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★魁・読み切り作品発表スレッド★
- 1 :名無し娘。:2005/07/18(月) 22:30
- とりあえずストーリーの続かない、読み切り作品書き捨てスレ。
ネタの形式は自由。自分の連載作の番外編でも可。マターリ。
前スレ
★新・読み切り作品発表スレッド★
http://www.omosiro.com/~sakuraotome/live/test/read.cgi/bbs/1062146347/
関連スレ
集えネタ小説職人! ★読み切り作品発表スレッド★
ttp://www.musume.co.uk/log/mor/999/999256841.html
★読み切り作品発表スレ★Ver.2
ttp://www.metroports.com/test/read.cgi/morning/1004887773/l15
- 243 :名無し娘。:2006/08/30(水) 18:56
-
【おまけAA】羊臭い電柱
羊⌒羊⌒羊⌒羊⌒羊
│ │ │ │ │
- 244 :名無し娘。:2006/08/30(水) 18:56
- >>240-243です。
- 245 :小津苛K:2006/08/30(水) 23:46
- 神聖 重さん王国 从*・ 。.・)<なの!
从*・ 。.・)<スカウトの化身リジィエよ
わしのおきさきさまを探しに行くんじゃよ
从*` ヮ´)<訳がわからん!
从*・ 。.・)<ごちゃごちゃ言わないで行くんじゃよ〜
♪チャラチャチャラチャラ〜
从*・ 。.・)<♪さがそお さがさお
从;` ヮ´)<♪なかよく さがそお
从*・ 。.・)<♪えがおが かわいく
从;` ヮ´)<♪あいらしい・・・
Σ从*・ 。.・)<・・・ちょっと待つの・・・それってさゆの事なの
从;` ヮ´)<はぁ?
从*・ 。.・)<さゆのおきさきさまはさゆなの・・・
从;´ ヮ`)<・・・アホか・・・・
- 246 :さゆれな ◆Jw.Uicb6 :2006/08/30(水) 23:52
- >>240-243
作戦会議のほうにも来ませんか?w
- 247 :名無し娘。:2006/09/04(月) 21:33
-
『藤本、田中、亀井、道重、久住で猥談会議』
久住「狩狩板が三周年だそうです。光陰矢の如しですね」
田中「なに?コリコリ乳首で射精中?肛門やなこった?」
亀井「あ〜やだやだ。よくも毎回毎回そんな下品な言葉に変換できるよね」
道重「ほんっと。せっかく小春ちゃんが意味わかんないけどコーインヤノジョロシとか難しいこと言ってんのに」
藤本「まあ月日が経つのは早いからな。あれだけ肛門プレイを嫌がってた久住も今では……」
久住「言わないで……」
参加しません。
- 248 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:55
- 4.「砂」
- 249 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:55
-
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
||─‐ 〃ノノ从ヾ‐l|
|ヽ ()川 - 。.-リ) ヽ
| ノ~~⌒~⌒~⌒~⌒~ヽ、
( ノ ヾ ヽ, ヽ、
( ノ ヽ、
( ノ 「| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「|
( ノ|」――――――|」
.
- 250 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:56
-
.
- 251 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:56
-
〃ノ从ヾ
川 ・ 。.・)
/.:ヾУハ
ぐソ二二}ゝ
〉.:.:.*.:| _
( yノ_Y) ]
 ̄
- 252 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:56
-
ここはどこ?
〃ノ从ヾ
Σ川 ・ 。.・)
/.:ヾУハ
ぐソ二二}ゝ
〉.:.:.*.:| _
( yノ_Y) ]
 ̄
- 253 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:56
-
あれは…砂時計?
〃ノ从ヾ
(( 川l| ・ 。.)
/.:ヾУハ
ぐソ二二}ゝ
〉.:.:.*.:| _
( yノ_Y) ]
 ̄
- 254 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:57
-
あ…もうすぐ砂が落ちきろうとしている…
|二二二|
ヽ ,.,. ノ
).;(
γ,.,.;:,.,ヽ
|二二二|
.
- 255 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:57
-
終わる前にひっくり返しちゃえ。
〃ノ从ヾ
川l| ・ 。.)_. _
/.:ヾУ/.:.:i'っ< ))
cぐソ二二ト-fソ ̄
てj:.:.:.:.).:.)
.
- 256 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:57
-
これでよし。
|二二二|
ヽ;:;:;:;:;:ノ
)':(
γ ヽ
|二二二|
.
- 257 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:57
-
〃ノ从ヾ
Σ川 ・ 。.・)
ノ.:ヾУハ
cぐソ二二}ゝ _
てj:.:.:.:.).:.) ]
 ̄
もう少しで5万枚や。
がんばるで! うん!
- 258 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:58
-
中澤さん…安倍さん?目が輝いてる…
|二二二|
ヽ;:;.,.,:;:ノ
)':(
γ ,.;. ヽ
|二二二|
.
- 259 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:58
-
〃ノ从ヾ
川 ・ 。.・)
ノ.:ヾУハ
cぐソ二二}ゝ _
てj:.:.:.:.).:.) ]
 ̄
ラブマが
100万枚突破だって! …(泣)
- 260 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:59
-
保田さん…若い…
|二二二|
ヽ;:,.,.,.;:ノ
)':(
γ ,:;:, ヽ
|二二二|
.
- 261 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:59
-
〃ノ从ヾ
川 ・ 。.・)
ノ.:ヾУハ
cぐソ二二}ゝ _
てj:.:.:.:.).:.) ]
 ̄
日テレで
ゴールデンのレギュラーよ! かっけー!
- 262 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:59
-
皆…とてもうれしそう…
|二二二|
ヽ;.,.,.,.,:ノ
)':(
γ.,:;:,. ヽ
|二二二|
.
- 263 :名無し娘。:2006/09/07(木) 02:59
-
〃ノ从ヾ
川 ・ 。.・)
ノ.:ヾУハ
cぐソ二二}ゝ _
てj:.:.:.:.).:.) ]
 ̄
何で私がタンポポをやめなきゃ
いけないんですか! すまん…
- 264 :名無し娘。:2006/09/07(木) 03:00
-
飯田さんが泣いてる…
|二二二|
ヽ ,.,.,.,.ノ
)':(
γ.,:;:;.,ヽ
|二二二|
.
- 265 :名無し娘。:2006/09/07(木) 03:00
-
〃ノ エ?
Σ 。.・)
ノ.:ヾ
二}ゝ _
てj:.:.:. ]
 ̄
.
- 266 :名無し娘。:2006/09/07(木) 03:00
-
ちょっと待って、つづきは?ねぇ…
|二二二|
ヽ ,.,. ノ
)':(
γ.,:;:;:,ヽ
|二二二|
.
- 267 :名無し娘。:2006/09/07(木) 03:00
-
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
||─‐ 〃ノノ从ヾ‐l|
|ヽ ()川 ・ 。.・リ) ヽ
| ノ~~⌒~⌒~⌒~⌒~ヽ、
( ノ ヾ ヽ, ヽ、
( ノ ヽ、
( ノ 「| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「|
( ノ|」――――――|」
.
- 268 :名無し娘。:2006/09/07(木) 03:00
-
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
||─‐ 〃ノノ从ヾ‐l| 今の夢…
|ヽ ()川 ・ 。.・リ) ヽ
| ノ~~⌒~⌒~⌒~⌒~ヽ、
( ノ ヾ ヽ, ヽ、
( ノ ヽ、
( ノ 「| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「|
( ノ|」――――――|」
.
