよ〜。」
「しょうがないじゃない!怒るなら暑さに怒ってよね!」
「飛ばさなくてもいいじゃないですか!」
暑さもあってイライラも募る。色々もめていると、横で『ケメコの歌』の
4番を拍子抜けな音程で口ずさむ一人の娘。
外れた音にも気づかず、石川さんは
「ケメコってひどい女だよね〜。」
「ホントホント。自分ブサイクなのに。」
「みんななんなのよ!なんで毎回こんな役回りなのよ!
現存メンバーで私のキャラ作らないと尺取り戻せないわよ!
エースを!トークのエースを!」
『はっ!!』
僕たちは気づいてしまった。
今回のオーディションのテーマは、『エース』
つ、つんくさん・・・まさか・・・。
769 :
てと
:2004/09/09(木) 21:30
『ケメ子の歌』4番
私の名前はミス・ケメ子
あなたはかがみをもってるの
はきけをもよおすその顔で
私を好きになるなんて
キライ (しょぼん) キライ (しょぼん)
私はあなたがキライです
770 :
てと
:2004/09/10(金) 19:15
小麦色に焼けた肌は、僕だけの特権かもしれない。
石川さんは僕を見て言った。
「好き放題焼いても怒られないの君だけだよ〜。」
「石川さんは地で充分黒いからバレないって。」
「ひどぉい。」
そう拗ねながらも口元はしっかりとカーブを描いている。
話はいつの間にかハワイへと。
「あれはないでしょー。」
「しょうがないじゃん!だって英語分かる?」
僕らが話したのは石川さんの買い物中のエピソード。
よっすぃ〜と一緒に買い物をしていた石川さんはレジで
英語が分からず、財布を出して、
「え、え〜っとぉ、likeなだけ、take?」
「??」
財布ごと取られて本気で焦る石川さん。
そしていつの間にかいなくなっているよっすぃ〜。
結局倍額ほどぼったくられた石川さんはスタッフさんに指摘されるまで
それに気づかなかった。
今年も楽しかったな。来年も楽しみ。
来年は石川さんの分まで楽しまないと・・・・ね。
771 :
名無し娘。
:2004/09/11(土) 10:08
・゚・(ノД`)・゚・
772 :
てと
:2004/09/11(土) 21:32
「お願いしますよせんぱ〜い!」
「ちょっこすだけ!ちょっこすだけです!」
「せんぱいの縦列テクに惚れちゃうかも〜。」
「あ〜もうっ、分かったから!行こう!行こうどこにでも!!」
773 :
てと
:2004/09/11(土) 21:32
6期の3人に頼まれ、僕達4人は適当にどこかをドライブする事になった。
免許取立てだからあんまり多くの人を乗せたくない・・・というのが本音。
でもこんなに頼まれては嫌とは言えない。僕は後輩には弱いタチなのかもしれない。
適当、と言っても僕はなんとなく行く所を決めていた。
そこまで車を順調に走らせる。
段々とそこまで近づいてくると、僕は窓を軽く開けた。そしてすぐに、
潮風の香りが車内に行き渡る。
僕達はそれで少し溜息をつくと、海辺に車を止めた。
気がつくと3人とも車から降りていた。
夏休みも終わったし、人はそんなにいない場所にたまたま着いたせいか、
3人は平気で砂浜まで走っていた。間もなくして田中さんが豪快に転ぶ。
2人はそれを見て笑い、田中さんも砂を落としながら笑う。
「よ〜し」
僕は車から降りると、3人を追って走り出す。
でも3人の近くまで走ると、田中さんがこけた時に出来た穴に引っかかって
転んでしまった。笑う3人。
僕はさっきの田中さんと同じ様に、笑顔を見せた。
774 :
名無し娘。
:2004/09/11(土) 22:25
ネゴシックスがいるな
775 :
てと
:2004/09/12(日) 17:29
うとうとしていてあと一歩で眠りに落ちそうだった時、
突然ドタバタと言う音で目を覚まされた。
「・・・・・ん?」
なんとか目をこじ開けて、音の主を探る。
視界があまりはっきりとしないけど、なんとか主の姿だけ確認できた。
紺野さんと小川さんがじゃれあっている。
寝そうになりながらも少しだけそのじゃれあいを眺めていると、
小川さんバックをとった。1ポイント
ローリング 2ポイント
更にローリング 2ポイント
紺野さん投げ技 3ポイント
小川さんアンクルホールド2ポイント
これは悪夢だ、うん、そうに違いない。
僕は再び目を瞑った。
776 :
名無し娘。
:2004/09/12(日) 21:30
どう考えても悪夢とは思えない・・・
777 :
てと
:2004/09/13(月) 18:43
パクパクと弁当を食べていく。
スタッフさんから配られたものだけど、いかんせん量が少ない。
だからこれだけでは足りない人も当然出てきて、そのときは
もう1つ弁当を配ったりしていた。
でも今日はたまたま人数分しかなくて・・・。
ガチャッ
「突撃隣の昼弁当〜!ちょっとそこのお兄さん見せてくらは〜い!!」
「え?!」
ターゲット、僕。
辻ちゃんは僕の弁当を自分の持って来た箸でどんどんおかずを平らげていく。
「あ!!卵は止めて!ちょっと!!あ〜!!」
「ご馳走様れした。それではまた来週〜!」
バタンッ!
・・・嵐が去った。
また来週って、来週の収録の事だろうか・・・。
778 :
てと
:2004/09/14(火) 21:40
ガタンゴトン・・・・ガタンゴトン・・・・。
僅かだけど連続的に続く小さな揺れが心地よい眠りへといざなう。
僕は電車の方向が同じだった高橋さんと一緒に帰っていた。
高橋さんは終点で降りるから、結構長旅だ。
仕事の疲れもあって、かなり眠い。うとうととしてきた所、
肩に何か重みを感じた。
「・・・・・・・。」
いつぞやの亀井さんを思い出す、いい香りが僕の顔を包む。
寝顔が斜めの角度から見えた。
なんだかドキドキしていると、もう僕の降りる駅だ。
「・・・・・・・・。」
779 :
てと
:2004/09/14(火) 21:41
『終点〜』
「愛ちゃん、起きて。」
「・・・・はい?」
これでいいんだよ、多分。
780 :
名無し娘。
:2004/09/15(水) 01:44
さゆえり愛ちゃん…
悩みは尽きませんね。
781 :
てと
:2004/09/15(水) 18:49
パンダのぬいぐるみが楽屋に落ちていた。
見覚えは全くない。
「誰の?」
返事はなかった。みんなも僕と全く同じで、見覚えがなかった。
大きさはいたって普通のぬいぐるみ。
UFOキャッチャーでとれるくらいの大きさだろうか。
「爆弾だったりして。」
冗談半分に石川さんが言う。でもその一言で、楽屋は完全に静まり返った。
時期が悪い。空気の読めなさ過ぎる石川さんの発言で、みんなの目の色が
変わった。
僕は無言でぬいぐるみを石川さんに渡した。
「うわ!」
石川さんは慌てて藤本さんに投げる。
782 :
てと
:2004/09/15(水) 18:49
僕→石川さん→藤本さん→石川さん→矢口さん→石川さん
結局帰ってくるぬいぐるみ。ここに来て石川さんは既に泣きそうな状態。
みんなは楽屋の反対側に避難して、石川さんをじーっと見ていた。
「ちょ、ちょっとみんな!」
「来るな!来るな梨華ちゃん!!」
「ひどいよぉぉぉ!!!」
ガチャッ
騒ぎの中、入ってきたのはキッズの子。
「あ、あった。」
石川さんの所まで行くとぬいぐるみをふんだくり、そのまま去っていった。
『・・・・・・・・。』
783 :
てと
:2004/09/16(木) 22:50
午前中の仕事が終わった後、僕は矢口さんの異変に気がついた。
顔色が悪い。
いつもより余計にテンションが高い気がする。
僕はたまらず聞いてみようと近づいた。すると、
「なんか気持ち悪い・・・。」
「大丈夫ですか?」
矢口さんは目を細めて頬を手で撫でている。
目も少しくっきりとしていて、体調が悪そうな感じがする。
「乗ってください。」
「え?うわぁ」
僕はお姫様抱っこをするとそのまま医務室まで歩き出した。
「ちょっ・・・降ろせぇ!!」
「軽いですね。」
「え?」
「意外に。」
「てめぇ!」
784 :
てと
:2004/09/16(木) 22:54
少し経った後、ジュースを一杯飲みながら医務室に様子を見に行った。
矢口さんはベッドの中にはいるものの退屈そうに転がっている。
でも表情は穏やかではなかった。
「大丈夫すか?」
「なんか飲んだら元気になれそうな気がする。」
「飲みます?」
「サンキュ・・・って、買ってきて!」
「え、なん」
「いいから!」
「?はーい。」
改めてジュースを買ってきて矢口さんに渡すと、矢口さんはそれを一気に飲み干した。
「ありがとー。」
「無理しちゃダメですよ。気負いしないで。」
「わかってるって。」
「じゃあ深呼吸ー。」
「すぅー、はぁーー。」
「では、ごゆっくりお休み下さい。」
お辞儀してそう言うと、僕らは思わず笑ってしまった。
785 :
てと
:2004/09/17(金) 21:59
飯田さんと並んで歩いていると、飯田さんは手を平行にして僕と身長差を
比べ出した。
「でかくなりすぎたら卒業なんて言ってた時代が懐かしいね〜。」
「あの時は毎晩背が伸びないように祈ってましたよ。」
「あんたマジで信じてたの?」
うそー、と言った顔をする飯田さん。ちょっとだけカチンと来た。
「信じてましたよ!女の子の中に一人混じってるからでかくなったらやっぱり
まずいのかなとか!あんないたいけな男の子を騙すなんて」
「どこがだ。」
「すんません。」
笑うと、突然頭を撫でられた。飯田さんは軽く微笑むと、
「昔は手をこんなに上に持ち上げることもなかったのに、
大きくなったんだね。」
「・・・・・・。」
自分がどんな表情をしているかは分からないけど、飯田さんは優しく
微笑んでいた。
786 :
てと
:2004/09/18(土) 21:51
ちょっとした賭けに負けて藤本さんに焼肉を奢る事になった。
それに肉好きの皆さんが何人も連なって、何故か全員奢る雰囲気。
あの〜、ちょっと〜
「食べすぎじゃないでしょうか?」
『・・・・・・・・・・。』
「あの〜・・・。」
『・・・・・・・・・・・。』
全員無言のまま肉にがっついていく。
上カルビー
ロースー
ビビンバー
キムチー
ビールー
「ほどほどにしないと事務所に怒られるんじゃ」
「関係ねーよ!!!」
ウマイムマイムかよ・・・。
藤本さんが叫ぶとみんな爆笑。
お酒、ほとほどにしてください。
787 :
名無し娘。
:2004/09/18(土) 22:44
ふ、藤本さんお酒はまずいんじゃぁ、、。
788 :
てと
:2004/09/19(日) 18:41
仕事終わりの家路への途中、ある違和感をポケットの中に感じた。
軽い振動。僕は携帯を取り出したけど、それを開けなかった。
見覚えのないストラップ。同機種ながら色違い。
これってもしかして・・・。
携帯を開き、メールを見ずにメモリから”自分”を探す。
そして”自分”に電話をかけた。
「は〜い、せんぱいですか?」
やっぱり出てきたのは道重さん。何かの間違いで携帯が入れ替わったらしい。
でも同じ機種とはいえ色違いを間違えるとは・・・。(
>>710
)
「今から届けに行くよ。」
「え、いいですよもう遅いし、明日でいいです。」
意外な反応。僕も携帯を半日使えないと不便だし、すぐに切り返す。
「いや、不便でしょ。」
「でもそれじゃ入れ替えた意味が」
「え?」
小さくてよく聞こえなかったけど、なんか妙な言葉が聞こえたような・・・。
「いえ、なんでもないです!じゃあいまからきてください!」
妙に慌てる道重さんに、深くは追求できなかった。
789 :
てと
:2004/09/20(月) 21:17
パチン、パチン、パチン・・・
僕はよっすぃ〜と今度のオフの話をしていた。
「暇?」
「うん俺は暇。よっすぃ〜も暇なん?」
「暇暇暇すぎ。へこむくらいに暇。」
「アハハ、じゃあどっか行く?」
「サッカー見に行こうぜ〜。」
「おおいつ以来だろ。」
パチンッ
「痛!!」
『へ?』
横に目をやると愛ちゃんが痛そうに手を抑えていた。
どうやら深爪したようだ。
「愛ちゃん大丈夫?」
「は、はい・・・・。」
楽屋の端から亀井さんが「むぅ・・テクニシャンだ。」という声が聞こえたけど、
よく意味が分からなかった。
790 :
名無し娘。
:2004/09/21(火) 05:32
裏山氏杉!!!
791 :
てと
:2004/09/21(火) 22:49
固い筋肉を揉み解し、柔らかくする。
時には強く、時には優しく叩き、時には全体を揉む。
「あ〜・・・・。気持ちええわ。」
僕は中澤さんの肩回りをマッサージしていた。
自分と比べて硬いのは多分気のせいじゃないんだろう。
「中澤さん。」
「なんや?」
「こうやってると。」
「ん?」
「おばあさんと孫みたい。」
「なんやと!!」
突然立ち上がった中澤さんはその弾みで腰を痛そうに抑えた。
792 :
名無し娘。
:2004/09/22(水) 12:04
いつもおもしろいよ
793 :
てと
:2004/09/22(水) 20:54
「ねぇみんな!」
「嘘!やっちゃった〜!」
「お〜い。」
「うん・・・、マジで?!」
「ね〜え〜。」
「キャハハ!ないってそれはないって!!」
「・・・・・。」
「あ、この店美味しいの。」
「聞いてよ!!」
『・・・・いたの?』
「・・・グスン。」
「いやだって梨華ちゃんそうやって呼び止めたときって
大体たいしたことないんだよね。」
「ひどぉい!ひどいよよっすぃ〜!ていうかみんな!だから聞いて。」
ここまでやったのだからよほど大切なことなのだろう。
全員黙って石川さんの言葉を待つ。
少しためて、石川さんは口を開いた。
「美勇で」
「でさぁ〜。」
「ちょっとぉ!!!」
石川さんが本題に入るまでこの後3回ほど同じ様な事が反復される。
794 :
てと
:2004/09/22(水) 20:54
ようやく石川さんが最後まで言う事が出来た。その一言は、
「美勇伝買ってくれた?」
「・・・でぇ、さっきの話の続きだけどオレオレ詐欺が」
「ちょっとミキティ!さっきそんな話してなかったよ!!」
「え〜?梨華ちゃんキショい。んで〜。」
藤本さんはいつもに増して言動に破壊力があるのは多分気のせいじゃない。
それでも石川さんは無神経に質問を続ける。
しょうがないから僕はごまかしに入った。
「ねぇってばぁ!!」
「まあよかったよね、曲がまともで。」
「ありがと!」
極端だなぁ。すぐに嬉しそうな顔をする石川さん。
「つんくさんもたまにはやるね。」
795 :
てと
:2004/09/22(水) 20:55
ピクッ
「え?」
「(このばか!!!)」
ここで僕は耳打ちで衝撃の事実を知らされた。
あぁ、そうなんだ・・・。聞いたような気がするけど忘れてた。
時既に遅し。
石川さんは泣きそうな顔で僕の肩をぽかぽかと叩きだした。
「ごめん、ごめん。」
「心がこもってないよぉ〜!!」
石川さんの機嫌を直すのに半日かかった。
796 :
名無し娘。
:2004/09/23(木) 10:23
おもしろい !! 気楽に頑張ってね。
797 :
名無し娘。
:2004/09/23(木) 12:22
まあカップリングはそうだし
798 :
てと
:2004/09/24(金) 19:13
僕はスタジオをうろついていた。ある人を探して。
その人物を見つけると僕は早速話しかけた。
「ごっち〜ん。」
「なに〜?」
何か期待するような眼でこっちを向く。そりゃそうかもね。
「いやいやこのたびは。」
「どうも〜。」
「B’zの稲葉さんが40歳の誕生日を迎えまして。」
「そうですね〜ってそっち?!」
予想外の不意打ちに飛び跳ねて驚くごっちん。
僕は思わずそれを見て笑うと、
「嘘嘘冗談。はいプレゼント。」
「ありがと〜。」
僕に渡されたシルバーアクセを早速首にかけたごっちんはふにゃっと笑うと
次なるプレゼントを求めて歩き出した。
799 :
てと
:2004/09/25(土) 21:27
どうしても答えに迷って、躓いて、困って・・・。
ある事に悩んで一人、フジテレビ控室付近のビニール椅子に座っていると、
僕の前に立ち止まった人がいた。
顔をあげる。そこには優しい笑顔をした、安倍さんが立っていた。
「安倍さん・・・・。」
「どうしたべ?そんな顔して。なんかあるなら言ってみなさい。」
その声を聞いてなんだかほっとした僕は、その悩みを安倍さんに、小声で囁いた。
それを聞いた時の安倍さんの顔は、僕にとって生涯忘れられないものとなった。
一瞬ハッとして、でも慌ててやさしい表情を「造って」。
「う〜ん難しい問題だべ〜。安倍さん困っちゃいました!」
「本当に本気で悩んでるんですよ。」
「分かってます、なっちも悩んだもん。」
「・・・・本当ですか?」
その一言はあまりにも僕にとって意外で、思わず安倍さんの顔を見た。
でもその表情は相変わらず優しく造られたままで、真意を覗くことは許されない。
「悩んで悩んで悩みぬいた結果、答えは出るもんっしょ。」
誰にでも言えそうだけど、すごく暖かい一言。
今の僕に一番必要な答えだった。
「・・・そうですね、時間を考えて自分で考えてみます。」
800 :
名無し娘。
:2004/09/26(日) 02:57
まさか…
卒
801 :
てと
:2004/09/26(日) 21:28
「二人ゴトならぬ二人乗りだな。」
「くだらないのれす。」
「くだらなくて結構れす。」
コンビニに向けて自転車を走らせた途中、辻ちゃんに捕まった。
どうやら辻さんもコンビニに行きたかったらしく、二人乗りで
コンビニまで行く事になった。因みに自転車は局の駐車場の
隅の方に頼んで置かせてもらっているもの。
コンビニに到着して色々買い込み、そのためにつけているカゴに
どんどん入れていく。カゴいっぱいに詰め込まれた袋の中から
辻ちゃんはスナック菓子の袋を取り出すと、後ろに座った。
「交代しない?」
「こーいうのは男の人の仕事なのれす。」
「・・・はーい。」
自転車をゆっくりと走らせて駐車場につき、辻ちゃんに袋を渡して
自転車を降りると、パラパラと音がした。下を向くと、
スナック菓子の食べかすがたくさん落ちていた。
思わず辻ちゃんの顔を見る。
見られた辻ちゃんはてへっと笑うと、走っていってしまった。
802 :
てと
:2004/09/27(月) 21:27
「二人ノリ再び・・・。」
「え?なんやそれ。」
「いやなんでもないよ。」
コンビニに向けて自転車を走らせた途中、今日は加護ちゃんに捕まった。
二人でコンビニに行くのは別にいい。ただ、一点だけきつい事があった。
「いつの間に逆転したんだろうな〜。」
「え?なんか言うた?」
「いやなんでもないよ。」
まあ辻ちゃんもピーク過ぎたら縮小したから、そのうち、多分きっと。
803 :
てと
:2004/09/28(火) 21:45
お昼休みに入り、外に食べに行きたい人は外へと繰り出す時間。
バン!!!
