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さくら組とおとめ組ってどっちが最強なの?
- 1 :名無し娘。:2006/01/08(日) 15:59
- どっちよ?
- 2 :名無し娘。:2006/01/08(日) 16:13
- よし!まずはメンバー構成から振り返ろう
- 3 :名無し娘。:2006/01/08(日) 23:06
- ここの板凄いな
誰もいないな
- 4 :名無し娘。:2006/01/08(日) 23:19
- >>3
ごめん。ネタスレかと思ったんだ
- 5 :名無し娘。:2006/01/08(日) 23:54
- ていうかここ基本ネタ板だから
- 6 :名無し娘。:2006/01/09(月) 00:34
- まあネタにこだわることもないな
たださえ人稲なのだし
- 7 :名無し娘。:2006/01/10(火) 01:43
- 活気なくてほんと申し訳ない
- 8 :名無し娘。:2006/03/15(水) 00:23
- ここ借りますね。
- 9 :名無し娘。:2006/03/15(水) 00:26
- 高まる期待
- 10 :名無し娘。:2006/03/15(水) 00:37
-
楽しい楽しいお昼休み。
俺はじゃんけんには自信がある。
ついさっきもじゃんけんに勝利した。
といっても俺のじゃんけんの相手は決まっていて、美貴だけだ。
高3にもなってあんまりじゃんけんする機会もないしな。
昼休みには決まって美貴とじゃんけんをする。
その目的は昼飯のパシリ役を決めるため。
でも2週間ぐらい連続で勝ってる。
だってあいつ、最初にグーしか出さねぇんだもん。
教えてやんないけどな。
「はい、買ってきたよ。」
おつかれー。
ん?コッペパン?・・・カレーパンは・・・?
「なかった。」
いやいや、君の手に握られてるそれはカレーパンだろうが。
「違うよ。」
・・・・それ。
「違うって。」
・・・・・・・・。
「・・・アヤパン・・・。」
・・・お前いまなんて言った?
おいお前、いまなんて言った。
「うるさい!拾うな!」
くくく・・・アヤパン・・・。
ってー!!
殴んなよ・・・。
「ニヤニヤすんな、キモイ!」
- 11 :名無し娘。:2006/03/15(水) 00:38
-
コッペパンかぁ・・・なんか寂しいけど、まぁよしとするか。
・・・中からカレー出てんじゃねぇかよお前のパン・・・。
「あ、そうだアンタ。」
はいはい、なんスか美貴様。
「今日ヒマ?」
え?なにこの展開?
これってありがちな逆ナン?
「ニヤニヤすんな。ヒマなの?」
ミキティのためならいつだってヒマだよ。
「ミキティいうな。」
なぜだい?ミキティ?
ってー!!
なんだよコイツ・・・。
「とにかくヒマなんでしょ?じゃあ放課後物理室行ってね。」
何?物理室?そういうプレイ?
「アンタ殺すよ?体育委員会!」
なんで俺が?
「アンタ暇そうだし、なにしろ美貴がめんどくさい。」
ほほぉ、ずいぶん偉そうじゃねぇか。
「美貴は偉いよ。間違いなくアンタよりは。」
ったく、いいけどさ。
かわりに俺の頼みも聞いてくれよ。
・・・ちょっと美貴で遊ぶか。
「何?」
キスさせろ。
- 12 :名無し娘。:2006/03/15(水) 00:39
-
「・・・は?」
キス。
「は?」
ちゅー。
「アンタ頭おかしいんじゃないの?」
接吻。
「言い方とかどうでもいいから。」
口ではこんなこと言ってるが、とんでもないぐらい焦ってるのはわかってる。
これはおもしろくなってきたぞ。
「ちょ・・・何マジな顔になってんのよ。」
「いや、ちょっと・・・見つめんな!殴るぞ!」
「・・・ほんと、え、何?どうしたの?なんかあった?美貴でよければ相談乗るよ!」
顔真っ赤。俺の眼力ってすげぇのかな。
「・・・ちょっとぉ・・・何ぃ?」
「あ・・・バカにしてんの?美貴で遊んでるんでしょ!」
「・・・こっち見んなよぉぉ・・・」
耳まで真っ赤にして下を向きながら、チラチラこっちを見てくる美貴。
いまのうちにカレーパン奪ってやろうかとも思ったが・・・ん?
「うぅ・・・。・・・ッ!!!」
美貴の口元に手を持っていく。
美貴はとんでもないぐらいテンパりだす。
「ちょっと、何!?」
「あ・・・ダメだって・・・みんな見てるし・・・」
- 13 :名無し娘。:2006/03/15(水) 00:39
-
口にカレーパンの粉、ついてる。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
はい、とれた。
「バカアホ死ね!!!!」
いってー!!ちょ!痛い!やりすぎ!
あ、パンツ見えた。
「しねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
楽しい楽しいお昼休み。
- 14 :名無し娘。:2006/03/15(水) 00:40
- こんな感じでダラダラいきます。
>>9
早いですねっていうか早すぎです。
- 15 :名無し娘。:2006/03/15(水) 00:42
- いい! でも、それは
ttp://www.omosiro.com/~sakuraotome/live/test/read.cgi?bbs=bbs&key=1128775286&ls=50
↑
ここでもいーんじゃないっすかね?
- 16 :名無し娘。:2006/03/15(水) 00:48
- 一応前のも貼っておきますね。
ttp://www.omosiro.com/~sakuraotome/live/test/read.cgi/bbs/1107612915/544-546
ttp://www.omosiro.com/~sakuraotome/live/test/read.cgi/bbs/1107612915/550-551
>>15
みきちーだけならそこでもいいかなとも思ったんですけど、
短いのを色々書く予定なので。
- 17 :名無し娘。:2006/03/15(水) 04:18
- おぉ!来たねぇ
若干自分がSになった気分になるw
- 18 :名無し娘。:2006/03/17(金) 00:00
-
部活中のひととき。
負けた・・・。
俺の日本代表が・・・韓国に・・・。
これはもうダメかもわからんね。
「あーッ!先輩!部活中にテレビなんて見ちゃダメでしょー!」
んー亀井か。いいんだよ、俺ら野球研究会だし。
「違いますよー!映像研究部です!」
折角こんなでっかいスクリーンあるんだからいいじゃん。
それよりどうしよう亀井。俺の日本代表が負けてしまった。
「えっと、絵里は野球わかりません。」
違うんだよ亀井。わかるとかわからんとかじゃなくて、俺の日本代表が。
「もー、先輩の日本代表が負けたのはわかりましたから!」
お前に俺の悲しみが・・・。
「ほら、早くこの問題教えてくださいよー。」
あぁこれはー・・・・。
おいおい、これは部活動ですか?
「部活ですよ。」
俺ら何部だったっけ?
「あのですねー、『絵里に勉強教え部』です。」
・・・・・。
「うへへへへ。」
ブッ!何その笑い方!!
- 19 :名無し娘。:2006/03/17(金) 00:00
-
「え?え?何?なんですか?おかしい?」
おかしいよ!
ウヘヘヘヘって言ったじゃん今!!
「言ってないですって!」
言った!
「ホント絵里言ってないですから!」
はいはい、わかったわかった。
言ってない言ってない。
「でしょ?先輩ってすぐ変なこと言いますよねー。」
お前には言われたくないよ・・・。
「それで、この問題はぁ?」
はいはい。これは・・・
俺は決して頭は良くはない。
しかし2つ下の学年の問題ぐらいは・・・まぁいけるな。
しかし・・・改めて見てみると、亀井って中々かわいいよな。
中身はちょっとアレだが、黙ってりゃ学年1ぐらいじゃね?
なぁ亀井。お前彼氏とかいんの?