- 269 :名無し娘。:2006/09/07(木) 03:01
-
〃ノ从ヾ おはよう
川 ・ 。.・)
U )
し(_)
ノハヽ☆ おはよー
(*ノ从从
( )
- 270 :名無し娘。:2006/09/07(木) 03:01
-
☆ノハヽ
ノノ*^ー^) 聞いてよさゆ、コンサのリハが一日増えるって。
〃ノ从ヾ
川 ・ 。.・) …そう。
☆ノハヽ
ノノ*^ー^) めんどくさいよね…皆もオフがなくなったって嘆いてるよ。
〃ノ从ヾ
川 - 。.-) …
- 271 :名無し娘。:2006/09/07(木) 03:01
-
いつからだろう こうなったのは…
これから娘。は…
|二二二|
ヽ, ノ
) (
γ;:;:;:;:;ヽ
|二二二|
終
- 272 :名無し娘。:2006/09/07(木) 07:42
- こいつはしびれたね
- 273 :名無し娘。:2006/09/07(木) 16:02
- こういうの好きだ。俺の賞をあげたいくらい。
- 274 :名無し娘。:2006/09/07(木) 17:13
- 砂時計は真っ先に考えたんだがここまでのは書けなかった
- 275 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:07
-
私の名前は辻希美。
ダブルユーの辻希美。
) )ノ
〃ノ"~ヾ
从 ´D`)
/i!‐-‐iハ
ソ.:.:.:.:.:.ゝ)
し' J
.
- 276 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:07
-
ダブルユーの前はモーニング娘。だった。
とっても大好きなモーニング娘。…
δ
||'-' 川 δ
ιι ヽ、
`'〜
ターラコー ターラコー
ターップーリー ターラコー♪
ズババ… ア゙ッ
∋oノハヽo∈. ノノハヾヽ 〃ノハヾ
ヽ(* ´D`)ノ 川o・π・) ∬*´▽`) =3
、────┴─┴───ヽう=E──‐ヽつ‐ヽ)──
| \ (ミ彡ミ) (ミ彡ミ) ( )
- 277 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:08
-
私には相方がいる。
それがこの子、あいぼん。
@ノハ@
( ‘д‘)
ハ ヘ-/ヽっ
U_ノ_ハ_ゝ
(_/ (__)
.
- 278 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:08
-
私達はいつもいっしょ。
いっしょに娘。に入って、いっしょに娘。を卒業した。
↓
@ノハ@ はい、ののが消えました〜!
∋oノハヽ(●д●)
,=========とj;:;:) ))
(:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〉.:.j
j.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ト、_)
〈.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.「 ̄ ̄|
ノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:)__|
'"〜'~^⌒'〜'"~`
… …
ノハヾヽ ノノハヾヽ
[^l|l ] (>^l|l川川
- 279 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:08
-
もちろん、ダブルユーでもいっしょ。
ず〜っと同じメンバー。
\ヽ ダブルユーデース!! / /
oノハヾo oノハヽo
ξ ‘д‘ ξiViViξ ´D` ξ
;'";, ゚∞゚.:.:`(っi! c)'";,゚∞゚.:ハ
- 280 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:09
-
長らくいっしょにいる二人は次第に似てくると言う。
でも、同じメンバーとはいっても、
/
@ . /
@ i! /
i! / ニシカワサンノ マネー
ノハヾ / 〃ノハヾ
(# `д´) / 从*~D~)∩
イケ!!ファンネルタチ!!! / ι
/
双子じゃないのに双子みたいだとはいっても、
あいぼんと私、何から何まで似てるわけじゃない。
- 281 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:09
-
例えば、あいぼんは色が白い、私は色が黒い。
イロジロイロジロー イログロイログロー
(0^〜^) (^▽^ )
ヽつハ@ 〃ノハとノ
( ‘д‘) (´D` 从
0 0 ( )
(_)__) (__(_)
.
- 282 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:09
-
例えば、あいぼんはクソ女、私はバカ女。
ンッン〜 ジュマペール
(*・ 。.・) (・e・ )
ヽつハ@ 〃ノハとノ
(; ‘д‘) (´D`;从
0 0 ( )
(_)__) (__(_)
.
- 283 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:09
-
例えば、あいぼんは胸が大きい、私は…(涙)
GYMじゃないよ GAMだ!
从‘ 。‘) (VvV川
ヽつハ@ 〃ノハとノ
(* ‘∀‘) (TDTl|l从
0 0 ( )
(_)__) (__(_)
.
- 284 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:09
-
例えば、あいぼんは…
,ノ . .: .:. . : .
( . : .: .:: .:.:ノ
γ⌒'. .: .:. .:.:.:. r''
ノ . . : .: ,; ,;;;, :.)
, '"~. : .: .:.: .:. .; ; ,;ノ ) ./7
(. .: ..:, '"~ ○' //
ヾ.:.) f⌒Y⌒Y//
,,.、," ,r'⌒Y⌒Y⌒!ヽ
i゙ーイ |ノ(∵).:.:(∴)ト、)
| | '、)ヾ)ヾ)ヾ/
| | \:.:.:.:.:/
| | i:.:.:.:l
ヽつハ@ 〃ノハとノ
(* ´д`) (´D`;从
0 0 / つ つ
(_)__) ヽ__)_ノ
.
- 285 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:10
-
あいぼんは…
パシャッ!!
ハヽ /
【◎E)て
し'^ヽ
〃ノハヾヽ
从*´д`)y-~~
( ノ
- 286 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:10
-
…あいぼん…どうして…
\从/
〃ノハヾ
从;゚ D゚)
ヽぅ⌒/⌒0
- 287 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:10
-
どうして…
________
| | ||
| | |}
| |0. ||
|@ノハ@| ||
|(l|l )| ||
l.ι ヽ \、 |}
___| '‐(_) \||____________
\ヽ / /
〃ノハヾ
∩从从从')
ヽ /
- 288 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:10
-
…ダメだダメだ…のんがこんなんじゃダメだ…
あいぼんが帰ってきたら笑顔で迎えるんだって…
もう二度とそんな事をしないように
あいぼんを守ってあげるんだって…
待ってるよ…あいぼん…
グシッ
〃ノハヾ
从:.:..⊂ヽ ))
ハ!‐-‐iソ
U:.:.:.:.:.ゝ
し' J
.
- 289 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:11
-
`'〜'⌒'〜'⌒'〜'⌒'〜'⌒'〜'⌒'〜○〜'⌒'〜'⌒'〜'⌒'〜'⌒'〜'"
o
゚
@ノハ@ な〜んて
(* ´д`) 考えてそうなののへ。
( つ-} ピッピッ
- 290 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:11
-
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_、
| ○ ○ | |
| ⊂ ━ ⊃ | |
| __________ | |
| || □受信メール. || | |
| || From:謹慎13号 .|| | |
| || [件名] 朗報! || | |
| ||. ────── ..|| | |
| || そうなののへ。 || | |
| || 来週あたり、週刊 l| | |
| || 誌の記者の目を ..|| | |
| || 掻い潜って遊びに .l| | |
| || 行くで〜♪ . || | |
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゚| |
| Do.co.mo | |
| ゚ 。 。゚ | |
|,◯___________◯,ly
(_|______|___|_|_))
| |゙l
- 291 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:11
-
\_,人、_,,从、_,人、_,,从、_/
〉 〈
< 考えてねーよ! >
〉 クンナ!!
/⌒Y`^Y⌒Y`^Y⌒Y`^'\
〃ノハヾ
从+`D´)
( つ-}
- 292 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:11
-
@ノハ@
(* ‘∀‘)<照れ隠しは愛情の裏返し ♥
〃ノハヾ
从+`D´)<意味わかんねーよ!反省しろよ!
おわり
- 293 :名無し娘。:2006/09/18(月) 22:58
- 謹慎13号ワロス
- 294 :名無し娘。:2006/09/19(火) 20:59
- あいぼんキャワス
- 295 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:27
-
|| :|
|| :| ,. --――- 、
|| :| ,i'´ ゙i、
|| :| i おい久住 ,!
|| ,.-一 、 :| ヽ、 ,r'
|| 〃ノハ)) :| ` ー---、 ,:'´
|| 从.o´ゥ`) :| !'
|| !_」 l__il :|
________.||_______,,!_|;;;:,!,,l、____|___________.-ー 、_______
/ ̄ ̄ ̄ ̄.( _く´ `)__) ̄ ̄ ̄ ̄l、 ((ヽヽ、i
|. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.`し' ̄し' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l、 (V ノ||し
‐――――./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`´ ̄`´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ l、――――――‐(___)|_.」――――――
| ̄ ̄ ̄ ̄,r'i  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`| | | |
 ̄ ̄ ̄ r' ゙ー- 、 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ,(__) ゙̄i、
/ ヽ、 `iーi+-i´
| なんすか .) |_.|.|_.l
゙i、 ,r' (___,},,...}::...
