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俺と娘。の夢物語〜in 狩狩〜
1 :
名無し娘。
:2003/09/09(火) 18:55
前スレ
俺と娘。の夢物語
http://teri.2ch.net/mor2/kako/977/977128657.html
俺と娘。の夢物語〜第2章〜
http://teri.2ch.net/mor2/kako/986/986831774.html
俺と娘。の夢物語〜第3章〜
http://www.metroports.com/test/read.cgi/morning/1004618557/
このスレを狩と共に終わらせてしまうのは、
余りにも惜しい。
979 :
てと
:2004/12/27(月) 20:59
『そして、もう一つ。つんくさんに感謝したい事があります』
ここでまた、一息つく。
胸がきゅーっとしめつけられる様な感覚を覚えるのは、何故だろう。
僕は顔をみんなの方へと向けた。顔はもうよく見えない。
視界が開けるのを邪魔する何かが、僕の目の前に広がって、空間を歪ませていた。
『みんなと、モーニング娘。のみんなと、
ハロプロのみんなと、出会えて良かった。心からそう思う。』
大きな歓声が聞こえた。でもそれを確認できる目は今の僕にはない。
鼻を啜る。
目頭がすごく熱かった。
でも今日は、拭っちゃいけない。そう思った。
『ホント、情けない。泣かないって決めてたのに。』
頑張れ。
そんな声が次々と耳に飛び込んでくる。
うん頑張る。頑張るけど・・・今の、その一言はちょっと痛すぎるよ。
980 :
てと
:2004/12/27(月) 21:12
『最後に、本当に最後になりますが・・・。』
心を、出来るだけ落ち着かせる。
精一杯、精一杯気丈でいたいから。
メンバーにこれ以上、情けない姿を見せたら、ちゃんと卒業できないから。
『これから僕は、一人で活動していくことになりますが、
どうか、これからもずっと、
モーニング娘。を、ずっと応援してやってください。』
目から雫が零れ落ちると、視界が少しだけ開けた。
メンバーの顔が映って、少し驚いた顔をしているのが確認できた。
何人も涙を流している。
僕のために涙を流すなんて、そんな安い涙流しちゃダメだよ。
それに、まだ話は終わってないよ。
『みんなの、がんばってる姿を、
ずっとその目で、その心で、見続けてあげてください。
これがモーニング娘。の僕からの、みんなへの最後のお願いです』
大歓声がステージ上の僕達を包む。もうダメ、ごめん。
涙が止まらなかった。
981 :
てと
:2004/12/27(月) 21:21
僕の涙がひかないうちに、みんなのスピーチが始まった。
5、6期は一番年長の愛ちゃん、亀井さんが代表になって、
4期以前は全員一言ずつくれるという段取りだったけど、
何を言うのか、リハで触れなかったから知らなかった。
「先輩、卒業おめでとうございます!」
元気一杯の声が飛びこんできて、安心したのも束の間。
亀井さんの方へと視線を移すと、肩が震えていたのが目に入った。
「先輩の分まで、絵里達頑張りますから!心配しなくて、いいんですよ?」
意地悪だな、まだ泣かせたいの?
胸の奥から目まで何かが繋がって、一気に熱くなるような、そんな感じがした。
「世界一可愛い後輩を持って、先輩は幸せですよ!!