「えっと・・・え?何言ってるんですか先輩!ちょっと・・・気まずいじゃないですか!」
亀井はなんか挙動不審になりだした。
クク・・・かわいいな。
「!!ちょっと先輩何言ってるんですか!ホントもう無理!」
あっやべっ声に出してた。
あー・・・亀井どっか言っちゃったよ。
マジに気まずいじゃねぇかよ。
- 20 :名無し娘。:2006/03/17(金) 00:00
-
・・・どうしようか。
とりあえず・・・追いかければいいのか?
亀井が逃げていったドアの方に目をやると、そこには美貴。
「今の一年の亀井さんだよね?顔真っ赤にして走ってったけど・・・アンタ何したの?」
怖いんですけど。
いや、ちょっと・・・かわいいって言っちゃった。
思わずね・・・いや!本心ってワケじゃないんだ!いや・・・本心は本心なんだけど・・・。
「・・・キモッ。」
・・・・・・・・・・・・。
部活中のひととき。
- 21 :名無し娘。:2006/03/17(金) 06:57
- 続き物かな?wktk
- 22 :名無し娘。:2006/03/17(金) 23:05
- 他の娘さんの設定も気になるw
- 23 :名無し娘。:2006/03/30(木) 23:42
-
嵐の放課後。
放課後っていいよな。
この空気結構好きなんだよ。
休み時間とはちょっと違う騒がしさ、独特な空気。
授業が終わって部活が始まるまでのこの間。
なんだか無意味に心地良い。
マンガ明日持ってきてくれだの、このあとゲーセン行こうだの。
いやー平和だなぁ。
「よぉ、今日ヒマか?」
言ってるそばから、俺にもお声がかかる。
1年のときから仲のいい、男友達だ。
残念、俺このあと部活なんだわ。
「部活?・・・あぁ、1年の亀井ちゃんとお話したいからですか?」
・・・張り倒すぞお前。
同じ部活の1年生の亀井絵里。
彼女はえらく可愛いってんで、俺ら3年にも多少名が知れている。
「まぁそう怒んなよ。きっとお前より彼女さんの方が怒ってると思うぜ?」
彼女?いませんけど?
コイツ何言ってんの?
「あれ?藤本と付き合ってんじゃねぇの?」
藤本?藤本美貴?
「そうそう。仲良いじゃん。この前一緒に帰ってたみたいだし。みんな言ってるぜ?」
- 24 :名無し娘。:2006/03/30(木) 23:43
-
・・・まさに高校生って感じだな。
そうだよ。うらやましいだろ?
「うおっ!?マジだったの!?・・・ちょっとショック。俺、帰るわ・・・。」
くく・・・言ってみるもんだ。なかなかいいリアクションだったな・・・ククク・・・。
ってー!!
不意に後ろから後頭部を殴られる。
「美貴はいつからアンタと付き合ってるワケ?」
はは、美貴様。いらしたんですね。
怖ぇよ。
「・・・バカ。アンタ部活なんでしょ?遊んでないで早く行きなよ。」
おや、今日の美貴様はあまり怒りませんね?
機嫌がいいのかな?
「別にいつもと一緒だよ。」
ウソつけ。
そう?なんかしおらしいじゃん。
あっわかった!照れてんだ!
「はぁ?な、なんでアタシが?」
明らかに動揺してますやん。
あんまり美貴をイジると殴られるからな。
俺も馬鹿じゃないんだ、学習能力ぐらいはある。
さて、部活行ってくるわ。
「おい、なんでアタシが照れなきゃならないんだよ!こらぁ!逃げんなー!!」
- 25 :名無し娘。:2006/03/30(木) 23:43
-
部室前に着いたが・・・。
はて?暗いな。今日は部活ないのか?
「せぇんぱいっ!」
おう、亀井か。
相変わらずカワイ・・・いや、元気・・・いや、アホ。
相変わらずアホだな。
「なんですかいきなり?絵里はアホじゃないですよぉーだ。」
やめろ、甘ったれた声出すんじゃねぇ。
いや!もっと出してください!!
ところで亀井。今日部活は?
「あ、そうそう。あのー今日はですね、先生が出張なので部活はナシでーす。残念ッ。」
ありゃ、ないのか。
っていうかいっつも先生とかいなくないか?
「あのー、一応顧問の先生が校内にいないと部活はできないらしいんです。」
ふーん、そうなのか。
まぁいいや、無いっていうんなら帰るまでだな。
こんなことならアイツの誘いに乗っときゃよかったな。
「せんぱぁい。絵里、お腹すいちゃいました。ぐーぐー。」
- 26 :名無し娘。:2006/03/30(木) 23:43
-
そう言うと亀井はお腹を押さえてクネクネしだした。
・・・うぐっ・・・的確にツボを突いてくるな、こいつ・・・。
なんだよ、じゃあ帰ってご飯でも食べな。
「えー!絵里、ハンバーガーが食べたい。えり、はんばぁがぁがたべたいです。」
2回言うな。
・・・これは誘われてるんだよな。
亀井から誘ったんだ。俺じゃない。年下に手を出してるワケじゃない。
いける。いけるぞ。俺はモテる。かっこいい。いけ!いけ!!
んじゃちょっくら食いに行くか?俺でよければ。
「やったぁ!よし、じゃあ早速行きましょぉー!ハンバーガー♪ハンバーガー♪」
待てよ、これはもしや下校デートか!?
プリクラとか撮るんか!?なぁ亀井!撮るんか!!
と言ってもうちの学校からファーストフードのお店まではわずか数十メートル。
残念ながらすぐそこにあるのだ。
特に内容の無い話をしているとあっという間に着いてしまった。
これが現実だな。
「えっとですね、絵里はハンバーガーが食べれれば後はなんでもいいです。ありがとうございます。」
うん、奢りは確定なワケね。
別にいいけどさ、ハンバーガー一個くらい。
さてそれじゃあ注文・・・えぇっと・・・あれ?
レジにいるのは・・・美貴?
この話は続く。
- 27 :名無し娘。:2006/03/30(木) 23:43
- といいな。
- 28 :名無し娘。:2006/03/31(金) 00:34
- やっぱいい意味で恥ずかしいw
続け
- 29 :名無し娘。:2006/03/31(金) 00:45
- 高まる期待
- 30 :名無し娘。:2006/04/01(土) 00:09
- 何かくすぐられるわぁw
続け!
- 31 :名無し娘。:2006/04/01(土) 21:25
- そーきましたか。
因みに俺らは、授業と授業の間の「休み時間」のことを
「放課」といってたな
- 32 :名無し娘。:2006/04/01(土) 21:29
- 同郷の人ハケーンw
- 33 :名無し娘。:2006/04/03(月) 02:08
- 続きました
- 34 :名無し娘。:2006/04/03(月) 02:09
-
「いらっしゃいませぇ。本日は”後輩の女の子と”こちらでお召し上がりですかぁ?」
目が・・・笑ってないね。
「それとも”お持ち帰り”ですか?この変態。」
いきなり変態扱いかよ・・・。
いやいや美貴、ちょっと聞いてくれよ。
「申し訳ございません、お客様。後ろのお客様がお待ちですので、早く決めろ。」
・・・後ろ人並んでねぇじゃん・・・。
「・・・部活ってこれか。アンタの部活は何部だ、オイ。」
映像研究部です・・・。
いやね、部活には行ったんだよ。
でも部活やってなくてさ。
それで亀井が腹減ったって言うもんだから、先輩のいいとこ見せてやろうかと思って・・・。
「せんぱぁい。絵里のハンバーガー注文してくれましたかぁ?」
うげっ。今ほどお前が憎いことはないぞ亀井。
「あれ?先輩。この方はお知り合いの方ですか?」
やめろ亀井。美貴とコンタクトをとるな。
「あれぇ、同じ学校の1年の亀井さんだよね?あたし、コイツの彼女の藤本美貴っていいまぁす、ウフ。」
うっはーこいつなかなかキレてやがるな!!
