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あああああああああああああああああああ
- 1 :あああああ「:02/08/04 03:19
- あああああああああああああああああ
- 58 :暴言マリー:2002/11/01 20:03:23
- (〜^◇^)<今Mステに出演してるんだけど、、ゴレンジャーがいる。
- 59 :名無し娘。:2002/11/03 12:22:05
- >>58
あの衣装は確かにゴレンジャーだった
胸のV字なんか特に
- 60 :暴言マリー:2002/11/03 12:59:14
- (〜^◇^)<みんなそろそろTUNAGIのポーズ、覚えてくれたかい?
- 61 :暴言マリー:2002/11/12 22:48:48
- (〜^◇^)<りんねがいなきゃ、もう単なる石川のユニットだな。
- 62 :暴言マリー:2002/12/05 21:08:49
- (〜^◇^)<なんだあのおばはん連中は、、、え? おにゃんこ?
- 63 :暴言マリー:2002/12/05 21:11:52
- (〜^◇^)<モーニングもいずれあれぐらいの人数になるんだろうな。こわっ。
- 64 :暴言マリー:2002/12/24 22:52:44
- (〜^◇^)<ごっちん、、あんまり幸せそうに聞こえねえなあ。
- 65 :名無し娘。:2003/01/03 14:36:49
- (〜^◇^)<最近、ネタ書く気もおきないから、ほのぼのRPG小説書くぜ。
新旧メンバーを順番に出していくけど、多分途中でやめるだろ
うから出ないメンバーも出てくるかもな。
未完で放置がいやなやつは読むんじゃねえぞ。
ということで、めざせ、月1更新! よ〜ちぇきらっちょ〜。
- 66 :なんちてクエスト:2003/01/03 14:38:56
-
『なんちてクエスト』
- 67 :なんちてクエスト:2003/01/03 14:39:34
- 私の名前はなっち。略して安倍なつみだ。
ん? なんか気になるけど、ま〜いっか。
とにかく、私は今日から冒険者になるんだ。
う〜ん。今日もいい朝だ。
- 68 :なんちてクエスト:2003/01/03 14:40:07
- ここ私の住むラロン村は、グモニン共和国の西の果てにあるのね。
で、とっても小さい村なんだ。人口も50人ぐらいかな。でもとっ
ても素敵な村なの。
私は子供の頃、両親を亡くしてみっちゃんに育てられたんだけど、
あまりというかほとんど両親のことは覚えてないの。
私が小さい頃にモンスターが村で暴れたらしくって、村にあるいく
つかの家を壊したらしいんだけど、そのときに私の両親も死んじゃ
ったんだって。
それ以来、みっちゃんに引き取られて、みっちゃんが私の母親代わ
りだ。母親って言うか、友達みたいな感じかな。
あ、みっちゃんっていうのは名前が平家みちよだからみっちゃんね。
私がなつみだからなっちって言っているのと一緒ね。
- 69 :なんちてクエスト:2003/01/03 14:40:32
- 「こら、なっちー。早くご飯食べなさい。」
あ、みっちゃんが呼んでる。
食卓に行くと、ちょうど紺野が食事を終えたところだった。
紺野も私と同じく、モンスターが村を襲ったときに両親が死んじ
ゃったんだ。つまり、みっちゃんは私と紺野の2人を引き取った
わけだ。
紺野は私よりちょっと年下で、のんびりとした性格をしている。
ま、私もよくのんびりしていると人から言われるんで、よく似た
もんかな。
ほんとは紺野あさ美っていう名前だからあさ美って呼んでたんだ
けど、いつからか紺野って呼ぶようになったんだ。ま〜、あだな
ってそういうもんっしょ。
けどなぜか、紺野は私のこと、安倍さんって呼ぶんだ。なんでか
わかんないけどさ。
- 70 :なんちてクエスト:2003/01/03 14:41:03
- 紺野が私の目を見る。実は昨日の晩、紺野と相談してたのだ。
いつ言おうかってこと。
「みっちゃん、あのね、、」
私はパンにバターを塗りながらみっちゃんに話しかけた。
「ん、何?」
「私、決めたの。冒険者になる。」
「ふーん。それで。」
「紺野とね、今日、2人で冒険者の登録をする。」
「え、あさ美も一緒かいな。なら安心やな。」
なんでよー。
- 71 :なんちてクエスト:2003/01/03 14:41:30
- 食事を終えて支度をする。
みっちゃんと紺野が入り口のところで待ってくれていた。
「暗くなる前に帰るんやで。」
だから冒険をするんだってば。
「しばらく帰らないかも知れないよ。」
「今日の晩飯は、なっちの好きな肉じゃがにするからな。」
「まあまあ、安倍さん。あのですね、、」
紺野が間に割って入ってきた。肉じゃがに負けたんじゃないだろうな。
おい、こら。
「私たち、そんなにお金も持ってないですし、しばらくはこの近くで
レベルを上げて、長旅に出るのはそれからにしませんか。」
う、そりゃそうだ。うちの家の前で野宿ってのもイヤだな。うん。
- 72 :なんちてクエスト:2003/01/03 14:42:03
- 「あんたたち、お金持ってるの?」
「うん。ちょっとだけどね。」
この日のために、紺野と貯めていたのだ。
「いくら?」
「640ゴールド。」
「へー、よっけ貯めてたんやなあ。ちょいと待ち。」
みっちゃんが自分の財布を取り出す。
「はいこれ。持ってき。」
え、500ゴールドじゃん。こんなに?
「みっちゃん、悪いよぉ。」
「ええから、ええから。」
「じゃあ、うん、ありがと。」
「じゃああさ美ちゃん。なっちを頼むで。」
「はい。」
うぅ、私のほうがおねいさんなのに。。
- 73 :なんちてクエスト:2003/01/03 14:42:31
- 「はよ冒険者事務所に行っといで。」
そうなのだ。冒険者となるには、冒険者事務所に行って、冒険者として
登録する必要があるのだ。でないとモンスターを倒してもお金がもらえ
ないんだ。
「さ、紺野。行くよ。」
「はい。」
「事務所のおっちゃんによろしゅう言っといてーな。さー、洗濯洗濯。」
なんてーの、もうちょっと、こう、緊張感というものが、、欲しいなあ。
- 74 :なんちてクエスト:2003/01/04 22:41:19
- ----------------------------------------------
- 75 :なんちてクエスト:2003/01/04 22:41:55
- 冒険者事務所の前で明日香に会った。
明日香は武器屋の娘で、私の幼なじみだ。
「あ。なっち、おはよ。」
「おはよ。」
「どしたの? こんなところで。」
「うん、なっちと紺野ね、冒険者になるの。」
「ふーん。」
どうしてどいつもこいつも、こうなんだ。
- 76 :なんちてクエスト:2003/01/04 22:42:24
- 「明日香はどしたの? 事務所に用?」
「私は冒険者免許の書き換え。」
「え、明日香、冒険者だったの? 知らなかった。」
「違うよ。何言ってんの。いつも一緒に遊んでるじゃない。
じいちゃんがね、身分証明書になるから持ってろって言ってさ。
今日はその更新に来たの。」
そっか〜、明日香は前から持ってたんだ。知らなかった。
冒険者登録すると冒険者免許証をもらえるから、確かに身分
書代わりに持っている人も多い。別に登録したからって冒険
しなくてもいいわけだし。
「安倍さん。平家さんも持ってますよ。冒険者免許証。」
、、、そうなんだ。
- 77 :なんちてクエスト:2003/01/04 22:43:12
- 冒険者事務所に入る。
事務所のおじさんが1人座っているだけで、他に客もいない。
「いらっしゃい。」
「あの〜、冒険者登録したいんですけど、、」
「はいはい。ちょっと待ってね。」
おじさんはなんか書類を取り出そうとしていた。
「私は免許の更新を。」
「えーっと、更新は福田さんとこの子だけかな。平家さんのとこの
2人は新規?」
「はい。そうです。」
福田さんとこの子ってのは、明日香のことだ。
机の上に書類が並べられた。
「えーっと、新規の2人はこちらの書類に記入してね。
更新の子はこっち。」
名前や生年月日、連絡先などを記入する。
- 78 :なんちてクエスト:2003/01/04 22:43:49
- 「写真は持ってきた?」
え、写真? いるの?
