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あああああああああああああああああああ

1 :あああああ「:02/08/04 03:19
あああああああああああああああああ

143 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:46:34
「紺野さ、他になんて書いてあるの?」
「え〜っとですねえ、、弱い。弱い。弱〜い。」

・・・へ?

モンスター辞典を読んでる紺野自身も困った目で私のほうを見ている。

「あの、、そう落書きされてるんです。」

のぞき込む。
あ、裕ちゃんの落書きだな。こりゃ。

「確かに弱かったよねえ。」
「そういうなっちはスライムに負けてたじゃない?」

ま、負けてないもん。逃げただけだもん。

144 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:47:27
「ちゃんと本文読みますね。。スライムは草原や茂み、森などに幅
 広く生息している。攻撃力・守備力共に低く、剣や魔法などあら
 ゆる攻撃に弱い。スライムはエサを見つけると相手に接触し、体
 内からたんぱく質を溶かす物質を出す。これにより相手をゆっく
 りと溶かし、体内に栄養分として取り込む特質がある。このため、
 直接素手で触ると刺すような痛みを感じるので注意すること。」

注意することって、、遅いわい。くっそ〜。

「へ〜、なっちはエサだったんだ。」

明日香、うるさいぞ。

「なっちさ〜、どうする? 森に入る?」
「は、入るに決まってるじゃない。」
「怖いんならさ、なっちはここで待っててもいいよ。私と紺野だけ
 で行ってくるからさあ。」

バカにしやがって。
私はずんずんと森に向かって歩き出した。

「おいおい、、」
「安倍さん、待ってくださいよぉ。」

明日香と紺野も私の後を追ってきた。

145 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:48:12
森に入る。
最初、薄暗く感じたけど、しばらく時間が経って目が慣れてくると
そうでもない。枝葉でいくぶん太陽の光がさえぎられているんだけ
ど、思ってたより明るく感じる。
鳥か何かの鳴き声が聞こえる。う〜ん、なんとなく気持ちいい。

「どっちいく?」
「どっちでもいいけどさ、最初だし、迷子にならない程度にしとこ。」
「そだね。うん。」

ということで、元いた場所に戻れる程度に歩き回ることにした。

「モンスター、いないなあ。」
「いないほうがいいじゃない。」
「安倍さん、それじゃあレベルが上がらないじゃないですか。」
「そうそう、お金も儲からないじゃないの。」

そ、そうか。。
出て来い、モンスター。

146 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:48:43
私たちはおしゃべりをしながら、そこいらへんを歩き回った。
なんだか3人で森にピクニックにでもしに来たような感じだ。

「あ、またここに出た。」
「もう、ここらへんも覚えたよね。」
「お腹すいたねえ。」
「ねえ、さっきからさ〜、気になるんだけど、、」
「安倍さん。どうしたんですか?」
「この実、食べられるかなあ。紺野、知らない?」
「あ、じゃあ今度、調べときますね。」

今度じゃなくて、今、食べたいのにぃ〜。

「なっち、なっち。何しに来たのさ〜。」

えと、、あの、何だっけ?

147 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:49:16
「あ、スライム発見。」

明日香が杖を構えた。
私と紺野も明日香が向いている方向に剣を構える。
スライムが4匹。どうやらこっそりこちらに近づこうとしていたみ
たいだ。

「ねえ、明日香、、」
「なによ。」
「あれ、、親子かな?」
「ば、ばか。何考えてんのよ。」

だってさ、だってさ、4匹のうち2匹は心なしか小さい気がするん
だもん。

「安倍さん。スライムって分裂して増殖しますから、あんまりその〜、
 親子の縁とかそういうのは、、」

148 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:50:23
私が紺野の説明を聞いているところにスライムが飛びかかってきた。

「ぎゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」

思いっきり剣を振り回す。

「うわっ。」
「きゃあ〜〜。」
「ば、ばか。危ないって。私たちを殺す気?」

見ると明日香も紺野もその場に座り込んでいた。

「あ、ごめ〜ん。大丈夫?」
「大丈夫じゃないっ。ばかなっち。」
「安倍さん。危ないじゃないですか。気をつけてくださいね。もう
 少しで当たってましたよ。」

ごめん。。

「こら、ばかなっち。さっき剣を振った時に目をつぶってたでしょ。
 何考えてんのよぉ。」

いいじゃん。ケガ無かったんだしさ。

149 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:51:06
あ、スライムは? どこ?
いた。あっちだ。
なんか1匹だけ弱っているみたいに見える。

「ねえねえ、さっきの私の剣が当たったのかな? ねえねえ、ねえ
 ってば〜。」
「ばかなっち、うるさい。」
「安倍さん。戦闘中ですよ。」

ちぇっ。

「だあ〜〜〜。」

明日香がスライムめがけて飛び込んでいく。

ボコッ。

1匹やっつけたみたいだ。

「2匹そっちへ行ったよ。」

150 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:51:40
スライムが2匹、明日香の右側からこちらに向かってきた。
私と紺野は剣を握って身構えた。

「来るな。来るな。」

私の唱えた呪文にも負けず、スライムが1匹づつそれぞれ私と紺野
の方に飛びかかってきた。
紺野が剣を振り下ろした。

ボコッ。

「やった。」

私も負けじと剣を振り下ろす。

ぺちょ。

あれ? 私の肩にスライムがくっついている。何で?
服の上からだから痛くないけど、、落ちろって、このぉ。このぉ。


151 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:52:31
「安倍さん。大丈夫ですか?」

やっとのことでスライムを振り落とした。
すかさず紺野が剣を突き刺す。

ボコッ。

「落ち着いてやれば大丈夫みたいですよ。」

うっ、、紺野に慰められているのかな。私。

明日香もスライムをやっつけたようで、こっちに戻ってきた。

「なっち、紺野、大丈夫?」
「あ、大丈夫です。」
「なんか悲鳴が聞こえたけど、、」
「大丈夫だって。ほら。ちゃんとスライムをやっつけたし。」
「え、うそ。なっちがやっつけたの?」

2匹とも紺野がだけどさ。

152 :なんちてクエスト:2003/02/15 13:53:48
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153 :なんちてクエスト:2003/03/10 22:23:04
スライム4匹をやっつけた後、ちょっとの間だけ森の中を歩いてい
たんだけど、もう暗くなりそうなので帰ることにした。
森を出ながら、私たちはさっきの戦闘について話し合っていた。

「え、うそ? じゃあなっちは1匹もやっつけられなかったの?」

悪かったわね〜。

「また?」

またって何よ?