「あっ、はじめましてぇえぇ!?先輩って彼女いたんですかぁ!?」
想像通りのいいリアクションするなぁ。
しかし藤本も・・・これはさっきイジったのが裏目に出たな。
- 35 :名無し娘。:2006/04/03(月) 02:09
-
「そうなの。もう付き合って1年ぐらい経つかしら?ね、ア・ナ・タ。」
あ、ちょっといいかも。
いや、ダメだダメだ!!
おい美貴!あんまり後輩の子からかうのはよせよ!
亀井がちょっと泣きそうになってきてるし。
「はいはい。それより早く頼んでよ。店長に睨まれるから。」
・・・お前が・・・。
んじゃハンバーガー2つとアイスコーヒーとコーラで。
あ、亀井。コーラでよかった?
「先輩!藤本さんとは付き合ってないんですね!?ハッキリしてください!」
うっ、亀井も意外とアレだなぁ。
付き合ってないよ。俺、今は彼女いないから。
「あれぇ?今日美貴に告白してなかったっけ??」
なにコイツ!
何がしたいワケ!もう僕わかんないよ!!
「・・・先輩って」
違う!違うぞ亀井!告白なんかしてないから、うん。
あ、そうだ亀井。席取っといてくれよ!込んでるしさ!
「先輩、お客さん他にあんまり」
よし、ゴー!ゴー亀井ゴー!!
- 36 :名無し娘。:2006/04/03(月) 02:10
-
・・・行ったな。
おい、美貴。いや美貴様。もう頼むよ。すいませんでした。
「はい、できたよ。360円。」
聞いてねぇのかよ。
はいよ、1000円。
「はい。お釣りは美貴ちゃんのポケットに入りましたー。」
・・・わかりましたよ。
少ないけどそれで好きなもん買ってくれ・・・。
「ありがとうございましたぁ♪」
甘ったれた声出すな。
ちくしょー散々だな今日は。
「あ、先輩こっちこっち!」
いやしかし、かわいい後輩とハンバーガー食えるんだからいいか。
と思ったが、美貴の話を誤魔化すのに必死になって、この時間を楽しむどころか逆に・・・。
レジからすっげぇ視線感じるし。
早々とファーストフード店を出て、今日は帰ることにした。
んじゃ亀井、気付けてな。
「はい!今日はありがとうございましたぁ。また今度、よろしくおねがいしますねっ。さよーならー!」
・・・はは、いい顔すんなぁ。
この笑顔が見れるんなら、ハンバーガーとそのお釣りぐらい安いもんだな。
・・・たぶん。
嵐の放課後。
- 37 :名無し娘。:2006/04/03(月) 02:34
- このシチュエーションウラヤマシス
- 38 :名無し娘。:2006/04/04(火) 20:16
- 藤亀もいいもんだな
- 39 :名無し娘。:2006/04/05(水) 05:54
- 良いテンパリ具合だ
- 40 :名無し娘。:2006/04/16(日) 02:01
- 図書室。
俺が通ってるこの学校は、なぜだか図書室が異様に広い。
しかし読書週間とか小学生のときにあったようなものもなく、
なぜこんなに広くしたのか、このありえないぐらいの本の量は一体なんなのか、謎だらけだ。
だがこの図書室は広いだけあって、設備が結構整ってる。
っていっても俺の場合はいかにくつろげるか、だけど。
空調システムは完璧だし、個室なんかもあったりする。
テスト期間中は大人気だ。
さらには雑誌なんかも置いてあったりする。
さすがに漫画はないけれど。
しかし普段はそんなに人がいるワケでもなく、この異様な広さが時には不気味に感じることすらある。
その巨大図書室に、昼休みたまーに行ったりすることがある。
普段昼休みは美貴とメシ食ってるんだが、その美貴がいないときや、
メシ食った後とかに暇することがある。そんな時は図書室。
今日がちょうどそんな感じ。
美貴が体育委員かなんかでメシ食ったらすぐ行っちまった。
この前は俺に押し付けたくせに、気まぐれなヤツだ。
さて、このだだっ広い図書室の一番右奥。そこが俺のゾーンだ。
途中まで読みかけてた昆虫図鑑を手に取りそのゾーンへ向かう。
- 41 :名無し娘。:2006/04/16(日) 02:01
-
・・・ん?
俺ゾーンの近くで、本棚の本が取れずにしかめっ面をしている女の子がいた。
「・・・とれなか。」
ポツリとそう言うと、少し周りを見渡し、考え込んでいる。
取ってあげようかな。
そう思って近づこうとすると、突然、女の子はジャンプしだした。
「にゃっ!もうちょい!うりゃっ!」
その光景があまりにも微笑ましくてずっと見ていたかったが、
だんだんその女の子が可哀相になってきたので・・・あ、パンツ見えた。
・・・可哀相になってきたので取ってあげることにした。
女の子に近づいて、かっこよく本を取ってあげ、かっこよく渡す俺。カッコイイ。
はい、どうぞ。あんまりはしゃぐと危ないよ。
「はしゃいでたんやなか!・・・ありがとうとよ。」
方言か?どこの言葉だろう。
君は・・・一年生?
「うん。もしかして先輩やろか?」
うん、まぁ一応。
「ごめんなさい!タメ口で話しちゃって!」
いやいや、構わないよ。
そんなことより、昼休みに図書室にいるなんて珍しいね。
本好きなの?
- 42 :名無し娘。:2006/04/16(日) 02:01
-
「・・・・。」
あれ、無視された・・・。
なんだこれ、泣いていいのかな?
「えっあっごめんなさい!今なんか言おった?」
ありゃ、聞いてなかったのか。
えっとね・・・
うわ、チャイム鳴っちゃった。
「あ、チャイム。すいません先輩!また今度お話してくれんね!れいな、たまにここにいるんで!」
そういうと自称れいなちゃんは走って行ってしまった。
たまに・・・か、また今度会えるといいけど。
俺は女の子に読まれることのなかった料理の本と昆虫図鑑を元に戻して教室に戻った。
- 43 :名無し娘。:2006/04/16(日) 02:02
-
図書室。
さっきの調理実習は失敗したなぁ・・・。
もうちょっと上手く行くと思ったんやけど、思ってた以上にれいなは料理ができなかみたい。
・・・これは勉強せねば。
たしかこの学校の2階に図書室あったよね。
昼休みだし、ちょっと行ってみようかな。
うわー、すっごいおっきい!
れいなの家ぐらいあるんやなか?この図書室。
えっと料理の本、料理の本。
ってゆうかこの図書室人いなかね・・・。
ちょっと不気味かも・・・。
あ、あったあった。
けど、ちょっと高いかも。
・・・とれなか。
こん図書室、脚立とかないの?
他の設備は整ってるのに、高い所の本も取れないなんて・・・。
仕方なか・・・。飛ぶっちゃ。
- 44 :名無し娘。:2006/04/16(日) 02:02
-
にゃっ!もうちょい!うりゃっ!
もうっ!とれなか!あ、パンツ見える、危なか!
すると突然れいなの目の前にその本が差し出された。
「はい、どうぞ。あんまりはしゃぐと危ないよ。」
はしゃいでたんやなか!・・・ありがとうとよ。
男の人が本を取ってくれた。
ってゆうかこん人・・・カッコイイ。
「君は・・・一年生?」
うん。もしかして先輩やろか?
「うん、まぁ一応。」
わわっ、先輩やった!
ごめんなさい!タメ口で話しちゃって!
てゆうか先輩なのかぁ・・・。
2年かな、3年かな?
綺麗な顔・・・。カッコイイ・・・。
優しいし。れいなの理想やね。
あれ、顔が歪んじゃったとよ。もしかして・・・。
えっあっごめんなさい!今なんか言おった?
