■掲示板に戻る■
全部
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
最新50
レス数が950を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
俺と娘。の夢物語〜in 狩狩〜
1 :
名無し娘。
:2003/09/09(火) 18:55
前スレ
俺と娘。の夢物語
http://teri.2ch.net/mor2/kako/977/977128657.html
俺と娘。の夢物語〜第2章〜
http://teri.2ch.net/mor2/kako/986/986831774.html
俺と娘。の夢物語〜第3章〜
http://www.metroports.com/test/read.cgi/morning/1004618557/
このスレを狩と共に終わらせてしまうのは、
余りにも惜しい。
761 :
てと
:2004/09/06(月) 22:17
たまたま見ていた雑誌に福岡の店が載っていた。
それに気づき、覗き込むようにしてきたのは田中さん。
「ここ行った事あります。」
「マジで?」
田中さんは少し懐かしそうに微笑むと雑誌をペラペラとめくり始めた。
その表情を見て僕は思ったまま口にした。
「寂しくない?」
「寂しくないことはないですけど・・・もう慣れました。それに。」
「それに?」
「夢を追ってここに来たのも本当ですから。」
笑っているような、そうでないような。どっちともつかない表情を浮かべて
田中さんは少しだけ遠くを見るような目をした。
「・・・そろそろ時間か。がんばろっか!」
「はい!」
いつも以上に気合の入った田中さんの背中は、いつもよりちょっぴり大きく見えた。
小さな体を大きく動かしていて、でもちょっとだけ背伸びしているような気もする。
だから思わず僕は、
つん、
「にゃっ?! な、なにするとですか先輩!!」
そうそう、自然体がいちばん。
762 :
名無し娘。
:2004/09/06(月) 23:28
先輩してるなあ
これで全員切りかな てと乙カレ
いろんなシチュエーションを楽しませてもらいました
やっぱりこのスレの設定って絶妙だね
763 :
名無し娘。
:2004/09/07(火) 00:01
全員切り乙〜
個人的には梨華ちゃんとミキティのがよかった
764 :
てと
:2004/09/07(火) 20:48
松浦さんとたまたま時間があってご飯を食べる事になった。
こんな風に娘。以外の人と、しかも二人っきりで行ったりすると
雑誌が意味もなく盛り立ててくる事もたまにあるけど、実際は当然仕事仲間。
辺りをキョロキョロと見る僕に気づいたのか、松浦さんも
「会社の同僚とご飯食べるのと何も違わないんですけどね〜。」
楽しく食べた後はお会計。
「ゴチになりま〜す♪」
「割り勘だろ〜。」
「先輩〜。」
「年あんま変わんないけどな〜。」
そう言いながらも財布からお金を取り出す僕を見て、松浦さんは満足そうな
笑みを見せた。
「次も楽しみにしてますよ、先輩♪」
765 :
名無し娘。
:2004/09/08(水) 06:59
こんなやつとは一緒に飯食いたくないな
766 :
てと
:2004/09/08(水) 18:17
ね、眠い・・・。
早朝、楽屋に着いた後すぐに僕は睡魔に襲われた。
あんまり寝てないからな・・・。まだ時間あるし、いいか。
僕はそのまま畳の上で眠りについた。
767 :
てと
:2004/09/08(水) 18:17
意識が戻った瞬間、固かったはずの畳がやけに柔らかく感じられた。
耳の辺りによく分からない感覚を覚えながら、目を開けると、何故か
ドアが見えた。でもドアノブは見えない。あれ、逆方向に寝てたよな。
寝返りかな・・・。
「この間肩借りちゃったんで。」
いきなり誰かの声が上から聞こえた。寝ぼけているから誰だか分からない。
声の方角へと見上げると、優しく微笑んでいる亀井さんの姿があった。
・・・・ということは
「大丈夫、今誰もいませんから。」
慌てて動こうとした僕を亀井さんが制す。
「え、でももういいよ。」
「遠慮しないで下さいよ。絵里は今離すとどこか逃げちゃうかもしれませんよ?」
逃げちゃうって・・・。小悪魔されてる気がした。
この状態は新垣さんが部屋にノックをした所まで続いたけど、
すごく長い時間に感じた。
768 :
てと
:2004/09/09(木) 21:29
暑い。9月に入っても暑い。
そしてその被害は直接的よりも間接的なものの方が、僕らには多い。
ピチョッ
「うわ!」
首筋に水気を感じて思い切り叫ぶ。犯人はライブ中汗をはじきまくることで
一世を風靡した(?)、保田さんだ。
「飛ばさないでくださいよ〜。」
「しょうがないじゃない!怒るなら暑さに怒ってよね!」
「飛ばさなくてもいいじゃないですか!」
暑さもあってイライラも募る。色々もめていると、横で『ケメコの歌』の
4番を拍子抜けな音程で口ずさむ一人の娘。
外れた音にも気づかず、石川さんは
「ケメコってひどい女だよね〜。」
「ホントホント。自分ブサイクなのに。」
「みんななんなのよ!なんで毎回こんな役回りなのよ!
現存メンバーで私のキャラ作らないと尺取り戻せないわよ!
エースを!トークのエースを!」
『はっ!!』
僕たちは気づいてしまった。
今回のオーディションのテーマは、『エース』
つ、つんくさん・・・まさか・・・。
769 :
てと
:2004/09/09(木) 21:30
『ケメ子の歌』4番
私の名前はミス・ケメ子
あなたはかがみをもってるの
はきけをもよおすその顔で
私を好きになるなんて
キライ (しょぼん) キライ (しょぼん)
私はあなたがキライです
770 :
てと
:2004/09/10(金) 19:15
小麦色に焼けた肌は、僕だけの特権かもしれない。
石川さんは僕を見て言った。
「好き放題焼いても怒られないの君だけだよ〜。」
「石川さんは地で充分黒いからバレないって。」
「ひどぉい。」
そう拗ねながらも口元はしっかりとカーブを描いている。
話はいつの間にかハワイへと。
「あれはないでしょー。」
「しょうがないじゃん!だって英語分かる?」
僕らが話したのは石川さんの買い物中のエピソード。
よっすぃ〜と一緒に買い物をしていた石川さんはレジで
英語が分からず、財布を出して、
「え、え〜っとぉ、likeなだけ、take?」
「??」
財布ごと取られて本気で焦る石川さん。
そしていつの間にかいなくなっているよっすぃ〜。
結局倍額ほどぼったくられた石川さんはスタッフさんに指摘されるまで
それに気づかなかった。
今年も楽しかったな。来年も楽しみ。
来年は石川さんの分まで楽しまないと・・・・ね。
771 :
名無し娘。
:2004/09/11(土) 10:08
・゚・(ノД`)・゚・
772 :
てと
:2004/09/11(土) 21:32
「お願いしますよせんぱ〜い!」
「ちょっこすだけ!ちょっこすだけです!」
「せんぱいの縦列テクに惚れちゃうかも〜。」
「あ〜もうっ、分かったから!行こう!行こうどこにでも!!」
773 :
てと
:2004/09/11(土) 21:32
6期の3人に頼まれ、僕達4人は適当にどこかをドライブする事になった。
免許取立てだからあんまり多くの人を乗せたくない・・・というのが本音。
でもこんなに頼まれては嫌とは言えない。僕は後輩には弱いタチなのかもしれない。
適当、と言っても僕はなんとなく行く所を決めていた。
そこまで車を順調に走らせる。
段々とそこまで近づいてくると、僕は窓を軽く開けた。そしてすぐに、
潮風の香りが車内に行き渡る。
僕達はそれで少し溜息をつくと、海辺に車を止めた。
気がつくと3人とも車から降りていた。
夏休みも終わったし、人はそんなにいない場所にたまたま着いたせいか、
3人は平気で砂浜まで走っていた。間もなくして田中さんが豪快に転ぶ。
2人はそれを見て笑い、田中さんも砂を落としながら笑う。
「よ〜し」
僕は車から降りると、3人を追って走り出す。
でも3人の近くまで走ると、田中さんがこけた時に出来た穴に引っかかって
転んでしまった。笑う3人。
僕はさっきの田中さんと同じ様に、笑顔を見せた。
774 :
名無し娘。
:2004/09/11(土) 22:25
ネゴシックスがいるな
775 :
てと
:2004/09/12(日) 17:29
うとうとしていてあと一歩で眠りに落ちそうだった時、
突然ドタバタと言う音で目を覚まされた。
「・・・・・ん?」
なんとか目をこじ開けて、音の主を探る。
視界があまりはっきりとしないけど、なんとか主の姿だけ確認できた。
紺野さんと小川さんがじゃれあっている。
寝そうになりながらも少しだけそのじゃれあいを眺めていると、
小川さんバックをとった。1ポイント
ローリング 2ポイント
更にローリング 2ポイント
紺野さん投げ技 3ポイント
小川さんアンクルホールド2ポイント
これは悪夢だ、うん、そうに違いない。
僕は再び目を瞑った。
776 :
名無し娘。
:2004/09/12(日) 21:30
どう考えても悪夢とは思えない・・・
777 :
てと
:2004/09/13(月) 18:43
パクパクと弁当を食べていく。
スタッフさんから配られたものだけど、いかんせん量が少ない。
だからこれだけでは足りない人も当然出てきて、そのときは
もう1つ弁当を配ったりしていた。
でも今日はたまたま人数分しかなくて・・・。
ガチャッ
「突撃隣の昼弁当〜!ちょっとそこのお兄さん見せてくらは〜い!!」
「え?!」
ターゲット、僕。
辻ちゃんは僕の弁当を自分の持って来た箸でどんどんおかずを平らげていく。
「あ!!卵は止めて!ちょっと!!あ〜!!」
「ご馳走様れした。それではまた来週〜!」
バタンッ!
