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石川・・・・・ボケー!!

102 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:43

【第六章】

103 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:44


ぼくは夜明けを待っていて 君は孤独を抱いていて

ぼくたちは出会い 二人で夜をこえた
 

104 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:44

 保田圭      22歳

105 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:44


彼女はかつて22歳だった。
彼女はかつて22歳だった頃の自分をふと思い出す。
 

106 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:45


22歳の彼女はもう日陰の存在ではなかった。
だがその頃になっても、彼女は自分の感情を露にしたりはしなかった。

彼女は感情を上手く表現できない自分の不器用さに思いを馳せる。
感情を隠せない飯田圭織とは全く逆の不器用さだった。
飯田よりも誰よりも、彼女は飛び抜けて不器用だった。
 

107 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:45


だがモーニング娘。を愛しているということに関して、
飯田圭織に勝つことができるのは自分だけかもしれないと彼女は思う。

飯田から授かった強い精神は、彼女の中で確実に成長を遂げていた。
いつしか飯田をも超えるほどに、強く濃く深く。
 

108 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:45


強い愛は時に何よりも速く強い憎悪へと変わる。
二つの感情の競り合いの最中に彼女とは逆の方向へと消えた人間もいた。

彼女はふと市井紗耶香のことを思い出す。
彼女と市井を分ける線は一体どこで引かれたのだろうか。
 

109 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:46


「絶対戻ってくるよ」と言った市井に彼女は言葉をかけることができなかった。
あの時市井に「今でもモーニング娘。が好き?」と聞きたかったのに。

彼女が市井に投げかけることができたのは
切れてしまいそうなくらいか細い信頼という名の糸だけ。
 

110 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:47


22歳だった彼女に言葉をかけられなかった人間はいたのだろうか。
聞きたいことを聞けなかった人間がいたのだろうか。

全てを理解するには22歳という年齢はやはり若すぎたのだろうか。
22歳の彼女はただ必死だった。モーニング娘。の名を汚してはならないと。
 

111 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:47


そんな彼女の気持ちが報われることはなかった。
モーニング娘。を包む空気を彼女は変えることができなかった。

想像していたよりも実はずっとはやく
彼女たちの空気はひどくサビついて
 

112 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:48


彼女が22歳だった頃
彼女がモーニング娘。だった頃
 

113 :吉澤承太郎 ◆JOJO7O5k :2004/06/11(金) 22:48

【第六章  了】

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0ch BBS 2006-02-27