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小説?『娘。戦記』

1 :名無し狩人:2003/09/08(月) 17:51
【ご挨拶】
どうもです。名無し狩人と申します。
羊で小説もどきをやっておりました。
誰でも参加OKと言う管理人さんのご厚意に甘え
こちらで一つ始めさせていただきたいと思います。

管理人様、及び狩狩板の皆様。よろしくお願いいたします。

479 :名無し狩人:2004/04/28(水) 18:11
「主砲使用不能・・・・レーザーカノン・・・消滅・・・」
「これ以上応戦は不能です!」

斉藤は平家を見た。

「総員退艦急げ!」
「えっ?」
「早くしろ!」
「平家さんは?」
「私は・・・・残るよ・・・」

プロポーズは既に撃沈寸前であった。
クルーに退艦を指示した平家は艦長席に座ったままである。

「みんな早く!」

柴田が指示を出し脱出用の小型艇にクルーは乗り込んで行く。

「馬鹿な事言ってないで行くよ!艦と運命を共にする艦長なんて
 時代遅れもいいとこだよ!」

斉藤はそう言うと平家の右手を引っ張った。

480 :名無し狩人:2004/04/28(水) 18:11
「・・・・・」

動こうとしない平家、すると

「ほら!みちよ!行くぞ」

柴田が平家の背中を叩いた。

「痛いな〜・・・何すんだよ!」

思わず立ち上がる平家。
その瞬間ここぞとばかりに斉藤が平家を引っ張った。

「こら!放しなさい!」

斉藤と柴田の2人がかりで引きずられる平家が叫んでいる。

481 :名無し狩人:2004/04/28(水) 18:11
「はいはい、脱出艇に着いたら離しますからね。
 それまではおとなしくしてましょうね」

まるで子供をあやすかのような口調で言う斉藤。
それでも平家はもがいていた。

「お待たせ!ルル良いよ!」

やっとの思いで脱出艇に平家を引きずり込んだ斉藤が
操縦席に座るルルに叫んだ。

「出ます!」

既にあちこちが火を吹いているプロポーズから
何とか脱出艇は飛び出して行った。

482 :名無し狩人:2004/04/28(水) 21:08
平家達が脱出してから少しすると遂にプロポーズが大爆発を起こした。

「ああっ・・・」

消え行くプロポーズをメンバーが呆然と見ていると

「ちくしょー!これで終わりだと思うなよ!」

柴田はそう言うとルルの隣のシートに滑り込んだ。
すると斉藤もそれに従い動きだす。

「フリージア2よりケメンダヤスへ。作戦続行!」

柴田はそう言うとボーっとしているメカニックメンバーに叫んだ。

「何やってんの?後ろにバトルポッドがあるからさっさと行って来い!」

この脱出艇は見かけの割には中が狭かった。
みると後ろの方に扉が見える。

483 :名無し狩人:2004/04/28(水) 21:09
「ちょっと柴田。解る様に説明してよ」

訳の解らない平家は柴田に聞く。
元々この脱出艇は柴田と斉藤がアレスから持って来た物である。
そして名前がフリージア2。そうこの機体はアレスにある訓練艇フリージアの
後継機なのである。小型ながらその戦闘能力は航路監視隊の警備艇に匹敵し
後部の格納庫にはバトルポッドも搭載している。

「諦めないで行きましょう。まだ終わってませんよ」

柴田の説明が終わると平家は頷く。

「バトルポッド隊出撃!簡単にやられるな!」

その言葉にフリージア2のバトルポッド隊6機が飛び出して行く。
保田達に合流すると戦闘を開始した。

「こっちも負けてられないよ。攻撃開始!」

斉藤はそう言うとミサイル攻撃を開始する。
更にはフリージア2の機体内部に収納されていたレーザーカノンが姿を現す。

484 :名無し狩人:2004/04/28(水) 21:09
「目標補足・・・・発射!」

レーザーカノンが敵艦に向かって放たれる。

「・・・駄目か・・・・あまり効果はないみたいだね」

残念ながらフリージア2のレーザーでは敵艦に致命的なダメージを
与える事が出来なかった。

「レスラッテ+よりフリージア、補給は・・・無理・・・?」
「辻ちゃんごめん。余裕はないよ」

辻の連絡に斉藤が悔しそうに答える。

「解った。まだ何とかなるけど・・・うん頑張ってみるよ」
「お願い」

辻の言葉はそのまま戦闘機に乗っているメンバーの言葉でもあった。
敵の艦載機こそかなり叩いてはいるが肝心の戦闘艦の方には
まったくと言ってほど攻撃ができていない。
こちらは消耗するばかりである。
言葉には出さないでいたが攻撃手段がなくなるのは時間の問題である。