「だって、最初森に入る前だって、、」
「でも明日香、ほら見てよ。冒険者免許証。ほら、30ポイントに
 なってる。。ほら。ほら。」

明日香に私の冒険者免許証を見せつける。

「え〜〜〜? 何で?」

明日香と紺野はそれぞれ2匹づつやっつけたので、それぞれ20ポ
イント加算されている。私たち、これで3人とも30ポイントなの
だ。

154 :なんちてクエスト:2003/03/10 22:23:40
「だってほら、最初に私がスライムに一撃入れたじゃない?」
「あれは分かるけどさ〜。。けどあれ、当たってたんだね。」

私も驚いたんだけどさ、、そうみたい。

「そうみたいですね。でも福田さん。あれのおかげでスライムたち
 もひるんでくれたみたいでしたから。」
「・・・私もひるんだけどね。」
「もし4匹いっせいにかかってこられたら大変でしたよ。」
「でしょ? でしょ? さすが紺野。分かってる〜。」
「うるさい。」

せっかく私が一番活躍したところの話をしてるっていうのにさあ、
うるさいは無いでしょ。うるさいは。

155 :なんちてクエスト:2003/03/10 22:24:23
「でもあれで1匹分でしょ。あと1匹分は何なのよ?」
「安倍さんが空振りして、スライムが安倍さんの肩にくっつきまし
 たから、たぶんそれで。。」
「また?」

だからまたって何よ?

「ひょっとしてなっち、また目を閉じてたの?」
「失礼な。ちゃんと開けてたもん。」
「・・・」

明日香が紺野の方を見た。
ちょっと間があったが、紺野は黙ってうなづく。

「何よぉ。なっちの言うこと、信じてないの?」
「だったら何で空振りするのよ?」
「違うもん。剣が短かったんだもん。」

そうなのだ。この短剣があと20cm長ければ、スライムをやっつ
けていたはずなのだ。

「そのなっちが持ってる剣ってさあ、、」
「何よ?」
「短いから短剣っていうんだよ。知ってる?」

うまい。。いや、うまくない。

156 :なんちてクエスト:2003/03/10 22:25:20
「決めた。お金を貯めて絶対、長い剣を買うんだから。」

ぜ〜ったい、買うんだから。

「もうちょっと強くなってからにしなよ。それより私は黒マントが
 欲しいなあ。」
「明日香、お金持ってるでしょが。」
「あれは私が小さい頃からずっと貯めてたんだから、だめ。」
「けち。」
「けちとかそういう問題じゃないでしょ。」
「なっち、もっと長い剣が欲し〜い。」
「安倍さん。福田さん。それよりもこれから強いモンスターも出て
 くるかもしれませんから、防具とか買いそろえていったほうが、、」
「剣。」
「黒マント。」
「剣。」
「黒マント。」
「あの〜、、もしもし?」

157 :なんちてクエスト:2003/03/22 21:34:08
気付くと、裕ちゃんの店の前まで来ていた。
裕ちゃんとみっちゃんは店先の縁台に座って囲碁をしていた。
二人は囲碁仲間なのだ。私はルールがよく分からないので、何が面
白いのかよく分かんないんだけどさ。

「ちょ、ちょっと待て〜。なんでそこハネんのや。」
「何言ってんの。ハネたら切るでしょが。」
「当たり前やん。それが狙いやのに。」
「このボケ。誰がそんなとこ行くか。もうそれ、死んでるで。」

なんか楽しそう。

「え〜い、投了や。ボケッ〜。」
「はっはっは〜。このみっちゃんに勝てると思ったか。」
「もってけドロボー。」
「おおきに。」

どうやらみっちゃんが勝ったようだ。
裕ちゃんがみっちゃんにお金を渡す。
賭けてなきゃ、楽しそうなんだけどな。

「ただいま〜。」
「あ、おかえり〜。」
「おかえり。」
「また囲碁してたの?」
「ああ、ちょうど終わったところや。さあ、帰って飯でも食おか。」
「うん。」


158 :なんちてクエスト:2003/03/22 21:35:09
裕ちゃんとみっちゃんは碁石を片付け始めた。

「あ、そうだ。なっち。」
「ん? 何? 裕ちゃん。」
「なっちさ〜、今日何ポイント稼いだ?」

良くぞ聞いてくれました。裕ちゃん、偉い。
私は冒険者免許証を取り出した。

「じゃ〜ん。見て見て。30ポイント。ほら。」
「あ、ほんまや〜。なっち、よくやった。」

すごいっしょ。すごいっしょ。

裕ちゃんは私の冒険者免許証を見て、私を抱きしめた。

「ほんまようやったなあ。なっち、偉いで。」

ゆ、裕ちゃん? ちょっと大げさじゃない?

「ほら、みっちゃんも見いや。0ちゃうで。30やで、30。」
「はいはい。」

みっちゃんが裕ちゃんにお金を渡す。

「おおきに。これでさっきの、チャラやね。」

明日香と紺野が笑いだす。

ん? 何? ひょっとして賭けてたの? バカ。
しかもみっちゃん。私が0ポイントの方に? みっちゃん、ひどい
よぉ。


159 :なんちてクエスト:2003/03/22 21:36:38
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160 :名無し娘。:2003/03/22 21:47:13
更新乙。
個人的にこの面子+辻で完璧なんだが(w

161 :名無し娘。:2003/04/03 21:30:45
がんばれ

162 :なんちてクエスト:2003/04/12 10:39:27
書いてる時間がねえよ〜。

辻は当分予定なしだったけど、ちょい役でならそのうち。

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163 :なんちてクエスト:2003/04/12 10:40:24
翌日、私は昨日がんばりすぎたせいか、ちょっとだけ寝坊した。
朝から雨が降っていた。

「みっちゃん、おはよ〜。」
「やっと起きたんかいな。あさ美、出かけてもうたで。」

えっ? 私を置いて?

「朝な、明日香ちゃんが来て今日は雨だからどうするって言いに来
 たらしいんだけど、あんたがまだ寝てるって言ったら笑いながら
 帰ってったで。」

もうっ。ちょっと寝坊しただけじゃないの。ほんのちょっとだけさ。

「みっちゃん。なんで起こしてくれなかったのよ。」
「いや、明日香ちゃんと起こしにいったんだけど、あんたの寝てる
 姿見て起こす気なくなったっていって、、笑いながら帰っていっ
 たで。」
「失礼ね。何がそんなに面白いのさ?」
「・・・寝相。」

みっちゃん、思い出し笑いをしている。。ほんとに失礼なやつらだ。


164 :なんちてクエスト:2003/04/12 10:41:05
「あれ? じゃあ紺野はどこ行ったの?」
「ああ、あさ美ちゃんは冒険者事務所になんか調べに行くって出て
 った。」

そういやいろいろと本が並んでて、あそこのおじさんが自由に読ん
でいいよって言ってたっけ。
それにしても、あんなところで何を調べてんだろ?