`ー--一'´ ゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:
- 296 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:27
-
,. -一- 、 ,. --──────────- 、
〃 ゙i ,ノ ヽ,
|||||l´ ,!| || / ここに |
|lV , V !)  ̄ヽ. |
|ヘ、 v , '|| ! 玉ネギと長ネギがある |
,r '!´`, ‐ ´`i゙.ヽ、 ゙i, ,r'
,'\ \V/ i^i'´i `ー-------------------一'´
,i ,λ、 .|_,! ,!
i n.( ))) (_)
( `,)゙゙゙゛____,! |
 ̄,i l l l |;;|.
,i l l .l ,l;;|;|
く l l l |;:r',ゝ
iー‐'i―-i-一i´
| l l l
l__| .l__l
| l .l |
,.--一‐ 、 |. l l__|
/ ':, ,/ ̄´ | / i、
i ||| ( ,! l `l
| (|‘l  ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
l !_,ノ
,| !,ー-、 `γ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽ
|| l, l ( またれな先輩ん家の畑から )
川 | | | | ,し._,,.! ( )
.l l l ( 野菜盗んできたんすか )
l l. l ( )
l |. | `ー'^ー'^ー'^ー'^ー'^ー'^ー'^ー'^ー'^ー'^´
- 297 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:27
-
| | ,r'⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒⌒ヽ
| | ( 人聞きの悪い事を言うな )
| | ヽ.__,、__,、__,、__,、__,、__,、__,、__ ,ノ
| | У
| | . - − 、
| | ,i'´ i ,r'⌒^⌒^⌒^⌒^⌒ヽ
| | ||| || ||, l < 盗んではいない )
| | ,!V ||,) l ヽ.__,、___,、___,、___,、__ノ
| | !、 ,| .l
| | ,. -―‐- 、 ´ー'i' |l,, , ,l
| | r' ゙i、 ,r'⌒` .ll ゙i、 γ⌒^⌒^⌒^⌒^ヽ
| | l ,! | || || !)) /ヽ ,:' ll. l.| ( 借りただけだ )
| | | | |.(| ‘ l ,.r' ,r''i` -´ L..=l'l ヽ.___,、___,、___,、___ノ
| | |.| .| l ノ __,.r' , r' | | |
| | .| l |.l_`i'´ ,r'´,.、.イ´ | | |
| | 川 ,lし `i、 λ `´ .`' | | |,
| | i' i ゙i、 _((()))_ l---------i,メ、
| |l ゙i、.,,_/ヽ、 ,r''´ ,つ-‐''. | |.ヽヽ,
| l l.ヽ、 `ー'' ,/ | l l l |,. ヽ,:i;;,,
| .l l `ー-―'' |_,!__L....!--' l;;|;;;l
| l _,-lー------- ..、 l .| |
イi,.-''´ ̄__,! ,rー-,、 ,.ヽ | l |
. / l /. ヽ,',_ `i、' \_ | | |
/ `ヽi, `ト--' `i、、ノ メ--;,、 |____l_.|
/. ` 、 ,'' .l ヽ, ノ | .| .|
. /. '' ---'' ...l `ー'''l,'´ | .l .|
/. l l, |,,...--.i,.|
. /. l l,. ,,r' ゙i_|
!、_____..!'
- 298 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:27
-
,r〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜- 、
( )
( ,i'⌒ー‐⌒゙i、 )
( l , ´ ヽ. ,l )
( |〃 || || ||ヽ .l .)
( | l ` 、 ´; i) | )
( | ゝ、 ヮ ,ノ_ l .)
( ,i'´ ゙i乂ノ ヽ )
( λl l l,.-'l )
( i' .l l l l )
( i' !、l ___l____.,l .ll,'- 、 )
( l ,'´ 'ー, l lー、l )
( `/ i il l、/,! )
( i-――――i`´l_,./ )
( ll ./ l| ./ )
( i'l/_____.l.l/ )
( i'/ l/ )
( l/ ____ ,l' )
(  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ )
( れな先輩、こないだ獣用の罠 )
( )
( 一生懸命作ってましたよ )
( ,ノ
`ー〜〜〜〜〜〜、 ,r〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜'
i' ,. ー-、
i' 〃〃ヽ ゙i,
,..ー-、 (VvV川
〃ノハ)) l.l l___l
从o´ゥ`) ll_.__,_| !
(lう.) .l-| く/__,i__i、l,ゝ
- 299 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:28
-
,r'⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒ヽ
( そうか、まぁそんなことはどうでもいい )
( )
( それよりこの二つのネギを使って野球をやる )
ヽ._,..、_,..、_,..、_,..、 ,、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..、__,..ノ
У
,.ー、 ,r'⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒ヽ
,!| ||,.! ,, -< お前ピッチャーね )
/i.__!ヽノ ヽ..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..ノ
く/_l_,ゝ
r'/ .i_l
,.ー.、
J| | ||)
__ l__ll,
 ̄''ー-'‐-..,__ `γ⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒⌒⌒ヽ
( タマネギ投げるんすか? )
ヽ._,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,.ノ
λ
,r' `⌒⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒^⌒⌒ヽ.
( 食べ物で遊ぶのよくないんじゃ )
ヽ._,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,..、_,.、_,ノ
- 300 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:28
-
./ .r''´ ,i' l ゙i l l, i r'⌒i、_r'⌒i、_r'⌒i、_r'⌒i、_r'⌒i、_
' / ,i' l l ゙i l, i / )
,r' ,r' l l ゙i ゙i, i ( いいか久住、よく聞け (
,i' ,i' l l ゙i ゙i, i ) )
.r' ,' ,i' l i, ゙i, ゙i, i ( (
l l' ,i' .l l, ゙l, ゙i、 i ) これは遊びじゃない )
i' r' i, l, ゙l, ゙i、 i ∠、 /
i' i' ,,___ ゙i, ゙i、 ゙i、 .゙i, i し'^`し'^`し'^`し'^`し'^`し'^`し'
l | ゙゙゙ー::,, .゙i, ゙i、 ゙i、 . ゙i、 i
. l .| `ー::;;,,,. ゙i、 、 ゙:、 、 、 ゙i、 ヽ ゙i, i
l | i_/_, , ' ゙i, ヽ 、 , l
. l゙i | _´ i, 。`i'、 ,.-i'''''''・´、, | r'⌒i、_r'⌒i、_r'⌒i、_
| `| ' ,-,、.,''.._.,,! .く___ ー-゚,rヾ | ノ )
| | ''!'''~` l と´ 真剣勝負だ (
| ,l ,|´ ヽ、 )
| i. i'.| し'^`し'^`し'^`し'^'´
|. ,i. ,' .|
. | | i, ,' |
.,| | i, 、 ,i' .|
.| | i, ` '´ ,i' |
|. | i、 /. .|
| ゙i, ..,, ...,,,,,_,,,..__ ,r' l |
| i、 ゙゙``ー-‐'''''`゙゙゙'' ,r' .| |
. | :i, `-、_ _,,-' ,r' .| |
|. | ゙i, `´ ,r'´ | |
. |. | ゙i.、 ,r' .| |
|. ,l `ー-..,_____,,,...- ''´ | |
- 301 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:28
-
,. -――- 、,
,..'´ `゙ヽ
( なるほどー )
''-..,,_ _,,..-''
`゙y'´ _______
, ー-、 ,.-''´ `ヽ、
〃〃ハヽ ,.'´ っていいのかな ヽ
(´ゥ` o从 -< )
,く| |_l. ゙:、 納得しちゃって… ノ
((,)),---'i,l `:-、_ _,.'
lニl~lニl  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(___l l___)
,λ,、λ,、λ,、λ,、
χ χ
,.-――、 i^li γ よし、いいぞ χ
〃 ヽ, | l| χ χ
| || || |l | l| `γ゙´γ゙´γ゙´γ゙´
l (lVl | l|
l l ン | l| ,λ,、λ,、λ
l, , , l`tt----⌒`i χ χ
l |_|――‐i-i.' γ 投げろ χ
l / |;;|;| χ χ
l .i |;;,!;! `γ゙´γ゙´γ゙´
- 302 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:28
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,,..--――――――――--..,,
,..-''´ ゙゙-..,,
,.:''´ ゙:、
| うーん、あまり気が進まないけど… |
| |
| |
゙i, 行きますよー .i'
`゙゙―-..,,_ _,,..-―''´
`゙゙―-..,,_ _,,..-―''´
`ヽ/´
_
,,'´ `゙i,
|| || || .l
」 ‘ |) .|
ゝ | l |
`ー ,| l !