けたたましい音を立て、楽屋のドアが開かれた。
中にいた全員、びっくりしてそっちに視線をやる。
田中さんがかなり焦った表情で、そこに立っていた。田中さんはキョロキョロ
辺りを見回した後、
ぐいっ
「一番近いっちゃ」というだけで僕を引っ張って楽屋の外を出た。
されるがままの僕。
「ちょ、どうしたの?」
「絵里とさゆが喧嘩しとるとです!」
「え?!」
「理由は全然分からないんですけど、とにかく来て下さい!」
804 :
てと
:2004/09/28(火) 21:45
僕達が現場に到着すると、すぐによく分からない”気”を感じた。
亀井さんと道重さんがすごく怖い顔でお互いを見やっている。
「絶対にひけないの。」
「こっちだって。」
二人の間にメラメラ燃える火が見えた気がした。
とりあえず事情を聞こうと近づくと、
「今日は味噌!!」
「しょうゆなの!」
「・・・・は?」
拍子抜けしてしまった。なんだそんなことか。安心してその場を去ろうとすると、
さっきとは別の場所に新しい”気”を感じる。恐る恐るそれを見ると、
「とんこつに決まってるっちゃーー!!!」
お昼休み中口論はやまず、結局この日は3人ともロケ弁を分けてもらっていた。
805 :
てと
:2004/09/29(水) 23:36
「今度は何ですか。」
「漢検。」
結構前に英検の問題集を持ってきてみんなで玉砕した後、
今度は漢検を取得したと自慢され再び問題集を買ってみた。
「・・・知らない方がいい世界ですね。」
小川さんはそう言って少しだけだらしなく笑う。
ここで本に気づいた愛ちゃんが近づいてくる。
それに気づいた5期の残り二人もすぐに集まった。
どうやらゴングは鳴ったらしい。
806 :
てと
:2004/09/29(水) 23:36
コロコロコロコロ・・・・
鉛筆が転がる音が聞こえる。この前は1つだったけど、今度は4つ。
全員最初っから諦めてるでしょ?
「やったー!!」
「あ〜惜しい〜!」
「おおまことすごーい!」
「2連続正解!」
「あのさ。」
対照的なリアクションをする4人に僕は冷めた口調で言った。
「選択肢以外もやろうよ?」
コロコロコロコロコロ・・・
僕の意見は見事に流され、しばらく数字の書かれた鉛筆がそこらじゅうを転がっていた。
807 :
名無し娘。
:2004/09/30(木) 01:00
確か5期には漢検2級の人がいたような
808 :
名無し娘。
:2004/09/30(木) 01:35
川o・-・)<…3級です……
809 :
名無し娘。
:2004/09/30(木) 08:33
>>807
オレオレ
810 :
てと
:2004/09/30(木) 21:32
今日の仕事が始まるまでの、ほんのささやかな談笑の時間。
僕はよっすぃ〜と石川さんと3人でバカな事を色々話していた。
「あはは!お前バカだろ!」
バシッ
「いてー!よっすぃ〜叩きすぎだから!」
「やっちゃえー!」
思えば加入当初、この円の中には後二人いたような気がする。
別に常にじゃないけど、固まって一緒に話すことがあった。
「マジで?!」
「梨華ちゃん無理するな。」
「嘘じゃないもん!」
最近じゃこの組み合わせも少し珍しくなってきて。
よっすぃ〜はしょっちゅう他の楽屋に遊びに行くし、
石川さんも昔ほどよっすぃ〜にべったりじゃなくなった。
でも最近少しだけ、前のような仲の良さが戻った気がする。
「ほらやったうそじゃん!」
「なんで〜?!」
「梨華ちゃん寒い。」
まるでそれは何かのカウントダウンのように。
永遠にそのときを保ったまま時を止めてしまうのは不可能だ。
こうなるのは自然な事なのかもしれない。
だからこの時間を、僕達は大切に胸に刻み付けていく。
「そろそろ行くよー。」
『はーい。』
大切に、大切に。
811 :
名無し娘。
:2004/10/01(金) 01:03
・゚・(ノД`)・゚・
812 :
名無し娘。
:2004/10/01(金) 06:22
てとに初めて泣かされたんで不貞寝します ・゜・(ノД`)・゜・
813 :
てと
:2004/10/01(金) 23:32
ガチャッ。
「ちーす。」
暇だったからごっちんの楽屋にお邪魔してみた。
中に入るとごっちんはちょうどここからは反対方向を向いていて、
椅子に座っていた。
近づいていくとどうやらその手には本が握られているようだ。
「おお、読書の秋?」
反応はない。よほど本に集中してるのかな?
更に近づいて、横の床に腰を下ろす。
なんの本を読んでいるのか覗き込むと、
「・・・。」
立ち上がると、ドアの方向へと歩き出す。
どうやらお邪魔をしてはいけないらしい。
「昼寝の秋・・・か。らしいな。」
814 :
てと
:2004/10/03(日) 22:26
「お・・・・・重い。」
「あ、これもお願いします♪」
亀井さんと一緒に買い物、基、荷物運び。
男という理由でよく色んなメンバーから誘われ、その度に荷物を持たされている。
飯田さんが言うにはメンバーと親交を深めるいい機会らしい。
加入当初、まだか細い僕をよく連れ回したのはもう忘れた。
「あ、これ可愛くないですか?」
「え?ああ、可愛いじゃん。」
「あ、でもこれもいいな〜・・・。」
亀井さんはバックを二つ、持ち上げてあれこれ考え出した。
どっちを買うのか決めかねているらしい。
「じゃあ〜・・・先輩決めてくださいっ!」
「え?!」
「どっちの方が可愛いですか?」
これもよくあるパターンで、こうなった時は必ずお決まりの台詞がある。
「どっちを選んでも、持つ本人が可愛いから大丈夫だよ。」
「それ・・・本気にしますよ?」
「え」
「嘘です♪じゃあこっちで。」
・・・また遊ばれた。威厳ないなぁ、僕。
亀井さんはニコニコしながらレジの方へと消えていき、帰って来たときには
袋を何故か3つも持ってきた。
815 :
てと
:2004/10/04(月) 18:39
『よっすぃと××』
吉澤:やけにうれしそうじゃない?
××:だってさ〜ずっと出してもらえなかったんだよ?
吉澤:ああそうだね。一人でしか出てなかったよね確か。
××:なんでもあんまし仲いいと誤解されるからってストップかかっちゃってさ。
吉澤:え〜それはない!誤解とか絶対しないから!
××:だよね?でもみんな出てるのに俺だけ出ないなんて凹むし。
吉澤:あはは、凹む凹む。
××:もう誰でもいいから出させてください!って頼みまくったら
『じゃあ吉澤ならボーイッシュで売っているから大丈夫だ。』
ってなって
吉澤:え、あたしの理由ってそんなんなの?
××:・・・・・いやいやいやいや!
吉澤:うわ〜、なんだよそれ〜。
××:まあさっきのは冗談だから。
吉澤:それっぽく聞こえないし。
××:見逃して。
吉澤:あとでジュースね
××:はーい。
816 :
名無し娘。
:2004/10/04(月) 21:35
いいねこれ。うまいね
817 :
てと
:2004/10/05(火) 17:26
吉澤:でもさぁ
××:うん?
吉澤:初め入ってこられた時は意味わかんなかったよ。
××:あはは。そうだろうな〜。いきなり男だもんな〜。
吉澤:うちら娘。っすよ?なんで息子だよ!いきなり連れて来たし
××:あはは、オーディションなかったもんね。
吉澤:ね!妹のバックでコーラスとかやっちゃってさあんた。
『あ、妹よりこっちのが可愛いやん』なんて言ったんだよつんくさん!
××:ちょっと!見てるからそれ言っちゃだめ!
吉澤:でもいくら可愛いからって男は入れないだろ〜!みんな戸惑ったんだよ?
××:ごめん。
吉澤:いや、顔が笑ってるから。
××:うっ。
吉澤:最初男の子入ってくるからってみんな見栄張っちゃってさ。
掃除し出したりして。
××:そういえば初日だけ楽屋きれいだったような。
吉澤:だけは要らないから。
××:ごめん。
吉澤:また笑ってる。
××:ぶっ。
818 :
てと
:2004/10/06(水) 20:41
××:でもこっちだって大変だったんだよ?
吉澤:うん。
××:好きだったモーニング娘。っていうグループの一員になってさ
吉澤:うん。
××:男なのに。
吉澤:うん。
××:楽屋入ったら憧れてた人とかが普通な顔しているんだよ?
吉澤:まあ、そうだねー。
××:よっすぃ〜なんかかなり顔作ってたけど。
吉澤:えぇ?!そんなことないって!
××:いやあるって!すげーすましてたもん!
吉澤:まあそりゃ男の子が入ってくるからすましたりするよ。
××:そうなのかな?でさ、どこ見てもどこ見ても誰かしらいるし、
なんか緊張しちゃうし。こっちが意味分かんない!みたいな。
吉澤:じゃあなんで入ったんだよ。
××:それ言われちゃおしまいでっせダンナ。
819 :
てと
:2004/10/07(木) 20:57
吉澤:最初大変だったよね。
××:うん。みんなにも沢山迷惑かけた。
吉澤:ソロパートとか最初ゼロだっけ?
××:だってファンの人と一緒に叫ぶわけにもいかないし。
吉澤:あはは、そりゃそうだ。
××:じゃんけんぴょーん!
吉澤:キモいから。
××:ごめん。
吉澤:ダンスもひどかったよね、マジこいつ才能ねぇって思った。
××:まあ今もひどいけどね。
吉澤:自分で言わない。
××:はい。
吉澤:歌ももっぱらコーラスだったよね。
××:うん、それで入ったよーなもんだし。
でも無理やり俺のソロを入れるのもどうなのかな、って悩んだ時もあったよ。
吉澤:悩んだといえば身長!
××:お互い様。
吉澤:まあね。あんたちっちゃかったな〜。可愛かった。
××:でっかくなったら卒業だとか言われて毎晩眠れぬ夜を過ごしましたよ。
吉澤:あはは、かわいいー。
××:うるさいな〜。
820 :
てと
:2004/10/08(金) 17:18
吉澤:これから大変だよね。
××:よっすぃ〜サブリーダーだもんな。
吉澤:ないようなもんだし。
××:副キャプテン。
吉澤:部活みたい。
××:俺達ある意味部活みたいなもんだからな
吉澤:だよね〜。
さくらおとめがクラス、新メンバーが新入生、
美貴ちゃんは転校生、あんたは忍び込んできた他校の生徒
××:なんか俺だけひどいな。でもうまい。
吉澤:あたしと矢口さんは留年生(笑
××:すみませんここまずそうなんでカットを
スタッフ:(笑)
吉澤:こんなに二人で話したのはじめてかもね。
××:そうだね。こんな長時間は二人で話さない。
吉澤:二人きりでどっか行くのだって稀だもん。
××:てかあったっけ?
吉澤:・・・・・ないかも。
××:あはは、まあ今度またどっか食べに行こうよ。
吉澤:ここ来る?
××:ここかい!
二人ゴト。『よっすぃと××』終わり
821 :
名無し娘。
:2004/10/09(土) 12:08
二人ゴト面白かったよ
メンバー情報のリークとか、いくらでも話を続けられそう
822 :
てと
:2004/10/09(土) 18:28
楽屋の前で二人ほど騒いでいる人がいた。
矢口さんと保田さんが色々話している。とりあえず、そのせいで通りにくい。
「う〜ん、それもなんか違うよ〜。」
「そうかな〜。じゃあ矢口もなんか意見出してよ。」
なんの話をしているのだろう。耳を傾けると、矢口さんが手を叩いて、
「スポーツの秋!」
「よし!」
二人がそんな意見で合致するとは思わなかった。
なんだか二人とも笑いながら楽屋に入った。多分ボールを取りに入ったのだろう。
なんとなく入りにくかったから、二人が出てくるまで待った。
でも暫く待っても出てこないから、しょうがなく僕はドアを開けた。
ガチャッ
『わ!!』
「うわ!!!」
いきなり驚かされて僕は後ろにこけてしまった。それを見てゲラゲラ笑う二人。
「ドッキリの秋〜♪」
「そ・・・。」
『そ?』
「そんな秋あるかー!!!」
「マジギレの秋〜♪」
そのあとの追いかけっこで、次の日保田さんだけ筋肉痛になったという。
823 :
てと
:2004/10/10(日) 20:50
「あ〜〜!!このために生きてるっちゅうか〜♪」
「もっと飲むべぇぇ〜!」
「わらしらってりーらーたいへんらったのよ〜!」
「あの〜・・・皆さん。」
なんていうか、置いていかないでください。
中澤さんと安倍さんと飯田さんのいわゆるオリメンの人達と帰り道
たまたま会って無理やり引っ張られて2時間。
まさかこんなに豹変されるとは思いもしなかった。
しかも僕は一応まだ未成年だから公共の場でお酒を飲むわけにもいかない。
トランスした3人に酒を飲まされかけては止め、飲まされかけては止め、
その繰り返しのループ。
「ほらほら〜たまにははめを外すもんだべ〜♪」
「いや、まずいです。」
「ええねんええねん心配せんで。」
「え?」
中澤さんの言う事がいまいち分からず、聞き返す。
でもすぐに聞き返した事を後悔した。
「どーせお前の年齢がいくつとか、知っとる一般人なんかおらんもん。」
その日の夜、分かっていながら枕を少し塗らしそうになった。
_| ̄|○
824 :
てと
:2004/10/11(月) 18:57
「あれ?ない!」
いきなり大声を上げたのは紺野さん。すごい形相で楽屋内をうろついている。
その体から発せられる殺気で誰も近寄れない。
まずいな、と感じた僕は勇気をもって話しかけた。
「ど・・どうしたの?」
「ケーキが無いんです!机の置いておいたのに!」
そりゃ、この部室でケーキなんか置きっぱなしにしてたら・・ねぇ?
