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小説?『娘。戦記』

1 :名無し狩人:2003/09/08(月) 17:51
【ご挨拶】
どうもです。名無し狩人と申します。
羊で小説もどきをやっておりました。
誰でも参加OKと言う管理人さんのご厚意に甘え
こちらで一つ始めさせていただきたいと思います。

管理人様、及び狩狩板の皆様。よろしくお願いいたします。

101 :名無し狩人:2003/09/21(日) 01:50
( `_´)<やっぱりそれしかないですかね・・・
       あの頃はあまりカントリーに興味なかったし
       強いて言えばモーニング刑事で見たくらいでしょうか・・・
       ってそっちじゃなくて現役の方です。
       どっちも牧場のイメージがないのでどうしようかと。

102 :名無し娘。:2003/09/21(日) 02:15
どっちも娘正式メンバー選考落ち

103 :名無し娘。:2003/09/21(日) 09:43
里田はヤンタンでは、「〜だべ」と北海道弁で売ってますね。後はセクシーか。
「ドサンコ・セクシー」とか…
みうなは静岡ぐらいしか…

104 :名無し娘。:2003/09/21(日) 12:43
里田はロマンスぐらいしかしらんなぁ
みうなに関しては無印象
強いて言えば里田が来た辺りから農業色が薄くなった?

105 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:39
「補給完了!ノンクラクション出ます!」

そう言って飛び出したのは、たった今補給を終えたマルス2所属の
グリーン隊、三番機「ノンクラクション」のパイロット里田まいである。
里田はバトルフィールドに出ると、すぐさま迎撃態勢に入った。

「補給完了!ホカノドーガ出ます!」

続いてグリーン隊、四番機「ホカノドーガ」が補給を終えて飛び出した。
パイロットはグリーン隊の新人、斎藤美海である。

「グリーン3よりレッドリーダーへ、補給が終りました。任務に戻ります」
「レッドリーダー了解!後は任せたよ!」

グリーン隊の戦線復帰によりマルス2の防衛にあたっていた
保田のケメンダヤスは敵艦に向かって飛び去って行く。

「レッドリーダーよりレッド隊各機へ、ミサイルその他、残量を確認せよ」
「レッド2、まだ半分以上残ってます」
「レッド4、まだ行けるYO−!」
「レッド5、まだOKです」
「上等!みんなたいしたもんだ。それにしても・・・・市井のやつ遅いぞ!」

敵艦の周りにいる艦載機のだいぶ減っている。
このあたりで一気にけりをつけたい保田であったが
レッド3の市井がまだ戻って来ない為、迂闊には敵艦に近づけなかった。

106 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:40
その頃、ナノニイーコ号では辻の出撃準備が進んでいた。

「ええかノン。決して無理はするなよ。ヤバイと思ったらすぐに逃げや。
 後はお前の運と実力だけや、お前の実力・・・しっかり見してや」

既に機体に乗り込んでいる辻に対して稲葉は声をかけた。

「了解!最終チェック・・・出撃準備完了!サントマミ・・・出ます!!」

勢い良く甲板を飛び出した辻は機首を迷わず敵艦に向けた。

「さてと・・・そんじゃこっちも行きますか・・・みっちゃんええか?」
「良いよ、それでは久々に・・・・やりますよ」

稲葉の言葉に頷いた平家は手元のボタンを押す。

「バトルモード、変身!」

平家がそう言うとナノニイーコ号は変形を始める。
通常の武装はレーザー砲が二門だけのこの船。
だがこのバトルモードにすると更に砲が二門増えて
合計四門。さらにミサイル発射管が二門現れる。
ナノニイーコ号バトルモード「イーコボンバー」である。

「突撃ー!」

107 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:41
辻に続き、ナノニイーコ号もバトルフィールドに突入する。
突然参戦してきた二機をマルス2のレーダーが捕らえた。

「右舷に接近する物体があります・・・識別信号・・
 民間貨物船のナノニイーコ号です」
 「民間船?退避勧告だして」

マルス2レーダー班、北上アミ准尉の報告に
マルス2艦長の安倍はオペレーターの石川に指示を出した。

「ナノニイーコ号・・・聞こえますか?こちらは連邦軍のマルス2です。
 この空域は現在戦闘状態にあります。
 危険ですから速やかに退避して下さい。繰り返します。
 こちらは連邦軍です。ナノニイーコ号、速やかに退避して下さい」

石川がナノニイーコに退避勧告を出す。すると

「あー、こちらナノニイーコ号、助太刀いたす」
「はい?」
「そやから、うちらも手伝う言うとるんや、苦戦しとるみたいやからね」

稲葉からの思わぬ返答に石川は安倍を見た。

108 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:41
「・・・アミちゃん、ナノニイーコのタイプは?」
「えーと・・・シスコM改ですね。シスコMの武装強化型です」
「一緒にいる小型機は?」
「SF−14R艦載用戦闘機です。機体コード不明、識別は・・・・うそ?」
「どうしたの?」
「識別・・・イエロー3・・・・」
「えっ?のの?まさか・・・機体が違うしそんなの有りえないよ」
「確かに機体確認コードは違うけど、識別コードは・・・辻ちゃんです」

北上の報告にブリッジにいた全員が驚きの表情を浮かべる。
戦闘中の戦闘機は通常二種類のコードを発している。
一つが機体本体を現す機体確認コード、そしてもう一つが
その機体に乗り込むパイロットが任意に打ち込む識別コードである。
本来であればこの識別コードは使う事はない、なぜなら識別コードは
そのほとんどが軍のみで使用され、民間人が使用する機体には
それを発信する装置はないのである。
時にはその装置が搭載された機体はあるがほとんどが使用されないか
コードを発信していたとしても未登録コードがほとんどなのだ。
そして今現れた機体は機体コードこそ不明であるが
識別コードは間違いなく連邦軍に登録されたコードである。
識別コード発信装置が搭載されたこの機体に辻は無意識の内に
自分の識別コードを打ち込んでいたのだ。

109 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:42
「とにかく今はそれは忘れよう。みんな仕事に集中して。
 石川、ナノニイーコには協力をお願いして、
 全てが終ればあの機体に乗ってるパイロットも確認できる」
「了解!マルス2よりナノニイーコへ、ご協力に感謝します。
 私は戦闘オペレーターの石川です。戦闘中は私の指示に従って下さい」
「ナノニイーコ了解です」
「ありがとうございます。では貴艦は敵艦隊側面から攻撃を行って下さい。
 敵艦隊のかく乱が狙いです」
「ナノニイーコ了解!これより作戦を開始します」

石川の指示によりナノニイーコは敵艦隊側面に陣取った。
一方既に敵艦隊に向かっていた辻は・・・

「後藤!突っ込みすぎだよ!」

一瞬ではあったがマルス2のブリッジに生じた混乱で
レッド隊の指揮系統にも混乱が生じていた。
その指揮の乱れによりレッド2、後藤のマックゴルドは
友軍機より敵艦に接近していたのである。
それを確認した保田は後藤に注意を促したが
次の瞬間マックゴルドは敵艦載機に後ろを取られてしまった。

110 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:42
「しまった・・・・」
「後藤!気をつけて!すぐ後ろに一機いるよ」
「駄目だ・・・引き離せない・・・」

敵機に狙われた後藤、必死に回避を試みるがついに敵機にロックされた。

「やられる・・・・」

後藤がそう思った瞬間、突然後ろにいた敵機が爆発した。

「あれっ?・・・・誰?」

仲間によって救われたと思った後藤であったが自分の近くには
誰もいない事は解っていた。では誰が・・・
そう思った後藤の視界に一機の戦闘機が姿を現す。
それを見た後藤は驚きで言葉を失った。

111 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:44
( `_´)<皆さんも一緒ですか。結局2人は歌詞から取りました。
       ご協力に感謝です。

112 :名無し娘。:2003/09/22(月) 17:30
グリーン隊は呪われてたりして

113 :名無し狩人:2003/09/22(月) 21:58
「・・・・・」

一体なぜ?・・・・後藤は混乱している。
ここに存在する筈のない機体が目の前に存在する・・・
ソニンはサントマミは相棒のユウキの姉が使っていたと言った。
そのユウキの苗字は後藤。
そう、今ここにいる後藤真希はユウキの姉であり
目の前を飛行しているサントマミの元パイロットなのだ。

「レッド2よりサントマミへ・・・ユウキ?ユウキなの?」

後藤はサントマミのパイロットに話し掛けた。

「違うよ・・・」

かえってきた声は女の声である。

「ひょっとしてソニンちゃん?」
「違う・・・私はノン」

114 :名無し狩人:2003/09/22(月) 21:59
弟の相棒ソニンでもないそのパイロットは「ノン」と名乗った。
何処かで聞いた事がある声・・・モニターに視線を落とした後藤は
またしても驚いた。
そこに表示されているサントマミの識別コードはイエロー3だったのだ。

