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小説?『娘。戦記』
- 1 :名無し狩人:2003/09/08(月) 17:51
- 【ご挨拶】
どうもです。名無し狩人と申します。
羊で小説もどきをやっておりました。
誰でも参加OKと言う管理人さんのご厚意に甘え
こちらで一つ始めさせていただきたいと思います。
管理人様、及び狩狩板の皆様。よろしくお願いいたします。
- 25 :名無し娘。:2003/09/10(水) 00:07
- ちょっとした疑問なんだが、
火星基地防衛が任務なのにワープが必要なのか?
- 26 :名無し狩人:2003/09/10(水) 00:18
- 「補足大谷」
( `_´)<>>25任務は火星基地の防衛でありません。
宇宙のならず者と戦うのが任務です。
お話にも出ましたが、現実に置き換えると航路監視隊が
海上保安庁、「アレス」基地は海上自衛隊だと考えて下さい。
マルスは太陽系の定期航路には何処でも出動します。
説明不足でした。ごめんなさい。
- 27 :名無し娘。:2003/09/10(水) 01:29
- ピース・ドライブを使ってるときは浦島効果はないとして、
通常エンジンによる高速移動時(特に戦闘中)の浦島効果は結構あるんじゃないかな
- 28 :名無し狩人:2003/09/10(水) 08:26
- 「補足大谷」
( `_´)<>>27ご指摘の通りですね。実はそれも考えていたのですが
それを考えると大変だったのでシカトしました。
でも良く考えたら、結構ありそうですね。
(;`_´)<と言う事で、そう言う事もあるかも知れないけど
それほど影響はなかったって事で勘弁して下さい。
- 29 :清酒名無娘。:2003/09/11(木) 00:20
- マルスはローマ神話での「戦いの神」ですよね。
ギリシャ神話の「アレス」の別名で、そのまま火星のことでもあります。
おりしも大接近中の火星が夜空に見えています。
ところで、ローマ神話とギリシャ神話って、どっちが古いのでしょう?
…続きを楽しみにしています(^^)。
- 30 :ナナシ娘。:2003/09/11(木) 00:45
- >>29
>ローマ神話
>出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
>ローマ神話とは、読んで字の如く古代ローマで伝えられた神話。
>ローマ人は本来、神々を抽象的な霊性と考え、擬人化して神話を紡ぐ事はなかった。
>しかし、紀元前500年頃より ギリシャの影響を受けて、 ギリシャ神話を自分達の神々の
>名に置き換え、これを自民族の神話として受け入れるようになった。
>やがてウェルギリウスやオウィディウスらにより、ローマ神話は文学にまで昇華した。
と言うことのようですので、古いのはギリシャ神話の方みたいです。
- 31 :名無し狩人:2003/09/11(木) 01:23
- 「グリーン1、2へ、弾幕はそのままです。被弾しないで下さいね」
「またぁ?紺野ちゃん最近無理な注文が多いよ」
「そうですか?でも、お2人なら出来ますよね?」
「・・・・了解!」
グリーン隊の2人はため息をつくと、マルス1の弾幕の中に飛び込んだ。
グリーン隊の機体はイエロー隊のそれとは仕様が違う。
ミサイルなど対艦兵器は装備されていない。だがその分、機動性に優れ
運動性能は僚艦から放たれる弾幕をぬって敵機への攻撃が可能なのだ。
もっともこれは、その為だけに訓練されたグリーン隊の鈴音、あさみ、だから
出来る芸当だとも言える。
「♪あ〜嫌になるな、も〜この弾幕、ふ〜今日も標的だよ、命がけだ〜」
「鈴音!変な歌、唄わないでよ!」
「だってさー・・・・よしっ!こいつで最後っと」
鈴音はそう言うと最後の敵機を叩く。弾幕にやられたのもあるが
二十機いた敵機をグリーン隊は二機で倒し終えた。
「任務完了!紺野さーん!」
「はい、お疲れ様でした。帰艦してください」
「了解!」
- 32 :名無し狩人:2003/09/11(木) 01:24
- グリーン隊が着艦を始めた頃、矢口達イエロー隊が敵艦に
アタックを始めた。
「全員揃った所で一気に行くよ」
イエロー4、5が到着してイエロー隊の五機は敵艦に向けて
一斉にミサイルを放った。
ミサイルは敵艦を直撃する。するとその直後予想外の出来事が起こった。
「うそっ!・・・各機、全速離脱!」
矢口は通信機に向かって叫んだ。
本来敵艦の機能を停止させる為に放ったミサイルであったが
ミサイルが直撃した敵艦は大爆発を起こしたのだ。
- 33 :名無し狩人:2003/09/11(木) 01:25
- 「マルス1よりイエロー隊各機へ、大丈夫ですか?」
「イエロー1生きてるよ」
「イエロー4大丈夫です」
「イエロー2無事です」
「イエロー5機体に損傷を受けましたが大丈夫です」
四機からは返答があった。だが
イエロー3、レスラッテの辻希美の応答がない。
機影もレーダーから消えていた。
「イエロー3、応答してください!」
「辻?・・・おいっ!辻ぃーーー!」
「辻ちゃん!」
「のの!、返事せんかい!」
「辻さん!!」
紺野やイエロ−隊のメンバーが呼びかけるが辻からの返答は無かった。
- 34 :名無し狩人:2003/09/11(木) 01:43
- また短くてスマソ。
ふむ、古いのはギリシャ神話ですか。
二つともごっちゃになりやすいですね。
水星・マーキュリー=ヘルメス
金星・ヴィーナス=アフロディア
火星・マルス=アレス
木星・ジュピター=ゼウス
土星・サターン=クロノス
天王星・ウラノス
海王星・ネプチューン=ポセイドン
冥王星・プルトン=ハデス
私の記憶では天王星のウラノス以外はローマ名があるみたいですね。
まあどっちでも良いちゃ良いんですけど。
- 35 :名無し娘。:2003/09/11(木) 10:30
- 乙。このペースで十分ですよ。
- 36 :名無し娘。:2003/09/11(木) 16:06
- ま、ましゃかののはステーキ食い残してた、ってことは・・・
- 37 :名無し娘。:2003/09/11(木) 22:49
- ( ●´ー`)<続きだべ!
「のんちゃん返事しなさい!」
艦長飯田の叫び声が通信機に響く。
「紺野!すぐに・・・」
「もうやってます。マルス1よりイエローリーダーへ、
レスラッテの機影がレーダーから消えました。
レスラッテは爆発に巻き込まれた可能性が高いです。
敵艦爆発直前のレスラッテの位置、その他を計算すると
辻さんが脱出していた場合、爆風に飛ばされて
この範囲にいると思われます。捜索をお願いします」
紺野はそう言うとデータをイエロー隊に送る。
データを受け取ったイエロー隊は辻の捜索を開始した。
「辻ぃ〜、何処にいるんだよぉ・・・」
必死に辻の姿を捜すイエロー隊、マルス1からグリーン隊や
その他艦載機が出動し、捜索にあたったが辻は見つからない。
- 38 :名無し娘。:2003/09/11(木) 22:49
- 「衣吹ちゃん、まだ辻の救難信号はキャッチできないの?」
「辻ちゃんの意識がしっかりしていれば信号を発信する筈だけど
オートシグナルも壊れているみたいだし、辻ちゃんが自発的に
信号をだしてくれないと駄目だね。
きっとショックで意識を失ってるんだと思う」
辻発見の唯一の希はSOS信号である。
本来、軍の戦闘機には緊急脱出すると同時に信号を発信するシステムが
搭載されているのだが、今回はそれが機能していなかった。
後は辻自身が持つSOS発信装置があるが辻が意識を失っていた場合
それを発信する事はもちろん出来ない。
焦るマルス1の面々、時間だけが過ぎていった。
「アレスよりマルス1へ、中澤や、残念やけどタイムリミットや
辻の捜索は航路監視隊に任せて一度戻るんや」
「裕ちゃん、お願い。あと一時間、いや30分でいいから・・・」
「圭織!艦長のあんたがそんな事でどうすんの?
