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レス数が950を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
俺と娘。の夢物語〜in 狩狩〜
1 :
名無し娘。
:2003/09/09(火) 18:55
前スレ
俺と娘。の夢物語
http://teri.2ch.net/mor2/kako/977/977128657.html
俺と娘。の夢物語〜第2章〜
http://teri.2ch.net/mor2/kako/986/986831774.html
俺と娘。の夢物語〜第3章〜
http://www.metroports.com/test/read.cgi/morning/1004618557/
このスレを狩と共に終わらせてしまうのは、
余りにも惜しい。
642 :
名無し娘。
:2004/06/18(金) 20:55
あっちを見て思ったのだが・・・連動させる意味無くね?
643 :
てと
:2004/06/18(金) 21:49
>>642
藤本がよく分からない行動をしている意図を示す上で、
このスレで「僕」以外の視点で話を動かすのはおかしいかな、と思いまして。
なんせ「僕と娘。の夢物語」ですし。
でもそう思われるのもしょうがないかもしれません。
644 :
てと
:2004/06/18(金) 23:16
コンビニにお弁当を行こうと思い立って立ち上がった時、
田中さんに声をかけられた。
「あの、先輩。」
「何?」
「おなかすいてませんか?」
さっきから手を後ろに回したままの仕草が気になる。
この間とおんなじ匂いが。でもアレは何がなんだかだったな。
とりあえず気にせずに僕は答えた。
「うん。これからコン」
「これ食べてください!!」
僕の声をさえぎるように、田中さんは弁当箱を差し出してきた。
「?ありがと。」
お礼を言い、椅子に座る。みんなに冷やかしを受けながら、
弁当箱を開けると、
「肉?!」
肉、肉、とにかく肉。下に御飯があるんだろうけど
それすら見えない。とりあえずもらったものだし、僕は口に運んだ。
「どうですか?」
「・・・しょっぱい。」
その声を聞いた瞬間、後ろにいた藤本さんが田中さんを掴み、
攫っていった。
・・・・流石親戚焼肉屋。
645 :
名無し娘。
:2004/06/19(土) 01:47
>642-643
企画としては面白いと思うけどなぁ。
少なくとも同じスレでやっちゃったら面白くも何ともないし。
とりあえず楽しみに読んでるのがいる事を表明しておく。
646 :
名無し娘。
:2004/06/19(土) 23:06
好きなようにやってみたらいいんじゃない
647 :
てと
:2004/06/20(日) 23:08
空き時間がたっぷりあったので、皆でサッカーボールを何個か持って、
近くの公園にサッカーをしに行くことに。平日で、時間も時間なだけに
人の気配すらほとんどなく、僕達は人の目を気にする事無くサッカーをすることが
出来た。
僕がリフティングをしていると、道重さんがこっちを見て言った。
「せんぱい、フェイントを上手くやる方法教えてください。」
僕はボールを足に乗せ、地面へと置くと、少し考える。そのとき、
道重さんはこう付け加えた。
「かわいく。」
「へ?」
「かわいいフェイントを教えてください!」
かわいい・・・。しばし本気で悩む。
「かわいく・・・。」
648 :
てと
:2004/06/20(日) 23:09
ボールを持ちながら、僕は道重さんの顔をじっと見る。目が合った瞬間、
身体を左へと出す。道重さんもそれに反応してこっちの方向へと来る。
身体が近づいた瞬間、僕は素早く囁く。
「かわいいよ。」
ニコッと笑って言うと、道重さんも笑顔になって動きが一瞬止まった。
一瞬の隙を利用して、左足のヒールでボールを右へ蹴る。
道重さんがハッとして左足を大きく開いた瞬間、股を素早く抜いた。
「よっしゃ〜!」
僕がそのまま少しだけドリブルをして戻ると、
「だめです、かわいくないです。」
ぐはっ。
「でも・・・。」
「でも?」
「かっこよかったです。」
いきなりそんな事を言われて、なんだか首筋が凄く熱くなった気がした。
「おーい!もうそろそろ行くよ〜!」
キャプテン吉澤さんの声が聞こえる。僕達は慌てて皆の後を追いかけた。
649 :
名無し募集中。。。
:2004/06/21(月) 18:21
ハァ━━━━━━ *´Д`* ━━━━━━ン!!!
650 :
てと
:2004/06/22(火) 23:03
「先輩、今日の一緒に帰りませんか?」
「ごめん、ちょっと用があって。」
僕は高橋さんの誘いを断ると、荷物をまとめる。高橋さんは少し寂しげな
顔で僕を見ている気もした。用、というのは・・・。
2時間前。
「せんぱい。」
話しかけられて後ろを振り向くと、道重さんだった。
なんだか最近よく話しかけられる気がする。なんだろう?
「今日の帰り、CDショップに行くんですけど、一緒に行きませんか?」
この時点で特に断る理由もなかったから、僕はそのまま行くことにした。
ただ、
「せんぱい、行きましょ〜。」
高橋さんと藤本さんのあまりに対照的な視線が気になる・・・。
651 :
てと
:2004/06/23(水) 22:56
向こうのスレでも書いたのですが、私情によりで休業いたします。
私のせいでずっとかけなかった人もいるかと思います。
私は再来週の水曜まで帰ってこない(はず)です。
どんどん書いちゃってください。
652 :
名無し娘。
:2004/07/02(金) 22:57
>>651
待ってます。
653 :
てと
:2004/07/07(水) 18:23
CDショップに着くと、僕達は早速CDを漁った。
道重さんが何を聞くのか、ちょっと興味深かったから見ていると、
「だめです。」
と言っていたずらに笑った。ウロウロとその場を動いていると、
自分達のポスターが視界に飛び込んできた。
こういうのを見ると未だに照れくさくなったりする。
「自分らのポスター貼ってあるとちょっとドキドキしない?
