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俺と娘。の夢物語〜in 狩狩〜3
- 234 :『いつかその背中に……』:2007/02/26(月) 19:29
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スケジュールの合間を縫って、一人でレッスンに励んでいる愛佳ちゃんの元へ、お土産持参で陣中見舞いにきたときのことだった。
微かに漏れ聞こえてくるリズムに、レッスン場をドア越しにのぞいてみる。
そこは番組で紹介されたような和やかな……ともすれば生ぬるいとも言える雰囲気なんて欠片もなかった。
額や頬、首筋、そしてシャツの色が変わるほどの汗が、どれほど必死で彼女が追いつこうとしているかを教えてくれる。
迂闊に顔を出していい空間じゃないかなと、誰かにお土産だけ預けて帰ろうかと思ったとき、廻らせた視線がとある人とぶつかった。
――夏先生!?
正直、いたのか、とイヤな汗が背中に浮かぶのを感じた。
自分がダンスを仕込まれた時間を思い出す。
まるで思考を読まれたかのように先生が笑った。
ニヤリと、ヤバイ予感がする笑みだった。
チョイチョイ手招きされる。
予感的中。
「ちょうどいいトコにきた。ちょっと手伝っていきなよ」
「いや、ですけど、ウェアも持ってきてませんし……」
「今日はそんなに汗かかせないから、ほら光井も頑張ってるんだからさ」
「はぁ……」
愛佳ちゃんを手伝うのがイヤなわけではないけれど、夏先生の前で人に教えたりするのはなかなかに気恥ずかしいからイヤだったのに。
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