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俺と娘。の夢物語〜in 狩狩〜

412 :とある夢見男1号:2004/03/11(木) 00:30
>>411 の続きです。

「バレンタインの時は、ありがとう。はい、どうぞ」
高橋さんに部屋に上がってもらい飲み物を用意した後、僕は少し照れながら小さな包みを差し出した。
「開けてもいいですか?」「うん、もちろん」
目をキラキラさせながら丁寧に包装を解いていく高橋さん。
「わぁ・・・綺麗・・・」
そう呟いて、高橋さんは、箱の中から、繊細な細工の施されたシルバーのブレスレットを取り出した。
「すっごい大人っぽいですね・・・私には何かまだもったいないぐらい・・・」
「ううん、今の愛ちゃんには絶対似合うと思うよ」
僕の勧めに、少しおずおずとブレスレットを着けた高橋さん。
キラキラ輝く自分の手首をまじまじと見つめては、本当に嬉しそうな顔をして手首を何度も返していた。

それから、しばらくの間、お茶とお菓子をつまみながら、2人で他愛のない話を続けた。
「あの・・・」
すると、その時、不意に真顔になった高橋さんが、少し緊張したトーンで口を開く。
「あの・・・この間は、ごめんなさい。何か・・・とても無茶苦茶なこと言ってしまって・・・」
それが、先日の病室でのことだというのは、すぐに分かった。
「ううん。こっちだって、ちゃんとした話、全然してなかったしね」
曇りの消えない高橋さんの表情を見て、僕はそのまま言葉を続ける。
「今回のソロは、確かに娘。に居ながらって話だけど・・・でも、いずれは娘。を離れる時が来ると思う」
「そう・・・ですか・・・」
つんくさんから聞いている話を、僕はそのまま高橋さんに伝えた。言わなければいけないと思った。
高橋さんは、半ば察していたように、あまり表情を変えない。ただ僕をじっと見つめている。
2人の間に、ふわふわと同じような言葉が漂っては消えていく。
言葉を並べても決して変わることのない事実に、それでも僕たちは言葉を交わしていたいのかもしれなかった。

「あ、もうこんな時間か・・・」
気が付けば、窓の外はすっかり暗くなっている。
僕は、少し重く感じた腰を上げ、高橋さんを送っていこうと立ち上がった。
「夜はさすがに寒いよな・・・何か愛ちゃんが着れそうなものあったかな・・・」
高橋さんの着れそうな上着を探しに、僕はクローゼットへと向かう。と、その時。

きゅ・・・。後ろから、服の袖を掴まれる。
「・・・愛ちゃん?」
でも、僕の呼びかけに、高橋さんは応えない。そのまま、僕の背中へ静かに身体を寄せた。

「・・・・・・まだ・・・帰りたくないです・・・」

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