485 :名無し狩人:2004/04/28(水) 21:10
「・・・・・逃げると言ってもこれじゃあね・・・・・」

平家は考えた。この状況を打破できる策はないのか・・・・
こちらは消耗するばかりだ。フリージア2も被弾こそしていないが
いつやられるか解らない状況である。
みんなで無事に生きて帰る方法悩む平家・・・そんな時である。
フリージア2のレーダに反応があった。

「レーダに反応・・・・ピースドライブを終えた艦艇が現れたようです」
「新手か・・・」
「・・・いえ・・・・平家さん!マルス2とガスプラです!」

そこに現れたのは連邦軍戦闘艦マルス2。
そして本物の戦闘艦ガスプラであった。

486 :名無し狩人:2004/04/28(水) 23:08
「ピースドライブテスト終了。現在地天王星付近」

マルス2オペレーター石川梨華がテストの終了を告げる。

「コンディションオールグリーン。航海に問題なし!」

航海班の前田有紀は船体に問題が無い事を告げた。

「これでテストは終了だね。連続でのピースドライブも問題無いみたいね」

マルス2艦長の安倍なつみは安心した様に呟いた。すると

「レーダーに反応。三時の方向・・・・戦闘中の艦艇があります」
「総員戦闘準備!梨華ちゃん。情報収集急いで!」
「了解!」

火星衛星基地アレスの戦闘艦マルス2とガスプラは
新しく搭載されたハローエンジンの性能を確かめる為
連続でのピースドライブテストを行っていた。
そしてテスト終了と共に平家達が戦っている空域に姿を現したのである。
これは偶然の一致なのであろうか?

「戦闘中の艦艇の識別が確認出来ました。一方はまったくの所属不明ですが
 もう一方は・・・・大変!フリージア2ですよ!」

石川の報告に安倍は慌てて指示を出した。

487 :名無し狩人:2004/04/28(水) 23:09
「砲門開け!目標所属不明艦隊!当艦はこれよりフリージア2の援護を開始する」

安倍の声にブリッジに緊張が走った。

「レッド隊順次発艦して下さい。攻撃目標は所属不明艦隊です」
「レッドリーダー了解!」

石川の指示に答えたのは後藤真希。後藤は保田がいなくなってから
レッド隊のリーダーを任されているのである。

「レッドリーダーより各機へ。味方機を攻撃するなよ!」
「ケッカー了解!」 「スコロンダ了解!」 「ゴロMAX了解!」

後藤率いるレッド隊は素早く戦闘空域に斬り込んで行く。

「フリージア2より、マルス2へ。ありがとう、助けに来てくれたんだね」

マルス2に平家から通信が入った。

「マルス2よりフリージア2へ、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない。プロポーズやられちゃったよ」

平家の言葉に石川の表情が曇った。プロポーズと言えば戦力は
マルス2とさほど変わらない。むしろマルス2より性能は上の筈である。

「安倍です。平家さん敵の戦力は?」
「解らないよ。1対5であっという間にやられちゃったから」

敵の戦力はまったくの未知数。しかも数はこちらより多い。
テスト航海でいきなり戦闘に巻き込まれた安倍の脳裏に不安がよぎっていた。

488 :名無し狩人:2004/05/02(日) 00:48
「シルバーリーダーよりマルス2、フリージアの艦載機隊は何機?」

ガスプラ艦載機隊リーダーの福田から通信が入る。

「すいません。えーと・・・フリージアのバトルポットは6機です・・・
 それから・・・プロポーズの艦載機が・・・・現在7機・・・計13機です。
 リーダーは・・・・え?ケメンダヤス・・・・何これ?」

石川は現場に保田がいることなど当然知らない。
更には田中、道重、亀井、村田、予想もしていないメンバーの
識別コードが飛び交い混乱している。

「ちょっと梨華ちゃんしっかりしてよ!プロポーズ隊のリーダーは?」

シルバー隊リーダー福田明日香は混乱している石川に喝を入れた。

「ごめんなさい・・・・えーと・・はい大丈夫です。
 プロポーズ艦載機隊はよく解んないですけど保田さんが指揮してる様です」
「シルバーリーダー了解!」

情報が交錯する中なんとか石川は全てを把握し始めた。
現在の状況その他諸々・・・・

489 :名無し狩人:2004/05/02(日) 00:49
「マルス2よりケメンダヤスへ、保田さんですよね?ここにいる理由は後で聞きます。
 今はレッド隊と合流して敵艦に攻撃をお願いします」
「ケメンダヤス了解!石川・・・成長したね」
「ありがとうございます。えーと・・・稲葉さん聞こえますか?」
「あいよ」
「石川です。稲葉さんはプロポーズ隊の指揮をお願いします。
 これからガスプラのシルバー隊がそちらに向かいます。
 到着次第レッド、シルバー両隊のバックアップをお願いします」
「了解や!」