「後藤!なにボケッとしてるの!」

後藤に迫る敵機を叩いた保田から激が飛ぶ。

「圭ちゃん、あの機体のパイロット・・・」
「解ってるよ、でも様子が変だ。ひょっとしたら罠かも知れない。
 私に考えがあるの、だから任せて」

保田はそう言うと通信機に叫んだ。

「レッドリーダーよりレッド隊各機へ、Wフォーメーション!」

保田がそう言うとレッド隊の各機はWの形に陣取る。
保田、後藤、吉澤が前に三機横並び。
市井、絢香がその後ろに付くのだが市井はまだ到着していない。

115 :名無し狩人:2003/09/22(月) 21:59
「レッドリーダーよりイエロー3へ市井がいない。
 市井の分のフォローをお願い!」
「・・・・・」
「ちょっと辻、聞いてんの?」
「・・・あっ、イエロー3了解!」

保田の指示に辻は、自然と市井が入る場所に機体を移動した。

「行くぞ!アタ−ック!!」

一気に敵艦隊に突っ込む五機、次の瞬間敵艦一隻を破壊した。

「上出来!辻、やるじゃん!」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」

保田の問いかけに返事を待つメンバー。すると

116 :名無し狩人:2003/09/22(月) 22:00
「えへへへ、これくらい朝飯前ですよ」

戻って来た返事は紛れもないイエロー3辻希美の物であった。

「つーじー・・・・よし、この調子で全部叩く」

辻の参戦により勢いに乗ったマルス2は一気に敵を蹴散らす。

「目標敵旗艦、主砲発射!」

安倍が叫ぶとマルス2から強力なエネルギー弾が放たれる。
主砲の直撃を受けた敵旗艦は既にスクラップであった。

「敵旗艦より脱出した小型艦があります」

北上が言うと

「マルス2へ、任しとき」

ナノニイーコは小型艦にミサイルを放った。
ミサイルは見事直撃、2人はついに借りを返したのであった。

117 :名無し狩人:2003/09/22(月) 22:00
「作戦終了。各艦載機は順次帰艦して下さい。お疲れ様でした」

石川の指示で帰艦を始めるレッド隊とグリーン隊。
辻はそこに一機だけ取り残された。

「マルス2よりナノニイーコへ、マルス2艦長の安倍です。
 ご協力ありがとうございました。お陰で様で敵も撃破できました。
 それと・・・・」
「こちらナノニイーコ号船長の平家です。おっしゃりたい事は解っています。
 こちらは彼女の意思に任せます」

平家からの返信を聞いた石川はすぐさま辻に言った。

「辻ちゃん、お帰り、みんな待ってるよ」
「・・・・うん・・・・でも・・・安倍さん、少し時間もらえますか?」
「良いよ、2人にお礼言ってきな」
「はい!」

安倍にそう言われた辻は一旦ナノニイーコ号に戻る。

118 :名無し狩人:2003/09/22(月) 22:01
「ノンはやっぱり連邦軍の人間だったんだ」
「ノンの本当の名前は?教えてくれるよな?」
「はい、連邦軍火星衛星基地アレス所属、
 戦闘艦マルス1艦載機隊イエローの辻希美です」
「そうか、辻希美言うんか。で?NONって言うのは?」
「あれはNONOって書いてあったんですよ。
 私みんなにののって呼ばれてるんです」

辻にそう言われた稲葉と平家は寂しそうな表情を浮かべると言った。

「ののか・・・のの、短い間やったけど楽しかったで元気でな」
「ののちゃん、私達の事も忘れないでね」
「はい、平家さん、稲葉さん、本当に助けてくれてありがとうございました。
 お2人もお元気で・・・」

辻はそう言って敬礼をするとナノニイーコ号を後にした。

119 :名無し狩人:2003/09/22(月) 22:21
グリーン隊だけでなくきっとマルス隊全体が呪われている気がする。



┌──────────┐
│ |ill|| lll  . () ()      │
| |ill|| lll   || || カーンカーン│
| ll|l(マルス)ヽ||'-' 川ノ-[]  │
| |::l||大|   ( )     │
| ノ;;;i!! !!ヽ   | |      │
└──────────┘

120 :名無し娘。:2003/09/22(月) 22:40
グリーン隊りんねの安否が気にかかる・・・((((;゚Д゚)))

121 :名無し娘。:2003/09/23(火) 09:19
>>119
その呪いだと諦めるしかないってのが辛いねw

122 :名無し狩人:2003/09/23(火) 23:12
「皆さん、ご心配をおかけしました」

マルス2に戻った辻は深々と頭を下げる。

「・・・・無事であればそれだけでじゅうぶんだべ・・・」

安倍はそう言うと辻を抱きしめた。

「本当に心配かけやがって・・・・でもなっちの言う通り
 無事に戻って来てくれただけで嬉しいよ」

辻の生還にマルス2の乗員皆が喜んでいる。

「みんなの祈りが神様に通じたんですよ。 口には出さなかったけど・・・
 そうだ、アレスのみんなにも教えてあげないと」

石川がそう言って連絡を入れようとすると

「ちょっと待った!」

安倍がなにやら企んだ様な表情を浮かべそれを止めた。

123 :名無し狩人:2003/09/23(火) 23:14
「何ですか?」
「みんなには内緒にしよう。何事もなかったかの様に帰ってさ・・」

こっそり辻を連れて帰って何も知らないアレスやマルス1のメンバーを
驚かそう・・・安倍の提案に皆が乗った。
その後マルス2のメンバーが楽しそうに帰還の準備を始めると辻が言う。

「あの・・・帰りにハーモニーによって貰えませんか?
 サントマミをソニンさんに返さないと・・・」
「ん、いいよ。確かに貰っちゃうには高価過ぎる物だしね」

辻の頼みを安倍が承諾すると後藤が言った。

「たぶん返さなくていいと思う。って言うかサントマミは私のだし
 マックゴルドに乗り換える時にサントマミがスクラップになるって
 聞いたから頼んで譲って貰ったんだよ。その後大谷さんに頼んで
 整備して貰って実家に置いといたらユウキが勝手に持ち出して・・・
 だから、ののさえ良ければ使ってくれないかな?
 SFー14Rはまだまだ現役で使われてるし、
 実際圭ちゃんのケメンダヤスだってSF−14Sだもん。
 性能から言えばレスラッテのSF−18Aとさほど変わらないと思うよ」

後藤の思わぬ発言に辻は驚いた。確かにそう言われれば
後藤が使っていた軍用機であるサントマミが民間に流れる事が
本来ありえないのである。

124 :名無し狩人:2003/09/23(火) 23:14
「いいの?私が使って」
「うん、私はその方が嬉しいし、サントマミだって使ってあげないと
 かわいそうだよ」

後藤がそう言うと辻は嬉しそうに頷いた。

「ちょっと待ってよ、それはいいとしても機体は大丈夫なの?
 もう激しい戦闘に耐えられないから変えた筈でしょ?」

保田が思い出した様に言うと

「大丈夫その点は私が保証するよ。サントマミはまだまだ現役で行ける。
 フルオーバーホールしてあるし、なんと言っても一緒に整備した
 この私が言うんだから安心でしょう」

そう言ったのはマルス2メカニックの村田である。
村田は後藤が大谷にサントマミの整備を頼んだ時に
大谷から頼まれて一緒に作業をやっていたのである。

「これで決まりだね。きっとソニンちゃんだってそう言うつもりで
 ののにサントマミを託したんだと思うよ。だから・・ね」

話は決まった。辻の次の愛機はサントマミ。
サントマミはこの後レスラッテ+に改名される。
もっともこの勝手な決定は後に中澤に物凄く怒られる事に
なるのだが結局はOKがでるのである。

125 :名無し狩人:2003/09/23(火) 23:17
( ´ Д `)<んぁ・・・・

( ´D`)<後藤しゃん、オメなのれす。

126 :名無し狩人:2003/09/25(木) 01:10
「識別信号送信・・・こちらマルス2。入港許可を申請します」

マルス2航海班、前田有紀曹長はアレスに入港の許可を求める。

「識別信号確認、マルス2の入港を許可します。
 誘導ビームに乗って進入して下さい」

アレスオペレーター斉藤とのいつものやり取りを終えると
前田はアレスへの進入を開始した。

「機関停止・・・逆噴射開始・・・」

慣性と額噴射を巧みに使い分けてマルス2はゆっくりと進む。
少しすると完全に停止するマルス2。
その場所は船体固定リフトの上である。

「リフトオン!マルス2航海を終了します」

127 :名無し狩人:2003/09/25(木) 01:10
蝶が舞い降りるように船体をリフトに乗せた前田、
マルス1の小川の荒っぽい入港に比べると、その熟練度を感じさせる。