あ、チャイム・・・。
そういえば次体育やった!着替えないと遅れちゃう!!
すいません先輩!また今度お話してくれんね!れいな、たまにここにいるんで!
うわー間に合うかなぁ!ってか先輩のことなんにもわかってなかやん!
はぁ・・・また会えるとよかけど。
- 45 :名無し娘。:2006/04/16(日) 02:02
-
無事体育にも間に合い、更衣室で着替えるときに、また先輩を思い出す。
思わずニヤけちゃうとよ。
「れいな、何笑ってるの?」
絵里。あんね、今日昼休みに・・・。
れいなは親友の絵里に今日の出来事を話した。
先輩に近づきたかったから、先輩の容姿とかも、細かく話した。
もしかしたら絵里が知ってるかもしれないしね。
「・・・残念、れいな。その先輩は絵里のものだよ。ウヘヘ。」
にゃっ!?どうゆうこと!?
「れいなは先輩のことなんにも知らないんだねぇ。絵里はその先輩とハンバーガー食べに行っちゃった。」
な、なんだってー!!
ちごうとる!先輩はれいなに一目惚れしたの!
先輩はれいなのものばい!
「違いますよーだ。絵里のですぅー!」
もーう!!絶対絵里には負けないからね!先輩ば必ず・・・必ずれいなのものに!!
女、田中れいな。覚悟決めたよ。待っててね、先輩。
- 46 :名無し娘。:2006/04/16(日) 02:04
- なにこの展開。
- 47 :名無し娘。:2006/04/16(日) 02:08
- パトスが溢れてるな
- 48 :名無し娘。:2006/04/16(日) 04:41
- 紺乱さんも今度AA書いてよ
- 49 :名無し娘。:2006/04/16(日) 04:50
- >>48
誤爆です;ごめんなさい;
- 50 :名無し娘。:2006/04/20(木) 23:42
- なんで昼休みに昆虫図鑑読んでんだよw
- 51 :名無し娘。:2006/04/22(土) 18:22
- 更新まだ?
- 52 :名無し娘。:2006/04/28(金) 22:53
-
夢。
はぁ・・・。
高校三年にもなると、二者面談とか進路の話とかがやたらと増える。
まぁこの後の進路ってのは、人生の中ではかなり大きな選択になるわけだから
当然といえば当然なんだが。
俺は進路の話ってのはお手の物で、”夢”も行きたい大学もバッチリ決めてある。
しかも学力にも特に問題はないとのことで、二者面談をやっても、
「このままの調子で頑張れ。」
で終わるだけ。
この日も放課後に二者面談があったんだが、
「このままの調子で頑張れ。」
で終わった。
しかし部活に行くには中途半端な時間なので、
俺の好きな放課後の校舎をブラブラしてみる。
校舎の外からは運動部・・・野球部だろうか?の声が聞こえてくる。
廊下の窓からは夕陽が差し込んで、いつもの廊下も違った風景に見える。
その廊下に1人の少女がいた。
その少女は窓から野球部たちの練習風景を眺めて・・・いや、ただ外を見ていた。
- 53 :名無し娘。:2006/04/28(金) 22:53
-
野球部頑張ってるね。
「あ、こんにちわ。」
こんにちわ。そういやあんまり話したことなかったっけ。
同じクラスなのにな。
「そうですね。」
消え入りそうな細い声。
「藤本さんといつも一緒にいるから、クラスの女子は話しかけにくいんです。」
えっ、それはどういう?
「あっいや、別に藤本さんが怖いとかじゃなくて・・・ほら、付き合ってる・・・んでしょ?」
・・・またか。
どうやら本格的に誤解されてるようだな。
しかしまぁ美貴か・・・。
「あ、あれ?どうかした?」
ごめんごめん。
そっかそんなこと思われてたのか。
美貴にも悪いことしてるな、俺。
美貴にも好きなヤツぐらいいるだろうし、
そいつに美貴と俺が付き合ってると思われると、美貴が可哀相だしな。
・・・どうしたものかね。
- 54 :名無し娘。:2006/04/28(金) 22:54
-
えっと、前にも言われたんだけどさ、誤解なんだよ。
俺ら別に付き合ってるとかじゃないから。
「えっ、あっそうなんだ・・・。それじゃもっとお話しとけばよかったね。」
そういって微笑む彼女。
・・・オレンジ色の夕陽に照らされる少女。
はは、いいもんだね。
そうだなぁ。もう卒業だもんな。
「進路。」
ん?
「あ、進路どうするの?大学?」
うん、専門的な大学だけどね。”夢”あるんだよ。俺。
「そうなんだ、素敵。」
彼女はそういって僕の目をみつめてくる。
- 55 :名無し娘。:2006/04/28(金) 22:55
-
”夢”の話をすると普通の人はどんな”夢”なのか聞いてくるが、
彼女は違った。
ただ、俺に”夢”があることについて素敵と言ってくれた彼女は、
僕と同級生とは思えない、とても大人な女性に見えた。
そんな彼女を見て、目で合図を送る。
「あ、私?私は・・・大学。私も”夢”のために。”夢”ために勉強するの。」
そっか、お互い頑張ろうな。
俺もあえて、その”夢”のことは聞かなかった。
きっと・・・いつかわかるだろう。そんな気がする。
「・・・はいっ、完璧です!」
今日一番大きな声を出して、彼女はそう答えた。
正直、なにが完璧なのかはよくわからなかったが・・・。
彼女にもそういうとこあるんだな。
- 56 :名無し娘。:2006/04/28(金) 22:55
-
俺たちはそのまま二人で帰ることにした。
帰る途中、亀井さんらしき人と自称れいなさんらしき人が一緒にいたような気もするが・・・。
気のせいということにしよう。
下校中、今まで話せなかったぶん彼女と言葉を交わしまくった。
まるで今日で卒業してしまうかのように、二人で。
学校近くの駅についたところで、彼女が反対のホームということを知る。
ってことは彼女とはここでお別れか。
「ありがとう、こんなに話せると思ってなかったから、楽しかった。」
こちらこそ。
あっ電車きそうだよ?
「はい。・・・藤本さんと仲良くしてくださいね。」
えっだから俺たちはそういう・・・。
「藤本さんならいいんです。でも、他の人なら・・・諦められないです。」
そういって彼女は向こう側のホームへ走っていった。
彼女がホームについた途端に電車が来て、そのまま彼女は帰ってしまった。
- 57 :名無し娘。:2006/04/28(金) 22:55
-
・・・紺野さん?
・・・俺は、どうするべきなのか。
彼女が最後に言った言葉は、恐らくそういう意味なんだろう。
いや、自意識過剰か・・・いやしかし・・・。
「なに難しい顔してんの?」
・・・美貴。
「うわ、顔怖いって。スマイルスマーイル。」
・・・俺の高校生活・・・まだまだ終わりそうにないな。
「そういや麻琴、留学するらしいよ。」
えっウッソ!!”あの”麻琴が!?
- 58 :名無し娘。:2006/04/28(金) 22:56
- ・・・マコすまん。
- 59 :名無し娘。:2006/04/29(土) 22:18
- ギャルゲのやりすぎじゃねーーの?wwwwwwww
萌え
- 60 :名無し娘。:2006/05/29(月) 02:04
-
本心
今日も難なく勉学を終え、部活に行く。
しかし今日は亀井はいなくて、部員わずか4名の映像研究部の部室、
まぁ視聴覚室なんだが、には俺しかいなかった。
亀井がなぜいなかったのかは気にはなったが、
今日は疲れているような気がしたのでとっとと帰ることにした。
俺の通ってる高校は校門を出るとすぐに長い下り坂がある。
野球部とかサッカー部とかはよくこの坂をダッシュさせられている。
この坂は遅刻常習犯には強敵で、
美貴はよくこれのせいでぜぇぜぇ言いながら教室に駆け込んでくることがる。
かくいう俺も遅刻しそうな時はこの坂で訓練させてもらっている。
その坂を1人で下っていると、背後に人気を感じた。
が、後ろを振り返ってみても誰もいない。
まぁこんなことはよくあることだ。
きっと幽霊か何かだろう。あはは。
しかしその幽霊は随分俺のことが好きなようで、じょじょに近づいてきている。
あんまり気になったもので、急に後ろを振り返って見る。
「にゃっ!?」
- 61 :名無し娘。:2006/05/29(月) 02:04
-
・・・れいなさん?