バレないかな?なんて。」
そう言っているとなんだかちらちら視線を感じ出した。
道重さんはニコッと笑うと、
「そうですね〜。さゆはよく気づかれちゃいます。
やっぱ可愛いと苦労しますよね〜。あ、これ買います♪」
楽しそうに去ってゆく道重さんを見ながら、僕は呟いた。
「・・・多分見つかる理由ちょっと違うと思うよ。」
多分飯田さんとおんなじ・・・・。
654 :
名無し娘。
:2004/07/07(水) 19:54
更新お疲れ様です。
あっちのほうが更新されていたのでもしかしたらと思ったら、やっぱりでした。
これからも、自分の時間を大切にしつつ、小説も頑張ってください。
655 :
てと
:2004/07/09(金) 21:27
「最近行く暇なかったんでやっと買えましたぁ。」
CDを手に、道重さんはご満悦。左手に袋を持って、僕の左側に立っていた。
二人で歩いていると、
「あの、手、繋いでもいいですか?」
ちょっとだけ見上げ気味に、上目遣い言われてちょっとドキッとした。
一瞬迷ったけど、
「いいよ。」
そういえば前繋いだ事あったな(
>>493
)と思い出し、ここで断るのは変かな、
と思って手を握った。道重さんは握られた瞬間、
「せんぱいの手、暖かいです。」
少しだけ微笑んだ。またドキッとしたけど、僕は何も言わなかった。
656 :
てと
:2004/07/11(日) 21:48
道重さんと買い物へ行った次の日の朝楽屋に入ると、
高橋さんがいきなり凄い剣幕で僕の前にやってきた。
「どうしたの?怖い顔しちゃって。」
「・・・ちょっと来て下さい。」
「?うん。」
来たばかりなのに、楽屋の外へ出るとは。
バタンッ。
バタンッ。
少し歩いた所でまたドアの開く音がした気がした。
657 :
てと
:2004/07/11(日) 21:49
僕はそのまま社内の階段の踊り場まで連れて行かれた。
皆普段この階段を使わないから人気も無い。妙な静寂が気まずかった。
高橋さんは相変わらず怖い顔のまま、
「先輩。」
「はい。」
思わず出た返事が「はい」だった。
「シゲさんとはどういう関係ですか?」
「え?・・・どういうって?」
「昨日見ました、シゲさんと手を繋いで歩いている所。」
不意打ちを食らった気がした。なんだか気配を感じていたけど、
高橋さんだったのか。しかも誤解を招きそうなところをきっちり
見られている。
別にごまかしたりする必要なんて何も無い。僕はありのままに
話す事にした。
658 :
てと
:2004/07/11(日) 21:50
「前転んだ道重さんが転ばないようにって、1回手を繋いだ事があったんだ。
だから特に深い意味は無」
「うそ、そんなのウソです。何も思わないはずが無いじゃないですか。」
そう言われると少し苦しかった。僕が言葉に詰まっていると、
「・・・・・っ!」
タタタタタタタ・・・・。
高橋さんは走り去ってしまった。
「・・・・・。」
どうしていいのか分からない僕に、誰かが後ろから叫んだ。
「追いかけろ!」
「・・・藤本さん?なんで」
「いいから行け!」
横にいた道重さんが物凄く気になったけど、突き飛ばされた勢いで僕は
走り出した。
659 :
てと
:2004/07/11(日) 21:51
なんとか高橋さんに追いついたけど、高橋さんはなんとか逃げ出そうと
必死に動きまわった。なんとか落ち着かせ、僕は言った。
「ごめん、気づいてたよ。」
「・・・・・え?」
高橋さんの顔はなんとなく赤みを帯びていた。
「気持ち、気づいてたよ。」
僕はふーっ、と呼吸を一息つくと、続けた。
「でも道重さんの方が先に誘ってきたんだよ。」
「はいっ?!」
顔の赤かった高橋さんの顔が一変する。なんだか拍子抜けした顔だ。
660 :
てと
:2004/07/11(日) 21:51
「え?断って道重さんと行った事が問題じゃ・・。」
「・・・もういいです!!!」
「?違うの?」
高橋さんは怒っているような声だったけど、顔は笑っていた。
「許して欲しかったら・・・。名前で呼んでください。」
「名前?」
「はい・・・。」
「分かった。愛ちゃん。」
「は、はい。」
なんだかぎこちない返事に、思わず二人で笑った。
661 :
てと
:2004/07/12(月) 19:24
いつかの話。
「誰かセカチュウ見に行こうぜ〜。」
矢口さんのそんな呼びかけに、ちょうど見たいと思っていた僕は行くことにした。
でも他のメンバーはどうやら都合が悪いらしい。
「なんだよつれないな〜。」
矢口さんはそんな愚痴を笑いながらこぼしている。
映画もクライマックスに差し掛かってきて、館内では少しずつすすり泣く
声が聞こえてきた。僕はちょっとジーンと来ていたところ、ふと横を見ると、
「・・・・っ・・。」
目が合う。
「・・泣いてねぇぞぉ・・・。」
矢口さんはそう強がっていたけど、矢口さんの涙は暗闇の館内の中光って見えた。
662 :
名無し娘。
:2004/07/12(月) 20:42
やぐたん!
ハァ━━━━━━ *´Д`* ━━━━━━ン!!!
663 :
てと
:2004/07/13(火) 22:07
ある日電車を降りて駅を出ようとすると、外は凄い雨だった。
地下鉄だから気がつかなかった、傘持ってきてよかった、なんて
考えながら傘を開こうとすると、
「先輩!」
「愛ちゃん。」
後ろからいきなり話しかけられ振り向くと、
「傘入れてください。」
「え、あ、うん。いいよ。」
ようやく愛ちゃんって呼ぶの慣れたな。そんな事を思いながら傘の中に入れて、
ゆっくりと歩き出す。雨は大分強くて驚いた。あっと言う間に出来る
水溜り達を避けながら、進んでゆく。
「先輩、肩すごい濡れちゃってるじゃないですか。」
「いいよ別に。風邪ひいちゃうでしょ?」
愛ちゃんの方を見て軽く微笑むと、愛ちゃんは軽く俯いて首を振った。
鞄から折り畳み傘がはみ出ているのは見なかった事にしよう・・・。
664 :
てと
:2004/07/14(水) 21:50
「・・・・・無理だ。」
「先輩何やってるんですか?」
「あ、小川さん。これ高2終了程度のレベルらしいよ。」
僕が小川さんに差し出したのは英検準2級の問題集。小川さんは少しだけ見ると、
見る見るうちに顔が青ざめていった。
「・・・・なんですかこれ。」
めちゃイケも結局中学レベルだし・・・なんて言い訳して逃げ出したくなる。
「うわ、こんなの持ってきちゃ駄目ですよ。」
うわ、と露骨に嫌な声を出したのは紺野さん。
「そういえば英語苦手だっけ。」
「英語以外は完璧です!」
紺野さんは「完璧」をやけに強調していた。
665 :
てと
:2004/07/14(水) 21:55
「こういうのは4択だからえんぴつ転がすんですよ〜。」
ひょこっと小さな顔を出したのは新垣さん。最初から運頼み。
高橋さんもやってきて、僕の周りを5期全員集合。
高橋さんはくるなり言った。
「でもなんでこんなのやってるんですか?」
「いとこが取ったらしくて試しに買ってみたんだけど・・・。」
「じゃあやってみましょうよ!」
『え゛?!』
提案者新垣さんに賛同出来ない全員。特に紺野さんの嫌そうな顔は目立った。
とりあえず1問、ためしにやってみて全員思い思いの数字を選ぶ。
「真面目に答えた人が不正解で、鉛筆転がした里沙ちゃんが正解って
どうなのよ。」
小川さんは頭を抱えてぼやいている。新垣さんは得意そうに眉毛を動かしている。
「あっしは惜しかったやよ〜。」
4択に惜しいという概念はあるのだろうか・・・。
「もう1問!」
『えー。』
新垣さんの笑顔と手のひらの鉛筆が光って見えた。
666 :
名無し娘。
:2004/07/15(木) 01:22
なんかほのぼのしててイイですね
667 :
てと
:2004/07/15(木) 22:15
エコモニ。は活動が終了しても楽屋では活動が続いている。
ちょっとしたことがあると大臣は空気も読まずにはしゃぎまくっていた。
「矢口さーん!!割り箸もらってきちゃだめですよ!!」
「あ〜なんだようるさいな〜。」
今日も奮闘中。でも今日は紺野さんが遊撃した。
「石川さん。」
「何?今は大臣よ!」
「割り箸って、切らないといけない木を切ってるんで、資源の無駄では
ないんですよ。」
「・・・・・え?」
大臣の動きが完全に止まった。紺野さんは間髪入れずに続ける。
「伐採しないと養分がちゃんと行き渡らなくて共倒れしちゃうんですよ。
だからある程度は伐採して、その木を割り箸などに使うんですけど・・・
って大臣さん?」
大臣さんは既に地面にひれ伏していた。
「期間中だったらさゆが大臣だったのに・・・。」
道重さんはまだそんな事を呟いていた。
668 :
てと
:2004/07/16(金) 18:45
空き時間、楽屋でただただボーっとしていると、珍しく本を読んでいる
辻ちゃんが目に映った。しかも文章ばっかり。意外だな〜と思ってみていたら
なんだか悩み始めた。
「ん〜・・・・・・。」
辻ちゃんは持っている本片手に、横にいた加護ちゃんに訪ねた。
「あいぼん、これってどう読むの?」
「これ?ん〜。かくかくやろ。」
ブッ!!!
「あ、矢口さん汚〜い!」
なんだ?!僕はためしに近づいて本を覗き込むと・・・各々だった・・・。
つんくさん、大丈夫なんですか?卒業させて。
669 :
名無し娘。
:2004/07/17(土) 13:39
紺野と藤本がニュースステーションで柔道して、
紺野の背負い投げでミキティの胴衣がはだけておっぱい丸見えって夢を見た。
670 :
名無し娘。
:2004/07/17(土) 18:53
シンプルだが実にイイッ!!
671 :
てと
:2004/07/17(土) 23:18
某日某所。僕達はロケで或る場所へとそれぞれ向かった。現地集合なので
当然早く来る人、遅く来る人、遅刻する人・・・色々いる。
今日は田中さんが来なかった。仕方無く亀井さんが電話をかけることに。
「あ、れいな?今何処?」
『えり?ごめん、電車が人身事故で止まっちゃった。』
「電車が止まっちゃったみたいです。」
亀井さんは皆に向かってそう伝えるとマネージャーさんが今どこにいるのか
聞くように指示した。
「今何処?・・・・分かった。じゃあ急いでね。」
いや、電車止まってるし急げないのでは・・・。なんて思いながら、
電話を切った亀井さんを見た。亀井さんはマネージャーさんに言った。
「”はるにち”駅にいるらしいです。」
『?』
「・・・・・・・・・・春日(かすが)。」
頭を抱えて矢口さんが言った。つい先日の悪夢が蘇えったような、
そんな顔をして。
つんくさん、 メンバー内にも似たような輩がいます。僕たち大丈夫
なんでしょうか?