「さてと・・・ここからがお楽しみだ。問題はどうやってののを
 みんなにみつからない様にするかだね」
「マルス1はまだ戻ってないみたいだね。今がチャンスじゃない?」

安倍と保田は作戦を練っている。いかに他のメンバーを驚かせるか。
マルス2出撃後、他の場所でスクランブルがありマルス1も出撃していた。
とりあえず辻を囲む様にして船を下りると司令室に歩いて行く
マルス2のメンバー。司令室に入ると

「マルス2、ただ今帰還いたしました」

安倍が中澤に報告を入れメンバー全員で敬礼をする。

「お疲れさん、今のところ他はないからゆっくりと休んでええよ」

中澤にそう言われたマルス2メンバー+1人は指令室の奥にある
休憩室に歩いて行く。
それを何気なく見ていた柴田が驚きの声を上げた。

128 :名無し狩人:2003/09/25(木) 01:11
「ああっ!!」
「何や、柴田?いきなり大声出して、びっくりするやないか!」

中澤はそう言って柴田を見る。
柴田は固まったままマルス2のメンバー+1人を見つめていた。
その視線を追って中澤もその方向を見るとメンバーが笑っている。

「なんやお前達ニヤニヤして、私の顔に何か・・・・って、おいっ!」

中澤はそこで初めて+1人の存在に気がついた。

「つ・・・つじ・・・これは夢か?・・・違う、現実や・・・
 お前達・・・隠してたな。まったく・・・・」

心配していた辻の生還は「悪魔鬼」と呼ばれた中澤の涙を誘った。

「辻・・・無事やったんやな・・・まったく、心配させやがって・・・
 じゃない!こら、なっち!何処でみつけたんや?
 ちゃんと報告せんとアカンやろが!」

喜びのあまり普段であればカミナリが落ちるこのシュチュエーションでも
中澤は笑顔である。

129 :名無し娘。:2003/09/25(木) 06:21
更新乙です
辻はやっとこ家に帰還かぁ

130 :名無し娘。:2003/09/25(木) 15:02
のの生還おめ








ホー(ryからトム(ryに乗り換えかぁw

131 :ナナシ娘。:2003/09/26(金) 00:11
 戦闘シーンなどの描写が羊のときよりもさらに読ませてくれるものが
ありますよね。機体名の由来などを考えるのも楽しみの一つですが(w。
ともあれ今後もチェックさせて頂きますのでガンガッテくらさい。

132 :名無し狩人:2003/09/26(金) 01:09
辻が帰って来た・・・・
この事実はすぐにアレス全体に広がった。
他の主要基地に比べて仲間意識の強いアレスならではの事である。
では、なぜそうなのか?これはこの基地を指揮している中澤の
やり方もあるが、ここにいるメンバーがほとんど女性であり
また同じ空域のコロニー出身である事が大きな理由であろう。

地球連邦が出来たとは言え、人種や宗教などによって
その考えさまざまである。宇宙移住が始まった当初は
そう言った枠をなくそうと様々な人種が一つのコロニーに集まった。
だが、これは結局コロニー内の争いを招く結果となってしまう。
そこで急遽今までの国の枠内での移住に切り替えられたのだ。
そしてそれは連邦軍内でも一緒であった。
人種や宗教の考え方の違いによりその部隊の統制に
問題が生じる事件が起こったのだ。そこで連邦軍は部隊を人種によって
分けていかなくてはならなくなった。だがそれで上手く行くのか?
そこで建造中であったアレスに配置する人員を同じ空域のコロニーの
出身者によってまとめるとし、更に計画中であった女性軍人の
積極的重要ポストへの昇進及び配置。
この計画によりアレスにはコロニー集団「ジャップス」出身の
女性が集中して配置されている。
つまりアレスは一種の実験的要素の多い基地なのである。

133 :名無し狩人:2003/09/26(金) 01:11
「完全にやられわ。なっちも結構悪やな」

中澤が呆れた様に言う。だがその中澤もまた同じ事を考えた。
それは・・・・

「こうなったら圭織達も同じ目に遭わせてやろうやないか」

先程帰還の連絡を入れてきたマルス1には辻の生還は
知らされないままになったのだ。
それからしばらくして何も知らないマルス1がアレスに戻って来た。

「リフトオン!」

(ガシャーン!)
マルス1帰還と共に訪れるいつのも轟音、アレスのドックのメンバーは
既に慣れている様である。

「小川・・・頼むから一回くらい静かに船体をリフトに乗せてくれ」

コーヒーで顔を濡らした矢口が不機嫌そうに言う。

「ごめんなさい。でもドック進入時は何もしないで座ってて下さいって
 いつも言ってるじゃないですか」
「・・・そうだけど・・・」

マルス1のドック進入時はおとなしくしている。これはお約束である。
この日の矢口はそれを忘れ、うっかりコーヒーを飲んでいた為、
リフトに船体を乗せる時の衝撃でコーヒーをかぶる羽目になったのだ。

134 :名無し狩人:2003/09/26(金) 01:27
( `_´)<今日はすすみませんですみません。

(;`_´)<・・・・



(;`_´)ノ>ホー(ryからトム(ryに乗り換えかぁw
       メカの形状については皆さんの想像にお任せします。
       いや、ホントお任せします・・・(w

135 :名無し狩人:2003/09/27(土) 00:18
「マルス1、飯田圭織以下、全乗組員無事帰還しました!」

司令室に入り敬礼をするマルス1のメンバー。

「1人おらんやんか」

中澤がとぼけた様に言うと

「裕ちゃん・・・冗談でもそんなこと言わないでよぉ」
「そうだよ、オイラ達だって辛いんだからさ」

飯田と矢口が怒った様に言った。

「おっと、いたいた、全員おったわ。辻!帰還報告時は全員揃ってやで!」

そう言う中澤に飯田がキレた。

136 :名無し狩人:2003/09/27(土) 00:19
「裕ちゃん、いい加減にしてよ。そんな事やって何が楽しいの?」

飯田が大声で叫んだその時、

「はい!もうし訳ありません。辻希美、無事帰還しました!」
「・・・・えっ?」

突然後ろから聞こえて来た声にマルス1のメンバーが全員振り返った。

「・・・・うそ・・・・のの・・・どうして・・・」
「つじぃ〜・・・良かったぁ〜・・・」
「のの、ぶじやったんやな・・・」

自分達の後ろに居るのは間違いなく辻希美である。
飯田、矢口、加護・・・・メンバー全員辻に駆け寄った。

137 :名無し狩人:2003/09/27(土) 00:19
「飯田さん、矢口さん・・・それにみんなも・・・本当に心配かけてごめん」
「いいよ、そんなのぜんぜんいいよ。だって無事だったんだもん」
「そうだよ。オイラだって気にしてなんかいないよ。お帰り辻ちゃん」
「ほんま、心配かけやがって・・・のの〜っ!」

涙で顔がくしゃくしゃになった加護が辻に抱きついた。
辻もまた泣いている。一番の親友である加護との再会は
辻にとっても泣きたくなるほど嬉しい事なのである。

「まったくもう。みんな意地が悪いよ」

そう言いながらも飯田には笑顔が戻っている。

「そんな怒る事ないやろ。私らだって、なっち達にやられたんやから」
「それじゃあ、ののは、なっち達が連れて来たの?」

中澤の言葉に飯田は安倍の顔を見る。

「説明すると長いんだけどね・・・・」

安倍が辻発見について説明を始めた。それを聞いていた中澤が言う。

138 :名無し狩人:2003/09/27(土) 00:20
「なんや、そんじゃ辻はみっちゃん達に助けられたんか?」
「裕ちゃん平家さん知ってるの?」
「まあな、そうか、あいつらがなぁ〜・・・・」

中澤はそう言うと平家との関係を話し始めた。
それはまだアレスが完成する前の話である。
その頃連邦軍の月面防衛隊にいた中澤は平家と同じ部隊にいた。
その名も「サーガ・アイ」
2人はこの部隊のエースパイロット兼部隊長であり良きライバルでもあった。
そんなある日、2人に昇進の話が舞い込む。
それは今度新しく出来る火星衛星基地の指揮官の話であった。
だがそのポストに就けるのは2人のうちのどちらか1人。
よく漫画などでありがちな話であった。
話があってから一週間後、2人は参謀本部に呼び出される。
2人の適性を競う為、模擬戦を行うと言うのだ。
試験は三週間後、その模擬戦に勝った方が昇進する。
これまた漫画みたいな話であった。
そして試験の三日前になったその日、中澤は平家が軍を
去った事を知らされる。その事により試験はなくなり
中澤はそのままこのアレスの指揮官に就任したのである。