「ここでも撮れるよ。」
「じゃあ、お願いします。」
「私は持ってきてますんで。」
明日香は写真を袋から取り出して、書類と一緒に提出した。
「これでいいですか?」
「はいはい。いいですよ。ちょっと待っててね。」
- 79 :なんちてクエスト:2003/01/04 22:44:14
- 私はまだ書類と格闘していた。
「そっちの小さい子は済んだかな。じゃあ先に写真をとろうか。
こっちの部屋に来て。」
紺野がおじさんと一緒に隣の部屋に行く。
だ〜。なんだ、この質問は? 特技? そんなの関係あるのか?
それになんだ、これ。アンケートと名の付いた心理テストか?
「へ〜、泳ぐのが得意だったんだ〜。」
あ、明日香、覗かないでよ。
「私は泳ぐの苦手だけど、なっちよりか泳げるかも。」
うるさい。
- 80 :なんちてクエスト:2003/01/04 22:44:37
- ようやく写真も取り終えて、しばらく待っているとおじさんが呼ん
だ。
「はいこれ、冒険者免許証ね。記載事項に間違いがないかどうかよ
く見てね。」
レベル1かあ。そりゃそうだな。安倍なつみっと。うん。
ちゃんと私の顔写真も入っている。。かわいい。
「なっち何にやついてんの、気持ち悪いよ。」
明日香のバカ。
- 81 :なんちてクエスト:2003/01/04 22:45:03
- 「えーっと、じゃあ、平家さんのところは合わせて680ゴールドね。」
え、そんなにするの? みっちゃんから500ゴールドもらってな
かったら全然足りないじゃん。
明日香はすでに支払いを済ませていて、こっちを見ている。
明日香にバカにされてはいけない。ここは自然に支払うのだ。自然に。
「なっち、どしたの? 顔が引きつってるけど。」
そ、そう?
えーっと、これで残り460ゴールドか、、武器、買えるかな。。
「お嬢ちゃんたち、携帯型の冒険者端末、今ならキャンペーン中で
4900ゴールドだけど、いらないかい? ほら、うちにある冒
険者端末の携帯できるやつができたんだよ。持ち運べるよ。」
ぜったいいらない。
- 82 :なんちてクエスト:2003/01/04 22:45:25
- おじさんの話によると、冒険者端末ってのは登録されている冒険者
たちのリストが見れるもので、それぞれのレベルなんかが見れる端
末らしい。私の今書いたアンケートなんかも登録されるんだそうだ。
今の自分のレベルや次のレベルアップまでの経験値なんかも分かる
んだって。
あとは魔法とか、モンスターとかの辞書機能とかが使えるらしい。
まあ、だいたいどこの事務所にも冒険者端末は置いてあるらしくっ
て、事務所まで来れば誰でも自由に見れるんだけどね。
それの携帯端末が新開発されて売り出してんだって。
- 83 :なんちてクエスト:2003/01/04 22:45:55
- 「お譲ちゃんたち、パーティの登録しとく?」
そうだ。冒険者といえばパーティを組んでいるものだ。
「それ、いくら?」
「ははは。それは無料だよ。」
「パーティのうち誰かがモンスターを倒したら、全員に経験値が入
るんですよね?」
「ああ、うん、そうだよ。何人かが同じモンスターに攻撃した場合、
普通は最後にやっつけた人に経験値が加算されるんだけど、攻撃
してたのが同じパーティの人同士なら、パーティとしての攻撃と
判断されて全員に経験値が加算されるよ。ただし、あくまで攻撃
してた人だけだから、同じパーティの人でも攻撃に参加していな
ければ経験値は増えないよ。」
なるほどね。じゃあ私と紺野で、、
「あ、なっち、なっち。ついでに私も入れといてよ。」
えっ、明日香も冒険するの?
- 84 :なんちてクエスト:2003/01/04 22:46:36
- 「なっちと紺野と私の3人ね。」
「明日香も冒険するの?」
「私だけ仲間はずれにするつもり? 一緒に遊ぼうよ。」
いや、あの、冒険するんだけどさ。
「いいけど、リーダーはなっちね。」
「はいはい。分かった。分かった。」
明日香、笑ってる。私もつられて笑っちゃった。
「ねえ、明日香。チーム名、何にする?」
「え、そんなのつけるの? おじさん、チーム名なんて登録できたっけ?」
「あー、いやあ、そういうのは無いんだけどねえ。」
何で無いのよぉ。せっかく考えてたのにさ。
- 85 :なんちてクエスト:2003/01/04 22:46:56
- おじさんから『冒険初心者の心得』と書かれた冊子をもらって
私たちは冒険者事務所をあとにした。
「なっちたらさ〜、言ってくれたらうちで写真一緒に撮ったのに。」
「でも、事務所でも撮れたからいいじゃん。それになっちんとこ、
カメラ持ってないし。」
「でも高いじゃん。2人で80ゴールドもしたでしょ。1枚40ゴ
ールドなんて、結構いい商売じゃん。」
う、そうなんだ。
でもいいもん。かわいく撮れてたから。いいもん。いいもん。
- 86 :なんちてクエスト:2003/01/04 22:47:47
- ----------------------------------------------
- 87 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:43:56
- 冒険者といえば、まずは武器屋だな。
「じゃあまず武器でも買おうよ。」
「うちで買ってってよ。」
さすが武器屋の娘だ。前から思ってたけど、明日香って商人に向い
てるんじゃないのだろうか。
「いいけど、安くしてくれる?」
「それはうちのじいちゃんに言ってよ。」
「じゃあ、まずは武器屋に行こう。」
それはそうと、お金、、足りるかな??
- 88 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:44:26
- 「あの〜、福田さんはレベルいくつなんですか?」
「ん? 1だよ。だって使ってないもん。」
「へ〜、そうなんですか。」
よかった。一緒で。
「でも明日香。あんた武器屋の娘でしょ。」
「関係ないじゃないの。」
そりゃそうか。
- 89 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:44:59
- そうこう話しているうちに私たちは武器屋、つまり明日香の家に着いた。
「じいちゃん、ただいま。」
「あー、おかえり。」
明日香のじいちゃんとあいさつをする。
「今日も明日香と遊んでくれとるんか。仲良くな。」
「じいちゃん、あのね、なっちと紺野、冒険者になるんだって。」
「へー、そうか。そりゃすごいな。」
「で、武器を買いたいんだって。安くしてあげてよ。」
「おもちゃじゃないんだから、あぶないよ。」
このじじい、信じてないな。
- 90 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:45:28
- 「なっち、本気だよ〜。」
「私もちょっと冒険してみたいんだ。今さっき、なっちたちとパー
ティの登録してきたんだから。」
「へー、そうなの?」
3人してうなづく。
「チーム名もね、『アスカーズ』っていうんだから。」
おいっ。
「ちゃんと自分のこずかいで買うんだったら、売ってやるぞ。」
「分かったから、そのかわりまけてよね。」
このじじい、自分の孫相手に商売する気か。
- 91 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:45:59
- 店の中を見渡すと少ないながらもいろいろな武器が棚に並べられて
いた。
「へ〜、いろいろとあるんだね。」
この店の中に入るのは初めてだ。いつも裏から入っているから。
外から眺めたことは何度かあるけど、実際に自分で何か買おうと
思って眺めてみると、なんとなく景色が違って見えるから不思議だ。
見ると紺野も目を大きく見開いている。
きっと私と同じ気持ちに違いない。
「でと、なつみちゃんとあさ美ちゃん。職種は何かな?」
職種? そりゃもちろん決まっている。
「勇者。」
「ははは。そんな職種は無いよ。」
え〜、無いのぉ?
