■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 最新50
俺と娘。の夢物語〜in 狩狩〜3

472 :『価値 Case-R』:2007/05/24(木) 23:20

この間の一件で解ったことがある。
人にはそれぞれに価値観があり、それは必ずしも一致するものではない。
……はずだと思っていたけれど。
それよりも大切にする部分が一致することはあるらしい。

それは“特別”であるということ。

例えば彼女たち。
ああでもないこうでもないと話をした後、結局それぞれの希望をメールで受け取り、その中から取捨を任された今。

「で、なんで君らは並んでるのさ」

473 :『価値 Case-R』:2007/05/24(木) 23:21

おかしなことに僕の前で一列に並んでいるメンバーたち。

「はいっ! じゃんけんして一番になりましたよ」

元気良く手を挙げて、存在をアピールする新垣さんはえらく期待に満ちた眼差しを向けてくる。
そんな顔をされると……

「じゃあ。んんっ……呼べばいいんでしょ?」
「はいっ!」
「ガキさん」
「は、うえっぇ!?」

返事のような曖昧な、けれど大きな反応を見せる新垣さん。
ついついからかいたくなってしまうんだよなあ。
それでも情けなくハの字を描く眉を見て、軽くごめんと手を振って仕切り直し。

474 :『価値 Case-R』:2007/05/24(木) 23:21

「新垣さん」
「――はいっ」

笑顔に戻った新垣さんが、いつものように元気な返事をしてくれた。
前と変わらない、けれど彼女はこれがいいらしい。
後ろにいる亀井さんたちも意外そうな顔をして、返事をした新垣さんを覗き込んでいる。

「今まで通りだけど、これでいいの?」
「いいんです。すごい考えてみたんですけど……なんかこう、どれもしっくり? こない感じで。
 それにほら、あれですよ、そう呼んでくれる先輩って先輩だけですから。いつも通りがいいんです」
「そっか。うん。じゃあ新垣さん」
「はいっ!」

彼女は自身が僕にとって『新垣さん』であることを選んだ。
変わらないことが特別なこともあるんだね。

500KB
続きを読む

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
名前: E-mail(省略可)

0ch BBS 2006-02-27