139 :名無し狩人:2003/09/27(土) 00:20
「本当に今でもムカツク奴やな。でも・・・いい奴や・・・」

中澤がそう言って話を終えるとなぜか笑いが起こった。

「あはははは・・・・漫画みたい・・・」
「きゃははは、ホント・・・裕ちゃんそう言うの全然似合わないね」

そう言って笑うメンバーを見て中澤も笑う。

「ははは・・そんな事言ったって仕方ないやん。そうなったんやから」

辻の生還。中澤の過去、この日のアレスは終始笑顔に包まれていた。

140 :名無し娘。:2003/09/27(土) 00:27
ミチャーソ・・・

141 :名無し娘。:2003/09/27(土) 06:02
めっちゃいい子や・・・゜・(ノД`)・゜・

142 :名無し狩人:2003/09/28(日) 00:05
辻の帰還から一ヶ月が経った。火星衛星基地アレスはいつもと変わらない。

「おっ、もうすぐ時間やな。石川、「二ュージクス」入港の時間や。
 悪いけどこの書類届けてくれんかな?」
「はーい、解りましたぁ」

中澤から手渡された書類を受け取ると石川はアレスの玄関である
メインポートに向かった。
今日は物資運搬船「ニュージクス」入港の日であり
軍で必要な物資の受け取りをなぜかいつも石川が担当していた。

「♪チャ−ミーグリーンを使うと可愛くなるぅ〜♪」

今日はご機嫌な石川、歌を唄いながら通路を歩いていると

(ニュージクス入港・・)

貨物船ニュージクスの一団の入港アナウンスが流れた。

143 :名無し狩人:2003/09/28(日) 00:05
「いけない、もう来ちゃった・・・」

ニュージクス率いる貨物船団は約一週間かけて
地球圏からこの火星圏までやって来る。
民間の輸送船団としては最速の船団である為
到着時間も予定より少し早かった様だ。
アナウンスを聞いた石川は、早足で港に向かって歩き出す。
到着から荷卸しまで僅かな時間しかない。
受け取りその他、仕事はいっぱいなのだ。

「♪焦ってたって仕方ないでしょ・・・♪」

またしても歌を唄いながら歩く石川。
すると石川の前に私服の4人組が姿を現した。

今石川がいる場所は軍のブロックで民間人はもちろん立ち入り禁止である。
石川は慌てて4人の所へ行って声をかけた。

144 :名無し狩人:2003/09/29(月) 00:01
「あっ!すいません、そこの方、ここは軍のブロックなので
 民間の方はご遠慮ください」

前から来る4人組はいずれも女の子であった。
石川に声をかけられ先頭を歩いていた女の子が言う。

「梨華ちゃん、私だよ」

いきなり名前を呼ばれた石川。よく見ればその女の子は
見覚えのある顔であった。

「藤本ちゃん!誰かと思ったよ。今日はどうしたの?船団の護衛?」

石川の名前を呼んだのは藤本美貴。
彼女は航路監視隊に所属している軍人で、何度かこのアレスにも訪れていた。

「あれっ?聞いてないの?今度ここの配属になったんだけど」
「えっ?・・あっ、そう言えば新人が来るって聞いた様な気がする」
「そうでしょ、それが私達って訳。紹介するね、右から田中、亀井、道重
 3人とも航路監視隊の後輩だよ」

145 :名無し狩人:2003/09/29(月) 00:02
藤本に紹介され後ろにいた3人は石川に挨拶をした。

「初めまして、田中れいなです。よろしくお願いします」
「亀井絵里です。よろしくお願いします」
「みっ、道重さゆみです。よろしくお願いします」

3人は緊張した様子で自己紹介をする。

「はい、私はマルス隊、マルス2オペレーターの石川梨華です。よろしくね」

石川がそう言うと3人は改めて頭を下げた。

「ごめんね、私仕事があるから行くね」
「それじゃあまた後で」
「うん」

石川はそう言うと藤本達と別れ、港に急いだ。

「ごめんなさい。遅れましたぁ」

港に着いた石川はいつもの係員に声をかける。

146 :名無し狩人:2003/09/29(月) 00:02
「おっ、来たな。時間に厳しい梨華ちゃんがどうした?・・・
 そうか、あの子達と話をしてたんだな。えーっと藤本ちゃん!」
「はい、通路でバッタリ・・・って言っても一本しかないから当然ですね」

石川はそう言うと係員と2人で検品を始める。
チェックを終え書類にサインをすると後ろで待っているスタッフに
指示をだし、荷物の振り分けを始める。
全てが終了するとこの仕事は終わり。石川は司令室に戻って行った。

「受け取りおわりましたぁ」
「ん、ご苦労さん。それじゃ石川も来たから自己紹介してくれ」

中澤が先程の4人組に言う。司令室には既に主なメンバーが集合していた。

「はい、では私から・・・田中れいなです・・・・」

4人は改めて順番に自己紹介を始める。

「・・・・さゆみです。よろしくお願いします」

田中、亀井、道重、3人の新人がそれぞれ自己紹介を終えると
藤本が自己紹介を始めようとした。

147 :名無し狩人:2003/09/29(月) 00:03
「それでは私も・・・・」
「いや、藤本はええやろ、知らんやつなんかおらんからな」
「えっ?・・・そんな・・・」

藤本の自己紹介を中澤が遮る。そして

「これから、この4人が新しい仲間になる。担当部署はまた明日って事にして
 とにかく一週間の長旅や、今日の所は部屋でゆっくり休んでや。
 えーっと・・・紺野!4人を居住ブロックに案内してやってくれ」
「了解!」

中澤に言われ紺野は席を立つと4人を居住ブロックに案内した。

148 :名無し狩人:2003/09/29(月) 00:25
( `_´)<更新の量が少なくて申し訳・・・・
      本日仕事中に目を傷めまして・・・
      とりあえず明日は様子を見てになるのでひょっとしたら
      お休みになるかも・・・・よろしくです。 
       

149 :名無し娘。:2003/09/29(月) 01:11
無理は傷に触るので養生しる。

150 :名無し狩人:2003/09/29(月) 22:48
藤本達4人が到着してから既に数時間が経過していた。
中澤は、飯田、安倍、保田、矢口の4人と藤本達の
配置について話し合ってる。

「4人とも基本的にはパイロットな訳やし、やっぱ艦載機隊やろうな」

中澤はそう言うと4人の意見を求める。

「そうだなぁ、ブリッジはそれ程でもないし、この前の、のの、の件もあるし
 やっぱりイエローの増員かな?矢口どう思う?」
「オイラはそれよりオイラ達とグリーン隊の間に入る部隊が欲しいな。
 けどそうなるとそこに入るのは経験者になるよね」

結局はっきり決まらないまま、とりあえず明日以降の出動で
藤本達を実戦投入しどうするか決定する事になった。
ただし4人の振り分けは決定していた。
田中・亀井がマルス1、藤本・道重はマルス2である。

151 :名無し狩人:2003/09/29(月) 22:48
「MJ−04より緊急連絡!護衛船団のSOSをキャッチしたとの事です」

オペレーター斉藤が言う。

「情報分析!柴田!レーダーは?」
「MJ−04・・・第三輸送船団が航行中です」

柴田が答える。すると

「護衛艦、ネープルVより緊急入電!第三輸送船団が襲撃を受けています」
「第三輸送船団後方・・・所属不明の船団をキャッチしました・・・
 うそ!速度が速い・・・第三船団囲まれました」

斉藤、柴田が珍しく焦っている。事態は急を要する様だ。
慌ててレーダーを確認する中澤

「まずいな、敵の数も多いみたいや。スクランブル!マルス1・2出動!」

状況から判断し、中澤が珍しくマルス1・2の同時出撃の指示をだした。
警報が鳴り響く中、両艦のメンバーが素早く出撃準備にとりかかる。

152 :名無し狩人:2003/09/29(月) 22:49
その頃ドックでは・・・

「おらぁ!モタモタすんな!さっさとリフトのロックを外せ!
 動きの遅い奴は一時間石川の唄を聞かせるぞ!」

アレス戦闘艦ドックのチーフメカニック大谷がスタッフに激を飛ばす。
するとそこに後藤がやって来た。

「大谷さん、お願いがあります」
「なんだよこの忙しい時に?」
「ブギ−03をマルス2に乗せてください」
「はぁ?なんで?藤本は明日からだろ?」
「たぶん・・・いや絶対に藤本ちゃんは行きたがる筈です」
「でもなぁ・・・」
「私には解るんです。絶対に藤本ちゃんも出る事になりますから・・・」
「・・・・本当に?・・・・よし、解った、すぐに搬入するよ」