紺野さんは少し黙り込んだ後、思いついたような表情で辺りを見回し、
「まこっちゃん、口にクリームついてる。」
「え?!そんなはずは」
「犯人!」
「あ!!」
紺野さん上手いな・・・。
でも小川さんも簡単に引っかかりすぎ。
825 :
てと
:2004/10/12(火) 21:17
「ホットマンいいよね〜。」
「ああ面白いですよね〜。」
矢口さんとドラマ談義。
各クール最初になるとみんなでこれがどーだとか色々話したりしている。
メンバーやハロプロの誰かが出たりすればとりあえず1話から見て色々話す。
「主題歌またEXILEですよね。」
「そーそー。Together良かった〜。」
「あれはいい曲ですよね。」
「よーし、おいらもEXILEみたいなユニットを新しく作るかー!」
「え?!」
「ダンスと歌の融合ってーかな?今ユニットないしー。」
「え、でもZY」
「何か言った?」
「いえ、何も言ってません。すみませんでした。」
826 :
てと
:2004/10/13(水) 18:30
ぴたっ。
さっきまで勢いよく走っていた鉛筆の音が消える。
そして間もなくして唸るような声が楽屋中を駆け巡る。
「どうしたの?」
たまらずに聞くと、道重さんは首をかしげて、
「ここなんですけど〜、分かりますか?」
「えっと・・・。」
道重さんが指差したのは数学の問題集の1ページ。
少し寒気がした。どうやら二次方程式のようで、記憶を必死に手繰り寄せる。
「えーーー、・・・ごめんわかんない。」
「えーーー!」
「どうしたんれすか?」
遊びに来てた辻ちゃんが覗き込んでくる。あの、無駄だと思うんだけど・・・。
「ああこれはここをこーして・・・・こうなのれす。」
『・・・・合ってる』
「じゃあね〜。」
帰っていく辻ちゃんの背中には「奇跡」の二文字が浮かんで見えた。
827 :
名無し娘。
:2004/10/14(木) 17:14
さすがののさん。数学は得意なんだよな
828 :
てと
:2004/10/14(木) 21:13
今日のスタジオ入りはかなり早朝で、そのせいで外も結構寒かった。
僕はそれなりに厚着をして家を出た。
電車を降りてスタジオまで歩く。その途中で愛ちゃんと会った。
「愛ちゃんおはよう・・・どうしたの?」
「極寒ですわ〜・・・。」
体をぶるぶると震わせて、でもこれと言った厚着をしていないためかなり寒そう。
でもそのリアクションは少しオーバーに感じられた。
「大袈裟だよ。」
「軽く暖房つけて寝たつもりが冷房で切りタイマー押し忘れました・・・。」
もう暖房って・・・。なんてことはどうでもよかった。
あまりに寒そうな顔をしている愛ちゃんを見殺しにするほど僕はひどい先輩じゃない。
着ていたコートを脱ぐと、愛ちゃんの肩にかけた。
「え、いや、いいですよ!!」
「俺そんな寒くな・・ハクシュンッ。」
「あはは、ほら〜。」
「ははは。」
なんだか笑っているうちに体がぽかぽかと暖まって、なんとかスタジオにたどり着けた。
829 :
てと
:2004/10/15(金) 22:58
疲れたとき、僕はいつも深呼吸をするようにしている。
深く息を吸って吐くと、なんとなくストレスが抜けていくような感覚がして気持ちがいい。
しかしこの日は、
「な〜にため息ついてんだべ?」
「え?」
「この曲聴いたらそんな気はなくなりますっ!」
「え?え?」
「まあとりあえず聞いてよ。」
後浦なつみの襲撃。その片手にはヘッドフォン。
無理やり僕の頭に押し付け、流す。
「ちょっ、やめ、別にため息じゃなく・・・・て。」
やっぱり改めて聞くとインパクトがある。3人の表情を見て、
「あ、そのなんかすみませんでした。」
830 :
てと
:2004/10/16(土) 20:17
すー、すー、と鉛筆で何かを描いているような音が聞こえてきた。
滑らかなその音の主を探ると、一人の画伯が目に入った。
「亀井さん。」
「はい。」
「絵描いてるの?」
「はい!」
話しながら、こっちと度々目を合わせつつも大体は紙を見ていた。
何を描いているのだろう。気になって覗き込もうとしたけど、
「・・・何?」
「これは絵里にだけ分かればいいんです!」
何故か笑顔で答える亀井さん。そのまま作業に戻った。
やっぱりちらちらと視線を感じたけど、気のせいかもしれない。
831 :
てと
:2004/10/17(日) 21:33
夕ご飯、小川さんと紺野さんは今日もガツガツと食べていく。
その量は他のみんなと比べて明らかに多くて、
僕よりも多いくらいだ。
「食べるねぇ。」
「源ですから!」
紺野さんはそう答えた。
「動力源です!」
小川さんはそう答えた。
「ガソリン入れすぎで膨張。」
「藤本さんそのツッコミえぐい!」
832 :
てと
:2004/10/18(月) 21:13
寒い風が道を吹き抜けてゆく。体の震えを感じた。
「寒ぅ〜・・・。」
手を擦り合わせてどうにか暖めようとするも、全然暖かくなる気配がない。
風は止まない。
身を震わせながらも手を擦り続ける僕を見て、安倍さんはしょうがないな、と笑顔を浮かべると、
「ちょっとあげるべ。」
安倍さんは僕に飲みかけのコーヒーを差し出した。
「え、いいんですか?」
「そんな寒がってる後輩を放っておけないっしょ。」
「じゃあありがたくいただきまーす。」
缶コーヒーを手に持つとそれだけで充分暖かかった。
安倍さんの優しさとぬくもりも詰まっている気がして嬉しかったけど、
「あ、でも間接キ」
サッ。
「あ!!」
「はいもう時間は終わりだべー。」
「まだ飲んでません!」
「ゴクゴクゴクゴク・・・・・ぷはー。」
「あー!!!」
一気飲みした安倍さんは少しだけむせると、少しだけ赤みの帯びた頬を隠すように
マフラーを巻き直した。
833 :
てと
:2004/10/19(火) 18:50
「(『CAROLS』だよきっと)」
よっすぃ〜が聞こえないくらいの声で囁く。
僕は首を傾げると答えた。
「(え〜、『Swallowtail butterfly』っぽいっすよ。)」
「(なんだっけそれ)」
「(愛の唄。YEN TOWN BUND。charaさんが歌ってた)」
「(あーあれか。)」
僕らが議論しているのは、石川さんが今MDを聴きながら歌ってる鼻歌。
普通に考えて最近の『CAROLS』が有力だけど、どうだろう。音が安定してなくて、
どっちとも近いし遠い。
「(あれ、転調した)」
「(こんな展開じゃないよね?)」
混乱してると、石川さんがいきなりこっちを向いた。
「浪漫!!」
『え?!』
ありえねぇ、僕もよっすぃ〜も固まったまましばらく動けなかった。
834 :
てと
:2004/10/20(水) 21:36
久しぶりのこの味、この感触。でも今は味わっている暇がない。
ただひたすら掻き込む、それだけ。
横のチャンピオンは圧倒的なスピードの持ち主だ。想像を絶する速さで、
あっと言う間に体の中へと消していく。
彼女の胃袋は宇宙なんだろうか。
考える暇があったら食べろ、脳が体に命令して、僕はまたスピードを上げた。
でもチャンピオンは強かった。
僕が残りあとわずかのというところで箸をおくと、爪楊枝を器用に使って
歯を掃除していた。
「はい、390円。さっさと出すのれす。」
「はい・・・。」
僕は辻ちゃんに指定された額のお金を渡すと、二人で松屋をあとにした。
835 :
名無し娘。
:2004/10/20(水) 22:20
辻ちゃんの口調があれだが……ワロタ
836 :
てと
:2004/10/21(木) 21:51
保田さんが鏡の前で色んな表情を造っている。
「お化け屋敷でも始めたんですか?」
「違うわよ!失礼ね!演技力向上のためにいろんな顔してんの。」
「へぇ〜。」
色々やってんだなぁ、と感心していると、
「やってみる?」
「じゃあせっかくなんで。」
メイク室、たくさん並ぶ鏡の前に座る。喜怒哀楽を順に表現するように、
色々な顔を・・。
「ぷっ。」
「笑わないでくださいよ。」
意外と難しいもんだ、特に喜と楽なんかあまり瞬間的には作りにくい。
台本があって、その流れに沿って感情移入はできてもこういうのはきついかもしれない。
メイク室にメンバーの一人が入ってきた。僕の横に座ると、鏡に映る僕を見た。
少し考えるようなそぶりを見せると、横で思い切り顔を潰した。
「ぶっ!」
「勝ったー!ってあれ?」
「石川!あんたなんなのよ!」
「なによなんなのよ!、ってじゃなくって、福笑いじゃないんですかぁ?」
『違うから!』
僕らは思わず石川さんを『怒』のトレーニング材料にした。
不覚にも石川さんに笑わされたからでは決してない。
837 :
てと
:2004/10/22(金) 21:39
仕事が終わりいざ帰ろう、という時に愛ちゃんに声をかけられた。
帰りの電車も途中まで同じだから一緒に帰ろうということなのだろう。
でも愛ちゃんの様子はいつもと違っていた。
「あの、その〜・・・。」
「?」
何か言おうとしているんだけど、言えない。そんな感じがすごく伝わってきた。
電車の中でもいつまでもそんな様子で、もじもじしていたから、
「どうかしたの?」
「え?!あの〜、ちょっと〜、・・・・すごく言いにくいんですけど。」
「何?言ってみてよ。」
「う〜んと・・・・これ見て何か気づきません?」
高橋さんは足の間に置いてあった鞄をドンと膝の上に乗せた。かなり大きい。
僕の勘が悪いのか、それが意味するものが分からなかった。
838 :
てと
:2004/10/22(金) 21:39
「先日の、台風23号で・・・上の部屋の人が窓開けっ放しでどっか旅行行ってたみたいで
部屋に水が大量に入り込んでうちの部屋の天上から水がいっぱい垂れてきて
復旧作業中で住めないんで泊めてください! 」
一度口が動き出すと早い。僕は高橋さんの言葉を全て理解するのに少しだけ時間がかかった。
「・・・・うちに?」
「はい。だって一人暮らしなのに部屋多いじゃないですか。」
「まあ・・そうだけどさ。」
他のメンバーと比べて僕の部屋は大きい。人一人寝るための場所は充分すぎるほどあるけど・・・。
「ホテルは?」
「お父さんとお母さんはホテルです。ただし福井の」
「いやそうじゃなくて・・・」
「長くなるとお金たくさんかかるやないですか。」
「・・・分かった。いいよ。おいで」
「やったー!」
なんか何言っても無駄そうな気がした。色々と問題があると思うけど・・・。
まあ数日間だけだし、ね?
839 :
名無し娘。
:2004/10/22(金) 23:38
友達のとこに泊まりなさい
840 :
名無し娘。
:2004/10/22(金) 23:46
つづけ!
841 :
てと
:2004/10/23(土) 18:39
「か、帰ろうか。」
「はいっ!」
慣れない。当たり前だけど慣れない。
昨晩はベッドを明け渡して僕は隣の部屋に布団を敷いて寝たけどどうも落ち着かなかった。
普段寝ない所で、ってのもあるし、久しぶりに・・・ってのもある。
仕事に行きやすい距離、充分なスペース、僕の家は確かに止まるにはもってこいなんだろうけど、
色々問題があるような気がする。
帰り道、すぐに背後に気配を感じた。後ろを振り返るとそこにいたのは他の5期メン。
「なんでいるの?」
「愛ちゃんが広いって言ったから。」
「あ・・・そう。」
それは否定しない。確かに広めだ。
842 :
てと
:2004/10/23(土) 18:39
「一人暮らしなのに部屋多いですよね〜。」
口を開けてぽかんとする小川さん。キョロキョロ部屋中を舐める様に見ては
移動を繰り返している。
「2LDK・・・確かに多いですね。」
「愛ちゃんは先輩の部屋使ってるんですか〜。」
「片方の部屋はギターとか置いてあるんだよ。」
僕の説明に3人は興奮して、今の僕の寝どこへ。
『おお!』
自分で買ったもの、頂き物など、たくさんのギターを前に3人は目を丸くした。
「これが初めて買ったやつ、これが始めての給料で買ったやつ、
これがつんくさんにもらったやつ・・・・・。」
「なんか弾いてくださいよ!」
「え?」
843 :
てと
:2004/10/23(土) 18:39
新垣さんにいきなり不意打ちを食らった。
「何を?」
「えっと〜・・・君はぁ〜もう♪忘れたかしら〜♪」
「やだよ。」
『うわ!』
突然の地震で全員バランスを崩す。愛ちゃんはボーっとしてたのか転んでしまったみたいで、
僕は近寄ると手を差し伸べた。
「すみません・・・。」
「帰れって言ってるみたいだよ、地球が。」
『えー!』
「危ないから帰れません!」
「帰っちゃだめって言ってるんですよ!」
「ていうかいっそ泊めて下さい!」
『え?!』
結局負けてこの日は泊めることになった。愛ちゃんの服を借りたりで無理やりやりくり。
・・・俺の寝場所は?
844 :
てと
:2004/10/24(日) 17:54
オフの日の晩御飯。基本的に作ったりコンビニで済ませたり、だけど流石に
コンビニで済ますのもまずそうだ。
「何作ろうかな。」
冷蔵庫を漁っていると、部屋から出てきた愛ちゃんと目が合う。
「あ、あたしが作ります!」
「大丈夫?」
「最近練習してるんで!」
「じゃあお願いしちゃおうかな。何がどこに入ってるか分からなかったら言ってね」
「はい!」
愛ちゃんはいそいそとキッチンへと向かっていき、僕は入れ違いで外へと出る。
ついでにその時エプロンを渡す。
これぞ愛のエプ・・・寒いな。
「熱っ!」
お湯が少し触れたのか、指をくわえている。大丈夫かな・・・。
845 :
てと
:2004/10/24(日) 17:54
出された料理はこの季節に嬉しいクリームシチュー。
それにサラダが横に顔を並べていた。見た目は大丈夫。さてお味は・・・。
パクッ。
「どうですか?」
愛ちゃんは大きな目でじーっと僕の顔を見つめている。
僕はスプーンで使えない右手の代わりに左手でOKサインを作った。
「・・よかった〜。」
「意外と美味しい。」
「意外は余計ですよ。」
口の中が空になった所でコメントをすると、愛ちゃんは不満そうに顔を膨らませた。
846 :
てと
:2004/10/25(月) 20:30
「お風呂どうぞ。」
「はいっ!」
愛ちゃんに先に風呂に入ってもらい、僕は食器を片付けた。
今日まで3日、同居してるけどどうやら感づかれてはいないらしい。
小川さんと紺野さんに突っ込まれた時は焦ったけど・・・。
「♪」
風呂場のほうから気持ちのいい鼻唄が聞こえてくる。
・・・言う必要もないか。
3日目だけどまだ布団に慣れきらない。色々慣れない事が重なってあんまり
しっかりと睡眠が取れている気がしなかった。今日も寝付けそうにない。
ごそごそと布団を這い出ると、1本のアコギを拾い上げる。
眠れない夜は眠らない夢を。僕は静かに旋律を奏でた。すると、
―――ひとりぼっちで少し退屈な夜♪
壁越しに聴こえる、小さな歌声。少し驚いたけど、僕はそのまま弾き続けた。
―――私だけが淋しいの?Ah Ah♪
二人きりの静かなセッションは、夜の間ずっと響いた。
847 :
てと
:2004/10/26(火) 18:36
「あ〜美味かった。」
「ホント。」
よっすぃ〜と晩御飯をいっしょに食べた。二人ゴトでのちょっとした会話が、
まさか本当に実現するとは思わなかった。僕達はこの間収録のあったお店で
おなかいっぱい食べると、帰り道も楽しく話しながら歩いた。
「で、今度さくらの曲が」
「あ!!!」
「どしたの急に。」
さくら、と言われて僕はとんでもない事を思い出した。まずい。
「え、もしかして。」
「そのもしかして!!」
848 :
てと
:2004/10/26(火) 18:36
慌てて駆け出す。全速力で家まで。
家の前に着くと、そこには誰もいなかった。
「・・・あれ?」
鍵穴に鍵を差し込んで開ける。しかし扉は開かなかった。
「?」
もう1回。ガチャッ。確かに鍵が開く音がした。でもドアノブに手をかけた瞬間、
ガチャッ、という音が聞こえた。・・・・・。
ピンポーン♪
『はい。』
「ごめんなさい、申し訳ございませんでした。』
『・・・今開けます。』
どうやら管理人さんに妹だと偽って開けてもらったらしい。
でも何も知らずに帰ってきて誰もいなかったから愛ちゃんはかなりご立腹。
結局この日はひたすら誤り倒した。
849 :
名無し娘。
:2004/10/27(水) 01:25
誤り倒してますな。
850 :
てと
:2004/10/27(水) 18:05
愛ちゃんの家のマンションが復旧した。
報告が入ったの時にはもう夕食を作っている最中だったから、とりあえず今日までは
うちに泊まるということで話がまとまった。明日のオフに、愛ちゃんは家に帰る。
『いただきます』
家で誰かとご飯を食べるのは久しぶりだったけど、今日で終わり。
なんかまた寂しくなるな、なんて思いながら僕はカレーを口に運んでいた。
ふと愛ちゃんを見ると美味しそうにカレーを食べていてくれて、なんだか嬉しかった。
食事が終わったあと食器を洗い、一段落着いた所で僕達はソファの上でくつろいだ。
どうでもいい話なんてしながら、リラックスして。そしてある時会話が一瞬、途切れる。
愛ちゃんはまるでその沈黙を待っていたみたいに僕を見た。
「あの。」
「何?」
「先輩のベッド、どう考えても1人用やないと思うんでけども。」
遂に気づかれた。いや、遂にではないと思う。きっとずっと気になっていたけど、
敢えて言わなかったんだろう。
僕は思わず溜息を着きそうになって、なんとか飲み込んだ。冷静に、話そう。全部。
851 :
てと
:2004/10/27(水) 18:06
「昔ね。・・・住んでたんだよ、彼女と。」
「え・・。」
「今はもう別れたけどね。あのベッドはずっと、捨てられなくて。」
あのベッドだけじゃない。捨てても忘れられないのは分かっているから、元カノの
匂いがするものを僕は捨てる事ができずにいた。未だに、僕の家の中で眠っている。
愛ちゃんは少しだけ震えながら、ゆっくりとした口調で言った。
「それって・・・メンバーの誰かですか?」
「ううん、違うよ。それはない。」
その言葉を弾みに、ふと頭の中に過去の出来事がよぎる。僕はなんて弱い人間なんだろう。
回想は僕の涙腺を刺激するには、充分過ぎるものだった。
僕は顔を落すと、左手の掌で顔を覆った。
「・・・・先輩失格だな・・・・後輩の前で・・・涙なんか流しちゃって・・・。」
「そんなことないですよ。」
突然右手にぬくもりを感じた。びっくりして歪んだ視界の中右手に視線を移すと、
愛ちゃんの両手に優しく包み込まれた右手がそこにはあった。
少しの間、忘れていた感触。愛ちゃんはもう1度僕を見た。
「ごめんなさい・・・あたしは思いださせた。だから・・せめて・・・・
でも・・あたしに出来るのはこれが精一杯です。 」
「・・・・ありがとう。」
次の日早朝、朝ご飯を食べた後愛ちゃんは笑顔で出て行った。
僕は少し腫れて一重になった目を撫でながら、ゆっくりと手を振った。
852 :
名無し娘。
:2004/10/28(木) 12:00
僕のキャラが立ってきていい感じ
853 :
名無し娘。
:2004/10/28(木) 19:40
んで、結局高橋とは、やったの?やらなかったの?
854 :
てと
:2004/10/28(木) 21:37
「よかったぁ〜・・・。」
小川さんがそっと胸を撫で下ろすと、少しの雑談の後電話を切った。
一息つき、少しするとまた電話をかける。その繰り返し。
一通り電話を終えたのか、小川さんは携帯をしまうとぽかんと口を開けて畳の上に転がった。
「あ・・・・。」
「?なんですか?」
「いや、なんでもない。」
「?変なの。」
言おうと思った言葉を飲み込んだ。
何を言わなくてもみんな想っている。小川さんもそれを知っていると思ったから。
僕の顔を見て小川さんは少しボーっと考えると、口元が緩んだ。
「ありがとうございまーす。」
ほら、メンバー同士は見えないけど暖かい何かで繋がっている。
855 :
てと
:2004/10/29(金) 21:52
『続いては――』
ゲストの紹介が行われ、テンションの大して上がらないトークが繰り広げられる中、
フレームを外れた場所で僕は矢口さんと雑談をしていた。
「紺野さん頑張りましたね。」
「緊張してたけどな。よくやったよー。」
『それでは曲のほうに――』
パチパチパチ・・・・。
拍手が聞こえて、慌てて拍手をする。
「あとはファンのみんなの前で」
『矢口はどうなの?』
「え、あ、はい!」
「ぶっ。」
急に振られた矢口さんは慌ててマイクを取って、横の僕は思わず笑ってしまった。
「笑わないでよー。」
矢口さんはそう言って笑いながら、タモリさんに精一杯応対をした。
856 :
てと
:2004/10/30(土) 18:16
「こんなのどうですかぁー?」
「いやいや、先輩はこっちが似合うっちゃ。」
「こっちの方が絶対可愛いの。」
3人はそんな事を言いながら、そこら中の商品を持ってきては僕の体に重ね合わせてくる。
ホント、なんでこんなもん売ってんのかな〜?
