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俺と娘。の夢物語〜in 狩狩〜3
- 579 :名無し娘。:2007/06/19(火) 20:05
-
「明日楽屋にお邪魔してもいいですか?ちょっと相談が」
少し小さないつもの楽屋で、昨日受け取ったメールを見る。
相談のお願いは前にもあったけど、アポを取ってくるなんて。
何か大切なことなんだろうか。
コンコン
どうやら来たらしい。
………さて。
- 580 :名無し娘。:2007/06/19(火) 20:05
-
「どうぞ」
「ありがとうございます」
目の前には新垣さん。まずはお茶をすすめる。
少しばかり雑談を交わして………そろそろかな?
「それで、相談って?」
「あ、はい」
少し姿勢を正した新垣さん。次の言葉を待つ。
「えーと」
「うん」
「…サブリーダーって、なんなんでしょうか?」
「…はい?」
前置きのない質問に戸惑う。
「いや、わたし。なったじゃないですか」
「あ、うん」
「何をすればいいのか、よく分からないんです」
「………」
「保田さんにも、聞いてみたんですけど」
「そうなんだ。何て言ってた?」
「『私は何もしなかった』って。」
「うーん」
「そんなことないと思うんですけど」
「僕もそう思うな」
保田さん、謙遜したんだろうな。
「保田さんの言うことが本当だとして」
「うん」
「保田さんのときは、それでよかったかもしれません。けど今は」
「………」
「何かしないといけない、そんな気がするんです」
「…そっか」
「せんぱい、どう思いますか?」
ちょっと途方に暮れた感じの新垣さん。
…サブリーダー、か。
正直いって、表向きだけの形式的なものだと思う。
僕たちが選んだわけでもないし。そんな表情に
なってしまうほど深刻にならなくてもいいのに。
でも今の新垣さんはそんな答え望んでないんだろうな。
ちょっと迷ったけど、思い切って言ってみることにした。
- 581 :名無し娘。:2007/06/19(火) 20:06
-
「新垣さんは、娘。大好きだね」
「もちろんです」
「娘。じゃないと駄目だよね」
「はい」
「他のメンバーはどうだろう?」
「え?」
「娘。じゃなきゃ駄目だって、新垣さんほど強く思ってるかな?」
「………」
「新しい2人とかさ、特に」
「………」
「少しずつ、弱くなってると思う。そういうの」
「………」
「何かしなきゃいけないとしたら、そこかな」
批判…だよな、これ。やっぱり。
新垣さんの表情が変わるのを見ながら、思う。
怒ってしまうだろうか?できれば…
「どう思う?」
逆に尋ね、じっと反応を待った。
- 582 :名無し娘。:2007/06/19(火) 20:06
-
「…そうかもしれません」
…よかった、受け入れてくれた。ならば。
「もしそうなら、解決できる」
「え?」
「良くすることはできると思う」
「ど、どうすればいいんですかっ?わたし何でもします!」
新垣さん…本当に娘。が大切なんだね。
もちろん、ずっと前から知っていることだけど。
気持ちのこもった強い言葉を聞いて、そんなの関係なく嬉しくなった。
「絆」
「きずな?」
「そう、絆。メンバー同士の関係を強くすればいい」
「…仲はいいと思いますけど」
「うん。でも他にも絆を強くするものがあるんだ」
「何ですか?」
「リーダーシップ」
「…えーっと?」
「この人なら信頼できる、尊敬できる。この人にならついていってもいい、って」
「…はい」
「そういう風にメンバーが思えるような、リーダーの振るまいのこと」
「それが、リーダーシップですか」
「そう。もし高橋さんや新垣さんが、リーダーシップを持てたなら」
「………」
「みんなは、より強い絆で結ばれる」
「はい」
「大事なのは」
「え?」
「新垣さんは娘。が大好きってことなんだ」
「………」
「そんな新垣さんについてくるメンバーたちは、娘。をもっと好きになるって」
「せんぱい…」
「そう信じてる」
新垣さんが僕を見つめる。ちょっと潤んだ瞳が美しかった。
- 583 :名無し娘。:2007/06/19(火) 20:07
-
…しばらくして。
「ごめん、ちょっと難しかった?」
「いえ。よかったです。せんぱいに相談して」
「…そう?」
「はい」
新垣さんは何か吹っ切れたような、さっぱりした表情だった。
…少しは役に立った、だろうか。
「それと、これは受け売りなんだけど」
「はい?」
「組織のカギは、副将が握ってるんだって」
「ふくしょう、ですか?」
「うん、サブリーダーのこと」
「わたし鍵なんて持ってないですよ」
…んなアホな。
「新垣さん、違う違う」
「え?」
「グループが良くなるかどうかはサブリーダーにかかってる、ってこと」
「………」
勘違いと本当の意味に気づいてちょっと恥ずかしそうな新垣さん。
「いつでも、どこでも、誰にでも当てはまる言葉とは思わないけど」
「はい」
「今の娘。にはぴったりだと思う。だから」
「………」
「娘。のために、頑張って欲しい」
「…はいっ!」
変にプレッシャーにならなければいいけど。
ちょっとだけ後悔しつつ、元気に返事をしてくれた新垣さんに微笑んだ。
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