672 :
てと
:2004/07/18(日) 18:54
『今日の占いCount Down〜!!!』
本を読んでいると、そんな声が耳に飛び込む。皆食い入るような表情で
テレビに見入っていた。僕は別に興味もなかったので、ジュースを買いに
外へと出て行った。
楽屋に戻ると大騒ぎ。入った途端に道重さんが、
「せんぱい!ご一緒に。」
「え?」
「3,2,1、ハッスルハッスル!」
わけも分からず一緒にやると、道重さんは言った。
「今日1位だったんですよ。それでハッスルハッスルやったらもっと楽しい
1日になるんだって!」
あ、そう・・・。他にもいろんな人が色々やってる中、
「あ、さっそくジュース買ってる〜!」
石川さんに捕まった。なんでも僕の星座はジュースを飲んで落ち着きましょう
見たいな事を言われていたらしく、いじられた。
にしても・・・皆深々深いな(違う?)
673 :
てと
:2004/07/18(日) 19:04
お昼時、そろそろ御飯を食べようと思って財布の中身を確認していると
いきなり腕を掴まれた。
「御飯食べに行こ。」
藤本さんだった。半ば強引に引っ張られ楽屋を出る。
「痛痛痛!なんなんだよ〜。」
「先輩と御飯。」
「はい?」
「占いでやってたの、先輩と御飯食べに行くといいんだって。だから行こ。」
藤本さんもそう言うの信じるのか〜。
あれ?でも藤本さん、僕と星座同じじゃなかったっけ?気のせいかな・・?
674 :
名無し娘。
:2004/07/19(月) 02:12
ミキティキャワ!
675 :
てと
:2004/07/19(月) 20:56
ガチャッ
「おはようございまーす!」
「亀井おはようって・・・どうした?」
矢口さんの一言に僕は思わず入り口の方へ目を向ける。
?
亀井さんは顔だけ右を向いたまま入ってきた。
「寝違えちゃいましたー。」
何故か半笑いの亀井さん。矢口さんは心配そうな表情で、
「こういうときはえ〜っとどうすればいいんだっけ?」
なにやら色々試行錯誤を始めた。
それはなんだか次期リーダーとしての下準備のようにも見えた。
676 :
てと
:2004/07/19(月) 21:02
ガチャッ
「おはようございまーす!!」
間もなくして石川さんが入ってくる。石川さんは左を向いてる。
二人も寝違える事ってあるのかな?
でも矢口さんのリアクションは、
「どうした石川、とうとう本当に狂ったか。」
?!
「ひっどぉ〜い!!亀井と随分リアクションが違うじゃないですか〜!」
「見てたならなおさらだ。自分でなんとかしろ。」
「ひでー・・・。」
「いやそうでもないよ。」
「飯田さん?どういうことですか?」
飯田さんは極めて冷静な表情で、またよく分からない事で言うのだろうか。
「石川も来年カオリと卒業でしょ?そろそろいい加減巣立ちに向けて色々
しっかりさせないと。いや、今でも充分かもしれないけど、団体の中での
しっかりさと一人でやってくのは違うでしょ?矢口なりの愛情表現みたいな
ものじゃないかな。」
飯田さんはそこまで語ると、
「あれ?歌う時はユニット?」
と独り言のように呟くと一人でブツブツ呟き出した。
・・・巣立ちか。
677 :
名無し娘。
:2004/07/19(月) 22:31
みんながまだ怪談話を引きずっているようなので、辻ちゃん&加護ちゃんも
誘って、ちょっとした悪戯を。
パチッ
楽屋の電気を消してみる。
『?!』
続いて辻ちゃん&加護ちゃんによるラップ現象
ガタゴトッ、キーキー、パーン
『@★*?&□#$!¥●※』
声にならない大きな声が楽屋中に響きわたる。
あまりの混乱に誰かが僕の背中に抱きついた。
678 :
名無し娘。
:2004/07/19(月) 22:32
パチッ
「ごめんね、みんなー」
「犯人はコイツやで」
「俺かよっ!」
電気を点けるとそこにあるのは地獄絵図、やり過ぎたかな?
何名かは失神寸前、矢口さんが涙目で何かまくし立てているが、
何を言っているのかさっぱり判らないほど動揺している。
・・・数時間後・・・
辻ちゃん&加護ちゃんに全てのことをばらされた僕は、廊下で
マネージャーさんからキツイお叱りを受けました。
679 :
名無し娘。
:2004/07/19(月) 22:33
そういえば、電気を点けた瞬間に背中から離れたけど誰だったの?
なんて思っていたら
「男の人はは背中が広いと安心するね。」
そんな声が楽屋の中から聞こえた。
680 :
名無し娘。
:2004/07/19(月) 22:38
間違えたー!
「男の人はは背中が広いと安心するね。」
↑
「は」が一つ多いね、ごめんなさい
僕に抱きついた人は皆さんのお好きな方でどうぞ
681 :
てと
:2004/07/20(火) 21:24
仕事帰り、たまにはゆっくり歩いてみようと思って街を歩いた。
そこでたまたまゲーセンが眼に入る。入ってみよう、特何を考えるわけでも
なく僕はゲーセンに足を踏み入れた。
「あ、せんぱーい!」
呼ばれて振り返ると、そこにいたのは6期の3人。
頭文字Dの前に立っている。
「よく来るんですか?」
「ううん、なんとなく寄ってみただけ。そっちは?」
「よく3人で来るんですよ〜。あ、先輩。これやってください。」
亀井さんが指を指したのはギターフリークス。
「ホンモノ楽屋で弾いてるじゃん。アコギだけど。ライブでエレキ弾いてるし。」
「だからこそですよ!一体何点出してくれるのか!」
「うわプレッシャーかけるねぇ。」
僕は笑いながらお金を投入すると、ギターを肩にかけた。
682 :
てと
:2004/07/20(火) 21:28
僕がギタフリをしている間、田中さんと道重さんはUFOキャッチャーに
挑戦中だった。少しのインターバルを鋏んで、
「あ〜!!」
なんて声が聞こえて、間もなく、
「もう1回!」
何て声が聞こえてくる。
全ステージをクリアしてランキングに名前を入れた後そっちへと行くと、
大にぎやかだった。
「あ〜!」
「さゆがやる!!」
「あと1回!あと1回だけたい!」
そんな中、亀井さんが無言のまま横で挑戦。なんと一発で捕ってみせた。
「先輩にプレゼントです。」
亀井さんが僕にぬいぐるみを渡して微笑むと、それを見ていた二人が食いついた。
そのままゲーセン内で亀井さんによる「クレーンキャッチャー講座」が開始。
僕は一言言って先に帰った。
683 :
てと
:2004/07/20(火) 21:30
次の日・・・・・。
ドン!!!!
「田中さん・・・・・・これは?」
「先輩にプレゼントです!!」
「さゆもです!!」
ドン!!!!!!
机の上に乗せられたのは大量のぬいぐるみ。数で言うと20個以上。
二人は誇らしげな表情をしていたけど、心なしか机に置いてある
財布がいつもより薄くなっていた。
684 :
てと
:2004/07/20(火) 21:30
次の日・・・・・。
ドン!!!!
「田中さん・・・・・・これは?」
「先輩にプレゼントです!!」
「さゆもです!!」
ドン!!!!!!
机の上に乗せられたのは大量のぬいぐるみ。数で言うと20個以上。
二人は誇らしげな表情をしていたけど、心なしか机に置いてある
財布がいつもより薄くなっていた。
685 :
てと
:2004/07/20(火) 21:31
2重投稿すみません
686 :
名無し娘。
:2004/07/22(木) 22:47
先輩の脳内順位は1.愛ちゃん2.えりりん3.しげさん4.やぐ あたりかな?