- 92 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:46:27
- 「なっち、何がしたいの?」
「そりゃ剣を持って、こう、ほら、バサバサと。」
「それは剣士でしょ。」
「うぅ〜、じゃあ剣士で。」
「それならこの鉄よろいなんてどうだね。この店一番の自慢さ。」
う、なんていうか、その、とっても重たそう。それ以前に、ダサ〜。
「売れないだけでしょ。」
「明日香、何言ってんだい。これはじいちゃんが15年前に都会で
仕入れてきて、、」
「それ以来、売れてないわけでしょ。」
そりゃそうだ。
「都会で流行していたモデルだぞ。これ。」
そうか、15年前のモデルなのか。どうりでダサい。
「それにちょっと錆びてるし。」
「大丈夫だって。色塗っといたから。」
やっぱこの店で買うの、やめようかなあ。
- 93 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:46:52
- 「安倍さん。まずは剣を買いましょうよ。」
紺野の言うとおりだ。
「この剣なんてどうだい? 値段もリーズナブルで売れ筋だよ。」
明日香のじいちゃんが取り出したのは1mぐらいの長剣だ。
持たしてもらう。ちょっと重いけど、なかなかいい。
う〜ん、感動。
「いいでしょ。入門者向けだよ。」
「いいですね。これ、いくらなんですか?」
「3000ゴールド。」
「いらない。」
買えるか。ばかやろ〜。
「あの〜、もっと安いので。」
「うーんと、じゃあこれは? ちょっと重いけど。」
むちゃくちゃ重い。
「ちょっと刃の材質がもろいからねえ。使い捨て用って感じだから
お奨めはできないんだけどねえ。でも1200ゴールドだよ。」
- 94 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:47:17
- 「え、これより安いのってったら短剣になるよ。いくら持ってんだい。」
「子供のお小遣い程度。。」
顔から火が出そうだ。
「短剣もねえ、きれいなやつとか材質のいいのは数千ゴールドする
んだけど、安くて実用的なやつとなると、これぐらいかな。」
そういってじいちゃんは棚から3つの短剣を取り出してくれた。
「これ全部、材質は最初の入門者向けの長剣と同じでね、価格もリ
ーズナブルだよ。まあ、だいたい長剣とセットで買っていく人が
多いんだけどね。短剣としては売れ筋かな。」
さっきの3000ゴールドの長剣をそのまま短剣にした感じだ。
長さが違って、それぞれ大体10cm、20cm、30cmって感じ。
シンプルだけど、なんとなくかわいくていいな。
「それぞれ200ゴールド、300ゴールド、400ゴールドだよ。」
結構するのね。
- 95 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:47:40
- 「なっち、あといくらあるの?」
心配そうに明日香が尋ねてきた。
「え〜っと、あの〜、460ゴールド。」
「そんだけしかないの?」
だって〜、免許証が高かったんだもん。
「どうせさ、明日香んちほど金持ちじゃないもん。」
「なっち、こら、ふくれないの。」
「まあまあ。でと、あさ美ちゃんの職種は何かな?」
そうだ、紺野のも買わなきゃいけないんだ。
「え〜っと、あの〜、私、白魔法使いがいいです。」
「そうか〜。あさ美ちゃん、なれるといいな。」
紺野ならきっとなれるよ。
- 96 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:48:12
- 「レベルは1か2かな? だったら、まだ魔法使えないだろ。」
「はい。」
「じゃあ、まだ魔法使いになれるかどうか分からないし、やっぱり
武器は必要だねえ。」
そうなのだ。レベルが上がっていくことによってじょじょに魔法が
使えるようになるので、レベルの低いうちは魔法が使えないのだ。
ただし、レベルが上がっても魔法の適性が無い人は魔法を覚えるこ
とはないし、適正があるとどんどんといろいろな魔法が使えるよう
になるのだ。
もちろん、その人の適性によって覚えられる魔法も異なってくるし、
使えるようになるレベルも人それぞれなのだ。
だから紺野が魔法使いになれるかどうかはレベルが上がってみない
ことには誰にも分からないのだ。ひょっとしたら私のほうが大魔法
使いになる素質があるのかもしれないし。
「あさ美ちゃんも短剣かなんか、武器が必要だねえ。」
- 97 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:48:45
- 「剣以外の武器ってどんなのがあるんですか?」
「うーんとねえ、槍とか弓とかクサリ鎌とかあるけど、安いやつ
となってくるとねえ、、」
「あ、ムチは?」
「一番安いやつでも500ゴールドはするし、あれは練習しないと
使えないよ。」
「そうですか。」
これじゃあ、2人分も武器が買えないなあ。
防具も買いたかったけど、どうしようか。
紺野と目が合う。困った顔してる。
200ゴールドの短剣なら2本買えるな。けどなんか、果物ナイフ
って感じ。小さすぎ。
「じいちゃん。そんな意地悪せんで、売ってあげたらいいじゃない。」
「べ、べつに意地悪してるわけじゃないぞ。」
「私その500ゴールドの杖買うからさあ、、」
「あ、明日香。お前、杖なんて買ってどうするんだ。」
「だって私、黒魔法使いになるんだから。」
「黒魔法使いってったって、明日香、お前、魔法使えるようになれ
るかどうか分かんないだろうが。」
「なる。ぜったいなる。」
おいおい、その自信はどこから来るんだよ?
- 98 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:49:24
- 「じゃあ、明日香。お前、この3000ゴールドの杖を買え。安
くしてやる。」
「そんな変な杖、いらないよ。それに、そんなわけの分かんない彫
刻が入ったのなんか誰も欲しくないって。」
「何を言っとるか。これがいいんじゃないか。」
「こっちの方が固そうだし。」
「こっちは固さと共にしなやかさもあるぞ。」
「じゃあそれ、500ゴールドで売ってくれる?」
「あいや、それは。」
「じゃあこれでいい。この杖と、その300ゴールドの短剣2つで
600ゴールドにして。」
そ、それはいくらなんでもちょっと。。
「こりゃ。全部で1100ゴールドじゃないか。1000ゴールドな
ら分かるが、」
「じいちゃんと2度と話さないぞ。600ゴールド。」
「じゃあ、、900ゴールド。」
「じいちゃんの肩、2度と揉んでやらないぞ。600ゴールド。」
「うーん、800ゴールド。」
「じいちゃんが死んでも、墓参りしてやらないぞ。600ゴールド。」
「分かった。700ゴールド。」
「よし、700ゴールドでがまんしてあげる。商談成立だね。」
あ、明日香〜。ありがと。
でも、やっぱり商売人のほうが向いてるんじゃない?
- 99 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:50:03
- 「じゃあなっち、この短剣2本で400ゴールドでいいよ。」
「明日香、ありがと〜。」
「福田さん。ありがとうございます。」
「いいって。いいって。」
こうして私と紺野は20cmの短剣をそれぞれ装備することができた。
明日香はさっき買った黒い杖を振り回している。
「明日香、その杖、なんか魔力とかあるの?」
「そんなのあるわけ無いじゃない。ただの棒っ切れだよ。
魔力を持った杖とか剣とかって高いんだよ。数万とか数十万とか
するんだから。」
へ〜、そうなんだ。さすが武器屋の娘。詳しい。
「それにしても明日香ってさ、黒魔法使いになりたかったんだ。」
「なりたいんじゃなくて、なるの。」
なりたくてなれれば苦労しないんだけどさ、明日香が言うとなれそ
うな気がしてくる。
「それよりさ、明日香もレベル1だから、まだ魔法使えないんでしょ。
どうするの?」
「なんとかなるんじゃない。」
そういうもんか?
- 100 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:50:33
- これで武器は装備した。次は防具だけど、、あと60ゴールドか。
「明日香のじいちゃん。一番安い防具って何?」
「うーんと、この皮の肩アテかなあ。こっちの皮なら280ゴールド。」
なんかいいんだけど、買えない。
そのうち、お金を貯めて買おうかなあ。
「防具じゃないけど、このヘルメットなんてどうだい? 100ゴ
ールドだよ。」
買えないけど、絶対いらない。
「60ゴールドったら、、あ、あったあった。この手袋なら50ゴ
ールド。どうだい?」
買えるけど、死んでもいらない。
- 101 :なんちてクエスト:2003/01/11 10:50:57
- ----------------------------------------------
- 102 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:50:06
- 武器屋を後にした私たち3人は、次に道具屋に行くことにした。
ここの道具屋は、みっちゃんと大の仲良しである中澤裕子という人
がやっているお店だ。
そういうわけで、私や紺野もまるで友達のように(母親のように?)
