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ときめきモーニング Act.2

1 :サボリン:2004/05/10(月) 15:07
 
 普通の高校2年生であった□□○○は転校を一ヶ
月後に控えたある日、 ひょんなことから暴走族の抗
争に巻き込まれる。藤本、後藤、松浦が率いる族同
士の3つどもえの争いに.巻き込まれた○○。彼女た
ちが追っているのは さゆみんという特別な能力を持
つファティマであった。



                     後藤と○○の協力を得て.さゆみんを獲得したか
                   に思われた藤本、 しかし手に入れたのはえりりんと
                   いう別のファティマであった。 どさくさに 巻き込まれ
                   る中、藤本の部下紺野とえりりんに.自宅を占拠され
                   た○○は、 えりりんの秘密を知って 驚くのであった。
                     そんな折、 クラスメイトの石川、後輩の高橋と親
                   しくなった○○は.飯田という生徒会長の経営する喫
                   茶店「北風」で不思議な噂を耳にする。
                    一方、安倍にボコられて気が立っていた矢口はひ
                   ょんなことから.小人化し、 ○○に助けを求めてくる。
                   中澤に助けを求め収束を見た矢口だったが、 安倍
                   と矢口の闘いは続くのであった。



  落ち着く暇もないまま、 ○○は辻加護の麻薬取引
の現場に立ち会うことに。 .関東を占める斉藤組の事
務所に向かう辻加護石川○○。そこに現れた真のボ
スは先日別世界で殺したはずの松浦だった!
 松浦の情けでなんとか5千万もの大金を手にした辻
加護。しかし高橋の裏切りにより大金を奪われる。高
橋と共に辻加護に追われる○○は、海外逃亡を企て
るが、湯治に行く途中の中澤矢口につかまってしまい、
越後湯沢までを共にする。 辻加護に居場所をつかま
れた高橋は偽のバッグを渡してごまかそうとする。 .し
かし、そのバッグを持って逃げたのは中澤矢口であっ
た。 ここでも加護、中澤、高橋の三つどもえの闘いが
始まっていた。
 

2 :サボリン:2004/05/10(月) 15:08
 
                     高橋と共に逃げようとしていた矢先、 妹の里沙の
                   危篤をきいて家に帰る○○。  里沙はゴジラと化し、
                   家を焼き、さゆみんを求めて消えていった。
                     紺野たちはいよいよ さゆみんを巡る謎に迫ろうと
                    していたのだ。 紺野に連れられ松浦の部下の斉藤、
                   後藤と争う○○、 ついには.れいなと絵里とみうなと
                   共に、さゆみんへのゲートをくぐるのであった。
                     しかし着いた先は60年代の海辺の町。そこで絵里
                   とれいなは 漂着したさゆみんを助けて、親しくなるの
                   だが、それもつかの間で現実に戻る○○たち。
                    現実に戻って保健室で目覚めた○○の横にはさゆ
                   みんが横たわっていた。 ついにさゆみんを現実世界
                   に起こしてしまったのだ ! しかし、さゆみんはディー
                   プキスをしなければ覚醒はしない。  とまどう○○は
.                   とりあえず学校を出るが、すぐさま後藤に見つかって
.                   しまう。



  再び後藤、紺野、斉藤の抗争に巻き込まれる○○。
環状七号での猛烈な追走劇を逃れ、○○はついにさ
ゆみんにキスをして覚醒させるのだった ! これでさ
ゆみんの主になった○○、しかし覚醒したさゆみんは
人格がほとんどない白痴であった。
  さゆみんを連れて追われていた○○は高橋と再会
し今度こそ海外逃亡を決意する。 そのために学校に
隠した金を取りに行く高橋と○○。  しかし、そこに待
ちかまえていたのは 中澤矢口安倍とそれを追う辻加
護石川であった。
  隙を見て校庭に逃げた○○であったが ヘリで上空
から攻めてきた斉藤につかまる。  .さゆみんにもう一
度キスをして.眠らせるように迫られ、 とうとう観念する
○○であったが、 その時一発の銃声が響き渡る!!
  さゆみんをねらって撃った後藤の弾が みうなの頭
を貫通したのだ!!. みうなの痛みがさゆみんを刺激
する!! ついにさゆみんは力を発動させ、 大爆発を
起こすのであった。
 

3 :サボリン:2004/05/10(月) 15:09
 
                     大爆発から皆を守るため、 絵里とれいなは力を合
                   わせて学校ごと瞬間移動を試みる。
                     難を逃れた○○であったが、なぜか今度は大正時
                   代に紛れ込んでしまった。 .高利貸しの妾・美貴、良家
                   の娘・愛、その奉公人のあさ美の間で揺れ動く○○で
                   であったが、嵐の晩に現実世界に引き戻される。



   しかし、現実に戻ってきた○○を待っていたのは
さゆみんによって破壊された後の地球、.人類が絶滅
した未来であった。
  学校ごと未来に飛ばされてしまった○○たち。 今
まで対立してきた者たちも、 生きていくために協力し
あうことになった。雑用部隊に配属された○○は、み
うなの死体処理や 松浦監禁、 用水路建設を任され、
5日間の激務に耐えて、.ようやく水路を完成させるの
だった。.また、藤本と対立して森に籠もっていた斉藤
達は、弱っていたところを加護に発見されて半殺しの
目にあう。 結局は斉藤達も藤本らと共に学校で生活
をすることになる。
 仕事が落ち着いた○○は、 れいなと共に探検に出
かけて温泉を発見する。 .その帰り道、力を失い人間
になってしまったれいなは 転んで大けがをする。 慌
てて れいなを背負って学校へ向かう○○であったが、
一人の不思議な少女と出会い、 れいなの傷を治して
もらうのだった。



                      食料も徐々に揃うようになり、ようやく生活にゆ
                   とりが見えてきた藤本たちだったが、 不測の事態が
                   起こる。 監禁していた松浦がさゆみんの石を持って
                   逃亡したのだ!松浦討伐隊として南に向かう○○た
                   ち。.飯田の手引きで湖に着いた○○たちを待ってい
                   たのは、.石の力によってほとんど自我が崩壊した松
                   浦であった。
                    松浦と藤本の因縁の対決が再開する!.しかし、恐
                   怖の力を手にした松浦は高橋、亀井、紺野を次々と
                   虐殺し、その手を○○にも向けようとしていた。 だが、
                   そこに不意に現れた人影。。さゆみんが現れたのだ。
                   さゆみんは生きていたのだ! さゆみんによって助け
                   られた○○だったが、 藤本は既に息絶え、4人の死
                   を目の当たりにした○○はショックで泣き崩れる。
                    と、そこに見知らぬ少女が2人現れ、彼女たちは死
                   んだ4人のうち2人だけを生き返らせてやると.提案す
                   る。そこで○○の下した決断は!?
 

4 :サボリン:2004/05/10(月) 15:10

前スレ

ときめきモーニング
http://www.omosiro.com/~sakuraotome/live/test/read.cgi/bbs/1063174437/

5 :サボリン:2004/05/16(日) 18:32
.














 

6 :サボリン:2004/05/16(日) 18:33
 









        藤…本…






                                   絵里ちゃ……









 

7 :サボリン:2004/05/16(日) 18:34
.
