「ブギ−03」これは藤本の愛機である。
大谷の指示でブギ−03はマルス2に運び込まれた。

153 :名無し狩人:2003/09/29(月) 22:49
一方こちらは司令室、警報が鳴り出してすぐに藤本が飛び込んで来た。

「藤本さん・・・」
「新垣、襲われてるの、第三船団って本当?」
「はい、第三輸送船団の護衛艦隊ネープルVから連絡がありました」
「ネープルV・・・」

それを聞いた藤本は中澤に言った。

「中澤さん、私も行きます!」
「何や藤本、お前は明日からやから今日はええよ」
「いえ、行かせて下さい。ネープルVは、あやっぺが・・・松浦がいるんです!」

藤本が言った、「あやっぺ」とは航路監視隊所属の松浦亜弥の事である。
そして現在戦闘中のネープルVの艦載機隊を指揮するのがその松浦であり
当然松浦も戦闘に参加している筈であった。
藤本は親友である松浦を助けるべく自分も出撃したいと中澤に申し出た。

「松浦か・・・・この仕事に私情は挟むな!・・・と、言いたいとこやけど
 ええやろう、言って来い!その代わり無茶はアカンで!」
「ありがとうございます!」
「そんじゃ、藤本は、マルス2に乗艦や」

154 :名無し狩人:2003/09/29(月) 22:50
藤本の申し出を中澤は了解した。松浦もまたこのアレスを何度か
訪れた事があり、藤本との関係を中澤は知っていたのだ。
そして今の藤本の状況が、過去に平家を助けようと出撃した自分と
重なって見えたのである。
中澤は藤本にOKを出すとドックに指示を出す。

「大谷!藤本も出る!ブギ−03の搬入を急げ!」
「もう終ってます」
「へっ?何で?」
「ごっちんからそう言われて・・・」
「後藤が?・・・・そう、それならええよ。・・・後藤め、こうなる事が解ってたか。
 そうだよな、後藤だって・・・・」

出撃の許可を貰った藤本は出撃準備を整えるとマルス2に乗り込んだ。
そして・・・・

「マルス1発進!」

小川はそう叫ぶとマルス1を発進させる。

「マルス2発進!」

続いて前田もマルス2を発進させた。
そんなマルス2の中で藤本と後藤が話をしている。

155 :名無し狩人:2003/09/29(月) 22:51
「ごっちん、ありがとう。私も行きたがるってよく解ったね」
「あははは、当たり前でしょ。昔は3人で暴れ回ったんだし
 私達3人なら誰がどの立場にあっても同じ事するでしょ?
 だから、大谷さんに無理言ってお願いしたんだよ」

そう言う後藤もまた松浦・藤本を親友と呼べる関係で
昔はならず者相手に3人で暴れていたのだ。
話を終えると2人とも機体に乗り込む。
そこに安倍の声が響く。

「本艦はこれよりピースドライブに入る。各自所定の位置で待機!」

安倍の声が響き渡った直後、マルス2はピースドライブを開始した。

156 :名無し狩人:2003/09/29(月) 22:52
( `_´)<とりあえず大丈夫そうなので更新です。
       >>149さん、どうもです。

157 :名無し娘。:2003/09/29(月) 23:14
おお、読みきりスレのやつとつながったよ

158 :名無し狩人:2003/10/01(水) 00:42
ピースドライブを開始して数分後、マルス1・2の両艦は
MJ−04付近に到着した。

「ピースドライブ終了!総員戦闘準備!」

飯田、安倍の声が両艦に響き渡った。

「マルス2、目標に到着、これよりオペレーションを開始します」

石川の声がマルス2の艦載機隊に伝わる。

「レッドリーダーへ、出撃後はイエロー隊と連携して
 敵艦隊を叩いてください」
「レッドリーダー了解!ケメンダヤス、出ます!」

保田が先頭で飛び出した。同じ頃マルス1からイエロー隊が
発艦を始めていた。

159 :名無し狩人:2003/10/01(水) 00:42
「速い・・・たった数分でここまで移動出来るなんて・・・」

石川の目の前のパネルにピースドライブに驚く、藤本の顔が映った。

「びっくりした?無理もないけど・・・すぐにバトルフィールドだよ。
 気を抜かないで指示に従って順次発艦して下さい」

石川は藤本の緊張を解くべく話しかける。
藤本は落ち着きを取り戻すと出撃体制に入った。

「了解!ブギ−03出ます!」

後藤のマックゴルドに続き出撃した藤本。
その後にレッド隊の面々が続く。

「レッドリーダーより、イエローリーダーへ。
 こっちで敵旗艦は叩く。残りの戦闘艦の攻撃をよろしく!」
「イエローリーダー了解。圭ちゃんずるいよ。おいしい所ばっか!」

160 :名無し狩人:2003/10/01(水) 00:42
保田の申し出を渋々受けた矢口

イエロー隊は敵艦隊サイドに向かって進んで行った。

「レッドリーダーよりレッド隊各機及びブギ−03へ、
 これより突入を開始する。レッド2、ブギ−03は私に続け、
 敵旗艦を叩く!レッド3・4・5は敵艦載機を叩け、援護を頼む!」

保田の指示によりレッド隊と藤本が敵艦隊目掛けて進む
そこで初めて今の状況が見えて来た。

161 :名無し娘。:2003/10/01(水) 20:32
はじめて見たけどおもろいね。
がんばってね、作者さん。

162 :名無し狩人:2003/10/01(水) 23:56
数隻の敵艦に囲まれる様になっている第三船団。
その船団を護衛する艦隊は酷くやられていた。

「マルス2よりレッドリーダーへ、敵戦闘艦は六隻。うち二隻は
 護衛艦隊が叩いた模様です。残りの四隻は健在。
 護衛艦隊には離脱の指示を出しました。残りは私達でケリを着けます」
「レッドリーダー了解!でもまだ護衛艦隊の艦載機が頑張ってるみたい」

マルス1オペレーター紺野の指示でネープルVをはじめとする
護衛艦隊は戦闘空域の離脱を始める。
だがその中にあって一つの艦載機隊が戦闘を続けていた。

「おかしいなぁ、あのチームは指示が届いてないのかな?」

離脱の指示が出ているのに撤退を始めない護衛艦隊の
艦載機隊に石川がコンタクトを取ろうとした時である。

 「ピーチリーダーよりマルス2へ、こちらネープルV艦載機隊
 ピーチの松浦です。マルス2に補給の要請をします」

戦闘を続けていた艦載機隊ピーチのリーダー、松浦から連絡が入った。

163 :名無し狩人:2003/10/01(水) 23:57
「マルス2よりピーチリーダーへ、撤退の指示が出ている筈です。
 戦闘は我々が引き受けます。直ちに戦闘空域から離脱して下さい」

松浦の突然の申し出を石川は却下する。
ピーチ隊にも戦線離脱の指示を出した。

「いやです。それは出来ません。やられた仲間の仇を取りたいんです。
 石川さん、お願いします!」
「ピーチリーダーへ、軍規に従って下さい。これ以上の戦闘行為は
 認めません。すぐに撤退を開始して下さい」
「石川さん・・・・私、このままじゃ悔しくって・・・お願いです!」

松浦の必死の頼みを石川は受け付けない。
だが石川も松浦の気持ちが解っていない訳では無い。
消耗したピーチ隊を、これ以上戦わせるのは危険と判断したからである。
そんな石川の気持ちは、今の松浦に届かなかった。
ただ闇雲に補給の要請を繰り返すばかりである。すると

「マルス2より、ピーチリーダーへ、マルス2艦長の安倍です。
 ピーチ隊補給の許可を出します。第二カタパルトにて補給を受けて下さい」
「ピーチリーダー了解!安倍さん、お心遣いに感謝します」

164 :名無し狩人:2003/10/01(水) 23:57
松浦の異常なまでの要請にマルス2艦長の安倍が折れた。
ピーチ隊は補給の為マルス2に着艦を始める。
だがこの決定に石川が怒り出した。

「安倍さん!いくら艦長でも勝手な真似は謹んで下さい。
 そんなことされたら困ります!作戦に影響が出るし示しがつきません。
 これじゃあ、オペレーターの意味が無いじゃないですか!」
「石川だって松浦の気持ちが解らない訳じゃないでしょ?やらせてあげようよ」
「・・・・でも、危険です!万が一の事があったら・・・」
「それは解ってるよ、責任は私が取る。だから、悪いけど第二カタパルトに
 ピーチ隊補給の指示を出して」
「もう、どうなっても知らないですよ!」

石川は渋々補給の指示を送る。
その指示により第二カタパルトではピーチ隊の補給が始まった。

165 :名無し狩人:2003/10/03(金) 00:13
「補給は素早く確実に!」

マルス2メカニック村田が他のスタッフに指示をだす。

「村田さん、ありがとうございます」

愛機の「ピンキーモンキー」から降りてきた松浦は村田に頭を下げた。

「艦長安倍さん、直々の許可なんて滅多にないからね。
 心して補給を受けるように!」
「ははぁ〜!!」

村田が笑いながらそう言うと松浦も笑顔で答える。

「それから松浦、これ!」

村田は松浦にピーチ隊人数分の栄養ドリンクを手渡す。

166 :名無し狩人:2003/10/03(金) 00:14
「機体だけじゃなくて自分の補給もしないとね。
 みんな疲れてるでしょ?」
「ありがとうございます。みんな喜びますよ!」

