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石川・・・・・ボケー!!

153 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/15(火) 07:34

【第十章】

154 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/15(火) 07:35


そしてぼくらは立っている 同じ世界に立っている

かわってく心 かわらない願い
 

155 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/15(火) 07:35

 飯田圭織      23歳

156 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/15(火) 07:36


彼女はかつて23歳だった。
彼女はかつて23歳だった頃の自分をふと思い出す。
 

157 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/15(火) 07:36


彼女はモーニング娘。に残った最後のオリジナルメンバーだった。
だがそれに大した意味などなかった。
結婚・出産後、石黒彩が復帰してきたときに、彼女はそれに気づいた。

石黒と共有していた戦う精神を、彼女はずっと忘れていた。
中澤や石黒や安倍や福田と戦った頃の彼女は、もうそこにはいなかった。
タンポポで石黒や矢口と戦った頃の彼女も、もうそこにはいなかった。
 

158 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/15(火) 07:37


リーダーだったこともあまり意味はなかった。
野心がなくなった自分にはもう存在価値などない。
彼女はそう思っていた。

野心がなくなっても彼女の不器用さは変わらなかった。
自分の感情をコントロールできるようになったのは、もっと後のことだった。
 

159 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/15(火) 07:37


ずっと日陰の存在でもかまわない。
彼女は保田圭とそんな言葉を交わしたことを思い出す。

あの時も保田は感情を表には出さなかったが、
彼女は自分の感情を抑えることはできなかった。
 

160 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/15(火) 07:37


でも保田の秘めた思いは、自分のそれを凌いでいたのではと彼女は思う。
いつの間にか彼女が抱えていた精神は、保田に引き継がれていたのかもしれない。

保田は夜明けを待っていて、彼女は孤独を抱いていた。
二人の精神は出会うべくして出会い、二人で夜をこえた。
 

161 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/15(火) 07:38


彼女が23歳だった頃
彼女がモーニング娘。だった頃
 

162 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/15(火) 07:38

【第十章  了】

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0ch BBS 2006-02-27