・・・嵐が去った。
また来週って、来週の収録の事だろうか・・・。
778 :
てと
:2004/09/14(火) 21:40
ガタンゴトン・・・・ガタンゴトン・・・・。
僅かだけど連続的に続く小さな揺れが心地よい眠りへといざなう。
僕は電車の方向が同じだった高橋さんと一緒に帰っていた。
高橋さんは終点で降りるから、結構長旅だ。
仕事の疲れもあって、かなり眠い。うとうととしてきた所、
肩に何か重みを感じた。
「・・・・・・・。」
いつぞやの亀井さんを思い出す、いい香りが僕の顔を包む。
寝顔が斜めの角度から見えた。
なんだかドキドキしていると、もう僕の降りる駅だ。
「・・・・・・・・。」
779 :
てと
:2004/09/14(火) 21:41
『終点〜』
「愛ちゃん、起きて。」
「・・・・はい?」
これでいいんだよ、多分。
780 :
名無し娘。
:2004/09/15(水) 01:44
さゆえり愛ちゃん…
悩みは尽きませんね。
781 :
てと
:2004/09/15(水) 18:49
パンダのぬいぐるみが楽屋に落ちていた。
見覚えは全くない。
「誰の?」
返事はなかった。みんなも僕と全く同じで、見覚えがなかった。
大きさはいたって普通のぬいぐるみ。
UFOキャッチャーでとれるくらいの大きさだろうか。
「爆弾だったりして。」
冗談半分に石川さんが言う。でもその一言で、楽屋は完全に静まり返った。
時期が悪い。空気の読めなさ過ぎる石川さんの発言で、みんなの目の色が
変わった。
僕は無言でぬいぐるみを石川さんに渡した。
「うわ!」
石川さんは慌てて藤本さんに投げる。
782 :
てと
:2004/09/15(水) 18:49
僕→石川さん→藤本さん→石川さん→矢口さん→石川さん
結局帰ってくるぬいぐるみ。ここに来て石川さんは既に泣きそうな状態。
みんなは楽屋の反対側に避難して、石川さんをじーっと見ていた。
「ちょ、ちょっとみんな!」
「来るな!来るな梨華ちゃん!!」
「ひどいよぉぉぉ!!!」
ガチャッ
騒ぎの中、入ってきたのはキッズの子。
「あ、あった。」
石川さんの所まで行くとぬいぐるみをふんだくり、そのまま去っていった。
『・・・・・・・・。』
783 :
てと
:2004/09/16(木) 22:50
午前中の仕事が終わった後、僕は矢口さんの異変に気がついた。
顔色が悪い。
いつもより余計にテンションが高い気がする。
僕はたまらず聞いてみようと近づいた。すると、
「なんか気持ち悪い・・・。」
「大丈夫ですか?」
矢口さんは目を細めて頬を手で撫でている。
目も少しくっきりとしていて、体調が悪そうな感じがする。
「乗ってください。」
「え?うわぁ」
僕はお姫様抱っこをするとそのまま医務室まで歩き出した。
「ちょっ・・・降ろせぇ!!」
「軽いですね。」
「え?」
「意外に。」
「てめぇ!」
784 :
てと
:2004/09/16(木) 22:54
少し経った後、ジュースを一杯飲みながら医務室に様子を見に行った。
矢口さんはベッドの中にはいるものの退屈そうに転がっている。
でも表情は穏やかではなかった。
「大丈夫すか?」
「なんか飲んだら元気になれそうな気がする。」
「飲みます?」
「サンキュ・・・って、買ってきて!」
「え、なん」
「いいから!」
「?はーい。」
改めてジュースを買ってきて矢口さんに渡すと、矢口さんはそれを一気に飲み干した。
「ありがとー。」
「無理しちゃダメですよ。気負いしないで。」
「わかってるって。」
「じゃあ深呼吸ー。」
「すぅー、はぁーー。」
「では、ごゆっくりお休み下さい。」
お辞儀してそう言うと、僕らは思わず笑ってしまった。
785 :
てと
:2004/09/17(金) 21:59
飯田さんと並んで歩いていると、飯田さんは手を平行にして僕と身長差を
比べ出した。
「でかくなりすぎたら卒業なんて言ってた時代が懐かしいね〜。」
「あの時は毎晩背が伸びないように祈ってましたよ。」
「あんたマジで信じてたの?」
うそー、と言った顔をする飯田さん。ちょっとだけカチンと来た。
「信じてましたよ!女の子の中に一人混じってるからでかくなったらやっぱり
まずいのかなとか!あんないたいけな男の子を騙すなんて」
「どこがだ。」
「すんません。」
笑うと、突然頭を撫でられた。飯田さんは軽く微笑むと、
「昔は手をこんなに上に持ち上げることもなかったのに、
大きくなったんだね。」
「・・・・・・。」
自分がどんな表情をしているかは分からないけど、飯田さんは優しく
微笑んでいた。
786 :
てと
:2004/09/18(土) 21:51
ちょっとした賭けに負けて藤本さんに焼肉を奢る事になった。
それに肉好きの皆さんが何人も連なって、何故か全員奢る雰囲気。
あの〜、ちょっと〜
「食べすぎじゃないでしょうか?」
『・・・・・・・・・・。』
「あの〜・・・。」
『・・・・・・・・・・・。』
全員無言のまま肉にがっついていく。
上カルビー
ロースー
ビビンバー
キムチー
ビールー
「ほどほどにしないと事務所に怒られるんじゃ」
「関係ねーよ!!!」
ウマイムマイムかよ・・・。
藤本さんが叫ぶとみんな爆笑。
お酒、ほとほどにしてください。
787 :
名無し娘。
:2004/09/18(土) 22:44
ふ、藤本さんお酒はまずいんじゃぁ、、。
788 :
てと
:2004/09/19(日) 18:41
仕事終わりの家路への途中、ある違和感をポケットの中に感じた。
軽い振動。僕は携帯を取り出したけど、それを開けなかった。
見覚えのないストラップ。同機種ながら色違い。
これってもしかして・・・。
携帯を開き、メールを見ずにメモリから”自分”を探す。
そして”自分”に電話をかけた。
「は〜い、せんぱいですか?」
やっぱり出てきたのは道重さん。何かの間違いで携帯が入れ替わったらしい。
でも同じ機種とはいえ色違いを間違えるとは・・・。(
>>710
)
「今から届けに行くよ。」
「え、いいですよもう遅いし、明日でいいです。」
意外な反応。僕も携帯を半日使えないと不便だし、すぐに切り返す。
「いや、不便でしょ。」
「でもそれじゃ入れ替えた意味が」
「え?」
小さくてよく聞こえなかったけど、なんか妙な言葉が聞こえたような・・・。
「いえ、なんでもないです!じゃあいまからきてください!」
妙に慌てる道重さんに、深くは追求できなかった。
789 :
てと
:2004/09/20(月) 21:17
パチン、パチン、パチン・・・
僕はよっすぃ〜と今度のオフの話をしていた。
「暇?」
「うん俺は暇。よっすぃ〜も暇なん?」
「暇暇暇すぎ。へこむくらいに暇。」
「アハハ、じゃあどっか行く?」
「サッカー見に行こうぜ〜。」
「おおいつ以来だろ。」
パチンッ
「痛!!」
『へ?』
横に目をやると愛ちゃんが痛そうに手を抑えていた。
どうやら深爪したようだ。
「愛ちゃん大丈夫?」
「は、はい・・・・。」
楽屋の端から亀井さんが「むぅ・・テクニシャンだ。」という声が聞こえたけど、
よく意味が分からなかった。
790 :
名無し娘。
:2004/09/21(火) 05:32
裏山氏杉!!!