「いやいいから、自分で選ぶよ。」
「えー、絵里が選ぶんです!」
「れいなが!」
「やっぱりこれが一番可愛いの。」
3人とも「私が私が」と競うように明日のための“ブツ”を選び続ける。
どれもこれも奇天烈なものばかりでいやになるけど、変なら変なほどウケるのも事実。
あとはいかに年甲斐性もなく変なものを選べるか、だけど・・・。
「これにする。」
『えーー!』
明日、みんなの反応はいかに。
857 :
名無し娘。
:2004/10/31(日) 12:09
ハロウィンか。
娘たちの仮装パーティー見たいなあ。
858 :
てと
:2004/10/31(日) 19:03
「よし行きましょうか。」
くじ引きでハロウィン部長となった小川さんを先頭に、怪しい服に身を包んだ軍団は
静かに楽屋を出た。ただ単に色んな格好をして仮装パーティーをするのもよかったけど、
今回は楽屋に押しかけてアメリカと同じ様なスタイルで決行することになった。
『中澤裕子様』と書かれた楽屋の前に立つ。
「行きますよ。」
小川さんの声を合図にドアを開けると、突入した。
『trick or treat!!』
部屋に飛び込むも、誰もいない。みんな呆気にとられて楽屋中を見回した。
「作戦変更!中に隠れて戻ってくるのを待ちます!」
その声を聞くと同時に、一人場違いにピンクのフリフリを着た石川さんが(本人曰くシンデレラ)
衣装ダンスを開けると、
859 :
てと
:2004/10/31(日) 19:03
「おらぁぁ!!!」
『キャーーー!!!』
飛び出してきたノーメイクで骸骨衣装の中澤さんと、吸血鬼の保田さん。
逆にドッキリをされた僕らは思わず大声を開けて逃げ出した。
一番ドアに近かった猫耳肉球の田中さんが真っ先にドアを開ける。しかし、
「わっ!!」
「あ!後藤さんそれすごく可愛いです!」
「え?!」
予想外のリアクションに戸惑う声。
真っ黒い悪魔の格好をしたごっちんがそこには立っていた。
横にいるのは顔が隠れて誰だかよく分からないけどスクリームの仮面をつけている。
そして一人遅れて現れた。
『ジェイソン!!』
一人姿が見られなかったと思ったらこんなところに。長身のジェイソン。
迫力のあまり何人か僕にしがみ付き、でもすぐにびっくりして左右に散る。
『ボブサップ!!』
もう誰が誰だか分からない。大騒ぎになった楽屋。
全員ワケも分からず喚き散していると、
ガチャッ
「あんたたち、何やってるの!!!!」
「うわぁぁぁ!!!!」
顔面にパックをつけて真っ白になっていたマネージャーが、
『第一回ハロウィン仮装大賞』となった。
860 :
てと
:2004/11/01(月) 20:49
「たな・・・か!!」
「よっ!亀井!!」
「ほっ!」
繰り広げられる激しい戦い。でも負ける気はない。よっすぃ〜は確かに強敵だけど、
負けられない。
「いい・・・だ!!」
「おっと!ダニエル!!」
決まった、そう確信した瞬間、
「ルル!!」
「ル〜?!えっと・・・えっと・・・・・あ。」
つま先の本当に先と激突したボールはよっすぃ〜の方へと飛んだ。
よっすぃ〜はそれを華麗にインサイドでさばくと、キャッチした。
「おごりね。」
「負けたー!!よーし、次のお題はサッカー選手だ!!」
「これ以上やったらおごりの本数越えるよ?」
「・・・すみません。」
861 :
てと
:2004/11/02(火) 18:38
楽屋でギターの練習をしていると、飯田さんが近づいてきた。
今楽屋は二人だけ。飯田さんは優しげな笑顔で僕に手を伸ばした。
「貸して。」
「どうぞ。」
慎重にギターを渡すと、飯田さんは肩にかけてゆっくりと弦を弾き始めた。
しばらくして口ずさみ始めたのは聞き覚えのある曲。でも英語だった。
「・・・カーペンターズですか。」
「うん、最近覚えたんだ。」
「I'm on the top of the world looking♪でしたっけ。」
「ん、そんなところ。」
軽やかかつ爽やかなストロークの飯田さんのギターは、聴いていてなんだか癒された。
862 :
てと
:2004/11/03(水) 17:38
難しい顔をした大人のあなたは、とても深刻な表情で。
まるで、人生において重大な局面を迎えているかのように、悩んで。
それでも誰にも話さずに抱え込んで。
僕は話しかける以外に選択肢はなかった。
あなたは僕が差し伸べた手に対しても難しそうな顔をしましたね。
その顔は本当に辛そうで、見ている僕も辛くて。
でも遂に、あなたは口を開いた。
とても言いにくそうに、でもはっきりと。
「今晩赤ワインと白ワインどっちがええかな?」
バタンッ!!
「あ!なんで行くん!待って!待って!!」
姐さん、僕はもう疲れました。
863 :
名無しちゃんいい子なのにね
:2004/11/04(木) 02:10
>>861
|◇´)つ<「卒業」のほうやろ?
864 :
てと
:2004/11/04(木) 18:32
「う〜ん・・・。」
不意に聞こえてきた声の方向を騒がしい楽屋の中必死に探す。
声の正体は紺野さんだった。肩を片手で抑え、首を回したりして少しだけ
辛そうな顔をしている。
「どうしたの?」
「なんか肩が凝っちゃって・・・。」
紺野さんの手をどけて肩をもんでみる。
かなりガチガチに硬くなっていてびっくりした。
「あ、いいですよ先輩!そんなわざわざ。」
「センターで色々大変だろ。陰で踊ってる先輩に任せなさい。」
「もう。」
観念して抵抗をやめた紺野さん。
こんなカチンコチンになってるのを知ったのに見過ごすなんてできない。
僕はゆっくりとマッサージを開始した。
肩をゆっくりと揉み解し、首へと移行していく。
「ホント、すみません。」
紺野さんは終止謝りっ放しだった。
マッサージ中ずっと、
後ろで何故か亀井さんが腕立て伏せをしまくっていたけど、その意図はよく分からなかった。
865 :
名無し娘。
:2004/11/04(木) 23:34
腕立て伏せワラタ
866 :
名無し娘。
:2004/11/05(金) 12:46
亀ワラタ
867 :
てと
:2004/11/05(金) 20:38
すー、すー。
静かな寝息が静かな楽屋を流れるように渡っていく。
年末に向けて少しずつ忙しさが増す中、みんな疲れが溜まっているみたいだ。
寝息の根源を探そうと一人一人を見ていくと、すぐに誰のものだか分かった。
僕は彼女にゆっくりと近づくと、壁にもたれ掛かって僅かな休み時間の浅い眠りを
楽しんでいるその姿を見て、少しだけ悪戯をしたくなった。
「(いくつになってもこれだから・・・。)」
自分の事ながらちょっとだけおかしくなる。僕はちょいちょいっと悪戯をすると、
何食わぬ顔で元いた場所に戻った。
新垣さんが前髪の変化にものすごくテンパっていたのはその数分後の事だ。
868 :
名無し娘。
:2004/11/06(土) 12:19
イイネー
869 :
てと
:2004/11/06(土) 22:41
本番前。いつものように手鏡を持って、道重さんが自分の顔を見ていた。
いつもならこの後「うんっ!今日もかわいい!」って言って石川さんが対抗して・・・
でも今日はいつもと様子が違った。
「うん?」
ガクッ、とその場で道重さんの声を聞いた全員がこけそうになる。
「どうしたーしげさん、今日は可愛くないのか?」
矢口さんが問いかける。道重さんはすごい悩んだ顔をして、
「いや可愛いのは確かなんですけど、ちょっと今日目が2ミリほど腫れてるみたいで・・・。」
『2ミリ?!』
「いや分かんないから。」
呆れながらもツッコミをしっかり入れる藤本さんも藤本さんだ。
870 :
名無し娘。
:2004/11/07(日) 01:45
顔の2mmは結構影響出るよー
871 :
てと
:2004/11/07(日) 21:34
楽屋でメールを打っていたら楽屋に残っているのはいつの間にか僕一人になっていた。
携帯をしまってバックを取り、いざ帰ろうとしたとき、
ガシッ
壁から姿を現した手に足をつかまれた。
「うわ?!」
よく見るとそれは幽霊とかじゃなくて、
「どーもーエリザベスきゃめいでーす。」
「・・・亀井さん、どうしたの、道重さんと帰ったのかと思った。」
「ちょっとこっちに来てみる気はありませんか?」
隙間から紙を一枚、亀井さんは取り出した。そこには何故か『入部届』
「・・・・何部?」
「隙間部。」
「・・・・お疲れ様ー。」
「あ!!先輩待ってください!!隙間部員部員番号3番になってください!」
「2番いるの?!」
じゃれ合っているうちに気がつくと時計は7時を告げていた。
872 :
MONIX
◆h6RjqrC4Ko
:2004/11/08(月) 03:00
久しぶりにこのスレ覗いたけど、てとさん
相変わらず高クオリティでがんばってますなぁ〜
これからもこの調子でがんがってください!
873 :
てと
:2004/11/08(月) 21:28
ルーレットが当たりを告げると、ジュースがもう一本、出口から顔を出した。
「お、・・・でもそんな飲みたくないなぁ。」
2本のジュースを手にスタジオに入ると、ばったりごっちんに会った。
「あ、ごっちん。おはよー。」
「おはよー。どうしたのそのジュース。」
「ああ、これ。当たりだって。・・・そうだ、あげるよこれ。」
「え、いいの?サンキュー。」
ごっちんの手に渡すと、ごっちんはニコニコ顔で微笑んだ。すぐに開けて飲もうとすると、
「あれ、開かない。」
「貸してみ。」
874 :
てと
:2004/11/08(月) 21:29
プシュッ。
気持ちのいい音とともに、少しだけジュースの香りが鼻にかかった。
「ありがとー。あ、そうだ。お金借りてたよね・・・。」
ごっちんは財布から1000円取り出すと、渡してくれた。
「じゃ、またね。」
「うんまたね。」
お互いに手を振るとそれぞれレッスン場へと歩き出す。でもその時、
不意にこそこそと内緒話をしている6期3人が視線に飛び込んできた。
ちょうど進行方向の先だからそのまま歩いていくと、妙な単語が聞こえてきた。
「絶対ヒモ!!」
「いいやパシリだっちゃ!」
「だって缶わざわざ開けてたの。」
あの〜、みなさん?
875 :
てと
:2004/11/09(火) 21:05
「あなたは誰と見ますか?・・・って美貴達だもんね。」
「あたしはたんと先輩で満足なの!」
「どうだか。」
アレグリア2を松浦さんと藤本さんのコンビに誘われて3人で観にいく事になった。
それにしてもサーカスって、何度見ても人間業とは思えない。
ただただ舌を巻くばかりだ。
「しょうがないじゃないですか。観に来たら面白おかしく書かれるに決まってますもん。」
松浦さんはそう言って藤本さんにギュッとくっつく。藤本さんも別にいつものこと、
といった表情で普通にしていた。
「でもさ。」
「なんですか?」
「俺要らなくない?」
「いいじゃん、余ったんだから。おお!!」
『え?・・おお!』
藤本さんが歓声を上げると、僕と松浦さんは1テンポ遅れて驚いた。
876 :
名無し娘。
:2004/11/10(水) 11:09
楽しそうだなあ
877 :
てと
:2004/11/10(水) 23:16
夜、仕事も終わりベッドの上で特に何をするわけでもなくごろごろと時間を過ごしていると、
段々と眠くなってきた。目を閉じて寝入りそうになった所で携帯の着信音が僕を
現実へと連れ戻す。
メール着信。石川さんからだった。
「・・・・?」
明らかにおかしい。メール内容は僕に送ったとは考えづらいものだった。
『あの、今度もしよかったら一緒にお食事に行きませんか?』
ありえない。敬語だし・・・でも、
「あ。」
今度は電話。また石川さんからだった。
『ごめん今のメール削除して永久に忘れて』
「誰に送るつもりだったのかな〜?」
『消して!!』
「リライトしてー♪」
『ちょっとぉ!お願いだからぁ!』
「分かってます。・・・がんばってね。」
『はーい、って余計なお世話よ!』
ピッ。
878 :
名無し娘。
:2004/11/11(木) 15:50
誰に送ったんだぁあああ
879 :
てと
:2004/11/11(木) 21:07
楽屋の畳の部分で仰向けで寝転がっている田中さんの横を、細い糸が通った。
田中さんはじーーっとそれを睨むような目で見た。少しずつ進んでいく糸。
田中さんは何を思ったか、手を出してそれに触れてみた。
まだ姿勢は寝たまま。一度手に触れると手を離し、今度はじゃれるように手を動かす。
一気に遠くへと跳ねる糸。
その時田中さんの目が光る。
体を返し、すごい勢いで糸に飛びついて転がって見せた。
糸を捕まえた田中さんはすごく満足そうな顔。
糸から手を離した亀井さんは、満面の笑みで言った。
「れいな可愛い〜。」
「はっ!絵里!遊んだっちゃね!」
立ち上がる田中さん。亀井さんはさっと逃げると、田中さんは獲物を追うような目で
走り出した。
880 :
てと
:2004/11/12(金) 21:03
保田さんがノートパソコンをカタカタといじっている。
耳にはヘッドフォンが装着されていて、指を動かしながらあーでもないこーでもないと
試行錯誤していた。
「何やってるんですか?」
「作曲。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「何よ。その長い沈黙。」
「・・・遂に自給自足かぁ。」
「違うわよ!!!」
保田さんはいきなりキレると僕の頭を画面の前まで引っ張る。
画面上にはよく分からないけど長さの様々な黒い棒と赤い棒、青い棒が階段状に並んでいる。
よく分からないけどどうやら音符を表しているらしい。
「趣味。遊びみたいなもんよ。あんたもやったら?」
「・・・作曲か〜。」
「ギターも弾けるんだからやったら楽しいと思うけど。」
「う〜ん、考えておきます。あとつんくさんに頼みますよ。」
「何を?」
「保田さんに曲を」
「余計なお世話よ!」
その日の保田さんのツッコミは藤本さんより疾かった。
881 :
てと
:2004/11/13(土) 18:45
朝、家を出るとその寒さに少しだけびっくりした。
いきなりこんなに冷え込むとは夢にも思わなかった。あんまり厚着で来なかったから、
少し苦痛だった。
電車の中は暖かくてよかったけど、降りると再びその寒さに身体が縮こまった。
でもそんな僕とは対照的に平気そうな顔をして歩いてる娘がいた。
「藤本さん、丈夫だね。」
「北海道はこんなもんじゃないし。寒いの?」
「・・・情けないけど。」
「それでも男かよ。」
「『娘。』ですから。」
「娘でも男だから!」
ビシッと突っ込まれたり、ボケたり。笑っているうちに身体が大分暖まって、
楽屋に着いた頃にはもうぽかぽかだった。
882 :
名無し娘。
:2004/11/14(日) 00:07
美貴帝最強伝説
883 :
てと
:2004/11/14(日) 22:41
矢口さんがさっきからバタバタと楽屋中を走り回っている。
その顔には余裕の色が全くない。走るたびにパーカーのフードが大きく揺れる。
「ない!ない!携帯どこ?!」
誰かに電話してもらえばいいのに、みんな多分同じ事を考えてるけど誰も言わない。
その慌てっぷりがなんだか可愛いからか、それとも見ていて面白いからか。
特にそれをニヤニヤと見ていたのは遊びに来ていた辻ちゃんと加護ちゃんだった。
「お前らか!」
焦った矢口さんはすぐに二人を疑う。
『違うよー!』
見事なユニゾン。矢口さんは諦めて走り出す。
大きなフードの中ではブツが左右に揺れていた。
884 :
名無し娘。
:2004/11/15(月) 12:27
イイヨイイヨー
885 :
てと
:2004/11/15(月) 20:51
「あ、安倍さんおはようございます。」
「おはようございます!」
テレビ局の廊下で安倍さんとバッタリ会った。相変わらず元気そうな顔で、
この人も寒いのは平気なんだろうか、なんて考えた。
折角会ったしお互い時間に余裕があったから廊下の端の椅子に腰掛けて色々話した。
会うなら収録でいくらでも会えるし、この後一緒に収録だけど、なんとなくそう言う時間も欲しかったし。
「最近寒いですね。」
「体調管理しっかりしないとダメだよ。」
「はい、身体が資本、ですよね?」
僕がそう言うと安倍さんは満足そうに笑顔を見せる。
キッズの子が横を通りかかる。
「はっくしゅん!」
「あ・・・。」
「あはは。」
思わず二人で笑ってしまった。なんていうか、微笑ましい。
適当に話した後お互いに背を向けて歩き出す。
その時後ろから咳をする声が聞こえたけど、聞かなかったことにした。
886 :
てと
:2004/11/16(火) 23:34
スポーツフェスティバルの翌日、吉澤さんが楽屋で蹲っていた。
「あ゛〜・・・誰か助けて〜・・・。」
はしゃぎ過ぎて筋肉痛。グッタリしていてもう動けない、って感じだった。
吉澤さんは鞄の中からごそごそとブツを取り出すと、足をひょいとズボンから出して
塗り始めた。
すぐに匂いが楽屋内を漂う。
道重さんがそれに耐えかねてか、言い放った。
「バンテリンは親父くさいですよ。」
「なぬ?!」
うろたえる吉澤さん。
・・・ごめんなさい、僕も昨日塗りだくりました。
887 :
てと
:2004/11/17(水) 21:23
紺野さんとPK対決。ハンデで僕は3m後ろからシュート。
勝負は接戦。2対2で僕の最後のターン。
僕は後攻だからこれを決めれば勝ちとなる。
「決めるよ。」
「防ぎます。」
緊張の一瞬。周りの音が何も聞こえなくなったかのような錯覚を覚える。
外したら延長か・・・。絶対に決めなきゃ。
僕は軽い助走をつけるとボールへと足を導いた。
「こらぁぁ!!!スタジオで何やってんの!!」
『うわぁ!!!』
いきなりの不意打ちに僕らは二人で逃げ出した。
「引き分けですね。」
しっかりボールを持ったまま走っている紺野さんは嬉しそうに笑った。
888 :
名無し娘。
:2004/11/17(水) 23:08
o・∀・)←この口で笑ってそうだな。
889 :
てと
:2004/11/18(木) 20:45
ある日の仕事終わり、僕はみんなと一緒に帰らずに一人事務所へと向かった。
建物に入ったはいいものの、足取りは重い。
久々の呼び出しだけどその理由はもう分かっている。だからこそ精神的にきつかった。
「(そりゃいつかは来るけどさ・・・。)」
決断に迫られてから2ヶ月弱。一日たりともそれについて忘れた事はなかった。
ゆっくりと歩いたのにすぐに部屋の前に着いてしまった。
僕は息を吐いて気合を入れると、ノックした。
コンコン
「失礼します。」
ガチャッ。
890 :
てと
:2004/11/18(木) 20:45
ゆっくりとドアを開けると、そこには予想通りつんくさんの姿があった。
足と手を組んで、くるりと回転する椅子を僕の正面へと回した。
「ここに呼ばれたっちゅうことは・・・分かっとるわな?」
「・・・・はい。」
「どや?決まったか?」
「・・・・まだ。」
「ん〜・・・。」
つんくさんは眉を上に上げて首を傾げると、椅子を1回転、意味もなく回した。
僕はなんだかその顔を見ていると自分の優柔不断さに腹が立ってしまった。
「ま、ええわ。」
すっと、右手の人差し指を立たせる。
「1ヶ月。これ以上は待てん。」
「・・・はい。」
ゆっくりと部屋を出る。
・・・・もう時間がないらしい。
891 :
名無し娘。
:2004/11/19(金) 00:29
卒業?
