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俺と娘。の夢物語〜in 狩狩〜3
- 472 :『価値 Case-R』:2007/05/24(木) 23:20
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この間の一件で解ったことがある。
人にはそれぞれに価値観があり、それは必ずしも一致するものではない。
……はずだと思っていたけれど。
それよりも大切にする部分が一致することはあるらしい。
それは“特別”であるということ。
例えば彼女たち。
ああでもないこうでもないと話をした後、結局それぞれの希望をメールで受け取り、その中から取捨を任された今。
「で、なんで君らは並んでるのさ」
- 473 :『価値 Case-R』:2007/05/24(木) 23:21
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おかしなことに僕の前で一列に並んでいるメンバーたち。
「はいっ! じゃんけんして一番になりましたよ」
元気良く手を挙げて、存在をアピールする新垣さんはえらく期待に満ちた眼差しを向けてくる。
そんな顔をされると……
「じゃあ。んんっ……呼べばいいんでしょ?」
「はいっ!」
「ガキさん」
「は、うえっぇ!?」
返事のような曖昧な、けれど大きな反応を見せる新垣さん。
ついついからかいたくなってしまうんだよなあ。
それでも情けなくハの字を描く眉を見て、軽くごめんと手を振って仕切り直し。
- 474 :『価値 Case-R』:2007/05/24(木) 23:21
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「新垣さん」
「――はいっ」
笑顔に戻った新垣さんが、いつものように元気な返事をしてくれた。
前と変わらない、けれど彼女はこれがいいらしい。
後ろにいる亀井さんたちも意外そうな顔をして、返事をした新垣さんを覗き込んでいる。
「今まで通りだけど、これでいいの?」
「いいんです。すごい考えてみたんですけど……なんかこう、どれもしっくり? こない感じで。
それにほら、あれですよ、そう呼んでくれる先輩って先輩だけですから。いつも通りがいいんです」
「そっか。うん。じゃあ新垣さん」
「はいっ!」
彼女は自身が僕にとって『新垣さん』であることを選んだ。
変わらないことが特別なこともあるんだね。
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