 

8 :サボリン:2004/05/16(日) 18:34
 





・・







・・・




トントン

部屋をノックする音が聞こえた。
「はい」
「よかった、起きてた」
入ってきたのは妹の里沙だった。
「どうした?」
「お兄ちゃんに頼みごとがあるの」
「なんだ?」
金なら貸さないぞ、と心の中で呟いた。
「転校のこと、まだ誰にも言わないでほしいの」
俺は少し拍子抜けした。
「そんなことか。でもなんで?」
「今言ってもあと1ヶ月あるし、みんなが気をつかうでしょ」
「…まぁそうだな。そうしようか」
俺が承知すると里沙はありがとう、といって自分の部屋に戻っていった。

高校2年生の初夏。オレは親の仕事の都合で引っ越すことになった。
この街とももうお別れ。もちろん、今の学校からも転校する。
転校まであと1ヶ月。短い間だけど、
モーニング高校での生活を有意義に過ごしたい。

明日からも今まで通り過ごそう。
転校まで思いっきり楽しむんだ。。

 

9 :サボリン:2004/05/16(日) 18:35
 



・・



「お兄ちゃん、おはよう!」
寝坊した俺が階段を降りてくると里沙はもう既に家を出るところだった。
「お兄ちゃん、ちゃんと朝ごはん食べなきゃだめだよ。
 昨日食べなかったでしょ。倒れるよ」
いつも母親みたいなこといいやがって生意気だ。
「それと、昨日のこと、よろしくね」
「ああ、わかってる」
「そう。じゃあ行ってきます!」
里沙は元気よく飛び出していった。
あいついつも学校に行くのが本当に楽しそうだよな。
きっと、俺なんかよりずっと辛いんだろうな。
おっと、こんなこと考えてる場合じゃない。遅刻してしまう。
朝食を抜こうかとも思ったがなんとなく気が引けて、
俺はパンを口の中に放り込むと急いで家を出た。バタン!
 

10 :サボリン:2004/05/16(日) 18:36
 
と、

「あ、先輩…」

玄関の前に絵里ちゃんが立っていた。

絵里ちゃんは中等部の後輩だ。
近所だから朝の登校で一緒になることが多く、
見つけたらお互いに声をかけて一緒に学校に行く、そんな関係だった。
でも、今日みたいに玄関で待ってるなんて初めてかも。。

「え、絵里ちゃん?、どうしたの?」
「あ、おはようございます、
 あのぉ今日、お弁当作りすぎちゃって、、
 良かったら先輩にもらってもらおうかと思って…」
そう言って体をくねらす絵里ちゃん。。
「そうか、ありがと、
 でもそういうことなら電話してくれれば良かったのに…
 絵里ちゃんまで遅刻しちゃうよ?」
「えへ、いいんです!」ぴょん。
「良くないよ、さ、早く走っていくぞ!」スタタ…

「あ先輩、待ってぇ〜」グイッ。
と、絵里ちゃんが制服の袖を引っ張る。
「走ったらせっかくのお弁当が崩れちゃいますよぉ…」
「・・・ったく、しょうがないなぁ」スタスタ。
「人生焦っても始まりませんよ、
 ゆっくり行きましょうよゆっくり」
「・・・ああ」


・・

と、絵里ちゃんのペースに乗せられて
たらたらと歩いていたら、当然のように遅刻した。。

ガラガラッ

「お、おはようございます…」
「おい、遅刻やで。あんた、今月で確か3回目やんなぁ。
 罰として今日の放課後は1人で教室掃除!」と、中澤先生。
「ええ!?」
「そんな顔しても無駄やで。はよ席着け。出席とるでー」
俺は仕方なくとぼとぼ席に着いた。
みんなが俺を見てくすくす笑う。

ちくしょう・・・
でもま、絵里ちゃんのお手製弁当が食べれるんだ、よしとするか。。
 

11 :サボリン:2004/05/16(日) 18:36
 

なんて感じで一時間目の授業が終わって、休み時間、

プルルルー、と携帯が鳴る。
おっと電源入れっぱなしだったか、、授業中にならなくてよかった。。

「もしもし?」
「あ、こちら××署の者ですが、藤本様でしょうか?」
「ええっ!?」

・・・はっ、藤本か。。
またしょっ引かれたのか。

「あ、はいそうです、藤本ですが?」
「藤本○○さんですね、お宅の美貴さんなんですが、
 昨晩遅く××駅で自転車をですね、盗んじゃったみたいなんですねぇ」
「あっ、またですかぁ〜、すみませんすぐ行きます!」
「あーそうですか、じゃよろしくお願いしますねぇ」ブツッ。

・・・ちくしょう、藤本のヤツ。。
前に一度、K察にパクられたとき、
藤本の兄貴だと偽って迎えに行ったことがある。
あの時は藤本のロッカーから偽造した社員証持ってったんだっけ。。

あの時の社員証…。。ガサゴソ。
良かった、机の中にまだあった。ガタッ、スタタタ。

…って、なんでオレが授業抜け出し身分を偽り
変装までして藤本を迎えに行かなきゃならねーんだ?

オレはブツブツと文句を言いつつ学校を出た。。

 

12 :サボリン:2004/05/16(日) 18:37
 

・・


「本当に、申し訳ありませんでした!」ペコリ。

「・・・これからは気をつけて下さいねぇ、
 こういうのは家族の問題でもあるんですからァ」
「はい!ようく言い聞かせます!
 こらっ、美貴!お前も頭を下げなさい!!」ガシッ。
「申しわけ、ありませんでしたァ〜」ペコッ。


頭を下げまくって警察を出るオレ、と藤本。。

ステステ・・・


「…ったくあのタコ、ざけんなよォ!」
「おまえなぁ…」
「チャリんこ、ちょーっと借りただけじゃねーかよ、
 あーあ、指紋までとられちまって、まるで犯罪者だぜ」
「立派に犯罪者だろっ!!」

「…っ、……○○ぅ、…悪かったよ、
 今日はすまなかったな、…恩に着るよ」 ショボーン…
「い、いや、反省してるならいいんだけどさ…」

 

13 :サボリン:2004/05/16(日) 18:37
 

とぼとぼ・・・

「しっかし、まだ5月だってーのにあちーな、
 あーあちあち、あちーよぉ」 ぱふぱふっ。
そう言って藤本は制服のシャツを胸の辺りで前後に揺らす。。
「…そうだな、…ムネがおっきい女の子とかは大変だろうなぁ」
「ァんだとー、そりぁどーゆー意味だよ?」ギロッ。
「い、いや別に」
「そうだ、今からホテル行こっか?、確かめさせてやるよ?」
「なっ、なに言って…」
「ハハ、じょーだんだよバカ!」 バコッ。
「……って!」
「いやでもさ、どっかのサ店で休もうぜ、
 昨日はロクに寝れなかったからよォ」
「ていうか美貴さんや、…学校に行きましょうよ?」
「いーじゃん、つきあってよ?」 モジモジ
「あのなぁ・・・」

藤本も困ったヤツだ。。
オレだって連絡もなしに学校を出てきちゃったんだから
早く帰らないと中澤先生に怒られる。
あ、それに学校に絵里ちゃんのお弁当を置いたままだ。
このままフケたら食べれなくて絵里ちゃんに悪い。
今から帰ればちょうどお昼には間にあうけど。

どうしようか。。




1 藤本につきあってフケる。
2 学校に戻る。
 

14 :名無し娘。:2004/05/16(日) 22:49
1

15 :名無し娘。:2004/05/17(月) 00:01
2

16 :名無し娘。:2004/05/17(月) 00:54


17 :名無し娘。:2004/05/17(月) 01:54
1

18 :名無し娘。:2004/05/17(月) 04:41
2

19 :名無し娘。:2004/05/17(月) 12:58
2

20 :sage:2004/05/17(月) 16:34
2

21 :名無し娘。:2004/05/17(月) 18:35
1

22 :名無し娘。:2004/05/17(月) 19:04
2

23 :名無し娘。:2004/05/17(月) 22:12
2

24 :名無し娘。:2004/05/17(月) 22:57
1

25 :名無し娘。:2004/05/18(火) 01:21
1

26 :サボリン:2004/05/18(火) 06:28
↓で決定

27 :名無し娘。:2004/05/18(火) 07:19
1

28 :サボリン:2004/05/22(土) 12:44
 

「しょーがねーなぁ、
 オレ学校に荷物置いたままだから午後には戻るぞ」
「うん…ヨシ、じゃーオレがおごってやるよ、ついてこーい!」 ピュー
「ちょっと待て、あちーなら走るなよ」スタタ…