私だって辻の事は心配やし、今すぐそっちに行って一緒に探したい。
でもな、それは出来んのや。解るやろ?」
- 39 :名無し娘。:2003/09/11(木) 22:50
- 辻遭難は勿論アレスにも連絡は行っていた。連絡を受けた中澤は
すぐに捜索の指示を出した。
しかしここに来てマルス1に帰還命令を出した中澤。
これは軍規に定められた決まりなのである。
戦闘終了後の行方不明者の捜索は基本的にはその者が所属する
部隊が担当する。しかしその時間は四時間。
これは専属の捜索隊が現場に到着するのにかかる時間であり
それ以上の捜索は捜索隊にゆだねられるのである。
今回の辻遭難で中澤はEM−07に駐留する軍の捜索隊に
出動要請をした。連絡を受けた捜索隊は既に現場に到着し
マルス1と共に辻の捜索にあたっているのである。
「飯田さん、捜索開始から既に六時間です。戻りましょう」
「・・・・・解った・・・捜索隊に帰艦命令を出して」
飯田は矢口達に帰艦する様に紺野に指示を出す、その後すぐに
ブリッジから出て行く。
「大木さん、着艦の誘導をお願いします」
それを見た紺野は大木に矢口達の着艦の誘導を頼むと
飯田の後を追った。
- 40 :名無し娘。:2003/09/11(木) 22:51
- 「イエローリーダーへ、順次着艦を開始してください」
「あれっ?紺野は?」
「よく解らないけど飯田さんの後を追ってブリッジを出てったよ」
「ふーん」
大木の誘導で着艦を終えた矢口、機体から降りてくると
第二カタパルトの方が騒がしいのに気がついた。
「艦長、駄目です・・・」
「うるさい!放せ!」
見ると愛機「デイ・オウル」に乗り込もうとする飯田を整備班が
必死になって止めている。
「ったく何やってんだよ」
呆れた矢口が飯田の所に行こうとすると、そこに紺野が現れた。
- 41 :名無し娘。:2003/09/11(木) 22:51
- 「飯田さん・・・いえ、艦長!いい加減にして下さい。
みんなだって気持ちは同じなんです。私だってすぐにでも
こいつに乗って飛び出したい!でもそれは出来ない・・・・
解ってるでしょう?もう時間なんですよ。
帰還しないと私達だけじゃなくてアレスのみんなや
中澤さんにだって迷惑がかかるんです」
「そんなの解ってるよ、だから私だけ置いてみんなは帰って良いよ」
「何言ってるんですか!艦長を置いて帰れる訳ないですよ。
さっきも言ったけど既に規則の四時間は過ぎてるんです。
中澤さんだって処分を受けるのを覚悟で二時間も余裕をくれたんです。
これ以上私達がここにいたら中澤さんはどうなるんですか?」
「だったら私が責任を取ってやめる。ののを置いて帰れないよ」
「飯田さん!失礼します!」
紺野はそう言うと右手を振り上げた。
それを見た矢口は思わず目を伏せる。
(パシッ!)矢口はそんな音が聞こえると思っていた。だが
(ボカッ!)以外にも鈍い音が聞こえて来た。
- 42 :名無し娘。:2003/09/11(木) 22:52
- 「まだ解らないんですか?捜索隊の人だって必死に辻さんを
捜してくれているんです。だからそれを信じて私達は・・・・あれっ?」
「・・・紺野、そう言う時はグーじゃなくてパーだよ・・・」
矢口が慌てて走って来た。見ると飯田は紺野の一撃でのびている。
「ごめんさない・・・つい・・・」
「まあいいよ。こうでもしないと頭に血が上った圭織を止められないでしょ」
矢口はそう言うと紺野と二人、気を失った飯田を抱え医務室に向かった。
「マルス1よりアレスへ、これより帰還します」
「アレス了解!」
「辛いけど我慢やで、捜索隊を信じようやないか、なあ圭織」
「圭織なら医務室だよ」
「何で?」
「紺野が見事にノックアウトしたんだよ」
「・・・・そうか・・・やっぱ紺野にして正解やったな・・・」
- 43 :名無し娘。:2003/09/11(木) 22:53
- 中澤と矢口はこんな会話を交わした。
紺野で正解・・・・以前マルス1のオペレーターは
マルス2の石川であった。普段艦長として何の問題もない飯田だが
一度壊れると今回の様に何を始めるか解らない。
そしてまずい事にそれは石川も一緒だった。
もし2人が同時に壊れた場合、ブリッジは大混乱である。
そこで中澤はアレスの電算機と呼ばれた紺野をマルス2から
マルス1に移動したのだ。
「マルス1より捜索隊へ、これより本艦は帰還します。
辻の捜索をよろしくお願いします」
「捜索隊了解!お任せください」
辻の捜索を任せマルス1はアレスに向けて移動を開始した。
「辻ちゃん・・・無事でいてね・・・・」
「ののは絶対に生きてる。ミカちゃん、大丈夫だよ。
まだ食べかけのお菓子が残ってるんだ。
それを残して死ぬ訳ないよ」
現場を放れるマルス1の窓から、ミカと加護は辻の無事を祈った。
- 44 :名無し娘。:2003/09/11(木) 23:27
- HN違うけど、別人?
ともあれ更新乙。
- 45 :名無し狩人:2003/09/11(木) 23:44
- >>44
やべ!本当だ、気がつかなかった。
別人じゃないですよ。他のスレに書いてそのままだったみたいです。
ついでにレス
>>35
どうもです。でるきだけ日を空けずに更新しようかと思っております。
>>36
一瞬誤爆かと思った。柿崎君だね。って事で最後に少し入れてみました。
辻がどうなるかは・・・バレバレですか?
- 46 :名無し娘。:2003/09/11(木) 23:47
- 登場人物の説明とかあったらもっと楽しめるかも
でしゃばってゴメンちょ
- 47 :名無し娘。:2003/09/12(金) 00:34
- >>46
そういうのはおいおい出てくるのが、うまい小説ですよ
- 48 :名無し狩人:2003/09/13(土) 00:01
- 「識別信号確認。誘導ビームに乗って進入して下さい。お疲れさま」
「マルス1了解!」
アレスオペレーター斉藤の誘導でマルス1はゆっくりとドックに侵入する。
操縦を担当する小川が一番緊張する瞬間である。
「エンジン停止、リフトオン」
無事帰還したマルス1は船体を固定用のリフトに乗せる。
ハッチが開くと乗艦していたメンバーは司令室に走った。
「裕ちゃん、捜索隊から連絡は?」
矢口は司令室に飛び込むなり中澤に聞く。
「まだ何の連絡も来とらんよ。とにかく一度休むんや」
「大丈夫、オイラここにいるよ」
「アカン、今は休憩が必要や、辻の事が心配なんは解る、でも休んどけ」
「・・・・オイラがあんな指示を出さなければ・・・・
無理して敵艦に突っ込んで・・・・」
「アホ!矢口のせいや無い。そんなん誰が悪いとかあるかぁ!