「なんか森の植物とか調べるって言ってたで。」

ふ〜ん。私は何をしようかなあ。
あ、そうだ。剣の練習でもしようっと。


165 :なんちてクエスト:2003/04/12 10:41:54
自分の部屋に戻って、ちょっと部屋に散らかっているものを片付け、
短剣を構える。イメージトレーニング開始。。

「やあっ。」

ゴチッ。

痛っ。

「とうっ。」

ドンッ。

痛っ。

「えいっ。」

ガシャーン。

あ、まずっ。。
今日はこれぐらいにしといてやるか。


166 :なんちてクエスト:2003/04/12 10:42:39
「こら、なっち。ドタバタうるさいで。何やっとんや。」

向こうからみっちゃんの怒鳴り声がしてくる。

「ごめ〜ん。もう止めたから。」

さてっと、、う〜んと、、そうだ。冒険者事務所でもらったやつで
も読もうっと。

あれ? どこだっけ? あ、あったあった。冒険初心者の心得。

うげっ。結構、文字書いてるなあ。紺野、これ全部読んだのか。す
ごいな。。よしっ、がんばるぞっ。

・・・・・・

・・・ん〜。

「安倍さん。起きてくださいってば〜。」

あれ、紺野・・・いたの?

「ほら、晩御飯できてますよ。早く食べないと冷めちゃいますよ。」

あ、、晩御飯? もうそんな時間?


167 :なんちてクエスト:2003/04/12 10:43:04
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168 :名無し娘。:2003/04/14 05:16:17
なっちのんきだな(w

169 :なんちてクエスト:2003/05/03 12:32:27
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170 :なんちてクエスト:2003/05/03 12:32:57
「明日香。おはよ。」
「おはよ。ちょっと待ってて。」

今日は、昨日の雨がうそみたいに快晴なのだ。
私は紺野と一緒に明日香を誘いに来ていた。

「明日香、遅〜い。」
「うるさい。」

明日香が奥から出てくるのが見えた。
食事中だったらしく、口の中をまだもぐもぐさせている。

「行って来ま〜ふ。」

杖を持ち、靴を履きながら表に出てくる。

「福田さん。口の辺り、ついてますよ。」
「どこ?」

自分の服のすそでごしごしと顔をこすってる。

「とれた?」
「はい。」
「よしっ、行こうか。」

今日も3人で森に行くのだ。
冒険2日目。がんばるぞ〜、おうっ。


171 :なんちてクエスト:2003/05/03 12:33:37
「あれ? なっち? どしたの?」
「ん? 何が?」
「アザだらけじゃん。」

ふっふっふっふっふっ。実はね、、

「福田さん。何言ってるんですか? いつもですよ。」
「あ、そりゃそうだ。」

おいっ。こら待て。

「違うよ。これはね、なんとね、、」
「なっち、もういいから。」

ちっとも良くないっ。

「なっちはね、何を隠そう、」
「いや、ず〜っと隠していいから。」

ばか。


172 :なんちてクエスト:2003/05/03 12:33:59
「なっちはね、秘密の特訓をしてたんだよ。」
「・・・」
「・・・」

2人とも驚いたようだ。私もやるときはやるのよ。

「いつ?」
「昨日に決まってるじゃない。」

明日香も何、バカなこと聞いてるのよ。

「・・・」
「・・・」
「寝てましたよねえ。。福田さん?」
「うん、寝てたよねえ。確か。」

紺野と明日香が、うなづき合っている。

「なっち、寝てたから知らないだろうけど、私、昨日の朝、行った
 んだよ。」
「あれは朝でしょ。」
「私が帰ったときもまだ、安倍さん、寝てましたよねえ?」
「あれは晩でしょ。」
「・・・」
「・・・」

もういいもん。


173 :なんちてクエスト:2003/05/03 12:34:23
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174 :なんちてクエスト:2003/05/03 12:34:46
森に着いた。中に入っていく。
う〜ん、やっぱりなんか、いい。
こう、なんての? 自然がいっぱいだよね。

「ところで紺野さあ、」
「何ですか?」
「昨日、冒険者事務所に何調べに行ってたの?」
「ああ、いろいろと。。森の植物とか、、」

ふ〜ん。

「あ、安倍さん。そこの赤い実のやつ。」

あ、こないだ私が食べれるのかなって聞いたやつだ。

「それ、食べられるらしいですよ。」
「そうなんだ。」
「水分を多く含んでいるらしいので、お腹の足しというより水分補
 給が目的で冒険者が採って食べるそうですよ。」

ふ〜ん。そうなんだ。

「でもさあ、のどが渇けば水飲めばいいんじゃない?」
「なっち。冒険者って、毎日家に帰ってご飯食べるわけじゃないよ。」

あ、そっか。私たちみたいにかけだしじゃなくて、何日も何日も冒
険し続けている人たちだっているもんね。


175 :なんちてクエスト:2003/05/03 12:35:11
しばらく森を歩いているんだけど、、モンスターいないなあ。
今日はお休みなのかなあ?

プチッ。

ん? 何か踏んだ?

ボコッ。

ん? あれ?

明日香と紺野も立ち止まって、私を見た。
私も何がなんだかよく分からない。

「なっち、ちょっと冒険者免許証見せてみ。」
「なによぉ。明日香、自分の持ってるじゃない。」
「いいから。」

明日香が奪い取るかのように私の冒険者免許証をつかんで見ている。
どしたのよ?

「あ、やっぱり。10ポイント増えてる。」

えっ、何で?

「安倍さん。さっき、スライム踏みませんでした?」
「たぶん、子供ぐらいのスライムじゃないかな?」

・・・そなの?