791 :
てと
:2004/09/21(火) 22:49
固い筋肉を揉み解し、柔らかくする。
時には強く、時には優しく叩き、時には全体を揉む。
「あ〜・・・・。気持ちええわ。」
僕は中澤さんの肩回りをマッサージしていた。
自分と比べて硬いのは多分気のせいじゃないんだろう。
「中澤さん。」
「なんや?」
「こうやってると。」
「ん?」
「おばあさんと孫みたい。」
「なんやと!!」
突然立ち上がった中澤さんはその弾みで腰を痛そうに抑えた。
792 :
名無し娘。
:2004/09/22(水) 12:04
いつもおもしろいよ
793 :
てと
:2004/09/22(水) 20:54
「ねぇみんな!」
「嘘!やっちゃった〜!」
「お〜い。」
「うん・・・、マジで?!」
「ね〜え〜。」
「キャハハ!ないってそれはないって!!」
「・・・・・。」
「あ、この店美味しいの。」
「聞いてよ!!」
『・・・・いたの?』
「・・・グスン。」
「いやだって梨華ちゃんそうやって呼び止めたときって
大体たいしたことないんだよね。」
「ひどぉい!ひどいよよっすぃ〜!ていうかみんな!だから聞いて。」
ここまでやったのだからよほど大切なことなのだろう。
全員黙って石川さんの言葉を待つ。
少しためて、石川さんは口を開いた。
「美勇で」
「でさぁ〜。」
「ちょっとぉ!!!」
石川さんが本題に入るまでこの後3回ほど同じ様な事が反復される。
794 :
てと
:2004/09/22(水) 20:54
ようやく石川さんが最後まで言う事が出来た。その一言は、
「美勇伝買ってくれた?」
「・・・でぇ、さっきの話の続きだけどオレオレ詐欺が」
「ちょっとミキティ!さっきそんな話してなかったよ!!」
「え〜?梨華ちゃんキショい。んで〜。」
藤本さんはいつもに増して言動に破壊力があるのは多分気のせいじゃない。
それでも石川さんは無神経に質問を続ける。
しょうがないから僕はごまかしに入った。
「ねぇってばぁ!!」
「まあよかったよね、曲がまともで。」
「ありがと!」
極端だなぁ。すぐに嬉しそうな顔をする石川さん。
「つんくさんもたまにはやるね。」
795 :
てと
:2004/09/22(水) 20:55
ピクッ
「え?」
「(このばか!!!)」
ここで僕は耳打ちで衝撃の事実を知らされた。
あぁ、そうなんだ・・・。聞いたような気がするけど忘れてた。
時既に遅し。
石川さんは泣きそうな顔で僕の肩をぽかぽかと叩きだした。
「ごめん、ごめん。」
「心がこもってないよぉ〜!!」
石川さんの機嫌を直すのに半日かかった。
796 :
名無し娘。
:2004/09/23(木) 10:23
おもしろい !! 気楽に頑張ってね。
797 :
名無し娘。
:2004/09/23(木) 12:22
まあカップリングはそうだし
798 :
てと
:2004/09/24(金) 19:13
僕はスタジオをうろついていた。ある人を探して。
その人物を見つけると僕は早速話しかけた。
「ごっち〜ん。」
「なに〜?」
何か期待するような眼でこっちを向く。そりゃそうかもね。
「いやいやこのたびは。」
「どうも〜。」
「B’zの稲葉さんが40歳の誕生日を迎えまして。」
「そうですね〜ってそっち?!」
予想外の不意打ちに飛び跳ねて驚くごっちん。
僕は思わずそれを見て笑うと、
「嘘嘘冗談。はいプレゼント。」
「ありがと〜。」
僕に渡されたシルバーアクセを早速首にかけたごっちんはふにゃっと笑うと
次なるプレゼントを求めて歩き出した。
799 :
てと
:2004/09/25(土) 21:27
どうしても答えに迷って、躓いて、困って・・・。
ある事に悩んで一人、フジテレビ控室付近のビニール椅子に座っていると、
僕の前に立ち止まった人がいた。
顔をあげる。そこには優しい笑顔をした、安倍さんが立っていた。
「安倍さん・・・・。」
「どうしたべ?そんな顔して。なんかあるなら言ってみなさい。」
その声を聞いてなんだかほっとした僕は、その悩みを安倍さんに、小声で囁いた。
それを聞いた時の安倍さんの顔は、僕にとって生涯忘れられないものとなった。
一瞬ハッとして、でも慌ててやさしい表情を「造って」。
「う〜ん難しい問題だべ〜。安倍さん困っちゃいました!」
「本当に本気で悩んでるんですよ。」
「分かってます、なっちも悩んだもん。」
「・・・・本当ですか?」
その一言はあまりにも僕にとって意外で、思わず安倍さんの顔を見た。
でもその表情は相変わらず優しく造られたままで、真意を覗くことは許されない。
「悩んで悩んで悩みぬいた結果、答えは出るもんっしょ。」
誰にでも言えそうだけど、すごく暖かい一言。
今の僕に一番必要な答えだった。
「・・・そうですね、時間を考えて自分で考えてみます。」
800 :
名無し娘。
:2004/09/26(日) 02:57
まさか…
卒
801 :
てと
:2004/09/26(日) 21:28
「二人ゴトならぬ二人乗りだな。」
「くだらないのれす。」
「くだらなくて結構れす。」
コンビニに向けて自転車を走らせた途中、辻ちゃんに捕まった。
どうやら辻さんもコンビニに行きたかったらしく、二人乗りで
コンビニまで行く事になった。因みに自転車は局の駐車場の
隅の方に頼んで置かせてもらっているもの。
コンビニに到着して色々買い込み、そのためにつけているカゴに
どんどん入れていく。カゴいっぱいに詰め込まれた袋の中から
辻ちゃんはスナック菓子の袋を取り出すと、後ろに座った。
「交代しない?」
「こーいうのは男の人の仕事なのれす。」
「・・・はーい。」
自転車をゆっくりと走らせて駐車場につき、辻ちゃんに袋を渡して
自転車を降りると、パラパラと音がした。下を向くと、
スナック菓子の食べかすがたくさん落ちていた。
思わず辻ちゃんの顔を見る。
見られた辻ちゃんはてへっと笑うと、走っていってしまった。
802 :
てと
:2004/09/27(月) 21:27
「二人ノリ再び・・・。」
「え?なんやそれ。」
「いやなんでもないよ。」
コンビニに向けて自転車を走らせた途中、今日は加護ちゃんに捕まった。
二人でコンビニに行くのは別にいい。ただ、一点だけきつい事があった。
「いつの間に逆転したんだろうな〜。」
「え?なんか言うた?」
「いやなんでもないよ。」
まあ辻ちゃんもピーク過ぎたら縮小したから、そのうち、多分きっと。
803 :
てと
:2004/09/28(火) 21:45
お昼休みに入り、外に食べに行きたい人は外へと繰り出す時間。
バン!!!