/⌒ メ, ,し
l___ i,
| | ll
| | .ll
| l | l
/ ./__l l
l ) | ,メ,
`ー'___ll(..))
| |l ´゙``
| .||
l ,l.l
l | l
| .l .l
| | |
|_,,.-+ ''l
/ .l |゙::゙::
(___,!-::'゙::゙::゙::
::゙::゙::゙::゙::゙::゙::゙::゙::゙::゙::゙
::゙::゙::゙::゙::゙::゙::゙::゙::゙::゙::
::゙::゙::゙::゙::゙::゙::゙::゙::゙
- 303 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:29
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,ノ,.ヽ、 --..,,,___
(( ( ) )) ''--..,,_
´' ' ゙ ' ` ー、_ `
~゙
- 304 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:29
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,. ー- 、
〃〃ヽ i
パキョ (VvV川
. . ,;--i^^) i,ゝ.
/,/ ,.  ̄.~l____lヽ,ヽ、
(()) く/_l_ゝ`ー'
´'゙` .| | | |
|_,.l .|__|
(_l .{_`i
,,..---一 -- 、, ,. -―――――――-、
,r'' ヽ、 ,.' ゙i
/ ゙i、 l あ、長ネギ折れた |
i' i ,ゝ ,!
i' l l l i  ̄`:―-----------―''´
| l .l l |
| l l l |
| l l .l |
| l l l .|
- 305 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:29
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. ,. -‐ ) ,'_..
〃〃 ゚ヽ`
J|i:.VvV)
i:_,/ヽ、 i)
i:. ヽ .ヽi,
ぐ.__i__ヽ._,)
i:. l.i:. l ヾ l;i;l
i:._| i:._| ノノ
. i:.___):.__,) `´
__
゙,ニニ'; ,. -''´ ` - 、
,;、 r' ヽ,
((_)),, i' i、
´゙` l i l
| | | l l
| | | | !, l
i ヽ | l .: .|
l | .| .| |
l | | .| |
ウ | .| .| |
`.、_ .| | .| |
| l | .|
,r''| | | |
,i'´ ,ノ ,! ,.! !i,
,i' ゙i,
- 306 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:29
- ,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、,.、
┌' `┐
`ーく こはるぅ〜!!! とうとう罠が完成したと〜!!! ゝ
└.、 ,┘
`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'´`'
l;l;l
, ノノ
,.-- 、 (()) ;ニニ! `'
γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ. 〃〃ハ
( 返しておいて ,ゝ J|VvV)
ヽ._______,ノ ιl.___,i,!⊃ ,...._
く/__;_;、ゝ 〃ハヽ
, /_/ ヽヽ. (´ゥ`;从 ,.‐〜〜〜〜〜-、
`ー゙ ゙ー'゙ (lつとl) -< 絶対に無理 )
l;;;._;;;.! `ー〜〜〜〜〜'´
,! | ,! |
`゙゙ .`゙゙
- 307 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:32
- コテハン推奨って誰かが言ってた
- 308 :名無し娘。:2006/09/23(土) 00:41
- みんな名無しで書いてんだよな
- 309 :名無し娘。:2006/09/23(土) 01:12
- 激ワラ
- 310 :名無し娘。:2006/09/23(土) 01:44
- 向こうも見てるんで反応してたw
や、面白いってばwww
- 311 :名無し娘。:2006/09/23(土) 20:57
- れいなキャワス
- 312 :こんミキ:2006/09/23(土) 21:42
- 川o・-・) <ガッタスの試合を観戦ってのも新鮮な感じがするなあ。
从VvV)<あれ、紺ちゃんなんで来てるの?
川o・-・) <気分転換に見に来ることも許されないんですかそうですか。
从VvV)<別にそんな事言ってないじゃん。大学受験に向けて準備できてる?
川o・-・) <完璧です!!
从VvV)<さすが紺ちゃんだね。
川o・-・) <美貴ちゃんも大学受験すればいいのに。
从;VvV)<いや、それは絶対に無理だからっ!!
- 313 :名無し娘。:2006/09/23(土) 23:20
- 絶対に無理だあああああああああああああ
- 314 :ムクロニ:2006/09/23(土) 23:40
-
リアライズ
- 315 :_:2006/09/23(土) 23:41
- のんの体が宙を舞う。
ウチがとっさに伸ばした手は空を切り、何の手ごたえも残さず虚空をさまよう。
のんが落ちる、その瞬間がスローモーションのように引き伸ばされていき、
ウチはその確定された未来を永遠にも等しい煉獄として味わわされる。
でものんは、のんの表情はただ一点の曇りもなくまるで慈母のような笑みを浮かべていた―――。
☆ ☆ ☆
- 316 :_:2006/09/23(土) 23:41
- 繰り返し見る悪夢。
多い時は一晩で何度も何度も同じシーンを見ることもある。
夢の原因はとても単純で、きっとどんなにヘボなカウンセラーにだってわかるはずだ。
ウチがこうして昼も夜も無関係に何もすることもなく部屋でごろ寝していること。
のんに合わせる顔が無いということ。
すべてはウチが実家で謹慎し始めてから早半年以上が経過していることに起因していた。
つけっぱなしのテレビからは毎日代わり映えのしないニュースをさぞ大事のように喚きたてる声が聞こえている。
ウチはその音を聞くでもなく、とりとめも無い妄想に身を任せていた。
もしウチが気ままなフリーターだったら、ごく普通の恋に胸を焦がしていただろうか。
もしウチがとっくに結婚して優しいダーリンがいたら、帰りを待っているだけで幸せになれるだろうか。
もしウチがただのムシだったら、何も悩まずに生きていけるだろうか。
- 317 :_:2006/09/23(土) 23:42
- そんな仮定は今自分が置かれている現状の前では全くの無力だった。
ずっと真面目に向き合うのが嫌でなるべく考えないようにしていた。
でも、そろそろいい加減答えを出さないといけない時期になってしまったのかもしれない。
段々夢の周期が早くなってきている気がするのも、多分関係しているのだろう。
結局自分は復帰したいのか、したくないのか。
やり残した事も未練も謝るべきことも山ほどある。
けれど戻って自分はまたちゃんとやっていけるのだろうかという不安がつきまとう。
まだ孤独に苛まれて皆に迷惑をかけるくらいなら、いっそこのままフェードアウトしたほうがよいのではないか。
最終的な選択はどうやらウチに任されているようだった。
ちゃんとはっきりしたことは聞いていないが、事務所としてはそういうスタンスでいるようだった。
ただ復帰すると決めたところでも、すぐにできるとは限らないというようなことも聞いていた。
- 318 :_:2006/09/23(土) 23:42
- その辺りの事を考え出すとどうしても思考は過去へ向かっていく。
それはつまり、どうしてあんな事をしたのだろうという苦い後悔だ。
ただ、多分振り返って思うに喫煙は偶然じゃなかった。
誰しも通る道だった。
退屈と鬱屈が詰まったウチらにとっては文字通り格好の憂さ晴らしだった。
多分自分が知る限りのメンバーは程度の差こそあれ、皆一度は煙草を咥えていたと思う。
だけどそれはおふざけだったり、単なる格好付けだったり他愛の無い理由がほとんどで、
本当に煙草に依存していたメンバーはいなかったし、自分だってほとんど煙を吸い込んだことは無かった。
単に自分の口から紫煙が漂っているという状態が好きだった。
いや、好きだったかどうかはよくわからない。
でも日々の言い表せない沈殿し切った汚泥がちょっとでも形になって外に出て行くような不思議な安堵感はあった。
でもそれだけのことだった。恒久的な安心なんてどこからも得られなかった。
そんなに落ち着かない日々を暮らしていたのだろか?