親しく接してくれ、小さい頃からこのお店は、私たちの遊び場でも
あった。
「裕ちゃん、裕ちゃん。」
「あ、また悪ガキ3人か。しっ、しっ。」
訂正しとく。私たちは、まるで犬か猫かのように扱われていた。
「ぶ〜〜。ひどいなあ、もう。」
「あ〜ん。そのなっちの膨れた顔、好き。」
はっきり言っておこう。裕ちゃんはバカかもしれない。
- 103 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:50:34
- 「裕ちゃん。私たち、今日はお客さんだよ。」
「ちゃんとお金、持ってきてんの?」
「うん。」
「それを先にゆうてんか。ようこそ〜、いらっしゃいませ。」
すごい替わりようだ。なんか、、笑顔が怖い。
「お嬢様方、今日は何をお求めですか?」
「え〜っと、何にしようかなあ? どうする、明日香?」
「やっぱ、よそで買う?」
「あ〜ん、そんなことおっしゃらずに。あさ美ちゃんからもお二人
になんか言ってくださらない?」
「・・・中澤さん、変です。」
- 104 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:51:03
- 「で、お予算はいかほど?」
「う〜んとね、紺野、あといくらあったっけ?」
「60ゴールドです。」
「ああん? このくそガキゃ〜。奥歯ガタガタ言わせるど。」
「裕ちゃん、裕ちゃん。私たち、お客さんだってば。」
「うっさいわい。このボケ。」
やっといつもの裕ちゃんらしくなった。
「みっちゃんから聞いとるで。なんでも冒険者になるんだって?」
「うん。今日ね、紺野と冒険者免許をもらってきたんだ。」
「そうかあ、私も子供ん時はねえ、みっちゃんと2人して冒険した
もんさ。」
え、そうだったんだ。初耳。みっちゃん何も言ってなかったけどな。
てっきり免許証を持ってるだけかと思ってた。
- 105 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:52:25
- 「すっご〜い。レベルいくつなの?」
「聞いて驚くなよ。なんとなんと、レベル3。」
あ、あの〜、、、もしもし?
私は耳の穴に指を突っ込んでホジホジして、もう一回聞いた。
「ごめん。よく聞こえなかった。レベルいくつ?」
「しかたないなあ。ほら、レベル3。」
裕ちゃんは片手を腰に当てて、もう一方の手で冒険者免許証を高々
と差し出した。
う〜ん、確かにレベル3って書いてある。
けど、レベル3って、、ホントに冒険したのかあ??
- 106 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:52:58
- 「もうほんまにねえ、みっちゃんとスライムをぶちぶちと潰しまく
ったあの戦いの日々を、3人にも見せたかったわ〜。」
スライムってのはこの世で一番弱いとされているモンスターで、
村はずれの森や茂みの中に、よくいるのだ。私も何度か見かけたこ
とがある。逃げたけど。
話を聞いていると何のことは無い。小さい頃、みっちゃんと2人で
スライムを潰して遊ぶのが流行っていたんだそうだ。
それにしてもスライムだけでレベル3か。いったいいくつ潰したんだ?
「いやあ、レベル2にはすぐなったんやけどね、どうせなら目指せ
レベル3ってんで、もう最後の方は意地になってやってたんや。
やから私もみっちゃんもレベル3になったらとっとと止めてもう
たけどな。はっはっは〜。」
そりゃ自慢にもならないよね。
あ、裕ちゃんは思いっきり自慢してるけど。
- 107 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:53:58
- 裕ちゃんが冒険者免許証を指でぶらんぶらんとしてたんで、裏に何
か書かれてあるのを見つけてしまった。
確か事務所のおじさんの話だと、使える魔法が免許証の裏に表示さ
れるらしい。
「あ、裕ちゃん。それ。」
「ん? なあに?」
「裕ちゃん。裕ちゃん。。魔法、使えるの?」
「あら、やだ〜。気付いた?」
う、その目は気付かれるのを待ってた目だな? やられた。
「ほらほらほら〜、見る? 見る? 見る〜?」
そういって裕ちゃんは免許証を裏にして私の目の前に押し付けた。
明日香や紺野も覗いてくる。
「ポイズンキラー?」
「そうそう、なんとねえ、毒消しの呪文なの。毒消し。私こう見え
ても魔法が使えるのよ。魔法が。」
はいはい。
「私って、白魔法の才能、あるのかもね。うん。」
分かった。分かった。
- 108 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:54:51
- なんでも裕ちゃんの話によると、レベル3になったときに魔法が使
えるようになったらしい。
ということは、みっちゃんも何か魔法が使えるのかな?
「いやあ、みっちゃんはねえ、魔法が使えないの。まあ、ひょっと
したらもう少しレベルが上がれば何か使えるようになるのかもし
れないんだけど、まだレベル3だからねえ。。」
あんたもそうでしょが。
まあ、レベルの低いうちは、そんなにすごい魔法が使えるはずなん
て無いか。けど、一度でいいから、火を出すとか、雷を落とすとか、
そういう魔法が見てみたいな。明日香にでも期待しとくとするか。
- 109 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:55:55
- 「でさあ、あんたたち、何を買いに来たの?」
あ、そだそだ。忘れてた。
「やっぱゼタナビンっしょ。」
ゼタナビンというのは体力回復剤のことだ。実はこのゼタナビンっ
てのは、とある企業の商品名なんだけど、みんなゼタナビンって言
っている。まあ、それが一般用語のように使われるぐらい有名なのだ。
「はいよ。100ゴールド。」
「え〜、高いよぉ。いっつも買ってるの、10ゴールドじゃん。」
「ばか。あれはゼタナビン・ミニでしょ。一般家庭用に効力が薄ま
ってるのよ。こっちは気力体力が一気にガンと回復するんだから。」
たまにみっちゃんが疲れた〜っていいながら飲んだり、私や紺野が
病気になったときに飲まされたりしてたんだけど、そういやよく見
りゃ『ミニ』って書いてあったよな。
「冒険者用は普通のゼタナビンとか、ゼタナビン皇帝とかなのよ。
あんたらもさ、冒険者目指すんならゼタナビン皇帝を10本ぐら
いまとめ買いできるようにならなあかんで。」
うう、ゼタナビンすら買えないのか。
- 110 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:56:24
- 「あんたら、いくらあるんだっけ?」
「60ゴールド。」
「それじゃあ、この作業用の手袋なんてどうや。50ゴールドやで。」
「いらない。」
「じゃあ、冒険者の免許証ケース買わんか? ほら。」
裕ちゃんが取り出したのは、透明なカードケースだ。
汚れとかから守れるようになってるんだ。やっぱあるといいよなあ。
「完全防水やで。1つたったの10ゴールド。どや?」
紺野の顔を見る。
なんか欲しそうに見える。
「紺野、、買う?」
「あ、でも、他のものが買えなくなっちゃいますよ。」
う〜ん。
- 111 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:56:50
- 「あとな、冒険に行くんだったら、この毒消薬も買っといた方が
ええで。毒もってるモンスターや植物もあるからな。万が一に
でも毒に犯されると、無かったら困るで。」
「あ、でもでも、裕ちゃん。ポイズンキラー使えるんでしょ。」
「ああ、使えるで。うちんとこまで来たら、ただでやったるわ。」
じゃあ毒消薬、買わなくてもいいじゃん。ね?