けたたましい音を立て、楽屋のドアが開かれた。
中にいた全員、びっくりしてそっちに視線をやる。
田中さんがかなり焦った表情で、そこに立っていた。田中さんはキョロキョロ
辺りを見回した後、
ぐいっ
「一番近いっちゃ」というだけで僕を引っ張って楽屋の外を出た。
されるがままの僕。
「ちょ、どうしたの?」
「絵里とさゆが喧嘩しとるとです!」
「え?!」
「理由は全然分からないんですけど、とにかく来て下さい!」
804 :
てと
:2004/09/28(火) 21:45
僕達が現場に到着すると、すぐによく分からない”気”を感じた。
亀井さんと道重さんがすごく怖い顔でお互いを見やっている。
「絶対にひけないの。」
「こっちだって。」
二人の間にメラメラ燃える火が見えた気がした。
とりあえず事情を聞こうと近づくと、
「今日は味噌!!」
「しょうゆなの!」
「・・・・は?」
拍子抜けしてしまった。なんだそんなことか。安心してその場を去ろうとすると、
さっきとは別の場所に新しい”気”を感じる。恐る恐るそれを見ると、
「とんこつに決まってるっちゃーー!!!」
お昼休み中口論はやまず、結局この日は3人ともロケ弁を分けてもらっていた。
805 :
てと
:2004/09/29(水) 23:36
「今度は何ですか。」
「漢検。」
結構前に英検の問題集を持ってきてみんなで玉砕した後、
今度は漢検を取得したと自慢され再び問題集を買ってみた。
「・・・知らない方がいい世界ですね。」
小川さんはそう言って少しだけだらしなく笑う。
ここで本に気づいた愛ちゃんが近づいてくる。
それに気づいた5期の残り二人もすぐに集まった。
どうやらゴングは鳴ったらしい。
806 :
てと
:2004/09/29(水) 23:36
コロコロコロコロ・・・・
鉛筆が転がる音が聞こえる。この前は1つだったけど、今度は4つ。
全員最初っから諦めてるでしょ?
「やったー!!」
「あ〜惜しい〜!」
「おおまことすごーい!」
「2連続正解!」
「あのさ。」
対照的なリアクションをする4人に僕は冷めた口調で言った。
「選択肢以外もやろうよ?」
コロコロコロコロコロ・・・
僕の意見は見事に流され、しばらく数字の書かれた鉛筆がそこらじゅうを転がっていた。
807 :
名無し娘。
:2004/09/30(木) 01:00
確か5期には漢検2級の人がいたような
808 :
名無し娘。
:2004/09/30(木) 01:35
川o・-・)<…3級です……
809 :
名無し娘。
:2004/09/30(木) 08:33
>>807
オレオレ
810 :
てと
:2004/09/30(木) 21:32
今日の仕事が始まるまでの、ほんのささやかな談笑の時間。
僕はよっすぃ〜と石川さんと3人でバカな事を色々話していた。
「あはは!お前バカだろ!」
バシッ
「いてー!よっすぃ〜叩きすぎだから!」
「やっちゃえー!」
思えば加入当初、この円の中には後二人いたような気がする。
別に常にじゃないけど、固まって一緒に話すことがあった。
「マジで?!」
「梨華ちゃん無理するな。」
「嘘じゃないもん!」
最近じゃこの組み合わせも少し珍しくなってきて。
よっすぃ〜はしょっちゅう他の楽屋に遊びに行くし、
石川さんも昔ほどよっすぃ〜にべったりじゃなくなった。
でも最近少しだけ、前のような仲の良さが戻った気がする。
「ほらやったうそじゃん!」
「なんで〜?!」
「梨華ちゃん寒い。」
まるでそれは何かのカウントダウンのように。
永遠にそのときを保ったまま時を止めてしまうのは不可能だ。
こうなるのは自然な事なのかもしれない。
だからこの時間を、僕達は大切に胸に刻み付けていく。
「そろそろ行くよー。」
『はーい。』
大切に、大切に。
811 :
名無し娘。
:2004/10/01(金) 01:03
・゚・(ノД`)・゚・
812 :
名無し娘。
:2004/10/01(金) 06:22
てとに初めて泣かされたんで不貞寝します ・゜・(ノД`)・゜・
813 :
てと
:2004/10/01(金) 23:32
ガチャッ。
「ちーす。」
暇だったからごっちんの楽屋にお邪魔してみた。
中に入るとごっちんはちょうどここからは反対方向を向いていて、
椅子に座っていた。
近づいていくとどうやらその手には本が握られているようだ。
「おお、読書の秋?」
反応はない。よほど本に集中してるのかな?
更に近づいて、横の床に腰を下ろす。
なんの本を読んでいるのか覗き込むと、
「・・・。」
立ち上がると、ドアの方向へと歩き出す。
どうやらお邪魔をしてはいけないらしい。
「昼寝の秋・・・か。らしいな。」
814 :
てと
:2004/10/03(日) 22:26
「お・・・・・重い。」
「あ、これもお願いします♪」
亀井さんと一緒に買い物、基、荷物運び。
男という理由でよく色んなメンバーから誘われ、その度に荷物を持たされている。
飯田さんが言うにはメンバーと親交を深めるいい機会らしい。
加入当初、まだか細い僕をよく連れ回したのはもう忘れた。
「あ、これ可愛くないですか?」
「え?ああ、可愛いじゃん。」
「あ、でもこれもいいな〜・・・。」
亀井さんはバックを二つ、持ち上げてあれこれ考え出した。
どっちを買うのか決めかねているらしい。
「じゃあ〜・・・先輩決めてくださいっ!」
「え?!」
「どっちの方が可愛いですか?」
これもよくあるパターンで、こうなった時は必ずお決まりの台詞がある。
「どっちを選んでも、持つ本人が可愛いから大丈夫だよ。」
「それ・・・本気にしますよ?」
「え」
「嘘です♪じゃあこっちで。」
・・・また遊ばれた。威厳ないなぁ、僕。
亀井さんはニコニコしながらレジの方へと消えていき、帰って来たときには
袋を何故か3つも持ってきた。
815 :
てと
:2004/10/04(月) 18:39
『よっすぃと××』
吉澤:やけにうれしそうじゃない?
××:だってさ〜ずっと出してもらえなかったんだよ?
吉澤:ああそうだね。一人でしか出てなかったよね確か。
××:なんでもあんまし仲いいと誤解されるからってストップかかっちゃってさ。
吉澤:え〜それはない!誤解とか絶対しないから!
××:だよね?でもみんな出てるのに俺だけ出ないなんて凹むし。
吉澤:あはは、凹む凹む。
××:もう誰でもいいから出させてください!って頼みまくったら
『じゃあ吉澤ならボーイッシュで売っているから大丈夫だ。』
ってなって
吉澤:え、あたしの理由ってそんなんなの?
××:・・・・・いやいやいやいや!
吉澤:うわ〜、なんだよそれ〜。
××:まあさっきのは冗談だから。
吉澤:それっぽく聞こえないし。
××:見逃して。
吉澤:あとでジュースね
××:はーい。
816 :
名無し娘。
:2004/10/04(月) 21:35
いいねこれ。うまいね
817 :
てと
:2004/10/05(火) 17:26
吉澤:でもさぁ
××:うん?
吉澤:初め入ってこられた時は意味わかんなかったよ。
××:あはは。そうだろうな〜。いきなり男だもんな〜。
吉澤:うちら娘。っすよ?なんで息子だよ!いきなり連れて来たし
××:あはは、オーディションなかったもんね。
吉澤:ね!妹のバックでコーラスとかやっちゃってさあんた。
『あ、妹よりこっちのが可愛いやん』なんて言ったんだよつんくさん!
××:ちょっと!見てるからそれ言っちゃだめ!
吉澤:でもいくら可愛いからって男は入れないだろ〜!みんな戸惑ったんだよ?
