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ソニン「ほんとはね。」
- 144 :名無し娘。:2004/06/29(火) 17:48
- 三田に言わせりゃ「小学生の作文」。
説明したいことを文で説明するのは小説ではない。小説のつもりなら、説明するな。描写しろ。
>>81が作家で漏れが編集者だと思ってもらったとして、
編集者の趣味にもよるが、漏れの趣味ならたとえば>>85
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窓のない手狭な部屋の中に、どことなく苛立たしそうな足音が響いている。
歩き回る女の念入りな化粧と茶色の髪だけがいま風だった。
無地のシャツにありふれた濃茶のパンツ。
地味な服装は、女から周囲にあふれ出す、気性の激しさを思わせる雰囲気と、どこか似つかわしくなかった。
少し不安げな表情をうかべ、少女は壁際の椅子に座ってその様子を眺めていた。
やがて女の怒りが爆発するのが、もうわかっているかのようだった。
その場に立ちこめる緊張感は、仕事場――スタジオ――にはもうない種類のものだった。
仕事に対する熱意は、いまは冷え切っていた。
いつか、あるスタッフがその空気を、仲間同士の立ち話で『ぬるま湯』と表現していたのを、
少女は偶然聞いてしまったことがあった。
女は歩き回るのをやめなかった。眉間に皺を寄せていた。
いつここを出てどこへ行くのか、わからないままでいるのに耐え難い、と言わんばかりだった。
少女は、椅子に浅くかけたまま、ただ女を見ていた。
二人は、待っていた。
少女は壁にかかった時計をちらりと見た。
ただ座っている方が、歩き回っているよりも、時の流れの遅さがいっそう気にさわるかな、と思った。
それを知っていてじらすかのように、閉ざされた部屋の中の時間はゆっくりと流れていた。
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