この前図書室で出会った自称れいなさんが電柱の影からこっちを見ていた。
れいなちゃんだったよね?何してるの?
「別になんにもしてなか!・・・いや、先輩かどうかわからんくて、話しかけづらかったから・・・。」
なるほど、それで後をつけてたワケね。
うんうん、カワイイじゃないか。
一緒に帰るか?
「よかと?」
当たり前だろ?
あ、腹減ったからコンビニ寄るか。奢るよ。
「ほんと!?やった、れな、肉まん食べたい!」
れいなちゃんはニヒヒと笑うと、電柱から飛び出し俺の横について歩き出した。
二人でコンビニに向かって歩き出す。
途中で野良犬にビクつくれいなちゃんが非常に楽しかった。
コンビニに着くと、れいなちゃんは真っ先にレジ前の肉まんコーナーに向かった。
「肉まんもよかけど、ピザまんも捨てがたいなぁ。いや、ここはやっぱり肉まんで。」
そういうと僕の顔を見て笑う。
わかった、肉まんな。
俺ピザまん食うからちょっとやるよ。
「ほんと!?先輩やさしいー!」
「ほんとやさしー」
- 62 :名無し娘。:2006/05/29(月) 02:05
-
みみみ美貴!!?
お前はどうしていっつも俺の行く先々にいるんだ!
ちくしょう!また女の子といるとこ見られたよ!!
「やさしい先輩は美貴ちゃんにも何か奢ってくれるのかな?」
「せんぱぁい。こん人誰?」
うぐ・・・とりあえずれいなちゃん!
この人は藤本美貴さんと言って俺の・・・
「彼女でーっす!ウフ」
ちくしょう!デジャブか!!
「先輩彼女いたんやろか!?」
うおおおお!美貴、お前今日暇か!!
「え?何いきなり」
暇か!!
「暇だけど・・・」
よし今日の夜お前んち行くからよろしく!
そう言い残すと俺はすばやくお会計を済ませ、
れいなちゃんと肉まんとピザまんを抱え、走り出した。
「ちょっと!オイ!!」
後ろで叫ぶ美貴を無視して、一気に走り抜ける。
「せんぱい!ちょっと!れなのパンツ!絶対見えてる!ちょっとせんぱい!」
- 63 :名無し娘。:2006/05/29(月) 02:06
-
よしこの辺でいいか。
れいなちゃんと肉まんとピザまんを降ろす。
「なん先輩!?急に走り出すからびっくりしたっちゃ。」
よし、説明するぞ。
さっきのアイツは藤本美貴っていう俺のクラスメイトだ。
彼女ではないからな。
「・・・ふーん、怪しいっちゃね。」
ま、まぁ肉まん食え!
「あ、肉まん。いただきまーす!」
ほら俺のピザまんもあるぞ。
「あ、あほれほらふ」
よし、ゆっくり食うんだぞ。
これでれいなちゃんのほうは大丈夫だな。
あとは美貴か。
勢いであとで家に行くとは言ったもののどうしたものか。
逆に話しにくくなっちまったな。
「先輩。れなバイトあるからそろそろ帰らなかといけなか。」
お、そうかそうか。
気がつくと肉まんと俺のピザまんをすべてたいらげていたれいなちゃん。
全部いっちゃいましたか・・・。
- 64 :名無し娘。:2006/05/29(月) 02:06
-
バイトのれいなちゃんを駅まで送ってあげる。
帰り道の途中でピザまんのことを聞こうとも思ったが、せこい奴と思われたくないのでやめておいた。
「先輩、今日はありがとうございました!今度お返しするんで期待しててくれんねね。」
そういってまたニヒヒと笑うと向こう側のホームに走っていった。
電車が来るまでれいなちゃんはずっとこっちに手を振っていた。
ちょっと恥ずかしかったが、俺もしぶしぶ手を振り返しておいた。
可愛らしい子だな・・・いかんいかん。
れいなちゃんが帰ったあと、1人ホームで電車を待つ。
美貴、もう帰ってるかな。
電車に乗って、とりあえず一回家に帰る。
俺の家から美貴の家は近くて、歩いて10分ほどの距離にある。
そんなワケですぐいけるもんだから、ゆっくり飯を食ってから行くことにする。
飯を食いながら、美貴となんの話をするか考える。
とりあえず今日の言い訳をしよう。
あとは・・・どうにでもなるだろう。
さて、休憩もしたし、そろそろ行くか。
続く
- 65 :名無し娘。:2006/05/29(月) 03:10
- れいなちゃんと肉まんとピザまんを抱えた人の後ろを走りたいです
- 66 :名無し娘。:2006/05/29(月) 20:19
- 欲張りな先輩だなぁ
- 67 :名無し娘。:2006/06/07(水) 02:49
-
外に出てみるともう日も随分落ちていて、意外に寒かった。
上着は・・・いいか。
美貴の部屋に入れてもらえば大丈夫だな。
携帯を出して美貴にメールを送る。
これから行くわ。待っててくれ(^o^)
・・・我ながらなんだこの顔文字は。
明らかにすべってるが気にせずいこう。
美貴の家に向かって歩き出す。
そういや美貴の家に行くのなんて随分久しぶりだなぁ。
高3になってからは・・・初めてかな?
俺の家と美貴の家は多少なり交流がある。
といっても親同士はそんなに仲良くはない・・・のかな?
仲良くない、と言ってしまうと間違いかもしれんが。
俺の家族の中では妹の小春が一番美貴の家族と仲良いのかもしれないな。
小春は美貴の事をお姉ちゃんのように思ってるようで、
よく遊びにいったりしているようだ。
ちなみに俺は美貴のお母さんに気に入られている。
「私があと20歳若かったら間違いなく狙ってる」とまで言われたぐらいだ。
・・・なにがそんなにいいのかわからんが。
美貴の家までの道程の半分ぐらいを過ぎたところでメールがきた。
「ちょっとなんで来る直前に言うワケ!?30分待て!!」
- 68 :名無し娘。:2006/06/07(水) 02:50
-
・・・それは無理だな。
もうすぐ美貴の家だ。
あえてメールの返信はせずにおいた。
あとで怒鳴られるかもしれんが、それもまたいい・・・のか?
そんなこんなで美貴の家に着いた。
インターホンを押すのも気が引けたので・・・いや、美貴のお母さんが出てくると大変だから。
美貴に電話して開けてもらうことにした。
・・・・・・
あ、美貴?着いた。
「は!?30分待てっていったじゃん!早いよ!」
うん、着いた。
「聞けよ!・・・外でいい?」
外かぁ。何気に寒いんだけどなぁ。
「アンタが30分待たないからでしょ!!」
なんの話だ。あぁ、部屋汚ねぇんだ。
「うっさい!いいから待ってろ!行くから。」
- 69 :名無し娘。:2006/06/07(水) 02:50
-
10分ほど待っただろうか。
美貴がやっと出てきた。
なんかやけに着飾ってるな。いまからお出かけですか?
・・・遅ぇよ。
「うるさい。」
片付けたんだろ?部屋入れろ。
「片付けてない。」
は?