ドリンクを受け取った松浦は仲間の所に行くとそれを配る。そして

「ファイトー!」
「いっぱ〜つ!」

ピーチ隊の面々はドリンクを一気に飲み干した。

「全機補給完了!」

マルス2メカスタッフが補給の終了を伝える。
ピーチ隊のメンバーは機体に乗り込むと次々に飛び出して行った

167 :名無し狩人:2003/10/03(金) 00:14
その頃、レッド隊と藤本は敵艦載機を叩きながら
旗艦と思われる戦闘艦に攻撃を開始していた。

「喰らえ!」

藤本のブギ−03から放たれたミサイルが敵艦に向かう。
同時にケメンダヤス、マックゴルドからもミサイルが放たれ
三機がほぼ同時に放ったミサイルは敵艦に命中した。

「クソッ!あまり効果がないみたいだね。後藤、藤本、もっと接近するよ!」

保田は後藤、藤本に二次攻撃の指示をだす。
ケメンダヤスを先頭に、編隊を組んだ三機は態勢を整える。

「イエローリーダーよりレッドリーダーへ、こっちはほぼ片付いたから
 私達は援護にまわるよ!」
「レッドリーダー了解!矢口、サンキュー!」

保田達がいるポイントに矢口のセクビム以下
加護のザシチェッキ、辻のレスラッテ+が応援にやって来た。

168 :名無し狩人:2003/10/03(金) 00:15
「レッドリーダーよりレッド2、ブギ−03へ、突っ込むよ!」
「了解!」「了解!」

再び敵艦目がけて保田が突っ込もうとした時であった。

「うわー!何だ?・・・・誰だ?危ないじゃないか!」

保田の機体の先端ギリギリをかすめ、松浦のピンキーモンキーが
飛び込んできた。

「こらー!松浦!お前何考えてるんだよ!」
「ごめんなさい!でもあいつは私達にやらせて下さい!」
「バカ!何言ってるの!疲れた状態で無理するのは自殺行為だよ!
 それとも、これ以上仲間を犠牲にする気?」
「・・・・だったら・・・だったら、私1人でやります。だから・・・」
「ったく・・・あんたは・・・相変わらず頑固だね・・・解ったよ、後藤、藤本
 松浦と一緒に行け!他のピーチ隊は私に続いて、3人の援護だよ。
 松浦!もう一度態勢を立て直すんだ。矢口達も援護頼んだよ!」

松浦、後藤、藤本・・・・3人の機体が旋回を始める。
それを援護するようにレッド隊、イエロー隊、ピーチ隊の
各メンバーが敵艦載機に襲いかかった。

169 :名無し狩人:2003/10/03(金) 23:34
「松浦隊長!指示をお願いします」

藤本が松浦に話しかける。

「みきすけ・・・なんでここにいるの?ごっちんはわかるけど・・・」
「あははは・・・びっくりした?でもおしゃべりは後にしよう。
 攻撃の指示はあやっぺがやってよ。シャルウィ・アタック?」
「OK、じゃあ行くよ!1・2・3!」

態勢を整えた三機の戦闘機は松浦の掛け声とともに敵艦に襲い掛かった。

「目標!敵旗艦艦橋、ターゲットロック!」

3人は敵旗艦の艦橋にロックをする。

「アタァァァァァァック!」

それぞれの機体からミサイルが放たれる。
ミサイルはそのまま敵艦艦橋に吸い込まれて行った。

170 :名無し狩人:2003/10/03(金) 23:34
「着弾確認・・・・敵旗艦沈黙しました!」

松浦達の攻撃を確認した石川が報告を入れる。

「敵艦は沈黙した!マルス1主砲発射準備!」
「マルス2主砲発射準備!」

飯田、安倍、両艦長の指示によりマルス1・2両艦が主砲の
発射準備を整えた。

「マルス1よりレッド、イエロー、ピーチ各隊へ、本艦及びマルス2は
 主砲を発射します。射程圏内の機体は速やかに離脱して下さい。
 繰り返します。マルス1、マルス2は主砲を発射します。
 射程圏内の機体は速やかに射程圏内から離脱して下さい」

紺野が主砲発射を発射を伝える。レッド、イエロー、ピーチの各艦載機隊は
主砲の射程圏内から離脱を終えた。

「てぇぇぇぇぇぇ!!!」

飯田の声と同時にマルス1から強力なエネルギー弾が放たれる。
同時にマルス2の主砲も火を吹いた。

171 :名無し狩人:2003/10/03(金) 23:34
(ピカッ!!)

両艦のエネルギー弾の直撃を受けた敵艦隊が閃光に包まれる。
その直後敵艦隊は消滅した。

「作戦終了!イエロー隊は速やかに帰艦して下さい。
 繰り返します。イエロー隊は速やかに帰艦して下さい」
「イエローリーダー了解!みんな戻るよ!」

矢口のセクビムを先頭にイエロー隊が帰艦を始める。

「マルス2よりレッドリーダーへ、作戦終了です。お疲れ様でした。
 紅茶でも用意しておきますね」
「レッドリーダー了解!サンキュ!」

レッド隊と藤本も帰艦を始める、するとマルス2に通信が入った。

「ネープルVよりマルス2へ、本艦はカタパルト被弾によりピーチ隊の
 収容が出来ません。貴艦にピーチ隊収容の要請をいたします」
「マルス2よりネープルVへ、了解しました。
 マルス2よりピーチリーダーへ、帰艦は本艦に願います」
「ピーチリーダー了解。石川さん・・・・ありがとうございました。
 本当に・・・我がまま言ってごめんなさい」
「もういいよ。お疲れ様」

戦闘を終えた艦載機が次々に帰艦する。
先に着艦を終えていた藤本と後藤は松浦の着艦を待っていた。

172 :名無し狩人:2003/10/04(土) 23:39
(プシュー!)

着艦したピンキーモンキーのハッチが開く。
コクピットから勢い良く飛び出して来た松浦は二人のもとに走る。

「みきすけぇー!」

そう叫んだ松浦はそのまま藤本に抱きついた。

「お疲れ様、怪我はない?本当に良く頑張ったね」
「ありがとう・・・・でもね・・・・でも仲間がいっぱい・・・うわぁぁぁ・・・」

藤本の腕の中で泣き崩れる松浦、戦場では鬼になっても
戦いが終ればやはり、ただの女の子である。
そんな松浦に後藤が言った。

「あのね・・・上手くは言えないと思うけど・・・・みんなさ、立派に戦って・・・
 それで立派に散って行ったんだよね。だからさ・・・・ね。
 散って行ったみんなを笑顔で送ってあげようよ。
 そうじゃないとみんな安心して天国に行けないよ」
「・・・・うん、そうだよね。みんな・・・大切な仲間なんだ・・・
 もう泣かないよ、だから安心して・・・・ありがとうみんな・・・」

後藤の言葉に落ち着きを取り戻した松浦、その目に涙を浮かべながも
精一杯の笑顔をみせた。

173 :名無し狩人:2003/10/04(土) 23:40
全ての艦載機が着艦を終え少ししての事であった。

「総員艦橋に集合!繰り返す、総員艦橋に集合」

マルス1・2両艦でほぼ同時に艦長から艦橋に集まる様指示が入った。

「どうしたの?何かあった?」

突然の集合のアナウンスに保田が慌てて艦橋にやって来た。

「圭織がね、散っていった護衛艦隊の仲間をみんなで送ってあげようって」

安倍は艦橋に集まったメンバーに召集の理由を説明する。
事の始まりは戦いが終った直後の事である。
マルス1艦長飯田から安倍に連絡が入った。
その連絡とは、この戦いで名誉の戦死を遂げた護衛艦隊の
仲間の霊を慰めるべく、生き残った自分達でその旅立ちを
見送ってあげようではないか、と言う物である。
その提案に賛成した安倍はすぐにマルス2のメンバーを艦橋に集めたのだ。
そして・・・・

174 :名無し狩人:2003/10/04(土) 23:40
「これよりこの戦いで散っていった戦士に弔意を示し黙祷を行う。
 偉大なる戦士諸君、君達は明日の人類の力となりました。
 我々もまた、諸君の意思を継ぎ戦います・・・・・黙祷!」

飯田の言葉がマルス1・2の両艦に響き渡った。
その声を合図に両艦のメンバーは黙祷をする。

「黙祷終わり!偉大なる英霊に敬礼!」

またしても飯田の声が響くと今度はメンバー全員で敬礼を行った。
見送りを終え、両艦が帰還の準備に入った時である。

「安倍さん、中澤さんより連絡が入ってます!」

石川がそう告げると安倍は通信機を手に取った。

175 :名無し狩人:2003/10/04(土) 23:40
「安倍です」
「お疲れさんでした。そんな所悪いんやけどマルス2はそのまま
 第三船団の護衛について貰いたい。
 護衛艦隊も大打撃を受けたみたいやし、他に護衛をつけるとなると
 時間もかかる。大切な資源やから予定通り運ばないと
 問題も発生しかねないからな。よろしく頼むわ」
「了解しました。これよりマルス2は第三船団の護衛任務に就きます」
「悪いな、それと村田おる?」