892 :
てと
:2004/11/19(金) 18:14
珍しく今度オフをまとめて2日もらえることになった。久しぶりの休みにみんなおおはしゃぎ。
僕は特に予定もないから家でゆっくりしてようかな、そう考えていたら、
亀井さんに話しかけられた。
「先輩。今度のオフ暇ですか?」
「うん暇だよ。」
「じゃあ、旅行行きませんか?」
「うん・・・・ってえ゛?!」
声が上ずる。でも亀井さんはそんな事気づきもせずに話を続ける。
「さゆとれいなと行くんで、修学旅行の引率の先生みたいな感じに♪」
「あ、なんだ。」
思い切り慌てた自分がバカみたいだ。
ゆっくりしようと思ってたけど、なんだか楽しそうだったから、
「いいよ。」
「やった!いいって!」
「先輩大好きです!」
「大袈裟だな〜。」
「実はまだ決まっちょらんのです。」
「何が?」
『全部』
「・・・・・。」
「せんぱい」
『よろしくお願いしまーす』
なんだ、この当たり屋にでもあったような感覚は。
僕はその日の帰り、旅行代理店に立ち寄って適当にパンフを何枚か拝借して帰った。
893 :
てと
:2004/11/20(土) 20:53
マイナス1日目。
僕は事前に行く準備をしてくるように3人に伝えた。
楽屋に着くと3人とも旅行用の鞄を持っていて楽屋で話題になっている。
当然のように僕も聞かれた。
「あれ、どっか旅行行くの?」
「え、う」
「せんぱいはさゆ達と一緒です!」
『え?!』
過剰な反応を見せたみなさん。
僕は速攻で飯田さんに掴まれると、楽屋の反対側まで引きずられた。
「あんた、何考えてんの。」
「いや、あの引率を頼まれたんで付き添いを・・・。」
「何もしない?」
「当たり前じゃないすか!!」
何を言い出すのかと思えば。一体飯田さんは僕を何だと・・・。
894 :
てと
:2004/11/20(土) 20:53
「後輩っすよ?!手出すなんて」
「先輩後輩とか、週刊誌はそんな事どうでもいいのよ。」
「っ。」
「あんた浮いた話全然出ないでしょ?この間高橋が家いたってばれなかったのは
マークが少なかったから。でも旅行になってしかも3人いたら違う。
どうする?他の芸能人に相手にされないから後輩の誰かの気を引こうとしてる、
なんて書かれたら。」
「ムカつきますね。」
「でしょ?」
飯田さんは真剣な顔つきで、強い目で僕を見た。
「だから、気をつけていってらっしゃい。」
「・・・・え?」
意外だった。てっきり行くな、とかそう言うことを言われるのと思っていたから、
飯田さんのこの一言の意図を読み取れなかった。
「今更中止にしても3人が可愛そうでしょ。」
「・・・飯田さん。」
「ホントはあたしがいってあげてもよかったけどさ、忙しいのよね。」
飯田さんは顔をみんなのほうに向けながら、そんな事を小言で言った。
895 :
名無し娘。
:2004/11/20(土) 23:00
飯田さーん!!(涙)
896 :
名無し募集中。。。
:2004/11/21(日) 18:55
いい!けど飯田はこういうことはいわないだろうなあ・・・
897 :
てと
:2004/11/21(日) 20:46
オフの2日間を最大限に利用したい。
僕はそう思って前日の新幹線を取って向こうに着いてまず一晩泊まることにした。
チケットを3人に渡して乗り込む。
「用意万端だなぁ。」
引きずるバックがゴロゴロ音を立てて歩く。
3人は笑顔を隠すように帽子を深く被っている。鞄のほかにもショルダーバックを
持っていたりして、準備万端なのが伺えた。
新幹線に乗り込む。
3席と1席を取ったから3人をまとめて座らせて僕はゆっくりしようと思ってたら、
「せんぱい、グッパー!」
「え、3人で座りなよ。」
「こういう事があったほうが面白いんです!」
亀井さんに引きずられて参加させられる。そして結果、
「亀井さん、やっぱ代わる?」
「・・・いいです。」
言いだしっぺはハブられる、典型の展開。
不機嫌そうな亀井さんを見ていると、なんか色々波乱があるかも、
そんな気がした。
898 :
てと
:2004/11/21(日) 20:51
僕は真ん中に座っていた。
行き先は大阪。
1時間半くらいの移動だけど、疲れていたのか、僕の端の二人はうとうとし始めた。
嫌な予感がする。
予感は的中し、両サイドから頭が僕の肩を襲う。
ずっしりとした重量感と、良い香り。なんともリアクションしずらい状況だった。
「亀井さん。」
「はい?」
「助けて。」
「・・・ごゆっくり〜。」
後ろの亀井さんは拗ねているのか助けてくれない。
この体勢は大阪到着まで続いた。
道重さんと田中さんはすっきりした顔をして修学旅行の夜のようなテンション。
それとは対照的な僕に、亀井さんは笑顔で言った。
「先輩大丈夫ですか?疲れてますけど。」
「・・・まあね。」
899 :
名無し募集中。。。
:2004/11/22(月) 11:51
どきどき
これ終わったらソロなのかな?
900 :
てと
:2004/11/22(月) 19:00
マイナス1日目の夜。梅田駅内のホテルに僕達4人は素早くチェックインを済ませた。
もうそれなりに遅い。今日はもう寝るだけだ。
部屋は当たり前だけど3人と1人分け。でも3人からはブーイングの嵐。
「しょうがないでしょうが。先生を困らせないように。」
『はーい。』
部屋は隣になったから寝る前までは遊ぶことになった。
適当に遊ぶと、日付がいつの間にか変わっていた。
「明日それなりに早く出るからそろそろ寝ようか。」
「よーし、誰が夜這いに行くかじゃんけんだ!」
「やめい。」
「あー、今亀井とやめいかけましたよね絶対!石川さんですよ〜!」
「亀井さん、テンションおかしくない?」
なんとか宥めて部屋で寝ると、この日は夜這いが来る事はなくてホッとした。
901 :
てと
:2004/11/23(火) 21:34
1日目。
朝ごはんを適当に済ませると、僕達は今回の目玉とも言える場所へ。
6期はHEY!×3で行った時まだいなかったから、もしかしたら初めての子もいるかもしれない。
「先輩れいなジョーズ乗りたい。」
「えーやっぱE.Tだよ〜!」
「バックトゥーザフューチャー!!これは引けない!」
やっぱり3人だと収拾がつかない。ちょっとだけ飯田さんの偉大さを感じつつ、
よく考えたらあの人そんなまとめられてないじゃん、って気づいた。
「ユニバーサルエクスプレスブックレット使うから順番に行こうか。」
ユニバーサルエクスプレスブックレットはその名の通りほとんど並ばずに乗れるチケット。
収録の時は並ぶ事なんかなかったけどこうやって普通の客として来ているだけに、
こういうのを使って上手く日程をこなさなければならない。
当たり前なんだけど、なんか違和感を感じた。
「よし、さゆ、勝負だ。」
「負けないの。」
「じゃ〜んけ〜ん。」
『ぽん!』
僕らが買った種類は4種類のアトラクションをすぐに乗れる。でもE.Tとバックトゥーザフューチャーは
被ってしまい、どっちかにしか使えなかった。
結果、亀井さん勝利。E.Tは並ぶ事になった。
902 :
てと
:2004/11/23(火) 21:38
先に二つ乗れるのを乗ってしまい、E.Tに乗るため並ぶ事に。
さっきまですいすいと乗れていたのが嘘みたいに混みまくる。
長時間並んでいても3人は話題が尽きない。ずっと話続けていてこっちが驚いてしまった。
「こういうのは並ぶんが一番楽しかったりするんです。」
なるほど、田中さんの言葉には説得力を感じた。
1時間かけてE.Tを乗り、シュレッグの3Dやらジュラシックパークライドやら、
最後にスパイダーマンに乗って帰ると、そのまま夕食へ。
「どこ行く?」
『お好み焼き!』
「おお。」
打ち合わせしたかのように、さっきとは反対に考えが一致。
あらかじめ調べておいた(というか中澤さん御用達の)美味しいお好み焼き屋さんに行った。
903 :
てと
:2004/11/23(火) 21:44
お店にはいって適当にお品書きをなぞる。中澤さんに薦められたものを頼むと、
目の前の鉄板でお好み焼きを焼き始めた。この間の実演販売を何故か思い出した。
「おお!」
美技。当たり前だけど僕にはあんな風に焼けない。
ヘラでキレイに四等分されたお好み焼きをお皿に乗せる。えっと確かモダン焼きだっけ。
中にソバが入った種類の奴ですごく美味しかった。
「美味しい〜。」
「せやろ。」
『え?!』
横に座ってた金髪の女の人が帽子を取る。なんで店の中で帽子をかぶってたのかと思いきや、
中澤さんだった。
「うちも呼べや〜。」
「ストーカーですか?」
「なんやと亀井こら!」
「怒ったー!」
意外な人物の登場もあってか、お好み焼きもより一層美味しく感じられた。
904 :
名無し募集中。。。
:2004/11/24(水) 03:09
いい感じ!
905 :
名無し娘。
:2004/11/24(水) 09:37
修学旅行ってことは・・・
906 :
てと
:2004/11/24(水) 17:11
1日目夜。
トランプやらUNOやら人生ゲームやら、どこから持って来たんだってくらいに3人は
それぞれの鞄から取り出してみせた。
「どれやんの?」
『――――!!』
「じゃんけんね。」
意見がバラバラだったのでジャンケンで順番を決め、人生ゲーム→トランプ→UNOの順に。
「うちも入れて〜なぁ〜。」
「じゃあ中澤さんには銀行という非常に重要な役職に就いてもらいます。」
「任せい!」
道重さんに乗せられて銀行役を買って出た中澤さん。その風景はなんかちょっと悲しい。
中澤さんは偶然(かどうかは定かではない)にも同じホテルで、明日は朝一で帰るらしいから
人生ゲームが終わると帰っていった。
「先輩孤独な一生終えてますね。」
「そういう亀井さん離婚しすぎ。」
「えー、子ども産みまくるれーなよりマシですよ!」
「れいなはさゆよりマシたい。多額の生命保険賭けて死亡事故枠狙って当てたっちゃ。」
「勝つための手段に過ぎないの。」
怖・・・。
907 :
てと
:2004/11/24(水) 17:23
「じゃあもう寝るぞー。」
『えー』
「先生を困らせないで下さい」
『はーい』
なんだかんだノリがいい3人を残して僕は部屋へと戻った。
今日はちょっと振りのチェックをしたかったから、CDを流して何回か練習する。
男故のソロパートの少なさはダンスでカバーしないと。1回くらいセンターにならないかなぁ、
なんて思ったこともあったけどそれじゃ「娘。」じゃないよな、と思って考えるのをやめた。
「・・・・・。」
そのことを思い出すと、自然とつんくさんから受けた宣告を思い出した。
あと1ヶ月。でも僕にある選択肢は2つではない、1つだ。分かっているけど、離れたくない。
不安もあるかもしれない。依存してしまっているのかもしれない。
でも・・・いつまでもここに居ついていいはずもない。いつかは巣立たなきゃいけないんだ。
まるでピーターパンのような気分がした。
ピンポーン
「はい。」
本当に夜這い来た・・・。誰だろう?確率高いのは亀井さんか道重さんだよな・・・。
ガチャッ
908 :
てと
:2004/11/24(水) 17:24
「・・田中さん?」
「先輩・・・。」
その表情はすごく誘うような魅力的なものだったけど、鬼のTシャツで相殺されている。
「・・・絶対じゃんけんに負けてきたろ。」
「そぎゃんことなか!!・・・先輩。」
身を寄せてくる田中さん。絶対罠だ。・・・・・乗ってあげるか。
僕は田中さんの細い身体に腕を回すと、そっと抱きしめた。
田中さんの体がビクッと震える。
髪の毛をそっと撫でながら、ふとドアの方に目を移すと、ドアに挟まりかかったレンズがそこにはあった。
そしてもうちょっと高い位置からかざされた携帯(おそらく証明)
亀井さんはさっと顔を出すとニヤニヤしていた。
「不潔です!!」
「そう来たか!!でも今時不潔ですは使わないよ。」
田中さんをそっと離すと、何故かへなへなと地面に崩れ落ちてしまった。
顔が微妙に赤い。
「帰ると!」
「え?れいな?」
「いいから!」
なんかいきなり半ギレになった田中さん。二人を引っ張って出て行ってしまった。
「・・・・?」
よく分かんないけど、嵐は去った。
909 :
名無し募集中。。。
:2004/11/24(水) 17:44
すごくいい感じ!!!!!!
910 :
名無し娘。
:2004/11/24(水) 21:42
先生余裕あるなあ
911 :
名無し娘。
:2004/11/25(木) 02:11
1ヶ月って記者会見で卒業発表すらしてもらえないのか・・・
912 :
名無し募集中。。。
:2004/11/25(木) 02:25
れいあn
913 :
てと
:2004/11/25(木) 20:55
2日目朝。起床を告げに部屋のチャイムを鳴らすと、あ゛ーい、と眠たそうな返事が聞こえてきた。
間もなくしてドアが開く。
ガチャッ
「―はよーございます・・・。」
眠たそうな目をこすりながら田中さんが顔を見せた。
「他の二人は?」
「絵里もさひゅは寝てます・・・。」
「起こしますか。」
僕は部屋の中へとは入っていくと、ベッドの中で熟睡している二人の前に立った。
田中さんは道重さんの方に行ってくれたから、亀井さんを起こす。
「亀井さん、朝だよ。」
「・・・・・・・・。」
肩をそっと揺する。目を瞑ったまま横向きに寝ている亀井さんの髪がそのたびに僅かに揺れた。
「亀井さんっ。」
「・・・・絵里は白雪姫です〜・・・。」
むにゃむにゃ、とワザとらしく呟きながら、亀井さんの口元は緩やかな曲線を描いていた。
914 :
名無し募集中。。。
:2004/11/26(金) 16:01
ムフー
915 :
てと
:2004/11/26(金) 18:51
2日目。
とりあえず3人とも目を覚ましたみたいだったから、僕は聞いた。
「どこに行きたい?」
実は2日目の予定は完全な白紙、3人の行きたい所に連れて行こうと考えていた。
何も意見がなければ適当にその場で作ろう、そう思って言ったら、3人の意見はここでも合わない。
「絵里たこ焼き食べたいです!」
「場所お願い。」
「異人館村なんか素敵じゃないですか?!」
「それ神戸だよ。」
「れいな鴬張りのとこ行きたいです!」
「京都です。」
『せんぱいワガママ!!』
なんで?!僕?僕なのか?
