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石川・・・・・ボケー!!

140 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:40

【第九章】

141 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:40


君がぼくに ぼくが君に 求めてきたものを

ひとつずつ ひとつだけ
 

142 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:41

 加護亜依      16歳

143 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:41


彼女はかつて16歳だった。
彼女はかつて16歳だった頃の自分をふと思い出す。
 

144 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:41


あの頃は、一年経つのが人生で一番速く感じる時期だった。
安倍も後藤も去ったモーニング娘。だったが、彼女は楽しかった。

後藤が脱退した時に、後藤と交換した大切な宝物は、
卒業するまで、そして卒業する時も誰とも交換することはなかった。
 

145 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:42


夏が暑いことも、冬が寒いことも気づかないくらい走った。
何度も倒れた。いつも誰かに助けてもらっていた。

卒業していった先輩達の顔が浮かんでは消える。
皆、最後の瞬間はとても幸せそうだった。
 

146 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:42


彼女は違った。
間違いなく不幸せだった。

未練があった。
辞めたくなかった。

時間が止まってほしかった。
逆周りしてほしかった。
 

147 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:43


辻はそうではないみたいだった。
わんわん泣いていたが、いつもの辻だった。

彼女は全ての悲しい気持ちを辻に押し付けた。
辻は黙ってただそれを受け止めているように見えた。
 

148 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:43


自分のためか。モーニング娘。のためか。
辻の中ではもう答が出ているように彼女には見えた。

そんなにかんたんにえらべるくらいなら
なんの迷いもなく幸せになれるのに。
 

149 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:43


彼女が16歳だった頃
彼女がモーニング娘だった頃
 

150 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/14(月) 07:44

【第九章  了】

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0ch BBS 2006-02-27