176 :なんちてクエスト:2003/05/03 12:35:44
「え〜っと、、わ〜い、って、喜んでいいのかな、これ?」

とまどう私に、明日香が喜びの表情を向ける。

「おめでとう。なっち。」
「あ、ありがと・・・」

よ、喜んでいいのかな? 素直に喜ぼうかな?
わ〜い。やった〜。。実感無いけど。

「初めてなっちが自分一人でモンスターを倒したんだよ。」

明日香・・・

「そうですよね。今まで棚からぼた餅ばっかりでしたものね。」

紺野・・・

「いよっ、めでたい。なっち、おめでと〜。」
「安倍さん。おめでとうございます。」

あの〜〜

「今夜は赤飯ですね。」

バカにしてるでしょ。ぜったい私のことバカにしてるでしょ。

「なっち、なっち。さっきから何、膨れてんのさ〜。」
「だって、、」
「何だよ。素直によろこんであげたんじゃないの?」
「安倍さん、すねないでくださいよ。謝ります。」
「もういいもん。すねてなんかないもん。」
「ほら、やっぱりすねてる。」

ふんっ。


177 :名無し娘。:2003/05/03 12:47:50
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これも棚からぼた餅、いや犬も歩けばスライムを潰すって奴だな。

178 :名無し娘。:2003/05/30 19:18:10
保全

179 :なんちてクエスト:2003/06/12 18:16:12
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180 :なんちてクエスト:2003/06/12 18:16:48
何か向こうの茂みでがさごそしてるなと思ってたら、猫ぐらいの大
きさの白い生き物が飛び出てきた。
耳が長めで、赤目をしている。

か、かわい〜。

「あ、ばか。なっち、近づいちゃダメ。」

え、何で?

明日香が杖を構えた。

「モンスターですよ。えーっと確か、、ギサウ、でしたっけ?」

紺野が剣を構えつつも、一生懸命思い出そうとしている。

「レベル2、、だったような?」
「え〜。なっちたちより強いじゃない? に、逃げようか。」
「こっちは3人だし、相手は1匹。何とかなる。」
「でも明日香〜。」
「何よ。」
「あっちにももう1匹いるんだけど、、」
「・・・早くいいなよ。ばか。」


181 :なんちてクエスト:2003/06/12 18:17:16
ギサウが私に飛び掛ってきた。

ドンッ。

あいた。

私は突き飛ばされてたまらずしりもちをついた。
すかさずギサウは私の腕に噛み付いてきた。

痛っ。

明日香が杖を横に払うとギサウが飛びのいた。
素早い。

ひぃ〜〜。

「あ、明日香のバカ。もう少しでなっちに当たってたじゃないの。」
「当たんなかったでしょ。早く立って剣を構えなさい。」

い、言われなくたって。くそっ。


182 :なんちてクエスト:2003/06/12 18:17:52
向こうでもう1匹のギサウと交戦中の紺野が叫んだ。

「ギサウは歯が鋭くて噛み付き攻撃が得意ですから気をつけてくだ
 さいね。」

お、遅いわい。

「紺野、他には?」
「見ての通り素早いのが特徴です。」

・・・見りゃ分かるって。

「弱点は無いの?」
「スライムと一緒で剣でも魔法でも効くそうです。」

・・・あっそ。

それなら、よ〜し、とりあえず、、

「えいっ。」

ギサウめがけて剣を振り下ろす。かわされた。

「ねえ、剣を振っても当たらない場合は?」
「・・・強くなってください。」

・・・やっぱ逃げようよぉ。


183 :なんちてクエスト:2003/06/12 18:18:26
「きゃっ。」
「紺野、大丈夫?」
「は、はい。」

紺野が立ち上がるのが見えた。
私はすぐにも紺野のそばに行ってあげたかったけど、目の前にいる
ギサウがそうもさせてくれそうにない。

「逃げたいけど、ちょっと逃げられそうに無いね。」

ほら、だから言ったじゃない。

「明日香。紺野の方に行ってあげて。」
「ばか。なっちの方が危ないじゃないの。」
「どういう意味よ〜。」
「ほら、戦闘中によそ見しないのっ。」

明日香が杖を振り下ろす。

えっ?


184 :なんちてクエスト:2003/06/12 18:18:47
あわててギサウの方を見ると、なんと私に飛びかかってきてるじゃ
ないの。明日香の杖がギサウに当たって、ギサウは地面に叩きつけ
られた。

チャ〜ンス。

そこにすかさず私のキ〜ック。
ギサウが吹っ飛んで向こうの木に叩きつけられた。

ボコッ。

や、やっつけたぞ。

「わ〜い。作戦通り。」
「うそつけ。」
「ほんとだも〜ん。」
「だいたいそれにさ、剣を使いなよ。せっかく持ってんだからね。」

やっつけれたんだからいいもん。


185 :なんちてクエスト:2003/06/12 18:19:10
あ、そだ。紺野は?

紺野と交戦中のギサウは紺野の方を向いていて、私と明日香に気付
いていないみたい。後ろからそ〜っと近づいて剣を振り下ろす。

「えいっ。」

当たった。けどまだだ。
ギサウは横に飛び逃げた。

「あ、逃げるか。」

ギサウがこっちを向く。
と同時に、明日香がギサウめがけて杖を振り下ろした。

ボコッ。

よし。やっつけた。

「紺野、大丈夫?」
「は、はい。なんとか。ありがとうございます。」

紺野がその場にへたり込んだ。
周りを見渡す。もうモンスターはいないようだ。
私もその場に座り込んだ。


186 :なんちてクエスト:2003/06/12 18:19:28
「疲れた〜。」
「そだね。」
「疲れましたね。」


3人ともハアハア言いながら、肩で息をしている。
明日香や紺野と顔を見合わせる。

「あはははははは。」
「はははは。」
「はははははは。」

なんか不気味な感じがするかもしれないけど、なんとなく3人で笑
いあっていた。安心したせいかな?

「それにしても強かったね〜。なっち、もうくたくただよ〜。」
「何言ってんの、って、私も疲れた。はあ〜。」
「ちょっと休んでいきましょうか。」

賛成。


187 :なんちてクエスト:2003/06/12 18:19:53
はあ〜。疲れた。
それにしてもいい天気だな。こんな日はお布団でも干して、、

ボガッ。

「こら、なっち。寝るな。」

うう〜。殴らなくたって。

「こんなところで寝てて、モンスターに襲われたらどうするのよ。」
「だぁってぇぇ〜。」
「だってじゃないっ。」
「けど福田さん。今、スライムに襲われても苦戦しますよ。」

そうだそうだ。紺野の言うとおりだ。

「大量に出てこられたらやられちゃうよね〜。」
「だからって、寝るんじゃないって。」

結局、しばらくここで休息をとることにした。
といっても、正直なところ、3人とも動けないほど疲れていただけ
なんだけどさ。


188 :なんちてクエスト:2003/06/12 18:20:27
「それよりさ〜、紺野。私たち結構稼いだんじゃな〜い?」
「何でです?」
「だって、あんなに強かったじゃん。しかも2匹もさ。」
「ちょっと待ってくださいね。。」

紺野がモンスター辞典を調べる。

「え〜っとですねえ、さっきのはただのギサウですから、、」
「え? ただのってどういうこと?」
「いや、あの〜、普通の白ギサウですから。」

ってことは、赤ギサウとかピンクギサウとかいるんだろうか??