「うちんとこ来るまで生きてりゃな。」
あ〜ん、そういうこと、ボソッと言わないでよ。
「分かったわよ。いくらすんのよ。それ。」
「まいどあり。1つ50ゴールドやで。」
このバカ裕子。
- 112 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:57:42
- 「そんな怖い顔しないでよ。免許証ケース、2つで10ゴールドに
しといたるさかい。」
やった。でも、
「明日香の分は?」
「私は持ってるからいいよ。」
「はい。これでしめて60ゴールドちょうどね。」
このハイエナ裕子め。
しぶしぶとお金を払う。
「お〜ほっほっほっほっ。なっち、もうすっからかんやね。」
何? この敗北感は? なんか悔しい。
何で明日香も裕ちゃんみたいな目で私を見るのよぉ。2人して口に
笑みまで浮かべてさ。いぢわる。
あ、でも紺野が免許証ケースをうれしそうに受け取る姿を見ると
私もうれしくなってくる。よかった。
さっそく紺野と2人して冒険者免許証をケースにはめてみる。
うんうん。やっぱいい。
「あんたら、幸せそうやね。」
うっさい。
- 113 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:58:13
- 「あ、でも安倍さん。結局、ゼタナビン買えませんでしたね。」
しかたないよ。お金ないんだもん。
「なっちが毒消薬買ってくれたからさ、じゃあ私がゼタナビン買うよ。」
まあ、明日香が買うならそれでいっか。やっぱパーティのいいとこ
ろだな。うん。
「明日香、いくつ買うの?」
「それよりさあ、裕ちゃん。このゼタナビン、有効期限がもうすぐ
だよ。」
「あれ? ほんまや。」
「知ってて売ってるでしょ。これ。」
「いや、ほんまほんま。信じてよぉ。ねえ、明日香。」
「有効期限がもうすぐなの、ちゃんと手前に並べてるじゃない。」
「あはは。ばれた?」
キツネとタヌキの化かし合いって、こういうことをいうんだろうな。
- 114 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:59:10
- 「ちょっとまけてよね。これ買うからさあ。」
明日香ってば、有効期限が切れそうなゼタナビンを買うつもりなのかな。
「そんなこといったって、それまだ有効期限、残ってんだから。」
「けど、ここで私が買わなかったら、他に誰も買わないんじゃない?」
「そ、そんなことないわよ。」
「そうして有効期限が過ぎて、このゼタナビンたちは捨てられてい
くんだろうな。。もったいないなあ。」
「売る。それまでに絶対、売るんだから。」
「最近、冒険者あまり来ないよね。この村。」
「ま、まあ、田舎やしな。」
「もったいないなあ。ああ、あの時、安くしてでも売っとけばよか
ったなあって後悔するんだろうな、きっと。」
「そ、そんなことあらへんもん。」
「・・・もったいないなあ。」
「いい。冒険者が来んかったら、村の人にでも誰でも売るもん。」
「そして買った人がゼタナビンを飲もうとして、そのときに有効期
限が過ぎてることを知って、そうやってこの店の信用はどんどん
落ちていくんだろうなあ。」
「・・・」
「ああ、いい店だったのにね。潰れちゃうのかあ。残念だねえ。」
「分かったわよ。そんなとこでしみじみしないでよ。縁起でもない。
その代わり、この有効期限の切れそうなやつ、全部買いなさいよ。」
結局、明日香は有効期限の切れそうなゼタナビン、あ、4本だけだ
ったんだけどね。4本まとめて200ゴールドで買うことになった
のだ。さすがだ。
- 115 :なんちてクエスト:2003/01/19 18:59:59
- ----------------------------------------------
- 116 :名無し娘。:2003/01/22 23:49:51
- どっかで見たこと有る内容だな(w
期待sage
- 117 :なんちてクエスト:2003/01/26 10:05:07
- ----------------------------------------------
- 118 :なんちてクエスト:2003/01/26 10:05:40
- 暗くなってきたから明日香と分かれて、私と紺野は家に帰ってきた。
さあ、明日から冒険の開始だ。なんかわくわくするな。
「おかえり。ご飯できてるよ。」
「みっちゃん、ただいま〜。」
「ただいま。」
食卓に着くと、おいしそうな肉じゃがが出てきた。
「今日、どうだった?」
「明日香とね、3人でパーティを組むことにしたの。」
「へ〜、そうなんだ。よかったね。」
みっちゃんに今日あった出来事を話した。
途中で私の話の怪しいところを紺野が補足してくれる。
いつもの風景だ。
あらためて思う、やっぱ家族っていいな。
- 119 :なんちてクエスト:2003/01/26 10:06:35
- 「あれ? みっちゃん。まだ起きてたの?」
「うん。もう寝る。なっちも早よ寝ないかんで。」
「分かった。」
みっちゃんは何か本を読んでたみたいだ。
「何読んでたの?」
「ああ、これ? 『安倍と後藤』っていうほのぼのネタなんだけど、
知らない?」
「なんか聞いたことある。誰が書いてるやつだっけ?」
「え〜と、ちょっと待ってよ。『たまに aa って名前を使うことも
あります』だって。」
へ〜。えらい名前が長い人なんだね。
「『詳しくはこちらをご覧ください』だってさ。」
http://www.metroports.com/test/read.cgi/morning/1018355300/
(〜^◇^)<以上、自スレの宣伝でした。ちゃんちゃん。
- 120 :なんちてクエスト:2003/01/26 10:06:57
- ----------------------------------------------
- 121 :なんちてクエスト:2003/01/26 10:07:23
- う〜ん。今日も、いい朝だ。
さあ、今日から私の冒険人生が始まるのさ。わくわく。
食卓に行くと、ちょうど紺野も起きてきたところだった。
「あら、あんたたち。今日は2人とも早いのねえ。」
「だってぇ〜。」
「あら、あさ美も目が輝いてるわよ。」
見ると紺野も、満面の笑みを浮かべていた。
「早く顔を洗ってきなさい。」
「は〜い。」
- 122 :なんちてクエスト:2003/01/26 10:08:06
- 食事をしていると、みっちゃんは何か手帳のようなものを取り出した。
ちょっと使い古されているっていう感じがする。
「これねえ、わたしが子供の頃使っていたものなんだけど、まだ今
でも使えると思うの。」
「みっちゃん、それ何?」
「モンスター辞典よ。冒険入門者用だから、レベル5や6ぐらいの
モンスターまでしか載ってないんだけど、まああんたたちには十
分でしょ。」
パラパラめくってみる。なんかちょっと落書きとかもしてるみたい。
裕ちゃんと遊んでたときに使ってたのかな。
「大事にするんだよ。それ、買うと高いんだから。」
「え、みっちゃんがモンスター退治して遊んでたのって、今の紺野
よりちょっと下ぐらいの頃だったんでしょ。」
「そうよ。裕ちゃんが今のあさ美ぐらいん時だったから。」
「よく買えたねえ。お金持ちだったの?」
「裕ちゃんが家からこっそり借りてきたのよ。」
ど、泥棒。
- 123 :なんちてクエスト:2003/01/26 10:08:39
- 「すべてのモンスターが書いてあるやつって、ないの?」
「そんなのあっても重くて持ち歩けないわよ。
だいたいそんなの、冒険者事務所の端末いきゃあタダで見れるで
しょが。」
「ノン、ノン、ノン。みっちゃん。今はねえ、携帯用の冒険者端末
ってのが売られててさ、それでいつでもどこでも見れるようにな
ってんだから。」
「へ〜、便利ねえ。」
「でしょ? でしょ?」
「買わないわよ。」
ちっ。
「あさ美、持ってきなさい。」
「え、なんで紺野なの?」
「あんたが持ってても読まないでしょ。」
失礼な。落書きぐらいはするぞ。
- 124 :なんちてクエスト:2003/01/26 10:09:10
- 今日はみっちゃんが朝から畑に出かけるというので、私たちと同時
に家を出た。
「遊び終わったら、ちゃんと手伝いなさいよ。」
「遊びじゃないもん。」
「2人とも気をつけてね。」
「うん。いってきま〜す。」
みっちゃんの畑は村のすぐ外にある。みっちゃん1人でできる程度
の規模でやってるんで、そんなに大きな畑じゃないんだ。でも、そ
こでできた野菜なんかを売って、私たちの生活が成り立っているの
だ。
みっちゃんの夢は、私や紺野が畑を本格的に手伝いだしたら(たま
にしているお手伝い程度じゃなくってね)、大農園にするんだって。
だったら人を雇えばいいって言ったんだけど、みっちゃんにその気
は無いみたい。今の生活で十分満足してるってさ。
ごめんね、みっちゃん。私と紺野は冒険者になるんだ。
- 125 :なんちてクエスト:2003/01/26 10:09:30
- ----------------------------------------------
- 126 :名無し娘。:2003/01/26 20:26:03
- >>117
ファンタジー小説ヲタには見覚えが有る感じだなと思っただけ(w
強いて言えば昔某HPでスレイヤーズのパクリを娘。でやってたのに似てる気がする(w
- 127 :名無し娘。:2003/01/31 22:43:21
- 面白いよ。後藤の登場が楽しみだ
- 128 :なんちてクエスト:2003/02/09 22:37:04
- すでに見た人もいると思いますが、このスレをごらんの方は
ぜひこちらを読んでおいてください。
http://www.metroports.com/test/read.cgi/morning/999352480/716
>126
学生の頃はファンタジー小説よく読んでました。
スレイヤーズはTVで見てたけど、その小説は知らないです。
>127
なっちがある程度レベル上がったら登場させようと思ってるけど、
それまで私が飽きてないかどうか、難しい問題です。
----------------------------------------------
- 129 :なんちてクエスト:2003/02/09 22:38:12
- 村の入り口で明日香と待ち合わせをしていた。
「なっちも紺野も、遅〜い。」
「ごめんねえ。明日香〜。」
「ごめんなさい。」
「いったい、何やってたのよぉ。」
違うのだ。明日香が早いんだ。
明日香は昨日買った黒い杖を握り締めていた。
私と紺野も、昨日買った短剣を腰に装備している。
「なんか黒い杖持ってると、黒魔法が使えるような気がしない?」
「しないしない。」
そんなこと考えてその杖、買ったのかい?