・・


カ ラ ン


「いらっしゃいませー、お客様2名様ですか?」
「はい」
「喫煙席と禁煙席がございますが、どちらになさいますか?」
「禁煙席で」と藤本。

ド サ ッ

「っこらしょっと!」
オヤジ臭い声を出して藤本がドカッと腰掛けてメニューをとる。

「…なんだよ、さんざ歩いて結局ジョナかよ?」ドサ。
「しょーがないじゃん、美貴がおごんだからさ」 パラッ…
「人におごらせるときは、ルノワールとか珈琲貴族とか
 場違いなところに行かせるくせによー」
「うるへー」 ズズ… パラッ…

「そりゃそうと藤本、煙草止めたのか?」
「…うん最近な、だって○○、煙草いやがんだもん」 チラッ
「えっ、…ああ、そうか」 パラッ。
・・・なんだかオレのために煙草を止めたみたいな言い方だな。。

「ほらっ、さっさと選べよ、1000円以下だよ!」
「ああ、うん、
 …じゃオレは、、パンケーキにフリードリンクセットで」
「なに、お腹減ってないの?」
「ああ、あちーからな」
・・・実はまだ絵里ちゃんの弁当が気になってるオレ。。

「じゃ美貴は、タンドリーチキン&メキシカンピラフにすっかな
 ドリンクは○○のヤツ飲ませろよ?」
「せこいなー」
「うるへー」 ズズ…

 

29 :サボリン:2004/05/22(土) 12:45
 

・・


「おまたせ致しました〜、
 パンケーキになります」カチャ。
「はい、どうも」
「……」

「…んじゃ、お先にいただこうかね〜」
「オレにもくれよー」 モジモジ
「…ああ、ちょっと待って」 キコキコ。
「シロップかけてやる」 ドボドボッ!
「あっバカッ、なに全部かけてんだよっ!」
「なんで?いーじゃん甘くて」
「ちょっとずつ上にかけるのがうまいんだろー、
 こんなんじゃシロップが下に来てハンバーグのタレみたいじゃねーか!」
「細かいこと言うなよ」 モグモグ
「ていうかオレより先に…」
「甘っまー、○○、ちょっとコーヒー持ってきて」
「えっ、あ、うん」 スタスタ。

・・

「ほらよ、っておい、人のもんバクバク食うなよっ!」
「なんで?お腹減ってないって言ってたじゃん」 モグモブ
「パンケーキぐらい食えんだよ、もう食うなよ!」がーど。
「…けち」


と、藤本の注文したのが来た。

「おまたせ致しました〜、
 タンドリーチキン&メキシカンピラフになります、
 以上でご注文の方はお揃いになりましたか?」
「はい、どうも」

「おーやっと来たか、いったらきまーす」 はむはむ。
藤本は嬉しそうにピラフを口に運ぶ。
目つきが怖い藤本も、食べてるときはうさぎみたいでかわいいんだよな。。

「あっ辛っ、○○っウーロン茶、早く!」
「あ、うん」スタスタ。

 

30 :サボリン:2004/05/22(土) 12:46
 


・・


適当に2時頃までだべった後、店を出ることになった。
レジで会計をすませる藤本。

「こちら××商店街協賛の福引き券になります、
 ありがとうございました〜」

「なんか福引き券もらったぞー」
「へー」

 カ ラ カ ラ ン

「なにこれ、四枚で一回引けるって書いてあるけど
 三枚しかねーじゃん、使えねー」パラッ
「どれどれ、
 …ホントだ、500円ごとに一枚もらえるんだな」
「やるよそれ、○○があと500円分なんか買ったら一回できるだろ?」
「ああ、ありがと…」
「そんかわり一万以上のブツが当たったら山分けだからな」
「…うん」

「さてと、そろそろ帰って寝るわ」
「ああ、オレも学校に荷物とりに行かなきゃ」
「…じゃ、ここで」
「ああ、またな」スタスタ。

「…○○っ」
「ん?」 クルッ
「今日はありがとね、助かったよ」
「なんだよ、らしくないな」
「オレは…これでも感謝してるんだからなー」
「わかってるよ、今度はつかまるなよ」
「…うん」
「またなんかあったら電話しろよ」
「…うん」
「大丈夫か?」
「大丈夫だよ、ねみーんだよっ、じゃーな!」クルッ、スタスタ。
「…ああ」

 

31 :サボリン:2004/05/22(土) 12:47
 

・・


学校に戻るともう2時半で5時間目の授業が終わったところだった。
オレは鞄と絵里ちゃんの弁当を持って教室を抜け出した。
6時間目をサボって弁当を食うことにした。。

人気のない体育館裏で弁当を広げて食い始める。

「うん、うまい」 モグモグ。
「ほんとですかー?」
「うん、うまいよ最高…って絵里ちゃん!?」 ゴホッ
「えへ、ぴ〜す」 ビシッ。
「絵里ちゃ…ゴホッ…っ、なんでこんなとこにいンの?」
「お弁当の容器返してもらおうと思って
 校門の前まで来たら、先輩の姿が見えたんで」
「あ、そう…」
「先輩こそ、なんで今頃こんなとこでお弁当食べてるんですか?」
「いやちょっと昼休みは忙しくてさ」

「そうですか…。
 …横、すわってもいいですか?」
「え、ああ、うん」モグモグ。
「…悪くなってないですか?」 ストン
「ううん全然、ホントおいしいよ」
「よかったぁ、早起きしてつくった甲斐がありました」 にこ。
「絵里ちゃんて意外に料理上手なんだね」
「えへ、今度はマンゴープリンをつくってあげますね」
「うん、楽しみ」モグモグ。

絵里ちゃんはオレの横に座ったまま
オレが食ってるのをじーっと黙って見てる。。
「なに、なんかついてる?」
「うふ、先輩をウキウキウォッチングです」 にこ。
「ああ…、そう…」
「えへ」 じーっ。。

・・・絵里ちゃんは時々変わってるんだよな。。
・・・なんか食べづらいけど、ま、かわいいからいいか。。モグモグ。。
 

32 :サボリン:2004/05/22(土) 12:48
 

・・


「ごちそうさまー、、さてと、
 そういや絵里ちゃんはもう授業終わったんだよね?」
「はい」
「…じゃ、一緒に帰ろうか?」
「はい!」 しゅた。


オレと絵里ちゃんは先生達に見つからないように裏門から学校を出た。


「あは、先輩、先輩と一緒に帰るのって初めてですね」てくてく…
「そうだっけ?」
「そうですよー、朝は一緒に行くことありましたけど
 帰りは初めてですよ」
「そっか」

 てくてく…

「あ、絵里ちゃん、ちょっとCD屋よっていいかな?」
「もちろん、問題ナッシングですよ、何か買うんですか?」
「うん、今日さ、平家みちよのベストアルバムの発売日なんだ」
「平家?、誰ですかそれ?、雅楽かなんかですか?」
「いや、バリバリポップスなんだけど、…そうか知らないか」
「あは、先輩って音楽通なんですね」 にこ。
「ハハ、・・・まあね」

 

33 :サボリン:2004/05/22(土) 12:48
 

 カ ラ カ ラ ン

「いらっしゃいませー」

「ほら、これだよこれ、絵里ちゃん知らない?」サッ。
「…さよなら狂っぷー?
 ベストアルバムにしては変なタイトルですね」
「…まぁね、、そういや絵里ちゃんは普段どんな音楽聴いてんの?」
「えーっ、…そんなことぉ、…恥ずかしくて言えませんよ!」くねっ
「えっ、…まーいいけどさ」 ・・・何が恥ずかしいんだろう。。


…オレは一人でレジに向かった。
そういやCD買うのなんて久しぶりだよな。
最近はほとんどレンタルで借りて焼いてたし。。
新品のCD買うなんてレンタル屋にもヤフオクにもない場合だけだよな。。
ってレンタル屋にもヤフオクにもない、みっちゃんって一体。。