687 :
名無し娘。
:2004/07/26(月) 14:32
今日も石川さんと一緒に阪神戦を見にいった。
石川さんは本当に阪神が好きなんだな。 俺が誰を一番応援してるのかと聞くと、
「みんな応援してるよ。頑張ってる姿が好きなの」
と少し照れながら言った。
俺は黙ってポップコーンを食べた。矢野と工藤が激突した時、
「大丈夫かな、大きな怪我じゃないといいね。みんな元気で野球をしてほしいな」
と石川さんはちょっと悲しそうな顔で呟いた。
「矢野が悪いんじゃないか?」
そう俺が言うと、石川さんはぷるぷると首を振った。
「みんな一生懸命やってるの、誰も悪くないよ。私はみんなを応援してるんだから」
石川さんの目は綺麗だった。ただポップコーンを食う俺が写っていた。
688 :
名無し娘。
:2004/07/26(月) 18:31
すいません。ちょっと感動してもいいですか。
689 :
てと
:2004/07/26(月) 21:55
ボーっとしていると、不意に調子の外れた歌声が耳に飛び込んできた。
「ひ〜とみ〜をと〜じて〜君を〜描くよぉ♪」
眠気が一気に覚める。そっちの方を見ると、やっぱり石川さんが歌っていた。
そしてその歌は更に続く。
「それだけで〜いいぃぃぃ〜♪ステーウィフミー♪・・・ああ、言われた〜い。」
なんだかうっとりしている表情。冗談っぽく近づこうとすると、先客が現れた。
よしこだ。
「ひ〜とみ〜をと〜じて〜き〜みを〜描〜くよ〜そ〜れだけで〜いいぃぃ♪」
目は僕をはるかに超える男前。石川さんはそれを見て完全にうっとりしてしまった。
「よっすぃ〜素敵!」
抱きつく石川さん。
・・・・・いいのか?
690 :
てと
:2004/07/27(火) 15:08
ある日、矢口さんが某飲料を口にして言った。
「これって美味しいか?」
誰も否定しないし肯定もしない。
僕達がそれを話題に取り上げることがいかにまずいか全員知っていたからだ。
藤本さんの視線が熱い。
691 :
てと
:2004/07/27(火) 15:09
ある日、高橋さんが(略)
「後味焼きそばですよね。」
全員無言のままスタンディングオベーション。
そういえば最近見かけない気がする。
食べ茶。
692 :
名無し娘。
:2004/07/28(水) 00:52
「次は、XXく〜ん」
OLばかりのこの部署に
な〜ぜか ひ〜とり 男の子
周りの男は うらやましがるが
本人どうなの?
「え、こ、光栄です」 オイ!
WOW WOW WOW 青春
いろいろあるさ!
2,3人集ったら
かしまし かしまし
693 :
てと
:2004/07/28(水) 17:20
「高校生クイズに出たい。」
紺野さんが突然そんな事を言ったのは、ある日の午後の事。
その場にいた小川さんと新垣さんもすぐにそれに乗って、盛り上がり始めた。
そして色々話しているうちに紺野さんはどうやら本気で出たいらしいと言う事が
分かり、スケジュール表を見て色々考えていた。
「あ、やった空いてる〜!」
「よしじゃあ3人で出ようよ!」
そろそろ本格的に盛り上がってきた。
「あ、でも同学年じゃなきゃ駄目かも。」
というわけで新垣さん渋々離脱。というわけで誰か他に該当者を探すと、
「のんつぁんか、かーちゃん。」
『・・・・・・・・・・・・・。』
「無理か。」
「無理だね。」
「諦めようか。」
「しょうがないよね。」
ひどっ。
694 :
名無し娘。
:2004/07/29(木) 00:36
学年はバラバラでいいけど、学校は同じじゃないといけない気がする。
695 :
てと
:2004/07/29(木) 15:14
安倍さんと久しぶりに一緒に食事をした。軽い近況報告をお互いに済ませた後、
居酒屋でお酒を飲みなおす。そのうち安倍さんが悪酔いを始めた。
僕はなんとかなだめたが安倍さんのお酒の摂取量は増える一方。
そして居酒屋を出た頃、安倍さんは歩けないくらいに酔っ払っていた。
仕方なく僕は安倍さんをおぶると、今日はうちに泊まってください。と言った。
うちがここから近かったからだ。
「なっちを家に連れ込んでな〜にする気なんれしょーね〜。」
「プレステ。」
「なっ!いつの間にそんな事言うようになったんだべか!!」
フラフラと歩くうちに、安倍さんの愚痴は再開された。
「ドラマの数字もイマイチ、CDのセールスもイマイチ・・・。なんでみんな、
なっちのこと嫌いになっちゃったのかな・・・。」
背中に何か生暖かい水のようなものを感じる。すぐにすすり泣く声が聞こえてきた。
「・・・・。」
696 :
てと
:2004/07/29(木) 15:16
家に着き、安倍さんに水を渡す。安倍さんは一気にそれを飲み干すとすぐに
ベッドの上で目を瞑ってしまった。僕は安倍さんの横に腰を下ろし、そっと
呟いた。
「大丈夫ですよ、心配しなくても。みんな安倍さんががんばっていること、
よ〜く知ってますから・・・。」
「・・・・・ありがと。」
え、と思って安倍さんも見るも、目はしっかり閉じられていた。
強すぎるくらいに。
「今何か言いましたか?」
うわ言のように呟いてみると、安倍さんの声がすぐに聞こえた。
「な、何言っているべさ。なっちは寝てるんだべ?何も言うわけないっしょ。」
「・・・そうですね。」
僕は少しだけ微笑んで安倍さんを見ると、安倍さんの寝顔も少しだけ微笑んでいた。
697 :
名無し娘。
:2004/07/29(木) 15:43
前スレが見れません。アド教えてくださいませ
698 :
てと
:2004/07/30(金) 18:34
ピンポーン
ある日の夜遅く、突然鳴ったホテルのチャイム。誰だろう、僕は疲れた体を
なんとか起こし、重い足取りでドアへと向かった。
ガチャッ
「あれ、ごっちん。」
「来ちゃった。」
こんな夜遅くに現れて、何故か笑顔のごっちん。
「来ちゃったって」
ドンッ。
突然体を強く押され、そのまま僕はベッドの上に転がった。
「どうした・・・・の?」
気づくと僕は馬乗りにされていた。混乱しているうちに、ごっちんは腕を
僕の体に回し、強く抱きしめた。
「曲作って。」
「・・・・はい?」
いきなりそんな事を言われて僕はたじろいだ。耳元で囁かれて自分の顔が
どんどん熱くなっているのが分かる。ごっちんは頬を僕の頬に摺り寄せて、
「お願い。寺田よりはいいの作れるよきっと。
ただでとは言わないからさ・・・・。」
体全体を擦り付ける様に抱きつくごっちん。いやらしい笑みを浮かべて、
その口からは牙が・・・・牙?!