「1匹当たり20ゴールド20ポイントですね。」
「え? たったの?」
「はい。」

ってことはスライム2匹分ってこと?? へ?

「え”〜。こんなに疲れたのに〜??」
「そこのばかなっち。」
「何よ。明日香。」
「白ギサウはレベル2でしょ。レベル2。そんなに高いわけ無いじ
 ゃない。私たちが弱いだけなんだよ。」

うう、でもでも、、


189 :なんちてクエスト:2003/06/12 18:21:09
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190 :なんちてクエスト:2003/07/12 13:19:45
どれぐらい休んでいただろう。幸い、その間にモンスターは現れな
かった。

「どうする? 明日香〜?」
「何が?」
「今日はもう帰らない?」
「ん〜。。」

ちょっと体力も回復して十分動けるようにはなっていたけど、さす
がにまたギサウが出てきたら危ないと思うんだよね。

「どうします? 余力のあるうちに帰りませんか?」
「ん〜、そだね。帰りにモンスターに会うかもしれないしね。」

よしっ、決定。
そうとなれば、、

「なっち、急に元気になったね。」

そ、そう?


191 :なんちてクエスト:2003/07/12 13:20:19
ピトッ。

あ、なんか背中が気持ちい〜。。痛っ。

「ぎゃああ〜〜〜〜。」
「どしたの、なっち?」
「あ、安倍さん。背中にスライムが付いてますよ。」
「嫌だ〜〜。取って。取って。取って。」

ドンッ。

痛っ。

明日香に背中を蹴飛ばされた私は、その場に転げた。

「な、何すんのよぉ。」
「スライム取ったんでしょ。」
「蹴飛ばさなくたっていいじゃないの。」
「スライムなんだから、手でつかめないでしょ。」

うっ、そりゃそうだ。

「いいから早く立ちなさいよ。」

ばか。言われなくたって。。


192 :なんちてクエスト:2003/07/12 13:21:05
それにしても人の背後から襲うなんて、なんて卑劣な。

「あんたたち、襲うときは『これから襲いますけどいいですか』っ
 て聞いて、こちらが『はい。いいですよ』って答えてから襲うの
 が礼儀でしょが〜。」
「・・・なっち。誰に向かって言ってんの?」
「そこのスライムたちよっ。」
「安倍さん・・・大丈夫ですか?」

失礼な紺野と明日香に文句を言いたいが、まずはスライムだ。
え〜っと、、1、2、3匹。

明日香がスライムめがけて飛び込んだ。

「やあ〜〜〜〜。」

ボコッ。

よし、一匹退治。

そのまま杖を横に払うがスライムは左右に逃げた。


193 :なんちてクエスト:2003/07/12 13:21:35
「ようし、かかって来い。」
「なっち、いいから行きなさいよ。」

もう、仕方ないなあ〜。

「えいっ。」

私の振り下ろした剣はスライムに当たったが、致命傷じゃない。
明日香が飛び込む。
外れた。
明日香の2撃目。

ボコッ。

よし、やっつけた。
どうやら私も明日香もかなり疲れが出てきているみたい。

向こう側のもう一匹は紺野がやっつけたようだ。
紺野も成長しているな。うんうん。

「なっち。なっち。」
「どしたの?」
「『これから襲いますけどいいですか』って聞かなかったの?」

な、何、笑ってんだ? ばか。


194 :なんちてクエスト:2003/07/12 13:22:00
チャララチャッチャチャ〜ン。

ん? 何の音だ?
あれ? 私の冒険者免許証が光ってる? なんで?

明日香と紺野もよって来て私の冒険者免許証をのぞきこむ。

「え〜〜〜? 何でなっちが??」
「システムがトラブルでも起こしたんでしょうか?」

な、何々? どしたの? どしたの?

「なんでこれ、光ってるのよぉ〜。」
「何言ってんの? レベルアップしたんでしょが?」
「あ、福田さん。安倍さんはそういう冒険者として当然のことを知
 りませんから、もしかして、、」
「えっ? 知らなかったの? ホント? ねえ、なっち?」

ん? 事態がよく飲み込めないんだけど、、

「レベルアップしたんだよ。」
「・・・誰が?」
「安倍さんですよ。」
「自分の冒険者免許証ちゃんとよく見てみてよ。」

もう光っていないが、ほんとだ。レベル2になっている。
うわ〜〜い。やった〜〜〜。


195 :なんちてクエスト:2003/07/12 13:22:32
「それにしてもおかしいな。なんでなっちが一番にレベルアップし
 たんだろ?」

あ、明日香。悔しんでる。うひひひひひひ。

「ちゃんと見なさいよぉ。ほらほら、100ポイントになってるじ
 ゃないの。」

もうっ。なんで素直に喜べないのよ。
人間、素直が一番だよ。

「順番から行ったら、私と紺野が先だよねえ。なっち、逃げてばっ
 かりだし。」
「福田さん。今、何ポイントですか? 私は60ポイントですけど。」
「ちょっと待って、、あ、90ポイントだ。あとスライム1匹。」
「やっぱりトラブルか何かでしょうか?」
「あれ? なっち。何、怒ってんの?」

知らないっ。


196 :なんちてクエスト:2003/07/12 13:22:51
----------------------------------------------


197 :名無し娘。:2003/07/13 08:16:28


安倍はなんだかんだでオイシイとこもってくなw

198 :名無し娘。:2003/07/13 08:17:00
ageてもた・・・逝ってきます・・

199 :なんちてクエスト:2003/08/02 20:18:40
てきとーにあげたりさげたりでいいですよ。
----------------------------------------------


200 :なんちてクエスト:2003/08/02 20:19:00
あの後、明日香がスライム1匹倒すまで帰らないって言いだしたか
らすっかり日が暮れてしまった。

「ねえ明日香〜。帰ろうよぉ。」
「・・・」
「暗くなってきたしさあ〜。」
「・・・」
「お腹すいたよぉ〜。」
「え〜い、うるさい。」

なによぉ。もうっ。
レベルアップ、別に明日だっていいじゃない。

「なっちもしっかりモンスター探しなさいよ。」
「だってぇ〜〜。」
「あとスライム1匹でいいんだからね。スライム1匹。」

そういってもなぁ〜。そううまくいるわけないっしょ。

「あ、福田さん。。あそこ。」
「どこ?」


201 :なんちてクエスト:2003/08/02 20:19:59
紺野が人差し指を自分の口元に当て、そしてゆっくりと向こうの茂
みを挿した。

何かいる。。暗くてよく見えないや。

「もうちょっと近づいてみようか?」

私は小さい声でささやくと、明日香が左手で私を制するような仕草
をして目を細めた。
私も少しかがみ気味な姿勢で覗き込んだ。。何匹かいるみたいだ。
どうやら向こうは私たちのことに気付いていないらしい。
モンスターと私たちの間にはまだ距離がある。

しばらくして明日香がつぶやいた。

「あれ、ギサウじゃない? 3匹、かな?」
「4匹、、じゃないですか?」

う〜ん。ひざぐらいの高さの草の向こうに重なるようにいるので
何匹だかはっきりしないや。もう少し近づいたら分かるんだけどな。

「そこのレベル2。」

な、なによ、それ。ひょっとして私のこと?