みんな精一杯やったんや。それの何処がアカンねん」
「でも・・・」
「いいから休め!これは命令や!後ろの連中も、ええな!」
「・・・了解!」
- 49 :名無し狩人:2003/09/13(土) 00:02
- 中澤に一喝されたマルス1のメンバー、辻の安否が気になるが
中澤が命令と言ったからにはそれに従うしかなかった。
アレス戦闘司令官中澤裕子。彼女はこの火星衛星基地
「アレス」に駐留する連邦軍の指揮官でありマルス隊の指揮だけなく
アレス軍の指揮の全てを任されているのだ。
そんな中澤の階級は大佐である。普段は裕ちゃんなどと
気軽に呼んでいる矢口であるがそんな矢口の階級は大尉で
一小隊の指揮官に過ぎないのである。
つまり中澤と矢口は本来、上官と部下の関係で、普段あまり「命令」
と言う言葉を使わない中澤のその命令は絶対なのだ。
「矢口さん、休息も必要ですよ」
「うん、解ってる・・・」
紺野は矢口にそう言うと自分の部屋に消えて行った。
「裕ちゃん、ののは?」
マルス1のメンバーがはけて行った司令室に
目を覚ました飯田が飛び込んで来た。
「・・・・・まだ連絡はない!」
「?・・・何怒ってんの?」
「何でもない!いいから圭織も休め!」
「私、ここにいるよ」
「・・・・・いいから、や・す・め!命令や!ええな!」
- 50 :名無し狩人:2003/09/13(土) 00:03
- 何が起こったのか解らない飯田はぽかんとしている。
そこにレーダー班の柴田がやって来た。
柴田はアレスのレーダー班の班長で常にこの司令室にいる。
なので先程の中澤と矢口のやり取りも見ていたのだ。
「飯田さん、とにかくここを出ましょう・・・」
「どしたの裕ちゃん、凄く機嫌悪いみたいだけど・・・」
「実は・・・・」
柴田は事情を説明する。それを聞いた飯田は納得した表情を浮かべた。
「解った、それじゃあ捜索隊から連絡がきたら教えて」
「はい、解りました」
その頃、マルス1が戦った現場では捜索隊による辻の捜索が続いていた。
「前方を航行中の船舶に告ぐ、こちらは連邦軍です。
ここから先はただ今調査区域となっています。
速やかに指示に従い、迂回して下さい」
捜索隊が展開する区域に一隻の小型船が進入しようとしたが
それを止められた。
- 51 :名無し狩人:2003/09/13(土) 00:04
- 「あちゃー・・・遅かったみたいやね。連邦軍が相手じゃどうにもならんな」
「仕方ないよ、下手に動いて逮捕でもされたらアホみたいじゃん」
「あー、こちら貨物船ナノニイ−コ。了解しました。指示をお願いします」
「ご協力に感謝します。迂回航路を送ります」
捜索隊より送られた迂回航路図を受け取った小型船は
進路を変え始めた。
「最近はこの商売も厳しくなって来たんかなぁ。
戦闘が終ると調査隊がおる事が多いやん」
「そんな事ないでしょ、あれは連邦の捜索隊だよ。
多分行方不明者が出たんだと思う」
「そうなん?どうでもええけど邪魔やなぁ」
ナノニイ−コと名づけられたこの小型貨物船に乗る2人は
戦闘があった場所で使えそうな物を回収して商売にするジャンク屋である。
今回もマルス1の戦闘の噂を聞きつけやって来たのだが
残念ながらこの区域は連邦軍に封鎖されていて侵入出来なかった。
2人は仕事を諦めるとこの場を後にしようとしていた。
- 52 :名無し狩人:2003/09/13(土) 00:13
- >>46
上手いかどうかは別にして>>47さんの仰る様に、おいおい出て来ると思います。
と言う事で、引き続きよろしくお願いします。
- 53 :名無し娘。:2003/09/13(土) 01:10
- 乙です。
毎日がんばるなぁ、根詰めすぎないでくれい。
- 54 :名無し狩人:2003/09/13(土) 23:31
- ( ●´ー`)<続きだべ!
「今日はアカンかったな。あちこち回ったけど大した収穫もあらへんかった」
「そうだね、これじゃあ赤字だよ・・・・ん?」
「どうしたん?」
「見てあれ!」
そんな会話をしていた2人の視界に何やら飛び込んで来た。
「あれは・・・・戦闘機のシートか?やりぃ、バーニアがついとるやん」
2人の乗る船の前に浮かんでいたのは戦闘機のシートであった。
バーニアとは移動用のジェット推進器の事であり、
緊急脱出を図ったパイロットがその後シートに座ったまま移動出来る用に
取り付けられている物でこの装置がついているシートは高く売れるのだ。
「お宝、お宝・・・早速回収や!」
2人はそう言うと船体に取り付けられたアームを操作しシートを回収する。
「やったね、今日はツイテルぞ」
大喜びで2人は現場を後にした。
- 55 :名無し狩人:2003/09/13(土) 23:31
- 「えっ?もう一度おねがいします」
「ですから、もうこの空域は捜し尽くしました」
辻遭難から丸一日が経とうとしていた。
捜索隊による懸命の捜索にも関わらず辻の消息は不明であった。
つい先程アレスに捜索打ち切りの連絡が入って来たのである。
「中澤さん・・・・」
連絡を受けた斉藤が中澤を見る。
「アレスの中澤です・・・了解しました。皆さんのお力添えに感謝します」
中澤はそう言うと捜索隊との通信を終える。
「裕ちゃん・・・・ののは・・・ののは見つかったの?」
既に休息を終えた飯田が中澤にしがみついた。
- 56 :名無し狩人:2003/09/13(土) 23:32
- 「圭織・・・・残念やけど・・・・・」
「そんな・・・・私やだよぅ・・・・そんなのやだよぅ・・・」
「仕方ない・・・・辻かて軍人や、それ位の覚悟は出来とった筈や」
「わあぁぁぁぁぁ!!!」
辻の生存が絶望視された今、飯田はその場に崩れ落ちた。
「嘘だ・・・・辻が・・・・」
「のの・・・・嘘やろ・・・・」
その場にいたマルス1のメンバーは信じられないと言った表情を浮かべる。
マルス1のマスコット的存在であった辻がいなくなってしまった。
特に飯田は辻を実の妹の様に可愛がっていたので
そのショックは計り知れない。
「とにかくみんな落ち着くんや・・・といっても無理やな・・・・
柴田、圭織を部屋に連れて行ってや」
「了解!」
中澤の指示に柴田は席を立つと飯田と一緒に司令室を出て行った。
- 57 :名無し狩人:2003/09/13(土) 23:32
- 「圭織にはショックが大きすぎるな。しばらくは・・なっち頼んだで!」
中澤がそう言って指名したのは「安倍なつみ」
このアレスに配備されているマルス級戦闘艦の二番艦
「マルス2」の艦長で階級は飯田と同じ少佐である。
安倍もまた辻の事ではショックを受けていた。
だが飯田よりは落ち着きを保っていたのである。
「了解しました。みんな大丈夫?」
安倍はそう言うと後ろを振り返る。
後ろにはマルス2のメンバーが控えている。
メンバーはショックを受けながらも、安倍の言葉に大きく頷くのであった。
- 58 :名無し狩人:2003/09/13(土) 23:38
- >>53
何と言ったら良いか。このペースが染み付いている様です。
毎日の気晴らしにもなるので無理はないですよ。
- 59 :名無し娘。:2003/09/14(日) 13:13
- 頼もしいねぇ。更新乙。
- 60 :名無し娘。:2003/09/14(日) 23:29
- 「保田さん、どうですか?」
「うん、良いよ。反応速度が上がったって言うのかな?