- 130 :なんちてクエスト:2003/02/09 22:39:12
- 「それよりさ〜、明日香。今日、どうする?」
「なっち、あんたがリーダーでしょが。」
あ、そうだった。
明日香が笑いながら言う。
「とりあえず村はずれのあそこの森にでも行ってみようよ。どう、
なっち?」
「あ、いいねえ。紺野、どう?」
「私もその方がいいと思います。昨日考えたんですけど、やっぱり
最初はスライムで経験値稼ぎするしかないかなっと。。」
つまり、裕ちゃんやみっちゃんと同じようにってことだね。
まあ、私たちみんなレベル1だし、当然といえば当然か。
村はずれの森ってのは、モンスターが出るってことで近寄ってはい
けないと小さい頃から聞かされていた。まあ、大体、森ってのはモ
ンスターの住みかって相場が決まってんだけどさ。だから私は森に
入ったことがまだ無いんだ。紺野も多分、無いと思う。明日香はあ
るんだろうか?
- 131 :なんちてクエスト:2003/02/09 22:39:50
- 私たち3人は、森に向けて歩き出した。
といっても、そんなに距離があるわけではない。
歩いて10分か20分ぐらいのものだ。
「なっち、昨日の晩は眠れた?」
「え? よく寝てたけど。」
「あはは。さすがなっちだ。」
「どういう意味よぉ〜。」
聞くと明日香もぐっすり寝てたらしいが、紺野は少し寝不足らしい。
うんうん。かわいいやつ。
- 132 :なんちてクエスト:2003/02/09 22:40:39
- もう少しで森に入るっていうところで、私たちは足を止めた。
ここらへんは少し茂みになっているが、別に歩きづらいほどでもない。
「あそこ。」
紺野が何かを見つけたようだ。何かを指差している。
「何々? どうしたの?」
「何かあります。」
あ、ほんとだ。何か太陽の光に反射して光っている。何だろ?
大体30cm程度の半透明の物体。スライムだ。かすかに向こうが
透けて見えている。
向こうはまだこちらに気付いていないようだった。
私たちはスライムに気付かれないようにしゃがんで、小声で話し合
った。
「あれぐらいの大きさなら、立派な大人かな。」
「1匹だけみたいだね。」
「やっつけようか。」
「そうだね。あ、その前に紺野。みっちゃんからモンスター辞典も
らったでしょ。なんて書いてあるの? スライムのとこ。」
「えーっと、ちょっと待ってください。。」
ぺちょ。
ん? 何か私のほっぺにちょっとヒヤッとしていてやわらかい感触
が、、痛っ。
「うぎゃぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。ス、スライムがぁ〜〜〜。」
- 133 :なんちてクエスト:2003/02/09 22:41:20
- 「な、なっち。これ、動くな。」
「取って。取って。取って。取って。早くぅ〜〜〜。」
「あ、安倍さん。暴れないでください。」
「痛た、痛た、痛た、、」
「なっち、どこ行くの。こら、止まれ。」
ボコッ。
紺野が振り回した袋が私の後頭部を直撃した。
「痛っ。紺野、何で殴るのよぉ。」
「だからじっとしててくださいってば。」
ボコッ。
今度はきちんとスライムに当たり、スライムが飛ばされた。
「痛〜い。」
「安倍さん。大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃなぁ〜い。」
ほっぺがヒリヒリしている。
見ると明日香が杖を思いっきり振りかぶっていた。
明日香と目が合う。
「あ、取れたの?」
あんた、私を殺す気かい。
- 134 :なんちてクエスト:2003/02/09 22:42:20
- 「それよりスライムは?」
そうだ。辺りを見渡した。あ、あっちにいた。
「明日香。あっち。」
「このやろ〜。」
明日香は杖を振りかぶったままスライムに走りより、スライムめが
けて杖を振り下ろした。
ボコッ。
見事スライムを直撃し、スライムは消滅した。
「明日香。やっつけたの?」
「・・・そうみたい。」
「明日香さん。やりましたね。」
初めて私たちのパーティがモンスターをやっつけた瞬間だった。
- 135 :なんちてクエスト:2003/02/09 22:43:06
- あ、そうだ。冒険者免許証。
私はあわてて冒険者免許証を取り出した。
経験値が10ポイント入っている。やった。
明日香や紺野たちと冒険者免許証を見せ合った。
明日香も紺野も同じように10ポイント入っていた。
「あれ? なんでなっちにも10ポイント入ってんのよ。」
な、何言ってんのよ。明日香。
「だってさっきのスライムは私と紺野とで倒したんじゃない?」
「な、なっちだって。。」
「なっちは叫んでただけでしょ。」
うう、、言われてみれば。。
「あ、でも、安倍さんの体の一部に接触してましたから、安倍さんも
攻撃したと判定されたんじゃないんですか?」
「なっち、ずる〜〜い。」
ず、ずるくなんかないもん。
「だってなっちが一番、痛かったんだよぉ。」
「なっちがどんくさいからでしょ。」
そ、そりゃそだけどさ。明日香のバカ。
- 136 :なんちてクエスト:2003/02/09 22:43:38
- 「明日香〜。ほっぺ痛〜い。ゼタナビンちょうだい。」
「・・・」
「ゼタナビン。ゼタナビン。」
「そんだけ元気だったら、いらないって。」
「ゼタナビン。ゼタナビン。」
「・・・」
「ゼタナビ〜ン。ゼタナビ〜ン。」
「・・・」
「ゼタナビ〜ン。ゼタナビ〜ン。」
「あ〜もう、うっさい。ばか。」
「ばかとはなによぉ、ばかとは。。ホントに痛いんだよぉ。」
明日香がため息をついた。
「なっちさあ、これ、家庭用のゼタナビンじゃないんだよ。」
「知ってるよ。それぐらい。」
「ってことは、ずいぶんときついわけなの。」
「どれぐらい?」
ちょっとぉ〜、なんで頭を抱えてるのよ。
- 137 :なんちてクエスト:2003/02/09 22:44:11
- 「あのねえ、私たちぐらいの体力だったら、もう瀕死の状態に飲む
ぐらいがちょうどいいんだから。でないと逆に体に悪いんだよ。」
「そ、そうなの?」
「あんまり体力の無い小さい子供とかに飲ませると、死んじゃうこ
とだってあるんだから。」
・・・そうなんだ。
「じゃあ、ゼタナビンより強いゼタナビン皇帝って売ってるけどあ
れは?」
「さらに強いって。今のなっちが瀕死になったとしても、ゼタナビ
ン皇帝なんて飲んだら、よけい命があぶないと思うよ。」
そんな危ないもの、売るなよ。
「あ、でも、ゼタナビンの宣伝で、モデルさんがぐいぐい飲んでる
の、なっち見たことあるよ。あれ、いいの?」
「あれぐらい体が大きくて筋肉もしっかり付いてる冒険者なら、ち
ょっと疲れたなあぐらいでちょうどいいんじゃないの?」
- 138 :なんちてクエスト:2003/02/09 22:44:40
- ん、まてよ。それだったら私たちにはゼタナビンは不要だってこと
なんじゃないのかな。だってさ、死にかけるなんてことはそうそう
無いような気がするんだけどさ。
「明日香。ゼタナビンさあ、念のために1つってんならともかく、
4つもいらなかったんじゃないの。」
「まあ、普通は何日もかけて森や洞窟で冒険してってんならともか
く、私たちみたいな日帰りだったら、疲れたら家で寝てりゃいい
んだけどね。」
「でしょ〜。」
「でも私たちのパーティには、なっちがいるからなあ。」
そうかあ、そりゃゼタナビン4つでも足りないかも、、って、おい。
紺野もそうですねって何だよ。
- 139 :なんちてクエスト:2003/02/09 22:45:06
- 「あ、それとね、ゼタナビンだけど3つしかないよ。」
「え、何で?」
「1つ、じいちゃんにあげてきた。」
あれ? 明日香のじいちゃん、元気じゃなかったっけ?