今となってははっきりと思い出せないけれど、とにかく何かに焦っていたのは確かだった。
じりじりと崖っぷちに追い詰められていくような焦燥感。
- 319 :_:2006/09/23(土) 23:42
- もちろんだからといって、自分のしたことを正当化するつもりは全くない。
焦っていたり、気分が沈んでいるというくらいのことでやっていいことでは無かったのはよくわかっている。
まったくもってバカなことをした。
いや、多分バカなことだとわかっていながらやった、という方がより正確かもしれない。
ウチは煙草を咥えながら、それが何を意味するかちゃんとわかっていたと思う。
わかっていたのに止めなかったのは何故か―――。
きっとどこかで誰かに止めてほしかったのかもしれない。
随分と甘ったれた考えだとは思う。
でも昔も今もウチは甘ったれた奴だった。
長い年月を経て培われた性格はちょっとやそっとのことでは変わったりしない。
- 320 :_:2006/09/23(土) 23:43
- 携帯が短く震えた。
おそらく、のんからの『定期便』だ。
ウチがこうして隠居してから、毎日ずっとメールが来る。
時間はバラバラだけど、確実に定期的にやってくる。まあ最初の頃は色々なメンバーから沢山来てたけど。
今ではのんだけが毎日よこしてくる。
正直苦しい。
でも反面、楽しみにしているところもある。
今まで騒がしく過ごしてきたあの混沌とした世界にちょっとでも繋がっているような気がするからかもしれない。
内容は大体がのん自身の出来事を羅列したもので、ウチに触れるようなことはほとんど書いてこない。
つまりほとんどが当たり障りの無い内容だ。
そもそも今までだってメールではあまりシリアスなことはやり取りしていなかった。
いや、メールだけじゃなくて会話においても本心をぶちまけたことはあまりなかったと思う。
それはウチが臆病だからというのと、もう一つはのんとの関係が一筋縄でないということが原因だろう。
- 321 :_:2006/09/23(土) 23:43
- ウチとのんはアホみたいに長い時間を一緒に過ごした。
その結果として友情とか愛情とかそんな簡単な言葉で説明がつくような関係ではなくなってしまった。
ある時はライバルであり、また盟友であり同士だった。
バカみたいにベタベタしたこともあったし、くっつきすぎてお互いに嫌気が差したこともあった。
まるで夫婦みたいだよねとちゃかされて、事実成り行きで結婚式まで挙げてしまったが、
それすらも二人の関係を適切に表しているかというとよくわからなかった。
少なくとも自分にとってのんはかけがえのない存在であり、それゆえに簡単に心のうちを曝け出したりできなかった。
そもそもそんな必要など無かったのだ。二人でずっと走っている間は。
そう、のんがいればどこにだって行けると思っていたのは間違いない。
それだけは胸を張って言える。
そんなことを考えながらだから、返信を打つのに何時間もかかることもある。
まあ別に時間には苦労してないんだけど、贅沢な時間の使い方かもしれんなあとため息をつく。
- 322 :_:2006/09/23(土) 23:44
- その時握っていた携帯が軽快な音を立てた。
最近あまり電話を受けることが無かったウチはとっさにかけてきそうな相手の顔を思いつかなかった。
しかもその時、時刻は既に真夜中だったので、ウチは少し身構えてディスプレイを見た。
そこには『こんこん』の文字が並んでいて、ちょっとほっとしたウチは落ち着いて開始ボタンを押した。
「もしもし?」
「あ、かーちゃん、おひさー。元気してた?」
「あ、うん。まあまあそれなりに。てか急に電話来たからちょっとびっくりした」
「あの、うーんとね、とりあえず窓の外見てほしいんだけど」
「窓の外?」
ウチは正直嫌な予感がしていた。
これは天気とか星とか宇宙人とかそういう他愛の無い話であってほしい。
しかし、そんなウチの健気な想いはあっさりと裏切られた。
二階の窓から外を見た瞬間目に入ってきたのは、街灯の下で大きく手を振っている見覚えのある二人組みだったからだ。
- 323 :_:2006/09/23(土) 23:44
- 挨拶もそこそこに乗り込んできた二人をもてなすために、ウチは紅茶を淹れている。
家の人は既に寝てしまっていたので、特に問題は無かったが、色々と納得のいかないものがある。
というより、懐かしさと何しに来たんだという不信感がごちゃ混ぜになった感情でいっぱいだった。
「で、何しに来たん?」
ウチは紅茶のカップを並べながら、幾分不機嫌さの混じった声で聞いた。
相手の非常識さもあったけれど、何より純粋に嬉しそうな顔をするのは気恥ずかしかったのだ。
それに呼応してマコトが待ってましたとばかりに勢い込んで説明を始める。
「えーそれがですね、まあこの度目出度く長い休暇というかバカンス? を取る事ができたうちらはですねー、
兼ねてから二人で長い旅行に行こうという計画を練っていたわけでありまして」
「まあ簡単に言えば一足早い秋の京都巡りのついでに寄った、といったところですね」
長口上になりそうなマコトを先回りして、こんこんがバッサリと話をまとめてしまった。
出番を奪われたマコトがふてくされる中、ウチは純粋な疑問をぶつけた。
「まあ、来た理由はわかったけど、何もこんな深夜に来なくてもいいんじゃないの?
