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石川・・・・・ボケー!!
- 1 :名無し娘。:2004/04/12(月) 18:27
- ノノ*^ー^)<石川!私の方が可愛くて輝いてるんじゃボケー!!
(0`〜´)<石川!私の方が可愛くて輝いてるんじゃボケー!!
从*・ 。.・从<石川!私の方が可愛くて輝いてるんじゃボケー!!
(;^▽^; )<・・・・
- 54 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:14
-
ねえ こんな適当な 生臭いキスに
どんなやさしさを感じればいいの
- 55 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:15
-
石黒彩 21歳
- 56 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:15
-
彼女はかつて21歳だった。
彼女はかつて21歳だった頃の自分をふと思い出す。
- 57 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:16
-
彼女は脱退発表の瞬間のビデオを見ていた。
そこには脱退するはずなどない安倍なつみと、自分が並べられていた。
どっちが脱退するかは、発表する前から誰の目にも明らかだった。
だがあの頃の苦々しい思いは、彼女の中ではもう薄れていた。
- 58 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:16
-
彼女は復帰後に一度だけ、たった一度だけ
安倍から送られた羨ましげな視線をふと思い出す。
作り笑顔が得意だった安倍が彼女に晒した、たった一度の素顔だった。
あの視線が石黒の中にある何かを溶かしていった。
- 59 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:16
-
上手に人生を立ち回っているように見えていた安倍とは対照的に、
飯田圭織は本音しか言えないような不器用な子だった。
飯田は彼女とタンポポで共に戦った。
飯田は最後の最後までモーニング娘。で戦っていた。
卒業する時に彼女が飯田に託した戦う心は、
飯田の中で燻る何かを燃やすことができたのだろうか。
- 60 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:17
-
彼女らは同じグループとは思えないようなバラバラな性格だった。
唯一つ、自分を輝かせたいという、同じ願いを抱えていた。
そして彼女らは立っていた。 同じ世界に立っていた。
かわってく心を、かわらない願いを抱えながら。
- 61 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:17
-
彼女が21歳だった頃
彼女がモーニング娘。だった頃
- 62 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:18
-
【第二章 了】
- 63 :名無し娘。:2004/06/08(火) 07:30
- おや
- 64 :名無し娘。:2004/06/08(火) 21:21
-
想像していたよりも実はずっとはやく
ぼくたちの空気はひどくサビついて
- 65 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/08(火) 21:22
-
【第三章】
- 66 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/08(火) 21:22
-
想像していたよりも実はずっとはやく
ぼくたちの空気はひどくサビついて
- 67 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/08(火) 21:23
-
市井紗耶香 16歳
- 68 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/08(火) 21:23
-
彼女はかつて16歳だった。
彼女はかつて16歳だった頃の自分をふと思い出す。
- 69 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/08(火) 21:23
-
人生の頂点にいたあの頃、彼女はまだたったの16歳だった。
80年生きたとしても、一体どれほどの人間が「人生の頂点」を迎えられるだろう。
あの時の彼女は無敵だった。
地球を逆に回すことだってできた。
- 70 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/08(火) 21:24
-
卒業が自分だけの勝手な都合だったとしても、
誰にも、あの頃よく話した保田にも、一言も文句は言わせなかった。
彼女は保田とは違った方法でモーニング娘。を愛していた。
それを一体どれだけのメンバーが理解していただろうか。
- 71 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/08(火) 21:24
-
それでも彼女は、自分がわずかながらも
他のメンバーに信頼されているという確信があった。
だからこそ彼女は理解してもらおうとは思わなかった。
自分をみんなと結びつけることよりは、解き放つことを選んだ。
全ての糸を切って、ただ誰にも邪魔されずに力一杯走りたかった。
誰かと比べられることには、もううんざりしていた。
たとえそれが後藤真希であったとしても、耐えることはできなかった。
- 72 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/08(火) 21:24
-
彼女は後藤を愛しながら憎んでいた。
16歳の時も、今も、それだけは永遠にかわらなかった。
二つの気持ちを後藤に捧げた。
その時彼女は信じることができた。
彼女の中で、後藤の中で、かわらないものを
ひとつずつ ひとつだけ
- 73 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/08(火) 21:25
-
彼女が16歳だった頃
彼女がモーニング娘。だった頃
- 74 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/08(火) 21:25
-
【第三章 了】
- 75 :名無し娘。:2004/06/09(水) 07:34
- あら
- 76 :名無し娘。:2004/06/09(水) 21:16