マルス2の参戦により艦載機隊は陣形を組みなおすと
新たな攻撃隊形を作り始めた。

「敵艦載機フリージアに接近!」

マルス2の大木がフリージアへの敵機の接近を知らせる。

「グリーン隊、フリージアのバックアップをお願いします」
「グリーン3了解!」 「グリーン4了解!」

マルス隊の自艦防衛部隊グリーン隊。
里田まい搭乗のノンクラクション、そして斎藤美海搭乗ホカノドーガ。
二機の戦闘機はフリージアを護衛すべく出撃する。

490 :名無し狩人:2004/05/02(日) 00:49
「マックゴルドよりケメンダヤスへ。攻撃の指示を願います」
「・・・・自分で考えなさい」
「えっ?」

レッド隊と合流した保田に、レッドリーダー後藤は昔の様に指示を仰ぐ。
しかし保田の答えは「自分で考えろ」であった。

「後藤、もう私はあなたの上官じゃないんだよ。今のレッドリーダーは後藤でしょ。
 だったら私が従うよ。レッドリーダー、指示をお願いします」
「・・・・・レッドリーダーよりレッド隊各機へ、Wフォーメーション!」

保田の言葉に後藤が出した指示は、「Wフォーメーション」
この陣形はリーダー保田時代からレッド隊が得意とする
必殺のフォーメーションである。

491 :名無し娘。:2004/05/02(日) 01:11
更新お疲れ様です。前のもそうだったけど艦隊戦は特に好き。

492 :名無し狩人:2004/05/04(火) 02:17
「レッドリーダーよりシルバーリーダーへ、援護をお願いします」
「シルバーリーダー了解!」

既に敵艦隊を射程圏内に捕らえていたレッド隊は
攻撃の為、更に敵に接近する。

「レッドリーダーより前衛三機へ、攻撃開始!」

後藤の指示で吉澤のケッカー、アヤカのスコロンダ、小川のゴロMAXが
突破口を開く為、敵艦隊の護衛機に襲い掛かる。

「レッドリーダーよりケメンダヤスへ、突っ込むよ」
「了解!」

吉澤達が作った突破口から後藤と保田が敵艦隊に襲いかかった。

「ロックンロール!」

後藤と保田はほぼ同時にこう叫ぶと、対艦ミサイルを放つ。
ミサイルは敵艦隊で一番前に出ていた戦闘艦の艦橋を破壊した。

493 :名無し狩人:2004/05/04(火) 02:17
「各機、全速反転離脱する!」

後藤の声にレッド隊のメンバーは機首を反転させると敵艦隊の前から
一気に飛び去って行った。

「シルバーリーダーより各機、攻撃開始!」

レッド隊からすぐに、間髪を入れず福田のシルバー隊が攻撃を開始する。

「うちらはバックアップやで。ええか?」

稲葉を先頭にプロポーズ艦載機隊が敵艦載機隊に襲い掛かる。
田中、道重、亀井、村田は敵艦隊の弾幕をぬって次々に敵機を叩いて行った。

「レッドリーダーよりマルス2へ、これより補給の為帰艦する」
「マルス2了解!」

敵艦隊に最初に攻撃を仕掛けたレッド隊はかなりの消耗をしていた。
残弾も残り少ない為マルス2に補給の為、戻るのである。

「至急補給お願いします。すぐに出ます!」

マルス2に帰艦した後藤はカタパルトデッキにいたメカニック
大谷雅恵に声をかけた。

494 :名無し狩人:2004/05/04(火) 02:18
「OK、すぐにやるから・・・」

大谷はそう言うとメカスタッフに指示を送る。そこに保田がやってきた。

「大谷ちゃん、元気だった?」
「保田さん!どうしたんですか?」

予想もしていなかった保田の登場に大谷は驚きを隠せない。
一瞬固まっていたが保田の簡単な説明で現状を理解した様である。

「事情は解りましたけど・・・保田さん大丈夫なんですか?」
「何が?」
「だって、しばらく戦闘はやってないでしょ?ブランクもあるだろうし」

大谷はしばらく軍から離れていた保田を心配している。

495 :名無し狩人:2004/05/04(火) 02:18
「大丈夫だよ。戦闘はしてなかったけど、腕は鈍ってないよ」
「そうですか。なら良いですけど」
「それより大谷さあ、このSF−22って乗りにくくない?」
「そんなこと無いですよ。SF−22は軍の主力戦闘機ですよ」
「でもしっくり来ないんだよね」
「うーん・・・機体との相性なのかなぁ・・・・あっ!そうだ!」