家の人はもう寝てるからよかったけど、起きてたら説明するの大変だよきっと」
それを聞いたこんこんは紅茶を優雅にすすりながら平然と二本の指を突き出した。
- 324 :_:2006/09/23(土) 23:45
- 「深夜に来たのは簡単に二つ理由があります。一つはマスコミの目を避けること。そしてもう一つはすぐ寝るのによい時間だということです」
「二つ目の理由がよくわからないんだけど」
すかさずツッコミを入れるウチに構わず、こんこんは突き出した指を左右に振ってチッチッチと音を立てる。
「ある意味かーちゃんと私達は同じ問題を考えていたといえます。それは、『ハロプロに残るか残らないか』
私とまこっちゃんが事務所に今後の身の振り方を聞かれたとき、究極的にはこの問題に行き着きました」
話の流れが見えないウチはとりあえず聞くだけ聞こうと思って、無言で先をうながした。
「でも問題を与えられたところで、すぐに答えが出せるかといえばそうではありません。
それは、色々な思考や想いが結論へ向かう道をわかりにくくしてしまうからです。そして一度迷ってしまうと中々抜け出せません。
いわば袋小路だらけの迷宮を彷徨っているようなものです」
「うんうん」とマコトが妙に力の入ったうなづきを返す。
おそらくは、本人も身をもって体験したことなのだろう。
こんこんは一息ついてからまた長台詞を続ける。
「つまり現実で悩んで回答の出ないものは夢の世界で出せばいいんです。夢はそもそも無意識下での産物なのだから、
現実的な想いに惑わされることはありません。ある意味自分の純粋な気持ちがわかるのです」
なんとなくこんこんの言いたいことがつかめて来たウチは、彼女の言うところの内容をしばらく吟味して考えてみる。
すると、至極単純な疑問が浮かんだ。
「言うことはそれなりにわかるけどさ、そうそうそんな都合のいい夢を見られるわけないじゃん」
- 325 :_:2006/09/23(土) 23:45
- そこでですね、とこんこんは我が意を得たりとばかりにニヤリと笑って、細長い棒状のようなものを取り出した。
「このキセルをですね、一服すれば……」
「いらんわ!」
ウチは反射的に突っぱねた。ていうかウチにそんなもんを見せるなんてデリカシーが足りないのじゃないだろうか。
ひどくむくれたウチを他所に、こんこんはただ飄々としていて、マコトはちょっと困ったような顔をしている。
っていうかコイツらおせっかいにもウチのことをどうにかしようと思って来たのだろうか。
それって本当に余計なお世話なんですけれども。
「うーんそうなるとですねえ、多少実力行使といいますか、ちょっと痛い目に遭うわけなんですが」
しばらく考えていたこんこんは、持ってきた鞄をごそごそやってからすまなそうな声色で告げた。
その手にはどこに入っていたのか、マンガでよく見るようなアホみたいに大きなハンマーを握っている。
「あのー一応聞くけどまさかそれで殴るつもりないよね」
「はい、殴るんじゃなくて思いっきりぶっ叩きます(はあと)」
「いやそれ絶対無理、ていうか本気? ちょマコトも止めてよ!」
「意思決定には多少の痛みは付き物ですからねえ」
「多少ちゃうやん! ってか死ぬわ!」
本気で身の危険を感じたウチはとっさに逃げようとするものの、後ろに素早く回ったマコトにがっちりと掴まれてしまう。
「それでは、失礼して……よい夢を」
こんこんは妙に嬉しそうな顔でハンマーを振りかぶり、物凄い勢いでウチの脳天目掛けて振り下ろした。
そして文句も恨みも言う暇も無くそれはやってきた。
恐ろしいまでの衝撃。
目の前に無数の星が散って、ウチの意識はあっという間に闇に落ちていった……。
☆ ☆ ☆
- 326 :_:2006/09/23(土) 23:46
- 「あーあーあー、ほら起きろ加護ー」
「ねえ起きて、ってダメだこりゃ」
「しゃあないなあ、ほんじゃうちの熱いベーゼを……」
悪寒とともに緊急信号が脳に送られて、ウチは跳ね起きた。
そのまま辺りを見渡すと、やけに薄暗い空間に自分以外に三人の人影が見える。
よく見るとそれはよく見知った顔ぶれで、中澤さん、飯田さん、保田さんのプリプリピンクマイナス一だった。
「アンタ今失礼なこと考えたやろ?」
すかさず中澤さんに突っ込まれたのでウチはぶんぶんと激しく頭を振る。
逆らうとキスの嵐が降ってくるのは既にいやというほど体験済みなのだ。
「まあええか、ちゃんと起きたみたいだし。とはいってもここはアンタの夢の中なんやけど」
ウチは多分思いっきりぽかんとした顔をしていたと思う。
でも確かに夢でもなければ、いきなり目の前にオバちゃん集団がいるなんてあり得ないことだ。
それにしても、わざわざ見る夢ならもう少しましな夢であってもいいのに。
ウチはこんこんとマコトのことを恨めしく呪った。
- 327 :_:2006/09/23(土) 23:46
- 「で、何かホラ悩み事とかあるんでしょ。カオリ達お姉さんが優しく聞いてあげるから」
とカオリはくねくねしながら長いまつげをパチパチさせている。
そんなカオリを押しのけて、中澤さんがだるそうな声で言った。
「ほんなん聞くまでもないやん。コイツが悩んでることなんて一つしかあらへんやん。
なあ加護、アンタは長い間結論を保留にしてきたやろ? とにかくアンタは今ここで自分の態度をズバっと決めんとあかん」
よく理解していないままに話がどんどん進んでいく。
だけど、何を話題にしているかはよくわかる。
ウチの夢だし、こんこんにこの世界に叩き込まれたんだから、これは復帰するかしないのか、この命題に間違いない。
「ひとつ言っとくと、これはあくまで意志であってそれが実現するかどうかというのとは無関係やからな。
それを成し遂げるのはアンタの力であって、今のこの選択が全部というわけじゃない」
ウチは首を軽くかしげた。
言っていることがわかるような、わからないような微妙な気分だ。
「つまりなあ、圭ちゃんがウィンクをするやろ。したらまあオェーってなるやん。
でも全員オェーってなるかどうかまではわからん。捻くれもんはせえへんかもしれん。
ここでアンタが決めることはウィンクをするかどうか、その決断や」
よくわかったウチはこくこくとうなづく。
それを満足そうに見つめた中澤さんがそのものズバリの問いかけを切り出してきた。
- 328 :_:2006/09/23(土) 23:46
- 「で、するの? しないの?」
誤解を招くような質問だが、三対の強靭な眼差しに射すくめられて一切の冗談を受け付けない雰囲気だ。
正直めちゃめちゃ怖い。
しかし如何に無意識下でのこととはいえ、こういった形で決断を迫られるとは思わなかった。
まあ、優柔不断なウチにはこれくらいでいいのかもしれないのだが。
だからこれは答えを出すチャンスかもしれないと思った。
出すというより出してしまう、というのが正しいかもしれないが、選択を迫られて出した結論であっても、
自分の想いの一部であることには間違いがないのだ。
それに今までいくら考えても結論は出なかった。
こんこんの言っていることはある意味で正しかった。
思考の袋小路にはまっていてはいつまで経っても抜け出す事なんてできやしない。
だからウチは考えるのを止めた。
そしてただ単純な気持ちに全てを任せることにした。
未練と不安を一瞬で秤にかけた。
その刹那において片方の気持ちが上回ってゆっくりと沈んでいった。
ウチは自分の口がゆっくりと開いて言葉を発するのを他人事のように聞いた。
- 329 :_:2006/09/23(土) 23:47
- 「ウチは……復帰する。いや、したい、と思います」
三人の目が同時にギョロリと動いた。
正直ちょっとした悪夢だ。いや実際夢なんだけど。
「じゃあその覚悟が本物かどうか試させてもらうで」
中澤さんが手にした携帯で何やら誰かと会話をしている。
ウチの夢の中なのにウチが知らぬ間に話が進んでいくのは何やら歯がゆい。
そのうちに手短に話を終えた中澤さんがこっちを向いて内容の説明をしてくれる。
「アンタは今から色々な場所に行って、よく見知ったメンバーに会うことになる。その全員に認めてもらえば、
まあ私達もアンタの決意も固いと認めてやる。でも同じメンバーとはいっても、厳密な意味では同じではない。
つまり、アンタが会うのはアンタが復帰しなかった世界のメンバーってことやな」
「復帰しなかった世界って?」
あまりに聞き逃せないことをさらっと言われたので思わず突っ込んでしまった。