「元気ある?」
「お腹すいた。」
「・・・逃げようっか?」
「賛成。」

ということで、私たちはひっそりとこっそりと、その場を後にした。


202 :なんちてクエスト:2003/08/02 20:20:37
----------------------------------------------


203 :名無し娘。:2003/08/02 20:36:59
更新乙

204 :名無し娘。:2003/08/21 18:39:27
   

205 :名無し娘。:2003/09/04(木) 00:42
なんだか好き。
がんがって。

206 :名無し娘。:2003/10/01(水) 21:16
保全

207 :名無し募集中。。。:2003/10/20(月) 16:41
フォーチュンクエストに似てますな。
語り手のだめっぷりといい

208 :名無し娘。:2003/11/06(木) 21:24
未然

209 :名無し娘。:2003/11/11(火) 22:33
お膳

210 :なんちてクエスト:2003/11/15(土) 14:22
3ヶ月ぶりでございます。
自分で移転願い出したスレですので、1度ぐらい更新しなければ。
これからもほとんど更新でけまへん。次は年内にはなんとか。
----------------------------------------------

211 :なんちてクエスト:2003/11/15(土) 14:23
それは私が朝ごはんを食べていたときだった。

「あ、そうだ。圭織んとこに昨日取れた野菜を持っててよ。」

みっちゃんは何事もなかったかのように、そう言った。
一瞬、にぎやかだった食卓が嘘のように静まり返る。
不幸とはいつも突如としてこうした平和なときに忍び寄るのだ。

「なにぶつぶつ言ってんの? なっち、聞いてる?」
「え〜〜〜。なっち、圭織おばあちゃん、苦手なんだもん。」

何を隠そう、圭織おばあちゃんは話しをしだすと長いのだ。

「あんたたち、冒険者なんでしょ。これも一種の冒険やん。」
「どこがぁ?」
「ふっふっふっ。あんたたちに使命が授かったのよ。」

そんな使命、いらない。

「明日香ちゃんのご家族の方には昨日のうちに言ってあるから、
 みんなで泊まってらっしゃいな。」
「ふぁ〜〜い。」
「いいから行ってきなさい。いい子にするのよ。」
「はぁぁぁ〜〜〜い。」

やれやれ、朝からしんどいなあ。

「いいからとっとと行け。」

212 :なんちてクエスト:2003/11/15(土) 14:23
圭織おばあちゃんの家は森の少しだけ向こう側にある。
距離的には近いのだが、森を回っていかなければいけないので着く
のはいつも夕方ぐらいになるのだ。

そして私たち3人は今、この道を歩いているわけなのだ。

「で、何で私も行かなきゃいけないのよ。」
「だって明日香だってかわいがってもらってるじゃん。」
「かわいがられてあげてるだけだって。」

とかなんとか言っちゃって、明日香だって圭織おばあちゃんのこと
嫌いじゃないのは知っている。私と一緒で圭織おばあちゃんの長い
話が嫌いなだけなのだ。しかしなぜか紺野だけは、そんなに苦痛じゃ
ないらしい。何でだろな?


「で、なっちさあ。」
「何よ。」
「何で私まであんたんとこの野菜を背負わなくちゃいけないんだよ。」
「いいじゃん。紺野と2人で持ちきれないんだからさあ。」
「そうですよ。これもトレーニングだと思えば。」

前向きだねえ〜。

「でないとあの福田さんのところの鉄よろいなんか着れませんよ。」

ひょっとしてあの錆びたの、着る気なの?

213 :なんちてクエスト:2003/11/15(土) 14:26

「ねえ、ねえ。つまんな〜い。」
「じゃあさ、なっち。」
「何?」
「この森の中を抜けて行ってみる?」
「え? モンスターが出るよ。」
「私たち、冒険者になったじゃないの。」

あ、そうか。
う〜ん。でも、あんまり奥に行くと強いモンスターが出てくるかも
しれないしなあ。

「大丈夫だよ。ここからおばあちゃん家までなら、まっすぐ直線距
 離で進んでもそんなに森の奥には入らないから。」

それもそだな。
よしっ、行こう!

「食料もたっぷりあるし。」

おいっ。

214 :なんちてクエスト:2003/11/15(土) 14:26
----------------------------------------------

215 :名無し娘。:2003/11/15(土) 23:24
ヒサブリ更新乙

飯田おばあちゃんが今から楽しみでしょうがない

216 :名無し娘。:2003/11/25(火) 09:53
保全

217 :名無し娘。:2003/12/17(水) 15:50
sine------

218 :名無し娘。:2003/12/21(日) 16:35
ho

219 :名無し娘。:2003/12/22(月) 20:07
次は年内になんとか

220 :名無し娘。:2003/12/22(月) 21:15
保全したいのか荒らしたいのか、どっちだ?

221 :名無し娘。:2003/12/29(月) 01:54


222 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:31
いつも一言感想ありがとう。
それがなかったらもう辞めてたと思う。

私は私が書きたいときに書く。
でも私の小説の能力では思ったものを書くことが厳しいんだよね。
----------------------------------------------

223 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:31
森に入ってすぐにスライム発見!

「やっほ〜い。スライム、スライム。」
「どしたの? なっち。」
「きっとレベル2になって浮かれているんですよ。」

言っとけ、言っとけ。
え〜っと、ひぃ、ふぅ、みぃ、、4匹だな。

「いっちばんのり〜。」

あ、ずる〜い。

明日香がスライムめがけて飛び込んでいった。
あっというまにスライム2匹を倒した。
私も負けじとスライムめがけて剣を振るった。

ボコッ。

よしっ。

残る1匹が逃げ出そうとしてたけど、紺野が追いかけてってしとめ
たようだ。

「う〜ん。快調。快調。」

今まで退屈してたぶん、やっぱり3人とも元気が有り余っている感
じだ。

224 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:32
チャララチャッチャチャ〜ン。

明日香の冒険者免許証が光っている。明日香もレベルアップしたみ
たいだ。

「よしっ、レベル2。」
「なんだ明日香、まだレベル2なの?」
「なっちだって一緒でしょ。」

ちょっとすねてほっぺを膨らしている明日香の顔、、かわいい。

「なによ。」
「いや、何でも。」
「何笑ってんのよ。」
「べっつに〜〜。」

あ、怒った。怒った。。かわいいっ。

「いいじゃないですか、お二人ともレベル2で。私なんてまだ1で
 すよ。」

そうか、そうだね。
今度モンスターが出たときは紺野にとどめを刺してあげさせるからね。
うん。そうしよっ。

225 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:33
あれ? さっきから明日香のやつ、何してんだ?

