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石川・・・・・ボケー!!

53 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:14

【第二章】

54 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:14


ねえ こんな適当な 生臭いキスに

どんなやさしさを感じればいいの
 

55 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:15

 石黒彩      21歳

56 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:15


彼女はかつて21歳だった。
彼女はかつて21歳だった頃の自分をふと思い出す。
 

57 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:16


彼女は脱退発表の瞬間のビデオを見ていた。
そこには脱退するはずなどない安倍なつみと、自分が並べられていた。

どっちが脱退するかは、発表する前から誰の目にも明らかだった。
だがあの頃の苦々しい思いは、彼女の中ではもう薄れていた。
 

58 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:16


彼女は復帰後に一度だけ、たった一度だけ
安倍から送られた羨ましげな視線をふと思い出す。

作り笑顔が得意だった安倍が彼女に晒した、たった一度の素顔だった。
あの視線が石黒の中にある何かを溶かしていった。
 

59 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:16


上手に人生を立ち回っているように見えていた安倍とは対照的に、
飯田圭織は本音しか言えないような不器用な子だった。

飯田は彼女とタンポポで共に戦った。
飯田は最後の最後までモーニング娘。で戦っていた。

卒業する時に彼女が飯田に託した戦う心は、
飯田の中で燻る何かを燃やすことができたのだろうか。
 

60 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:17


彼女らは同じグループとは思えないようなバラバラな性格だった。
唯一つ、自分を輝かせたいという、同じ願いを抱えていた。

そして彼女らは立っていた。 同じ世界に立っていた。
かわってく心を、かわらない願いを抱えながら。
 

61 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:17


彼女が21歳だった頃
彼女がモーニング娘。だった頃
 

62 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/07(月) 21:18

【第二章  了】

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0ch BBS 2006-02-27