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俺と娘。の夢物語〜in 狩狩〜
403 :
とある夢見男1号
:2004/03/10(水) 00:09
>>402
の続きです。
「・・・飯田さんっ!」
病院のロビーに駆け込むなり、飯田さんとマネージャーさんの姿を見つけた僕は、2人に駆け寄る。
「大丈夫、大丈夫よ。今、薬が効いて眠ってるから」
はぁはぁと肩で息をする僕を落ち着かせるように、飯田さんはゆっくりと優しく僕に言葉をかけた。
思わず力が抜けてベンチに座り込む僕。高橋さんの病室へ向かうことができたのは、しばらくしてからのことだった。
「・・・愛ちゃん・・・」
小さな病室の白いベッドの上で、高橋さんは上気した顔に汗を滲ませて静かに目を閉じている。
「愛ちゃん・・・」
高橋さんの名前を呟いて、思わず僕は高橋さんの汗ばんだ白い手を取った。目頭が熱くなる。
病室に向かう途中、医者が口にした「心労」という言葉が、その時僕の胸に大きな刺のように刺さっていた。
「・・・・・・ん・・・・・・あ」
すると、その時、高橋さんの目がうっすらと開く。
高橋さんは、ゆっくり飯田さんと僕の顔を確かめると、辛そうに顔を歪めて口を動かした。
「・・・・・・なさい・・・ごめ・・・なさい・・・」
「バカ! 何で謝るのさ・・・」
飯田さんが、涙をぽろぽろ流している。僕は何も言わずに、少し強く高橋さんの手を握りしめた。と、その時。
「・・・行かんといて・・・行かんといて下さい・・・」
悲しげに涙を浮かべた目で僕をじっと見つめる高橋さんが、うわ言のようにその言葉を繰り返した。
「どこにも行かないよ。ここにいるから」
でも、僕の声が聞こえているのかいないのか、高橋さんは涙をぽろぽろこぼして僕の手を弱々しく握り返す。
「・・・・・・辞めんといて下さい・・・いっしょにいて下さい・・・」
僕は、高橋さんが落ち着き、目を閉じ、頬の涙が乾くまで、その小さな手を離すことができなかった。
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