「ありがとうございましたー」チャラ。
「・・・はっ、どうも」チャリ。
「あとこれ、××商店街協賛の福引き券です、
 2500円分で五枚あるんで一回できますね、どうぞ」サッ
「あ、どうも…」

・・・あ、…これってさっき藤本からもらったのと一緒だ。
藤本の分と合わせると、、二回引けるな。…よし、ついでに行ってみるか。

「あ、絵里ちゃんお待たせ」
「いいえ、もういいんですか?」
「うん」

 カ ラ カ ラ ン

「あとさ、福引き券もらったからついでにやってこうと思って…」
「いいですよ、運試しですね!」

 

34 :サボリン:2004/05/22(土) 12:49
 

・・

「ここか…」

商店街の一角に福引き用のブースがみすぼらしく建っていた。

・・・賞品はどんなのがあるんだろう。。なになに、、


 六等
     [ ティッシュ ]

 五等
     [ タオル ]

 四等
     [ CD券 ]

 三等
     [ 韓国キムチの旅 ]

 二等
     [ 仔犬 ]

 一等
     [ HP Compaq Business Notebook nx9005 コンボドライブモデル ]
     [ CEC ベルトドライブ方式CDプレーヤー TL-51Z MkII ]
     [ ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル ペア宿泊券 ]


「…い、いんた〜ごっちん?」
「有名な高級ホテルですよ」
「へー、よく知ってんね」
・・・ノートPCと、食事もついてない単なるペア一泊券が同じ一等って、
そんな高級ホテルなのか? …まいっか、どーせ当たんねーだろうし。。
 

35 :サボリン:2004/05/22(土) 12:49
 
「じゃ、二回分あるんでお願いします」パサッ
「はい、どうぞ、頑張って下さいね!」
インドネシア系のかわいい女の子が受け付けてくれた。
まだ中学生くらいに見えるのに、こんなところで働かされてるとは。。
「・・・どうも」

・・・よーし、やるぞォ。。

「はァぁああっ!!、…なんか来い」 ガラガラッ

 ポ テ ン …

「大当たり〜、六等のティッシュ一箱です、
 おめでとうございますっ!」 カランコロン

「・・・あ、どうも」 ショボーン

「もう、先輩、なにやってんですか〜、
 今度は絵里がやってあげますよ!」 がっつ。
「いや、ちょっと待て、絵里ちゃんがやって…
 もし、いいもんが当たった場合、権利関係が複雑になる」
・・・オレはふと、藤本の券も混ざってることを思い出した。

「え、ちゃんと賞品は先輩にあげますよ?」
「それなら…って、けちで言ってんじゃないよ、
 こういうのはシビアにやった方がいいと思うんだけど…」
「んもう、絵里にやらせてくださいよ、得意なんですから!」ぴょこ。
「う〜ん」

どうしよう。。




1 絵里ちゃんにやらせる。
2 責任持って自分でやる。
 

36 :各無し墓集中。。。:2004/05/22(土) 17:04
1に決まってんだろ

37 :名無し娘。:2004/05/22(土) 21:26


38 :名無し娘。:2004/05/23(日) 02:35
1

39 :名無し娘。:2004/05/23(日) 09:29
1

40 :名無し娘。:2004/05/23(日) 14:23
帝がかわいそうなので2

41 :名無し娘。:2004/05/23(日) 15:29
1

42 :名無し娘。:2004/05/24(月) 01:47
1

43 :名無し娘。:2004/05/24(月) 23:52
2

44 :サボリン:2004/05/28(金) 23:25
 
「わかったよ、じゃー絵里ちゃんにやってもらおうかな…」
「やったー、まかせて下さいっ!」
・・・ま、どーせたいしたもんは当たらねーだろ。。

「お願いしますっ!」ぴょん。
「はい、どうぞ」にこ…。

「う〜、はぁァ〜、
 ……out…loud……umbra…」 ガラガラガラガラッ…
妙な呪文を唱えながらグルグルとガラガラを回し続ける絵里ちゃん。。

「…photon!」 ガラッ…


 … ポ ト ン 。 。


「…お!?」
「出ましたか?」

「大当たりィ〜、ホントのホントに大当たりィ〜!!」カランコロン…

「おめでとうございます、一等賞でーすっ!」カランコロンカランコロン。。


「やったーっ、先輩当たりましたよ当たりましたよっ!」だきっ。
「…ああ」
「一等ですよっ、先輩、ねっ?ねっ!」ぶんぶん。
「あ、ああ…」

…たしか藤本は一万以上のがあたったら山分けって言ってたよな。。
絵里ちゃんは賞品はオレにくれるって言うだろうけど
はいそうですか、ってもらうわけにはいかないだろ。。
福引き券はオレのでも当てたのは絵里ちゃんなんだしな。
いや、だから初めのはずれたやつの4分の3が藤本の分で
今の当たった分は全部オレの券だったと考えれば遠慮無くもらえるわけで…
いや、それはあまりにも都合良すぎる考えだ、藤本に悪い。。
ここは正直に話して3等分にするか、って3等分するためには
さばきやすい賞品を選ばなきゃだな、うん、ノートPCなら楽にさばけるか……
 

45 :サボリン:2004/05/28(金) 23:25
 
・・

「先輩っ!!」
「えっ?」
「絵里が当てたんですよっ、すごいでしょ!?」
「…うん、すごい」
「んもう、…もっと喜んでくれると思ったのに…」 しゅん。

「あ、ごめん、驚いてボーっとしちゃっただけ、
 ホント絵里ちゃんすごい、ありがとう!」
「…えっへん、絵里のおかげだぞっ!」
「はっ、ありがとうございますっ、
 絵里さま、いえエリザベスさまーっ!!」ペコリ。
「うふ、よしよし。」
「ははーっ」ペコリ。

「ふふ、…じゃ先輩、賞品は何にします?」
「そうだな…ノートPCをもらってそれを…」
「あのー、すみませんお客様、一等の賞品なんですが、
 先に出ちゃったのがあって、もう一個しか残ってないんです…」
「え?、…というと?」
「インターコンしか残ってないんです、すみません…」
「あ、…例のいんた〜こんこん。。」
「……」

「よろしいでしょうか?」
「…あ、はい」 …宿泊券か。。うまくさばけるかな。。
「……」モジモジ。
「二等の仔犬ならまだ残ってますけど、それにしますか?」
「いえ、いんたーこんで結構です!」
・・・犬なんて宿泊券より売るの難しいよ。。

「はい、ではどうぞ、こちらになります
 お二人でごゆっくりお楽しみ下さいませ〜」パサッ。

「あ、どうも…」
それにしても、ませた女の子だな。。
と、絵里ちゃんが横で真っ赤な顔をしてうつむいていた。
「……」 かーっ。。

・・・あ、なんかすごい勘違いしてる。
オレはそんなやましい気持ちはないぞ。
これを売って三人で分けようとしてること、ちゃんと説明しないと。。
 

46 :サボリン:2004/05/28(金) 23:26
 
「絵里ちゃん、実はオレ藤本と…」
「えっ!」
急にビックリして離れる絵里ちゃん。。
「え、絵里ちゃん?」
「……」 かぁぁーっ。。
「さっきの券なんだけどさ、オレ藤本と…」

「もういいですっ!」
「…え?」
「ごめんなさい、絵里…一人で勘違いしちゃって…
 恥ずかしい…、先輩には…藤本さんがいたんですね…」
「…え?、なんのこと?」
「あの…、失礼しますっ!」 ステテテ ピュー…
「ちょっと待…」

絵里ちゃんは急にすごい勢いで走って、角を曲がっていった。
オレは慌てて追いかけたが見失ってしまった。
体育祭の女子800M走で2位になっただけあって速いな。。

「絵里ちゃん…」
・・・・絶対勘違いしてる。しかも二重に。。どうしよう。。
説明するにも、あの様子じゃこっちの話を聞かせるのに一苦労しそうだ。
しばらくして落ち着いてから話すか。