いきなりワガママ呼ばわりされて困ってしまったけど、とりあえずここを仕切らなきゃいけない。
「たこ焼きは食べれるとして、異人館村と鴬張りはどっちかしかいけないよ。」
回ること自体は不可能ではないけど、明日の仕事は朝早い。
なるべく早く家に帰してあげる事が先輩としての務めというもの。
道重さんと田中さんは気合の入った顔で拳を握っていた。どうやらじゃんけんをするらしい。
『じゃんけんぴょん!!』
916 :
てと
:2004/11/26(金) 18:58
ピヨピヨピヨピヨ。
「すごーい!!」
意外と道重さんが一番はしゃいでたりするから、世の中分からない。逆に田中さんは期待しすぎてたらしい。
ちょっと不満そうだった。
「あんま鶯っぽくないと。」
「まあまあ。」
道重さんと亀井さんは他人の迷惑も顧みずに走り回っている。ばれたら問題だぞ、これ。
不意に、一羽の雀が廊下に降り立った。ちゅんちゅん、と鳴きながら歩いている。
田中さんはそれを見ると、目つきが変わった。慎重に、少しずつ近づく。
そっと一歩一歩歩き、
ピヨピヨピヨ
しかし田中さんの足が奏でた鶯の鳴き声は雀を逃がすには充分だったみたいだ。
田中さんは飛び去ろうとする雀ににゃぁ、とじゃれたけど届かなかった。
917 :
てと
:2004/11/26(金) 19:08
昼までに大阪に戻ると、そこでたこ焼きと明石焼きで有名なお店に入った。
実はツアー中何度かよっすぃとかと間抜けて来たことのある店だったりする。
初めて来たときはごっちんもいたな、なんて軽く感慨に耽る。すると、
「あ!!」
「頂きまーす♪」
お箸で持ち上げられたたこ焼きは、あっと言う間に亀井さんの道重さんの中へと納まってしまった。
「あー絵里も絵里も」
「れいなも」
「ちょっと待てぃ!!ええい曲者がー!」
意味不明なノリに3人は喜んでいる。そして喜びながらたこ焼きを次々と自分の陣地?へ。
「あ〜・・・・。」
既にたこ焼きは半分にまで減らされていた。まだほとんど食べていないのに。
3人は満足そうな顔で僕に笑いかけた。・・・ま、こんなのもありか。
帰りの電車も3・1で、今度こそ僕が1に座った。
出発してから10分ほどしてトイレに行くために席を立つと、3人とも帽子を深くかぶったまま
眠りに落ちていた。口元しか見えないけれど、安らかなその寝顔を見ると、何故か少しだけ、安心した。
「・・・お疲れ。」
僕は口を僅かに動かすと、トイレへと歩き出した。
きっとあの声は、3人の耳には届いてないだろうけど。それでいい、そう思った。
918 :
名無し募集中。。。
:2004/11/26(金) 19:54
おお!いいねぇ
919 :
名無し娘。
:2004/11/27(土) 05:05
朝一の電車で大阪行ってくる!
920 :
てと
:2004/11/27(土) 20:35
小川さんが口を半開きにしてぼーーっとしている。その具合は以上で、なんだか眠そう。
意識がどこか別の世界に飛んでいってしまっているみたいだった。
遊びに来た辻ちゃんがそれを狙っている。
その目はまるでどこかの国のスナイパー。
一定の距離感を保ったままに、慎重に、慎重に、何度も練習をしている。
そして覚悟を決めたのか。辻ちゃんの腕から、それは放たれた。
ボンッ!!
小川さんの目の前で鋭い角度で跳ねたスーパーボールは、見事に小川さんの口の中に突き刺さった。
「ほご!おごご!!」
それに気づいた小川さんは口を閉じてしまった。変な声を出してもがいている。
口の中からボールを出すと、ニコニコ笑っている辻ちゃんに、今まで見たことのないような笑顔を見せた。
「のんつぁん!!」
「怒ったー!!!」
なんだか二人とも、すごく楽しそうだった。
921 :
てと
:2004/11/28(日) 21:13
中澤さんと飲みにいった。
旅行から帰ってきてまだ間もないし、そこで中澤さんと会ったからなんか変な感じがする。
「ついこの間行ったばっかっすよね?」
「ええやんたまには。ほら、飲み。」
グラスにお酒を注がれて、仕方なしに口に運ぶ。
一応まだ未成年だけど、中澤さんはあんまり気にしていない。
確かにみんな飲んでるし、うちかて飲みまくりやったわぁ、っていう中澤さんの言い分も分かるけど。
中澤さんのグラスにも御酒を注ぐと、中澤さんはそれをくいっと、飲み干した。
「あ〜。・・・お前この間の旅行、なんやあれ。」
「まあ修学旅行みたいなもんですよ。」
「修学旅行・・・か。」
どこを見ているのか、よく分からないような顔をしている。
グラスを軽く揺らすと、中にのお酒は少しだけずれたテンポで揺れ、そのたびに光が少し乱反射する。
「そや・・・。一つ質問してええ?」
「質問。」
「心理テストみたいなもんや。」
「・・・いいですよ。」
中澤さんの意図がよく読めなかったけど、別に断る理由なんて無い。
922 :
てと
:2004/11/28(日) 21:21
「道が―――あるとするやん?」
中澤さんは手を空中で広げて道を作ってみせた。
その目こそ据わっているけど、まだ全く酔ってないように思えた。
「そこをバスが走っとる。乗ってのはお前らや。」
「はぁ。」
「そこで!」
ばーん、と手刀で空中を切裂く。中澤さんはじっと僕の目を見た。
「道の幅が減った。バスが通るには狭い。いや、通れなくも無いんやけど、乗用車が走るのがちょうどええ。」
「・・・・。」
「そこに乗用車が一台、ある。みんなお前に乗れ、言うた。」
中澤さんはそこでグラスに手を取ると、くいっと残りのお酒を全て飲み干した。
大きな音を立ててグラスをテーブルに置いた。
「お前ならどうする?」
「・・・・・・・。」
正直、返答に困った。今自分が置かれている状況を、置き換えたような図。
中澤さんは分かって言っているのか、いないのか。おそらく前者だろう。
「決断の時は、すぐそこまで来とるで。」
「・・・分かってます。分かってますけど」
「悩むのは分かるねん。でも・・男なら決めろや。」
中澤さんはコートを片手で強引に椅子から持ち上げ、学生鞄を持つ男子校生のようなポーズで構えた。
そしてこっちを見て1回、頷くと、店から出て行った。
・・・男なら決めろや、か。
923 :
名無し娘。
:2004/11/29(月) 21:01
空き時間に、お昼ご飯を探しにそのとき空いてた新垣さんに誘われてコンビニへと足を運んだ。
たまにはお弁当以外のものも食べたいな、と思って色々さがすけど、結局パンか
おにぎりか、ラーメンかあれこれ迷っているうちに弁当で妥協してしまう。
今日もいつものように弁当を拾い上げるとレジに運んだ。
先にお弁当を買ってお店の外で待っていると、少し遅れて新垣さんが、ちょっと嬉しそうに出てきた。
「どうしたの嬉しそうだけど。」
「あ、分かります〜?これこれ。」
新垣さんはコンビニのビニール袋からそれを取り出して見せると、再び笑顔を見せた。
「ホッカイロー!」
「ドラえもんみたい。」
「あはは。暖かいですよ〜。もうこれがないといけない季節になっちゃったんだから
1年って早いですよね〜。」
「ホント。もう年末だもんね。」
「紅白まであと1ヶ月ちょっとですよ!」
「あ・・・そうだね。」
「?」
動揺を露骨に出してしまったような気がして、顔を背けてしまった。
振り返ると新垣さんは僕のことを心配そうな顔をして見ていた。
「どうか・・・しました?」
「いや、なんでもないよ。俺もホッカイロ欲しいな〜。」
「あ〜ダメですよ、これは私のですから!残念!」
「石川さんにだけはならないようにね。」
冬の風は、頭を冷やすにはちょうどいいみたいだ。
924 :
てと
:2004/11/30(火) 18:50
飯田さんのアトリエに連れていってもらった。
なんでもつい最近絵を描いたみたいで、とりあえず誰でもいいから見せたかったらしい。
僕はフラフラっと付いていって絵を見ると、その巧さに唸ってしまった。
「すっげー・・・・。」
どこだかよく分からないけれど、並木道の紅葉を美しく描いていた。
赤、オレンジ、黄色が混ざり合い、一つの木を作り上げる。もう散ってしまった葉でさえ
綺麗に一つ一つ丁寧に描かれていた。
「大好きな場所。」
「・・・・・・・・・・・お〜。」
「あんたが交信してどーすんの。」
「あ、すんません。でもこれ・・・。」
僕は一つだけ疑問があって、質問した。
「なんでここに矢口さんがいるんですか?」
「ああ、ちっちゃいから。」
「え゛」
飯田さんがなんで矢口さんを選んだのか、結局よく分からなかった。
925 :
てと
:2004/12/01(水) 21:10
突然僕らの前に襲い掛かった現実は、驚くほど大きなもので。
気が動転して一瞬どうすればいいのか、分からなかった。
中澤さんの表情が痛々しい。
その声はあまりに辛い。でも不幸中の幸いか、今は前を向くしか選択肢がなかった。
いつも見慣れているモニターも、見たくなんかなかった。
深く頭を下げる。
今日の昼、ここで頭を下げていたもう1人のメンバーのことを想って。
僕達が出来ることなんて、頭を下げることと、歌うことくらいしかない。
だから、今は全力で歌おう。
ただただ、ひたむきに。
だから、今は全力で歌おう。
全てを忘れて。
926 :
てと
:2004/12/02(木) 21:23
午後になって冷え込んできた。テレビ局の外に少し居ただけで身体が大分冷えてしまった。
冷え切った身体を温めるため、僕は局内の自販機にジュースを買いにいった。
お金を入れて、コーヒーを買う。
横の椅子に座ろうとすると、ごっちんが缶を持った姿勢を保ったまま壁に寄りかかって寝ていた。
隣に腰を下ろしてじーっと見つめてみたけど、起きる様子なし。
僕はコーヒーをそっとごっちんの顔の前に翳すと、そっとほっぺにそれをくっつけた。
「ふぃっ!・・・ん〜・・あったかいや。」
驚いて変な声を出したけど、うっすらと目を開けたごっちんは微笑んでくれた。
でもこっちを向くとすぐに、
「おりゃ」
「うあ!」
冷たい缶を思い切り押し付けられて思わず声を出してしまった。
ごっちんは満足そうに笑った。
「お返しお返し。」
927 :
てと
:2004/12/03(金) 18:16
携帯をポケットの中にしまうと、視線の先には愛ちゃんと新垣さんがいた。
新垣さんはコンビニ袋から肉まんをとりだすと頬張っている。
二人で雑談をしながらおやつタイムといったところだろうか。
愛ちゃんはあんまんを持っていたらしく、ちぎって新垣さんに渡した。
新垣さんはそれをおいしそうに食べると、お返しに肉まんをちぎる。
はい、と愛ちゃんの前に出した瞬間、
どこからか現れた紺野さんがパクッ、と食べてしまった。
びっくりする二人。
もう一回、とちぎって渡すと、
今度は小川さんが顔を出してきて一口でイン。
も〜、と言いながら笑う二人。小川さんと紺野さんは満足顔。
楽屋は今日も平和だ。
928 :
名無し娘。
:2004/12/03(金) 21:35
イイヨイイヨー
929 :
てと
:2004/12/04(土) 23:13
「ドラマ見たよー。」
石川さんは何の前触れもなく突然僕にそう言った。
びっくりして何を言っているのかよく分からなかったけど、すぐに思いだす。ああ、最近出たあれか。
最近僕はドラマに出演させて頂いてそれが昨日オンエアーされたらしい。
石川さんは何を言うのだろう、そう思っていたら口から飛び出した一言はいただけないものだった。
「相変わらずヘタだね。」
「?!」
「もっとこう、なんていうのかなぁ、迫力が足りないんだよね。オーラ?」
カチンと来て思わず僕は禁じてに即手を出してしまった。
「・・・ハイカラさんに言われたくない。」
「!ちょっと、昔のことを持ち出さないでよ!」
「いや進歩ないし」
「何〜?!」
年甲斐性もなく追いかけっこ。
85年組はなんだかんだまだまだ子どもだよな、自分でも思った。
「ハイカラさんが通りま〜す♪」
「も〜う!」
930 :
てと
:2004/12/05(日) 23:58
今日の楽屋はチャンピオンずシップで大盛り上がり。
楽屋は比較的マリノスを応援する人が多かった。
矢口さんなんかは「真里サポだよ?真里サポ」って自分の名前を主張していた。
よっすぃ〜は「サントストゥーリオかっけー!絶対日本人じゃないのに日本人かっけー!」
なんて久々にかっけーを連発。やけに活き活きしていた。
試合は0−0のままハーフタイム。そこで収録の時間が来てしまった。
「一発で決めるよ!」
みんな一致団結したときは強い。本当に一発で撮りを決めてしまった。
でもだからといって後半開始に間に合うわけではなくて、みんな大急ぎで楽屋に戻った。
楽屋の扉を開けると、付けっ放しだったテレビから大歓声。
マリノスが1点を先制していた。二つの感情がぶつかり合う楽屋。
僕は「ウィーアーレッズ!」ってよっすぃ〜と連発してただけに凹んだ。
試合はマリノスが勝ったけど、レッズサポーターの「ウィーアーレッズ!」が止まらない。
でも楽屋の中では矢口さんが止まらなかった。
「勝った勝った勝ったー!!」
「うっさいうっさいうっさい!矢口さんうっさい!!」
試合は終わっても、レッズコールが終わっても、楽屋は納まりそうにない。
931 :
てと
:2004/12/06(月) 20:22
藤本さんと原宿で適当にふらついていると、サッカーの練習場みたいな場所を見つけた。
サッカーをしている大学生をじーっと見ていると、藤本さんはいなくなっていた。
アレ、と思って行方を捜すと、背中に何かを当てられた。
振り返ると、藤本さんが跳ね返ってきたボールをキャッチして弾ませていた。
右手で上手くボールをコントロールしてバウンドさせて、足の間を通して左手に移す。
何回かボールを弄ぶと、そこでキャッチした。
「どう?ワンオーワン。」
「・・・どっから持って来たの?」
「落ちてた。」
「・・・やろっか。」
「よーしやろー!かかってきなさい!」
932 :
てと
:2004/12/06(月) 20:31
ダンッ、ダンッ、ダンッ、ダンッ、ダンッ・・・。
腰を低く保ったままに、ボールは地面と掌を往復運動する。
左か、右か?
「ホントさー。」
「ん?」
すっと左方向に風を切る感覚。
あ、と口から出た言葉は白い息だけを残して、藤本さんを掠めた。
「美貴が入ってから、結構経つよね。」
ふわっと浮き上がるように地面を蹴ると、手首を軽く返すように動かして
ボールを押し出す。
黒い放物線を描いたボールは、ボードに当たることなくネットを捉えた。
「4点リードー。」
球を両手に持って地面に弾ませながら、笑顔で僕の方を振り向く。
僕に向かってボールを強く前へと突き出すと、ボールは一直線に僕の胸に届いた。
鋭いチェストパスを放った藤本さんは、強い目をして言った。
「まだ、諦めてないから。あんたには負けないよ?」
すっと右手の人差し指を掲げると、
「もう1本。さあ、来い。次で決めるよ。」
勝てないな、藤本さんには。
933 :
てと
:2004/12/07(火) 19:07
誰かが買ってきたのか、飴玉の袋が机の上に置かれていた。
みんなそれを取ったりして適当に食べている。段々と少なくなる飴。
僕が食べようと思ったときにはもうほとんど飴は入っていなくて、
いも味という興味を惹かれるのがラス1だった。
試しに食べてみよう。
手を伸ばしてそれを取ろうとすると、誰かの手とぶつかった。
手を辿って顔までつくと、紺野さんだった。
目が合う。
紺野さんは悲しそうな顔をしながら手を引く。
なんだかものすごい罪悪感に駆られて僕はそれを持ち上げると、紺野さんに差し出した。
代わりにりんご味の飴を取って食べてみせると、紺野さんはすごく嬉しそうな顔をした。
でも、芋味ってなんだったんだろう。
すげー気になる・・・。
934 :
てと
:2004/12/08(水) 18:17
矢口さんがさっきから大騒ぎ。
何してんだろう?と思ったら携帯を手に怒ったり喜んだりしていた。
なんだいつものことか、と思ったけど、いつも僕は気になっていた。
何を見てるんだ?
悪口サイト、なんて言ってるのは聞いたことあるし、いつ聞いてもそうとしか答えない。
個人的に自分も何を言われているのか、興味があったし、今日は勇気を持って覗き込んでみた。
「みんなよー。」
矢口さんはそう言いながらも僕が見える範囲でしか隠さない。
少しだけ見えたその文字を見て、驚いた。
2ちゃ(ry
「世の中にはすごいもんがありますからね・・・。」
「お前なに悟ってんの?!」
キャハハ、と笑われたけど、なんだか乗る気分じゃなかった。
いつだっけな、食いまくりとか、はぶられてるとか、書かれたの。
935 :
名無し娘。
:2004/12/09(木) 13:10
なるほど、「僕」も標的にされたことあるのねw
936 :
てと
:2004/12/09(木) 19:03
あそびで、ほんの遊びで曲作りをしていた。
とは言ったものの、本格的なものとは程遠くて、保田さんのパソコンを使って作った
ニ曲(くらい作っていた気がする)より全然しょぼい。ギターを使って作っただけ。
「十分で作ったしな・・・。」
回音とかそういった装飾音をも使いこなす保田さんは、なんだかんだすごい。
できの悪いバンドの曲よりもよっぽどいいんじゃないだろうか。
「終わった〜・・・。」
わざと大きな声を出して、保田さんが僕に言ってきた。
リアクションに困る。そういちいち作ったことを自慢してこなくても。
「まずまずかしら。」
すました顔で保田さんはそう言うけど、すぐに慌て出した。
「あれ?何よ!!」
ガチャガチャッ!!