××:ごめん。
吉澤:いや、顔が笑ってるから。
××:うっ。
吉澤:最初男の子入ってくるからってみんな見栄張っちゃってさ。
掃除し出したりして。
××:そういえば初日だけ楽屋きれいだったような。
吉澤:だけは要らないから。
××:ごめん。
吉澤:また笑ってる。
××:ぶっ。
818 :
てと
:2004/10/06(水) 20:41
××:でもこっちだって大変だったんだよ?
吉澤:うん。
××:好きだったモーニング娘。っていうグループの一員になってさ
吉澤:うん。
××:男なのに。
吉澤:うん。
××:楽屋入ったら憧れてた人とかが普通な顔しているんだよ?
吉澤:まあ、そうだねー。
××:よっすぃ〜なんかかなり顔作ってたけど。
吉澤:えぇ?!そんなことないって!
××:いやあるって!すげーすましてたもん!
吉澤:まあそりゃ男の子が入ってくるからすましたりするよ。
××:そうなのかな?でさ、どこ見てもどこ見ても誰かしらいるし、
なんか緊張しちゃうし。こっちが意味分かんない!みたいな。
吉澤:じゃあなんで入ったんだよ。
××:それ言われちゃおしまいでっせダンナ。
819 :
てと
:2004/10/07(木) 20:57
吉澤:最初大変だったよね。
××:うん。みんなにも沢山迷惑かけた。
吉澤:ソロパートとか最初ゼロだっけ?
××:だってファンの人と一緒に叫ぶわけにもいかないし。
吉澤:あはは、そりゃそうだ。
××:じゃんけんぴょーん!
吉澤:キモいから。
××:ごめん。
吉澤:ダンスもひどかったよね、マジこいつ才能ねぇって思った。
××:まあ今もひどいけどね。
吉澤:自分で言わない。
××:はい。
吉澤:歌ももっぱらコーラスだったよね。
××:うん、それで入ったよーなもんだし。
でも無理やり俺のソロを入れるのもどうなのかな、って悩んだ時もあったよ。
吉澤:悩んだといえば身長!
××:お互い様。
吉澤:まあね。あんたちっちゃかったな〜。可愛かった。
××:でっかくなったら卒業だとか言われて毎晩眠れぬ夜を過ごしましたよ。
吉澤:あはは、かわいいー。
××:うるさいな〜。
820 :
てと
:2004/10/08(金) 17:18
吉澤:これから大変だよね。
××:よっすぃ〜サブリーダーだもんな。
吉澤:ないようなもんだし。
××:副キャプテン。
吉澤:部活みたい。
××:俺達ある意味部活みたいなもんだからな
吉澤:だよね〜。
さくらおとめがクラス、新メンバーが新入生、
美貴ちゃんは転校生、あんたは忍び込んできた他校の生徒
××:なんか俺だけひどいな。でもうまい。
吉澤:あたしと矢口さんは留年生(笑
××:すみませんここまずそうなんでカットを
スタッフ:(笑)
吉澤:こんなに二人で話したのはじめてかもね。
××:そうだね。こんな長時間は二人で話さない。
吉澤:二人きりでどっか行くのだって稀だもん。
××:てかあったっけ?
吉澤:・・・・・ないかも。
××:あはは、まあ今度またどっか食べに行こうよ。
吉澤:ここ来る?
××:ここかい!
二人ゴト。『よっすぃと××』終わり
821 :
名無し娘。
:2004/10/09(土) 12:08
二人ゴト面白かったよ
メンバー情報のリークとか、いくらでも話を続けられそう
822 :
てと
:2004/10/09(土) 18:28
楽屋の前で二人ほど騒いでいる人がいた。
矢口さんと保田さんが色々話している。とりあえず、そのせいで通りにくい。
「う〜ん、それもなんか違うよ〜。」
「そうかな〜。じゃあ矢口もなんか意見出してよ。」
なんの話をしているのだろう。耳を傾けると、矢口さんが手を叩いて、
「スポーツの秋!」
「よし!」
二人がそんな意見で合致するとは思わなかった。
なんだか二人とも笑いながら楽屋に入った。多分ボールを取りに入ったのだろう。
なんとなく入りにくかったから、二人が出てくるまで待った。
でも暫く待っても出てこないから、しょうがなく僕はドアを開けた。
ガチャッ
『わ!!』
「うわ!!!」
いきなり驚かされて僕は後ろにこけてしまった。それを見てゲラゲラ笑う二人。
「ドッキリの秋〜♪」
「そ・・・。」
『そ?』
「そんな秋あるかー!!!」
「マジギレの秋〜♪」
そのあとの追いかけっこで、次の日保田さんだけ筋肉痛になったという。
823 :
てと
:2004/10/10(日) 20:50
「あ〜〜!!このために生きてるっちゅうか〜♪」
「もっと飲むべぇぇ〜!」
「わらしらってりーらーたいへんらったのよ〜!」
「あの〜・・・皆さん。」
なんていうか、置いていかないでください。
中澤さんと安倍さんと飯田さんのいわゆるオリメンの人達と帰り道
たまたま会って無理やり引っ張られて2時間。
まさかこんなに豹変されるとは思いもしなかった。
しかも僕は一応まだ未成年だから公共の場でお酒を飲むわけにもいかない。
トランスした3人に酒を飲まされかけては止め、飲まされかけては止め、
その繰り返しのループ。
「ほらほら〜たまにははめを外すもんだべ〜♪」
「いや、まずいです。」
「ええねんええねん心配せんで。」
「え?」
中澤さんの言う事がいまいち分からず、聞き返す。
でもすぐに聞き返した事を後悔した。
「どーせお前の年齢がいくつとか、知っとる一般人なんかおらんもん。」
その日の夜、分かっていながら枕を少し塗らしそうになった。
_| ̄|○
824 :
てと
:2004/10/11(月) 18:57
「あれ?ない!」
いきなり大声を上げたのは紺野さん。すごい形相で楽屋内をうろついている。
その体から発せられる殺気で誰も近寄れない。
まずいな、と感じた僕は勇気をもって話しかけた。
「ど・・どうしたの?」
「ケーキが無いんです!机の置いておいたのに!」
そりゃ、この部室でケーキなんか置きっぱなしにしてたら・・ねぇ?