「女の子には色々あるんだよ。いいから公園行こ。」
なんだよ色々って。
ほんとにお出かけになってしまった。
・・・上着持ってくりゃよかったな。
美貴が言う”公園”まではほんの数十秒で行ける。
公園に向かう途中、隣で歩いてる美貴からシャンプーのいい香りが漂ってきた。
おまけに少し化粧もしてるようだ。
・・・原因はこれか。
俺と会うだけなのにいちいちこんな・・・。
しかしこれは・・・俺を男として見てるってことなのかな。
俺は美貴のこと女として・・・。
- 70 :名無し娘。:2006/06/07(水) 02:51
-
「なにブツブツいってんの?キモイ。」
はは。すまんすまん。
気付けばそこはもう公園。夜の公園なんてちょっとエロティックですなぁ。
よしここに座ろう。
俺と美貴は公園にあるありがちなベンチに腰をかけた。
「で、話って何?今日の言い訳でもしてくれるの?」
あ、大当たり。
今日一緒にいた子はれいなちゃんって言って・・・
「別にどうでもいい。聞きたくないよ。」
・・・あれ?これはマジで怒ってる?
少し寒気がした俺は美貴の方を向くことができなかった。
「あ、ごめん。言い方悪かった。どうせ亀井ちゃんの友達とかでしょ?」
・・・よかった。このまま沈黙が続けば逃げてしまうとこだった。
うーん、亀井の友達・・・なのか?
よくわからんがそうかも。いや、そうだ。
この前一緒にいたような気もするし、そうだと思う。
「たまたま帰りに出会って、肉まん奢ってあげただけ、でしょ?」
そうそう、さすが美貴。話が早い。
美貴は非常に理解力がある。
おそらく俺よりも頭は切れるだろう。
「最近美貴と一緒に帰んないよね。」
・・・え?
うん?あ、そうかな。部活行ってること多いからなぁ。
「去年まで部活とか、そんなに行かなかったのにね。」
・・・美貴?
あーそうかなぁ?去年もこんな感じだったと思うんだが。
「違う。亀井ちゃんが入って来てからだ。」
- 71 :名無し娘。:2006/06/07(水) 02:51
-
一瞬空気が凍る。
今度はビビらずに美貴の方を見てみる。が、美貴はこっちを向こうとはしない。
美貴、お前何言って・・・
「アンタは・・・亀井ちゃんに会うために部活行ってんでしょ?」
・・・。
「亀井ちゃんいなかったらすぐ帰ってるみたいだし。」
・・・返す言葉がない。
実際そうなのかも・・・しれない。
俺は亀井のこと、どう思ってんだ・・・。
自分の気持ちがわからん。
「・・・。」
気まずい。
なんだこの感じは。
まるで浮気がバレた恋人同士のような・・・。
美貴は・・・もしかして・・・。
「ごめん。美貴、今日おかしいや。帰るね。」
そういうと美貴は走って行ってしまった。
ちょ、待て!おーい・・・
足速いな・・・。
1人で公園でうなだれてるワケにもいかんので、
仕方なく帰ることにする。
- 72 :名無し娘。:2006/06/07(水) 02:51
-
帰り道、俺は色んなことを考えていた。
美貴の気持ち。
美貴は俺のこと・・・。
俺の気持ち。
俺は美貴のこと・・・?
俺は亀井のこと・・・?
俺は、明日からどうすればいいのか。
家に着いたと同時に美貴からメールが来た。
こんなに開くのが怖いメールは初めてだ。
いっそこのまま未読のまま寝てやろうかとも思ったが、
それをしてしまうと、俺と美貴はもうダメだ。
大袈裟かもしれないが、そう思った。
美貴からのメール。
深呼吸を一回して、あまりにも緊張してる自分にちょっと笑ってから、開ける。
- 73 :名無し娘。:2006/06/07(水) 02:52
-
「浮気すんなよ。バーカ。」
・・・はは、この野郎。
それでこそ美貴だよ。
よかった、俺らの関係は壊れない。
俺はそれを怖れていた。
今日気付き始めた美貴の気持ち。
はっきりさせたい俺の気持ち。
これから俺はどうなるのか。
・・・全部俺次第なんだけどな。はは。
とりあえず美貴にメールを返す。
「パオーン」
「死ね」
- 74 :名無し娘。:2006/06/07(水) 02:52
- おやすみなさい
- 75 :名無し娘。:2006/06/07(水) 03:08
- 俺このネタかなり好きかもしれない
- 76 :名無し娘。:2006/06/16(金) 01:41
- あの日の思い出。
いつもと変わらぬ朝。
いつもと変わらぬ通学路。
いつもと変わらぬ教室・・・?
いや教室の中だけはいつもと違っていた。
教室の左奥・・・つまり窓側の一番後ろ、使われてなかったハズの机に人だかりができていた。
「なんだ、なんかあったのか?」
俺の言いたかった言葉が俺の背後から聞こえてきた。
おお、お前か。さぁ?知らねぇ。
後ろにいたのは例の男友達。
こいつも今来たばかりで状況が把握できてないらしい。
「・・・なぁあの席ってさ、後藤の席じゃねぇの?」
え?
「いや、後藤だよ。後藤真希。お前が中学の時」
真希が、帰ってきたのか?
- 77 :名無し娘。:2006/06/16(金) 01:41
-
俺はなんとも言えない気持ちになっていた。
興奮からなのか、不安からなのか、とにかくドキドキしていた。
これまでにないくらいに。
後ろで話し続けてた友達の声はもう耳に入っていなかった。
ただ、本当に真希がそこにいるのか、それが確かめたくて俺は真希の机に向かった。
人だかりの真ん中には、たしかに、後藤真希がいた。
俺が知ってる後藤真希から2年ほど経っていたが、間違いなくそこにいたのは後藤真希だった。
後藤真希。
彼女とは中学のときに知り合った。
最初に話したきっかけとかは覚えてないが、妙に馬が合って俺達はすぐ友達になった。
中学時代といえば男女関係は普通複雑になるもんだが、俺らはそんなことはなかった。
普通に男友達と遊ぶように真希と遊んだ。
真希も女友達と遊ぶように俺に接していた。
・・・そう、ちょうど今の俺と美貴のような関係。
中3の夏までは。
- 78 :名無し娘。:2006/06/16(金) 01:42
- 中学3年生の暑い夏の日。
その日は本当に暑くて、あの暑さは今でも覚えているぐらいだ。
いや、こんなにもあの日のことを覚えているのは暑さのせいだけじゃない。
放課後、俺と真希は教室でダベっていた。
特にすることもなく、暑さに身を委ね、ただダラダラしていた。
今でも思い出せる、あの時の会話。
「あーあっちーねー。」
俺と真希は机を向かい合わせにしてダラけていた。
暑い暑い言うな。
余計に暑くなるっていうだろ。
「暑いもんは暑いーうあー溶けるよー。」
机に突っ伏した真希の背中が丸見えだ。
腰ほっせぇなぁ。
・・・どこ見てんだ俺。
溶けるかバカ。
「どうせバカですよー。お兄さんも人のこと言えないと思いマース。」
真希はなぜか俺のことを「兄さん」と呼んでいた。
怪しいキャッチセールスのようであるが、別に悪い気もしなかったので特になにも言わなかったが。
はいはい。あ、俺ジュース買って来る。
そういって席を立って真希の後ろを通ったとき、真希が机に突っ伏したまま俺にこう言った。
「兄さん兄さん、ごとーも。」
めんどくさいから自分で買いに行け。
めんどくさいも何もついでに買ってくればいいだけなんだが、
真希のあまりのだらしなさに自分で買いに行くよう促した。
その時、事件は起こった。
- 79 :名無し娘。:2006/06/16(金) 01:43
-
「いじわるする兄さんにはおしおきだー!」
うおっ!?