自分の思う様に動いてくれるね」
辻の訃報を受けた翌日の事である、アレスのまわりを
一機の戦闘機が飛んでいた。
乗り込んでいるのはマルス2艦載機隊「レッド」のリーダー
保田圭大尉である。
保田は前から整備班に自分の愛機「ケメンダヤス」の
反応速度が速くならないか相談していた。
反応速度とは・・・操縦桿を操作してから実際に機体が
アクションを起こすまでのタイムラグの事である。
「良かった。ダイレクトコントロールが、上手く働いてくれてるみたいですね」
「えっ?テストはしたんでしょ?」
「いいえ、今の飛行が始めてですよ」
- 61 :名無し娘。:2003/09/14(日) 23:30
- 保田と会話をしているのはアレス戦闘艦ドックのメカニック、大谷雅恵中尉。
大谷は昨日新しく導入されたユニット「ダイレクトコントロール」を
保田の機体に取り付けそれをテストしているのである。
「なんだよ、私は実験台かよ」
「だって、早く試したいって言ったのは保田さんですよ。だから一番に・・・」
「そりゃそうだけど・・・」
「大丈夫、私よりはるかに優秀なエンジニアが開発した物ですよ。
それに保田さんの腕を信頼しているからこそお願いしたんですから」
「ダイレクトコントロール」・・・このユニットは連邦軍の兵器開発部門で
開発された物で、戦闘機の反応速度を向上させる新機能である。
- 62 :名無し娘。:2003/09/14(日) 23:30
- 「成果は上々、充分使えるよ」
「それじゃあそれで前からの課題はクリアって事で良いですか?」
「OK、期待以上の仕上がりだよ」
「そうですか・・・・」
「ん?どうした大谷?」
「いえ・・・・これがせめてあと二日早く届いていれば・・・・」
「大谷!どんな事でもタラレバは無い!私達の仕事は今できる事を
精一杯やる!そうでしょ?」
「はい、スイマセン!」
大谷が何を考えていたのか保田はすぐに理解した。
あと二日早くこのユニットが届いていれば・・・・
そんな大谷の悔しい思いが保田には痛いほど解った。
なぜならそれは保田も同じだからである。
- 63 :名無し娘。:2003/09/14(日) 23:34
- 川’ー’川 オメ!
川o・o・)<ハッピバースデー!
- 64 :名無し狩人:2003/09/14(日) 23:36
- また名前間違えました・・・・・ 川o・д・)<ダァァァァァ!!
- 65 :名無し狩人:2003/09/15(月) 23:59
- 「もう戻るよ、データは取れた?」
「はい、充分です」
アレスに戻った保田、機体から降りると大谷の肩に手を置いた。
「最高の技術で最高の状態に・・・ね!」
「はい、今私に出来る事はみんなの機体をそしてマルスを
最高の状態で送り出す事ですね」
大谷の言葉に小さく頷いた保田はエレベーターの方へ歩き出す。
「ありがとうございました!」
後姿の保田に大谷はこう言ってお辞儀をする。
保田はそれに応える様に軽く右手を上げた。
司令室に戻った保田は自分の席に座る飯田を見つけた。
- 66 :名無し狩人:2003/09/16(火) 00:00
- 「圭織、少しは落ち着いた?」
「・・・ごめん、心配かけて・・・・でも・・・もう大丈夫だよ。
ののは生きてる、絶対・・・・」
「当たり前じゃない。辻が見つからないって事は何処かで
生きてるって事だよ。そのうち連絡もあるでしょ」
この慰めにも似た保田の言葉。
だがあながちテキトーに出た言葉でもない。
それは保田が心の隅で思っている事でもあるのだ。
「そうだよね、うん。辻はきっと帰ってくる」
保田の言葉に元気付けられた飯田はやっと笑顔を見せた。
2人の祈り・・・いや、マルス隊、そして辻に関わった全ての人間の祈り。
その祈りは神に通じたのあろうか・・・・
- 67 :名無し狩人:2003/09/16(火) 00:00
- 話は二週間後に飛ぶ。
「こんにちはー!」
「まいどー!」
「お腹すいたー!」
地球と火星の間に浮かぶ民間ドック「ハーモニー」
ここはその中にある一軒の小さな喫茶店「E−ジャン」
そこの女主人は3人の来店客を笑顔で出迎えた。
「お久しぶりですね、平家さん、稲葉さん。
そちらの方は?新しいお仲間ですか?」
女主人の名は「ソン・ソニン」。ソニンは今しがた店にやってきた
客とは馴染みの様である。
- 68 :名無し狩人:2003/09/16(火) 00:01
- 「いや・・・仲間って言うか、拾い物って言うか・・・」
「実は最近ゲットしたお宝にくっ付いとってな・・・捨てる訳にもいかんし
なんや記憶喪失みたいやし、仕方ないから一緒におんねん」
そう言ったのは「平家みちよ」と「稲葉貴子」
この2人は勿論小型貨物船「ナノニイーコ号」の乗員である。
その2人が最近ゲットしたお宝と言えば・・・
マルス1の戦いがあった現場で手に入れたバーニア付きのシート。
そのシートは戦闘機の物であった。
そしてそのシートに付いて来たおまけ・・・・
話はまた二週間前に戻る・・・・(あーややこしい)
- 69 :名無し娘。:2003/09/16(火) 00:19
- 毎日更新乙です。
- 70 :名無し狩人:2003/09/16(火) 23:42
- 川σ_σ||今日はお休みです。
- 71 :名無し狩人:2003/09/17(水) 23:16
- お宝を回収した平家と稲葉。2人の乗るナノニイーコ号は
地球圏を目指し発進する。
「さてと、後は途中でどれくらいお宝を見つけられるかやな」
「そうだね。あのシートとここまで集めた物を足しても
必要経費くらいにしかならないかな」
赤字は免れたが儲けを出す為にはまだ足りない様である。
2人はこれからの航程で他にも売れる物を見つける為
休む事にした。
「オートパイロット作動」
平家は操縦をオートパイロットに切り替えると稲葉と2人眠りに就く。
どれくらい時間が経ったであろうか?稲葉は物音で目を覚ました。
- 72 :名無し狩人:2003/09/17(水) 23:17
- (ドン!ドンドン!開けろー!ドン!)
「何や!・・みっちゃん、起きてや!オバケや、オバケがおる!」
「何?どうしたの?」
稲葉に叩き起こされた平家はそこでやっと船内に響く音に気がついた。
(ドン!開けろー。ドンドン!)
「オバケや、オバケが貨物室におるんや!」
「うそ!・・・でも・・・声も聞こえるし、夢じゃないね」
「そうやろ。この船にはうちらしかおらんのやで、オバケや!」
「オバケって・・・・でも誰かいる事は確かみたい。開けてみようか」
「いやや、怖い!」
「そんなこと言ったて仕方ないでしょ」
- 73 :名無し狩人:2003/09/17(水) 23:17
- いつの間に入り込んだのか、ナノニイーコ号の貨物室に
人が入り込んでいる様である。
「あっちゃん、銃は?私が貨物室の扉を開けるから
もしおかしな奴ならお願いね」
「ああ、解った。でもすぐに閉められる様にしといてや」
覚悟を決めた2人、平家は貨物室の開閉ボタン押した。
「うわぁ!」
扉の開いた貨物室から1人の女の子が飛び出してくる。
稲葉は銃を構えると叫んだ。
- 74 :名無し狩人:2003/09/17(水) 23:18
- 「動くな!いや、そのままゆっくりと顔を上げろ!」
出てきた女の子はその場に転んでいたが稲葉の言葉を聞くと
ゆっくりと顔を上げながら言った。
「・・・・ここ何処?あんた誰?」
「はぁ?何言ってるの?こっちが聞きたいよ。
貴女こそ誰?この船にいつ忍び込んだの?」
女の子の言葉に平家は少しキレ気味に言った。
「・・・・わかんない。思い出せないよ。
気がついたらあの椅子に座ってた・・・・ねえ、ここ何処なの?」
女の子はそう言って今まで自分が座っていたと言う椅子を指差した。
その椅子とは、あの戦場で拾ったシートである。
どうやら女の子はそのシートが装着されていた戦闘機のパイロットの様だ。
平家と稲葉はこの小柄な女の子が座っている事に気がつかずに
シートを回収したのである。
- 75 :名無し狩人:2003/09/19(金) 00:12
- 「まいったなぁ。パイロットがおったとは気がつかんかった。
みっちゃんどうする?」
「どうするって・・・ここに置いてく訳にもいかないでしょ。貴女名前は?」
平家は女の子に聞いた。
「だから、解んないの」
「へっ?どう言うこっちゃ」
「貴女ひょっとして・・・・記憶がないの?」
「うん」
どうやらこの女の子は記憶喪失の様である。
自分が何者なのか思い出せないでいた。
- 76 :名無し狩人:2003/09/19(金) 00:12
- 「困ったなぁ・・・。それじゃあ、送っていくって訳にもいかないし
このパイロットスーツは、連邦軍かな?でも見たことないなぁ」
平家は女の子の着ていたパイロットスーツを見たが
それだけでは女の子が何処の所属なのか解らなかった。
なぜなら、もう既にお気付きだろうとは思うがこの女の子こそ
行方不明になっている、イエロー3こと辻希美である。
辻は一般の連邦軍人が着ているパイロットスーツとは
違うデザインのスーツを着用していた。
これはマルス隊のパイロット全てがそうなのだが
試験的に好きなデザインのスーツの着用が許されているのである。
「何か手がかりになる物があれば良いんだけど・・・・
何もないか・・・ん?これは・・・」
- 77 :名無し狩人:2003/09/19(金) 00:13
- そう言って平家が見つけた物は辻の胸のワッペンに記されていた
「NON」の文字。
本来「NONO]と入っていたのだがそれは階級章や
所属の記されたワッペンと一緒に脱出時の爆発で
何処かに飛ばされてしまったのだ。
「ノン・・・か。でもこれはたぶん名前だなぁ。
これだけじゃ貴女の所属は解らないわね」
「そうなの?どうしよう?」
「お前、記憶が無い割にはのんきやな」
「わかんない物はしょうがないじゃん。悩んだって意味無いでしょ?」
「そりゃそうだけど・・・・」
辻のあっけらかんとして態度に2人は思わず笑い出した。
- 78 :名無し狩人:2003/09/19(金) 00:14
- 「仕方ない、思い出すまで一緒に連れて行こう」
「それしかないな。そんじゃ、何て呼んだらええかな?」
「ノンで良いよ。ここに書いてあるし」
辻はそう言うと自分の胸を指差した。
こうして辻は平家、稲葉と行動を共にする事になったのだが
かなりの我がままぶりを発揮した。
しかしそこは元々アレスでもマスコット的存在であった辻の事
2人はたいしたモンクも言わないでいた。
はたして辻の記憶は戻るのか?