以上!!エ・リ・ザ・ベ・ス・キャメイでしたぁ!!」
ワッとみんなが僕達を包む。涙を隠してくれるかのように。
982 :
てと
:2004/12/27(月) 21:30
「先輩。」
愛ちゃんは、精一杯気丈に振舞おうとしているのがよく分かった。
震えているのに、体が震えているのにグッと力を入れて、無理矢理抑え込んで。
それだけで、言葉は要らないくらいだった。
だってこれ以上話されてしまうと、また涙が出てしまう。
「卒業、おめでとうございます。
あたし達5期は、入ったばっかんときに先輩に大分迷惑をかけたり、
お世話になったりしました。ホントに、感謝して、ます。」
途切れ途切れになる言葉達が、逆に僕の胸にじわじわと響く。
今はどんな言葉を聞いても、もしかしたら泣いてしまうのかも。
「ごめんなさい、泣きそーで、大したこと言えません・・・。
お互い成長して、これからも頑張りましょう・・・。」
大きく一礼した愛ちゃんの背中はやっぱり震えていて、僕の体も気づいたら震えていた。
983 :
てと
:2004/12/27(月) 21:39
藤本さんは6期とは何故か別枠でここに入った。
マイクを持つその手の先、目はやっぱりどこか睨んでいるようで。
でも精一杯笑ってくれた。
「卒業オメデト。」
ワザと軽いノリを装ってくれているのが、嬉しかった。
これ以上泣かせるような一言が続くと、壊れてしまう。
「美貴より先にソロになってんじゃねぇよ!!」
客席大爆笑。
さっきまで泣いていたメンバーさえも笑っていた。
藤本さん自身も笑っている。
ちょっと笑えないけれど、思わず笑ってしまった。
ま、これで涙も拭けたでしょう。そんな顔をしている藤本さん。
アイコンタクトで返すと、笑ってくれた。
「待ってろよ。」
984 :
てと
:2004/12/27(月) 21:39
「卒業おめでとう。」
よっすぃ〜はあくまで冷静。
涙を見せる様子もなく、むしろ笑顔を見せてくれた。
この方が、僕も楽かもしれない。
「入ったばっかのとき、おどおどしてるあんた、可愛かったよ。でも・・・。」
お客さんもこの時ばかりは少しだけ笑った。
でも、そのあとの一言はやっぱりよしこの上手さだ。
「カッコよくなりやがって。かっけーよ、今のお前。」
思わず少し笑ってしまった。
ありがとう、聞こえないように呟く。
でもよっすぃ〜の方が、かっけーよ。
「じゃあ、あばよ!」
大きな盛り上がりを見せる客席。やっぱ、すごい。
985 :
てと
:2004/12/27(月) 21:48
僕のフライングで追い抜かれる形となった石川さんは、
ちょっとだけ複雑な表情でマイクを持っていた。
でも、マイクを口元に向けると、パッと笑顔が咲く。
「卒業おめでとう。」
ありがとう、そう返したくなるような言い方だった。
「あなたが入ってきたとき最初、男の子ってこともあって、
あんまり話せなかったよね。今でも覚えてる。」
加入当初、僕はあまりみんなと話すことが出来なかった。
それまでテレビの向こう側にいた人達が、というのもあるし。
僕を避けてた石川さんに気づいてしまったのもあるし。
でも、
「でもいつだったかな。私が熱出しちゃったとき。
お薬が切れちゃっていて。
北海道で、
冬なのに雪の中スタッフよりも誰よりも先にお薬探しに行ってくれて。
あそこから打ち解けたよね、あのときはありがとう。」
改めてお礼を言われると照れくさい。
でも、僕が追い抜かしたことを一言も口にしない石川さんを見ているだけで、
ちょっと瞼の裏が忙しいことになっていた。
「寂しくなるけど、なやみがあったらいつでもお姉さんに相談しなさいよ。」
あのときの約束、覚えていたんだ。
くすっと笑う石川さん。大歓声。その影で、静かに頬を伝う何かを隠した。
986 :
てと
:2004/12/27(月) 21:53
矢口さんが、小さい体を少しみんなより前に出して立つ。
マイクを両手で抱えていたけど、左手を離すと右手で持った。
「卒業おめでとう。」
笑顔はない。何もかもが突然だったから、無理もないのかもしれないけど。
僕はまた一息深く吐き出すと、矢口さんのほうに目を向けた。
「最初入ったときは、ホントどうしようかと思ったけど、
すぐにそんな心配がないって分かったよ。これだけ大きくなっちまったしな。」
ここで始めて笑顔を見せてくれた。目が合って、僕も笑い返す。
笑顔になっているか、自信ないけど。
「これから色々大変だと思うけど、自分の力を信じて、根性で乗り切れ。
ここまで来れた、その持ち前の根性でさ。」
「・・・はい!」
思わず返事をする。マイクは手にない。
ただ、精一杯声を張り上げた。
987 :
てと
:2004/12/27(月) 21:58
最後の一人である飯田さんが、ゆっくりと僕に近づく。
何歩か歩み寄った所で、その足を止めた。
「卒業おめでとう。」
その大きな目は確実に僕の目を捉えている。
その瞳を見つめ返すと、吸い込まれそうな、そんな錯覚を覚える。
「モーニング娘。としては今日が最後だけど、
これからは一人のソロアーティストとしての人生が始まるんだよ。」
「・・・はい。」
ファンの人に見てもらう、ということを忘れてしまったみたいに、
僕達はお互い目をあわせて話した。
「長く長くて、険しくて険しい人生になると思うけど。がんばってよ。
人生ってのはさ、ホント素晴らしいもんなんだから。」
観客からざわめきが起こり始める。僕も気がついた。
この曲で、締める、モーニング娘。としての僕。悪くないかもしれない。
「ソロアーティストとして、しっかり大成できるように祈りを込めて、」
飯田さんはマイクをファンのみんなへと向ける。
矢口さんが横に立つと、合図をかける。
「せーの!!」
『I wish!!!』
やめてよこんな演出。
また涙が出てきちゃったじゃないですか。
988 :
名無し募集中。。。
:2004/12/28(火) 01:31
いやはや、最高ですな
てとさん素晴らしいです
989 :
名無し募集中。。。
:2004/12/28(火) 07:57
うーーん!!