普通の状態で飲んだら、命が危ないんじゃないの?
「大丈夫だって。うちのじいちゃん、元気だから。」
「ほんとに大丈夫なの? 飲んでも。」
「大丈夫、大丈夫。ああ見えても結構体力あるんだから。かなり疲
れたときに飲むんだったら、まあ、効きすぎることはあっても死
にはしないって。」
おいおい。
- 140 :なんちてクエスト:2003/02/09 22:45:39
- 「それにさ、じいちゃんに結構値切ってもらったでしょ。だからそ
の私たちが得した分のうち、100ゴールドだけでも恩返しして
あげたら喜ぶでしょ。」
「そうかあ〜。あ、でもそのゼタナビン、安く買えたから100ゴ
ールドもしなかったでしょ。」
「なっちも紺野もいい? じいちゃんにあげたのは100ゴールド
で買ったやつだからね。あとの3本がまけてもらったやつだから
ね。」
おいおい。
「あ、でも、福田さん。有効期限は大丈夫なんですか?」
「じいちゃん、そんなとこ見ないって。ばれない。ばれない。」
「あの、、そういう問題じゃなくてですねえ。」
「ちょっと過ぎたぐらいで死にはしないって。それにもし古くなっ
て効果が落ちてきたんなら、ちょうどよくなるだろうしさ。」
おいおい。
- 141 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:43:52
- 「あ、そだ。紺野〜、モンスター辞典のスライムのとこ、なんて書
いてんの?」
「えっと、ちょっと待ってくださいね。」
紺野は袋からモンスター辞典を取り出そうとしていた。
さっきはスライムのせいで読めなかったのだ。
「え〜っとですねえ、、スライム。レベル1。報酬10ゴールド。」
「ほ、報酬? 10ゴールド? さっきので私たち、10ゴールド
稼いだんだよね。やった〜。」
「なっち、うれしそうだね。」
「そりゃそうさ。」
「たった10ゴールドで。」
「だってさ〜、だってさ〜。初めてモンスター倒して稼いだお金なんだよ。
金額の問題じゃないよ〜。」
何、買おうかなあ。。
あれ? 1人10ゴールドづつなら30ゴールド?
「バカじゃないの? 1人10ゴールドなら、パーティー1000
人いたらいくらもらえるのよ。あくまで1匹10ゴールドだって。」
あ、そうなんだ。
- 142 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:44:54
- 明日香の話によると、パーティー登録しているからパーティーの口
座にお金が入るんだって。今回の場合、スライム1匹分で10ゴー
ルド。当たり前だけど、何人組のパーティだろうと、10ゴールド。
もし、いくつかのパーティが協力してモンスターを倒したんだった
ら、その度合いに応じて報酬が自動的に分けられてそれぞれの口座
に入るんだって。
で、口座からお金を下ろしたり、逆に預けたりするには、冒険者事
務所でできるんだそうだ。
「さすが明日香、詳しいね。紺野も知らなかったでしょ。勉強にな
ったね。」
「安倍さん。昨日、冒険者事務所でもらった『冒険初心者の心得』
に書いてましたよ。まだ読んでないんですか?」
え、そなの?
私がそんなの、読むわけ無いじゃん。
「紺野〜。。あんた、いったいいつ読んだのよぉ?」
「昨日、寝る前に一通り読みましたけど。。」
「なっちも冒険者目指すんだったらさ〜、それぐらい読んどいてよ
ね。」
なんだ。それで紺野のやつ、昨日、寝るのが遅かったのか。
- 143 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:46:34
- 「紺野さ、他になんて書いてあるの?」
「え〜っとですねえ、、弱い。弱い。弱〜い。」
・・・へ?
モンスター辞典を読んでる紺野自身も困った目で私のほうを見ている。
「あの、、そう落書きされてるんです。」
のぞき込む。
あ、裕ちゃんの落書きだな。こりゃ。
「確かに弱かったよねえ。」
「そういうなっちはスライムに負けてたじゃない?」
ま、負けてないもん。逃げただけだもん。
- 144 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:47:27
- 「ちゃんと本文読みますね。。スライムは草原や茂み、森などに幅
広く生息している。攻撃力・守備力共に低く、剣や魔法などあら
ゆる攻撃に弱い。スライムはエサを見つけると相手に接触し、体
内からたんぱく質を溶かす物質を出す。これにより相手をゆっく
りと溶かし、体内に栄養分として取り込む特質がある。このため、
直接素手で触ると刺すような痛みを感じるので注意すること。」
注意することって、、遅いわい。くっそ〜。
「へ〜、なっちはエサだったんだ。」
明日香、うるさいぞ。
「なっちさ〜、どうする? 森に入る?」
「は、入るに決まってるじゃない。」
「怖いんならさ、なっちはここで待っててもいいよ。私と紺野だけ
で行ってくるからさあ。」
バカにしやがって。
私はずんずんと森に向かって歩き出した。
「おいおい、、」
「安倍さん、待ってくださいよぉ。」
明日香と紺野も私の後を追ってきた。
- 145 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:48:12
- 森に入る。
最初、薄暗く感じたけど、しばらく時間が経って目が慣れてくると
そうでもない。枝葉でいくぶん太陽の光がさえぎられているんだけ
ど、思ってたより明るく感じる。
鳥か何かの鳴き声が聞こえる。う〜ん、なんとなく気持ちいい。
「どっちいく?」
「どっちでもいいけどさ、最初だし、迷子にならない程度にしとこ。」
「そだね。うん。」
ということで、元いた場所に戻れる程度に歩き回ることにした。
「モンスター、いないなあ。」
「いないほうがいいじゃない。」
「安倍さん、それじゃあレベルが上がらないじゃないですか。」
「そうそう、お金も儲からないじゃないの。」
そ、そうか。。
出て来い、モンスター。
- 146 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:48:43
- 私たちはおしゃべりをしながら、そこいらへんを歩き回った。
なんだか3人で森にピクニックにでもしに来たような感じだ。
「あ、またここに出た。」
「もう、ここらへんも覚えたよね。」
「お腹すいたねえ。」
「ねえ、さっきからさ〜、気になるんだけど、、」
「安倍さん。どうしたんですか?」
「この実、食べられるかなあ。紺野、知らない?」
「あ、じゃあ今度、調べときますね。」
今度じゃなくて、今、食べたいのにぃ〜。
「なっち、なっち。何しに来たのさ〜。」
えと、、あの、何だっけ?