-
つないでたつもりの 心の糸は
もうほどけないくらい からまってちぎれそう
- 77 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/09(水) 21:16
-
【第四章】
- 78 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/09(水) 21:17
-
つないでたつもりの 心の糸は
もうほどけないくらい からまってちぎれそう
- 79 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/09(水) 21:17
-
中澤裕子 27歳
- 80 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/09(水) 21:18
-
彼女はかつて27歳だった。
彼女はかつて27歳だった頃の自分をふと思い出す。
- 81 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/09(水) 21:18
-
あの頃はまだ4期メンバーも幼く、線が細かった。
特に石川などは押せば壊れてしまいそうなほど弱々しかった。
あの時は後に石川から受け取れないほどのパワーを
もらうことになるとは想像もできなかった。
- 82 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/09(水) 21:18
-
27歳の彼女の記憶は多岐にわたる。
彼女の人生における真夏の時期だった。
そしてモーニング娘。の歴史においても真夏の時期だった。
彼女は卒業の日まで揺るぎない地位を築いた。
だがその日を境に彼女は居場所を求めてさ迷い続けることになる。
何もできない人間だと思い知らされた彼女は、ただ笑うことしかできなかった。
- 83 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/09(水) 21:19
-
そんな時彼女が思い出すのは福田だった。
居場所など求めていなかった福田の笑顔だった。
福田とはある意味辻や加護以上に年が離れていた感じだった。
福田と自分との間で通じ合っていたと感じた友情は
彼女だけの一方的な気持ちだったのだろうか。
- 84 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/09(水) 21:20
-
自分が27歳だったモーニング娘。の真夏の時期に福田はいなかった。
それはきっと偶然ではなくて必然だったのだろう。
そして今日も彼女は真冬の時期をただ笑って過ごしていた。
とりあえず場を保つためだけに笑っているのは
どうしたらいいかさえ、もうわかっていないから
- 85 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/09(水) 21:20
-
彼女が27歳だった頃
彼女がモーニング娘。だった頃
- 86 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/09(水) 21:21
-
【第四章 了】
- 87 :名無し娘。:2004/06/10(木) 12:20
- おお
- 88 :名無し娘。:2004/06/10(木) 20:49
-
君の中で ぼくの中で かわらないものを
ひとつずつ ひとつだけ
- 89 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/10(木) 20:50
-
【第五章】
- 90 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/10(木) 20:50
-
君の中で ぼくの中で かわらないものを
ひとつずつ ひとつだけ
- 91 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/10(木) 20:51
-
後藤真希 17歳
- 92 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/10(木) 20:51
-
彼女はかつて17歳だった。
彼女はかつて17歳だった頃の自分をふと思い出す。
- 93 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/10(木) 20:52
-
17歳という時間は永遠ではない。
そんなことはわかっていたが、17歳になったその日だけは、
彼女はその真理を忘れることができた。
彼女はこの先に栄光が待っているなどとは思っていなかった。
後に自分でも驚くほどに、正確にその後の状況を予想していた。
成功なんかどうでもよかった。
失敗なんかどうでもよかった。
- 94 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/10(木) 20:52
-
彼女は市井のことをふと思い出す。
彼女からもらった気持ちは大きすぎて受け取りきれないこともあった。
彼女は市井を愛しながら憎んでいた。
二つの気持ちを市井に捧げた。
市井は彼女のもとから去ったが、自分も結局はここを去ったのだ。
やはり成功など無意味だと彼女は思った。
- 95 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/10(木) 20:53
-
最後のステージの記憶は曖昧だった。
ただ加護とつないだ手の感触だけが不思議なくらいはっきりと残っていた。
加護の手が震えていたことに気づいた瞬間、
やはり永遠などというものは存在しないのだと彼女は思った。
- 96 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/10(木) 20:54
-
永遠よりも少し短い時間だったかもしれないが、彼女は加護の心に触れた。
その時、彼女は加護と心と心で交換することを望んだ。
彼女が加護に、加護が彼女に、求めてきたものを
ひとつずつ ひとつだけでいいから。
- 97 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/10(木) 20:55
-
彼女が17歳だった頃
彼女がモーニング娘。だった頃
- 98 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/10(木) 20:55
-
【第五章 了】
- 99 :名無し娘。:2004/06/11(金) 07:21
- まあ
- 100 :名無し娘。:2004/06/11(金) 12:50