紺野さんは少し黙り込んだ後、思いついたような表情で辺りを見回し、
「まこっちゃん、口にクリームついてる。」
「え?!そんなはずは」
「犯人!」
「あ!!」
紺野さん上手いな・・・。
でも小川さんも簡単に引っかかりすぎ。
825 :
てと
:2004/10/12(火) 21:17
「ホットマンいいよね〜。」
「ああ面白いですよね〜。」
矢口さんとドラマ談義。
各クール最初になるとみんなでこれがどーだとか色々話したりしている。
メンバーやハロプロの誰かが出たりすればとりあえず1話から見て色々話す。
「主題歌またEXILEですよね。」
「そーそー。Together良かった〜。」
「あれはいい曲ですよね。」
「よーし、おいらもEXILEみたいなユニットを新しく作るかー!」
「え?!」
「ダンスと歌の融合ってーかな?今ユニットないしー。」
「え、でもZY」
「何か言った?」
「いえ、何も言ってません。すみませんでした。」
826 :
てと
:2004/10/13(水) 18:30
ぴたっ。
さっきまで勢いよく走っていた鉛筆の音が消える。
そして間もなくして唸るような声が楽屋中を駆け巡る。
「どうしたの?」
たまらずに聞くと、道重さんは首をかしげて、
「ここなんですけど〜、分かりますか?」
「えっと・・・。」
道重さんが指差したのは数学の問題集の1ページ。
少し寒気がした。どうやら二次方程式のようで、記憶を必死に手繰り寄せる。
「えーーー、・・・ごめんわかんない。」
「えーーー!」
「どうしたんれすか?」
遊びに来てた辻ちゃんが覗き込んでくる。あの、無駄だと思うんだけど・・・。
「ああこれはここをこーして・・・・こうなのれす。」
『・・・・合ってる』
「じゃあね〜。」
帰っていく辻ちゃんの背中には「奇跡」の二文字が浮かんで見えた。
827 :
名無し娘。
:2004/10/14(木) 17:14
さすがののさん。数学は得意なんだよな
828 :
てと
:2004/10/14(木) 21:13
今日のスタジオ入りはかなり早朝で、そのせいで外も結構寒かった。
僕はそれなりに厚着をして家を出た。
電車を降りてスタジオまで歩く。その途中で愛ちゃんと会った。
「愛ちゃんおはよう・・・どうしたの?」
「極寒ですわ〜・・・。」
体をぶるぶると震わせて、でもこれと言った厚着をしていないためかなり寒そう。
でもそのリアクションは少しオーバーに感じられた。
「大袈裟だよ。」
「軽く暖房つけて寝たつもりが冷房で切りタイマー押し忘れました・・・。」
もう暖房って・・・。なんてことはどうでもよかった。
あまりに寒そうな顔をしている愛ちゃんを見殺しにするほど僕はひどい先輩じゃない。
着ていたコートを脱ぐと、愛ちゃんの肩にかけた。
「え、いや、いいですよ!!」
「俺そんな寒くな・・ハクシュンッ。」
「あはは、ほら〜。」
「ははは。」
なんだか笑っているうちに体がぽかぽかと暖まって、なんとかスタジオにたどり着けた。
829 :
てと
:2004/10/15(金) 22:58
疲れたとき、僕はいつも深呼吸をするようにしている。
深く息を吸って吐くと、なんとなくストレスが抜けていくような感覚がして気持ちがいい。
しかしこの日は、
「な〜にため息ついてんだべ?」
「え?」
「この曲聴いたらそんな気はなくなりますっ!」
「え?え?」
「まあとりあえず聞いてよ。」
後浦なつみの襲撃。その片手にはヘッドフォン。
無理やり僕の頭に押し付け、流す。
「ちょっ、やめ、別にため息じゃなく・・・・て。」
やっぱり改めて聞くとインパクトがある。3人の表情を見て、
「あ、そのなんかすみませんでした。」
830 :
てと
:2004/10/16(土) 20:17
すー、すー、と鉛筆で何かを描いているような音が聞こえてきた。
滑らかなその音の主を探ると、一人の画伯が目に入った。
「亀井さん。」
「はい。」
「絵描いてるの?」
「はい!」
話しながら、こっちと度々目を合わせつつも大体は紙を見ていた。
何を描いているのだろう。気になって覗き込もうとしたけど、
「・・・何?」
「これは絵里にだけ分かればいいんです!」
何故か笑顔で答える亀井さん。そのまま作業に戻った。
やっぱりちらちらと視線を感じたけど、気のせいかもしれない。
831 :
てと
:2004/10/17(日) 21:33
夕ご飯、小川さんと紺野さんは今日もガツガツと食べていく。
その量は他のみんなと比べて明らかに多くて、
僕よりも多いくらいだ。
「食べるねぇ。」
「源ですから!」
紺野さんはそう答えた。
「動力源です!」
小川さんはそう答えた。
「ガソリン入れすぎで膨張。」
「藤本さんそのツッコミえぐい!」
832 :
てと
:2004/10/18(月) 21:13
寒い風が道を吹き抜けてゆく。体の震えを感じた。
「寒ぅ〜・・・。」
手を擦り合わせてどうにか暖めようとするも、全然暖かくなる気配がない。
風は止まない。
身を震わせながらも手を擦り続ける僕を見て、安倍さんはしょうがないな、と笑顔を浮かべると、
「ちょっとあげるべ。」
安倍さんは僕に飲みかけのコーヒーを差し出した。
「え、いいんですか?」
「そんな寒がってる後輩を放っておけないっしょ。」
「じゃあありがたくいただきまーす。」
缶コーヒーを手に持つとそれだけで充分暖かかった。
安倍さんの優しさとぬくもりも詰まっている気がして嬉しかったけど、
「あ、でも間接キ」
サッ。
「あ!!」
「はいもう時間は終わりだべー。」
「まだ飲んでません!」
「ゴクゴクゴクゴク・・・・・ぷはー。」
「あー!!!」
一気飲みした安倍さんは少しだけむせると、少しだけ赤みの帯びた頬を隠すように
マフラーを巻き直した。
833 :
てと
:2004/10/19(火) 18:50
「(『CAROLS』だよきっと)」
よっすぃ〜が聞こえないくらいの声で囁く。
僕は首を傾げると答えた。
「(え〜、『Swallowtail butterfly』っぽいっすよ。)」
「(なんだっけそれ)」
「(愛の唄。YEN TOWN BUND。charaさんが歌ってた)」
「(あーあれか。)」
僕らが議論しているのは、石川さんが今MDを聴きながら歌ってる鼻歌。
普通に考えて最近の『CAROLS』が有力だけど、どうだろう。音が安定してなくて、
どっちとも近いし遠い。
「(あれ、転調した)」
「(こんな展開じゃないよね?)」
混乱してると、石川さんがいきなりこっちを向いた。
「浪漫!!」
『え?!』
ありえねぇ、僕もよっすぃ〜も固まったまましばらく動けなかった。
834 :
てと
:2004/10/20(水) 21:36
久しぶりのこの味、この感触。でも今は味わっている暇がない。
ただひたすら掻き込む、それだけ。
横のチャンピオンは圧倒的なスピードの持ち主だ。想像を絶する速さで、
あっと言う間に体の中へと消していく。
彼女の胃袋は宇宙なんだろうか。
考える暇があったら食べろ、脳が体に命令して、僕はまたスピードを上げた。
でもチャンピオンは強かった。
僕が残りあとわずかのというところで箸をおくと、爪楊枝を器用に使って
歯を掃除していた。
「はい、390円。さっさと出すのれす。」
「はい・・・。」
僕は辻ちゃんに指定された額のお金を渡すと、二人で松屋をあとにした。
835 :
名無し娘。
:2004/10/20(水) 22:20
辻ちゃんの口調があれだが……ワロタ
836 :
てと
:2004/10/21(木) 21:51
保田さんが鏡の前で色んな表情を造っている。
「お化け屋敷でも始めたんですか?」
「違うわよ!失礼ね!演技力向上のためにいろんな顔してんの。」
「へぇ〜。」
色々やってんだなぁ、と感心していると、
「やってみる?」
「じゃあせっかくなんで。」
メイク室、たくさん並ぶ鏡の前に座る。喜怒哀楽を順に表現するように、
色々な顔を・・。
「ぷっ。」
「笑わないでくださいよ。」
意外と難しいもんだ、特に喜と楽なんかあまり瞬間的には作りにくい。
台本があって、その流れに沿って感情移入はできてもこういうのはきついかもしれない。
メイク室にメンバーの一人が入ってきた。僕の横に座ると、鏡に映る僕を見た。
少し考えるようなそぶりを見せると、横で思い切り顔を潰した。
「ぶっ!」
「勝ったー!ってあれ?」
「石川!あんたなんなのよ!」
「なによなんなのよ!、ってじゃなくって、福笑いじゃないんですかぁ?」
『違うから!』
僕らは思わず石川さんを『怒』のトレーニング材料にした。
不覚にも石川さんに笑わされたからでは決してない。
837 :
てと
:2004/10/22(金) 21:39
仕事が終わりいざ帰ろう、という時に愛ちゃんに声をかけられた。
帰りの電車も途中まで同じだから一緒に帰ろうということなのだろう。
でも愛ちゃんの様子はいつもと違っていた。
「あの、その〜・・・。」
「?」
何か言おうとしているんだけど、言えない。そんな感じがすごく伝わってきた。
電車の中でもいつまでもそんな様子で、もじもじしていたから、
「どうかしたの?」
「え?!あの〜、ちょっと〜、・・・・すごく言いにくいんですけど。」
「何?言ってみてよ。」
「う〜んと・・・・これ見て何か気づきません?」
高橋さんは足の間に置いてあった鞄をドンと膝の上に乗せた。かなり大きい。
僕の勘が悪いのか、それが意味するものが分からなかった。
838 :
てと
:2004/10/22(金) 21:39
「先日の、台風23号で・・・上の部屋の人が窓開けっ放しでどっか旅行行ってたみたいで
部屋に水が大量に入り込んでうちの部屋の天上から水がいっぱい垂れてきて
復旧作業中で住めないんで泊めてください! 」
一度口が動き出すと早い。僕は高橋さんの言葉を全て理解するのに少しだけ時間がかかった。
「・・・・うちに?」
「はい。だって一人暮らしなのに部屋多いじゃないですか。」
「まあ・・そうだけどさ。」
他のメンバーと比べて僕の部屋は大きい。人一人寝るための場所は充分すぎるほどあるけど・・・。
「ホテルは?」
「お父さんとお母さんはホテルです。ただし福井の」
「いやそうじゃなくて・・・」
「長くなるとお金たくさんかかるやないですか。」
「・・・分かった。いいよ。おいで」
「やったー!」
なんか何言っても無駄そうな気がした。色々と問題があると思うけど・・・。
まあ数日間だけだし、ね?