机に突っ伏していた真希が急に起き上がったかと思うとそのまま俺に乗しかかってきた。
後ろから覆い被さって抱きつくような形になってしまったのだ。
真希の髪からいい匂いがする。
真希の胸が背中に当たってる。
俺の顔のすぐ横に、真希がいる。
俺は、口から心臓が飛び出そうだった。
真希のことは友達として見ていたが、やはりこんなことをされては・・・女として見てしまう。
このままでいるとそう思ってるを知られそうな気がして、真希を振りほどこうとする。
やめろって、暑いから!
「・・・兄さんはさ、ごとーのことどう思う?」
まったくもって突然の言葉だった。
あまりにも突然すぎて上手く理解できなかった俺は何も言えなかった。
「あたしにこういうことされるのヤダ?」
真希が言葉を続ける。
「あたしはね、兄さんのことが好き。」
頭がぶっ飛ぶ。
真希の顔は見えなかったが、耳元でそう囁いた真希の声はひどく優しく、そして色っぽかった。
そこからは上手く記憶が整理されてない。
覚えていることは、そのあと真希とキスしたことと、俺達はその日から恋人になったこと。
真希の大胆な告白を受けた俺は、完全に真希に惚れていた。
わずか数分前まで友達だったハズなのに。
- 80 :名無し娘。:2006/06/16(金) 01:43
-
それから俺達は普通の恋人同士として楽しい日々を過ごした。
中学卒業とともに別れが来るんじゃないかという不安もあったが、
学力も成績も丁度同じぐらいだった俺達は特に行きたい高校もなかったので、同じ高校に行くことにした。
俺達はずっと付き合っていくものだと思ってた。
だが、ある日突然別れの日は来た。
「お兄さん、ちょっとお話が。」
それは俺達が高校生になったばかりの春、俺の部屋でくつろいでいた時だった。
ん、どした?
「あのねーうんとねー」
真希は思ったことはズバズバ言うタイプだ。
そんな真希がどもっているのだ。
ただ事ではないことは薄々感じていた。
「えっとね、あたし海外に引っ越すの。」
その言葉を聞いた俺の顔はさぞかしヒドイものだっただろう。
真希が思わず「変な顔」って吹き出したのを覚えてる。
でも、俺はとても笑えなかった。
真希の両親はどうやら結構偉いさんだったらしく、仕事の関係でとかどうのこうの言ってた。
正直、俺はそんなことどうでもいい。
ただ、真希が遠くに行ってしまうのが嫌だった。
でも高1の俺にできることといえば、真希に1人暮らしを頼むことぐらしかできない。
しかし真希が凄く家族想いだってのは俺が一番よく知ってる。
頼むだけ無駄・・・いや、真希を悩ませてしまうかもと考えると、できなかった。
- 81 :名無し娘。:2006/06/16(金) 01:43
-
真希が引っ越す2週間前、俺達は別れることになった。
「いつ帰ってくるかわかんないし・・・兄さんはごとーなんかよりもっといい人見つけてね。」
電話越しにそう言った真希の声は少し震えていた。
真希よりいい人なんていない。俺には真希が一番だ。
言えなかった。
それから2年後、真希が帰ってきた。
「・・・兄さん?うは、ヒサブリ。」
2年ぶりに聞いた真希の声は、あの頃よりずいぶん大人になっていたように感じた。
真希、ちょっといいか?
俺は真希と2人で話がしたかった。
- 82 :名無し娘。:2006/06/16(金) 01:45
- またもや続く
- 83 :名無し娘。:2006/06/16(金) 03:09
- 更新キテタ
79あたりが素晴らしいね
- 84 :名無し娘。:2006/06/16(金) 07:10
- 後藤が出てきてしまった!こいつぁ大変だ・・・
- 85 :名無し娘。:2006/06/25(日) 00:52
-
「どしたの兄さん?みんなの前じゃ恥ずかしい?」
はは、変わってないみたいで嬉しいよ。とりあえず、おかえり。
「へへ、ただいまー。」
教室から真希を連れ出した俺は、廊下の一番奥にある非常階段に来ていた。
俺は2年ぶりの真希との会話を楽しんだ。
そう、朝のHRの存在を忘れるくらいに。
なんとか一時間目には間に合った俺達だったが、二人で出て行ってHRにも出ず、
二人で仲良く戻ってきたのだ。
クラスのみんなの視線が痛かった。
・・・美貴はこっちを見なかった。
そういえば、美貴は真希と面識がない。
俺が美貴と知り合ったのは高校2年になってから。
1年の時はクラスも違ったので、俺と真希の関係も知らない。
話しておこう、そう思ったが、授業が始まりそうだったので仕方なく俺は席に着いた。
休み時間にでもゆっくり話すか。
- 86 :名無し娘。:2006/06/25(日) 00:52
-
授業が始まるとすぐ隣の席の例の男友達が話しかけてくる。
「お前、後藤とどこ行ってたんだよ?」
いや、非常階段でお話してただけ。
昔話に花が咲いちゃってついついHR忘れちゃったんだよ。
「後藤とより戻したのか?」
ブッ!!
バカか!そんなんじゃねぇよ。
「そうだよな、お前には藤本がいるもんな。」
・・・そういえばコイツ俺の冗談を信じたままだったな。
しかし、冗談だということを伝えようと思った瞬間に先生に怒られ、話すタイミングを失くしてしまった。
ま、なんとかなるか。
まずは美貴だ。
- 87 :名無し娘。:2006/06/25(日) 00:53
-
眠い目をこすりながらなんとか授業を終える。
さて、美貴のところに・・・
とその瞬間何者かに後ろから抱きつかれる。
この匂い。この感触。・・・いや昔より随分・・・いやいや、これは・・・。
「兄さん兄さん、学校案内してー」
うおっ!真希、お前なにやってんだよ!
俺の鼓動が一気に速まる。
そしてあの暑い夏の日を思い出す。
真希の腰・・・真希とのキス・・・。
「何ってハグだよハグ。向こうじゃアイサツだよー。」
アイサツってさっきから会ってるだろ!それにここはジャパンだ!
落ち着け、落ち着くんだ俺。
「あはは、そうでしたー。」
口では反省しているが、顔は全く反省していない。
それどころかにへらと笑っている。
・・・ほんと変わってないな。
嬉しいような、なんとも言えないような・・・。
とりあえず真希をはがした俺は、呼吸を整える。
- 88 :名無し娘。:2006/06/25(日) 00:53
-
学校案内ってお前一年のときこの学校いたじゃねぇか。
その言葉を言ったと同時に、真希と過ごした高1の思い出が頭をよぎる。
お金がないから大抵はどちらかの家、そしてたまに映画館や遊園地。
それでも学生のデートって感じで楽しかった。
真希はどうだったのかな?楽しかっただろうか。
・・・もうそんな事どうでもいいじゃないか。
自分に言い聞かす。
「高校入ってすぐだったもん、イマイチ覚えてないよー。」
たしかに真希が引っ越したのは5月頃だったのでそれも一理ある。
ちなみになんで今3年になれてるのかというと、向こうで学校に行ってたのでどうのこうのって感じらしい。
んー、案内してやってもいいけどその前にちょっと用事あるんだ。
「なになに?ごとーも連れてってよ。」
真希を美貴のとこに連れてったら何言うかわからんからな・・・。
すぐ終わるから待ってな。
「はーい。」
真希は頬を膨らまして、拗ねたフリをして俺の席に座った。
「ここで待ってる。」
- 89 :名無し娘。:2006/06/25(日) 00:53
-
俺は1人で美貴の席に向かう。
美貴、ちょっといいか?
一瞬ビクッとしてだるそうに頭を上げた美貴の目からは明らかに殺意が感じ取れた。
「・・・何?」
いやー、朝のHRの時とか俺と後藤帰って来なかったじゃん?