安倍の了解を得た中澤は今度は村田を呼び出す。

「村田です」
「お疲れね。悪いけど村田達にも追加の任務や。
 ダメージを受けた護衛艦隊の修理も同時にやって貰いたい。
 移動しながらでええから頼むわ」
「了解しました!」

こうしてマルス1は帰路につき、マルス2は第三船団の
護衛の任務を与えられた。

「さようなら・・・・」

松浦がそう呟くと第三船団とマルス2は戦場を後にした

176 :名無し娘。:2003/10/05(日) 10:32
読みきりの分はこれで終わったのかな
これからの話にも期待

177 :名無し狩人:2003/10/05(日) 23:44
(;`_´)<・・・・本日近所の運動会に狩り出されますた。
       終ってから飲めない酒を飲まされ撃沈。
       夕方6時ごろに氏んで今、目が覚めますた。
       本日はお休みです。あー、胃が痛い・・・

178 :名無し娘。:2003/10/05(日) 23:47
俺のご近所も運動会だったから痛いほどわかるぞその状況

179 :名無し娘。:2003/10/05(日) 23:52
>>177
僕も下戸なので>>178さんじゃないんですけどよく判ります。毎回楽しみに
してますが、ご無理なさらぬよう。

180 :名無し狩人:2003/10/06(月) 20:11
マルス1・2がMJ−04付近で戦っていた頃
火星衛星基地アレスの近くでも戦いがあった。

「民間船キーダムのSOS信号をキャッチ!ポイントMSー10」

斉藤がSOS信号の受信を伝える。

「近くの警備艇は・・・・・ありゃ、ここから出るのが一番速いか・・・」

レーダーをみた柴田は警報を発令する。

(MS−10付近にてSOSをキャッチ、戦闘艇ピーチ−!スクランブル)

アレスに配備されているマルスタイプに次ぐスピードを誇るのが
このエスパタイプの小型戦闘艇「ピーチ−」である。
因みに松浦のピーチ隊とは関係はない。

「石井、お前の任務はあくまで敵の注意を引く事や、
 すぐに他の戦闘艦も出すから無茶すんなや!」
「了解!ピーチ−出ます!」

戦闘艇ピーチ−の指揮を取るのは石井リカ中尉。
ピーチ−は勢い良くアレスを飛び出して行った。

181 :名無し狩人:2003/10/06(月) 20:12
「戦闘艦ガスプラ出撃準備!」

マルスタイプとは別にアレスに配備されている戦闘艦ガスプラに
出撃命令が下った。
ガスプラは連邦軍の主軸を形成するセレス級戦闘艦で
アレスには同型艦のイダ、マチルダなどが配備されている。
ただしこのセレス級にはピースドライブは装備されていない為、
通常のスクランブル任務にはほとんど出撃する事はない。

「ガスプラ、発進しました」

新垣の声に中澤はレーダーを見つめる。

「ピーチ−が問題の空域に侵入します!」
「敵の様子は?」
「それが・・・・レーダーには反応しないんですよ」
「ステルス艦・・・って事か?」
「解りません・・・・」

キーダムからは今もSOSが発信されている。
つまりまだキーダムは健在なのである。

「ピーチ−よりアレスへ、キーダムを発見、海賊に襲われています」
「アレス了解!とにかく敵の注意をこっちに惹きつけてください。
 ガスプラがそちらに向かいました。それまで頑張って下さい」

182 :名無し狩人:2003/10/06(月) 20:13
石井からの連絡に斉藤はガスプラが出撃した事を伝える。
ピーチ−はガスプラ到着まで海賊を相手にする事になったのである。

「ピーチ−よりアレスへ、駄目です。敵の戦力が・・・・
 戦闘艦二隻で・・・艦載機も多数・・・」

アレスに緊張が走る・・・このままではガスプラが到着する前に
キーダムだけでなくピーチ−までもがやられてしまう。

「クソ!よりによってこんな時に・・・・ん?まてよ・・・」

中澤は何かを思いついた様に戦闘艦ドックに連絡を入れた。

「はい、大谷です。どうしました?」
「大谷、フリージアはすぐに出せるか?」
「へっ?・・・あっ、はい・・・」
「OKそんじゃ準備しといてや!」
「りょ、了解!」

中澤はそう言うと新垣に田中、道重、亀井の3人を呼びに行かせ
自分もロッカールームで着替えを始めた。

183 :名無し狩人:2003/10/06(月) 20:13
「中澤さん、みんな連れて来ました・・・・・ってその格好まさか・・・」

3人を連れて来た新垣はパイロットスーツに身を包む中澤を見て絶句する。

「田中、道重、亀井、出撃や!三分で準備しろ!」
「・・・・えっ?」

突然の指令に3人があっけに取られていると

「返事は?」
「りょ、了解!」

訳の解らぬまま3人もパイロットスーツに着替えた。

一方こちらは戦闘艦ドック。
ここでは今、パイロットスーツに着替えた大谷がスタッフに四機の戦闘機を
訓練艇フリージアに載せるように指示を出していた。
訓練艇フリージアは元々マルスタイプの試作型戦闘艇である。
マルスタイプ完成後その役目がなくなり研究の為このアレスに送られて来た。
フリージアはその後、アレスのメカニック達の教材となりその役目も終えると
今度は大谷や村田達の手によっていろいろ改造が施された。
またフリージアはマルスタイプの試作型なのでここアレスから
今、ピーチ−が頑張っている現場までならピースドライブも可能なのだが
あくまで試作機なので航行距離はその程度が限界である。
そして今現在は訓練艇として連邦軍には登録されているのだが
ある意味、大谷個人の持ち物と言っても過言ではない状態にある。

184 :名無し狩人:2003/10/06(月) 20:14
「積み込み終わりました」
「よし、こっちは準備OKだね」

大谷は満足そうに笑う。
フリージアに積み込まれた戦闘機は
田中の愛機「ノギ−メタンア」 道重の愛機「サーユナルシス」
亀井の愛機「キースギテック」 そして・・・・
中澤の愛機「クロウブライド」の四機であった。

「中澤さん、準備おわりましたぁ」
「よっしゃ、そんじゃ行くで!」

ドックに下りてきた中澤は張り切っている。

「でも本当に行くんですか?」
「当たり前やろ!こいつらの実力を見るのに絶好の機会やんか。
 圭織達がおらんのやから、私が行くしかないないやんなぁ」

中澤は後ろを歩く田中達3人にそう言ったが3人の笑顔は
明らかに引きつっていた。
本来なら仕事は明日からの筈、それがまったく予期しない出撃命令に
怪しげな戦闘艇、さらにその現場指揮官がよりによって中澤である。
田中達3人は半ばヤケクソに近い状態であった。

「ごめんなさい、準備出来ました!」

そこにぶかぶかの慣れないパイロットスーツを着た柴田が走って来る。
柴田はレーダー係り兼オペレーターとしてフリージアに乗るように
中澤に言われて来たのである。

185 :名無し狩人:2003/10/06(月) 20:15
「本当にこいつで大丈夫なの?だいたい実戦に使うの初めてでしょ?
 それにだいぶいじってあるみたいだし・・・・」

フリージアを見上げる柴田が不安そうに言う。
フリージアが初の実戦投入と聞き既に道重は半泣き状態である。

「大丈夫だって、安心しなさい。ほら、道重もそんな顔すんじゃないの!
 大谷さんを信じなさい!」

大谷は自信満々にそう言うと5人と共にフリージアに乗り込んだ。
6人が乗り込んだフリージアはカタパルトへと移動を開始する。

(フリージアリフトUP)・・・・・クゥィ−ン!!
フリージアを載せたリフトが動き始める。

(ゲートオープン)・・・・(ゲートオープン)
カタパルトのゲートが開く。

(オールライト!Let’s GO!)
カタパルトのシグナルが光を放つそして・・・

「フリージア発進!」

大谷の声と共にフリージアは宇宙空間へと飛び出して行った。

186 :名無し狩人:2003/10/08(水) 00:24
「座標入力・・・」

ピースドライブの準備に入った大谷。
フリージアはマルスタイプと違い、ピースドライブを行うのに
多少の手間がかかるのだ。

「自分で言い出しといてなんなんやけど・・・大谷、ホンマに大丈夫なん?」
「中澤さん、今更遅いですよ。では行きますよ!ピースドライブスタート!」

大谷の声と共にフリージアは光に包まれる。
ピースドライブにより超空間に突入したのである。

「時間にして二、三分ですかね・・・ほらもうすぐ終りますよ」

超空間では窓に映る景色などない、ただ眩しい光が見えるだけである。
そんな光のなかで大谷は計器を見つめ目的地に近づくと
ハローエンジンの出力を下げて行った。

「ピースドライブ終了!・・・・ってあれ?どこだここ?」

187 :名無し狩人:2003/10/08(水) 00:24
予定では目の前に敵とピーチーのの姿が見える筈であった。
しかし目の前に広がるのは宇宙空間だけである。