「ねえねえ、明日香〜。さっきから何してんのさ〜? 自分の冒険
 者免許証ばっか眺めて。」
「あ、、うん。魔法覚えてないかな〜と思ってさ。」

??

「ほら、レベルアップしたしさ。」

何言ってんだ??

「福田さんまだレベル2じゃないですか。まだ魔法覚えられるわけ
 ありませんよ。よっぽど適正がないと。」
「それもそうだね。裕ちゃんだってレベル3で初めて魔法使えるよ
 うになったんだしね。」
「未だにレベル3ですけどね。」
「そのうち、私たちの方が上になっちゃうかもよ。」
「がんばりましょうね。」

う〜ん。レベルアップすると魔法を覚えられるのか。
けどそれが冒険者免許証と何か関係あるのかな?
う〜ん、、聞きたいけど、また2人にバカにされるのも嫌だしなあ・・・

226 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:33
「どうしたんですか、安倍さん?」
「え? い、いや。別に。」

ば、ばか。急に声かけられるとびっくりしちゃうじゃないの。

「あ、分かった。なっち、知らないんだ〜。」
「え? 何をですか?」
「ま、ほ、う。」
「安倍さんもまだ魔法は覚えてるはずないじゃないですか〜。」
「じゃなくってさ。紺野。」

あ、また明日香がニタニタ笑いしてるっ。

「・・・・・・え、うそっ? ほんとですか、安倍さん?」

なによ。紺野までその顔は?

「な、な〜に言ってんのよ。2人とも。知ってるに決まってるじゃないの。」

え〜っと、『冒険初心者の心得』持ってきてたっけな?

「あ、あの顔はウソだね。」
「なんだ、安倍さん。早く言ってくれればいいのに。」

あれ? 何でバレたんだろ?

227 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:33
----------------------------------------------

228 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:34
なんでも自分の使える魔法が冒険者免許証の裏に表示されるんだそ
うだ。魔法が使えるようになったかどうか、これみて確認するらしい。

ふ〜ん。私のなんて『サンダー』としか書いてないや。
冒険者免許証をもらったときに裏には文字が何も書かれていなかっ
たからそういうもんだと、、あれ? サンダー??

「え”〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」
「な、なっちどうしたの?」
「大丈夫ですか? 安倍さん?」

2人に私の冒険者免許証の裏を見せる。

「ほ、ほ、ほ、ほほほ、、ほら。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

あ〜〜、明日香のバカ。人の冒険者免許証を捨てるな〜。

「紺野、のど渇かない?」
「あ〜、渇きましたねえ。あ、ほら、あそこの果実、食べられますよ。」
「あ、ほんとだ。食べてみようか。」

こら〜〜!

「紺野、ちょっと剣貸してよ。あの枝、切るからさ。」
「あ、私が切りますよ。ちょっと待っててください。」

229 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:34
私は自分の冒険者免許証を拾って、土を払った。

「何すんのよぉ。」
「え? 何って、あの果実を枝から取ろうと、、」
「なっち、いらないの?」
「そうじゃないっ。」
「あ、じゃあ、、紺野、3つね。」
「じゃなくって、」
「食べないの?」

違〜〜うぅぅぅ。
ほらそこ、現実逃避するんじゃないっ。

「え〜。だって、ありえないよ。」
「そうですよ。」
「何がよ?」
「なっち、自分で書いたんじゃないの?」

そんなこと、するかい!

「ちょっと冒険者免許証貸してみて。」
「何すんの?」
「マジックで塗りつぶすから。」

せんでいいっ。

230 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:34
----------------------------------------------

231 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:35
「もう、なっち〜。まだ怒ってんの?」
「当ったり前じゃないのぉ。」
「さっきの果実、おいしかったじゃないですかぁ。」
「そうだね。」
「じゃあ、いいじゃない。」

何がよっ。

「そろそろ機嫌直したら?」
「一番大きいの、上げましたのにねえ。」
「そうだよねえ。」

それはそれ。これはこれ。

「だいたいさあ、、」
「何よ。」
「なっち、覚えといてよ。」
「だから何よ。」
「そもそも私が黒魔法使いになるんだからね。」

知らないわよ。

「それなのに何でなっちがサンダーとか使えるようになるわけ?」

そりゃ、、なんでだろ?

「安倍さん。福田さん。モンスターです。」

紺野が剣を構えながら叫んだ。

232 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:35
「何々? スライム?」

違う。スライムじゃないぞ。何だ?

「紺野、あれ何ていうモンスター?」

私も剣を構える。

大の大人がひざを抱えて丸まったぐらいの大きさだ。
結構でかい。
なんとなく表面がミルク色で、ぬるるんっていう感じ。

「なっち、あれはクジナメだよ。私、以前見たことある。」
「強いの?」
「たしかレベル3。」
「・・・逃げよっか?」
「大丈夫だよ。私たち3人いるんだしさ。」

そうか。レベル3ったって、1匹だけだしね。こっちは3人だし、
なんたって私と明日香はレベル2だ。まあ、明日香はなりたてだけどね。

233 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:35
「なんか襲ってこないね。」
「こっちに気付いていないんじゃない?」

や、それはないでしょ。思いっきり目は私たちを見てるし。

「弱点は何なの?」
「ん〜っと、何だっけ?」
「私、覚えてます。魔法が弱点ですよ。その代わり、あまり剣によ
 る攻撃とかは有効じゃないって書いてました。」

紺野は勉強家だな。なんて感心してられるほど、のほほんとした空
気が私たちとクジナメの間を流れている気がする。

ふ〜ん。そうか。剣による攻撃が効かないのかあ。そりゃあのヌメ
ヌメっとした体つきじゃあ、よっぽど剣先が速いぐらいの剣の腕前
か、よっぽど切れ味がいいような剣でないと致命傷は与えづらいかな?
って、ダメじゃん。あたしたちじゃ。やっぱ、逃げよっかな〜。