キーボードを狂ったように押しまくる保田さん。
「どうしました?」
「フ・・・フリーズした・・・。」
ご愁傷様です。
937 :
てと
:2004/12/10(金) 18:46
自転車をこいで、今日もコンビニへとお昼ご飯探索。
掘り出し物を求めて今日はちょっと遠くまで出向いてみた。
テレビ局を出て10分近く走ったところにあるそのコンビニに入ると、
何故かよっすぃとすれ違った。
「おお、よっすぃ」
「おお、珍しいね」
「たまには遠出しようと思ってさ」
ニコニコと笑うよっすぃ。
片手にはコンビニ袋がぶら下がっているけど、多分大した量は入っていない。
「なんかいいのあった?」
「おにぎりが豊富だよ。」
「マジで?」
「マジマジ。ハロプロくらい豊富」
「どんだけだよ」
938 :
てと
:2004/12/10(金) 18:46
笑いながらおにぎりを物色しに歩く。
よっすぃはそのままコンビニの外へと出て行った。
「あれ、そんなないじゃん」
ふと外を見ると、よっすぃを目が合う。でも向こうは明らかにまずい、と言った表情。
何故かよっすぃは自転車に跨っていた。
「あ゛!!」
よっすぃはなんか言っていたけど硝子越しでよく分からない。
なんか「ばれちまったらしょうがねぇ」なんて言っているっぽかったけど。
よっすぃはすっと自転車のキー(スペアキー?)をポケットから取り出してみせると、
鍵を開けて、一気に足をかけた。
「おい!!」
慌ててコンビニの外に出ようと急いだけど、それより速くよっすぃは走り去っていった。
「……」
どうしよう、この距離。
939 :
名無し娘。
:2004/12/11(土) 00:24
スペアキーワロタ。
それにしてもシチュエーション無限だな。感心。
940 :
てと
:2004/12/11(土) 18:17
楽屋への道をゆっくりと歩いていると、何か変な声が聞こえた。
歩けば歩くほど、その声は確実に大きくなる。
「?」
どこかの楽屋から声が漏れているのかもしれない。
歩けば歩くほどに近くなるその高い声は、やがてはっきりと聞き取れるようになった。
辻ちゃんと加護ちゃんだ。
ゆっくりと楽屋の前に立つと、ドアが開きっぱなしだった。
閉めておこう、そう思ってそのとき、ちょっとだけのぞきこむと、
そのとき見えた光景はなんだかひどく現実的だった。
「せーの、」
『だぶるゆーでーす』
「微妙だね」
「微妙やな。ちょっと被ってないな。まあええや、次はトークの時の打ち合わせや。
うちが指を1本立たせたら「へぇ〜」で2本は「そうなんですか?」やったな。
それから・・・・。」
全部聞くことを、僕の全身が拒んだ。
そっとドアを閉じると、ちょっとだけ悲しくなった。
941 :
てと
:2004/12/12(日) 21:09
「せんぱーい!」
「何?」
楽屋に戻ると道重さんがこっちに向かって手を振る。
僕が聞き返すと同時に道重さんは漫画本を掲げて見せた。
「ああ、もう読んだの。」
「面白かったです!」
たくさんの漫画本を僕に渡す。
「クリリンのことかー!」
「うぉ!びっくりした。」
「だってクリリンをスーパーサイヤ人のダシに使ってるんでもん。
あと天津飯とヤムチャの弱さ具合もひどいですよ!
魔人ブウもダラダラしすぎです!」
「分かった、分かったから道重さん、あのね?」
「はい?」
久々に読んだからか興奮し気味だったけどやっと止まってくれた道重さんに、
僕は言った。
「何も全巻一気に返すことないよね?」
942 :
名無し娘。
:2004/12/12(日) 23:08
42巻も貸すなよ
943 :
てと
:2004/12/13(月) 17:08
楽屋の空気が重い。
矢口さんと藤本さんはにらみ合ったまま全く動かなかった。
石川さんはそれを見て慌てて、声が上ずっている。
「ちょ、ちょ、ちょっと二人とも!そんなにらみ合わないで楽しく!ね?」
♪
ここ最近よく耳にするようになったあのイントロが何故か室内を流れ出した。
途端に踊りながら入ってきたのは5,6期の7人。でも顔は泣いている。
ジャンジャンジャン♪
バンッ!
ドアが開く。そして出てきたのは、
「おーれーおーれー・・・・」
ジャガジャガジャンッ♪
「マツウラサンバー♪おーれーおーれー・・・・」
ジャガジャガジャンッ♪
「マツウラサンバーーーーー♪」
ジャガジャジャンジャンジャジャン♪
『ボツ』
「えー絶対ウケますよぉ〜!」
松浦さんの持ち込みネタは一瞬にして破棄された。
944 :
てと
:2004/12/14(火) 17:50
「寒いねー」
「ホントですよー」
愛ちゃんと一緒に帰り道を歩く。
駅までの道のりも段々と寒くなってきて、コートも必須になってきた。
でも、今日はなんとなく寄り道をした。
「でもホント変だよ」
「そんなことないですよ!じゃあ先輩も書いてみて下さい!」
公園は寒さの割に人が結構いて、子どもが元気そうに駆け回っていた。
子どもは風の子、なんてよく言ったものだな、なんて考えると年をとった気がする。
愛ちゃんは走り回る子どもを楽しそうに眺めていた。
945 :
てと
:2004/12/14(火) 17:50
あるとき子どもが愛ちゃんと激突した。
「愛ちゃん大丈夫?」
「はい。」
子どもを撫でると、子どもはニコッと笑ってもーにんぐむすめだ!、と指差した。
一歩遅れてその子どものお母さんと思われる人が慌てて駆け寄ってきた。
「どうもすみません」
「ドンウォーリー」
「・・・・どうもすみません」
お母さんは子どもを連れるとあっと言う間に離れていってしまった。
「why?why?why?」
そ、そりゃぁ、なぁ・・・。Mother本気で引きますよ・・・。
946 :
てと
:2004/12/15(水) 18:30
前回赤点だったけん、と田中さんは教科書片手に必死に勉強をしていた。
こういうときの楽屋にいる先輩メンバーの心中は一つ。
こっち来るな・・・。
答えられる保証がない、というより分かるはずがない。
勉強もせずに仕事ばかりしているメンバーがほとんどの中、
しっかりと学校に通っている亀井さんは珍しいくらいで。
田中さんも義務教育から解き放たれたらどうするのだろう。
「先輩」
ビクッと身体が反応する。勿論僕を含めて。
誰に聞く?誰に聞く?
不安が走る。
田中さんは教科書とノートを手に、僕の前に立った。
「分からないんで教えてください」
947 :
てと
:2004/12/15(水) 18:36
藤本さんと石川さんがハイタッチを交わすのが見えた。
矢口さんは僕を見てウケまくっている。
僕はとりあえず教科書を見てみることにした。
もしかしたら分かるかもしれないし・・・。
しかし生憎田中さんが聞いてきたのは僕にとって完全に欠落している部分だった。
デビュー後上京して、学校に入るまでにブランクが少しあった。
そのため義務教育のはずなのに習ってない単元があった。
そして田中さんの質問と偶然それは合致。どうしろと。
「あ〜、なんていうか〜」
「やめとけやめとけ、そいつこー見えてバカだからさぁ」
「よっすぃが言うな。」
「れいないい?」
フラフラと近づいてきた亀井さんは、教科書をチェックすると、ささっと解いた。
ポカンとする田中さん、笑う亀井さん。
亀井さんはニコニコしながら道重さんの横に戻った。
ここで紺野さんがコンビニから戻ってきた。
それを見た瞬間、先輩メンバーが一斉に紺野さんを取り囲んだ。
『なんで早く帰ってこなかったんだよ!』
「へ?」
948 :
てと
:2004/12/16(木) 19:12
一人での仕事が終わって帰ろうとすると、
同局で別の撮影をしていた亀井さんとばったり会った。
適当に話をすると、
「あ、そうだ!」
亀井さんは思い出したように鞄の中からたくさんの写真を取り出した。
それを僕に渡すと、旅行のやつです、と笑った。
「おお〜、よく撮れてるねー。全員が写ってるのほとんどホテル内だけど。」
「アハハ・・・。しょうがないですよぉ、下手に頼めないし。」
いっそのことお店でお店の皆さんと仲良く写真とってサイン書いてもよかったのかな、
そんなことを思いながら一枚一枚写真を眺めていく。
「うぉ、中澤さんの顔すごいことになってる」
「ホントだー!すごいですよこれ。」
「あ、これで終わりか。・・・ん?なんか足りなくない?」
「え、気のせいですよ。じゃあ絵里は仕事がまだあるんで行きますね」
「あ、うん。じゃあね、お疲れ様」
「お疲れ様でーす」
去り行く背中を見つめながら、撮られたはずがなくなっていた写真を思い出して、
思わず笑った。
田中さんが持ってるのかな?
949 :
てと
:2004/12/17(金) 17:49
――これ誰のかな?
――分かんな〜い
声が聞こえる。でも僕はそれに興味を示す気にはなれなかった。
眠い。今はただ寝たかった。
――あ、愛ちゃんこれ誰のか分かる?
――ん〜?知らんよ?
――誰のだろう。
なんの話をしているのか、
少しだけ気になったけどそれよりも眠気が僕の頭を支配していた。
今度こそ深い眠りに。
――なにそれ
――あ、美貴ちゃん。かけてかけて。
――え?いいけど。
かける?かけるってなんだ?眠いから脳が動かない。
――wow wow wow 青春♪
――色々あるさぁ〜♪
――人で遊ばない。
――はーい。
ああ、なるほど。
なんのことだか分かった瞬間、こめかみ辺りに圧迫感を感じた。
「ん?」
『おおー』
「インテリインテリ」
「イケメンイケメン」
フレーム越しに爆笑するメンバーの嬉しそうな顔が見えた。
950 :
てと
:2004/12/19(日) 00:18
ついさっきまで秋だったような気がするのに、もうこんなに寒い。
ぎりぎりの生活を送り続けてきて1年の積もり積もった疲労感がやばかった。
からだはきついけどみんなも一緒なんだろう。今年ももう終わりだし、あと一分張りだ。
「らいねんもがんばりましょーね。」
らくそうな顔をしている愛ちゃん。ちょっと目を疑ってしまう。
すいすいと歩いていくその姿は力強かった。
とうとうつんくさんに言われた1ヶ月が終わってしまう時が来た。
1ヶ月、悩み悩んだ結果を、明日伝えに行く。でも、今までやってきたことから
0になって、再スタートするというのは少し怖くも感じた。
回想する癖が、最近出るようになった。加入当初から今までのことを何故か思い出す。
デビューして、ぎこちない空気が和らいで、後輩ができて、頑張って。
すいすいと、今の愛ちゃんの歩く姿のようには行かないけれど、なんとかやってきた。
「どうしたんですかボーっとして、来年も頑張らなきゃいかんのですから!」
「え、あ、うん!」
気合を入れられると、二人で駅までゆっくりと歩いた。
951 :
名無し娘。
:2004/12/19(日) 13:15
いよいよか・・・
952 :
てと
:2004/12/19(日) 19:04
そっとドアに手をかける。遂に約束の期日が訪れてしまった。
この日まで何度悩み、苦しんできただろうか。
時間の進みがこんなにも早く感じた事はなかった。
「失礼します。」
「来たな。」
つんくさんは待ってましたと真剣な顔をして言うと、
機材を弄る手を休めて僕の方へと身体を向けた。スタジオ備え付けの椅子を拾うと、向かい合う。
「どや、決心はついたか?」
「・・・はい。」
僕の回答の仕方が不満だったのか、
「なんや釈然とせぇへんなぁ。でもお前かて分かっとるやろこの現状を。
この判断はお前の将来、いやハロプロの将来を決める言う手も大袈裟ではない。」
953 :
てと
:2004/12/19(日) 19:04
確かにそうかもしれない。
話題に乏しい、いや逆に言えば話題を作ってもメディアの煽りが減った今、
加入当初過去最高の反響を呼んだといわれる僕を動かすのは定石といえるかもしれない。
逆に言えばそれに手を出さなければならないほどに苦しい状況だという裏返しかもしれないけど。
「そう・・・ですね。分かりました、やります。」
「よし、そーと決まったら曲作るで!男の曲は久々かもしれんな〜。」
つんくさんは一人嬉しそうな笑顔を見せている。
僕は曖昧な作り笑顔でしかそれを返せなかった。
「お前ギター弾けるんやし、一緒に作るか?」
「・・・それ笑えないっすよ。」
「せやなぁ。」
954 :
てと
:2004/12/20(月) 21:45
それから仕事が終わった後時間が早ければつんくさんのスタジオまで行って
お互いに曲についてひたすら試行錯誤を続けた。
真面目に、商品としての作曲は初めてだったから楽しかったけれど、
胸がすっきりしないのも確かだった。
みんなには半分伝えた。
ソロデビューするという事。
それだけを伝えて、卒業については一切話さなかった。
それが僕の胸に重く圧し掛かっているのかもしれない。
『今日元気がなかった気がするんですけど、どうかしました?』
愛ちゃんからのメールは、僕を悩ます原因の一つだった。
愛ちゃんだけじゃない。他のメンバーからも似たようなメールを幾つか受信した。
そのうち何人が、感づいているのか・・・。
「隠せないな、メンバーには」
「ん?どないした」
「いや、なんでもないです」
葛藤の中、僕は今人生において最も苦しい経験をしているかもしれない。
955 :
名無し娘。
:2004/12/21(火) 10:53
揺れてるな
956 :
名無し募集中。。。
:2004/12/21(火) 11:17
おお!佳境にはいってきたね!
いい感じだ
957 :
てと
:2004/12/21(火) 20:13
僕がモーニング娘。に入って以来、たくさんの時間をメンバーと共にしてきた。
仕事以外でも様々な時を共に過ごし、喜怒哀楽して。
彼女達のことを僕は本当の家族のように思っているし、彼女達を思ってくれていると思う。
そんな家族に隠し事をするという行為は、自分にとって耐えられない事だった。
「つんくさん。」
「なんや。」
「メンバーに明かします。」
これが僕の答えだった。
彼女達を騙しているという罪悪感は辛すぎる。
「待て、まだ早い。」
「様子がおかしいらしくてみんなに心配かけてしまって・・・。
それにみんなに隠し事なんてしたくないんですよ。」
「あかん、まだ早い。」
「どうしてですか!みんなに知らせないことで一体なにが」
「遅かれ早かれ。」
つんくさんは僕の言葉を遮った。
「そうなるんやから同じやろ?」
「・・・・っ。」
「お、おい!待ちぃ!」
その場にいられなくなった僕は、気づいたらドアを開けて外へと飛び出していた。
958 :
てと
:2004/12/22(水) 20:48
飛び出したはいいけれどどうしよう。
気づくと僕はスタジオからかなり離れた位置まで走っていた。
建物からは出ていないけれど、つんくさんといた部屋とは全然違う位置にいた。
僕は間違っているのだろうか。
僕はただ、嘘をつきたくないだけなのに。
かけがえのない家族に、本当のことを話したいだけなのに。
ソファに座る。顔が上げられずに僕は俯いたまま動けなかった。
目を閉じる。
目の前に広がるのは当たり前だけれど暗闇だ。
分からない。どうすればいいのか。分からない。
そんなときだった。
「どうした?下なんか向いて。」
中澤さんがそんな僕に気づいてくれたのは。
959 :
てと
:2004/12/22(水) 20:55
それは今にもほどけてしまいそうな糸を解くには充分すぎるきっかけだった。
僕は糸が切れてしまったみたいに全部、中澤さんに話してしまった。
ソロデビュー、卒業、メンバーに明かしていないこと、つんくさんに言われた言葉。
全部、隈なく話した。
中澤さんはそれを聞いて随分急やな〜、と困ったような顔をした。
「なにもかもそうなんです。」
「・・・でもな?裏を返せばそれだけお前に賭けとるっちゅうことならへんか?」
「・・・・!」
中澤さんは僕の横にどかっと腰掛けると、背中をさすってきた。
「みんなに言わずに隠すのはお前の性格やときついやろな。
せやけどあんたは耐えなあかん。」
「なんで」
「・・・カオリなんか正直な話、いつ卒業するかなんかファン以外気づかんで?
それに予定を割り込んで、しかも発表の場が発表の場やしな。
元々お前がモーニングでも卒業して一番大きく騒がれるやろうし。
久々に話題を作れるかも分からん。」
はぁ、と中澤さんは溜息をつくと、続けた。
「残念な事に余裕がないからな。うちらは。
すっと漏れてしまう可能性を少しでも抑えたい気持ちは分かるわ。
発表の場にポイントがあるわけやし。」
「・・・そうですね。耐えるしか、ない・・・。」
「力になれなくてすまんな。」
中澤さんはそう言って立ち上がると去っていったけれど、
力になれなくて、なんてそんなこと、全然ないですよ?
960 :
名無し募集中。。。
:2004/12/23(木) 08:32
どうなるどうなる!!
961 :
てと
:2004/12/23(木) 20:26
僕のソロデビューCDのリリース日は娘。の新曲1週間後に決定した。
曲の初披露はミュージックステーションのスペシャル。
そこで歌う直前にいきなり卒業のことを宣言しろ、とつんくさんに言われた。
確かに上手いやり方だ、と思う。
ゲストも豪華だから普段より視聴率が高い。
みんな後半に畳み掛ける大物を待っているのに対して、
僕達は18歳未満のメンバーがいるから序盤には出番が終わる。視聴率は高いだろう。
ここまでは良かった。納得したし。
でもメンバーに卒業を伝えるタイミング。一体いつ言えばいいのか。
「もう明日やし、お前のタイミングでええ。」
とつんくさんは言ってくれた。
でもここまでずっと話せなかった罪悪感が、僕の口を重くした。
もう金曜日は目の前まで来ている。
でもファンの人達、一般の人達と同時の発表だけはできない。
それは一種の裏切り行為にも思えた。
悩み悩んで彷徨っている間に、金曜日はもう目の前まで来ていた。
962 :
名無し募集中。。。
:2004/12/24(金) 01:00
構成力の凄さに脱帽です。リアルとアンリアルを
本当に上手く絡めてますなぁ
963 :
名無し募集中。。。
:2004/12/24(金) 03:31
うめえょ・・ホントにすごく主人公?に引き込まれるよ・・・
次は終に!!!!あぁ・・更新が待ち遠しいよ
964 :
名無し募集中。。。
:2004/12/24(金) 11:06
主人公が娘。を卒業したあとも書けるんだったら
書いてほすぃなぁ
965 :
名無し娘。
:2004/12/24(金) 13:41
他の人が書いてくれればいいよ
続ける気がないから終わらせようとしてるんだし
966 :
てと
:2004/12/24(金) 18:57
番組が始まる直前の楽屋は少しだけ静かだった。
遂にここまで来てしまった。今言わないともう、間に合わない。
でも遅くなればなるほどに硬く閉ざされた僕の口元は、本当に臆病で。
本番が近づくことによる緊張よりも、
言わなきゃいけないという自分自身へのプレッシャーが僕を硬くしていた。
時間は刻一刻と近づいている。もうスタンバイはすぐだ。
そのとき、横にいた藤本さんが、僕の耳元で囁いた。
「もう時間だよ。」
「え、まさか。」
まさか、藤本さん知ってる?