大谷は何かを思い出した様に1人のメカスタッフに声をかける。

「7号リフト下ろせ!」

大谷がそう言うとデッキの奥にあるリフトが動き出した。
ゆっくりと動くリフト。見ると戦闘機が一機乗っている。
連邦軍型式SF−14S。SF−14戦闘機の強化タイプである。
そしてその機体の機首にはローマ字の「K」を象ったエンブレムが

「大谷!」

今度は保田が驚きの声をあげる番である。
「K」のエンブレムが描かれたSF−14Sと言えば連邦軍ではたった一機しかない。
旧レッドリーダー「レッドワン」
そうこの機体こそ正真正銘の保田の愛機「ケメンダヤス」なのである。

496 :名無し狩人:2004/05/05(水) 22:46
「またこいつに乗れるなんて思ってもみなかったよ」

懐かしい愛機のコクピットに座る保田は笑った。

「何もかも昔のままですよ。それじゃあ行ってらっしゃい!」

補給が終わり再び出撃するレッド隊。
保田は愛機の操縦桿を握ると言った。

「ケメンダヤス出ます!」

マルス2より飛び出したレッド隊。

「攻撃目標セットアップ完了・・・」

機体を乗り換えた保田は全てのデータの入力を終える。
そして

「レッドリーダーより各機、まずは近くにいる敵機を叩く。
 それが終わり次第シルバー隊のバックアップに入る」

保田の突然の指示に本来のリーダーである後藤は一瞬躊躇ったが
何も言わずに指示に従う。

497 :名無し狩人:2004/05/05(水) 22:47
それは他のメンバー同じであった。保田が先程後藤に言った事に
あえて突っ込みを入れる事もなく指示通り動き始めた。

一方こちらは敵艦隊の旗艦の中・・・・

「連邦軍もなかなかやるな・・・どこの部隊だ?」

そう言ったのは「キオナ・ザワーショ」・・ウィラポーンの総帥である。

「あれはマルス2とガスプラ・・・・アレスの戦闘艦の様です」
「ガスプラ・・・?なんとも良いタイミングで現れたな。
 それにマルス2か・・・すると連中は例のアンドロイドの・・・」
「はい、ユリシーズを叩いた連中です」
「そうか・・・そうなると面倒だな」

キオナは表情を変えず淡々と話をしている。
しかしその言葉からはマルス隊が簡単な相手では無いと言う
認識を持っている事がうかがい知れた。

「今の戦力なら奴等を叩く事は出来るか・・・しかしこちらもただでは済むまい」
「撤退しますか?」
「そうだな・・・・」

キナオはそう言うと全艦に撤退命令を下す。
同時にあれだけいた艦載機隊が一気に引き上げて行く。

498 :名無し狩人:2004/05/05(水) 22:47
「なんだ?どうしたんだ?」

目の前の敵が急に引き返して行き保田は驚いている。
福田は突然の事に警戒しシルバー隊及びプロポーズ隊を敵艦隊から離脱させた。
そしてシルバー隊とプロポーズ隊が引き返した時である
ウィラポーン艦隊が保田達が叩いた一隻を残しピースドライブを開始した。

「敵艦隊ピースドライブに入ります!」
「えっ?急にどうしたんだろう・・・?」

突然の敵艦隊の撤退にマルス2のクルーは驚きの表情を浮かべる。

「一隻残ってますね・・・」

石川は敵艦が一隻残っている事に疑問を抱く。
だが安倍は躊躇いも無く主砲発射の指示を出した。

「発射!」

合図と共に放たれた主砲のエネルギー弾は残っていた敵艦を消し去る。
これによって特に問題が発生する事は無かった。

「急にどうしたんだろう・・・?」
「さあ・・・・」

明らかに劣勢の状況であったが敵艦隊は撤退をして行った。
いったい何故敵は撤退したのか・・・・
彼女達がその理由を解る筈も無かった。

499 :名無し娘。:2004/05/08(土) 18:02
良い感じだね

500 :名無し娘。:2004/05/09(日) 17:07
500

501 :名無し狩人:2004/05/10(月) 22:55
申し訳。ここで一旦切ります。
再開は・・・なんとも・・・はい・・・。
スマソ。

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