話はまたまた二週間後に戻る (あー本当にややこしい)
- 79 :名無し娘。:2003/09/19(金) 00:28
- 定期乙。
特殊なデザインなら、逆に一発でマルスだってわかったりして・・・
- 80 :名無し娘。:2003/09/19(金) 05:04
- 更新乙です
辻のん気杉w
>>79
敵(って言っていいのかな?)も同じ事してたらどうなんだろう
とかそのレス見て思った
勢力図が分かんないとどうとも言えないけど
- 81 :名無し娘。:2003/09/19(金) 15:46
- 某公国軍なんか改造軍服だらけだぞw
- 82 :名無し娘。:2003/09/19(金) 16:24
- 敵は軍隊じゃないんだよね?
- 83 :名無し狩人:2003/09/19(金) 23:47
- 「とまあ、そう言う訳や」
稲葉は、辻が一緒にいる理由をソニンに説明した。
「そうだったんですか。ノンちゃんね。私はソニン、よろしくね」
ソニンはそう言うと3人にコーヒーを出した。
「ごはん、まだ?」
「おっと、そうやったな。ソニン、カレーライス三つや。
まったくこいつには参ったで。スペースレーヨンには飽きたから
なんか違うもん食わせろって・・・困った居候やな」
そう言いながらも笑顔の稲葉を見てソニンは言う。
- 84 :名無し狩人:2003/09/19(金) 23:48
- 「確かに毎日スペースレーヨンじゃ飽きるかも知れないですね。
ノンちゃん待っててね。すぐ作るから」
「うん、稲葉さんは太陽系一美味しいカレーだって言ってたよ」
「一番美味しいかは解らないけど、自信はあるよ。
天然栽培の材料を使った本物だからね。
オマケに太陽野菜のサラダもつけてあげるね」
「本当?やったー!!」
辻はソニンの言葉を聞いて大喜びだった。それは何故か?
ソニンの言う「太陽野菜」とは太陽光を利用して育てた野菜の事である。
この時代の食材は殆んどが人工栽培の物で、天然栽培の食材は少ない。
人工栽培は天然のそれと比べるとコストも安く大量生産が可能なので
農業の主流は人工栽培なのである。
だがこの民間ドック「ハーモニー」には珍しく天然栽培を目指す
農業プラントがある。そこで作られた野菜は人工物と比べると
その味はまったく違う。辻が普段口にする物は、
人工物の食材で作られた料理やスペースレーヨンなのだ。
だから「太陽野菜」と聞いた時の辻の反応は当然と言えるかも知れない。
因みにスペースレーヨンとは宇宙食の事である。
- 85 :名無し狩人:2003/09/19(金) 23:49
- それからしばらくして3人の前にカレーが運ばれて来た。
「うーん、美味しそう・・・いっただっきまーす!」
辻は嬉しそうにカレーを頬張る。平家も稲葉もそれに習った。
「あー美味しかった。ごちそう様でした」
満足そうに笑う辻を見てソニンは微笑む。
「満足してくれた?」
「うん、とっても美味しかったよ」
「ありがとう、そう言ってもらえるのが一番うれしいよ」
- 86 :名無し狩人:2003/09/19(金) 23:49
- こうして3人が食事を終えた頃、ドックの外壁に位置する
「Eージャン」の窓に強烈な光が飛び込んで来た。
「なんだ?」
光が消えるとそこには一隻の戦闘艦が姿を現した。
「あれは・・・マルス・・・か?」
その戦闘艦の姿を見た稲葉は呟く。
「うそ?ちょっと・・・こんな所で戦闘行為する気?信じられない!」
そう言ってソニンが怒るとその戦闘艦はすぐに方向を変え飛び去って行った。
「緊急出動か?おおっ、始まったみたいやな」
遠くの方で光が飛び交うのが見える。どうやらそこで戦闘がはじまった様だ。
- 87 :名無し狩人:2003/09/20(土) 00:01
- ( `_´)<何やら意外なことが話題になっている様ですね。
まずマルス隊の敵ですが今のところ正式な軍隊ではありません。
宇宙海賊とでも言ったら良いですかね。
大きな組織ではありません。ただしこれからは解りませんよ。
( `_´)<それから平家さん達は自由業です。
ですから辻ちゃんが何処の所属であったとしても
敵、味方は無いのです。
みっちゃんは「いい子」なので困ってる人がいたら
たとえそれが「ガミラス星人」でも助けます。
- 88 :名無し狩人:2003/09/20(土) 22:05
- 「ここからそう遠くはないみたいだね。終ったら行ってみようか?」
「そうやな、状況はここから解るし、アレスの戦闘艦みたいやったから
すぐに決着もつくやろ」
平家と稲葉は仕事の話を始めていた。それを聞いていたソニンは
呆れた様に苦笑いを浮かべると辻にアイスクリームを差し出した。
「これ食べて、サービスでいいよ」
「ありがとう・・・・」
差し出されたアイスクリームを手に取った辻であったが
少し前から様子がおかしい。目の前に戦闘艦が現れてから
なにやらソワソワしているのだ。
「どうしたの?アイス溶けちゃうよ」
「うん・・・」
ソニンにそう言われアイスクリームを口にする辻であったが
遠くで展開する戦闘に見とれている。
- 89 :名無し狩人:2003/09/20(土) 22:06
- 戦闘艦が現れてからだいぶ時間が経った。
だが依然として戦闘が終る様子はない。
「何やおかしいな、いつもならとっくに決着がついとる筈や」
「そうだね、マルスじゃなかったのかな?」
稲葉と平家がそんな会話をしていると
「あれはマルスだよ。マルス2だった」
「そう?でもそれにしては時間がかかってるよね。
マルスタイプなら並みの海賊は手も足も出ない筈だよ」
「って事は並みの相手やないって事やな・・・・ん?