それで変な誤解してないかなー・・・なんて。
「別に・・・関係ないし。」
じゃあ睨むのをやめてくれ・・・。
構わず続ける。
俺と真希はさ、中学の時からの付き合いで、
「モトカノってやつだよね?」
「へっ!?」
俺ってこういう場面で激しくツイてないよな・・・。
突然現れた真希の言葉に、素っ頓狂な声を上げた美貴は固まっている。
「モトカノって・・・どういう・・・。」
「うん、まぁ昔付き合ってたワケですよ。あ、始めまして藤本さん。あたし後藤真希です。」
「へ!?あ、そうなんだ・・・。え、あ、どうも藤本です?」
独特な真希のペースに美貴の頭が付いていけてない。
なんでこのタイミングで自己紹介なんだか・・・。
- 90 :名無し娘。:2006/06/25(日) 00:53
-
っと、まぁつまりそういうことなんだけど、高1の時に海外に引っ越してさ、
「それは先生に聞いた。」
あ、そっかHRとかで言ってるわな。
それでさっきはついつい昔話が盛り上がっちゃって・・・
「・・・なんで2人きりで・・・。」
えっ?
「なんで教室じゃダメだったの?」
う・・・それを言われると困る。
別に教室でも構わなかったのだが・・・なぜか俺は2人きりで話したかった。
深い意味はない・・・ハズ。
「んー、兄さんはまだあたしのことが好きなんじゃないの?」
おおおおおお前何言い出すんだ!
「なーんちって。あはははは。」
真希!シャレになってない!
美貴は・・・どうしていいのかわからないような表情をしている。
「はは、後藤さんておもしろい人だね。」
もうちょっとうまく笑えないのかお前は。
顔引きつりまくりだぞ、美貴。
「やだなぁ”後藤さん”だなんて。”真希”とか”ごっちん”でいいよ。」
「じゃあごっちん・・・。美貴は”ミキティ”でいいよ。」
「あはっカワイー。ミキティかぁよろしく!」
- 91 :名無し娘。:2006/06/25(日) 00:53
-
その時チャイムが鳴る。
俺達はそれぞれ席に戻る。
が、美貴の表情はずっとぎこちないままだった。
まぁ真希の暴言もあったものの、2人が仲良くなれたみたいでよかった。
・・・本当に仲良くなったのかはわからんが。
しかし今思ってみると普通の10分しかない休み時間に、
どうやって学校を案内させるつもりだったんだ?
・・・真希のことだからサボるつもりだったんだろうな。
俺には真希の考そうなことは大体わかる。
なぜなら真希は俺の友人であり、元・恋人。
でも時々予想もつかないような行動を起こすこともある。
そんな所がおもしろい、後藤真希。
これからまた騒がしくなりそうだな・・・。
- 92 :名無し娘。:2006/06/25(日) 00:54
- 優勝はイタリア
- 93 :名無し娘。:2006/06/25(日) 15:50
- 段々胃が痛くなってきたw
- 94 :名無し娘。:2006/07/02(日) 00:17
- しかしなんでこうも毎日眠いかなぁ。
原因は夜遅くまで起きてるからなのはわかってるが、若いんだからもうちょっと頑張って欲しい。
そんなおっさん臭いことを考えながらではあったが、この登校ルートを通るのももう3年目。
体に染み込んでいるので自然と足は進んでいた。
「おはよ。」
ふいに後ろから話しかけられる。
この聞きなれた声、美貴だ。
おう、おはよう。
「相変わらず眠そうな顔してるねぇ。シャキっとしなよ。」
お前母親みたいだな。
「ひっどーい。美貴はまだ華の女子高生なんだよぉ?」
美貴がこれでもかというくらい甘ったるい声を出す。
美貴は小動物を前にするとよくこういう声を出す。
そして何故か匂う。鼻を思いっきり近づけて匂う。
・・・そんな美貴を見ているのはとても楽しい。
普段の美貴とは果てしなく違うから。やっぱりギャップってのは素晴らしいな。
「・・・スベってるのはわかってるからさ、突っ込むとかしてよ。」
おっと美貴を放置してしまった。
可哀相だから一応突っ込んでやるか。
なんでやねーん。
「死ね。」
- 95 :名無し娘。:2006/07/02(日) 00:17
-
そんなこんなで最寄駅。
この駅から俺らの高校に通ってる生徒はほとんどいなくて、今も周りを見渡しても他に生徒は見当たらなかった。
今日は余裕を持って家を出たので遅刻の心配もないな。
特に時間を気にしてたわけではないが、いいタイミングで電車が来る。
「んあ、兄さんじゃん。」
電車のドアが開くと俺らの目の前には後藤真希。
隣に立ってる美貴のオーラが一瞬にして警戒色に変わったのを肌で感じた。
とりあえず電車に乗った俺は真希に挨拶をする。
おう、真希。
「おうおう。兄さんまだここに住んでたんだねぇ。」
まだって・・・2年しか経ってないのにそう簡単に引越しはせんだろ。
「あはは、それもそうだね。」
隣から感じる美貴のオーラが凄い。誰か助けて。
「そういえばさ、兄さんとミキティはいつも一緒に登校してるの?」
いや、いつもってワケじゃないけどたまたま出会った時は一緒に行くよ、なぁ美貴?
「・・・そだね。」
美貴ちゃーん、目が怖いよっ☆
「ふーん。2人は付き合ってるの??」
真希の純粋な質問にむせそうになる。
つつつ付き合ってないって!!
動揺しまくってうまく否定できていない。逆に怪しいなこれは。
「・・・。」
おいおい、美貴。黙るなよ・・・。
- 96 :名無し娘。:2006/07/02(日) 00:18
-
「じゃあさ、これからごとーと一緒にガッコ行こうよ。」
うえ!?
「いっつもこの電車のこの車両で待ってるからさ。」
お前よりによって美貴の前で・・・。
いやぁ気持ちは嬉しいんだけどさ、俺学校行く時間バラバラだからさ。
ほら、一年の時もそうだったじゃん。
「そういやそうだったね。付き合ってるのに一緒に登校したことなかったもん。」
でもそのぶん一緒に帰ったじゃねぇか。
また高校1年の時の記憶が蘇る。
夕陽が照らす道を2人で歩いている。
隣には、真希。
手を繋いで、駅まで歩く。
今日あった嬉しかった事や悲しかった事を2人で共有する。
あの頃は、真希が俺の心の支えだった。
「でもさー、やっぱ朝から会いたいじゃん?普通はさー・・・」
あっヤベ、美貴。
- 97 :名無し娘。:2006/07/02(日) 00:19
-
美貴ー、今日一時間目なんだっけ。
とっさに出た言葉に我ながら死にたくなる。
なんだその質問。意味あるのか。
「・・・現国?」
そう素っ気無く応えた美貴は先ほどからそうしていたのか、目線を窓の外へ戻した。
「ミキティ元気ないねー?どしたの?」
たぶん君が原因だよ。
「ん、いや別に。眠いだけ。」
ウソつけ。
「さては夜更かしさんだなぁ!いけないんだぞー。あははは。」
真希・・・ある意味尊敬するよ。
「はは、そうだね。」
だからお前はもうちょっとうまく笑えよ、美貴。
そんなこんなでやっと学校の最寄駅に到着。
はぁ、学校行くだけでこの疲労感・・・。
そう、俺はもうこの後何もなく学校に着けるものだと思っていた。
『せんぱーい!!』
- 98 :名無し娘。:2006/07/02(日) 00:22
- 続くんだけど
>>94の最初の2行が消えた
- 99 :名無し娘。:2006/07/02(日) 00:22
- んー、今日もいい天気だなぁ。
家から出た俺はひと伸びして、明らかに寝不足で重い足を引きずりながらいつもの登校ルートを歩き出す。
- 100 :名無し娘。:2006/07/02(日) 00:24
- >>99>>94>>95>>96>>97
の順番で読んでください。無理ですね、ごめんなさい。
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