「柴田!どうなってるの?」
「ちょっとまって・・・・げっ!行き過ぎだよ!」

柴田の見つめるレーダーはピーチーの機影がフリージアの
後ろにあると示している。

「うーん、イマイチ調子が出なかったかったか・・・
 まいいや、すぐ近くにいるんでしょ?」
「・・・・うん・・・・すぐちかくにいるよ・・・ほら・・・囲まれてる」

柴田がそう言って窓を指差す。見るとフリージアはいつの間にか
敵艦載機に囲まれていた。

188 :名無し狩人:2003/10/08(水) 00:25
「アホー!何やってんのや!」

中澤が怒りの雄たけびを上げる。

「のーぷろぐれむ・・・見ててください!」

大谷はそう言うが既に敵の艦載機の攻撃が始まっていた。

「えーい、ごちゃごちゃと・・・蛾トンボが、さかしいよ!」

大谷はそう言うと手元にあったボタンを押した。

「おらー!消えやがれぇ!」

大谷の叫びと共にフリージアから無数のミサイルが飛び出す。
その様子はまるで散弾銃の乱れ撃ちとでも言ったらいいだろうか?
放たれたミサイルにより周りにいた敵機は次々に叩かれて行く。
難を逃れた敵機は慌てて逃げて行った。

189 :名無し娘。:2003/10/08(水) 00:40
「さかしいよ!」ってキャラ・スーンだっけ?

190 :名無し娘。:2003/10/08(水) 01:33
>>189
U.C.系ガンダムなら誰でも言いそう
プル・トゥーとか

191 :名無し狩人:2003/10/09(木) 00:21
「わははは、口ほどにもない!」

大谷はそう言うと機首を敵艦の方向に向けた。

「敵さんは何も言っとらんがな。それより今のはミサイルの無駄遣いと違うの?
 あんなに一気に使ったらもったいないやん」
「大丈夫です。もうやりませんから」
「あたりまえや!これ以上無駄遣いされてたまるか!
 ミサイルかてタダじゃないんやで!」
「いや、無駄遣いしようにも、今ので搭載していたミサイル全部使いました」
「アホ!何考えとるんや!それやったらどうやって戦うねん」
「無問題!まだキャノン砲があります!」
「・・・・もうええ・・・お前には付き合っておれんわ。
 そんじゃ行こうか!田中、道重、亀井、準備はええか?」

大谷の暴走に呆れた中澤は3人にそう言うと格納庫に向かう。

192 :名無し狩人:2003/10/09(木) 00:22
「準備よし!柴田、開けてくれ!」

出撃準備の整った四機の戦闘機は格納庫が開くと飛び出して行った。

「ええか、お前達の経歴は解ってるつもりや。もちろん即戦力になるって事もな。
 そやから今更細かい事は言わん、とにかく叩けるだけ敵を叩け。
 今日の所はとりあえずこのチームをゴールド隊とする。
 田中がゴールド2、道重がゴールド3、亀井がゴールド3や。
 うー・・・久しぶりの現場や、腕が鳴るなぁ・・・」

中澤は3人にそう言うと敵に攻撃を開始した。

「ゴールドリーダーよりフリージアへ、キャノン砲で敵を牽制してくれ。
 その隙にうちらが突っ込む!」
「フリージア了解!攻撃を開始します」

193 :名無し狩人:2003/10/09(木) 00:22
フリージアが敵に向かってキャノン砲を放つ。
その隙に中澤他三機は敵艦に向かって突進した。

「フリージアよりピーチーへ、柴田です、援護に来ました。
 これよりピーチーはフリージアの指揮下に入って下さい」
「ピーチ−了解!援護って・・・柴田ちゃんフリージアって
 ドックにあった、あのオンボロ?」
「オンボロとは何だ!れっきとした訓練艇だぞ!」
「ごめん、大谷ちゃんも来てくれたんだ。ありがとう。それじゃあ指示をお願い」
「それでは指示を出します。敵艦は二隻ですね。艦載機は中澤さん達が
 引き受けてくれるそうですので、私達は戦闘艦を攻撃します。
 とりあえず一隻ずつ担当しましょう」
「ピーチ−了解しました。中澤さんも来てるんだ・・・」

中澤が来ていると聞き石井は少しビビっている様子であった。

194 :名無し狩人:2003/10/09(木) 00:28
>>189
( `_´)<イメージとしてはレズン・シュナイダ−(だったかな?)
       なのですが、そう言われるとキャラの方が合ってる気がする。
       でもプル2とかも言いそうですね。

195 :名無し娘。:2003/10/09(木) 04:39
> 田中がゴールド2、道重がゴールド3、亀井がゴールド3や
亀井がゴールド4でOK?

196 :名無し娘。:2003/10/09(木) 13:07
あたしが直撃を受けている!?が大谷の最後か

197 :名無し狩人:2003/10/10(金) 23:48
迫り来る敵機、それに臆する事もなく自在に動き回る中澤
数からいえば圧倒的に不利な状況であるが、それを感じさせない。
そしてそれはいつの間にか新人の3人にも伝わっていた。

「おおっ、すげーな、あの3人。しかっり中澤さんについて行ってるじゃん。
 機体の性能もあるとは思うけど、腕も確かな様だね」

中澤の動きにしっかりと追従する3人に大谷は驚いていた。
中澤が乗るクロウブライドは連邦軍型式SF−15Sと言う
連邦軍の主力戦闘機の強化版である。
一方、田中のノギ−メタンア、道重のサーユナルシス、亀井のキースギテックは
連邦軍次期主力戦闘機として開発されたSF−22Rであった。
機体性能で言えば田中達のSF−22Rの方が上なのは解るが
中澤のパイロットとしての腕はそんな性能の差など感じさせない超一流である。
なので普通であれば経験の浅いパイロットは中澤についていけない。
だが3人はしっかりと中澤に追従しているのである。
大谷の驚きはこんな理由からであった。

198 :名無し狩人:2003/10/10(金) 23:48
「もう、そっちは中澤さんに任せて、こっちに集中してよ。
 オートコンバットなんて訳の解んない装置じゃ心配なんだから」
「ごめん、ごめん。でも敵のマイティチャフを何とかして貰わないと
 こっちの攻撃もあまり意味がないからね。あの4人には頑張って貰わないと」

柴田の言った「オートコンバット」とは大谷が趣味で作り上げた
自動応戦装置である。迫り来る敵やミサイルに対し自動的に反応し
応戦を始める装置なのだが、今の所実験段階であり
大谷は柴田に黙っているが今回が初の実戦投入なのである。
そんなまだ不安定な装置に不安をもっている柴田は
応戦を完全にその装置に任せていた大谷に不満をぶつけたのだ。

「ゴールドリーダーよりフリージアへ、対艦ミサイル射程圏内に入った。
 これより敵艦に対し攻撃を開始する。トドメは任せたで!」
「フリージア了解!成功を祈ります。フリージアよりピーチーへ
 ゴールド隊が対艦攻撃を開始します。敵艦の沈黙を確認次第
 総攻撃を行って下さい」
「ピーチ−了解です」

199 :名無し狩人:2003/10/10(金) 23:49
遂に敵艦にたどり着いたゴールド隊、敵艦に対艦ミサイルを叩き込むべく
準備を開始した。

「ゴールドリーダーより各機へ、田中は対艦ミサイルを準備や
 うちと一緒に敵艦にオミマイするで!道重、亀井は残っとる
 敵機の相手をするんや。ええな!」
「ゴールド2了解!」「ゴールド3了解!」「ゴールド4了解!」

中澤の後に続く田中、その2人を援護するように飛行する道重と亀井。
その連携は初めてとは思えないほど見事な物であった。

「まったく嘘みたい。本当にあの子達実戦経験浅いの?」

田中、道重、亀井の3人の動きを見ていた石井もまた驚きの声を上げた。
いったい、3人がどんな訓練を受けて来たのか想像も出来ない様子であった。

200 :名無し狩人:2003/10/11(土) 00:01
>>195
( `_´)<まったく気がつきませんですた。ありがとうです。
>>196
( `_´)<大谷さんはたぶんやられる事は無いと思います。
       なぜって?それは大谷さんだからです。

( `_´)今日の私・・・本屋さん三軒も回ったのに「おいら」
      が置いてありませんでした・・・・で、思わず・・・
      メロンの写真集買っちゃいました!

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