…とりあえず家帰って相場調べてヤフオクで売るか。。



・・



と、家に帰ってもらった宿泊券を見てみると、、
なぜか日にちが指定されてあった。。六月二日だ。。

・・・んな、あと四日しかないじゃん。…無理だ。
こんな急な出品で、しかも日にち指定の宿泊券なんて
買ってくれるヤツは到底いそうにない。。
…ダメだ。。オレはもう出品を諦めてベッドに横になった。

・・・こんなことなら仔犬でももらっとけば良かったかな。。

 

47 :サボリン:2004/05/28(金) 23:27
 



・・




ボーっと過ごすうちに四日経ち、六月二日になってしまった。

オレはとぼとぼと一人で学校から帰る途中。。


…あれから絵里ちゃんは朝の登校中に姿を見せない。
会ったらこの前のことを話そうと思ってたのに、
もしかして避けられてるのだろうか。。
そろそろこっちから連絡して説明しなきゃダメだな。。

そう言えば藤本も学校に来てなかった。
また捕まってんじゃねーだろーなぁ。。

…それよりも、悔しいのはこの宿泊券だ!
結局さばくこともできず、一緒に泊まるような相手も見つからず、、
あと数時間で10万相当の宿泊券が水泡に帰すわけだ。。
一人で泊まるか?・・・・って、つくづく自分が嫌になってきた。。


なんてことをたらたら考えてるうちに家に着いた。。

ふとポストをのぞいて郵便物を取り出すと、
オレ宛のピンクの封筒を見つけた。。絵里ちゃんからだ。
ん?、切手が貼ってないところを見ると直接持ってきたみたいだな。。

 ビリビリ。 パラリ…

 

48 :サボリン:2004/05/28(金) 23:28
 

『 □□先輩へ


  この前は本当にすみませんでした。
  先輩が藤本さんとつきあってるなんて全然知らなくて
  今まで馴れ馴れしくしてごめんなさいです。

  でも、絵里もいろいろ大変で、冷静になれなかったんです。
  実は、絵里、お見合いをするんです。
  亀井工業所(お父さんの会社)の経営が苦しくて、
  今どき、政略結婚させられそうなんです…。
  お父さんは「会うだけ会ってみなさい、会って嫌なら断ればいい」
  と言ってたけど目は真剣でした。絵里は断りたかったけど、
  お父さんに「つきあってる人でもいるのか?」ときかれて、
  なんにも言えなかった。

  …そのとき、頭に浮かんだのは先輩の顔でした。

  絵里はやっぱり先輩のことが忘れられません。
  絵里は先輩のことが好き。
  先輩は絵里にとってエアコンみたいな人…。

  わがまま言ってすみません。
  絵里にはまったく希望なしですか?

  もし、少しでも希望があるなら、絵里を迎えに来てくれませんか?
  絵里はやっぱり知らない人と結婚するのは嫌なんです。
  パンパシフィックホテル横浜の「おしどり」というお店で
  今日の7時から相手の人と会うことになってます。

  P.S. 急いで手紙を書いたのでまとまってなくてすみません。
      もしこの手紙を読んだのが7時以降だったら気にしないで下さい。
      先輩がこの手紙を読むか読まないかは、運にまかせたかったのです。


                                           絵里より 』

 

49 :サボリン:2004/05/28(金) 23:29
 

・・・ぬァんだってェエ!!

お見合い!?
しかも今日の7時って…あと2時間もないじゃん!!

絵里ちゃん、、そんな事情があっただなんて。。
……オレのことをそんなに想ってくれていたなんて。。

応えてやらなきゃいけないよな。。
でも、お見合いをしてる所に迎えに行くってことは
絵里ちゃんのお見合いをぶっ壊すってことで、、
行くからにはそれなりの責任をとらないといけないよな。

オレは絵里ちゃんのことは好きだけど
お見合いをぶっ壊して絵里ちゃんの将来を変えてもいいほどに
好きなんだろうか。。

いい加減な気持ちで迎えに行くなら行かない方がましだろう。。


と、短時間にいろいろ考えていたとき、

プルルルー と携帯が鳴る。 藤本からだ。。

「もしもし?」
「……」
「…どうした?、藤本?」
「……っ…○○ぅ〜」
なんだか声が震えている。…泣いてるみたいだ。。

「…どうした?、大丈夫か?」
「…○○ぅ、ごめん…、いつも迷惑かけて…」
「なに言ってんだよ、またつかまったのか?」
「…ちがうよ、お母さんが…」
「…ん?」
「美貴は…、……ヒクッ、…いない方がいいのかな…」
「なに言ってんだよ、そんなことない、しっかりしろ!」
「…美貴は、やっぱ○○がいないとダメだよ…」
「……藤本…、…今、どこにいるんだ?」
「……横浜…駅」
「横浜駅のどこ?」
「真ん中らへん…」
「わかった、すぐに行くから待ってろ!」ブチッ。
 

50 :サボリン:2004/05/28(金) 23:30
 
藤本の様子が明らかにおかしかった。
…なにがあったんだろう。。
あんなふうに泣いてる藤本なんて見たことない。…バタン!

オレは急いで家を出て駅に向かった。

はぁっ、はぁっ。

・・

…電車を乗り継いで京浜東北線に乗って、一息つく。。


…しかし、なんでみんな横浜なんかにいるんだ。。みんな…?
・・・って、あーっ、絵里ちゃんのことすっかり忘れてた!


…どうしよう。

藤本と会ってたら完全に絵里ちゃんのお見合いには間に合わない。
ていうかそもそも、藤本と会ってから行くとか、
そういうあいまいな気持ちで迎えに行くべきじゃない。
絵里ちゃんの真剣な気持ちは文面から十分に伝わってきた。

藤本にしたって、なんか大変なことがあって、
それなりに考えた末にオレを頼ってくれたんだろう。

だからオレも今、
真剣な気持ちで、絵里ちゃんか、藤本か、
どちらか一人を、責任を持って選ぶべきなんだっ!!


…あと20分で横浜駅に着く。…今のうちに心を決めておかなきゃ。

どうしようか。。





         【1】 絵里ちゃんを迎えに行く!

         【2】 藤本を迎えに行く!

 

51 :名無し娘。:2004/05/28(金) 23:48
2で。

52 :名無し娘。:2004/05/29(土) 01:08
1de

53 :名無し娘。:2004/05/29(土) 03:22
1

54 :名無し娘。:2004/05/29(土) 08:24
2

55 :名無し娘。:2004/05/29(土) 18:13
1

56 :名無し娘。:2004/05/29(土) 19:46
1

57 :名無し娘。:2004/05/29(土) 20:11
1

58 :名無し娘。:2004/05/29(土) 22:53
2

59 :名無し娘。:2004/05/30(日) 00:05


60 :名無し娘。:2004/05/30(日) 00:42
1

61 :名無し娘。:2004/05/30(日) 00:43
いち

62 :名無し娘。:2004/05/30(日) 12:26


63 :名無し娘。:2004/05/30(日) 17:17
2

64 :名無し娘。:2004/05/30(日) 17:25


65 :名無し娘。:2004/05/30(日) 18:33


66 :名無し娘。:2004/05/30(日) 21:48


67 :名無し娘。:2004/05/30(日) 22:50
1

68 :名無し娘。:2004/05/31(月) 01:11
2ニィ

69 :サボリン:2004/05/31(月) 12:33
1でいきます。。

70 :名無し娘。:2004/05/31(月) 23:08
2

71 :サボリン:2004/06/02(水) 22:10
 
よし、決めた。
絵里ちゃんを迎えに行こう!