839 :
名無し娘。
:2004/10/22(金) 23:38
友達のとこに泊まりなさい
840 :
名無し娘。
:2004/10/22(金) 23:46
つづけ!
841 :
てと
:2004/10/23(土) 18:39
「か、帰ろうか。」
「はいっ!」
慣れない。当たり前だけど慣れない。
昨晩はベッドを明け渡して僕は隣の部屋に布団を敷いて寝たけどどうも落ち着かなかった。
普段寝ない所で、ってのもあるし、久しぶりに・・・ってのもある。
仕事に行きやすい距離、充分なスペース、僕の家は確かに止まるにはもってこいなんだろうけど、
色々問題があるような気がする。
帰り道、すぐに背後に気配を感じた。後ろを振り返るとそこにいたのは他の5期メン。
「なんでいるの?」
「愛ちゃんが広いって言ったから。」
「あ・・・そう。」
それは否定しない。確かに広めだ。
842 :
てと
:2004/10/23(土) 18:39
「一人暮らしなのに部屋多いですよね〜。」
口を開けてぽかんとする小川さん。キョロキョロ部屋中を舐める様に見ては
移動を繰り返している。
「2LDK・・・確かに多いですね。」
「愛ちゃんは先輩の部屋使ってるんですか〜。」
「片方の部屋はギターとか置いてあるんだよ。」
僕の説明に3人は興奮して、今の僕の寝どこへ。
『おお!』
自分で買ったもの、頂き物など、たくさんのギターを前に3人は目を丸くした。
「これが初めて買ったやつ、これが始めての給料で買ったやつ、
これがつんくさんにもらったやつ・・・・・。」
「なんか弾いてくださいよ!」
「え?」
843 :
てと
:2004/10/23(土) 18:39
新垣さんにいきなり不意打ちを食らった。
「何を?」
「えっと〜・・・君はぁ〜もう♪忘れたかしら〜♪」
「やだよ。」
『うわ!』
突然の地震で全員バランスを崩す。愛ちゃんはボーっとしてたのか転んでしまったみたいで、
僕は近寄ると手を差し伸べた。
「すみません・・・。」
「帰れって言ってるみたいだよ、地球が。」
『えー!』
「危ないから帰れません!」
「帰っちゃだめって言ってるんですよ!」
「ていうかいっそ泊めて下さい!」
『え?!』
結局負けてこの日は泊めることになった。愛ちゃんの服を借りたりで無理やりやりくり。
・・・俺の寝場所は?
844 :
てと
:2004/10/24(日) 17:54
オフの日の晩御飯。基本的に作ったりコンビニで済ませたり、だけど流石に
コンビニで済ますのもまずそうだ。
「何作ろうかな。」
冷蔵庫を漁っていると、部屋から出てきた愛ちゃんと目が合う。
「あ、あたしが作ります!」
「大丈夫?」
「最近練習してるんで!」
「じゃあお願いしちゃおうかな。何がどこに入ってるか分からなかったら言ってね」
「はい!」
愛ちゃんはいそいそとキッチンへと向かっていき、僕は入れ違いで外へと出る。
ついでにその時エプロンを渡す。
これぞ愛のエプ・・・寒いな。
「熱っ!」
お湯が少し触れたのか、指をくわえている。大丈夫かな・・・。
845 :
てと
:2004/10/24(日) 17:54
出された料理はこの季節に嬉しいクリームシチュー。
それにサラダが横に顔を並べていた。見た目は大丈夫。さてお味は・・・。
パクッ。
「どうですか?」
愛ちゃんは大きな目でじーっと僕の顔を見つめている。
僕はスプーンで使えない右手の代わりに左手でOKサインを作った。
「・・よかった〜。」
「意外と美味しい。」
「意外は余計ですよ。」
口の中が空になった所でコメントをすると、愛ちゃんは不満そうに顔を膨らませた。
846 :
てと
:2004/10/25(月) 20:30
「お風呂どうぞ。」
「はいっ!」
愛ちゃんに先に風呂に入ってもらい、僕は食器を片付けた。
今日まで3日、同居してるけどどうやら感づかれてはいないらしい。
小川さんと紺野さんに突っ込まれた時は焦ったけど・・・。
「♪」
風呂場のほうから気持ちのいい鼻唄が聞こえてくる。
・・・言う必要もないか。
3日目だけどまだ布団に慣れきらない。色々慣れない事が重なってあんまり
しっかりと睡眠が取れている気がしなかった。今日も寝付けそうにない。
ごそごそと布団を這い出ると、1本のアコギを拾い上げる。
眠れない夜は眠らない夢を。僕は静かに旋律を奏でた。すると、
―――ひとりぼっちで少し退屈な夜♪
壁越しに聴こえる、小さな歌声。少し驚いたけど、僕はそのまま弾き続けた。
―――私だけが淋しいの?Ah Ah♪
二人きりの静かなセッションは、夜の間ずっと響いた。
847 :
てと
:2004/10/26(火) 18:36
「あ〜美味かった。」
「ホント。」
よっすぃ〜と晩御飯をいっしょに食べた。二人ゴトでのちょっとした会話が、
まさか本当に実現するとは思わなかった。僕達はこの間収録のあったお店で
おなかいっぱい食べると、帰り道も楽しく話しながら歩いた。
「で、今度さくらの曲が」
「あ!!!」
「どしたの急に。」
さくら、と言われて僕はとんでもない事を思い出した。まずい。
「え、もしかして。」
「そのもしかして!!」
848 :
てと
:2004/10/26(火) 18:36
慌てて駆け出す。全速力で家まで。
家の前に着くと、そこには誰もいなかった。
「・・・あれ?」
鍵穴に鍵を差し込んで開ける。しかし扉は開かなかった。
「?」
もう1回。ガチャッ。確かに鍵が開く音がした。でもドアノブに手をかけた瞬間、
ガチャッ、という音が聞こえた。・・・・・。
ピンポーン♪
『はい。』
「ごめんなさい、申し訳ございませんでした。』
『・・・今開けます。』
どうやら管理人さんに妹だと偽って開けてもらったらしい。
でも何も知らずに帰ってきて誰もいなかったから愛ちゃんはかなりご立腹。
結局この日はひたすら誤り倒した。
849 :
名無し娘。
:2004/10/27(水) 01:25
誤り倒してますな。
850 :
てと
:2004/10/27(水) 18:05
愛ちゃんの家のマンションが復旧した。
報告が入ったの時にはもう夕食を作っている最中だったから、とりあえず今日までは
うちに泊まるということで話がまとまった。明日のオフに、愛ちゃんは家に帰る。
『いただきます』
家で誰かとご飯を食べるのは久しぶりだったけど、今日で終わり。
なんかまた寂しくなるな、なんて思いながら僕はカレーを口に運んでいた。
ふと愛ちゃんを見ると美味しそうにカレーを食べていてくれて、なんだか嬉しかった。
食事が終わったあと食器を洗い、一段落着いた所で僕達はソファの上でくつろいだ。
どうでもいい話なんてしながら、リラックスして。そしてある時会話が一瞬、途切れる。
愛ちゃんはまるでその沈黙を待っていたみたいに僕を見た。
「あの。」
「何?」
「先輩のベッド、どう考えても1人用やないと思うんでけども。」
遂に気づかれた。いや、遂にではないと思う。きっとずっと気になっていたけど、
敢えて言わなかったんだろう。
僕は思わず溜息を着きそうになって、なんとか飲み込んだ。冷静に、話そう。全部。
851 :
てと
:2004/10/27(水) 18:06
「昔ね。・・・住んでたんだよ、彼女と。」
「え・・。」
「今はもう別れたけどね。あのベッドはずっと、捨てられなくて。」
あのベッドだけじゃない。捨てても忘れられないのは分かっているから、元カノの
匂いがするものを僕は捨てる事ができずにいた。未だに、僕の家の中で眠っている。
愛ちゃんは少しだけ震えながら、ゆっくりとした口調で言った。
「それって・・・メンバーの誰かですか?」
「ううん、違うよ。それはない。」
その言葉を弾みに、ふと頭の中に過去の出来事がよぎる。僕はなんて弱い人間なんだろう。
回想は僕の涙腺を刺激するには、充分過ぎるものだった。
僕は顔を落すと、左手の掌で顔を覆った。
「・・・・先輩失格だな・・・・後輩の前で・・・涙なんか流しちゃって・・・。」
「そんなことないですよ。」
突然右手にぬくもりを感じた。びっくりして歪んだ視界の中右手に視線を移すと、
愛ちゃんの両手に優しく包み込まれた右手がそこにはあった。
少しの間、忘れていた感触。愛ちゃんはもう1度僕を見た。
「ごめんなさい・・・あたしは思いださせた。だから・・せめて・・・・
でも・・あたしに出来るのはこれが精一杯です。 」
「・・・・ありがとう。」
次の日早朝、朝ご飯を食べた後愛ちゃんは笑顔で出て行った。
僕は少し腫れて一重になった目を撫でながら、ゆっくりと手を振った。
852 :
名無し娘。
:2004/10/28(木) 12:00
僕のキャラが立ってきていい感じ
853 :
名無し娘。
:2004/10/28(木) 19:40
んで、結局高橋とは、やったの?やらなかったの?