「そ、それ、何?!」
「いただきます。」
『あああああああ!!!!!』
699 :
てと
:2004/07/30(金) 18:40
暗い部屋の中で、みんな四方八方に散った。矢口さんはガタガタ震えて、
なにやら文句を言っている。
「エロヒトオモフタラナニイキナリコワクヒテフホヨ!!!」
多分、エロいと思ったら何いきなり怖くしてるのよ。って言ってます。
「え、だって、昨日見た夢大会なんだからしょうがないじゃないですか。」
楽屋で突然始まったそんな大会。優勝商品は中澤さんから昼飯おごり贈呈。
(まだ中澤さんには何も言っていない)
ただ単に僕の大声でびびらせただけのような形となったけど、そんな中でも
藤本さんは冷静に、
「寺田よりいいの作れるよきっとの所マジウケた!」
た、確かに夢にしてはリアル・・・・。
700 :
てと
:2004/07/31(土) 18:19
バラエティで珍しい人と共演する機会が出来た。保田さんだ。
ロケは新幹線で行く遠出。娘。のメンバー全員ではなくて僕個人でのオファー
だった事もあり、保田さんと待ち合わせをして新幹線に乗っていく事になった。
現地は各自で行くように、なんていうひどい番組だったからだが、これが
思わぬ事件を招いた。
「保田さん!何珍しく遅刻してるんですか!!!」
「仕方ないじゃない!テレビ番組なんて久ぶりすぎて最後いつか覚えてないわよ!」
か、悲しい・・・。そんな事を考えている場合ではないので僕らは全速力で
階段を駆け上った。
『駆け込み乗車はおやめください・・・。駆け込み乗車はおやめください!』
駅員さんがキレまくる中、僕らはなんとか電車に飛び乗った。
「はぁ・・・・はぁ・・・。保田さん?」
「・・・・・・・・・・・。」
保田さんは年老いた老婆みたいに生気を完全に失ってしまっていた。
僕はタオルを渡して、スポーツドリンクを買うと、保田さんに渡した。
物凄い勢いでがぶ飲みする保田さん。
「・・・保田さん、運動しましょう?」
701 :
てと
:2004/08/01(日) 21:49
早朝、今日も体力づくりのジョギング。ツアー中、前は欠かせない。
僕の場合30分くらい軽くやって終わりだが、今日は横に人がいた。
「おはよ〜!」
「石川さん。どうしたの?」
「なんだか目が覚めちゃって。ウェアもあるし、たまにはいいかなぁって。」
朝から爽やかな笑顔。軽く飛び散る汗は太陽の光を浴びてキラキラ光っていて、
漫画みたいな情景だった。
「あ、犬だ。」
早朝という事もあってか、犬の散歩にもちょくちょく出くわす。
「さわってもいいですか?」
石川さんは飼い主さんに許可を貰うと嬉しそうに犬を撫で出した。犬は
くぅーんっ、と鳴くとパタパタとシッポを振って石川さんにじゃれている。
僕も犬の頭を軽く撫でたけど、すぐに僕への興味を失って石川さんの膝に
両手を乗せて石川さんの手をぺろぺろとなめていた。
「きっと雄なんだぁ。」
石川さんはそう笑うと、犬を抱きかかえ、
「ありがとうございました。」
飼い主に渡した。犬はちょっとだけ名残惜しそうな顔をしていて僕らは
また笑った。
702 :
名無し娘。
:2004/08/01(日) 23:12
>>697
前スレあったよ。
http://www.miraclenight.net/logs/mor/040603/1004618557.html
それにしても、最初から読むと歴史を感じるな。
703 :
てと
:2004/08/02(月) 17:24
楽屋に後藤さんが訪れる。この暑い中爽やかな笑顔で一言。
「差し入れ〜。こんな暑い日には〜これ。西瓜!みんな食べなよ〜紺野ばっか
食ってないで。ってあれまだいないか。」
「人数多いから分け前少ないけど2つで我慢しいや〜。」
「みんな差し入れだよ〜。暑いっしょ〜、こんな日は西瓜!ほら亀ちゃん
何ボーっとしてるの。暑いから冷たいもの食べなきゃ〜。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「卒業したばっかやけどうちらからの差し入れや〜!・・・・あれ?」
楽屋の机に積み上げられた西瓜西瓜西瓜。計13個。更に二人の持って来た分で
15個。さっきまでせめて一人だったのに・・・。
更にここで一人、遅れてきた娘が現れる。
「遅れました〜。でもいいもの買ってきましたよ〜。」
紺野さんは手を後ろに回してそれを隠している。嫌な予感・・・。
「夏はやっぱこれです!すいか」
『!!!』
「バー!完璧です!あれ、なんでみんなどうしてこけてるんですか?」
704 :
名無し娘。
:2004/08/02(月) 22:29
見せ方はまだへただけどイメージはいいね
読んでて楽しくなってくる
705 :
てと
:2004/08/03(火) 22:06
空き時間に近くのコンビニに買い物へと出かけた。テレビ局の近くという事も
あり、そこへ行くとメンバーや他の芸能人と会う事がたまにある。別に期待
をするわけではないけど、誰かいるかもな〜、くらいは頭の中で考えつつ、
僕はコンビニの中へ入った。
中に入り適当にパンを物色しようと奥へ足を進めると、やっぱりいた。
吉澤さんが手にゆで卵をとって、他に何を取ろうか考え事をしているのか、
顔はボーっとしていた。
悪戯心が僕に囁きかける。僕は少し笑いをこらえながら吉澤さんの背後に忍び寄り、
「わっ!」
「うわっ!!!」
予想外のリアクションのでかさに僕は高橋さんみたいに目を見開いた。
吉澤さんは勢い余って棚の中に頭を突っ込んでしまい、僕は慌てて引っ張り出した。
「ご、ごめん!!」
吉澤さんが棚から顔を出すと、僕は思わずぷっと噴出した。何故だか分からないけど
その口にはゆで卵が咥えられていたからだ。吉澤さんはそれを口から取り出すと、
「危ないじゃんかYO!」
「うぉ久しぶりにそれ聞いた!」
僕が驚いて叫ぶと吉澤さんは満足そうにニコニコ笑う。
帰り道、僕らのビニール袋の中でゆで卵が仲良く1個ずつ揺れていた。
706 :
てと
:2004/08/04(水) 18:39
自分以外の収録が思いのほか長くて暇になってしまった。スタッフの人が
楽屋に時間の押し具合の説明が入り、入り時間の変更が告げられる。こに
よって思わぬ時間が生まれた。2時間、暇になる。僕は楽屋を見渡した。
僕以外でいるのは5,6期マイナス藤本さん。僕を合わせて8人。
いい人数だ。僕はみんなに言った。
「サッカーしない?」
『しま〜す!』
即答。僕は楽屋に置きっぱなしになっている、誰のものというわけでもない
サッカーボールを拾い上げると、みんなで駆け出した。
すかっ、
ピューッ
「あ!」
足を思い切り振った田中さんの靴が弾みでミサイルのように飛び出した。
靴はそのまま、
「痛!!!」
それに気づいていない小川さんの背中にヒットすると、転がって僕のところに
落ちた。僕はそれを拾い上げると、ゆっくりと田中さんのところまで歩き、
「どうぞ、シンデレラ。」
くだらないかな〜?と思って田中さんの表情をうかがうと、その顔はみるみる
赤くなっていく。
「べ、別にその一言はいらんとですよっ!!」
強引に靴を奪い取ると、慌ててはいてすぐにボールを追いかけに行ってしまった。
僕はちょっとだけ呆然としていると、道重さんが僕に近づき、ふと漏らした。
「先輩ももうオヤジですかね。」
そ、そんなにくだらなかったか・・・・。
予想外の攻撃に胸をえぐられた気がした。
707 :
てと
:2004/08/05(木) 16:00
今日は一人の仕事。ドラマのロケで僕は台本を読んでいた。
現場はやけに静かに感じた。どうしてもいつもと比べてしまうせいかもしれない。
一通り台本を通した所でポケットに震えを感じる。加護ちゃんからだ。
携帯を開くといきなり飛び込んできた文字は
「左を向け」
僕はとりあえず言われるがままに左を向くと、すぐにメールが届く。今度は
辻ちゃんからだった。
「後ろ」
今度は180度回転。何がしたいんだ?そして今度は2件同時にメールが届いた。
「右」「。」
「あ。」
「よう。」
「どうれすか?調子は。」
僕が振り向くと、二人は笑顔でポーズを取ってみせる。僕も思わず笑った。
「どうしたの?」
「ちょっと寄ってみただけや。このあとはNKホール。」
「頑張ってくらはい。」
「うん、二人も頑張って。」
二人は手を振りながら道を歩き出した。僕も手を振ると、ますます強く手を
振った二人の鞄からポテチの袋が零れ落ちた。
708 :
名無し娘。
:2004/08/05(木) 21:40
零れ落ちたぁー!!
709 :
てと
:2004/08/06(金) 20:58
バンッ!!
