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じゅきに あんkn@狩板
- 163 :名無し娘。 :2003/11/26(水) 22:38
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この国は、戦後日本が3分割されたときから、親王様による君主制の下に国民の最低限の生活を国が保障し、
そのほかは自由に物を売買して良いということになっていた。
戦後の混乱時期に、国をひとつに纏め上げるための象徴としての君主制、そして社会主義と資本主義をブレンドした国。
それがこの国だった。戦後のこの地を治めていく上で、最高の選択だと教科書に書いてあった。
最低限の生活を保障されている国民は、それこそ自分のため、国のため、みんなが一つになって経済発展に邁進していた。
事実、戦後20年だけを見ると、復旧の早さは西や琉球王国を遥かにしのぐ勢いだったらしい。
でも、ベトナムで戦争が始まると、ソ連はこの国により強い影響を及ぼすようになり、
親王様を替え、社会主義…というよりソ連による占領の色を再び濃くしていった。
親王様といったって、二十歳に満たない女性ということと、その外見から、男の人には人気が高かった。
ロシアの王族の血を引くというクォーターの顔立ちは、男たちに言わせると天才的な美少女だった。
だから親王様のお言葉があると、翌日、村中の男たちが彼女のお言葉を呪文のように唱えていた。
でも、そのお言葉が彼女のものではなく、ソビエトの言葉に過ぎなかった。
そんなことは誰もわかっていることだったけど、もう、誰も口に出していうことはできなくなっていた。
口に出してしまうと、翌日の太陽を拝むことはできない…そう言われていたし、事実そうだった。
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