「ねえ、それにしてもこのモンスター、おとなしいね。ひょっとし
 て戦う気がないんじゃない?」
「それは大丈夫ですよ。敵が後姿を見せたとたん、ものすごい勢い
 で追いかけてきて、相手を押し倒してその上でゆっくり食すって
 書いてましたよ。」

うぎゃあ、どこが大丈夫なんだいって。

234 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:36
「それにしてもおかしいですねえ。」

今度は何よ。

「1匹しかいないですよ。そもそもクジナメって集団で行動して集
 団で狩をするモンスターらしいんですけどね。」

う〜、、こんなのが集団でものすごい勢いで追いかけてきて、私た
ちの上におぶさってくることを想像するだけで、、、いやぁぁぁ〜。

「仲間とはぐれたんでしょうかね?」
「この1匹、おとりかもしれないよ。」

怖いこと言わないでよ。明日香。

辺りを見渡す。大丈夫。他にいないみたい。
あ〜、よかった。

「なっち、なにうろちょろしてんの。」
「だあってぇ〜。」
「で、どうします?」
「紺野さあ、クジナメってどれぐらい速いの?」
「あ、私、知ってる。人間が走るよりずいぶん速いよ。」

そうなんだ。明日香は以前見たことがあるんだったよね。

235 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:36
「ということで、なっち、そこに寝転がってて。」
「ん? なんで?」
「その間に私たちが逃げるから。」

・・・死ね。

なんかクジナメとの間隔がせまくなった気がする。。
って、気がするだけじゃなくて、じりじりとこっちに間合いを詰め
てきている。

「なっち、あんた魔法が使えるようになったんでしょ。」

そ、そうだった。私にはサンダーがあるんだ。

・・・

「ほら、なっち。」

・・・・・・

「安倍さん。」

・・・・・・・・・

「なっち、どしたの?」
「あのさ・・・魔法ってどうやって使うの?」

236 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:37
「・・・知らないの?」
「知らないわよ。だって使ったことないんだもん。どうするのよっ。」
「私だって知らないよ。まだ使えないんだもん。」
「明日香ってば黒魔法使い希望なんでしょ。」
「いいからとにかく叫んでみれば。」

それもそうね。

「安倍さん。早くしてくださいっ。」

私は両手を挙げ、声高らかに叫んだ。

「サンダー!」

・・・何も起こらない。

「なっち、ふざけてないでさ。早くっ。」

いや、、あの、、

「安倍さんっ。」

決してふざけているわけじゃなくってさ。

237 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:37
「安倍さん。もっと精神を集中してください。」

集中? どうやって?

「片手を対象となるモンスターに向けて、気を集中させてください。」

とにかく紺野の言うとおりにやってみるしかない。
私は剣を持っていないほうの腕をクジナメに向けた。
そうしている間にもクジナメはじりじりと寄ってきている。
まるで私たちが後ろを向いて逃げ出すのを待つかのごとく。

「精神を集中してください。左手に何かが集まる感じがありますか?」

う〜ん? う〜ん。。なんとなくだけどさ。

「はい、、もっと集中して集中して。」

目を閉じた。

「安倍さん、目を閉じないで。対象となるモンスターを凝視して。」

クジナメを見つめる。これでもかというぐらい睨み付けた。

「そして一気に気を爆発させる感じでサンダーと叫んでください。」

238 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:37
よし、分かった。う〜〜〜〜〜〜、、、

「サンダーー!」

私の左の手のひらが一瞬、光が放された。
まぶしいと思うまもなく、その光は1本のちぢ切れた糸のようにク
ジナメに向かった。

パシッ。

一瞬、クジナメがひるんだような気がしたが、そして何事もなかっ
たかのごとく、先ほどと同じ見慣れた光景に戻った。

あ、何か私の中で脱力感が・・・

「ダメ。」
「何が?」
「もんのすごい脱力感が。」
「なんで?」
「知らないわよっ。」
「何もしてないのに?」
「サンダー打ったでしょ。」
「・・・」
「・・・いつ? 何か光ってクジナメにちょろちょろと光がつなが
 った気がしたけど。」

239 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:38
それがそうなんだってば。

「ぜんぜんダメージ与えてないというか、なっちの方がダメージ受
 けてない?」

知らないわよ。そんなの。

「福田さん。あの〜、、安倍さんはまだレベル2ですから。」
「・・・」
「静電気に弱いモンスターもいるかもしれませんし・・・」

紺野、、なにげにひどいこと言ってるね。今、グサッっと来たよ。

「なっち、もう1度だ。」
「ようっし、今度こそ。」

私は剣を左手に持ち替え、今度は右手を差し出した。
今の私のレベルでできるベストな体勢を考えると、右手の人差し指
を銃のようにして、クジナメに向けることだ。

240 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:38
「あ、ダメですよ。安倍さん。」

紺野が叫んでいた声が聞こえたが、私はもう精神を集中しきっていた。

「サンダー!!」

パシッ。

さっきよりかはほんのちょっとだけ太い、けど糸みたいな光がクジ
ナメにぶつかった。
その光のあたったクジナメの表面部分が少し焦げたようにすすけた
色に変色している。

よしっ。

あれ? でもなんかダメージを与えたような手ごたえがないぞ。
あれ? 体中の力が抜けていく感じがする。

私はその場に両手を着き、しゃがみこんでしまった。
意識が遠のいて行くのをなんとか食い止める。

241 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:39
「なっち、あぶな〜い。」

ボコッ。

あ、明日香の蹴りが・・・
何すんの? 明日香のバカ。

明日香に蹴り飛ばされて宙に浮いている私が見たものは、さっきま
で私がしゃがみこんでいた場所に、クジナメが上から降ってきたと
ころだった。あのままだったらまちがいなく私はクジナメの下敷き
となっていたことだろう。

クジナメさん。あんなに飛ぶんだ・・・

「え〜い。もう破れかぶれだ〜。」

明日香の声が聞こえる。
そして私の意識は途切れた。

242 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 14:39
----------------------------------------------

243 :なんちてクエスト:2003/12/30(火) 20:30
私は森の中にいた。

あれ? 紺野は? 明日香は?
私一人だ。
仕方ないなあ。2人とも迷子になっちゃって。

ん? 何か地面が揺れているぞ。

足元を見る。
おかしい。一面白色だ。
土や草がないぞ。どうして?

白色な地面がうねりだした。
あれ? よくみるとクジナメじゃないの。それも無数の。

うぎゃぁあぁ。

私はクジナメの上に立っていた。
あ、足元が滑るっ。
まずっ。

私はクジナメの上に倒れこんだ。
無数のクジナメ。
ヌメヌメ。
だ、誰か助けてよぉ〜。

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0ch BBS 2006-02-27