「そんなん文字通りの意味やん。世界は可能性の数だけバーっとあって、アンタが復帰しない世界もあるっちゅうことや。
ほんで、復帰するつもりのアンタにとって敵になるのはそういう世界の奴らってことや」
「あの、それってウチが復帰したら……」
「うーん、確かなことは言えんが、多分その世界は力を失って最悪消えるかもしれん」
「そんな……」
「まああくまで可能性やから、あんま気にせんとき。ていうかごちゃごちゃ言ってないではよ行けや」
中澤さんは色々と面倒になったのか、手を振ってウチを追い払おうとした。
カオリとオバちゃんはもう少し普通に手を振って見送ってくれている。
「じゃあ、行ってきます」
その言葉が引き金になったのか、場面が一瞬で光に塗りつぶされウチはあまりの眩しさに目を閉じる。
- 330 :_:2006/09/23(土) 23:47
- 目を開けるとそこは、メンバーのたむろする楽屋のようだった。
今にして思えば随分と懐かしい感じがする場所だ。
そこにはゴロッキの面々と久住小春が思い思いの位置で談笑したり、ゲームをして暇をつぶしていた。
ウチがたどり着いた音と気配で、七対の目がほぼ同時にこちらを見つめてきた。
刹那、軽い緊張が走ったがそれを打ち破るようにミキティがぽんぽんと手を打ち鳴らして声を出した。
「はい、ということで加護ちゃんが来たので集合ー」
呼ばれた面々は特に何事もなく、まるでダンスレッスンの時のようにガヤガヤと寄り集まる。
ウチはもっと迫害の目を向けられることも覚悟していたので、案外普通の態度で少し拍子抜けしてしまった。
もっとも矢口さんや安倍さんの前例があるので、微妙な表情を隠すのに慣れてしまったのかもしれない。
ウチは自分が昔苦労したことを思い出してちょっと心の中で苦笑した。
すると、そんな思いを打ち破るようにミキティはテキパキと話を進めていく。
「まあ結論から言うと、ゴロッキ的には小春が代表ってことで、加護ちゃんが先に進みたいなら、
小春をどうにかしてから行ってください」
「はいなー」
名指しされた小春が勢いよく前に飛び出てくる。
- 331 :_:2006/09/23(土) 23:48
- 「あのー小春ちゃんゴロッキじゃないと思うっ……」
「まーまーガキさん、固い事は言いっこ無しやん、ほら早よういこ」
れいながガキさんを宥めながら、こっちに向かってウィンクを飛ばしてくる。
ちゃっちゃとやれってことか、と気持ちを引き締めて小春を観察した。
記憶にあった頃より随分背が伸びて、体が大きくなったように見える。
それだけじゃなくて、新人の弱弱しさが剥がれてきて芸能人のオーラともいうべきものが滲み出てきていた。
なるほどミラクルの名は伊達ではないのかもしれない。
けれど、ウチはもっと凄いミラクルを起こさんといけん。
「んきゃーーーーーーーっ」
勝負は一瞬の交差で決着がついた。
無心で突っ込んできた小春の股下をかいくぐり、ウチが必殺のカンチョーをヒットさせたのだ。
昏倒した小春を介抱する愛ちゃんと重さんを尻目に、ウチはとっとと次の場所へ進むことにした。
背後でミキティを親とした賭け事の支払いが行われていたような気もするけれど、もしかしたら気のせいかもしれない。
「てゆうか親しか得してない気がするんやけど」
「えーあれ、そういえばそうかも」
「だかられいなは賭けが偏ってるって言ったと。もー何かバカみたいっちゃん」
「うーんとりあえずここは亀のせいにしよう、ね、田中っち」
「えええっ」
- 332 :_:2006/09/23(土) 23:48
- ウチは気が付くとみすぼらしい家を模したセットにいた。
自分の格好もいつの時代の子供だよ、とツッコミを入れたいものになっていて、自分がどこにいるかよくわかった。
その瞬間戸が勢いよく開いて、よく通る声が聞こえてくる。
「おう、今帰ったぞー」
ウチはやっぱり懐かし過ぎて思わず抱きつきそうになるのを抑えて、返事をしようとする。
キャラになっている限りは演じなければならない、そんな観念は身に沁みて根強く残っている。
「とうちゃん、お帰り」
「おう、ただいまだな」
向かい合って一徹と座る。いつもより一段と一徹の視線が厳しくて、何とも落ち着かない気分だ。
「それで、ひとすじ。旅に出るというのは本当か」
厳密な意味では今までずっと旅に出ていた、というのが正しいような気もするが細かいことを気にしていても仕方がない。
「はい、ふたすじと一緒にやっていくつもりです」
「あてはあるのか」
「ありません」
「じゃあ、ダメだな。わしも若い頃あてのない旅をしたことがあるが、あれは酷いものだった」
「でも」
「ダメと言ったらダメだ」
一徹はヘソを曲げてしまった。こうなったらウチの立場から何を言っても無駄である。ウチは素直にもう一人の登場を待った。
- 333 :_:2006/09/23(土) 23:48
- 「あなた、ひとすじを行かせてやってください」
「トメ子、お前は口を出すな」
「いいえ出します。だって昔あなたが旅をして倒れているのを助けたのは私ですよ」
「それとこれは話が別だ」
「別じゃありません! だってあなたが旅に出なかったら私たちは出会わなかったんですよ!」
「お前はひとすじとふたすじが出て行っても平気なのか!」
「平気なわけないでしょう! でもかわいい子には旅をさせよって言うじゃないですか」
「うううぬ、トメ子用意しろ」
「トメ子止めます!」
「トメ子止めるな!」
そしてお約束のようにちゃぶ台はひっくり返され、トメ子とウチは熱いビンタを食らってキリキリ舞をする。
ていうか何かマジで殴られてるんですけど。
仁王立ちしたままの一徹はこちらに顔を向けないまま、諦めたように溜息をついた。
気持ち上向き加減なのは、もしかしたら涙を堪えているのかもしれない。
「わかった。どこへでも好きなところへ行って来い……ただし必ず戻ってくるんだぞ」
「あなた!」
嬉しそうに寄り添うトメ子を見ながら、ウチはそっと目を閉じて次の場面を思い浮かべる。
「ついでにあのペンギンもどうにかしてやってくれ」
- 334 :_:2006/09/23(土) 23:49
- 次にウチを待ち受けていたのはごっちんで、恐るべきことにちゃんと起きていた。
何故かその格好はペンギンのような気ぐるみを着ていたが、ともすればだいこんのようにみえることもあった。
ウチの疑問が表情に出たのか、ごっちんは頭を掻きながら釈明する。
「あんまり遅いから寝てたんだけど、寝るのも飽きちゃってさあ」
飽きるほど寝たっていうのは一体どれくらいの時間が過ぎたのだろう。
正直夢世界の時間の流れ方なんてウチにはよくわからなかった。
「ごとー的には特に言う事無いんだよねえ」
そう言ってごっちんは、ぽんぽんと膝の上を叩いて手招きをしている。
どうやらそこに座れという事らしい。
ただ、気ぐるみのかさが大きすぎて真上にうまく座ることができない。
仕方がないので側面に頭をあずけてもたれかかることにした。
ごっちんはウチの頭を軽く叩きながら、ぽつぽつと言葉を綴っていく。
- 335 :_:2006/09/23(土) 23:49
- 「あいぼんさあ、何か夢とかやりたい事ってある?」
「ごとーはね、少し前にシークレットライブやったんだけどさあ、あれはかなり楽しかった」
「ライブもダンスもまだまだだって思った。まだまだやれるしまだまだ楽しめる。まだまだ過ぎだね」
ごっちんの言葉はいちいち身に沁みた。
ウチがやりたいことって何だろう。
「わかんなくてもいいんだよ、なんて言うとえらそーだけどさ。自分だって昔はよくわかってなかったし」
「なんか特に言う事無いっつったけど、なんか一杯喋っちゃった気がする」
そういってごっちんはにへらーと笑った。
ウチはその笑みがあまりにも昔と変わっていなくて、思わず懐かしい呼び名を使ってみた。
「師匠、加護は行きます」
「うむ、行ってよし!」
力強く送り出されたウチはその気合を胸に、次の場面を思い浮かべる。
背後ではごっちんがくったりと倒れてスースーと寝息を立てていた。
- 336 :_:2006/09/23(土) 23:50
- 極彩色の背景の中、やぐっつぁんが腕を組んで仁王立ちしていた。
「やっと来たか」
ウチはやぐっつぁんから感じる本気のオーラを感じて、余計な事は言わずにただ頷いた。
ただどうしてもぴょ〜ん星人の格好なので全てにおいていまいち迫力が出ない。