とてもよいですよ・・・
あとはメンバーとの絡みかな
990 :
名無し娘。
:2004/12/28(火) 20:22
1000が先か500kが先か
991 :
てと
:2004/12/28(火) 21:58
誰もいなくなった会場の静けさは、祭りの後の静けさと同じ。
この静かな空間で、今日という日を一人、振り返った。
目を瞑ると何の音もない、何もない、ただの闇。
なんとなく感慨に耽っていると、後ろからちょんと肩を叩かれた。振り向くと指がほっぺに当たる。
「なにしてんですか?」
「終わったな、って思って」
愛ちゃんだった。
「これからは一人でこの会場を埋めなきゃ。みんななし、自分の力で」
「…本当に卒業しちゃうんですよね」
「うん」
ゆっくりとステージの真ん中へと、二人で歩く。
こんなに広いステージを、一人で駆け回る。少しだけ怖い気もした。
992 :
てと
:2004/12/28(火) 21:59
「やめないで、なんて言いません」
愛ちゃんは精一杯、と思える笑顔をみせてくれた。
「言ったってどうしよもないし、それに…」
「それに?」
「…やっぱいいです」
「え」
愛ちゃんの目は、セレモニー中と同じくらいに潤んでいた。見るだけで、涙腺を刺激される。
愛ちゃんはさっきよりもニコッと笑うと、
「ソロアーティストとして活躍する先輩、楽しみにしてます」
「……」
やばい、涙が出てきた。でも、ここで僕がすべき事は、泣くことじゃない。
僕は愛ちゃんと同じように、グッと引き締めると、
「ありがとう」
今僕の出来る、最高の笑顔で返した。
てとの『僕と娘。の夢物語』終わり。
993 :
てと
:2004/12/28(火) 22:05
容量の最後を自分で埋めてしまいそうですが、あとがきをさせてください。
書き始めた当初、夢見さんの言葉を信じて繋ぎを出来ればと思って書き出しました。でも僕の書き込み速度が上がるにつれ、
僕以外の職人さんの書き込みが減って乗っ取りみたいになってしまって、すごい罪悪感を覚えました。
このスレは本来参加型のスレ。僕一人の行動で他の人達が書き込めないのだとしたら…そう思うと辛いです。
遂に小説スレで紹介されるようになってから、もはや参加型のスレの空気は完全に亡き者にされ、正直色んなものに押しつぶされそうになりました。
だから僕はこのスレを持って身を引かせてください。僕が書いたものをなかったものとして、夢物語を続けてください。
我侭で、身勝手なのは分かってます。調子乗ってんじゃねぇと言われても仕方ありません。
でももし、書いてもいいと言う声があるなら…その時は書かせて頂きたいと思います。読みたい方が、もしいるのなら。
でもその時は、こんな風に毎日書く、なんて事は自粛します。
以上、長々と書きましたが僕の拙い文章を読んで下さった皆さん、本当にありがとうございました。
てと。
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