ノン、お前何か思い出したんか?今「マルス2」って言うたやろ?」
辻が何気なく吐いた言葉に稲葉が反応する。
- 90 :名無し狩人:2003/09/20(土) 22:07
- 「あっ、なんでだろう?なぜかそう思ったんだよね。
それに・・・私、今あそこに行きたい気持ちでいっぱいなんだ。
行かなくっちゃって。ねえ連れてってよ」
約二週間一緒にいた辻が、始めて2人に見せる真剣な表情。
2人は辻がマルスと何か関係がある事を確信した。
「でもなぁ、戦闘空域に入って行くなんて自殺行為やで
それにうちらの船じゃ戦闘には不向きやしなぁ」
稲葉は辻の頼みに難色を示した。
単なる貨物船であるナノニイーコ号でバトルフィールドに突入するのは
危険な行為である。
「そうだね、行ってあげたいけどナノニイーコ号じゃ
武装が貧弱すぎるんだよ。だから・・・」
「お願いします。どうしても行きたいの!」
- 91 :名無し狩人:2003/09/20(土) 22:07
- 辻の必死の頼みに2人は悩んだ。するとそこにソニンが言った。
「確かナノニイーコ号は(シスコM型)でしたよね。
だったら・・・・ついて来て下さい」
ソニンはそう言うと3人を港まで案内する。
「なんやソニン。ここに何かあるんか?」
黙って先頭を歩くソニンに、稲葉は聞いた。
「ここです。この倉庫の中の物を使って下さい」
「中の物?・・・」
ソニンはそう言って倉庫を開けた。薄暗い倉庫の中に何かが見える。
ソニンは倉庫の照明を点けた。
- 92 :名無し狩人:2003/09/20(土) 22:08
- 「これは・・・・戦闘機やないか。なんでこんなもん持ってんの?」
「この戦闘機は昔の相棒が置いていった物です。
私じゃ使えないから、ノンちゃんに使って貰えれば・・・」
「相棒?・・・ああ、そう言えば昔おったな。ユウキやったっけ?
何や旅に出るとか言ってどっか行ってるんやったな」
「はい、最近は連絡も取れなくなちゃって・・・こいつも私に任せるって・・
何でもユウキのお姉さんが昔使っていた物らしいんですけど」
ソニンはそう言うと一着のパイロットスーツを辻に手渡した。
「ユウキが使っていた物だから少し大きいと思うけど・・・」
「いいの?大事な物なんじゃ・・・」
「今の私には必要ない物だから・・・それにさっきの話を聞く限り
ノンちゃんはパイロットみたいだし、きっと乗りこなせるよ」
辻はソニンからスーツを受け取るとコクピットに向かった。
機体の脇にあるハシゴをのぼるとキャノピーの開閉ボタンを押す。
キャノピーが開くと辻はコクピットに滑り込んだ。
- 93 :名無し狩人:2003/09/20(土) 22:08
- 「どうやノン。行けそうか?」
「うん・・・・不思議だけど解る。何だか凄く懐かしい気がするよ」
「そう、でも・・・ソニンちゃん本当にいいの?」
「はい、シスコM型ならこいつも乗せられますよね。
ノンちゃんがあんなにあそこに行きたがってるなら
そうさせてあげましょう。ひょっとしたら記憶が戻るかも」
ソニンの言葉に大きく頷く平家と稲葉。
港のスタッフに頼みソニンからの贈り物は早速ナノニイーコ号の
甲板に乗せられた。
「ノンちゃん、気をつけてね」
ソニンはそう言うと辻の頭を撫でた。
「ありがとう、ところでこのコの名前は?」
辻はソニンから送られた機体の名前を聞く。
- 94 :名無し狩人:2003/09/20(土) 22:09
- 「サントマミ」
「どう言う意味?」
「さー、知らない。でも昔活躍した有名なパイロットの愛機の
名前らしいよ」
辻はソニンに別れを告げるとナノニイーコ号に走って行った。
「そんじゃまたね」
稲葉も船に向かう。
「あっ、これカレーのお金。おつりはとっといて」
「ありがとうございます。またよって下さいね」
平家からカレー代を受け取るとソニンはお礼を言って戻って行った。
「よし、それじゃあ出発しよう。ナノニイーコ発進!」
平家の合図と共にナノニイーコ号は戦場に向けて発進した。
- 95 :名無し娘。:2003/09/20(土) 22:23
- 後藤の愛機か・・・いいなぁ
- 96 :名無し狩人:2003/09/20(土) 23:54
- 「マルス2よりレッドリーダーへ、グリーン隊が補給の為帰艦します。
敵艦載機の方はよろしくお願いします」
「レッドリーダー了解!でも早くしてよ。こっちもキツイんだから」
「マルス2了解!」
マルス2は今まさに戦闘状態にある。
敵の戦力は戦闘艦が五隻、艦載機多数。
それに対してマルス2側の戦力はマルス2の他に
近くの軍の基地からやって来た警備艇が二隻。
艦載機も敵のそれと比べると少ない。
戦力としては圧倒的に不利な立場にあった。
「レッドリーダーよりレッド3へ、紗耶香!まだ?」
マルス2艦載機隊の「レッド」
率いるのは一番機「ケメンダヤス」の保田圭である。
二番機「マックゴルド」のパイロットは後藤真希
三番機「テレパシー」のパイロットは市井紗耶香
四番機「ケッカ−」のパイロットは吉澤ひとみ
五番機「スコロンダ」のパイロットは木村絢香
以上5人、五機で編成されているのが「レッド」である。
- 97 :名無し狩人:2003/09/20(土) 23:55
- 「レッド3よりレッドリーダーへ、まだ修理が終んないよ」
「そんな・・・早くしてよぉ。村田!頼むから頑張って!」
レッド隊三番機、レッド3・市井の機体は被弾して修理中である。
保田は市井の機体の修理を急ぐ様にマルス2のチーフメカニックである
村田めぐみに言った。
「メカ班からレッドリーダへ、あと10分頑張って下さい!」
「レッドリーダー了解!」
久々の手強い相手にマルス2のメンバーも必死であった。
「何や、苦戦しとるみたいやな」
現場近くに到着したナノニイーコ号。
近くに浮かんでいた隕石の様な岩の陰に船体を隠し
戦いの様子を窺っている。
- 98 :名無し狩人:2003/09/20(土) 23:56
- 「敵の戦闘艦・・・どっかで見たことあるぞ、あれは確か・・・・
そうだ!ナンバカーズの戦闘艦だよ」
「そうかあのカラーリング・・・見たことあると思っとったけど・・・
ナンバカーズの「タマヨ」やな」
ナンバカーズ・・・それは主に宇宙海賊達で構成された組織で
この太陽系航路では恐れられている存在なのだ。
そして稲葉の言った「タマヨ」とはナンバカーズでもその実力は
かなり物とされる一団である。
「ふふふ・・・ええとこで会ったやないか。タマヨには借りもあるしなぁ
なんと言っても奴らは懸賞つきのお尋ね者や。
ここは一丁、連邦の助太刀と行こうか!」
マルス2と戦う相手を見た稲葉と平家の表情が変わった。
タマヨには過去に何度か、お宝を横取りされた事があり
2人はその借りを返すチャンスをずっと待っていたのである。
- 99 :名無し狩人:2003/09/21(日) 00:08
- ( `_´)<少し出来たので追加うP。
ここではマルス2の登場になる訳ですが、
マルス2のグリーン隊の2人の機体の名称が浮かばない。
誰になるのかはお解かりだと思いますが
特徴って言うか象徴って言うか何かありましたっけ?
- 100 :名無し娘。:2003/09/21(日) 01:09
- うーん・・・事故死とピンク映画・・・?
- 101 :名無し狩人:2003/09/21(日) 01:50
- ( `_´)<やっぱりそれしかないですかね・・・
あの頃はあまりカントリーに興味なかったし
強いて言えばモーニング刑事で見たくらいでしょうか・・・
ってそっちじゃなくて現役の方です。
どっちも牧場のイメージがないのでどうしようかと。
- 102 :名無し娘。:2003/09/21(日) 02:15
- どっちも娘正式メンバー選考落ち
- 103 :名無し娘。:2003/09/21(日) 09:43
- 里田はヤンタンでは、「〜だべ」と北海道弁で売ってますね。後はセクシーか。
「ドサンコ・セクシー」とか…
みうなは静岡ぐらいしか…
- 104 :名無し娘。:2003/09/21(日) 12:43
- 里田はロマンスぐらいしかしらんなぁ
みうなに関しては無印象
強いて言えば里田が来た辺りから農業色が薄くなった?