「イエ〜イみんな調子はどぅだーい?」
「・・・・キショッ。」
「バカ?」
突然物凄く勘違いな格好で入ってきた石川さん。そしてそれに対するいつもの
二人の罵声。石川さんの格好があまりに奇天烈な事以外は、何もかもいつも
と同じ情景だった。石川さんの格好は、例えるなら・・・。
「これからはパンクの時代なのよ!」
そう、パンク。ピンクなのはいつも通りだけどどうも格好がパンクバンドの
メンバーみたいな感じ。
「まあ存在時代がパンクしてるしね。」
「・・・・ポジティブパンクよ!」
藤本さんの口撃ももろともせず、石川さんの暴走は続く。今度は練習の
ため持ってきていたエレキギターを僕の手から奪うと、
ヘッドホンのコードを抜いてしまった。石川さんは今にも暴れだしそうな
雰囲気。
「ギブソンだから高いよ。」
「・・・・・い、行くぜ〜!!」
今の間は一体なんだったのだろう。石川さんは完全にコードを無視した
位置に指を置くと、ストロークを開始した。
ガッ
「あ、弦太めにしてるから。」
「・・・・・・。」
「ショボッ。」
「・・・・・・。」
「所詮梨華ちゃん如きにパンクなんか無理だったって事だよ。」
「・・・・・・。」
石川さんは矢口さんと藤本さんを泣きそうな顔をして少しだけ睨むと、
ギターを僕に渡して部屋の奥、ロッカーと壁の間に入ろうとした。
「石川さん、ここはえりのスペースです。他当たってください。」
「・・・・・・・・・。」
石川さんは無言のまま駆け出して楽屋の外へ去っていったけど、
吉澤さんが追いかけたから大丈夫、多分。
710 :
てと
:2004/08/07(土) 21:13
「さゆ機種変したっちゃか。」
「うん。カメラすごいんだよ〜。」
楽屋を賑す携帯談義。道重さんの周りをたくさんの人が囲んで盛り上がっている。
あとで見せてもらおうかななんて思っていると、メールが届いた。
僕がポケットから携帯を取り出して開くと、
「あ、先輩さゆと同じだ〜。」
「色違いじゃん。」
え?同じ?色違い?
よく見てみると道重さんは確かに僕同じ機種の携帯をいじっていた。
メールを見てみると、道重さんからの空メール。
「おそろいじゃん。」
「それで二人ゴト出れば?」
藤本さんと吉澤さんに肩をポンポン叩かれる。
や、やられた・・・。
一方道重さんはいつも鏡に向けているような満面の笑みだった。
711 :
名無し娘。
:2004/08/08(日) 05:51
>「石川さん、ここはえりのスペースです。他当たってください。」
えりりんキャワ
712 :
てと
:2004/08/08(日) 15:20
昼ごはんを食べ、ハロモニのコントを1本とり終えたあと、小腹が空いた。
時計を見てみると・・・2時。時間的に微妙だったけど、とりあえず
コンビニで何か買おうと思い、僕はフラフラとテレビ局を出た。
「お・・・夏メシ。」
別に安倍さんの宣伝ってわけではないけど、たまたま飲んだ事がなかったから
僕はカロリーメイトゼリーを買う事にした。
僕がこれを外で飲みながらテレビ局へと帰ったら、宣伝になるのだろうか?
「あ。どうも。」
「がんばってるべか〜?」
テレビ局への帰り、安倍さんとすれ違う。安倍さんも何かゼリー系を飲んでいる。
・・・・・・・・・ん?
「だめですよ木村さんに負けちゃ!!」
「え?」
よく分かってない安倍さん。僕の手元を見るとその意味を理解したらしく、
「あ・・・・。」
「あ、って・・・。この間たくさんもらったって言ってたじゃないですか。」
「でもこっちの方が好きべさぁ。」
語尾にハートマークがついてしまいそうなほどの甘い声。
「負けました。」
713 :
名無し娘。
:2004/08/08(日) 19:52
なっち大塚製薬さんに見られちゃだめだよなっち
714 :
名無し娘。
:2004/08/08(日) 22:30
>>709
「・・・・ポジティブパンクよ!」
白塗りで目の周りを真っ黒に塗るわけですね。
715 :
てと
:2004/08/09(月) 21:25
お昼時、僕は鞄から持って来た弁当箱を取り出すと、それを見た小川さんが
「あ!先輩それ誰が作ったんですかぁ?」
大声で叫んだもんだから楽屋は大騒ぎ。皆あっと言う間に僕を取り囲んで
じーっと弁当を見た。中には弁当箱を恨めしそうに睨みつける娘まで。
「彼女じゃん?」
「えーーーー?!」
藤本さんの言葉に過敏に反応するのは高橋さん。僕の肩を力いっぱい掴んで
違いますよね、違いますよね、とブンブン前後に振りまくってきた。
「えー絶対そうだって、こいつがいくつだと思ってるんだよ。」
「絶対それはないやよ!!ね?ね?先輩!」
目が回ってきたし収拾がつかないから僕は正直に言う事にした。
「自分で作りました!」
{・・・・・えーーーーー?!}
「何そのリアクション・・・。」
716 :
てと
:2004/08/09(月) 21:25
みんなありえない、って顔をして驚いている。高橋さんだけ若干ほっとした
顔をしてるけど。正直、みんなより作れますと私、はい・・・。
「んあ〜、でもこれ美味しい。」
「ごっちんいつの間に?!」
いつの間にやら現れたごっちんを口火に、全員一気に僕の弁当に群がる。
まるで水中で獲物を見つけたピラニアみたいに。
・・・というと文句を言われそうな例えかもしれない。
「料理できる男の人っていいよね〜。」
「俺より女らしいじゃん。」
弁当は瞬く間にただの箱と化し、みんな色んなコメントを残しながら
ぞろぞろと退散していく。
弁当どうしよう・・・途方に暮れていると、
「食べます?」
「うん。」
親切な人が芋を恵んでくれたので一緒に食べました。
「あ、これ美味しい。」
「・・・(もそもそ)」
717 :
名無し募集中。。。
:2004/08/10(火) 02:40
なんか読んでて和むね〜
718 :
てと
:2004/08/10(火) 17:35
たまたま一緒になった小川さんとケータリングに行くと、やはり予想していた
通りの展開になった。トレイにポンポンいろんなものを置いていく小川さん。
早くも僕が今日取ろうとしていた量を超えられたところで、僕は一応先輩として
言った方がいいのかな?と思い忠告した。
「小川さん、取りすぎじゃあ・・・・。」
「そんなことないですよぉ〜。」
いやあるよ・・・。これ以上の小川さんの成長を防ぐためには、やっぱり
ここで退くわけにはいかない。僕は続けた。
「食べすぎは体によくないって。」
「だって御飯美味しいんですもん。それにいっぱい食べると毎日いっぱい
楽しくて、幸せですよ?」
満面の笑みでそう語る小川さん。その表情は確かに幸せそうで、トレイに
食品を置く手も速まる。
「・・・じゃ、いっか。」
「やったー!」
僕が結局折れると、また料理を取っていく小川さん。そして遂には、
「あ、それ俺の!」
「エヘヘ。」
小川さんの笑顔を見てたら、なんだか取られた料理のことはどうでもよくなった。
719 :
てと
:2004/08/11(水) 18:01
ファンクラブ主催のハワイ旅行。仕事とはいえ海外にいけるのだから
楽しみじゃないはずがない。僕は少しだけ心躍らせながら集合場所である
空港に到着した。でも、みんなを見てすぐに冷めた。
「なんで・・・すかそれ?」
「え、おそろい。あそこで売ってるから買ってきたら?」
「いや、遠慮しておきます・・・。」
たくさんの女の子と一人だけ男の子。バレないはずがないこの状況。
でもみんな全然バレてないつもりなのか、
「バレないねぇ。」
「これでさゆの可愛さが隠れるの。」
なんて言っていた。
いや、バレてます、バレてますよみなさん・・・。
タモモニ♪サングラス♪
嗚呼懐かしや。
720 :
てと
:2004/08/12(木) 17:15
青い空、青い海、白い雲、白い砂浜。誰が言い出した言葉だか分からないけど
単純かつ絶妙な形容をしたもんだと思う。ハワイはまさにそんな場所だ。
空いた時間に砂浜で空を見上げていた。ファンの方とたまに会って話したり
しながら、特に何を考えるわけでもなく、ただなんとなく。
砂に半分だけ埋もれた丸太の上に座って。
「先輩。」
そんな僕の横に、いつしか新垣さんが現れて丸太に腰をかけた。
新垣さんも空を見上げて、吹く海風を気持ちが良さそうに浴びている。
新垣さんは突然、言った。
「子供の頃、いつかあの雲を食べてやる〜なんて思ってたんですよ。」
「俺もそんな事考えたっけな〜。」
「ですよね!あのおっきい雲を鷲づかみしてバクバク食べちゃうんですよ。」
「でも大きくなってって・・・。一つずつ夢を消されてって・・・。」
なんとなく、浸ってみてしまった。でも新垣さんは違ったみたいだ。
「私はまだ諦めてませんよ。」
「え?」
「だっていくら学校で教えられてもやってみないと分からないじゃないですか!」
「・・・・そうだね。」
「そうですよ!スカイダイビングしてあ〜んなんていいんじゃないですかぁ!」
とてもとても楽しそうに話す新垣さんの髪は、海風を浴びて相変わらず
気持ちが良さそうに靡いていた。
721 :
てと
:2004/08/13(金) 19:04
「あれ?」
南国、ハワイ。
アメリカ合衆国の州の一つで、当たり前だけど海外。
ホテルも外国人の従業員が働いて、チップとか払ってみたり、朝はバイキングで