オレはそう決意し、ドアの前に突っ立って流れる景色を見た。
ビルやマンションが沢山建っている…。
この中にはたくさんの人がいて、いろんな人生を背負って
それぞれが夢や目的を持ってみんな必死に生きてる。
なんでこんなにたくさんの人がいるんだろう。

こんなにたくさんの人の中から
絵里ちゃんや藤本と知り合えたなんて奇跡だ。運命なんだ。。

…でも、オレが今絵里ちゃんを選んだのは運命じゃない。
いや運命かも知れないけど、オレが自分で選んだ新しい運命だ。

・・・そんなことをボーっと考えながら電車に揺られ、、
横浜が近づいてきた。。パンパシフィックホテル横浜は
一駅先の桜木町で降りた方が近いみたいだ。

・・

横浜駅について電車が止まり、ドアが開く。

プシューゥゥ。

・・・と、正面のホームに藤本が立っている。。

「あっ、○○っ!」 スタタタ。
満面の笑みで藤本が駆け寄ってくる。

「…藤本」

「ありがと、来てくれて、
 …って、なに突っ立ってんの?」

「藤本、ごめん、
 オレ、これからどうしても絵里ちゃんに会わなきゃいけないんだ」

「えっ、どういうこと?」

「…ごめん」

 ぱりらぽんぽん ぴらりらりらぽんぽん…

間抜けな音楽が発車を知らせる。

オレが電車を降りない様子を見て藤本の顔色が急に沈んだ。
 

72 :サボリン:2004/06/02(水) 22:10
 

「藤本…オレ…」

「…ふふ、…あっはははっー、ひっかかってやんの!
 あんなのウソだよ、ハハ、なに真剣な顔してんだよバカ!」

「…?」

「暇つぶしにからかってやろーと思ったのによー、
 ハハ、…用があんならいいよ、またな○○!」ニッ。

「藤…」

  プシュゥゥゥ… ガシャン!

ガラス越しに見える藤本の調子づいた笑い顔。

でも眼は泣いてるように潤んでオレを見ていた。

オレも藤本の目を見返す。

電車が走り出してしばらくすると、
藤本は目をそらし、逃げるように階段に消えていった。。


…藤本。。…すまん。
やっぱオレたちは恋人みたいな関係は似合わないよ。
お前の痛みはわかるけど、それをオレが背負ったら
お前はお前じゃなくなっちまう。

オレは絵里ちゃんを選ぶ。
今度会うときは、また気軽にバカ話しようぜ、藤本。。
 

73 :サボリン:2004/06/02(水) 22:11
 

なんて考えてるうちに桜木町に着いた。
駅前の地図をたよりにホテルまで走り出す。

なんだか妙に人混みができてて、右に左に人を避けながら走った。

・・

ホテルに入ると一階に「おしどり」はすぐに見つかった。

「いらっしゃいませ」

「…あの、亀井といいますけど、少し遅れまして…」
「はい、亀井様ですね、
 別室で皆様お待ちでございます、どうぞこちらに」

…うまく、兄貴と間違えられたようだ。

「こちらです」ススス…

案内された部屋に入ると、一同の視線がオレに集まる。

「…なんだねぇ、君は!」

「…絵里ちゃん」

「……先輩っ!」 しゅた。
和服姿の絵里ちゃんが立ち上がってこっちにくる。

「こらっ、絵里!、…ん〜君は誰だっ、失礼な!」
絵里ちゃんのお父さんらしき人に怒鳴られる。
 

74 :サボリン:2004/06/02(水) 22:11
 
「□□○○と言います、絵里さんを迎えに来ました」
「なにィ、迎えに来ただとぉ、…貴様、絵里とどういう…」
「お父さん、絵里さんは道具ではありません、
 絵里さんには絵里さんの人生があると思います」
「な、なにィ、貴様、わかったようなことをぬかしおって!」ガタッ。
と、お父さんが立ち上がる。

「パパ、やめてっ!
 この人は絵里の好きな人、絵里を迎えにきてくれたの!」
「お前は黙ってろ!」
「あなた、絵里の話も聞いてみたら?」
「ええぇい、黙れ黙れっ!」ブンブン。
お父さんは仲介に入るお母さんにとりつく島も与えず、
声を震わせてかぶりを振った。

「…お父さん、もっと絵里さんのことを考えてあげて下さい」
「…っ、貴様にお父さんと呼ばれる覚えはないっ!
 せっかくの見合いを台無しにしおって、叩きだしてやる!」
グイッ、とオレの襟元をつかみ拳をあげるお父さん。。
オレは殴られるのを覚悟した。

「やめてっ!」 ドンッ。

「うわっ!」 ドシン。

絵里ちゃんのタックルでお父さんが吹っ飛んで壁にぶつかった。

「…絵里、お前」
 

75 :サボリン:2004/06/02(水) 22:12
 
「そんなに会社が大事なの!?、…いつもいつも、会社会社って、
 パパにとっては絵里よりも会社の方が大事なんじゃない!」

「…そんなことはない」
「だったら、絵里の話を聞いてよ…
 絵里はこの人が好きなの!、絵里は…この人と結婚したい!」
「…本気なのか、絵里…?」
「…うん」
絵里ちゃんは涙を流しながらも強い眼でお父さんを見つめて肯いた。

「……君は、君はどうなんだ?」
「僕も本気です、お父さんと同じように僕も今、
 絵里さんの人生を動かそうとしています、
 絵里さんが僕についてきてくれるなら、
 責任を持って絵里さんを幸せにします!」
「……先輩」ぽゎぁ。

「………」

「……わかった、娘はくれてやる、
 …そのかわり、一度でいい、
 …うばって行く君を、…君を殴らせろっ!」


  ボ カ ッ !!


「ぐげっ!」 ドシン!

・・・痛ってーーっ、、結局殴るのかよっ!!

「先輩っ、大丈夫!?」スタタ。
「…ああ、でも良かったね、絵里ちゃん、
 お父さんが許してくれて…」
「うん、ありがとう先輩、ありがとう」
と言って絵里ちゃんはオレに抱きつきながら涙を流した。
 

76 :サボリン:2004/06/02(水) 22:13
 

「さ、絵里ちゃん、行こう!」
「はい!」

 「あ、こら待て、どこへ行く…」


シュタタタ。。二人はお父さんを振りきって店を出た。。


外に出てみると人混みはさらに増えてごった返していた。
何やら祭りをやってるようだ。垂れ幕には「横浜開港祭」と書いてある。
近くのバンドがサウンド・オブ・サイレンスなんかをコーラスしてた。

「う〜ん、人がいっぱいだね」
「はい、…あの…絵里、着物だからどっかで休みたいです…」
「あ、そうか…」
絵里ちゃんは慣れない着物を着て走って疲れてしまったようだ。
…勢いで店を出てきちゃったけど、無理があったかな。。

と、絵里ちゃんが急に立ち止まる。

でかいビルが目の前に見える。・・・変な形のビルだな。
なになに、…ヨコハマグランドインターコンチネ…〜、、

「こ、これが、いんた〜こんこんか…」 でーん。
「……」
「あ、そうだ、例の券、今日のだったんだ!」
「……」
「…あ、…絵里ちゃん、この前のはホント誤解だよ、
 あの福引き券に藤本の分も混じってたってだけだよ
 だからホントは賞品を売って3等分しようとしてたんだ」
「…なんだ、そうだったんですか、
 じゃ、藤本さんとはつきあってなかったんですか?」
「うん、全然」
「あは、よかった!」
「ハハハ…」

「……」
「………」

「…せっかくだから入ろうか?、宿泊券もあるし…」

「……はい」

 

77 :サボリン:2004/06/02(水) 22:14
 

オレと絵里ちゃんは恐る恐るホテルに入った。


カウンターに宿泊券を出して説明すると普通に部屋に案内された。
どうやら部屋まで指定されていたようだ。。

「こちらになります、…夕食は各階の……
 ……、………、非常口……、では、ごゆっくりお過ごし下さいませ」

 バタン。

ボーイさんが部屋を出て行って二人だけになった。

「うわぁ、すごーい、先輩、すごーい!」
「…ああ」

・・・確かに凄かった。だてに一泊10万もしてるわけじゃないな。。

24階、ハーバースイート…、
リビングルームとベッドルームにバスルームがあって、とにかく広い。
ベッドルームの窓際には一段上がったステージがあって横浜港を見渡せる。
家具や飾りも豪華で、オシャレな観葉植物が飾ってあった。。

「素敵…、絵里…、こんなの初めて…」 そわそわ。

「キャハ!、ベッドもふかふか!」 ボフン。

「絵里ちゃん、こっちに来てみなよ、海が見えるよ」

「ホント…、きれい…」

日の落ちた横浜港に船が並び、対岸の街の灯りが海を照らしていた。
二人は寄り添って横浜の海を黙って見ていた。。
 

78 :サボリン:2004/06/02(水) 22:15
 
と、何故かいきなり花火が始まった。

 ひゅぅぅ〜ん、 バン! ババン!