小さな声で返すと、藤本さんは頷いた。
「みんなね。」
「え?!」
小声ではいられない衝撃を受けた。思わず声を上げてしまう。
藤本さんは極めて冷静な顔で――いや、装っているのだろう――続けた。
967 :
てと
:2004/12/24(金) 18:57
「愛ちゃんなんか、泣いたんだから。」
「・・・・。」
そう言われて愛ちゃんの方をそっと覗く。心なしか、目が少しだけ赤く思えた。
藤本さんは勤めてか、終始冗談っぽい口調で話していた。
「愛ちゃんの涙は高いよ?あんたもしっかりしないと。ほら。」
「うん、分かった。」
胸の中で鞭を打つ。競馬で馬にスパートをかけるように、強く叩く。
そうでもしないと動いてくれそうになかった。
「因みに誰が聞いたの?」
「え、美貴。うじうじしてて言えそうになかったから言っちゃった。」
「言っちゃったって・・・。」
「ほら、もう始まるよ。」
「うん。言うわ。」
全部知っているみんなに、僕は全部話した。
968 :
名無し娘。
:2004/12/24(金) 22:05
イイヨー。感情移入しながら読んでるよ。
969 :
名無し募集中。。。
:2004/12/25(土) 12:10
続き!続き!
主人公イイヨ!
970 :
てと
:2004/12/25(土) 20:25
「こいつ、やっと言いやがった。」
そういう矢口さんの目に溜まったものを見ると心苦しかった。
僕の告白に、みんな少しも怒らずに最後まで聞いてくれた。
むしろ今までなんで言わなかったんだよ、と怒ってもらいたいくらいの気持ちだったのに、
みんな優しすぎると思う。
「そんなんで俺抜けても大丈夫か?」
「何言ってるの〜!それより私より先に卒業ってどういうこと??」
「ん〜、ごめんとしか言いようがない・・・。」
「謝んなよ!!」
藤本さんだった。
強く鋭い目をして、僕の事をじっと見て。
でもすぐに笑顔になった。
「そんなんでソロやれないよ。もっと胸を張って。」
「藤本さん・・・」
「そうですよ!頑張って下さいよ!!!」
リアクションは十人十色だった。
激励してくれる娘もいれば、冗談っぽく引き止める娘もいて。
泣き付くような娘はいなかったけれど、
何人か明らかに目が赤くて潤んでいたのが見えてしまって、辛かった。
本当、ごめんとしか言いようがない。
今まで言えなくて、そして、いきなり消えて。
971 :
てと
:2004/12/25(土) 20:33
舞台裏に移動して、僕達の登場を待つ。
立っている時、服の袖を掴まれる様な感覚を覚えた。
そしてその正体にすぐ気づく。
「・・・愛ちゃん?」
「・・・すみません。来年も、がんばろうって・・・」
本当に、謝ることしかできない。
僕は口を開こうとしたけれど、口元を押さえ込まれた。
愛ちゃんは目を軽く拭うと、言った。
「何も言わないでください・・・。そんで、一つだけお願い、聞いてくれます?」
「・・・うん。」
愛ちゃんは僕の手に指を絡めた。
ぎゅっと握られる手。
「もう謝らないで下さい。」
言われて気づいた。
僕は謝る事で、逃げていたのかもしれない。
一人勝手に謝って、全部を済ませた気になって。
みんな納得しているはずなんて、ないのに。
だから僕は愛ちゃんに言われたように、謝ることを辞めよう。
現実と向かい合って、逃げないで。
今の僕にはまだ、ちょっと難しい事かもしれないけれど。
「うん。」
握られた手を、僕は強く握り返した。
972 :
名無し募集中。。。
:2004/12/26(日) 14:59
うわーん、いいよ!!!
佳境!!!
973 :
名無し娘。
:2004/12/26(日) 17:03
高橋かわいいな・・・
974 :
てと
:2004/12/26(日) 23:39
「お〜」
ここが僕が娘。でいられる最後のステージ。
そう思うと少しだけ不思議な気持ちになる。
今日は誰よりも早く来たかった。誰よりも長く居たかった。
一秒一秒、一曲一曲を噛み締めたいから。
急遽卒業コンサを行うことになったから人が来るのかどうか、正直すごく不安だった。
僕なんかが卒業しても、誰も来てくれないんじゃないかって。
こんなこと考えるのも変なのかもしれないけれど、
それが僕が「娘。」でいれたどうかの証になると思うから。
リハを済ましてあとは始まりの時間を待つだけ。
すごい緊張が僕を襲う。
こんなに緊張したのは加入当時初めてテレビに映ったとき以来かもしれない。
ボンッと肩に手を乗せられた。
後ろを振り向くと、飯田さんだった。
「カオリより先に卒業しやがって」
笑った。そう言って笑うと、飯田さんは今度は僕の背中を2回、叩いた。
「ビシッと決めなよ」
「・・・はい!」
975 :
てと
:2004/12/26(日) 23:45
ステージ上へと飛び出すと、歓声の大きさに一瞬たじろいだ。
そこにはがら空きの客席なんてどこにもなくて、大勢のファン。
みんな、来てくれたんだ。
オープニングから快調に飛ばす。
一曲一曲を、大事に。
僕にとっても、みんなにとっても、忘れられない夜にしてやる、そう思いながら。
コンサでは恒例となった浪漫のギターソロ。
下手くそかもしれないけれど精一杯弾く。いつもよりうねりすぎて、みんな笑っていたけど。
ギターソロを終えると不思議と拍手が沸き起こって、僕達を盛り立てた。
「ありがとう!!」
大声で叫ぶと、みんなが返してくれる。
これだから、コンサはやめられないんだ。
976 :
名無し募集中。。。
:2004/12/27(月) 06:08
いいのぉ
977 :
名無し募集中。。。
:2004/12/27(月) 10:21
なけるよ
978 :
てと
:2004/12/27(月) 20:51
コンサート、アンコールも順調に済ますと、
あとは卒業セレモニーを残すのみとなった。
会場は静まり返って、僕の事を見ている。巨大のモニターには僕が映し出されている。
マイクを持つ手が、震えていた。
目を閉じて、鋭く息を吐く。
胸に手を置いて摩ると、僕はマイクを口元に向けた。
『今日は、本当に僕のために、かどうかは分からないけど来てくれてありがとう』
茶化す様に言うと客席が軽く沸く。
でもメンバーは誰一人として笑っていなかった。それがちょっと辛い。
『なんで僕がモーニング娘。に入ることが出来たのか、疑問でならないけれど、
今はただつんくさんに感謝したいです。
だって、こうやってみんなと同じ時を共に出来たんだから。』
ドッと湧く観客。嬉しくてたまらなかった。
チラッと客席から涙を覗かせている人を見て、ちょっとだけ泣きそうになりながら。
僕は続けた。
979 :
てと
:2004/12/27(月) 20:59
『そして、もう一つ。つんくさんに感謝したい事があります』
ここでまた、一息つく。
胸がきゅーっとしめつけられる様な感覚を覚えるのは、何故だろう。
僕は顔をみんなの方へと向けた。顔はもうよく見えない。
視界が開けるのを邪魔する何かが、僕の目の前に広がって、空間を歪ませていた。
『みんなと、モーニング娘。のみんなと、
ハロプロのみんなと、出会えて良かった。心からそう思う。』
大きな歓声が聞こえた。でもそれを確認できる目は今の僕にはない。
鼻を啜る。
目頭がすごく熱かった。
でも今日は、拭っちゃいけない。そう思った。
『ホント、情けない。泣かないって決めてたのに。』
頑張れ。
そんな声が次々と耳に飛び込んでくる。
うん頑張る。頑張るけど・・・今の、その一言はちょっと痛すぎるよ。
980 :
てと
:2004/12/27(月) 21:12
『最後に、本当に最後になりますが・・・。』
心を、出来るだけ落ち着かせる。
精一杯、精一杯気丈でいたいから。
メンバーにこれ以上、情けない姿を見せたら、ちゃんと卒業できないから。
『これから僕は、一人で活動していくことになりますが、
どうか、これからもずっと、
モーニング娘。を、ずっと応援してやってください。』
目から雫が零れ落ちると、視界が少しだけ開けた。
メンバーの顔が映って、少し驚いた顔をしているのが確認できた。
何人も涙を流している。
僕のために涙を流すなんて、そんな安い涙流しちゃダメだよ。
それに、まだ話は終わってないよ。
『みんなの、がんばってる姿を、
ずっとその目で、その心で、見続けてあげてください。
これがモーニング娘。の僕からの、みんなへの最後のお願いです』
大歓声がステージ上の僕達を包む。もうダメ、ごめん。
涙が止まらなかった。
981 :
てと
:2004/12/27(月) 21:21
僕の涙がひかないうちに、みんなのスピーチが始まった。
5、6期は一番年長の愛ちゃん、亀井さんが代表になって、
4期以前は全員一言ずつくれるという段取りだったけど、
何を言うのか、リハで触れなかったから知らなかった。
「先輩、卒業おめでとうございます!」
元気一杯の声が飛びこんできて、安心したのも束の間。
亀井さんの方へと視線を移すと、肩が震えていたのが目に入った。
「先輩の分まで、絵里達頑張りますから!心配しなくて、いいんですよ?」
意地悪だな、まだ泣かせたいの?
胸の奥から目まで何かが繋がって、一気に熱くなるような、そんな感じがした。
「世界一可愛い後輩を持って、先輩は幸せですよ!!
以上!!エ・リ・ザ・ベ・ス・キャメイでしたぁ!!」
ワッとみんなが僕達を包む。涙を隠してくれるかのように。
982 :
てと
:2004/12/27(月) 21:30
「先輩。」
愛ちゃんは、精一杯気丈に振舞おうとしているのがよく分かった。
震えているのに、体が震えているのにグッと力を入れて、無理矢理抑え込んで。
それだけで、言葉は要らないくらいだった。
だってこれ以上話されてしまうと、また涙が出てしまう。
「卒業、おめでとうございます。
あたし達5期は、入ったばっかんときに先輩に大分迷惑をかけたり、
お世話になったりしました。ホントに、感謝して、ます。」
途切れ途切れになる言葉達が、逆に僕の胸にじわじわと響く。
今はどんな言葉を聞いても、もしかしたら泣いてしまうのかも。
「ごめんなさい、泣きそーで、大したこと言えません・・・。
お互い成長して、これからも頑張りましょう・・・。」
大きく一礼した愛ちゃんの背中はやっぱり震えていて、僕の体も気づいたら震えていた。
983 :
てと
:2004/12/27(月) 21:39
藤本さんは6期とは何故か別枠でここに入った。
マイクを持つその手の先、目はやっぱりどこか睨んでいるようで。
でも精一杯笑ってくれた。
「卒業オメデト。」
ワザと軽いノリを装ってくれているのが、嬉しかった。
これ以上泣かせるような一言が続くと、壊れてしまう。
「美貴より先にソロになってんじゃねぇよ!!」
客席大爆笑。
さっきまで泣いていたメンバーさえも笑っていた。
藤本さん自身も笑っている。
ちょっと笑えないけれど、思わず笑ってしまった。
ま、これで涙も拭けたでしょう。そんな顔をしている藤本さん。
アイコンタクトで返すと、笑ってくれた。
「待ってろよ。」
984 :
てと
:2004/12/27(月) 21:39
「卒業おめでとう。」
よっすぃ〜はあくまで冷静。
涙を見せる様子もなく、むしろ笑顔を見せてくれた。
この方が、僕も楽かもしれない。
「入ったばっかのとき、おどおどしてるあんた、可愛かったよ。でも・・・。」
お客さんもこの時ばかりは少しだけ笑った。
でも、そのあとの一言はやっぱりよしこの上手さだ。
「カッコよくなりやがって。かっけーよ、今のお前。」
思わず少し笑ってしまった。
ありがとう、聞こえないように呟く。
でもよっすぃ〜の方が、かっけーよ。
「じゃあ、あばよ!」
大きな盛り上がりを見せる客席。やっぱ、すごい。
985 :
てと
:2004/12/27(月) 21:48
僕のフライングで追い抜かれる形となった石川さんは、
ちょっとだけ複雑な表情でマイクを持っていた。
でも、マイクを口元に向けると、パッと笑顔が咲く。
「卒業おめでとう。」
ありがとう、そう返したくなるような言い方だった。
「あなたが入ってきたとき最初、男の子ってこともあって、
あんまり話せなかったよね。今でも覚えてる。」
加入当初、僕はあまりみんなと話すことが出来なかった。
それまでテレビの向こう側にいた人達が、というのもあるし。
僕を避けてた石川さんに気づいてしまったのもあるし。
でも、
「でもいつだったかな。私が熱出しちゃったとき。
お薬が切れちゃっていて。
北海道で、
冬なのに雪の中スタッフよりも誰よりも先にお薬探しに行ってくれて。
あそこから打ち解けたよね、あのときはありがとう。」
改めてお礼を言われると照れくさい。
でも、僕が追い抜かしたことを一言も口にしない石川さんを見ているだけで、
ちょっと瞼の裏が忙しいことになっていた。
「寂しくなるけど、なやみがあったらいつでもお姉さんに相談しなさいよ。」
あのときの約束、覚えていたんだ。
くすっと笑う石川さん。大歓声。その影で、静かに頬を伝う何かを隠した。
986 :
てと
:2004/12/27(月) 21:53
矢口さんが、小さい体を少しみんなより前に出して立つ。
マイクを両手で抱えていたけど、左手を離すと右手で持った。
「卒業おめでとう。」
笑顔はない。何もかもが突然だったから、無理もないのかもしれないけど。
僕はまた一息深く吐き出すと、矢口さんのほうに目を向けた。
「最初入ったときは、ホントどうしようかと思ったけど、
すぐにそんな心配がないって分かったよ。これだけ大きくなっちまったしな。」
ここで始めて笑顔を見せてくれた。目が合って、僕も笑い返す。
笑顔になっているか、自信ないけど。
「これから色々大変だと思うけど、自分の力を信じて、根性で乗り切れ。
ここまで来れた、その持ち前の根性でさ。」
「・・・はい!」
思わず返事をする。マイクは手にない。
ただ、精一杯声を張り上げた。
987 :
てと
:2004/12/27(月) 21:58
最後の一人である飯田さんが、ゆっくりと僕に近づく。
何歩か歩み寄った所で、その足を止めた。
「卒業おめでとう。」
その大きな目は確実に僕の目を捉えている。
その瞳を見つめ返すと、吸い込まれそうな、そんな錯覚を覚える。
「モーニング娘。としては今日が最後だけど、
これからは一人のソロアーティストとしての人生が始まるんだよ。」
「・・・はい。」
ファンの人に見てもらう、ということを忘れてしまったみたいに、
僕達はお互い目をあわせて話した。
「長く長くて、険しくて険しい人生になると思うけど。がんばってよ。
人生ってのはさ、ホント素晴らしいもんなんだから。」
観客からざわめきが起こり始める。僕も気がついた。
この曲で、締める、モーニング娘。としての僕。悪くないかもしれない。
「ソロアーティストとして、しっかり大成できるように祈りを込めて、」
飯田さんはマイクをファンのみんなへと向ける。
矢口さんが横に立つと、合図をかける。
「せーの!!」
『I wish!!!』
やめてよこんな演出。
また涙が出てきちゃったじゃないですか。
988 :
名無し募集中。。。
:2004/12/28(火) 01:31
いやはや、最高ですな
てとさん素晴らしいです
989 :
名無し募集中。。。
:2004/12/28(火) 07:57
うーーん!!
とてもよいですよ・・・
あとはメンバーとの絡みかな
990 :
名無し娘。
:2004/12/28(火) 20:22
1000が先か500kが先か
991 :
てと
:2004/12/28(火) 21:58
誰もいなくなった会場の静けさは、祭りの後の静けさと同じ。
この静かな空間で、今日という日を一人、振り返った。
目を瞑ると何の音もない、何もない、ただの闇。
なんとなく感慨に耽っていると、後ろからちょんと肩を叩かれた。振り向くと指がほっぺに当たる。
「なにしてんですか?」
「終わったな、って思って」
愛ちゃんだった。
「これからは一人でこの会場を埋めなきゃ。みんななし、自分の力で」
「…本当に卒業しちゃうんですよね」
「うん」
ゆっくりとステージの真ん中へと、二人で歩く。
こんなに広いステージを、一人で駆け回る。少しだけ怖い気もした。
992 :
てと
:2004/12/28(火) 21:59
「やめないで、なんて言いません」
愛ちゃんは精一杯、と思える笑顔をみせてくれた。
「言ったってどうしよもないし、それに…」
「それに?」
「…やっぱいいです」
「え」
愛ちゃんの目は、セレモニー中と同じくらいに潤んでいた。見るだけで、涙腺を刺激される。
愛ちゃんはさっきよりもニコッと笑うと、
「ソロアーティストとして活躍する先輩、楽しみにしてます」
「……」
やばい、涙が出てきた。でも、ここで僕がすべき事は、泣くことじゃない。
僕は愛ちゃんと同じように、グッと引き締めると、
「ありがとう」
今僕の出来る、最高の笑顔で返した。
てとの『僕と娘。の夢物語』終わり。
993 :
てと
:2004/12/28(火) 22:05
容量の最後を自分で埋めてしまいそうですが、あとがきをさせてください。
書き始めた当初、夢見さんの言葉を信じて繋ぎを出来ればと思って書き出しました。でも僕の書き込み速度が上がるにつれ、
僕以外の職人さんの書き込みが減って乗っ取りみたいになってしまって、すごい罪悪感を覚えました。
このスレは本来参加型のスレ。僕一人の行動で他の人達が書き込めないのだとしたら…そう思うと辛いです。
遂に小説スレで紹介されるようになってから、もはや参加型のスレの空気は完全に亡き者にされ、正直色んなものに押しつぶされそうになりました。
だから僕はこのスレを持って身を引かせてください。僕が書いたものをなかったものとして、夢物語を続けてください。
我侭で、身勝手なのは分かってます。調子乗ってんじゃねぇと言われても仕方ありません。
でももし、書いてもいいと言う声があるなら…その時は書かせて頂きたいと思います。読みたい方が、もしいるのなら。
でもその時は、こんな風に毎日書く、なんて事は自粛します。
以上、長々と書きましたが僕の拙い文章を読んで下さった皆さん、本当にありがとうございました。
てと。
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