- 100
- 101 :名無し娘。:2004/06/11(金) 22:42
-
ぼくは夜明けを待っていて 君は孤独を抱いていて
ぼくたちは出会い 二人で夜をこえた
- 102 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:43
-
【第六章】
- 103 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:44
-
ぼくは夜明けを待っていて 君は孤独を抱いていて
ぼくたちは出会い 二人で夜をこえた
- 104 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:44
-
保田圭 22歳
- 105 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:44
-
彼女はかつて22歳だった。
彼女はかつて22歳だった頃の自分をふと思い出す。
- 106 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:45
-
22歳の彼女はもう日陰の存在ではなかった。
だがその頃になっても、彼女は自分の感情を露にしたりはしなかった。
彼女は感情を上手く表現できない自分の不器用さに思いを馳せる。
感情を隠せない飯田圭織とは全く逆の不器用さだった。
飯田よりも誰よりも、彼女は飛び抜けて不器用だった。
- 107 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:45
-
だがモーニング娘。を愛しているということに関して、
飯田圭織に勝つことができるのは自分だけかもしれないと彼女は思う。
飯田から授かった強い精神は、彼女の中で確実に成長を遂げていた。
いつしか飯田をも超えるほどに、強く濃く深く。
- 108 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:45
-
強い愛は時に何よりも速く強い憎悪へと変わる。
二つの感情の競り合いの最中に彼女とは逆の方向へと消えた人間もいた。
彼女はふと市井紗耶香のことを思い出す。
彼女と市井を分ける線は一体どこで引かれたのだろうか。
- 109 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:46
-
「絶対戻ってくるよ」と言った市井に彼女は言葉をかけることができなかった。
あの時市井に「今でもモーニング娘。が好き?」と聞きたかったのに。
彼女が市井に投げかけることができたのは
切れてしまいそうなくらいか細い信頼という名の糸だけ。
- 110 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:47
-
22歳だった彼女に言葉をかけられなかった人間はいたのだろうか。
聞きたいことを聞けなかった人間がいたのだろうか。
全てを理解するには22歳という年齢はやはり若すぎたのだろうか。
22歳の彼女はただ必死だった。モーニング娘。の名を汚してはならないと。
- 111 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:47
-
そんな彼女の気持ちが報われることはなかった。
モーニング娘。を包む空気を彼女は変えることができなかった。
想像していたよりも実はずっとはやく
彼女たちの空気はひどくサビついて
- 112 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:48
-
彼女が22歳だった頃
彼女がモーニング娘。だった頃
- 113 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:48
-
【第六章 了】
- 114 :名無し娘。:2004/06/12(土) 09:16
- うん
- 115 :名無し娘。:2004/06/12(土) 12:03
-
安全と冒険で君はどっちへ行く?
退屈と充実で君はどっちをとる?
- 116 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/12(土) 12:04
-
【第七章】
- 117 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/12(土) 12:04
-
安全と冒険で君はどっちへ行く?
退屈と充実で君はどっちをとる?
- 118 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/12(土) 12:04
-
安倍なつみ 22歳
- 119 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/12(土) 12:05
-
彼女はかつて22歳だった。
彼女はかつて22歳だった頃の自分をふと思い出す。
- 120 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/12(土) 12:05
-
脱退の瞬間、彼女は不思議と寂しさを感じなかった。
脱退が寂しいと感じたのは、福田明日香の時だけだったかもしれない。
彼女に勇気を分け与えてくれた福田の脱退は寂しかった。
だけどあの時、誰よりも寂しがった弱い彼女はもうそこにはいなかった。
- 121 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/12(土) 12:06
-
福田から受け取った勇気を胸に、彼女は奇妙な冒険を続けた。
冒険を終えたその時、勇気という言葉はもはや彼女と一体だった。
自分がモーニング娘。であることを誰よりも誇りに思っていた。
モーニング娘。と運命を共にすることが彼女の人生だった。
- 122 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/12(土) 12:06
-
22歳。石黒彩はもう母親になっていた年だろうか。
丁度彼女が脱退する頃に、石黒は主婦として芸能界に帰ってきた。
「羨ましい」とあの時率直に石黒に感じた嫉妬心は、
彼女が石黒に渡すことができる、唯一の本心だった。
- 123 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/12(土) 12:07
-
男はいらない。子供が欲しい。
柄にもなく彼女はそんなことを思った。
モーニング娘。を脱退した今、こんな適当な環境で
誰から、どんなやさしさを感じればいいの?