そんなウチの気持ちを知ってか知らずか、やぐっつぁんも自身の格好を眺めてはため息をついている。
「はぁ、ハタチを超えてまでこの格好をすることになるとは……もー絶対お前の願望が入ってるよ加護ぉ」
そういうものかな、とウチは自分の無意識に思いを巡らせてみる。
正直自分も今の歳でこの格好は結構恥ずかしかった。
「オイラはね、やっぱ自分が大事だから加護を黙って行かすわけにはいかない」
「じゃあ殴り合いでもしますか」
「バッカ、うちらが本気で殴り合ったらますますバカみたいに見えるじゃないか。それにオイラは喧嘩がキライなんだよ」
「それじゃどうします?」
「そりゃお前、この格好だけにゲームで勝負するんだよ」
- 337 :_:2006/09/23(土) 23:50
- 目の前のスクリーンに突如として何やら画面が映し出される。
どうも大分デフォルメされていたがそれは対戦テトリスのようだった。
「最近なっちとはまっちゃってさー。オイラ相当やり込んだんだよね」
「ふうん、じゃあこりゃ負けちゃうかもしれませんね」
「かも、じゃなくてオイラが絶対勝つかんね……じゃ三本勝負で」
実のところバラしていなかったが、ウチは膨大な暇をいいことに最近の流行のゲームはかなりやり込んでいた。
しかも自分で言う事じゃないけれど、ウチは無駄に器用なのだ。
一本目は様子を見ながら行って、カウンター気味にぼこぼこ盛り上げて勝利。
二本目はやぐっつぁんも慎重に来たけれど、やっぱり問答無用に盛り上げて終了。
呆然としているやぐっつぁんを弄るのも可哀想なので、そっとしておいたら案の定ぐれて床にのの字を書いている。
「ほら勝ったんだから早く行けよー」
「親びん、ありがとうございます」
ウチがそう声をかけてもやぐっつぁんは振り向いてくれなかった。
- 338 :_:2006/09/23(土) 23:50
- 急に開けた場所に放り出されたウチは、広大な空間を見渡す。
どこまでも広がる青空。辺り一面のトウモロコシ畑。
それらを呆然とただ眺めていると突然背後から振り返る余裕も無く、いきなり抱きすくめられた。
「もー心配したっしょー」
体全体が柔らかくって暖かくって甘い匂いのするものに包まれる。
ウチは娘。のメンバーの中でこんな感触を持っている人はたった一人しか知らない。
「安倍さん」
「なんだべ」
まるで太陽のようだと称されたその微笑みは相変わらずとても優しかった。
そういえばこの笑顔を取り合ってのんと争ったこともあったっけな、と唐突に懐かしく思う。
しばし感慨に耽っているウチを優しく揺すりながら、耳元で静かに話し始めた。
「なっちはさ、結構前にいろいろあったっしょ。その後戻ってきて仕事始めた時ね、
そん時もうやっぱりすっごいすっごい辛くてさあ……。加護にはね、そういう辛いの味わってほしくないんだよ」
安倍さんの言う事は痛いほどよくわかった。
自分とて、戻ってきた安倍さんに対しては、なかなかちゃんとした態度がとれなかったのだ。
のんやガキさんは比較的同じように接していたけれど、他のメンバーもだいたいはちょっと壁を作ったような感じになった。
今度はウチがそういう扱いを受けるのだろう。
それにウチは耐えられるのだろうか。
たとえ耐えられなくても、もう何かに逃げることは許されないのだ。
ウチはゆっくりと自問自答する。
でも、既に答えの方向は決まっていた。
- 339 :_:2006/09/23(土) 23:50
- ウチは乾いた唇をそっと舐めて、それから返答を返す。
「やっぱりのんに会わなきゃいけないしそれに……」
「ん、何さー?」
「あんな、ウチはおませだからお母さんのすることはみんなしたの。化粧とか料理とか全部。
結果とか良い悪いとか考えなかった。そんで、お母さんには負けたくなかった。だからダメだって言われてもやると思う」
「なっちはお母さんかい。まだそんな歳じゃないと思うんだけどなー」
「へへっ、おかあーさん」
「うわーなんかくすぐったいっしょー。やめてよもー」
言いながら安倍さんはとても嬉しそうに笑っていた。
ウチもつられてケラケラと心から笑った。
もう随分とこんな風に笑ったことは無かったように思った。
まだまだ笑えるじゃん、と思ったら心が物凄く軽くなった。
吹き抜ける風がとても心地よかった。
ひとしきり笑いあって、それから安倍さんはウチに向き合って、ウチの目を真っ直ぐに見据えた。
「あいぼん、ののをよろしくね」
- 340 :_:2006/09/23(土) 23:51
- そしてウチはのんの姿を見た。
どこか懐かしい感じがするステージにただ一人立っていた。
これは、ウチらが初めて二人だけで立ったステージだ。
そのステージだけが切り出されて、余計なものは何も無かった。
端から見下ろした方向には本来あるはずの床さえ見えなかった。
ウチはのんの数歩前で立ち止まり、ただのんを見つめた。
もう随分長い事会っていなかったような気がする。
お互いに言いたい事は山ほどあったけれど、何一つとして言葉にならなかった。
「あいぼん……」
やっとのんがかすれた声を出した。
「あいぼん、のんは、のんはっ!」
一度声を出したのんは、叫ぶように次々と声を出していった。
感情が高ぶってきたのんは、呼吸を荒くし始めてゆく。
過呼吸の兆候かもしれない。
- 341 :_:2006/09/23(土) 23:51
- けれど、ウチはのんに近寄って抱きしめていいのかわからなかった。
自分に対して後ろめたさもあった。
そして中澤さんの言う事を信じれば、『自分が復帰しなかった』世界ののんはどのみち助けられないとも思った。
それはただの言い訳に過ぎないと知りながらもウチは一歩も動く事が出来なかった。
「のんは、ずっと待ってた」
その言葉はどんな言葉より深くウチの胸をえぐった。
ウチはこの世界ののんを裏切っているのだ。
その世界でのんはどれだけの想いを抱えてきたのだろう。
ウチには謝る言葉の一つも思いつかなかった。
「あいぼんは、ここを超えれば帰ってくる」
魘されたように呟きながら、のんはじりじりとステージの端へ後退していった。
その足は震えて膝も笑い、今にも倒れこみそうだった。
ウチはもう声を上げて抱きとめようとした。
まさにその時、のんはどこから出したかというほどの大声を上げた。
ウチはビクっとして行動を止めてしまう。
「だから―――」
そしてのんは自らステージの端から奈落へと身を躍らせた。
- 342 :_:2006/09/23(土) 23:51
- のんの体が宙を舞う。
ウチの伸ばした手は届かない。
ウチもそのままの勢いで落下していく。
繰り返し体験した場面が頭の中に激しくフラッシュバックした。
いつもいつもいつもいつも助けられなくて後悔ばかりしていた。
いつものんの愛情に助けられてばかりだった。
結婚式を挙げた時、のんを守ってやろうと思った。
たとえ『敵の』のんでも自分の目の前からいなくなるのは耐えられなかった。
あの時、のんを守ってやろうと思った、その思いには一片たりとも嘘偽りはなかった。
二人ならどうにかなる。
それにこれはウチの夢なんだから、どうにかできる、できるだろう?
ウチは心から願った。
願いの成就を祈った。
- 343 :_:2006/09/23(土) 23:52
- 気が付くと、ウチの右手はのんの足を掴んでいた。
ウチの方が遅く落ちたのに、普通はそんなことはあり得ない。
でも確かにちゃんと手ごたえを感じることができる。
つまりそれは、普通じゃない事が起きているということ。
のんの背中から片翼の羽が生えていた。
その羽がわずかな浮力をもたらしているのだ。
ウチの想いは歓喜に弾けた。
そのとたん、自分の背中にも熱い感触を感じた。
肩甲骨の辺りから急速に盛り上がって広がっていくものがあった。
今ではゆっくりと落下するだけになったウチらはお互いに手の届く距離にあった。
そのまま両手をしっかりと握り合わせる。
互いの体温を、鼓動を、存在を痛いほど感じることができる。
ウチらはやっぱり二人で一つだった。
最初からわかっていたことが、今さらになってちゃんと信じることができた。
のんの目がすぐ目の前にあった。
のんの瞳孔に映っている自分の姿が見えた。
のんの目を通してみた自分の顔はもういまにも泣きそうで見ていられなかったけれど、
一言伝えるまではちゃんと泣かずに頑張ってそして、
ごめんね―――。
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