- 147 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:49:16
- 「あ、スライム発見。」
明日香が杖を構えた。
私と紺野も明日香が向いている方向に剣を構える。
スライムが4匹。どうやらこっそりこちらに近づこうとしていたみ
たいだ。
「ねえ、明日香、、」
「なによ。」
「あれ、、親子かな?」
「ば、ばか。何考えてんのよ。」
だってさ、だってさ、4匹のうち2匹は心なしか小さい気がするん
だもん。
「安倍さん。スライムって分裂して増殖しますから、あんまりその〜、
親子の縁とかそういうのは、、」
- 148 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:50:23
- 私が紺野の説明を聞いているところにスライムが飛びかかってきた。
「ぎゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」
思いっきり剣を振り回す。
「うわっ。」
「きゃあ〜〜。」
「ば、ばか。危ないって。私たちを殺す気?」
見ると明日香も紺野もその場に座り込んでいた。
「あ、ごめ〜ん。大丈夫?」
「大丈夫じゃないっ。ばかなっち。」
「安倍さん。危ないじゃないですか。気をつけてくださいね。もう
少しで当たってましたよ。」
ごめん。。
「こら、ばかなっち。さっき剣を振った時に目をつぶってたでしょ。
何考えてんのよぉ。」
いいじゃん。ケガ無かったんだしさ。
- 149 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:51:06
- あ、スライムは? どこ?
いた。あっちだ。
なんか1匹だけ弱っているみたいに見える。
「ねえねえ、さっきの私の剣が当たったのかな? ねえねえ、ねえ
ってば〜。」
「ばかなっち、うるさい。」
「安倍さん。戦闘中ですよ。」
ちぇっ。
「だあ〜〜〜。」
明日香がスライムめがけて飛び込んでいく。
ボコッ。
1匹やっつけたみたいだ。
「2匹そっちへ行ったよ。」
- 150 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:51:40
- スライムが2匹、明日香の右側からこちらに向かってきた。
私と紺野は剣を握って身構えた。
「来るな。来るな。」
私の唱えた呪文にも負けず、スライムが1匹づつそれぞれ私と紺野
の方に飛びかかってきた。
紺野が剣を振り下ろした。
ボコッ。
「やった。」
私も負けじと剣を振り下ろす。
ぺちょ。
あれ? 私の肩にスライムがくっついている。何で?
服の上からだから痛くないけど、、落ちろって、このぉ。このぉ。
- 151 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:52:31
- 「安倍さん。大丈夫ですか?」
やっとのことでスライムを振り落とした。
すかさず紺野が剣を突き刺す。
ボコッ。
「落ち着いてやれば大丈夫みたいですよ。」
うっ、、紺野に慰められているのかな。私。
明日香もスライムをやっつけたようで、こっちに戻ってきた。
「なっち、紺野、大丈夫?」
「あ、大丈夫です。」
「なんか悲鳴が聞こえたけど、、」
「大丈夫だって。ほら。ちゃんとスライムをやっつけたし。」
「え、うそ。なっちがやっつけたの?」
2匹とも紺野がだけどさ。
- 152 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:53:48
- ----------------------------------------------
- 153 :なんちてクエスト:2003/03/10 22:23:04
- スライム4匹をやっつけた後、ちょっとの間だけ森の中を歩いてい
たんだけど、もう暗くなりそうなので帰ることにした。
森を出ながら、私たちはさっきの戦闘について話し合っていた。
「え、うそ? じゃあなっちは1匹もやっつけられなかったの?」
悪かったわね〜。
「また?」
またって何よ?
「だって、最初森に入る前だって、、」
「でも明日香、ほら見てよ。冒険者免許証。ほら、30ポイントに
なってる。。ほら。ほら。」
明日香に私の冒険者免許証を見せつける。
「え〜〜〜? 何で?」
明日香と紺野はそれぞれ2匹づつやっつけたので、それぞれ20ポ
イント加算されている。私たち、これで3人とも30ポイントなの
だ。
- 154 :なんちてクエスト:2003/03/10 22:23:40
- 「だってほら、最初に私がスライムに一撃入れたじゃない?」
「あれは分かるけどさ〜。。けどあれ、当たってたんだね。」
私も驚いたんだけどさ、、そうみたい。
「そうみたいですね。でも福田さん。あれのおかげでスライムたち
もひるんでくれたみたいでしたから。」
「・・・私もひるんだけどね。」
「もし4匹いっせいにかかってこられたら大変でしたよ。」
「でしょ? でしょ? さすが紺野。分かってる〜。」
「うるさい。」
せっかく私が一番活躍したところの話をしてるっていうのにさあ、
うるさいは無いでしょ。うるさいは。
- 155 :なんちてクエスト:2003/03/10 22:24:23
- 「でもあれで1匹分でしょ。あと1匹分は何なのよ?」
「安倍さんが空振りして、スライムが安倍さんの肩にくっつきまし
たから、たぶんそれで。。」
「また?」
だからまたって何よ?
「ひょっとしてなっち、また目を閉じてたの?」
「失礼な。ちゃんと開けてたもん。」
「・・・」
明日香が紺野の方を見た。
ちょっと間があったが、紺野は黙ってうなづく。
「何よぉ。なっちの言うこと、信じてないの?」
「だったら何で空振りするのよ?」
「違うもん。剣が短かったんだもん。」
そうなのだ。この短剣があと20cm長ければ、スライムをやっつ
けていたはずなのだ。
「そのなっちが持ってる剣ってさあ、、」
「何よ?」
「短いから短剣っていうんだよ。知ってる?」
うまい。。いや、うまくない。
- 156 :なんちてクエスト:2003/03/10 22:25:20
- 「決めた。お金を貯めて絶対、長い剣を買うんだから。」
ぜ〜ったい、買うんだから。
「もうちょっと強くなってからにしなよ。それより私は黒マントが
欲しいなあ。」
「明日香、お金持ってるでしょが。」
「あれは私が小さい頃からずっと貯めてたんだから、だめ。」
「けち。」
「けちとかそういう問題じゃないでしょ。」
「なっち、もっと長い剣が欲し〜い。」
「安倍さん。福田さん。それよりもこれから強いモンスターも出て
くるかもしれませんから、防具とか買いそろえていったほうが、、」
「剣。」
「黒マント。」
「剣。」
「黒マント。」
「あの〜、、もしもし?」
- 157 :なんちてクエスト:2003/03/22 21:34:08
- 気付くと、裕ちゃんの店の前まで来ていた。
裕ちゃんとみっちゃんは店先の縁台に座って囲碁をしていた。
二人は囲碁仲間なのだ。私はルールがよく分からないので、何が面
白いのかよく分かんないんだけどさ。
「ちょ、ちょっと待て〜。なんでそこハネんのや。」
「何言ってんの。ハネたら切るでしょが。」
「当たり前やん。それが狙いやのに。」
「このボケ。誰がそんなとこ行くか。もうそれ、死んでるで。」
なんか楽しそう。
「え〜い、投了や。ボケッ〜。」
「はっはっは〜。このみっちゃんに勝てると思ったか。」
「もってけドロボー。」
「おおきに。」
どうやらみっちゃんが勝ったようだ。
裕ちゃんがみっちゃんにお金を渡す。
賭けてなきゃ、楽しそうなんだけどな。
「ただいま〜。」
「あ、おかえり〜。」
「おかえり。」
「また囲碁してたの?」
「ああ、ちょうど終わったところや。さあ、帰って飯でも食おか。」
「うん。」
- 158 :なんちてクエスト:2003/03/22 21:35:09
- 裕ちゃんとみっちゃんは碁石を片付け始めた。
「あ、そうだ。なっち。」
「ん? 何? 裕ちゃん。」
「なっちさ〜、今日何ポイント稼いだ?」
良くぞ聞いてくれました。裕ちゃん、偉い。
私は冒険者免許証を取り出した。
「じゃ〜ん。見て見て。30ポイント。ほら。」
「あ、ほんまや〜。なっち、よくやった。」
すごいっしょ。すごいっしょ。
裕ちゃんは私の冒険者免許証を見て、私を抱きしめた。
「ほんまようやったなあ。なっち、偉いで。」
ゆ、裕ちゃん? ちょっと大げさじゃない?
「ほら、みっちゃんも見いや。0ちゃうで。30やで、30。」
「はいはい。」
みっちゃんが裕ちゃんにお金を渡す。
「おおきに。これでさっきの、チャラやね。」
明日香と紺野が笑いだす。
ん? 何? ひょっとして賭けてたの? バカ。
しかもみっちゃん。私が0ポイントの方に? みっちゃん、ひどい
よぉ。
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