- 124 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/12(土) 12:07
-
彼女が22歳だった頃
彼女がモーニング娘。だった頃
- 125 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/12(土) 12:08
-
【第七章 了】
- 126 :名無し娘。:2004/06/13(日) 00:54
- ほう
- 127 :名無し娘。:2004/06/13(日) 07:54
-
そんなにかんたんに えらべるくらいなら
なんの迷いもなく 幸せになれるか
- 128 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/13(日) 07:55
-
【第八章】
- 129 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/13(日) 07:55
-
そんなにかんたんに えらべるくらいなら
なんの迷いもなく 幸せになれるか
- 130 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/13(日) 07:56
-
辻希美 17歳
- 131 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/13(日) 07:56
-
彼女はかつて17歳だった。
彼女はかつて17歳だった頃の自分をふと思い出す。
- 132 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/13(日) 07:57
-
加護と一緒の卒業だった。
加護は自分ほど泣いてはいなかったが、
加護の方が多分ずっと辛い思いをしている。彼女はそう感じた。
加護の発する悲しみのオーラはいつにも増して強烈だったが、
彼女はそれを避けようとは思わなかった。
- 133 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/13(日) 07:58
-
彼女は自分の将来についてかなり楽観していた。
加護とも、これからもわりあい上手くやっていけるだろうと思っていた。
性格は全然違うが、そんなことはあまり大きな問題じゃなかった。
彼女はこれからも、今までのように自分の直感を信じていこうと思っていた。
- 134 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/13(日) 07:59
-
残されたメンバーもきっと上手くやっていくだろうと思っていた。
まだ吉澤がいた。石川もいた。
彼女は石川とじゃれていた日々を思い出す。
あれほど鬱陶しい人間もなかなかいない。
何度も泣かしたがそれもいい思い出だった。
向こうはどう思っていたか知らないが、誰が何と言おうと、
彼女が石川に注いだのは、憎しみではなくて愛情だった。
- 135 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/13(日) 07:59
-
全然性格が合わない人間だからこそ教えられることもある。
例えば、愛することも、愛されることも、そんなに難しくないってこと。
みんなが私に、私がみんなに、求めてきたものを
ひとつずつ、ひとつだけ、返していけばいい。
- 136 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/13(日) 08:00
-
彼女が17歳だった頃
彼女がモーニング娘。だった頃
- 137 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/13(日) 08:00
-
【第八章 了】
- 138 :名無し娘。:2004/06/13(日) 18:57
- ふむ
- 139 :名無し娘。:2004/06/14(月) 07:40
-
君がぼくに ぼくが君に 求めてきたものを
ひとつずつ ひとつだけ
- 140 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:40
-
【第九章】
- 141 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:40
-
君がぼくに ぼくが君に 求めてきたものを
ひとつずつ ひとつだけ
- 142 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:41
-
加護亜依 16歳
- 143 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:41
-
彼女はかつて16歳だった。
彼女はかつて16歳だった頃の自分をふと思い出す。
- 144 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:41
-
あの頃は、一年経つのが人生で一番速く感じる時期だった。
安倍も後藤も去ったモーニング娘。だったが、彼女は楽しかった。
後藤が脱退した時に、後藤と交換した大切な宝物は、
卒業するまで、そして卒業する時も誰とも交換することはなかった。
- 145 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:42
-
夏が暑いことも、冬が寒いことも気づかないくらい走った。
何度も倒れた。いつも誰かに助けてもらっていた。
卒業していった先輩達の顔が浮かんでは消える。
皆、最後の瞬間はとても幸せそうだった。
- 146 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:42
-
彼女は違った。
間違いなく不幸せだった。
未練があった。
辞めたくなかった。
時間が止まってほしかった。
逆周りしてほしかった。
- 147 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:43
-
辻はそうではないみたいだった。
わんわん泣いていたが、いつもの辻だった。
彼女は全ての悲しい気持ちを辻に押し付けた。
辻は黙ってただそれを受け止めているように見えた。
- 148 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:43
-
自分のためか。モーニング娘。のためか。
辻の中ではもう答が出ているように彼女には見えた。
そんなにかんたんにえらべるくらいなら
なんの迷いもなく幸せになれるのに。
- 149 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:43
-
彼女が16歳だった頃
彼女がモーニング娘だった頃
- 150 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:44
-
【第九章 了】
- 151 :名無し娘。:2004/06/14(月) 12:26
- やあ
- 152 :名無し娘。:2004/06/15(火) 07:33
-
そしてぼくらは立っている 同じ世界に立っている
かわってく心 かわらない願い
- 153 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/15(火) 07:34
-
【第十章】
- 154 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/15(火) 07:35
-
そしてぼくらは立っている 同じ世界に立っている
かわってく心 かわらない願い
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