「…花火、、…え?どうして?」
「…そういや、なんか祭やってたからそれでかな…」

 ひゅぅぅ〜ん、 バン! バン!

「きれい…」
「…うん」
花火を上から見るのなんて初めてだ。。

 ひゅぅ〜ん、 バン…

「…夢みたい」
「…夢じゃないよ」

そう言って二人は向き合った。
花火が絵里ちゃんの瞳に映って綺麗だ。
絵里ちゃんは瞳を閉じて唇をすぼませる。。

「…真面目にキスしていいの?」
「んもう、先輩、ムードを知らない人ね」キッ。
「…ハハ、ごめん」スス…
「…ぁ」
オレは絵里ちゃんに優しくキスをした。

軽く舌を入れてみると、
「…ぁ」
と、小さな声をあげて絵里ちゃんが驚く。
いったん離れて絵里ちゃんの顔を見ると
酔ったように目をつぶって口をだらしなく開けていた。

「ハハ、八重歯がかわいいね」
「…ぇ?」 ぱち。
「…ここの八重歯…」 ちゅ…
「…ぁ」
オレは再び絵里ちゃんにキスをした。

ムードに酔ったのか、今度は絵里ちゃんも舌を入れてきた。。
 

79 :サボリン:2004/06/02(水) 22:16
 
「先輩…、着物、…脱がせて…」
「…うん」

そう言えばさっきから帯が邪魔をしていて抱きにくかった。。
絵里ちゃんの背中にまわって苦労して帯をほどく。

帯がスルスルと重みで落ち、着物を脱いで襦袢姿になった絵里ちゃん。
密かに「お代官さまーっ」っていうのをやってみたかったのに。。

…白の襦袢姿の絵里ちゃんは、、なんかホントに結婚初夜って感じだった。

「うふ、恥ずかしー」ふわっ。
と、絵里ちゃんはベッドにもぐって見えなくなってしまった。。

「こらっ、待て」
オレは反対側からベッドにもぐりこむ。
手探りで絵里ちゃんを探して襦袢をつかむ。 もそもそ。
「やっ!」
「ハハ、つかまえた」 ふぁさ。
「……」

ベッドの中で絵里ちゃんと見つめ合った。。

「先輩、絵里のこと、好き?」
囁くような声で絵里ちゃんが言う。
「…うん」

「…ちゃんと言って」
「…オレは絵里ちゃんが好き。」
そう言ってまた絵里ちゃんにキスをした。すると、

「やさしく、…してね」
と言って、絵里ちゃんはスルスルと襦袢を脱ぎ始めた。
「…うん」と、オレも服を脱いで絵里ちゃんの横に寝た。
 

80 :サボリン:2004/06/02(水) 22:16
 
やさしくキスをしてから静かに首筋へ唇をずらす。
「…ぁ」
脇の下から乳首へなぞって指を這わせると、
生き物のように胸がびくっと弾んだ。
「…ぁ」
「…絵里ちゃん、綺麗だよ」
「……」 かぁーっ。

やさしく乳房を手のひらに含むと、早鐘のような心臓の鼓動が伝わってくる。

お腹から股関節に沿って徐々に下部に手を伸ばす。。


 ………。


「…いくよ?」
「…うん」

 スス…

「…ぁ」

 ススス…

「…あっ!」

「大丈夫?、痛い?」

「はぁっ、…ううん、大丈夫」
「…無理するなよ?」
「大丈夫だからっ、…っ、…先輩、ちゃんとやって!」

 「うん…」


  ……。


「…ぁ、…ぃ」

「はぁっ、…はぁっ」

  「…ぁ、…ぁ、…ぁぁぁ!」

     「…はぁっ、はっ、…ぅっ…」 …。

                「……ぁっ…」 ……。
 

81 :サボリン:2004/06/02(水) 22:18
 

「…ふぅ」 ボフッ。。



・・



「……先輩、気持ち、良かった?」 しなっ。

「…うん、…絵里ちゃんは?」
「…うん、あったかかったよ…」
そう言って舌を少し出して笑う絵里ちゃん。。

力の抜けた笑顔がたまらなくかわいい。
汗で少し濡れた髪が顔にかかっている。

オレは絵里ちゃんの上に乗っかって、
腕を立てて上から顔を見ながら髪をなでた。
ハハ、意外におでこが出てるんだな。。

「…不思議、前にもこんなこと、あったような気がする」
「…うん、オレも」

「先輩…、ううん、…○○っ!
 ……絵里のこと、大切にしてね」

「ああ、…絵里、…好きだよ」

そう言ってまた、オレは絵里ちゃんにキスをした。。




・・




 

82 :サボリン:2004/06/02(水) 22:19
 


・・・・朝だ。。


・・・あのまま、オレも絵里ちゃんも裸のまま眠ってしまったみたいだ。

オレは絵里ちゃんを起こさないようにベッドを出てシャワーを浴びた。

出てきてバスローブを羽織って髪を乾かしていると
絵里ちゃんがむくっと起きあがる。

「・・・あ、先輩、おはようございます」 むにゃ。
「うん、おはよう」

「あーっ、もうお風呂入っちゃったんですかーっ!」
「うん?」
「もーっ、一緒に入ろうと思ってたのにっ!」ぷん。
「…あ、ごめん」
「絵里を置いてけぼりにして先にお風呂はいるなんてムードない!
 …起きたときに横にいて、チュッってして欲しかったのにーっ!」 ムキーッ。
「チュッって…、…朝は口臭いよ?」
「んもういい!」スタスタ。

そう言って絵里ちゃんはバスルームに消えていった。
 

83 :サボリン:2004/06/02(水) 22:19
 
一時間ほどしてやっと絵里ちゃんが出てきた。

「・・・お風呂もすごかったねーっ、
 バスローブも気持ちいーし、ちゃいこーっ!」 ボフン。
と、絵里ちゃんはベッドに倒れ込んだ。・・・のぼせたのか?