オムレツは具の一つ一つ全部細かく指定してその場で作ってもらったり・・・
と、そこまではよかった。
でも僕らが止まったホテルには、そのハワイあるまじき物体が存在した。
「見間違い・・・やあらへんよね?」
「なんで関西弁なんですか。」
愛ちゃんに笑われながら、”それ”にゆっくりと近づいていく。
やっぱり見間違いではないらしい。
「やるやよ。」
愛ちゃんはフロントに行くと、借りるものを借りて帰って来た。
「やりません?」
「やろうか。」
僕は高橋さんがやっていた組立作業を手伝い始めた。
台を組み立て、網をピンと張る。お互いに端と端に分かれ、構える。
722 :
てと
:2004/08/13(金) 19:04
「卓球温泉〜!」
「愛ちゃんそれなんか違う気が。」
「あ、混ぜて混ぜて〜!」
「楽しそうじゃん。」
いつの間にかみんな集まってきた。でもセットをしたのは僕らということで、
まず最初の対戦は僕VS愛ちゃん。サーブは彼女から。
「むぅ〜・・・・。」
難しい顔をしてラケットとボールを見つめる愛ちゃん。前かがみになって
ずっと悩んでいる。
ハワイ、夏、すなわち暑い。暑さというのは人間を解放的な気持ちに
させる、というか薄着にさせる。愛ちゃんも当然薄着。
前かがみになった事でシャツの中がチラリと見えた。
気づいたら最後。それが気になってしょうがない。そして、
「そりゃっ!」
カコンッ。
「あ!」
気づいたらもうサーブを打たれていた。
「ボーっとしてるなら変われよ〜!!」
愚痴が飛ぶ中、僕は地面へと落ちたピンポン玉を探すふりをして、
顔から赤みが取れるまでずっと待っていた。
723 :
てと
:2004/08/14(土) 17:47
本を読んでいると、横に座っていた亀井さんが目を細める。
何かと思って見てみたら大分眠たそうに、でも寝ないように必死に
色々と試行錯誤していた。
「眠ったら?」
「・・・・・え?あ、なんですか?」
完全に寝ぼけている亀井さん。今にも眠ってしまいそうな顔を覗かせる。
「起こしてあげるから寝てていいよ。」
「・・・・・よろしくお願いします。」
その一言を最後に亀井さんは目を閉じ、椅子に座ったまま前かがみ気味の
状態を取って眠り出した。最近急がしくて疲れているのかもしれない。
読書を続けていると、突然左肩に重みを感じた。
横を向くと亀井さんの頭が視界に入る。そして間もなくしていい匂いがした。
すーすーと寝息を立てる亀井さんを起こすわけにもいかず、僕はなるべく
動かないように注意しながら本を読み続ける。
でも本の内容なんて全然頭に入らなかった。
724 :
名無し募集中。。。
:2004/08/14(土) 23:31
ハァ━━━━━━ *´Д`* ━━━━━━ン!!!
725 :
名無し募集中。。。
:2004/08/16(月) 08:29
やっぱりえりりんはいい匂いがするんだね・・・(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
726 :
てと
:2004/08/20(金) 18:53
機会があって中澤さんと二人で飲みに行く事になった。
少し洒落た感じのバーにて、中澤さんはカクテルを注文した。
流石に中澤さんと飲む時はお酒は飲めない。
僕はジュースをちびちびと飲みながら、中澤さんのお酒に付き合う形になった。
「入ったときはどうなるかと思ったけど、立派になったなぁ〜。」
中澤さんはしみじみとした顔で僕を見る。
年を感じているように、僕には見えた。
見えると同時に、僕は思わず言ってしまった。
「何おばあさんみたいにしみじみしてるんですか。」
「お、おばあさん?!」
中澤さんは脊髄反射の反応速度で絶叫する。周りの人がこっちをじろじろと見る。
中澤さんは回りを見ながら恥ずかしそうにすると、少しだけ小さな声で、
「ちょっとでっかくなって誉められたからってええ気になってるんやないわ!」
「え〜さっきどこら辺誉めましたぁ?」
「口だけは達者やなぁ全く・・・。」
中澤さんは呆れた表情を浮かべてカクテルを口にすると、言った。
「これから大変やと思うけど、頑張りや。」
「・・・・はい。」
その言葉はすごく心に響いた。
727 :
名無し娘。
:2004/08/21(土) 00:45
また旅行いくの?
728 :
てと
:2004/08/21(土) 00:54
メル欄直してない事に気づき焦。旅行は当分行きませぬ。
729 :
てと
:2004/08/21(土) 22:32
「久しぶりですね。モデルになるの。」
椅子の上に座り、表情を造る。
僕の先にはイーゼルにキャンバス、そして難しい顔をした飯田さんがいる。
たくさんの鉛筆を入念に選び、流れるようにそれを走らす。
卒業するにあたってそれまでにメンバー全員の絵を描くという計画らしい。
「時間はあると思っていたら、すぐになくなっちゃうから。」
なんだかちょっとだけ悲しげな表情を浮かべるリーダーに、僕はただ頷いた。
いくらか時間が過ぎたところで、飯田さんの指先が止まる。
「出来た。」
満足そうな笑みを浮かべると、僕は久しぶりに立ち上がってその画を
見ようと回り込んだ。でも飯田さんはそれを阻止して隠す。
「見せてくださいよ。」
飯田さんは何故かすごい頬が緩く、目も少し泳いでいた。
「はい。」
「・・・・な、なんですか・・・これ。」
「なにって・・・・あんた。」
「・・・嫌な事思い出させないでくださいよ・・・。」
キャンバスの上では、猫耳が頭にくっついた僕が済ました表情で佇んでいた。
730 :
名無し娘。
:2004/08/22(日) 12:53
いいねえ。ガンガレ
731 :
てと
:2004/08/22(日) 17:44
安倍さんと昼ご飯を食べに行く事になり、僕達は「北海道ラーメン」と
書かれた店に入ってみた。
塩と味噌をそれぞれ頼んでちょっとずつ分け合う、ということになる。
ラーメンをすすりながら、僕はなんとなく言った。
「安倍さんこれ食べてなんとも思わないんですか?」
「え?美味しいけど・・・。」
「そうじゃなくて・・・。こんなの北海道じゃないべさぁ!って思ったり」
僕が最後まで言い終わる前に、安倍さんはくすっと笑って僕を遮る。
「そんな頃もあったなぁ・・・。」
その目はなんだか少し遠くを見つめているようだった。
「安倍さん?」
「自分ではそうでないつもりでも、東京に染められてきた、ってことかな・・・。」
「そんなこと・・・・。」
その先が、どうしても出てこなかった。
帰り道、公園を突っ切る。お昼時の公園には、一人寂しく食事をするサラリーマン、
どこかの野良猫くらいしかそこにはいなくて静かだった。東京ではないみたいに。
僕はここで、安倍さんに自分の意見をぶつけてみる事にした。
「染められる事は、別に悪い事じゃありませんよ。」
「え・・・?」
「いろんな経験をして、東京に慣れたとして、だからといって北海道に
いた安倍さんは嘘じゃないはずだし、染められてもその中に北海道が
少しでも残っている限り、安倍さんは安倍さんですから。」
「全部染まっちゃったら・・・どうするんだべ?・・あ。」
言った途端に北海道で取れたてのトマトみたいに顔を真っ赤にして口を抑えた。
「いまだに訛りが取れないから大丈夫ですよ。それになんていうか、その・・・
なんていえばいいんだろ。」
安倍さんは僕を見て思い切り笑うと、
「もういいべさ。ありがとう。」
安倍さんはちょっとだけ僕の近くに立ち、ほっぺをつっついてきた。
そして後ろに回りこみ僕の両肩に手を乗せると、
「今度は本場のラーメンを食べに行くべ。」
その笑顔は迷いとは無関係に見えるくらいに無垢だった。
732 :
てと
:2004/08/23(月) 18:56
楽屋に今いるのは僕と矢口さんの二人だけ。矢口さんはさっきからトッポを
ずっと食べている。僕は本を読みながら缶コーヒーを口にして、リラックス中。
そんな時、矢口さんが話しかけてきた。
「ねぇ、勝負しない?」
「勝負?」
「トッポを1本か2本袋から交互に抜いて最後の1本を引いたら負け。
負けたら相手の言う事をなんでも聞く。どう?」
「面白そうですね。」
「そう来なくっちゃ!」
矢口さんはノリノリで僕の横に腰掛けると、僕に向かって袋を差し出した。
僕が先行らしい。
「1本。」
「・・・じゃあ2本。」
「・・・あれ?」
袋を受け取り、気がつく。もう既にあと1本しかない。
733 :
てと
:2004/08/23(月) 18:56
「・・・矢口さん謀りましたね!」
「キャハハッ、勝ちは勝ちだ!さあどうしてもらおうか・・・。
じゃあお前、目つぶれ。」
「?目ですか?」
ビンタでもされるんじゃないかと思い、目を瞑る。しばらく待っても何も
されず、不思議に思い目を開くと、矢口さんの顔がすぐ側にあった。
「おい開けるなよ!!」
大慌てで3歩くらい退く矢口さん。
「いや退きすぎですよ。」
僕はもう一度目を閉じると、静かに何かをされるのを待った。
ガチャッ。
「うわ!!」
ドアが開いた音の後、またも大慌てする矢口さんの声。気になり目を開けると、
石川さんが立っていた。何故かドロが沢山服についている。
「そんなに驚かないでよぉ〜!もう本当に大変だったんだから〜!