- 105 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:39
- 「補給完了!ノンクラクション出ます!」
そう言って飛び出したのは、たった今補給を終えたマルス2所属の
グリーン隊、三番機「ノンクラクション」のパイロット里田まいである。
里田はバトルフィールドに出ると、すぐさま迎撃態勢に入った。
「補給完了!ホカノドーガ出ます!」
続いてグリーン隊、四番機「ホカノドーガ」が補給を終えて飛び出した。
パイロットはグリーン隊の新人、斎藤美海である。
「グリーン3よりレッドリーダーへ、補給が終りました。任務に戻ります」
「レッドリーダー了解!後は任せたよ!」
グリーン隊の戦線復帰によりマルス2の防衛にあたっていた
保田のケメンダヤスは敵艦に向かって飛び去って行く。
「レッドリーダーよりレッド隊各機へ、ミサイルその他、残量を確認せよ」
「レッド2、まだ半分以上残ってます」
「レッド4、まだ行けるYO−!」
「レッド5、まだOKです」
「上等!みんなたいしたもんだ。それにしても・・・・市井のやつ遅いぞ!」
敵艦の周りにいる艦載機のだいぶ減っている。
このあたりで一気にけりをつけたい保田であったが
レッド3の市井がまだ戻って来ない為、迂闊には敵艦に近づけなかった。
- 106 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:40
- その頃、ナノニイーコ号では辻の出撃準備が進んでいた。
「ええかノン。決して無理はするなよ。ヤバイと思ったらすぐに逃げや。
後はお前の運と実力だけや、お前の実力・・・しっかり見してや」
既に機体に乗り込んでいる辻に対して稲葉は声をかけた。
「了解!最終チェック・・・出撃準備完了!サントマミ・・・出ます!!」
勢い良く甲板を飛び出した辻は機首を迷わず敵艦に向けた。
「さてと・・・そんじゃこっちも行きますか・・・みっちゃんええか?」
「良いよ、それでは久々に・・・・やりますよ」
稲葉の言葉に頷いた平家は手元のボタンを押す。
「バトルモード、変身!」
平家がそう言うとナノニイーコ号は変形を始める。
通常の武装はレーザー砲が二門だけのこの船。
だがこのバトルモードにすると更に砲が二門増えて
合計四門。さらにミサイル発射管が二門現れる。
ナノニイーコ号バトルモード「イーコボンバー」である。
「突撃ー!」
- 107 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:41
- 辻に続き、ナノニイーコ号もバトルフィールドに突入する。
突然参戦してきた二機をマルス2のレーダーが捕らえた。
「右舷に接近する物体があります・・・識別信号・・
民間貨物船のナノニイーコ号です」
「民間船?退避勧告だして」
マルス2レーダー班、北上アミ准尉の報告に
マルス2艦長の安倍はオペレーターの石川に指示を出した。
「ナノニイーコ号・・・聞こえますか?こちらは連邦軍のマルス2です。
この空域は現在戦闘状態にあります。
危険ですから速やかに退避して下さい。繰り返します。
こちらは連邦軍です。ナノニイーコ号、速やかに退避して下さい」
石川がナノニイーコに退避勧告を出す。すると
「あー、こちらナノニイーコ号、助太刀いたす」
「はい?」
「そやから、うちらも手伝う言うとるんや、苦戦しとるみたいやからね」
稲葉からの思わぬ返答に石川は安倍を見た。
- 108 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:41
- 「・・・アミちゃん、ナノニイーコのタイプは?」
「えーと・・・シスコM改ですね。シスコMの武装強化型です」
「一緒にいる小型機は?」
「SF−14R艦載用戦闘機です。機体コード不明、識別は・・・・うそ?」
「どうしたの?」
「識別・・・イエロー3・・・・」
「えっ?のの?まさか・・・機体が違うしそんなの有りえないよ」
「確かに機体確認コードは違うけど、識別コードは・・・辻ちゃんです」
北上の報告にブリッジにいた全員が驚きの表情を浮かべる。
戦闘中の戦闘機は通常二種類のコードを発している。
一つが機体本体を現す機体確認コード、そしてもう一つが
その機体に乗り込むパイロットが任意に打ち込む識別コードである。
本来であればこの識別コードは使う事はない、なぜなら識別コードは
そのほとんどが軍のみで使用され、民間人が使用する機体には
それを発信する装置はないのである。
時にはその装置が搭載された機体はあるがほとんどが使用されないか
コードを発信していたとしても未登録コードがほとんどなのだ。
そして今現れた機体は機体コードこそ不明であるが
識別コードは間違いなく連邦軍に登録されたコードである。
識別コード発信装置が搭載されたこの機体に辻は無意識の内に
自分の識別コードを打ち込んでいたのだ。
- 109 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:42
- 「とにかく今はそれは忘れよう。みんな仕事に集中して。
石川、ナノニイーコには協力をお願いして、
全てが終ればあの機体に乗ってるパイロットも確認できる」
「了解!マルス2よりナノニイーコへ、ご協力に感謝します。
私は戦闘オペレーターの石川です。戦闘中は私の指示に従って下さい」
「ナノニイーコ了解です」
「ありがとうございます。では貴艦は敵艦隊側面から攻撃を行って下さい。
敵艦隊のかく乱が狙いです」
「ナノニイーコ了解!これより作戦を開始します」
石川の指示によりナノニイーコは敵艦隊側面に陣取った。
一方既に敵艦隊に向かっていた辻は・・・
「後藤!突っ込みすぎだよ!」
一瞬ではあったがマルス2のブリッジに生じた混乱で
レッド隊の指揮系統にも混乱が生じていた。
その指揮の乱れによりレッド2、後藤のマックゴルドは
友軍機より敵艦に接近していたのである。
それを確認した保田は後藤に注意を促したが
次の瞬間マックゴルドは敵艦載機に後ろを取られてしまった。
- 110 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:42
- 「しまった・・・・」
「後藤!気をつけて!すぐ後ろに一機いるよ」
「駄目だ・・・引き離せない・・・」
敵機に狙われた後藤、必死に回避を試みるがついに敵機にロックされた。
「やられる・・・・」
後藤がそう思った瞬間、突然後ろにいた敵機が爆発した。
「あれっ?・・・・誰?」
仲間によって救われたと思った後藤であったが自分の近くには
誰もいない事は解っていた。では誰が・・・
そう思った後藤の視界に一機の戦闘機が姿を現す。
それを見た後藤は驚きで言葉を失った。
- 111 :名無し狩人:2003/09/22(月) 11:44
- ( `_´)<皆さんも一緒ですか。結局2人は歌詞から取りました。
ご協力に感謝です。
- 112 :名無し娘。:2003/09/22(月) 17:30
- グリーン隊は呪われてたりして
- 113 :名無し狩人:2003/09/22(月) 21:58
- 「・・・・・」
一体なぜ?・・・・後藤は混乱している。
ここに存在する筈のない機体が目の前に存在する・・・
ソニンはサントマミは相棒のユウキの姉が使っていたと言った。
そのユウキの苗字は後藤。
そう、今ここにいる後藤真希はユウキの姉であり
目の前を飛行しているサントマミの元パイロットなのだ。
「レッド2よりサントマミへ・・・ユウキ?ユウキなの?」
後藤はサントマミのパイロットに話し掛けた。
「違うよ・・・」
かえってきた声は女の声である。
「ひょっとしてソニンちゃん?」
「違う・・・私はノン」
- 114 :名無し狩人:2003/09/22(月) 21:59
- 弟の相棒ソニンでもないそのパイロットは「ノン」と名乗った。