「絵里ちゃん、朝飯どうしようか?
 こういうところで頼むとバカ高いだろ?
 散歩がてらにコンビニまで買いに行かない?」 ふぁさ。
「えーっ、ちょームードなーい、
 こんな豪華なホテルに泊まってるのにコンビニで朝ご飯?」 むくっ。
「だってさ、高いだろ?」
「絵里はホテルのモーニングコーヒーが飲みたいよー」 くねっ。

「…うにゅう。。」

・・・なんか絵里ちゃん、いきなりわがままになったな。
絵里ちゃんは藤本とは違うと思ってたのに
内面は同じ性質があるような気がしてきた。

このまま将来も尻に敷かれるような悪い予感がしてきた。
ここは男の方に指導権があることをビシッとわからせるべきか、
それとも絵里ちゃんの言うことをきいてやるか。。

どうしよう。。




1 コンビニですませる。
2 ホテルの朝食を頼む。
 

84 :名無し娘。:2004/06/02(水) 23:50
昔のときモニを読んでた者なんだが、まだやってるのかと思って覗いてみたら全然違う路線でビビったw
でもこっちのほうがずっとおもしろい。サボリンがんばってくれ

2

85 :名無し娘。:2004/06/03(木) 09:16
>>75

「……わかった、娘はくれてやる、
>  …そのかわり、一度でいい、
>  …うばって行く君を、…君を殴らせろっ!」


親父の一番長い日ワロタ

2で。

86 :名無し娘。:2004/06/03(木) 12:24
2de

87 :名無し娘。:2004/06/03(木) 14:06
おねだりされたら勝てませんっ
ってことで2

88 :名無し娘。:2004/06/03(木) 14:35


89 :名無し娘。:2004/06/03(木) 17:42
2

90 :名無し娘。:2004/06/03(木) 22:09
2ニィ

91 :名無し娘。:2004/06/05(土) 17:01
ttp://noid.s43.xrea.com/apuroda/img/up3893.jpg
この画像見たら何故かこのスレを思い出した

1で

92 :名無し娘。:2004/06/07(月) 22:48
2

93 :名無し娘。:2004/06/08(火) 14:25
2

94 :名無し娘。:2004/06/08(火) 19:53
2でお願いします。

95 :名無し娘。:2004/06/09(水) 20:49
2

96 :サボリン:2004/06/09(水) 21:58
 
「しょーがねーなぁ、ホテルの頼むか…」
「やったぁー、○○大好きっ」 ボフッ。
「あ、冷てっ、濡れた体で抱きつくなっ」 にげ。

「……んぅー。」 ショボーン。

絵里ちゃんは口をとがらせて拗ねている。

「いや、だって服が濡れちゃうじゃん…」
「…ふん」と、そっぽを向く絵里ちゃん。

「…悪かったよ、なんでも頼んでいいから機嫌なおして」
と、オレは後ろからバスタオルで絵里ちゃんの髪の毛を包んだ。 ぽんぽん。

「…ふん」

と言いながらも、絵里ちゃんはメニューをとって楽しそうに選んでいた。
その間オレは必死に絵里ちゃんの髪の毛を乾かしていた。。


・・


注文が決まったようで、絵里ちゃんがフロントに電話をかける。

「……、……あれ〜、でないよ?」

「…間違えたんじゃないの?」
「そんなことないもん!」
「ちょっとかして」カチャ。


 ピコピコ……、ピピ…、 ………、 ……、


「・・・ホントだ、出ないな」

・・・どっかの安い民宿じゃあるまいし、
フロントが出ないってどういうことだ?

……その後2回かけ直してもフロントには通じなかった。
 

97 :サボリン:2004/06/09(水) 21:59
 

「しょうがねーな、ちょっと見てくるよ」
「うん」
「なんかあったのかもしれないな、もしかしてテロとか…」
「やだ…」
「ハハ、冗談だよ、ちょっと待ってて」

 バタン。  シュタタタ…



・・・と、フロントに着いたものの、、…誰もいない。。


   シ ー ン 。


…おいおいどーなってんだ?
…まさかマジでテロじゃねーだろーな。。

オレは様子を探ろうと恐る恐るホテルの外に出た。



      し ぃ ー ん …



・・・静かだな。。

ハハ、都心の朝は意外に落ち着いてるもんだな。。

…って、んなわけねー!!

平日朝8時の横浜に、人っ子一人いない、
車一台通らない、、ぜってーおかしい!!
昨日だって祭りであんなにたくさん人がいたのに!!


・・・夢でも見てるんじゃないか?そうなのか?

もしかして、昨日絵里ちゃんと寝たのも、あれも夢??

…いや、そんなはずはない!

・・・はっ、絵里ちゃん!

オレは急に絵里ちゃんが心配になってホテルの部屋に戻った。
 

98 :サボリン:2004/06/09(水) 22:00
 

 ガチャ。

「絵里ちゃん?」


   シ ー ン 。 。


「…絵里ちゃん?」スタタ。

「絵里ちゃん!?」バサッ。

「…絵里ちゃん…」コト。


・・・絵里ちゃんがいない。。


「絵里ちゃァーん!、どこいったンだよォ!?」



・・


オレは必死になってホテル中を走って探した。

が、1時間経っても絵里ちゃんは見つからず、

力尽きてロビーのソファーに倒れ込んだ。 バタッ。


・・・コレは夢だ。・・・やっぱり夢なんだ!

…とは言うのもの、腹が減った。。ぐぅ。
昨日の夜からなんにも食べてない。

・・・夢なのに腹が減るなんておかしいな。。

 

99 :サボリン:2004/06/09(水) 22:00
 
…オレはフラフラと外へ出て、駅前のコンビニに向かった。

カラカラン

コンビニまで歩いてくる途中も誰もいなかった。
コンビニに入ってももちろん誰もいない。

オレは無言でおにぎりを手にとって、
その場で開けてもぐもぐと食い始めた。。

と、外の通りに人影が見える!

赤いランドセルを背負った女の子が歩いていく。。

・・・ガタッ。

「…待って!、ちょっと待って、そこの女の子!」

オレは慌てて店を出て女の子をひきとめた。
女の子は歩みを止め、ゆっくりと振り返った。


「……」


道路の真ん中に突っ立って、無表情でオレを見つめる女の子。
……どっかで会ったような、、

「あっ、君、福引きの時にいた女の子でしょ?」
「…ふふ」

「小学生だったんだ…、
 はっ、…そんなことより、何が起きたのか知ってる?
 人が誰もいないんだけど?」
「…ふふ」
女の子は笑うだけで答えようとしない。
胸につけた名札には「村上愛」と書かれている。

「ねぇ、えーと、アイちゃん?」
「メグミです」
「…あ、ごめん、メグミって読むんだ…」
「……」
 

100 :サボリン:2004/06/09(水) 22:01
 
「ねぇ、なんで人が全然見あたらないのか知ってる?」
「それを知ってどうするの」
「えっ?」

「何故人がいなくなったのか
 その理由が分かれば安心できるの」
「そういうわけじゃなくてさ…」

「人は皆理由を知りたがる
 理由を知れば安心できる
 理由を知れば生きていける」
「……」
「生きているのは何のため
 神のため夢のため真理のため
 しかしそれらは全て無根拠な幻
 それらは人が生きていくために必要な
 一種の誤謬にすぎない」
「……?」

「では何を信じて生きていけばいいのか
 人が生きていくためには物語が必要
 嘘とわかっている物語をどうやって信じるのか
 信じるという行為は本来
 疑わしいものをあえて信じること
 信じるためには力が必要
 それが愛
 あなたには愛がありますか」

「…ちょ、ちょっと、さっきから何言ってんの?」
「…ふふ」にやっ。

・・・この女の子、ちょっとおかしい。。
 

101 :サボリン:2004/06/09(水) 22:01
 
「何を言ってるのかわからないの
 ちゃんと日本語で話してるのに
 意味は分かるけど意図がわからない
 いいえあなたは意味さえ理解していない
 あなたの話す日本語と私の話す日本語は違う」

「だから…何を…」 くらっ。。

「言語と同じく認識能力にも限界がある
 それを広げようとする力
 それが欲望
 欲望は個人を向上させ
 個々の欲望が重なりあい
 社会もまた結果として向上する
 しかし欲望は充足することなく求め続ける
 どんな感動も快楽も時間と共に惰性化する
 人は生きているからその停滞に耐えられない
 むしろその惰性と停滞そして忘却こそが
 新たな快楽の糧とも言える
 しかしそれを支配する法則は結局時間なのか」

「……」くらくら…。

「それは違う
 時間という観念もまた
 人の貧弱な言語が生み出した妄想
 では全てが言語の生み出した幻想なのか
 人はノイズとカオスを希求する
 そして言語を介さない直接的なコミュニケーションを
 夢想する」

「……」ぐらっ。

「昨夜のセックスはどうでしたか」にやっ。

「…なっ!、…君は、…オマエは誰なんだっ!?」

 

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