矢口さん聞いてください!!」
「・・・・れ。」
「え?」
「帰れ。」
「はい?」
「お前もう帰れ!!」
何故か突如マジギレした矢口さんを止めるのにそれから30分かかり、
罰ゲームの事を聞くと矢口さんは疲れた顔をして「もういい」
とだけうわ言のように繰り返した。
734 :
名無し娘。
:2004/08/23(月) 21:45
届かなかったのね
735 :
てと
:2004/08/24(火) 18:52
ガチャッ
「うわ!!」
朝楽屋に入った瞬間、目の前に飛び込んできたものに僕は絶叫してしまった。
絶叫されたその”もの”はそんな僕にすぐに突っかかってくる。
「だからあんたたちなんなのよ!私が楽屋にいるとそんなにおかしい?!」
「いやだって、ドア開けたらいきなり保田さんがいるんですよ?!
至近距離に!椅子に座って!!
おかしいっていうか怖いです。」
「な?!」
「そのくらいにしてあげなよ、保田さんこれで5人斬り達成なんだから。」
「数えるんじゃないわよ!大体一人目は石川!あんたでしょ!!」
「えへっ。」
キショッ、という声が何処からともなく聞こえる。
「もうここまできたら13人斬りしちゃってくださいよ〜。」
ガチャッ
「うわぁぁぁ!!!」
6人斬り達成、と思われた瞬間
「うわぁぁぁ!!!」
保田さんに驚いた小川さんのリアクションで保田さんが驚き椅子ごと後ろ
に吹き飛んだ。保田さんが吹き飛んだ先は既に斬られ済みの6期3人。
『きゃーー!!!』
三方向に散る、というよりも転ぶように飛ぶ3人。
楽屋中が悲鳴に包まれた。
736 :
名無し募集中。。。
:2004/08/25(水) 18:39
がんがれ!
737 :
てと
:2004/08/25(水) 21:12
スタジオ入りをするために楽屋を出た。
本を読むのに夢中になってしまったから、楽屋を出るのは僕で最後。
もう時間もあまりなかったから急ごうとしたら、隣の楽屋が開いた。
中からはごっちんが出てきたけど・・・。
「・・・どうしたの?」
「んあ?どうもしないよ?」
「頭。」
「?」
僕は道重さんに誕生日の時もらった手鏡をごっちんに手渡した。
反射してごっちんの瞳に映るのは、頭が大爆発を起こしているごっちん。
「直さなきゃ!!!」
大慌てするごっちん。楽屋に入るのかと思いきや、あろうことか、
「み、水!!」
「水?!ワックス貸すから!!」
二人で全速力でスタジオに入ると、厳しい視線を受けて直したばかりの頭を
縦に下げた。
738 :
てと
:2004/08/26(木) 17:47
自販機の横の椅子に座ってジュースを飲んでいると、横で同じくジュースを
飲んでいた石川さんが前触れも無く唐突に言った。
「付き合ってる人いないの?」
ブッ
「ゴホゴホッ・・なんで?」
「この世界入って長いし。」
「・・・そう言う意味か。」
「え?どういう意味だと思ったの?」
突然石川さんは顔を近づけて、下から見上げるように上目遣い。
少しだけドキドキしてしまう自分がいた。
「別に・・・。」
「ねぇどういう意味?」
更に顔を近づけられ、それに比例して鼓動が高まる。
739 :
てと
:2004/08/26(木) 17:48
「じょ〜だん!」
石川さんはぴょんっと椅子に座りなおすと、笑ってみせた。
石川さんは前を向き直すと、
「当分はなさそうだね、その様子だと。」
「うるさいな〜。」
僕はなんだか恥ずかしくて思わず頭を軽くかいた。古いリアクションだ。
「でも相談があるならいつでも乗るよ。一応私の方がお姉さんだから。」
ウィンクをしてみせる石川さん。それを見て僕は顔を近づけた。
「聞いてくれる?」
「・・え?」
「俺・・・石川さんが・・・。」
手を握る。石川さんは顔を赤くして僕から逸らした。
更に顔を近づけると、石川さんは僕の方を見た。少しだけ固い表情。
740 :
てと
:2004/08/26(木) 17:48
「俺のこと、嫌い?」
「・・・・・・・。」
石川さんの顔がこれ以上ないくらいに赤くなったところで、僕は耳元で言った。
「じょ〜だん。」
「え?!」
「引っかかった〜。」
「もう・・・。」
今度は逆に引っ掛けられた石川さんの顔の色はまだ赤い。
「でもその時が来たらよろしくね、お姉さん。」
741 :
名無し娘。
:2004/08/27(金) 13:48
いい!がんがれ!!
742 :
てと
:2004/08/27(金) 18:52
吉澤さんに悩みの相談をされた。楽屋で二人きりのときに。
4期自分ひとりになってしまうと言う事を。
「なんだかんだ、やっぱ寂しいよね。最初ほとんど4人で行動してたわけだし。」
「らしくないよ。」
僕が軽い気持ちで言うと、それは吉澤さんにはよくなかったらしい。
吉澤さんは少し語調を強めて、
「なくもなるよ、あんたこの気持ち分かるの?!」
「・・・分からないよ。4.5期だから。最初から一人だから。」
「・・・・。」
僕は吉澤さんの座る椅子の横までゆっくりと歩いて座り、目を見て続けた。
「みんな先輩で動機は当然いなくて。でも俺は寂しく感じた事ないよ。
みんないるし、吉澤さんもいるし。」
「・・・え?」
「俺にとって4期の4人は同期当然だから。だからさ、1人だなんて言わないでよ。」
「・・・・・・・。」
吉澤さんは難しい顔をして少し俯いたけど、
「そうだね。でもあたしを同期だって言うなら、その吉澤さんってのは
いい加減やめてよ。」
「え?」
「余所余所しい。」
「う〜ん、よっすぃ〜、よっちゃん、よっちゃんさん、よしこ、」
「その調子!」
「頑固一徹!」
「それはやめい!」
吉澤さんがばしっと僕の胸を手の甲で叩くと、僕らは一緒に大笑いした。
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