何処かで聞いた事がある声・・・モニターに視線を落とした後藤は
またしても驚いた。
そこに表示されているサントマミの識別コードはイエロー3だったのだ。
「後藤!なにボケッとしてるの!」
後藤に迫る敵機を叩いた保田から激が飛ぶ。
「圭ちゃん、あの機体のパイロット・・・」
「解ってるよ、でも様子が変だ。ひょっとしたら罠かも知れない。
私に考えがあるの、だから任せて」
保田はそう言うと通信機に叫んだ。
「レッドリーダーよりレッド隊各機へ、Wフォーメーション!」
保田がそう言うとレッド隊の各機はWの形に陣取る。
保田、後藤、吉澤が前に三機横並び。
市井、絢香がその後ろに付くのだが市井はまだ到着していない。
- 115 :名無し狩人:2003/09/22(月) 21:59
- 「レッドリーダーよりイエロー3へ市井がいない。
市井の分のフォローをお願い!」
「・・・・・」
「ちょっと辻、聞いてんの?」
「・・・あっ、イエロー3了解!」
保田の指示に辻は、自然と市井が入る場所に機体を移動した。
「行くぞ!アタ−ック!!」
一気に敵艦隊に突っ込む五機、次の瞬間敵艦一隻を破壊した。
「上出来!辻、やるじゃん!」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
保田の問いかけに返事を待つメンバー。すると
- 116 :名無し狩人:2003/09/22(月) 22:00
- 「えへへへ、これくらい朝飯前ですよ」
戻って来た返事は紛れもないイエロー3辻希美の物であった。
「つーじー・・・・よし、この調子で全部叩く」
辻の参戦により勢いに乗ったマルス2は一気に敵を蹴散らす。
「目標敵旗艦、主砲発射!」
安倍が叫ぶとマルス2から強力なエネルギー弾が放たれる。
主砲の直撃を受けた敵旗艦は既にスクラップであった。
「敵旗艦より脱出した小型艦があります」
北上が言うと
「マルス2へ、任しとき」
ナノニイーコは小型艦にミサイルを放った。
ミサイルは見事直撃、2人はついに借りを返したのであった。
- 117 :名無し狩人:2003/09/22(月) 22:00
- 「作戦終了。各艦載機は順次帰艦して下さい。お疲れ様でした」
石川の指示で帰艦を始めるレッド隊とグリーン隊。
辻はそこに一機だけ取り残された。
「マルス2よりナノニイーコへ、マルス2艦長の安倍です。
ご協力ありがとうございました。お陰で様で敵も撃破できました。
それと・・・・」
「こちらナノニイーコ号船長の平家です。おっしゃりたい事は解っています。
こちらは彼女の意思に任せます」
平家からの返信を聞いた石川はすぐさま辻に言った。
「辻ちゃん、お帰り、みんな待ってるよ」
「・・・・うん・・・・でも・・・安倍さん、少し時間もらえますか?」
「良いよ、2人にお礼言ってきな」
「はい!」
安倍にそう言われた辻は一旦ナノニイーコ号に戻る。
- 118 :名無し狩人:2003/09/22(月) 22:01
- 「ノンはやっぱり連邦軍の人間だったんだ」
「ノンの本当の名前は?教えてくれるよな?」
「はい、連邦軍火星衛星基地アレス所属、
戦闘艦マルス1艦載機隊イエローの辻希美です」
「そうか、辻希美言うんか。で?NONって言うのは?」
「あれはNONOって書いてあったんですよ。
私みんなにののって呼ばれてるんです」
辻にそう言われた稲葉と平家は寂しそうな表情を浮かべると言った。
「ののか・・・のの、短い間やったけど楽しかったで元気でな」
「ののちゃん、私達の事も忘れないでね」
「はい、平家さん、稲葉さん、本当に助けてくれてありがとうございました。
お2人もお元気で・・・」
辻はそう言って敬礼をするとナノニイーコ号を後にした。
- 119 :名無し狩人:2003/09/22(月) 22:21
- グリーン隊だけでなくきっとマルス隊全体が呪われている気がする。
┌──────────┐
│ |ill|| lll . () () │
| |ill|| lll || || カーンカーン│
| ll|l(マルス)ヽ||'-' 川ノ-[] │
| |::l||大| ( ) │
| ノ;;;i!! !!ヽ | | │
└──────────┘
- 120 :名無し娘。:2003/09/22(月) 22:40
- グリーン隊りんねの安否が気にかかる・・・((((;゚Д゚)))
- 121 :名無し娘。:2003/09/23(火) 09:19
- >>119
その呪いだと諦めるしかないってのが辛いねw
- 122 :名無し狩人:2003/09/23(火) 23:12
- 「皆さん、ご心配をおかけしました」
マルス2に戻った辻は深々と頭を下げる。
「・・・・無事であればそれだけでじゅうぶんだべ・・・」
安倍はそう言うと辻を抱きしめた。
「本当に心配かけやがって・・・・でもなっちの言う通り
無事に戻って来てくれただけで嬉しいよ」
辻の生還にマルス2の乗員皆が喜んでいる。
「みんなの祈りが神様に通じたんですよ。 口には出さなかったけど・・・
そうだ、アレスのみんなにも教えてあげないと」
石川がそう言って連絡を入れようとすると
「ちょっと待った!」
安倍がなにやら企んだ様な表情を浮かべそれを止めた。
- 123 :名無し狩人:2003/09/23(火) 23:14
- 「何ですか?」
「みんなには内緒にしよう。何事もなかったかの様に帰ってさ・・」
こっそり辻を連れて帰って何も知らないアレスやマルス1のメンバーを
驚かそう・・・安倍の提案に皆が乗った。
その後マルス2のメンバーが楽しそうに帰還の準備を始めると辻が言う。
「あの・・・帰りにハーモニーによって貰えませんか?
サントマミをソニンさんに返さないと・・・」
「ん、いいよ。確かに貰っちゃうには高価過ぎる物だしね」
辻の頼みを安倍が承諾すると後藤が言った。
「たぶん返さなくていいと思う。って言うかサントマミは私のだし
マックゴルドに乗り換える時にサントマミがスクラップになるって
聞いたから頼んで譲って貰ったんだよ。その後大谷さんに頼んで
整備して貰って実家に置いといたらユウキが勝手に持ち出して・・・
だから、ののさえ良ければ使ってくれないかな?
SFー14Rはまだまだ現役で使われてるし、
実際圭ちゃんのケメンダヤスだってSF−14Sだもん。
性能から言えばレスラッテのSF−18Aとさほど変わらないと思うよ」
後藤の思わぬ発言に辻は驚いた。確かにそう言われれば
後藤が使っていた軍用機であるサントマミが民間に流れる事が
本来ありえないのである。
- 124 :名無し狩人:2003/09/23(火) 23:14
- 「いいの?私が使って」
「うん、私はその方が嬉しいし、サントマミだって使ってあげないと
かわいそうだよ」
後藤がそう言うと辻は嬉しそうに頷いた。
「ちょっと待ってよ、それはいいとしても機体は大丈夫なの?
もう激しい戦闘に耐えられないから変えた筈でしょ?」
保田が思い出した様に言うと
「大丈夫その点は私が保証するよ。サントマミはまだまだ現役で行ける。
フルオーバーホールしてあるし、なんと言っても一緒に整備した
この私が言うんだから安心でしょう」
そう言ったのはマルス2メカニックの村田である。
村田は後藤が大谷にサントマミの整備を頼んだ時に
大谷から頼まれて一緒に作業をやっていたのである。
「これで決まりだね。きっとソニンちゃんだってそう言うつもりで
ののにサントマミを託したんだと思うよ。だから・・ね」
話は決まった。辻の次の愛機はサントマミ。
サントマミはこの後レスラッテ+に改名される。
もっともこの勝手な決定は後に中澤に物凄く怒られる事に
なるのだが結局はOKがでるのである。
- 125 :名無し狩人:2003/09/23(火) 23:17
- ( ´ Д `)<んぁ・・・・
( ´D`)<後藤しゃん、オメなのれす。
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