854 :
てと
:2004/10/28(木) 21:37
「よかったぁ〜・・・。」
小川さんがそっと胸を撫で下ろすと、少しの雑談の後電話を切った。
一息つき、少しするとまた電話をかける。その繰り返し。
一通り電話を終えたのか、小川さんは携帯をしまうとぽかんと口を開けて畳の上に転がった。
「あ・・・・。」
「?なんですか?」
「いや、なんでもない。」
「?変なの。」
言おうと思った言葉を飲み込んだ。
何を言わなくてもみんな想っている。小川さんもそれを知っていると思ったから。
僕の顔を見て小川さんは少しボーっと考えると、口元が緩んだ。
「ありがとうございまーす。」
ほら、メンバー同士は見えないけど暖かい何かで繋がっている。
855 :
てと
:2004/10/29(金) 21:52
『続いては――』
ゲストの紹介が行われ、テンションの大して上がらないトークが繰り広げられる中、
フレームを外れた場所で僕は矢口さんと雑談をしていた。
「紺野さん頑張りましたね。」
「緊張してたけどな。よくやったよー。」
『それでは曲のほうに――』
パチパチパチ・・・・。
拍手が聞こえて、慌てて拍手をする。
「あとはファンのみんなの前で」
『矢口はどうなの?』
「え、あ、はい!」
「ぶっ。」
急に振られた矢口さんは慌ててマイクを取って、横の僕は思わず笑ってしまった。
「笑わないでよー。」
矢口さんはそう言って笑いながら、タモリさんに精一杯応対をした。
856 :
てと
:2004/10/30(土) 18:16
「こんなのどうですかぁー?」
「いやいや、先輩はこっちが似合うっちゃ。」
「こっちの方が絶対可愛いの。」
3人はそんな事を言いながら、そこら中の商品を持ってきては僕の体に重ね合わせてくる。
ホント、なんでこんなもん売ってんのかな〜?
「いやいいから、自分で選ぶよ。」
「えー、絵里が選ぶんです!」
「れいなが!」
「やっぱりこれが一番可愛いの。」
3人とも「私が私が」と競うように明日のための“ブツ”を選び続ける。
どれもこれも奇天烈なものばかりでいやになるけど、変なら変なほどウケるのも事実。
あとはいかに年甲斐性もなく変なものを選べるか、だけど・・・。
「これにする。」
『えーー!』
明日、みんなの反応はいかに。
857 :
名無し娘。
:2004/10/31(日) 12:09
ハロウィンか。
娘たちの仮装パーティー見たいなあ。
858 :
てと
:2004/10/31(日) 19:03
「よし行きましょうか。」
くじ引きでハロウィン部長となった小川さんを先頭に、怪しい服に身を包んだ軍団は
静かに楽屋を出た。ただ単に色んな格好をして仮装パーティーをするのもよかったけど、
今回は楽屋に押しかけてアメリカと同じ様なスタイルで決行することになった。
『中澤裕子様』と書かれた楽屋の前に立つ。
「行きますよ。」
小川さんの声を合図にドアを開けると、突入した。
『trick or treat!!』
部屋に飛び込むも、誰もいない。みんな呆気にとられて楽屋中を見回した。
「作戦変更!中に隠れて戻ってくるのを待ちます!」
その声を聞くと同時に、一人場違いにピンクのフリフリを着た石川さんが(本人曰くシンデレラ)
衣装ダンスを開けると、
859 :
てと
:2004/10/31(日) 19:03
「おらぁぁ!!!」
『キャーーー!!!』
飛び出してきたノーメイクで骸骨衣装の中澤さんと、吸血鬼の保田さん。
逆にドッキリをされた僕らは思わず大声を開けて逃げ出した。
一番ドアに近かった猫耳肉球の田中さんが真っ先にドアを開ける。しかし、
「わっ!!」
「あ!後藤さんそれすごく可愛いです!」
「え?!」
予想外のリアクションに戸惑う声。
真っ黒い悪魔の格好をしたごっちんがそこには立っていた。
横にいるのは顔が隠れて誰だかよく分からないけどスクリームの仮面をつけている。
そして一人遅れて現れた。
『ジェイソン!!』
一人姿が見られなかったと思ったらこんなところに。長身のジェイソン。
迫力のあまり何人か僕にしがみ付き、でもすぐにびっくりして左右に散る。
『ボブサップ!!』
もう誰が誰だか分からない。大騒ぎになった楽屋。
全員ワケも分からず喚き散していると、
ガチャッ
「あんたたち、何やってるの!!!!」
「うわぁぁぁ!!!!」
顔面にパックをつけて真っ白になっていたマネージャーが、
『第一回ハロウィン仮装大賞』となった。
860 :
てと
:2004/11/01(月) 20:49
「たな・・・か!!」
「よっ!亀井!!」
「ほっ!」
繰り広げられる激しい戦い。でも負ける気はない。よっすぃ〜は確かに強敵だけど、
負けられない。
「いい・・・だ!!」
「おっと!ダニエル!!」
決まった、そう確信した瞬間、
「ルル!!」
「ル〜?!えっと・・・えっと・・・・・あ。」
つま先の本当に先と激突したボールはよっすぃ〜の方へと飛んだ。
よっすぃ〜はそれを華麗にインサイドでさばくと、キャッチした。
「おごりね。」
「負けたー!!よーし、次のお題はサッカー選手だ!!」
「これ以上やったらおごりの本数越えるよ?」
「・・・すみません。」
861 :
てと
:2004/11/02(火) 18:38
楽屋でギターの練習をしていると、飯田さんが近づいてきた。
今楽屋は二人だけ。飯田さんは優しげな笑顔で僕に手を伸ばした。
「貸して。」
「どうぞ。」
慎重にギターを渡すと、飯田さんは肩にかけてゆっくりと弦を弾き始めた。
しばらくして口ずさみ始めたのは聞き覚えのある曲。でも英語だった。
「・・・カーペンターズですか。」
「うん、最近覚えたんだ。」
「I'm on the top of the world looking♪でしたっけ。」
「ん、そんなところ。」
軽やかかつ爽やかなストロークの飯田さんのギターは、聴いていてなんだか癒された。
500KB
続きを読む
掲示板に戻る
全部
前100
次100
最新50
名前:
E-mail
(省略可)
:
0ch BBS 2006-02-27